4: 2012/11/24(土) 06:03:07.13 ID:iWq+s5S90
響「特製サーターアンダギーだぞ」

美希「じゃあ一個もらうね。……んー、美味しいの!」

響「そうだろそうだろ、なんたって自分の特製だからね」

美希「響はすごいね、ミキもお菓子は好きだけど作るのはめんどくさいって思っちゃうよ」

響「? なんか元気ないぞ、美希」

美希「元気ない? ……うん、そうかも」

響「自分、相談に乗るよ? 困ったことがあったら何でも言ってよ」

美希「困ったことは別にないの」

響「それは困ったな!」

美希「困ってないってば」

響「原因不明で元気ないんだから困ったことだぞ」

美希「それは困ったの」

7: 2012/11/24(土) 06:06:57.42 ID:iWq+s5S90
響「何も思い当たる節はないのか?」

美希「ないよ?」

響「うーん、朝ご飯食べ忘れたりとか」

美希「今日はおかかのおにぎりだったの」

響「お腹痛いとか」

美希「平気」

響「悩んでることとか」

美希「なんか元気なくて困ってるの」

響「うーん」

美希「うーん。あふぅ」

11: 2012/11/24(土) 06:13:13.34 ID:iWq+s5S90
響「うーん」

美希「うーん……ぐぅ」

響「あ、もうダンスレッスンの時間だぞ」

美希「Zzz...」

響「って寝てるし! 起きろー!」

美希「あふぅ。そんなに大きな声出さなくても、ミキ、ちゃんと起きられるってば……」

響「ダンスレッスン、遅れちゃうってば! 早く準備してよね!」

美希「ミキ、準備出来てるからごろごろしてたんだよ。響こそ早く準備して欲しいの」

響「うぎゃー!? 自分の櫛どこいったー!?」

美希「手に持ってる手に持ってる」

響「あ、あれ? ハム蔵は? ハム蔵ー、どこ行ったんだー!?」

美希「美希、付き合ってらんないって感じ……」

13: 2012/11/24(土) 06:18:21.15 ID:iWq+s5S90
響「うう、置いてくなんてひどいぞ……」

美希「たくさん待ったの」

響「でもー、あれはハム蔵がー」

美希「人の所為にするの、良くないよ?」

響「うぐ……ごめんなさい、美希」

美希「いいよ、別に怒ってないもん」

響「……ねぇ、美希」

美希「なぁに?」

響「まだ元気ない?」

美希「あんまりないかも」

響「じゃあ、レッスン終わった後なんか食べに行こうよ。自分、おごったげる!」

美希「んー、いいよ。ミキもなんかそんな気分だし」

響「よーし、そうと決まれば今日のダンス頑張るさー!」

美希「あふぅ。響、走ると転ぶよ」

14: 2012/11/24(土) 06:21:02.43 ID:iWq+s5S90
響「……」

美希「……」

響「ねぇ、美希」

美希「……何?」

響「……」

美希「……」

響「怖い顔、してるぞ……」

美希「してないもん」

響「……うぅ」

美希「……してないもん」

15: 2012/11/24(土) 06:27:30.42 ID:iWq+s5S90
響「な、何がいいかな? アイスは寒いしないよねっ、自分、この辺で美味しいホットケーキ出す店知ってて、それで」

美希「何でもいいの」

響「うぐ……そっか、なんでもいいか」

美希「……食べに行きたくないかも」

響「もう、気にし過ぎだぞ、上手くいかない日もあるってば」

美希「ミキ、今までそんな日なんてなかったよ?」

響「普通はあるの、美希は今日がたまたま初めてだっただけさー! 落ち込んでても仕方ないでしょー!?」

美希「っ、落ち込んでないよ」

響「さっきより元気なくなってるじゃないか! どう見たって落ち込んでるぞ!」

美希「……落ち込んで、ないよ」

響「もうー……」

美希「……」

16: 2012/11/24(土) 06:31:46.63 ID:iWq+s5S90
響「困ってるんだ」

貴音「ですか」

響「美希の元気がなくてさー」

貴音「わたくしの目にもそう見えます」

響「励ましても上手く行かなくて困ってるんだぞ」

貴音「誰しも落ち込む日はあります、そっとしておいて欲しい時もありましょう」

響「……大丈夫かな?」

貴音「分かりません。わたくしなりに元気付けようとはしてみましたが」

響「貴音もダメだったのか」

貴音「はい」

響「どうしちゃったんだろうな、美希」

貴音「……心配、です」

18: 2012/11/24(土) 06:38:15.13 ID:iWq+s5S90
響「はいさーい!」

美希「あ、響」

響「美希、調子はどう? まだお腹痛い?」

美希「お腹痛いなんて一言も言ってないの……」

響「貴音も心配してたぞ」

美希「さっきも心配されたの。二十郎アイスもらったし」

響「あの貴音が食べ物くれるくらいだぞ? 元気なさ過ぎだぞ」

美希「……ごめん」

響「うがー! いつもの美希ならそこは『ミキも好きで元気ないんじゃないもん』って言うとこだろー!」

美希「響、声大きいの」

響「あぅ、ごめんなさい」

美希「心配いらないよ、すぐいつものミキに戻るから。ミキもこんなのやだし」

響「……力になれなくてごめんな。何かあったらすぐ言ってよね?」

美希「うん、ありがと」

19: 2012/11/24(土) 06:43:15.58 ID:iWq+s5S90
響「もう一週間も……うがー……」

貴音「響、貴女まで元気がなくなっては元も子もありません」

響「だって、だっておかしいさー。元気なさ過ぎだぞ」

貴音「人生楽ありゃ具も多め、と申します。生きていれば嫌いな具を食べなくてはならない日も来ましょう」

響「申さないよ、人生楽ありゃ苦もあるさでしょ」

貴音「なんと」

響「あ、顔赤い」

貴音「……響はいけずです」

響「なんか可愛いぞ」

貴音「んもうっ、知りませんっ」

響「あれ? 怒った?」

20: 2012/11/24(土) 06:46:18.97 ID:iWq+s5S90
響「ってことがあってさー、あはは」

美希「ふぅん」

響「あれ? 面白くなかった?」

美希「ううん、面白いよ。もっと聞かせて?」

響「でね、その後の貴音ったらハム蔵を」

美希「うん、うん」

響「……美希?」

美希「あぇ? 聞いてるよ、ミキ、ちゃんと聞いてる」

響「!」

美希「あ、響の手……冷やっこくて気持ちー……」

響「ぷ、プロデューサー! 大変だー!」

23: 2012/11/24(土) 06:51:44.71 ID:iWq+s5S90
美希「つまんないの」

菜緒「美希、最近夜更かししてたもんね。風邪だってひくよ」

美希「寝たくても眠れなかったんだもん、ミキは悪くないよ」

菜緒「そっか、眠れなかったんだ」

美希「うん」

菜緒「そっか」

美希「……菜緒お姉ちゃんは、元気出ない日ってある?」

菜緒「あるよ。誰だってみんな、ある」

美希「そ、か」

菜緒「うん」

美希「菜緒お姉ちゃんは……そんな時、どうするの?」

菜緒「美希のこと考えてる。可愛い妹の為に今日も頑張るぞーって」

美希「ふふん、嘘つき」

菜緒「うん、嘘。やっと笑ったね」

美希「バレバレの嘘だもん、笑うのも仕方ないの」

24: 2012/11/24(土) 06:59:02.67 ID:iWq+s5S90
美希「……」

菜緒「美希、りんご剥い……っとと」

美希「……すぅ、すぅ」

菜緒「元気が出ないのは疲れてるからだよ、美希」

美希「くぅ、くぅ……」

菜緒「このままじゃダメだって、トップアイドルになるんだーって。昔の美希からは考えられないくらい、頑張ってたもんね」

美希「すぅ……すぅ……」

菜緒「体がびっくりしちゃったんだね、きっと。でも、今の美希ならもっとキラキラ出来るよ」

美希「は、にぃ……」

菜緒「ふふ、早く元気になってハニーさんの話も聞かせてね?」

美希「くぅ……んぅ、なお、ねぇちゃ……くぅ」

菜緒「だから今は、ゆっくりお休み」

25: 2012/11/24(土) 07:05:46.43 ID:iWq+s5S90
響「お邪魔しまーす」

菜緒「いらっしゃい、美希もきっと喜ぶわ。……この部屋よ、ごゆっくりね」

響「ありがとうございます、美希のお姉ちゃんさん」

美希「あ、響だ……」

響「はいさい、美希。まだ熱はあるのか?」

美希「熱は下がったけどまだしんどいの」

響「そっか。りんごジュース買ってきたけど、飲みたくなった時に飲めばいいからな」

美希「? 飲みたくなかったら飲むわけないの」

響「あはは、元気なくても美希は美希だな。ちょっと心配だったけど良かったさー」

美希「良くないの、風邪でしんどいってさっきも言ったよ?」

響「あはは、ごめんね」

美希「……響は、いいの?」

響「ん?」

26: 2012/11/24(土) 07:12:16.89 ID:iWq+s5S90
美希「ミキの風邪、移っちゃう」

響「なんくるないさー、自分は風邪なんて滅多にひかないんだぞ」

美希「そんな気はするの」

響「うがー! どういう意味だよー!」

美希「あはっ、響と話せてちょっと楽になったかも」

響「えへへ、ミッションコンプリートさー」

美希「ハ、プロデューサーには止められなかったの?」

響「こほん……お、お前まで風邪ひいたらどうするんだー! メールで我慢しろー!」

美希「ちょっと似てるって思うな。ねぇ、もう一回やってよ」

響「こ、こういうのは何度もやるもんじゃないぞ……」

美希「で、止められたのに響は来たの?」

響「うぐ、だ、だって心配だったし……」

美希「ふぅん?」

響「な、なんだよぅ、そんな目でこっち、見ないでよ、ね!」

美希「あはっ、可愛いの」

28: 2012/11/24(土) 07:19:28.40 ID:iWq+s5S90
響「じゃあ、自分はそろそろ帰るね。ちゃんと大人しく寝てるんだぞ」

美希「もう帰っちゃうの?」

響「美希が寝込んでる今の内にいっぱいレッスンして追い抜く秘密の計画だぞ」

美希「口に出てるの」

響「うぎゃー!?」

美希「……ね、響」

響「ん? どうしたの、美希」

美希「響も、元気が出ない日ってある?」

響「そんなの誰だってあるぞ」

美希「そんな時、響はどうするの?」

響「しーやわっせはー、あーるいーてこーないー」

29: 2012/11/24(土) 07:25:18.81 ID:iWq+s5S90
美希「?」

響「だーからあーるいーてゆっくんーだねー」

美希「その歌、何?」

響「昔流行った歌なんだって。ピヨ子が言ってた」

美希「そうじゃなくて」

響「自分、この歌結構好きなんだ。古臭いメロディだけど前向きで、明るくて」

美希「……うん」

響「いーちにーちいーっぽ、みーいかでさーんぽ、さーんっぽすーすんーでにーほさーがるー」

美希「なんて歌?」

響「三百六十五歩のマーチ」

30: 2012/11/24(土) 07:33:00.53 ID:iWq+s5S90
美希「三歩進んだのに二歩下がっちゃった……」

響「上手くいかない日は下がることもあるよ、三歩と二歩だから一歩は前に進んでるぞ」

美希「あんまりしっくりこないって感じ」

響「自分はこれ、良い歌だと思うんだけどなー」

美希「ふぅん……続きは?」

響「あ、実は気に入ってる?」

美希「続きはどんななのか気になっただけなの、早く歌って?」

響「じーんせいーはーわーんつーうぱーんち、あーせかーきべーそかーきあーるこーうよー……だぞ」

美希「ふぅん、暑苦しいかも」

響「美希は冷め過ぎさー」

美希「三百六十五歩のマーチ、だっけ」

響「うん。良かったら聞いてみてよ」

33: 2012/11/24(土) 07:46:43.01 ID:iWq+s5S90
美希「今聞きたいの。続き」

響「自分の声より元の音源で聞いて欲しいぞ」

美希「いいからいいから」

響「もう……あーなたーのーつけーたあーしあーとにゃー、きーれいーなーはなーがさーくでーしょーおー」

美希「うん、うん」

響「腕を振って足を上げてわんっつーうっわんっつーうっ休まないであーるーけー……おしまい」

美希「あふぅ」

響「歌えって言っておいて欠伸ってどういうことさー!」

美希「やっぱり古臭くって暑苦しいの」

響「うぐ、それでも自分はこの歌がすきだぞ!」

美希「うん、ミキもちょっと好きかも」

響「……え?」

美希「ミキもこの歌好きだよ。今のミキにぴったりって思うな」

34: 2012/11/24(土) 07:57:59.97 ID:iWq+s5S90
響「すごい……」

貴音「ええ、以前にも増して輝いているように感じます」

響「いつも美希の言ってるキラキラってこういうの、なのかな。ちょっと悔しいけど憧れちゃうぞ」

貴音「響、わたくしたちも美希の仲間なのです。共に遅れを取らぬよう。精進いたしましょう」

響「そうだよね、自分たちももっと、キラキラ出来るはずだもん」

貴音「ええ、今はまだ鈍く輝く身のわたくしですが、皆と切磋琢磨すれば必ずや」

響「一日一歩、三日で三歩、三歩進んで二歩下がる……ちばるぞー!」

貴音「はて、その歌は……?」

響「ん? えへへ、この歌はね」

36: 2012/11/24(土) 08:10:57.08 ID:iWq+s5S90
菜緒「ふんふふーんふんふふーん、しーあわっせのーとーなりにいーても、わーからなーいひーもあーるんーだねー」

美希「いっちねーんさーんびゃーくろーくじゅーうごーにちー、あーゆみーをとーめずーにゆーめみーよおー」

菜緒「あ、美希。おかえりなさい、美希もこの歌知ってるの?」

美希「うん、菜緒お姉ちゃんもこの歌、好き?」

菜緒「うん、好きだよ。ちょっと古臭いけどね」

美希「あはっ、ミキ的にも古臭くって暑苦しいって感じ」

菜緒「そうそう。……でも、なんか魅かれるんだよねぇ」

美希「うん……」

菜緒「おっと、美希、もうすぐご飯出来るから手洗ってうがいして来たら?」

美希「え、本当? 今日の晩御飯は何ー?」

菜緒「普通の和食。魚と野菜、味噌汁に白ご飯。あ、明太子買ってきてあるよ」

美希「急いで洗ってくるの!」

菜緒「大人びて来たと思ったけど、まだまだ子供ねぇ……あーなたーはーいつーもあーたらーしいー、きーぼうーのーにじーをだーいてーいるー、っと」

38: 2012/11/24(土) 08:26:39.27 ID:iWq+s5S90
美希「菜緒お姉ちゃん、さっきの、二番と三番が混ざってるよ」

菜緒「そうだっけ? 新しい希望の虹ってフレーズが好きだから、同じメロディのところでつい口から出ちゃうのよね」

美希「ふぅん、素敵な歌詞だってミキも思うけど」

菜緒「いやーでも美希がこの歌知ってるなんてねー」

美希「アイドルやってる友達に教えてもらったんだよ、元気が出る歌だぞーって」

菜緒「へぇ、ふふ。ねぇ美希、元気が出ない時、私がどうやって頑張るって言ったか覚えてる?」

美希「確か、美希のこと考えてーだっけ? でもその後、嘘って言ってたの」

菜緒「あれね、嘘って言ったのが嘘。美希のこと考えると元気が出るよ、自慢の妹だもん」

美希「な、なんか照れ臭いよ……」

菜緒「美希はね、いっつも新しい希望の虹を抱いてるんだよ。きらきら輝くぞーって感じ」

美希「よく、分からないの」

菜緒「分からなくてもいいの、私が言いたいだけだもん」

美希「むー、子供扱いしてる?」

菜緒「あはは、ごめんごめん。私の明太子あげるから許して」

美希「許すの」

42: 2012/11/24(土) 08:35:01.34 ID:iWq+s5S90
美希「でね、動物と話せるその子が小鳥から教えてもらったのが三百六十五歩のマーチなの」

菜緒「鳥から歌を教わったの? ふふ、やっぱり美希のところの事務所は変わった子が多いね」

美希「ミキ的には、みんな個性的過ぎって感じなの」

菜緒「あはは、美希も相当個性的よ?」

美希「ミキ、普通だよ?」

菜緒「そういうところよ」

美希「? 普通なの」

43: 2012/11/24(土) 08:45:00.07 ID:iWq+s5S90
小鳥「ひゃーくにーちひゃーっぽーせーんにーちせーんぽ、まーまになーるひーもなーらぬーひもー……あら美希ちゃんたち、おかえりなさい」

美希「ただいま、なの」

貴音「……はぁ」

響「……悔しいぞ」

小鳥「その、そんなに気を落とさないで、ね? 竜宮小町の方がユニットの結成も早かったのだし」

貴音「しかし……いえ、言っても仕方のないことです」

響「自分たち、チームワークも個人プレーも完璧だと思ってたのにな、あはは、はは」

小鳥「貴音ちゃん、響ちゃん……」

美希「……うん、よし」

小鳥「美希ちゃん、元気を出」

美希「わんっつーうっわんっつーうっわんっつーうっわんっつーうっ」

小鳥「!?」

美希「しーあわっせはーあーるいーてこーないー、だーからあーるいーてゆーくんーだねー」

貴音「この歌は……」

響「美希、それ」

44: 2012/11/24(土) 08:47:28.65 ID:iWq+s5S90
ワン・ツー ワン・ツー

ワン・ツー ワン・ツー

しあわせは 歩いてこない

だから歩いて ゆくんだね

一日一歩 三日で三歩

三歩進んで 二歩さがる

人生は ワン・ツー・パンチ

汗かき べそかき 歩こうよ

あなたのつけた 足あとにゃ

きれいな花が 咲くでしょう

腕を振って 足をあげて

ワン・ツー ワン・ツー

休まないで 歩け ソレ

ワン・ツー ワン・ツー

ワン・ツー ワン・ツー

45: 2012/11/24(土) 08:53:17.61 ID:iWq+s5S90
美希「ミキ、竜宮小町はすごいって思った。でもミキたちもすごいんだよ」

響「……」

美希「響のダンスも、貴音の歌も、キラキラしてた。ううん、もっともっとキラキラ出来るの」

貴音「……」

美希「美希も、まだまだここが限界じゃない。まだまだ、もっとずっと、キラキラ出来る」

響「で、でも」

貴音「竜宮小町の皆には……」

46: 2012/11/24(土) 08:53:50.81 ID:iWq+s5S90
しあわせの 扉はせまい

だからしゃがんで 通るのね

百日百歩 千日千歩

ままになる日も ならぬ日も

人生は ワン・ツー・パンチ

あしたのあしたは またあした

あなたはいつも 新しい

希望の虹を だいている

腕を振って 足をあげて

ワン・ツー ワン・ツー

休まないで 歩け ソレ

ワン・ツー ワン・ツー

ワン・ツー ワン・ツー

48: 2012/11/24(土) 09:06:01.43 ID:iWq+s5S90
美希「追いつけないって思ってるなら、自分の事を信じられないなら、ミキを信じて。ハニーを信じて」

貴音「信じる……」

響「信、じる……」

美希「まだ歩き出したばっかりで、竜宮小町の背中も見えないの。でもここで諦めるのはミキ、違うって思うな」

小鳥「……美希ちゃん」

美希「響も貴音も、やる前から出来ないって考える性格じゃないの、ミキは知ってるよ。二人が頑張り屋さんなのも、だからすごく不安なのも」

響「……」

美希「だから、美希を信じて」

貴音「……」

美希「美希が先頭を歩くから、二人はちゃんとついてきて。絶対、竜宮小町を追い抜くから」

響「でも、うう」

貴音「……」

美希「ミキたちにはハニーも付いてるんだよ。心配いらないの、ミキたちなら……絶対絶対、トップアイドルになれるの」

49: 2012/11/24(土) 09:07:15.99 ID:iWq+s5S90
しあわせの 隣にいても

わからない日も あるんだね

一年三百六十五日

一歩違いで にがしても

人生は ワン・ツー・パンチ

歩みを止めずに 夢みよう

千里の道も 一歩から

はじまることを 信じよう

腕を振って 足をあげて

ワン・ツー ワン・ツー

休まないで 歩け ソレ

ワン・ツー ワン・ツー

ワン・ツー ワン・ツー

53: 2012/11/24(土) 09:21:55.39 ID:iWq+s5S90
響「夢みたい……こんな、すごい」

美希「あはっ、響ったら泣いてるの」

貴音「すみません、わたくしも、堪え切れそうになく……」

美希「んもー、嬉し泣きするのはまだまだ早いの。お客さん達、みーんなミキたちを待ってるんだよ?」

響「だって、ぐす、だっでぇ」

貴音「ええ、すん、響、その通り、です……」

美希「そーれわんっつーうっわんっつーうっ休まずに歩くのー! ぼーっとしてたらアンコールが鳴り止んじゃうの!」

響「う、うう……ぐすん、ありがとう、美希、えへ」

貴音「くすん、美希……まこと、感謝します、ふふ」

美希「うん、二人とも良い笑顔なの」

響「よし、もう自分はいつもの完璧な自分に……ん? 美希?」

貴音「なん、と」

美希「どうしたの、二人とも?」

響「えへへ、美希も一緒さー」

貴音「ええ、ええ。美希、目元を」

55: 2012/11/24(土) 09:32:38.46 ID:iWq+s5S90
美希「目? ……あ、あはっ」

貴音「美希、ハンカチを」

美希「ぐす、ふ、二人のせいでミキまでもらい泣きしちゃったの」

響「ほらほら、美希もそんな泣き顔じゃお客さんの前に出られないぞ」

貴音「さぁ、早く涙を拭って共に参りましょう。きらきらした、わたくしたちの舞台に」

美希「むー、響も貴音も調子良過ぎるって思うな。でも、そうだね。これ以上はお客さん達がかわいそうなの」

響「自分はいつでも行けるぞ!」

貴音「準備は万端です」

美希「うん! それじゃ、行くよ! ……みんな、お待たせー!! 夜はまだまだこれからなのー!」

響「アンコールありがとー! 自分たちの全部、出し切るぞー! しっかりついてくるんだぞー!」

貴音「まずはわたくしたち三人をこれまで支えてくれた一曲、お聞き頂きましょう!」

美希「せーのっ」

三人「三百六十五歩のマーチ!!」

おわり

56: 2012/11/24(土) 09:35:46.94

いい曲だよな

57: 2012/11/24(土) 09:37:01.50
いい歌ってのはいつになっても色褪せないもんだよな

64: 2012/11/24(土) 10:31:15.49 ID:iWq+s5S90
>>61
見切り発車の即興なので許して欲しい
美希だけに

引用元: 響「しーやわっせはー、あーるいーてこーない」