1:2020/04/12(日) 01:06:16
兄「どうって?」

義妹「えっと……最近、新しい家族が増えたでしょ?私、お兄ちゃんとは血は繋がってないから……」

兄「家族だと思ってるよ、お前が産まれてきた頃からずっと側にいるんだから。勿論、アイツとは血が繋がってるし本物の家族だとは思うよ」

兄「けど、父さんが離婚して俺を連れていった時はアイツはまだ前の母さんの腹の中で、その次に会ったのが最近で…だから、お前の方が妹としてはしっくり来るんだよな」

義妹「そっか…。うん、ありがとうお兄ちゃん。ごめんね、変なこと聞いて…」

兄「いや、いいよ。俺も俺でその辺りのことで悩んでたからさ。ろくに思い出がなくたって兄らしくしてやらないとな…」

ガチャッ 妹「……」

兄「なんだよ、帰ってるなら声掛けてくれたらよかったのに。軽い街案内くらいならするぞ」

妹「…さっきの話、聞こえてたから。私もアンタのことなんて他人としか思ってないから」

義妹(よかった…血の繋がりがなくたって私はお兄ちゃんに思われてるんだ…。この子には悪いけど、私の方が大切なんだ…)
3:2020/04/12(日) 01:09:09
映画化決定
4:2020/04/12(日) 01:15:05
兄「どうして一緒に飯食わないんだよ、母さんはお前のも作ってくてるのに」

妹「どうして?アンタは能天気でいいよね、私を捨てた男が知らない女の人と仲睦まじくしてて…私がどんな思いしてたかも知らないで…」

妹「アンタもよく私の目の前であの女の人のことを母さんって呼べるよね。アンタの本当の母親がどんな女か知ってる?」

妹「私は、どれだけ実の母親がヒステリックで冷たい女でも、あの女のことを母と呼ぶしかなかったの。それがどれだけ辛いことかアンタに分かる?」

兄「分からないよ、父さんは前の母さんとは会わせてくれなかったし話も聞かせてくれなかったから。病気でもう長くないってことは聞いたけど……」

妹「どうして血をわけた兄妹なのにアンタはのうのうと生きてて私は苦しまないといけなかったの?ねぇ、どうして?[

兄「それは……」

義妹「……ふ、ふふっ」(いけないことって分かってるのに、お兄ちゃんがあの子と上手くいってないって分かると笑みが零れちゃう)

義妹(あの子とお兄ちゃんの関係はギスギスしてるけど、私たちはそうじゃない。毎日楽しく話せてる。だから、私の方があの子より上…)
8:2020/04/12(日) 01:24:51
義妹「良かった、勉強してきたところはあまり差がなかったみたいで。これなら問題なくうちの学校の授業を受けられるよ」

妹「……あの」

義妹「うん?どうしたの?」

妹「…私、変ですかね…?いつも兄にぶつかっちゃって、睨みつけて、怒鳴り付けて…嫌われてますよね、私…」

義妹「変なんて、そんなことないと思うよ。家庭環境の差や、悩みなんて誰にだってあることだし、不満だって気持ちだもん」

義妹「自分の心のうちを家族に伝えるなんて、みんなやってることだよ。妹ちゃんは、実の兄に伝えたかった思いや気持ちを今まで溜め込んじゃってただけだよ」

妹「そう……なんですかね……。ごめんなさい、私、こういうの疎くて……。誰かに、家族に…あんな風に、キツく当たるのも慣れてなくて……」

義妹「そうなんだ、大変だね。けど安心して!お兄ちゃんは優しいから!」(妹ちゃんは思う存分、お兄ちゃんに嫌われていいからね。もっともっと心の溝を大きくしようね)
10:2020/04/12(日) 01:35:55
義妹「お兄ちゃん、大変だね。気を使って話しかけてるのに毎日毎日怒鳴られて」

兄「そうだな、正直こう毎日続くとまいりそうになる…」

兄「けどアイツが前の母さんのことを話す度、何となく記憶の片隅で思い出すことがあってさ。俺、あの人のこと何も知らないと思ってたけど」

兄「よく記憶を掘り返してみれば、子供の頃、女の人に怒られて叩かれて…そういう記憶はちょっとあるんだよな。あれ、前の母さんだったのかもしれない」

兄「だとしたらアイツは今まで辛かったんだろうなって。家族がいたら助けてもらいたかっただろうに、俺はそれも知らず今の家族と笑って過ごして…」

義妹「…駄目」

兄「…えっ?」

義妹「駄目だよ、お兄ちゃん。あの子はお兄ちゃんに酷く当たる。お兄ちゃんは悲しむ、傷つく。これだけでいいでしょ?」
12:2020/04/12(日) 01:45:11
兄「いや、アイツにだって考えがあるんだと思う。ある種、俺の事を兄として頼ってくれてるから今までのことを分かってもらおうとしてるんじゃないか」

義妹「そうかな?あの子のお母さんってヒステリックで頭のおかしい人だったんだよね?あの子にも、同じ血が流れてるから頭がおかしいんだよきっと」

兄「アイツはたぶん俺や父さんにずっと頼りたかったんだよ。助けてもらいたかったんだよ、それなのに俺は何もしなかった、知らなかった。だから…」

義妹「そんなにちゃんと物事を考えてあんなこと言ってると思う?ただ手当たり次第に暴れてるだけだよ、記憶を思い返してみて。あの子も、お兄ちゃんの前の母親と一緒。その娘なんだから」

兄「血筋を言い出すなら俺にだってその血は流れてるんだぞ」

義妹「お兄ちゃんは、私たちの家族でしょ?その女の人とは無縁で今まで過ごしてきたでしょ?でもあの子は今までずーっと一緒だったんだよ?」

兄「お前が言うことが正しかったとしてもそれが俺がアイツを嫌う理由にはならないよ」

義妹「お兄ちゃんは優しいけど、それがかえって損をすることだってあるんだよ。ね、拒絶しよう?1度キツく叱ったら大人しくなると思うんだ。ビンタしてみるのはどうかな?」
14:2020/04/12(日) 01:56:55
妹「あ……あの……」

義妹「……うん?どうしたの?」

妹「この前、相談に乗ってくれてありがとうございます…。あの……私の…兄…私の言葉、ちゃんと聞いてくれて…受け止めて、くれて……」

妹「最初は嫌われるかも、一人ぼっちになっちゃうかも、って怖かったですけど…思い切って心の内を話してみて…良かったです……」

義妹「…ね?…お兄ちゃん、優しいでしょ?ふ、ふふっ…」

妹「はい…!今までのこと謝ってくれて…困ってることはないかとか、今までの私の事もっと知ろうとしてくれたり……優しい人でした…」

義妹「良かったね、うん…うん…」

義妹(あはは、私が嫌われて、この子は好かれちゃったんだ…。どうして…?お兄ちゃんは私のお兄ちゃんだよね?私の方が大事だよね…?なのに、なんで…?)
17:2020/04/12(日) 02:11:57
義妹「お兄ちゃん、ごめんね。この前はいきなりあんなこといって」

兄「分かってくれたならいいよ。たしかに、アイツはお前と家庭環境も血筋も違うけど今は家族なんだから偏見の目で見ないでやってほしい」

義妹「ほんとにごめんね、1から10までちゃんと言わないと分からなかったよね。あの子と、絶縁して欲しいの」

兄「は…?」

義妹「私、あの子のこと嫌い。あの子にお兄ちゃんのことを取られるのが嫌なの、独占されたくないの」

義妹「あの子自体とはね、性格で考えればそこまで相性は悪くないと思うの。意外と私には礼儀正しいし、こんな出会いじゃなきゃ友達程度の関係にはなれると思う」

義妹「けどね、お兄ちゃんと血が繋がっててそれだけで好かれてる、私とお兄ちゃんの関係性が脅かされるって考えると憎くて憎くてたまらないの」

義妹「だからね、絶縁して。この前言ったことは全部口実だよ、あんなまどろっこしい建前並べなくたって良かったね。お兄ちゃん優しいもんね?」
18:2020/04/12(日) 02:23:18
義妹「正直に私の胸の内を話したよ。嫌われるか、なんて最初から考える必要なかったね。お兄ちゃんは、私の気持ちを受け止めてくれるもんね?」

兄「…よく分からない。どうしてアイツを気にかけることが、お前をないがしろにすることに繋がるんだ」

義妹「だって、その分の時間、お兄ちゃんは私と話してくれないでしょう?あの子の顔を見てるでしょ?」

兄「それは、そうだけど…けど、別にそんなこと今までだってあっただろ。四六時中お前の側にいれたわけじゃないし、他の人と過ごしたこともあるし」

義妹「その人はきっとただの他人だったけど、私はお兄ちゃんの大切な妹だもん。どうでもいい人と関わるのはいいんだよ、浮気にはならないから」

兄「たしかにお前のことは大事だけど…浮気…?」

義妹「あれ、私、変なこと言っちゃった…?たしかに変だね、浮気なんて…。私たち、付き合っても結婚してもないもんね。」

義妹「けど、私たちは家族で……。結婚っていうのは赤の他人同士がわざわざ家族になることで……あれ、よくわかんないや…ふふっ…」
20:2020/04/12(日) 02:36:39.536 ID:XLSfUKGMM.net
義妹「私、どうしたらいいのかな…。お兄ちゃん、キスしよう…?私の方が特別な妹だって証明してよ、そうすればきっと落ち着くと思う…」

兄「どうしてまたキスなんて…落ち着け。普通の兄妹はそんなことしたりしないだろ…?」

義妹「普通の兄妹っていうのは血の繋がった兄妹のこと?お兄ちゃんと、あの子みたいな…。ふーん……」

義妹「お兄ちゃんとあの子は自分たちの関係性を証明出来るものをそれぞれ持って産まれてきたけど、私はそんなのないのにやっちゃダメなんだ」

義妹「赤の他人とはキスしたりセXXスしたりできるのに、私は何もやっちゃダメなんだね。私には何も無いのに。ひどいひどいひどいひどい……」

妹「……どうしたんですか?喧嘩、してます…?」

義妹「お兄ちゃんったらひどいんだよ。私には何もくれないんだって。私はお兄ちゃんのこと、大切に思ってるのになぁ…」

兄「俺だってお前のことは大切だよ。けど…たぶん、方向性が違う」
21:2020/04/12(日) 02:51:11
義妹「そうだね、そうみたいだね。私はお兄ちゃんのこと大好きで、キスだって出来るし初めてだって捧げられるよ?けど、これって普通の兄妹の考えじゃなかったのかな」

義妹「普通なんて分かんないや、私はお兄ちゃんと血が繋がってないもん。当たり前の様に、話す度にドキドキして、もっと私の事を見てくれたらいいなって思ってたよ」

義妹「妹だから、お兄ちゃんが私の事を見てくれないんだとしたら、家族になんてならなければよかった…」

兄「……ごめん……。その辺は、ちょっと考えさせて欲しい」

義妹「何を?いいよ、別に。私がいらないのなら捨ててくれたって。お兄ちゃんには正真正銘、本物の妹がいるもんね…?」

妹「ちょっと…落ち着きましょう…。嫌なこととは無縁の記憶を思い浮かべて深呼吸しましょう…」

義妹「あー…どの記憶を思い浮かべてもお兄ちゃんがいる…。私、ずっとお兄ちゃんのことを考えて生きてきたから…ふ、ふふっ…」
23:2020/04/12(日) 03:06:20
兄「別にお前のことを罵倒したくて時間が欲しいって言ったんじゃない。お前のことを異性として考え直すのに時間が欲しい」

義妹「私はそんな時間なくたってお兄ちゃんのこと好きだったよ?お兄ちゃんもそんな風に私のことを思ってくれてると考えてた」

兄「ごめん…。ちょっとずつ、異性としてお前を見てたことはなちか思い返して見る。返事はそれからさせてほしい」

義妹「嫌だなぁ…怖いよ…。そうまでして、結局マトモな兄妹にもなれず恋仲にもなれないなんてことになったら立ち直れる気がしないよ、私……」

妹「完璧には状況が掴めてないと思うんですけど……兄のことが好きなら、私は応援しますよ?」

義妹「え…?どうして…?」

妹「どうしてって…私が思い悩んでた時は背中を押してくれましたよね?だから、あなたが困ってる時は私も背中を押したいです」

義妹「…じゃあ、私がお兄ちゃんと付き合っても妹ちゃんはそれでいいの?」

妹「いいですよ。たしかに、珍しいケースだとは思いますけど特に否定する理由もないですし、法律上はたしか…合法だったと思います…」
24:2020/04/12(日) 03:20:21
義妹「ありがとう…。そういうことだったんだね、私にはあったものは妹ちゃんにはなかったんだね。だから別に、最初から取り合いにはならなかったんだね…」

妹「…だと思います…。あとは兄の気持ち次第です」

兄「そう簡単に決められるもんじゃないだろ…。俺の選択にコイツの将来がかかってる訳だし受け入れるならとことん責任取らないとだし…」

妹「好きって言って、もし満足させてあげられなかったら申し訳ないってこと?」

兄「まぁ…そういうことだな…。ちゃんと、コイツの気持ちに向き合い続けられるかどうか…」

妹「ですって。あなたのことが邪魔で、嫌いだから悩んでるわけじゃないみたいですよ?」

義妹「……そう、なんだ……。私、拒絶されてないんだ……」

兄「まぁな。けど、誰かと付き合った経験なんて俺にはないもんだから間違いがないように慎重に考えたいんだよ」
25:2020/04/12(日) 03:31:31.282 ID:XLSfUKGMM.net
大体そんな感じで義妹ちゃんはなだめられ無事ダークサイドに堕ちず
お兄ちゃんが好きなまま真っ直ぐのびのびと生きることにしたとさ

こっからは普通に彼氏彼女的な感じになるか、兄と妹的な立ち位置を守ったまま恋人関係になるか
それは各々のアイディアに任せる
28:2020/04/12(日) 03:40:33
余力があれば俺も書きたかったけど、如何せん眠すぎる。すまぬ
書き溜めた分もとっくに切れてて書き込み速度も維持できなくなってた

ドロドロしてるの書きたかっただけで始めたからもう大体満足してアドレナリンブーストも切れてしまった
30:2020/04/12(日) 03:43:19
ここからだろうが
32:2020/04/12(日) 04:50:33.136 ID:4OVp+yar0.net
妹がただの舞台装置になっているのがなんか納得いかない
31:2020/04/12(日) 03:54:06
またスレ立てろ
な?
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1586621176