ガヴリール「え？あれ？6月6日じゃ」

タプリス「4日です」

ガヴリール「あ、えと……やっべ、そうだよ4日、うわやっべ」

タプリス「……てっきり私の誕生日なんて知らないのかなーって思ってたんですけど、間違えて覚えてたんですね」

ガヴリール「あの、タプリス、その」

サターニャ「ちょっとガヴリール！合図はまだなの！」

ヴィーネ「あっ、こらサターニャ！サプライズなんだから待ちなさい！」

ラフィエル「あらあら、仕方ないサターニャさんですね～」

タプリス「……サプライズ？」

ガヴリール「」

サターニャ「ガヴリール！もう始めちゃうわよ！」

ヴィーネ「勝手に進めないの！イベントには段取りってものが……」

ラフィエル「でもほら、サプライズにはなってると思いますよ？」

タプリス「そうですね……驚きですね」

ガヴリール「すまんタプリス！」

ヴィーネ「土下座⁉︎」

ヴィーネ「え？どういう状況？」

ガヴリール「……タプリスの誕生日は今日じゃなくて6月4日、つまりおとといだったんだ」

サターニャ「ちょっとガヴリール、あんたが6日って言ったんじゃない！間違えてたの⁉︎」

ラフィエル「……あー」

タプリス「白羽先輩も間違いに気づかなかったんですね……いえ、そもそも私の誕生日なんて興味ないですよね」

ラフィエル「そっ、そんなことは、ないですよ⁉︎」

ガヴリール「……」

ヴィーネ「……」

サターニャ「……」

ラフィエル「……」

タプリス「……あの」

ガヴリール「はい⁉︎なんですか⁉︎」

タプリス「すみません私、誕生日を間違えられたショックで我を忘れてました」

ヴィーネ「タプちゃん……？」

タプリス「そう、そうですよ！」

サターニャ「タプリス……」

タプリス「だって、だって先輩達は私の為に集まってくれて」

ラフィエル「タプちゃん」

タプリス「サプライズパーティなんですよね！天真先輩もさっき言ってました、人間界に来て初めての誕生日だから祝いたいって！」

ガヴリール「タプリス、お前……！」

タプリス「天真先輩、私こそごめんなさい……ありがとうございます！」

ヴィーネ「そうだわ！」

ガヴリール「うお、どうしたヴィーネ」

ヴィーネ「タプちゃんの誕生日は4日なのよね？」

タプリス「はい、そうですけど」

ヴィーネ「……どうにか当日に祝えるかもしれないわ」

ガヴリール「は？どうにかって何だよ」

ヴィーネ「魔界は今、6月4日のはずよ」

タプリス「え、それってどういう……？」

サターニャ「なんで？時空が歪んでるの？」

ヴィーネ「サターニャは知ってなさいよ……」

ラフィエル「なるほど、聞いたことがあります……時差ですね？」

ヴィーネ「その通り……魔界と人間界の間には、約2日の時差があるのよ」

ガヴリール「マジでか」

ヴィーネ「今から魔界に行けば、タプちゃんの誕生日に間に合うわよ！」

タプリス「えっ、本当ですか⁉︎月乃瀬先輩、私、私ぃ……！」

ガヴリール「こらこら、泣くのは早いぞ」

サターニャ「そうよ！どうやってあんた達が魔界に潜入するか考えないとね！」

ガヴリール「あっ」

ヴィーネ「あ」

タプリス「えっ」

ラフィエル「あらー」

ガヴリール「いや、サターニャじゃないんだから正式な手続きしてから入れば」

ラフィエル「それだと許可が出るのに3日はかかっちゃいますね～」

ガヴリール「」

ヴィーネ「ごめん……私が余計なこと言って変に期待させちゃって……」

タプリス「だっ、大丈夫ですよ！私、気持ちだけで充分嬉しいですっ！」

ラフィエル「……正式な手続きじゃなければ、3分ほどで許可が出ると思いますよ」

ガヴリール「え⁉︎」

ヴィーネ「うそ、なんで⁉︎」

ラフィエル「白羽家の力を使って、アレをアレしちゃいまーす」

サターニャ「やるわねラフィエル！」

タプリス「すごいです白羽先輩！」

ガヴリール「アレって……いや、聞くのはやめよう」

ラフィエル「あ、もしもしマルティエル？」

ラフィエル「はい、許可されましたー」

ガヴリール「すげぇな」

ヴィーネ「これでちゃんと6月4日にタプちゃんの誕生日を祝えるわね！」

タプリス「ありがとうございます！」

サターニャ「そうだわ、せっかくだから私の家に来なさいよ！美味しいケーキをご馳走するわ！」

タプリス「胡桃沢先輩の家ですか？なんでケーキ？」

ヴィーネ「サターニャのお家はケーキ屋さんなのよ！」

タプリス「なるほど！楽しみです！」

魔界ゲート

サターニャ「さ、着いてきなさい！」

ガヴリール「なんであいつが仕切ってんだよ」

ヴィーネ「緊張するわね……！」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

悪魔「ん？そこの人、もしかして天使じゃないの？なにしてるの？」

タプリス「ひゃっ⁉︎ど、どどど、どうしましょう⁉︎」

ラフィエル「お任せくださーい」

ガヴリール「おい、どんどん青ざめてないかあの悪魔」

タプリス「すごい勢いで頭下げてますね」

ラフィエル「お待たせしましたー」

悪魔「どうぞお通り下さい！」

ヴィーネ「え、白羽家って魔界とどんな関係が」

ガヴリール「聞くな」

サターニャ「通るわ！」

魔界

ガヴリール「ここが魔界か」

ラフィエル「まさに魔界！って感じですね！」

タプリス「魔界感が凄まじいです！」

サターニャ「今度は天界に連れてってほしいわラフィエル」

ヴィーネ「私もガヴの家に行ってみたい」

胡桃沢洋菓子店

サターニャ「ここが私の家よ！」

タプリス「うわー！美味しそうなケーキがたくさんありますね！」

サターニャ「帰りに好きなケーキ、お土産に持ってくと良いわ！誕生日プレゼントよ！」

タプリス「いいんですか⁉︎やったー！ありがとうございます！」

サターニャ「それじゃ私はママに説明してくるから、あんた達は待ってなさい」

ガヴリール「私も行くよ、そもそも私が誕生日間違えたせいだし」

ラフィエル「あ、私もお義母さんに挨拶を」

ヴィーネ「私とタプちゃんは待ってるわね」

タプリス「天界や人間界に無い種類のケーキもありますね」

ヴィーネ「この魔界にしか生えない木の実のタルト、美味しいのよ」

タプリス「へぇー！それじゃお土産はこれにします！」

ヴィーネ「ふふっ……さてと、そろそろいいわね」

タプリス「月乃瀬先輩？」

ヴィーネ「タプちゃん、こっち来て」

タプリス「この部屋がどうしたんですか？」

ヴィーネ「ふふふ……入るわよ！」

ドア「バーン！」

一同「「タプリス！誕生日おめでとう！」」

クラッカー「パーン！」

タプリス「え？え⁉︎えぇー！！？」

タプリス「え、だって、ここに来るって決めたのはつい30分前なのに、なんでこんな飾り付けとか料理まで」

ガヴリール「どうだ？迫真の演技だっただろ？」

ヴィーネ「せっかくだからね！とびっきりのサプライズパーティよ！」

サターニャ「まったく、ヴィネットのイベント好きは困ったものよね！」

タプリス「みなさん、私のためにここまで……！」

ラフィエル「まぁ、ガヴちゃんが誕生日を間違えてたのは本当なんですけどね」ﾎﾞｿｯ

ガヴリール「おいやめろ」

ラフィエル「魔界の時差が丁度良くて助かりましたね～」

ガヴリール「やめてタプリスに聞こえるからやめて」

ヴィーネ「それじゃタプちゃんの誕生日を祝ってカンパーイ！」

タプリス「カンパーイ！」

サターニャ「カンパーイ！」

パーティも終わり…

タプリス「今日はありがとうございました！」

ガヴリール「喜んでもらえて良かったよ」

ラフィエル「怪我の功名ですね～」

ガヴリール「やめろ」

サターニャ「はいこれ、お土産のケーキよ！賞味期限は2日くらいだから早く食べなさいよ」

タプリス「わぁ！ありがとうございます！」

ガヴリール「えーと、魔界のカレンダーで2日後ってことは、人間界だと……6月8日か」

ラフィエル「ややこしいですね」

サターニャママ「そのケーキの賞味期限なら6月10日よ」

ヴィーネ「ちょっと長持ちするケーキなのかしら」

サターニャ「普通のケーキのはずだけど？」

ガヴリール「……ん？」

ラフィエル「……あー」

タプリス「？」

ラフィエル「お義母様、今日って何日ですか？」

ガヴリール「待てラフィ」

サターニャママ「6月8日だけど、それがどうかしたのラフィちゃん」

ガヴリール「」

ヴィーネ「……あれ、時差2日って、あれ」

サターニャ「？」

タプリス「……」

ヴィーネ「あー！魔界から見て人間界が2日前なのね！あー！なるほどね！あー！」

サターニャ「え？なに、どうしたのヴィネット？変よ？」

ラフィエル「……あらー」

ガヴリール「うん、時差ボケかな！な、タプリス！」

タプリス「……」

ヴィーネ「タプちゃん……？」

タプリス「ぷっ、あは、あはは！もう！最後までサプライズ尽くしでしたよ！」

ガヴリール「あ、あはは、だな！ははは！」

一同「「あははははは！！！！！」」

おわり

乙

おつおつ
和やかでよかった