1:2017/03/07(火) 21:09:04.087 ID:2tHQKk7v0.net
ヴィーネ「まさかまた一人でご飯を……?」オイカケ

ガヴリール「実はひとりが好きなんじゃね」

ヴィーネ「あっ、あっち入ってくわよ」

ガヴリール「なんだなんだ?」チラッ


サターニャ「……待たせたわね/////」

ラフィエル「サターニャさん!」

ガヴリール「あれ?ラフィじゃん」

ヴィーネ「あの2人もしかして一緒にご飯食べてるの?」

ラフィエル「今日もお弁当作ってきたんですよ♪」

サターニャ「んふふ、いい心がけね」

ヴィーネ「なんかすごい仲いいわね」

ガヴリール「付き合ってんじゃね?」
2:2017/03/07(火) 21:10:10.286 ID:oM0B8J2L0.net
ほう
31:2017/03/07(火) 23:22:54.402 ID:HEBqrWE80.net
>>1


ラフィエル「当然ですよ~」

ラフィエル「だって私は、サターニャさんの弟子ですから」

サターニャ「いや、弟子はもうクビになったわよ。ラフィエル」

ラフィエル「そのあと色々あって」

ラフィエル「もう一度許可してくれたじゃないですか~」

ラフィエル(本当はしていませんが)

ラフィエル(サターニャさんなら――)

サターニャ「いや、してないしてない」

ラフィエル「!!?」

ラフィエル(き、記憶力が向上している……?)

ラフィエル(仕方ありません)

ラフィエル「そ、そんなことよりも早くお弁当いただきましょう」
32:2017/03/07(火) 23:25:11.289 ID:HEBqrWE80.net
ラフィエル(そう言って私が階段に腰かけると)

サターニャ「ふっふっふっふ……」

サターニャ「甘いわね、ラフィエル!」

ラフィエル(サターニャさんは額に手を宛がう悪魔的ポーズを決めながら)

ラフィエル(愛おしく思う自信に満ち満ちた笑みを浮かべた)

サターニャ「今日は行くわよ。ついてきなさい」

ラフィエル「行くって……どちらに?」

サターニャ「ふっ……上よ」

ラフィエル(上……屋上でしょうか?)

グイッ

ラフィエル「っ!」

サターニャ「ほら、さっさと行くわよ!」

ラフィエル(時間がないんだから! と)

ラフィエル(私の手を取ったサターニャさんは)

ラフィエル(私が顔を上げるよりも早く、前を向く。あるいは、上を向く)
33:2017/03/07(火) 23:25:25.015 ID:HEBqrWE80.net
ラフィエル(ほんのりと赤い耳は)

ラフィエル(きっと、サターニャさんの髪色のせい)

ラフィエル(なら、ほんのりと熱い私の顔は……悪魔に触れたせいでしょう)

ラフィエル「鍵、開いてるんですか?」

サターニャ「!」

サターニャ「……………」

サターニャ「も、もっちろんよ!」

ラフィエル(普段は鍵が閉まっている屋上)

ラフィエル(昼休みだからと一般開放しているわけもなく)

ラフィエル(見栄を張ったサターニャさんの言葉に、反論することは簡単です)

ラフィエル(ですが)

ラフィエル「なら、急ぎましょう」ギュッ

サターニャ「!」

サターニャ「そ、そうね!」バッ

ラフィエル(サターニャさんはいけずです)

ラフィエル(自分から掴んでおきながら、掴めば逃れる……でも、そんなとこリがまた、愛おしいのです)
34:2017/03/07(火) 23:25:37.378 ID:HEBqrWE80.net
ガチャガチャガチャ

ラフィエル「……………」

サターニャ「……………」

ガチャガチャガチャ

サターニャ「……ごめん、開いてなかった」

ラフィエル(ですよねー)ツヤツヤ

ラフィエル(ふふっ、落ち込んでいるサターニャさんは――)

サターニャ「せっかく今日は晴れてるのにーっ!」

ラフィエル「サターニャさん、明日でも」

サターニャ「これからしばらく雨なのよ! 降水確率50%は確実!」

サターニャ「メロンパンを奪いに来る犬との遭遇率と五分……確実に降るわ!」

ラフィエル(それは降るとは限りませんが……)

ラフィエル「そんなに、屋上でお昼が食べたかったんですか?」

サターニャ「そういうわけじゃ……いや、そう言うわけでもあるかもしれないけど」
36:2017/03/07(火) 23:25:58.867 ID:HEBqrWE80.net
ラフィエル(サターニャさんは困ったように言って)

ラフィエル(何でもいいじゃない。仕方がないからここで食べるわよ! と)

ラフィエル(階段のところを手で払う。サターニャさんと、私。二人分のスペースを)

サターニャ「何してんのよラフィエル」

ラフィエル「え、あ、はい」

ラフィエル「失礼しますね」

サターニャ「ふふんっ、ここならメロンパンを奪われる心配もないわね」

ラフィエル(呼ばなければ来ませんよ~)

ラフィエル(……そう、呼ばなければ)

ラフィエル(最近はこの時間、二人でいる時間。呼ぶことが無くなった)
37:2017/03/07(火) 23:26:12.961 ID:HEBqrWE80.net
ラフィエル「ではでは、今日のお弁当はこちらで~す」

ラフィエル(サターニャさんは味音痴)

ラフィエル(だから、これなら反応するのだろうか。なんて)

ラフィエル(悪戯盛りだくさんのお弁当を作ったのが始まりだった)

ラフィエル(それが今では)

サターニャ「おー、なんか売り物みたいに見えるわね!」

サターニャ「流石ラフィエル! これだけは褒めて遣わす!」

ラフィエル「ふふふっ、一応一人暮らしですからね~」

ラフィエル(朝早く起きてのお弁当作り)

ラフィエル(いつの間にか消えた悪戯調味料、出来上がる自分でも満足いくお弁当)

ラフィエル(あぁ、何事ですか……いえ、理由は分かっていますが)チラッ

サターニャ「んーおいしーっ!」モグモグ

ラフィエル(味音痴だから何を食べても同じことを言う。それが分かっているのに)

ドキドキ

ラフィエル(どうしてこうも、全力を喜ばれることが嬉しいのか)

ラフィエル「それは良かったです」
38:2017/03/07(火) 23:26:25.003 ID:HEBqrWE80.net
ラフィエル(私が変なことを言ったわけではないのに)

ラフィエル(サターニャさんは頬張るものを飲み込んで、次を口に入れることなく箸をおくと)

ラフィエル(ちらりと、私を見て、息をついた)

サターニャ「……本当はさ」

ラフィエル「? はい」

サターニャ「外で食べると気持ちいいかなーって思った」

サターニャ「……それも違う」

ラフィエル「サターニャさん?」

サターニャ「前に一人でいたとき、ガヴリールとヴィネットにつけられてて」

サターニャ「今も何となく、そこの踊り場を曲がったらいるんじゃないかとか、思ってて」

サターニャ「まぁ、考え過ぎだとは思うけど」
39:2017/03/07(火) 23:26:36.129 ID:HEBqrWE80.net
ラフィエル(サターニャさんは二人が居ることを嫌がっているわけじゃないのは、顔を見ていれば分かる)

ラフィエル(むしろ、口では色々言い合ったりと、面白い……いざこざのようなものを毎回起こしているけれど)

ラフィエル(とても、楽しそうで、幸せそうで)

サターニャ「……なんというか、気が散るのよ」

ラフィエル「何か考え事でもしたいんですか?」

ラフィエル「悩みなら、天使ですので。お伺いしますよ?」

サターニャ「いや、あんたに話してもしょうがないし」

ラフィエル「そ、そうですか」

ラフィエル(サターニャさんのはっきりとした拒絶)

ラフィエル(理由があるのだから仕方がないことだと分かっていても)

ラフィエル(それは、胸に痛い)
40:2017/03/07(火) 23:26:48.751 ID:HEBqrWE80.net
サターニャ「……………」

サターニャ「ラフィエルはガヴリールとヴィネットを見ててどう思うのよ」

ラフィエル「えっ?」

サターニャ「だから、二人! 見ててどう思うのかなって」

ラフィエル(相談できないと言ったそばからの問いかけに)

ラフィエル(私は戸惑いながら、二人を思い浮かべる)

ラフィエル「仲、良いと思いますよ」

ラフィエル「ガヴちゃんは甘えすぎている気がしますし、ヴィーネさんは甘やかしすぎていると思いますが」

ラフィエル「その過ぎた部分が上手くかみ合って、逆にバランスが取れていると思います」

サターニャ「じゃぁさ。ラフィエル」

ラフィエル(サターニャさんは普段見せないような)

ラフィエル(物憂げな表情を浮かべて、私を見る)

ラフィエル(それはまるで、そのお二人のどちらかを諦めているかのような――)

サターニャ「ラフィエルはその……二人が付き合うーみたいな展開になったらどう思う?」

ラフィエル「それは」

サターニャ「やっぱり、天使と悪魔が。女の子同士が」

サターニャ「そんなのおかしいって思う?」
41:2017/03/07(火) 23:27:00.039 ID:HEBqrWE80.net
ラフィエル(どう答えれば良いのか)

ラフィエル(何が正解なのか)

ラフィエル(何もわからなくて)

ラフィエル「そんなことは思いません!」

ラフィエル(気づいたら、声を上げていた)

ラフィエル(びっくりしたサターニャさんの目が、私を見る)

ラフィエル「愛は平等です。男は女と、女は男と。そのような隔たりは見えない壁のようなもの」

ラフィエル「人々が勝手に作り上げた愛の形にすぎません」

ラフィエル「愛とは自由でなければいけません。ですから」

ラフィエル「ですから……」

ラフィエル(何を熱弁しているのかと)

ラフィエル(ふと、我に返った時)

ラフィエル(サターニャさんはなぜか、嬉しそうに笑みを浮かべて)

ラフィエル(そっか、ラフィエルはそうなのね。と)

ラフィエル(それだけ言って、また。お弁当を食べ進めていく)
42:2017/03/07(火) 23:27:12.328 ID:HEBqrWE80.net
ラフィエル「あの、サタ――」

サターニャ「ラフィエル」

ラフィエル「……なんですか?」

サターニャ「…………」

ラフィエル(サターニャさんは何かを言いかけてお箸を止めたけれど)

ラフィエル(またすぐにおかずを口に入れて、咀嚼して、飲み込んで)

サターニャ「最近ガヴリールが金欠らしくて、バイト一日だけ増やしたらしいのよ!」

サターニャ「その出勤日が今日らしいのよねぇ? 一緒に行かない?」

ラフィエル(にやにやとした、悪だくみしている顔)

ラフィエル(いつもの、サターニャさんらしい顔)

ラフィエル「はいっ、放課後は丁度暇ですし、ガヴちゃんの貴重な姿が見れるのなら」

ラフィエル「いかない手はないですよ~、もちろん。ご一緒します」
43:2017/03/07(火) 23:27:24.548 ID:HEBqrWE80.net
ラフィエル(私は私の気持ちを打ち明けない)

ラフィエル(今のこの関係が壊れてしまうかもしれないから)

ラフィエル(そんな臆病な私のすぐ横で)

ラフィエル(サターニャさんはまた、顔を赤くして)

サターニャ「そーいえば、明日学校休みだし」

サターニャ「このお弁当のお礼に。私の家に正式に招待してやってもいいわ!」

ラフィエル「良いんですか?」

サターニャ「勝手に入ってきたなら追い出すけど。これは正式なアレなんだから良いのよ!」

ラフィエル(それよりもどうする? と、聞いてきたサターニャさんに、ほほ笑みを向けて、ぜひとも。と、答える)

ラフィエル(私も、サターニャさんも。顔が赤い)

ラフィエル(私も、サターニャさんも、言葉は何も紡がない)

ラフィエル(でも、願わくば同じ気持ちでありますようにと、願う)
44:2017/03/07(火) 23:28:29.689 ID:HEBqrWE80.net
ラフィエル「あっ、時間ですね」

ラフィエル(それから他愛ない話―ガヴちゃん職場見学―をしていると)

ラフィエル(時間はあっという間に過ぎて)

サターニャ「それじゃ、戻るわよ」

ラフィエル(一足先に立ち上がったサターニャさんは自分のスカートを払うと)

ラフィエル(私に手を差し出してくれて)

ラフィエル「そうですね」

ラフィエル(考える間もなく手を取り、行きの時のように少しだけ力を籠めると)

ラフィエル「!」

ラフィエル(少しだけ、握り返して来てくれた)

ラフィエル「ふふふっ」

サターニャ「……………」

サターニャ(……自由で良い。自由で良いのよね。ラフィエル)

サターニャ(なら、私は……)

サターニャ(少しだけ、頑張ってみようと思った)
49:2017/03/07(火) 23:47:18.215 ID:HEBqrWE80.net
ガヴリール「サターニャとラフィエルって、仲良いよな」

サターニャ「な、なによ突然!」

ガヴリール「いや、昼の奴見ちゃってさ~」

サターニャ(放課後、ガヴリールのバイト先に行くと)

サターニャ(ガヴリールはなぜか、追い出すことなく迎え入れて)

サターニャ(……何か嫌な予感するとは思ったけど)

サターニャ(やっぱりみられてた~っ!)

ラフィエル「あらあら~」

ガヴリール「ラフィ、顔赤くなってるぞ」

ラフィエル「そ、そんな」

サターニャ「ちょっ」

サターニャ(確かに、薄く赤くなっていたような気がするけど)

サターニャ(慌てたように顔を隠すしぐさは)

サターニャ(なんというか、そう言うあれで)

ガヴリール「……フッ」ニヤニヤ

サターニャ「ぐぬぬ……!」

サターニャ(ガヴリールの職場見学は、失敗に終わった)
54:2017/03/07(火) 23:57:48.131 ID:HEBqrWE80.net
サターニャ「どうしたのよ。あんたらしくないわね」

ラフィエル「いえ、その……」

ラフィエル「まんまとやられてしまいました」

サターニャ(ラフィエルはまだ赤い顔を背けると)

サターニャ(そんなことを言って……)

サターニャ「と、とりあえず入っていいわよ」

ラフィエル「お邪魔します」

サターニャ「う、うん」

サターニャ(大人しいラフィエルだからか)

サターニャ(正式に家に呼んで連れてきたからか)

サターニャ(凄く、ドキドキする)
57:2017/03/08(水) 00:06:09.044 ID:HabhUA/c0.net
サターニャ「の、飲み物は?」

ラフィエル「あるもので平気ですよ」

サターニャ「じゃ、じゃぁ……カフェオレで」ガチャッ

ラフィエル「有難うございます」

サターニャ(ぎこちなかった)

サターニャ(いつもからかってくるラフィエルが)

サターニャ(大人しいから。だから、どうすればいいのか、分からなくて)

サターニャ「う、うぅ、うぅぅ」

サターニャ(いつものようにすることさえできなかった)

サターニャ「ラ、ラフィエル」

ラフィエル「な、なんでしょうか」

サターニャ「い、いつもみたいにしててくれない?」
60:2017/03/08(水) 00:13:02.910 ID:HabhUA/c0.net
サターニャ(いつもは止めてくれとか思うのに)

サターニャ(無くなってみると、困る)

サターニャ(それはたぶん、相手がラフィエルだから)

ラフィエル「いつものように……ですか?」

サターニャ「そ、そうよ!」

サターニャ「あんたがそんな調子だと私まで狂うって言うか……」

サターニャ「別に、ああいうことされて嬉しいわけじゃないけど」

サターニャ「でも、明るいラフィエルの方が相手しやすい」

ラフィエル「そう言われましても」

ラフィエル「誘ってくださったのは、サターニャさんでは?」

サターニャ「う゛」

サターニャ(それはそうだけどーっ!)
63:2017/03/08(水) 00:18:09.424 ID:HabhUA/c0.net
サターニャ(本当は口にしたかった言葉を)

サターニャ(心の中で叫んで、ラフィエルを見る)

サターニャ「そ、そうね」

サターニャ(私がラフィエルを誘った)

サターニャ(なんで?)

サターニャ(……頑張ろうと思ったから)

サターニャ(………………)

サターニャ「私が誘ったのは、ラフィエル」

サターニャ(息を吸う。慎重に、大きく、でも、静かに)

サターニャ(それで――)

サターニャ「あんたにたいせちゅ……」

サターニャ「……こほんっ///」

サターニャ「あんたに言いたいことがあったからよ」
65:2017/03/08(水) 00:26:30.217 ID:HabhUA/c0.net
サターニャ(そもそも、屋上が開いていたら)

サターニャ(そこでちゃんと話そうと思っていたんだから)

サターニャ(ラフィエルが天使と悪魔、女同士についてどう思ってるのかを知ったくらいで)

サターニャ(ドキドキしすぎなのよ)

サターニャ(沈まれ、デビルハート!)

ドキドキ

ドキドキ……

サターニャ(なんて、無理よね。っていうか、なんか痛くなってきた……!)

ラフィエル「サターニャさん。私は、その……」

ラフィエル「サターニャさんとこのまま過ごすことも悪くないと思っています」

ラフィエル「ただの友達で」

ラフィエル「天使と悪魔で」

ラフィエル「学生としての生活、人間としての生活を」

ラフィエル「ごく普通に過ごしていくのも、悪くないと思ってます」
68:2017/03/08(水) 00:34:20.676 ID:HabhUA/c0.net
サターニャ(普通の生活……)

サターニャ(いつもみたいに、ちょっと嫌なこともあるけど)

サターニャ(楽しいと思える生活……)

ラフィエル「サターニャさんは、どうですか?」

サターニャ「私は……」

サターニャ(悪くない)

サターニャ(むしろそれでいい)

サターニャ(そのままでも、十分。私は)

サターニャ(私達は、楽しく生きていける)

サターニャ「悪く、ないわね」

ラフィエル「でしたら――」

サターニャ「でも、大悪魔である私は我儘なのよ。ラフィエル!」
69:2017/03/08(水) 00:42:32.319 ID:HabhUA/c0.net
サターニャ(でも、それではだめだって思った)

サターニャ(友達のままだったら、このままだったら)

サターニャ「良いか悪いかに興味はないわ。目指すは超良いやつ! だからあえて私は言うわ!」

サターニャ「ラフィエル、私はあんたが欲しい」

サターニャ「天使だろうが、おんなじ女の子だろうが、あんたが欲しいのよ! 白羽=ラフィエル=エインズワース!」

ラフィエル「!」

ラフィエル「サ、サターニャさん……」

サターニャ(いつか、ラフィエルは私以外の誰かと幸せになっていく)

サターニャ(私だって、ラフィエル以外の誰かと幸せになっていくかもしれないけど)

サターニャ(未来の事とか、考えられるほど頭良くないし)

サターニャ(今を大切にしたいから)

サターニャ「……どう?」

サターニャ(だから私は、ラフィエルに手を差し伸べる)
73:2017/03/08(水) 00:54:31.766 ID:HabhUA/c0.net
ラフィエル「サターニャさん……そんな、我儘なこと……」

サターニャ「分かってるわよ」

サターニャ(我儘だっていい、自由だって良い)

サターニャ(そう言ったのはあんたでしょうが。と)

サターニャ(心の中で呻き声を上げると、ラフィエルの金色の瞳が、私を見て)

ラフィエル「私も我儘です」

ラフィエル「今まででわかりませんか? とても意地悪なんですよ?」

ラフィエル「面白がって悪戯をするような天使なんですよ?」

サターニャ「世界を統べる王たる大悪魔は、世界以上に広い心を持ってるものよ!」

サターニャ「そんなの……全部ひっくるめて求めてるに決まってるじゃない」

サターニャ(取り戻したいつもの調子)

サターニャ(加速する胸の奥を抑えながら、最後の一押しを言うと)

サターニャ「!?」

サターニャ(ラフィエルはぐっと前かがみになって、私の手を掴む)

ラフィエル「私も」

ラフィエル「私も、サターニャさんの傍が嬉しいです。友人でも構わない」

ラフィエル「けれど、出来るのならば……お隣が良いです」
74:2017/03/08(水) 01:00:35.994 ID:HabhUA/c0.net
サターニャ「……許可する」

サターニャ(自分でも何様のつもりなんだろう。なんて)

サターニャ(考えちゃうけど)

サターニャ(でも、勢い任せにそう言った私は)

サターニャ(そのままラフィエルの手を引いて、抱きしめる)

サターニャ「……好き」

ラフィエル「はい」

サターニャ(この時ばかりは)

サターニャ(頭の分、力があってよかったな。なんて思って)

ラフィエル「好きですよ。サターニャさん」

サターニャ「私も」

サターニャ(考える頭を真っ白にして、ただただ。ラフィエルの温かさと柔らかさを。感じた)
76:2017/03/08(水) 01:03:33.056 ID:HabhUA/c0.net
完!
こんな時間まで保守閲覧thx
77:2017/03/08(水) 01:04:57.480 ID:HabhUA/c0.net
相変わらず
SSらしさが分からない。心理描写を省けばいけるかな
79:2017/03/08(水) 01:06:11.524 ID:eQoZ0wyb0.net

多くの場合SSはセリフと効果音が中心でこんだけ心理描写入れるSSは割と独特だな俺は嫌いじゃないけどな
80:2017/03/08(水) 01:07:06.254 ID:HKXbXnpN0.net
乙です
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1488888544