1: 2011/04/01(金) 23:39:50.77 ID:JURDY+1cQ

澪「嘘だよ」

唯「嘘なの?」

澪「うん、嘘。今日はエイプリルフールだし」

唯「そうだったのか~ とりあえずもう遅いし一緒に帰ろ?」

澪「あ、ごめん先に帰ってて」

2: 2011/04/01(金) 23:42:18.26
なんだ嘘か

4: 2011/04/01(金) 23:55:58.36 ID:JURDY+1cQ

そういって唯を先に帰した私は一人涙した

「唯に嘘ついちゃった…」

嘘というのが嘘

本当の気持ちを伝えたのに返事が怖くなって逃げ出した臆病な私

唯が好き

この気持ちが嘘ならばどんなに楽だろうか

この気持ちに、自分自身に、嘘をつければどんなに楽だろうか

だけど同い年の女の子に恋をしたのは本当だった

10: 2011/04/02(土) 00:08:37.75 ID:kTT9/Cb9Q

唯は私の告白を聞いて戸惑っていた

いつも見せないような顔で

その顔を見て突然怖くなった私は逃げてしまった

仮に断られてしまったら?

仮にOKでもどうしたらいい?

何もかもがわからなくなったし
今までの唯との関係が音をたてて崩れ落ちる気がしたからだ

12: 2011/04/02(土) 00:22:08.69 ID:kTT9/Cb9Q

いつから好きになったんだっけ?

思い出をたどっていく

………………

わからない

いつから好きなのか

いつの間にか好きになってたんだ

唯とのたくさんの思い出が涙と一緒に溢れてくる

去年のこの日は唯に誘われて遊園地に行ったっけ

そういえばこの日に何かあった気がする

私は記憶をたどっていった

14: 2011/04/02(土) 00:31:50.71 ID:kTT9/Cb9Q

―――――――――

――――――

―――

唯「ごめん、澪ちゃん待った?」

唯が息を切らせて駆けてくる

澪「自分から誘っておいて遅刻か?」

唯「いやー今日が楽しみでなかなか寝られなくてさ」

私と行くのがそんなに楽しみだったのだろうか?

なんか照れくさいから照れかくし

澪「小学生かよっ」

唯「えへへ、まぁね」

いつも通りの笑顔だった

16: 2011/04/02(土) 00:50:13.22 ID:kTT9/Cb9Q

澪「あ、バス来たぞ唯」

唯「私が遅刻してちょうどいいかんじになったね」フンス

澪「ちょっとは反省しなさい」

そう言って唯のおでこを人差し指でツンとつついた

唯「ごめんごめん」

唯は頭をかきながら照れくさそうだ

澪「ふふっ…早く乗るぞ」


17: 2011/04/02(土) 00:57:55.07 ID:kTT9/Cb9Q

唯と私は空いているバスの座席に座った

澪「いくらだっけ?」

唯「250円だよ!」

澪「ありがとう」

唯「下調べは完璧だからね」

澪「唯にしては珍しいな」

唯「今日は大事な日になるから…」

意味深に唯がつぶやいた

澪「え?」

唯「あ、えと、だって春休み最後のお出かけだもん」

澪「唯らしいな」

さっきのはとくに深い意味はないのかな?

18: 2011/04/02(土) 01:05:46.63 ID:kTT9/Cb9Q

澪「あ、両替しなきゃ」

私はバスが曲がっている途中なのもおかまいなしに立ち上がった

唯「澪ちゃん危な…」

案の定私はバランスを崩して転びそうになったが
唯が私を抱きしめて支えてくれた

唯「危ないところだったね澪ちゃん」

澪「あ、ありがとう」

ただ、唯の手の位置が…


19: 2011/04/02(土) 01:12:08.70 ID:kTT9/Cb9Q

澪「唯…そろそろ離してくれるとありがたいな」

唯「あ、ごめんね」

澪「いやいや唯は謝ることなんかないよ」

そう言って両替しに行った背後から

唯「や、柔らかい…」

と聞こえてきた

そういえば胸を唯に揉まれるのは初めてだ

あったらあったで問題なのだけれども…

不思議と嫌なかんじはしなかった

20: 2011/04/02(土) 01:23:10.21 ID:kTT9/Cb9Q

私が両替から帰ってくると唯は手の平を見つめ、指を動かしていた

澪「どうしたの?」

唯「柔らくて大きかった…澪ちゃんの…」

澪「やめてくれ」

恥ずかしくなって唯の手を取り押さえた

唯「想像してたよりずっとすごかったよ」

澪「想像してたのか?」

唯「うん」

あまりにも即答だったので顔背けて一言

澪「もう、ばか」

唯「えへへ」

23: 2011/04/02(土) 01:38:55.21 ID:kTT9/Cb9Q

そんなやり取りをしてるうちに目的地である遊園地についた

バスを降りるとさっそく唯は元気いっぱいだ

唯「よーし、澪ちゃん遊ぶよ!」

澪「ちょ、唯!」

唯に手を引かれるがままについていく

唯の手は温かい

握っていると不思議と安心する

バスの中でも取り押さえたままバスを降りるまで気づかずに握っていたほどだ

そんなことを考えていたらオバケ屋敷に連れ込まれていた

25: 2011/04/02(土) 01:47:28.19 ID:kTT9/Cb9Q

澪「本当に入るの?」

唯「澪ちゃんがどうしてもって言うならやめるけど」

唯の手を強く握りしめて決心した

澪「私、入る」

唯「じゃあ私を頼りにしててね!」

澪「うん」

小さく頷きオバケ屋敷に入った

32: 2011/04/02(土) 01:59:51.52 ID:kTT9/Cb9Q

中は想像以上に薄暗く、すべて作り物だとわかっていても怖くてしかたなかった

唯「大丈夫だよ澪ちゃん」

唯がさらに強く手を握りしめてくれたが怖いものは怖い

澪「…………」

悲鳴をあげるか黙って唯の手に引かれていくかそれしか出来なかった

唯「澪ちゃん澪ちゃ…はわっ!」

澪「ひっ!」

唯が何に驚いたのかもわからないけれど
唯の驚く声に、泣きそうになりながら唯の腕にしがみついた

澪「今のなぁに?」

かすれそうな声で私はつぶやいた

唯「いや、ちょっと躓いちゃって…」

34: 2011/04/02(土) 02:13:06.79 ID:kTT9/Cb9Q

そんなこんなで途中から泣きながら唯の腕にしがみついていた記憶しかない

唯「澪ちゃん無理に入れちゃってごめんね?」

唯がさりげなくハンカチを差し出しながら言った

澪「ううん…入るって言ったの私だし…」

唯のハンカチで涙を拭いながら答えた

唯「でも澪ちゃん可愛かったよ」

澪「ばかぁ」

唯「うん、澪ちゃん元気になってきたね」

  「じゃあ次行こうか」

澪「どこに?」

唯「澪ちゃんはどこがいい?」

36: 2011/04/02(土) 02:24:40.51 ID:kTT9/Cb9Q

澪「うーん…ジェットコースターは?」

唯「でも澪ちゃん苦手じゃないの?」

澪「苦手だよ」

  「でも唯が好きって言ってたし、アレよりはマシさ」

さっきのオバケ屋敷を指差して言った

唯「それもそうだね…」

澪「うん」

私は唯にハンカチを返し立ち上がった

唯「じゃあ行こうか」

そう言うと唯は私の手を取った

37: 2011/04/02(土) 02:39:26.52 ID:kTT9/Cb9Q

唯「ここのジェットコースター面白いらしいよ」

唯がニコニコしながら嬉しそうに、興奮気味に言った

澪「面白いってことは怖いのか…」

唯「苦手な人も好きな人も楽しめるんだってさ」

澪「下調べしたのか?」

唯「もちろんだよ」

私の苦手なものの多い遊園地で
私でも楽しめるように調べてくれた唯に少し感動した

澪「ありがとな唯」

唯「どういたしましてっ」

  「あ、澪ちゃん順番だよ」


40: 2011/04/02(土) 02:48:50.40 ID:kTT9/Cb9Q

澪「え?唯もしかして私たち…」

まさかの先頭だった

唯「一番前なんてワクワクするね♪」

澪「……うん」

座って準備をして前を見た

レールと登って行く先がよく見える

心臓が裂けるんじゃないかとさえ思うくらい早く動いてる

そして私たちを乗せたジェットコースターは動き始めた

43: 2011/04/02(土) 02:59:05.14 ID:kTT9/Cb9Q

急角度の坂を登っていく

ときどき途中でジェットコースターの動きが止まる
そのたびに落ちるんじゃないかとびくびくした

そして頂上がじわじわと近づいてくる

この時点でまたしても泣きそうだったけど隣の唯が私の手を握って言った

唯「私はいつでも澪ちゃんの隣にいるからね」

少し気持ちが落ち着いたその瞬間、体が浮いたような状態になった

44: 2011/04/02(土) 03:08:22.88 ID:kTT9/Cb9Q

私は唯から目を逸らし前を見た

ものすごい風が顔を叩く

目はカラカラに乾いて涙が

耳は轟音でよく聞こえず

鼻は息をしてるのかしてないのかわからない

口をギュッとくいしばる

レールのうねりを見つめて

早く終われと願い続けた

45: 2011/04/02(土) 03:19:54.68 ID:kTT9/Cb9Q

・・・・・・・・・

目を覚ますと唯の顔を下から見上げていた

澪「あれ? 私?」

唯「澪ちゃんが降りたあと気分悪いって言ったからベンチに座って休んでたんだよ」

澪「そこらへんのことは覚えてないな」

唯「ベンチに座った直後に寝ちゃったからね」

どうやら私は自力でジェットコースターは降りたらしい

下唇を噛み締めていたからか口の中に血の味がした

意識を失わないように必死だったのだろう

46: 2011/04/02(土) 03:29:27.39 ID:kTT9/Cb9Q

唯「澪ちゃん?」

澪「うん、大丈夫だよ」

起き上がろうとすると唯に止められた

唯「まだしばらく休んでた方がいいよ」

澪「でも時間は?」

唯「まだたくさんあるから安心して」

澪「じゃあもう少しこうしてようかな…」

唯のひざ枕が心地いい

もう少しだけこうして甘えていよう


58: 2011/04/02(土) 04:40:56.41 ID:kTT9/Cb9Q

私は唯のお腹の方に向き直した

太ももの上でもぞもぞと動いたからか
唯はくすぐったがり色っぽい声を出した

澪「ごめん」

唯「えへ、変な声出ちゃった」

本気で恥ずかしがる唯は珍しく、とても可愛かった

澪「可愛い声だったよ」

唯「む、いいから澪ちゃんはまだ寝てなさい」

71: 2011/04/02(土) 04:59:15.25 ID:kTT9/Cb9Q

私は「はいはい」と空返事をして目を閉じた

放り出した私の片手を唯が握ってくれた

私もその唯の手を握り返した

唯の温かさが伝わってくる

そして空いている方の手で私の頭を優しく撫で始めた

なぜこんなに落ち着くんだろう

唯は今、ママのような優しい表情を浮かべているのかな

さすがはお姉ちゃん


84: 2011/04/02(土) 05:11:53.60 ID:kTT9/Cb9Q

ふと目を開けてみると唯のジーパンの社会の窓が空いていた

今日一日これだったのだろうか?

オレンジ色の可愛いパンツが顔をのぞかせている

澪「唯」

唯「なぁに澪ちゃん」

優しい声で唯が返事をする

とても言いにくい

澪「オレンジのフリフリのやつ…」

唯「ほぇ!?」


89: 2011/04/02(土) 05:24:31.15 ID:kTT9/Cb9Q

私は唯が直しやすいように起き上がってその一点を見つめていた

唯は慌てて直したがバツの悪そうな顔をしている

顔をあげてきた唯と目があった

唯「教えてくれてありがと…」

澪「どういたしまして」

少しの間微妙な沈黙が流れる

この沈黙を私たちは同時に破った

「お昼食べよ?」

私たちはクスクスと笑いながらレストランへと向かった

90: 2011/04/02(土) 05:39:04.85 ID:kTT9/Cb9Q

唯がオススメはオムライスだと言うのでオムライスを頼んだ

たしかに美味しかったけど血の味が混じってあまり味わえなかった

唯「次はどこに行く?」

ほっぺに米粒をつけるお約束とともに唯は聞いてきた

澪「じゃあ記念にプリクラなんてどうだ?」

唯のほっぺの米粒を取って自分の口に運びながら答えた

唯「澪ちゃん、目真っ赤で髪の毛ボサボサだけどいいの?」

澪「せっかく唯と来たんだし記念にな」

  「それに誰にも見せないし」
唯「決まりだね、レッツゴー!」


92: 2011/04/02(土) 05:56:44.62 ID:kTT9/Cb9Q

私が寝ていたせいで時間が詰まっているのだろうか唯は急ぎ気味だ

澪「唯、そんなに急がなくても大丈夫でしょ」

唯「だって澪ちゃんとたくさん遊びたいし」

澪「そ、そうか嬉しい」

唯はこの遊園地の施設をすべて把握してるのではないかというくらい迷わなかった

今日のためにどれだけ準備してくれてたか伝わってくる

これは私が思い描いてた理想のデートだ

94: 2011/04/02(土) 06:12:02.86 ID:kTT9/Cb9Q

唯「澪ちゃんちゅー」

唯は二枚目を撮っている時、私のほっぺにキスしてきた

澪「わっ!」

マヌケ面をした瞬間にシャッターが落ちた

唯「びっくりした?」

澪「うん」

唯「じゃあ次は澪ちゃんの番だよ」

澪「え? 私も?」

唯「おねがい、ちゅーして?」

今日、いろいろしてくれた唯のおねがいならやるしかない

95: 2011/04/02(土) 06:25:28.13 ID:kTT9/Cb9Q

私が自分からキスをするのはほっぺも含めて初めてだ

澪「いくよ唯」

唯「うん」

そして私は初めてのちゅーをプリクラに撮られた

そのあとはエアギター、エアベースなどしてふざけあった

そうこうするうちに撮り終わり落書きの時間だ

唯「落書きも楽しみだね」

澪「あんまり変なこと書くなよ」

唯「大丈夫♪大丈夫♪」

澪「本当だろうなー?」

唯「もちろんだよ」

97: 2011/04/02(土) 06:32:38.38 ID:kTT9/Cb9Q

『泣き虫澪ちゃん』

澪「言ってるそばから唯は…」

唯「だって泣き虫澪ちゃん可愛かったんだもん」

澪「うるさいっ、仕返しだ」

『↓オレンジパンツ』

唯「わわっ、止めてよ澪ちゃん恥ずかしい…」

澪「誰にも見せないんだしいいだろ?」

唯「むー、じゃあこれでどうだ」

『しましまパンツ↓』

澪「なっ、唯いつ見たんだ?」

唯「え? 本当にしまパンなの?」

澪「う、うん…」

98: 2011/04/02(土) 06:44:04.92 ID:kTT9/Cb9Q

こんな調子で落書きを続けていき

唯「じゃあそろそろ落書きおしまいにしようか」

澪「そうだな次はどこに行く?」

唯「最後になりそうだから観覧車は?」

澪「それでいいよ」

唯「よしじゃあ落書き終了…」

澪「ちょっと待って…」

『ファーストキス』

澪「はい、いいよ」

唯「初めてだったんだ」

澪「うん」

唯「澪ちゃんありがと」

100: 2011/04/02(土) 07:02:50.60 ID:kTT9/Cb9Q

澪「どういたしまして…さ、行こう」

唯「こっちだよ」

唯に手を引かれて観覧車へ向かう

しかしさっきまで温かかった唯の手が心なしか冷たかった


観覧車には向かいあって座った

唯「今日は疲れた?」

澪「うーん、疲れたけど楽しかったかな」

唯「それならよかった…」

澪「唯は?」

唯「私は澪ちゃん…うん、楽しかったよ」


101: 2011/04/02(土) 07:09:18.29 ID:kTT9/Cb9Q

観覧車に乗ってから唯の様子がどうもおかしい

澪「唯、何かあったか?」

唯「別になんでもないよっ」

澪「さっきから変だぞ?」

唯「そうかなー?」

澪「言いたいことがあるなら言ってくれよ」

唯「まだ…言えない」

まだ?

澪「わかった…」


102: 2011/04/02(土) 07:24:21.60 ID:kTT9/Cb9Q

頂上が近づいたときようやく唯が口を開いた

唯「澪ちゃん! 今日はありがとう」

澪「お礼を言うのは私の方だよ」

唯「ううん、私は澪ちゃんと一緒にいるだけで楽しいんだ」

澪「私もだよ唯」

唯「私…好きなんだ」

澪「え?」

唯「澪ちゃんのことが好き」

103: 2011/04/02(土) 07:31:10.22 ID:kTT9/Cb9Q

澪「私も好きだよ唯のこと」

唯「よかった…」

澪「当たり前だろ、唯。 何をいまさら…」

唯「でもそれは友達としてでしょ?」

澪「え、あ、うん」

唯「私は女の子が好き… つまり同性愛者的な意味で言ったの」

澪「あ…」

このときの私はどんな表情をしていたか思い出せない

あまりの衝撃に固まっていただけなのか

それとも引いた態度をとっていたのか

とにかく思い出せない

104: 2011/04/02(土) 07:36:37.30 ID:kTT9/Cb9Q

唯「…な、なーんてね! 嘘だよ澪ちゃん!」

澪「嘘…なの?」

唯「今日はエイプリルフールだよ」

澪「そうだったのか」

唯「あ、でも澪ちゃんが好きなのは本当だからね!」

澪「うん、ありがとう」


105: 2011/04/02(土) 07:39:48.39 ID:kTT9/Cb9Q

気まずい、重い空気が観覧車の個室を埋めつくす

しかしこの沈黙を唯が破った

唯「…な、なーんてね! 嘘だよ澪ちゃん!」

澪「嘘…なの?」

唯「今日はエイプリルフールだよ」

澪「そうだったのか」

唯「あ、でも澪ちゃんが好きなのは本当だからね!」

澪「うん、ありがとう」

106: 2011/04/02(土) 07:48:07.88 ID:kTT9/Cb9Q

唯「澪ちゃんあの夕日見て! 綺麗だよ!」

澪「うん、さっきから綺麗だな…」

唯「ほら!もっとちゃんと見てみな…ぅ…」

澪「ああ…」

―――――――――

――――――

―――

もしかしてあの時の唯も私と同じ嘘を?

思えばあの時の唯は私に泣いてるところを見られたくなかったのかもしれない
今の私のように…

そしてあの時、泣き声のような嗚咽も聞こえた気がしないでもない


107: 2011/04/02(土) 07:58:02.91 ID:kTT9/Cb9Q

あの日を境に私は唯をただの友達として見れなくなったのか…

想いが募っていく過程で最初を忘れてしまうとは…

だとしたら私は唯に最低な嘘をついたことになる

私の告白を聞いて唯が戸惑うのも当然だ

唯からしたら一回フラれてるも同然の私から告白されたら
それはどうしていいかわからないだろう

きっと私もそういう反応をするはずだ

とにかくもう一度唯に会って嘘っていうのは嘘だと言わないと…

私は部室のドアを荒々しく開け走り出した

「唯!」「唯ー!」


109: 2011/04/02(土) 08:08:33.47 ID:kTT9/Cb9Q

・・・・・・・・・

学校中探し回って声も枯れ果て諦めて帰ろうと玄関へ向かった

「うっ…」

そこにはうずくまって泣いている一人の女子がいた

その女子は私に気づいたのか泣き腫らした顔をあげて言った

唯「澪ちゃんと帰りたいから待ってたの」

唯は私が泣いてるのをわかっていたのかな?

だから一人にしてくれたのかな?

とりあえず今は伝えなきゃ

澪「嘘だよっ」

唯「……」

澪「嘘っていうの…嘘だよっ!」


110: 2011/04/02(土) 08:13:27.22 ID:kTT9/Cb9Q

唯「澪ちゃん2回嘘ついたね」

澪「うん…」

唯「私も嘘ついていい?」

澪「いいよ」

唯「去年の観覧車の中でついた嘘…嘘だよっ!」

澪「大嘘つきだな唯は…」

唯「澪ちゃんだって…」

それから私たちは赤子のような泣き声をあげて
落ち着くまでお互いを抱きしめ合った







      ~ END ~

112: 2011/04/02(土) 08:19:33.24 ID:kTT9/Cb9Q
夜中から朝にかけてだらだらのろのろとすみませんでした
書き溜めは苦手で最後まで書く前に飽きてしまうので…
あと実は書きながら少し寝てしまったりしてました。ごめんなさい
初めて地の文つきというものに挑戦してみたので変なところもあるかもしれませんがスルーしてください
では仕事行ってきますので失礼します

113: 2011/04/02(土) 08:20:36.90

唯澪は至高だな

引用元: 澪「嘘だよっ」