1:2017/08/15(火) 21:03:40.591 ID:tIptbKik0.net
ラフィエル「サターニャさん、どうして泣いてるんですか?」
サターニャ「……泣いてないわよ」
ラフィエル「泣いてるじゃないですか」
サターニャ「だ、だから泣いてないって」
ラフィエル「じゃあ、その目の端から零れる粒はなんですか?」
サターニャ「そ、それは……」
ラフィエル「どうして声を枯らしているんですか?」
サターニャ「う……」
ラフィエル「教えてください、サターニャさん」
サターニャ「……泣いてないわよ」
ラフィエル「泣いてるじゃないですか」
サターニャ「だ、だから泣いてないって」
ラフィエル「じゃあ、その目の端から零れる粒はなんですか?」
サターニャ「そ、それは……」
ラフィエル「どうして声を枯らしているんですか?」
サターニャ「う……」
ラフィエル「教えてください、サターニャさん」
2:2017/08/15(火) 21:05:45.254 ID:tIptbKik0.net
サターニャ「……それはあんたが一番わかってるでしょ」ムッ
ラフィエル「んー、ちょっとよくわかりませんね」ニコッ
サターニャ「……あんた、やっぱり意地悪ね」
ラフィエル「そう言うサターニャさんは意地っ張りです」
サターニャ「わっ、私は大悪魔よ。意地を張って当然なの」
ラフィエル「その大悪魔を泣かせてしまった私は、どうなるんでしょう」
サターニャ「……さあね。大天使にでもなれるんじゃないの」
ラフィエル「駄天使と大天使……一文字で大きな違いですね」
サターニャ「……ふふっ」
ラフィエル「あ、ちょっと笑ってくれましたね」
サターニャ「あっ……べ、別に笑ってないし……」
ラフィエル「んー、ちょっとよくわかりませんね」ニコッ
サターニャ「……あんた、やっぱり意地悪ね」
ラフィエル「そう言うサターニャさんは意地っ張りです」
サターニャ「わっ、私は大悪魔よ。意地を張って当然なの」
ラフィエル「その大悪魔を泣かせてしまった私は、どうなるんでしょう」
サターニャ「……さあね。大天使にでもなれるんじゃないの」
ラフィエル「駄天使と大天使……一文字で大きな違いですね」
サターニャ「……ふふっ」
ラフィエル「あ、ちょっと笑ってくれましたね」
サターニャ「あっ……べ、別に笑ってないし……」
3:2017/08/15(火) 21:07:27.730 ID:tIptbKik0.net
サターニャ「……」ウルウル
ラフィエル「……もう、どうしたら泣き止んでくれますか?」
サターニャ「泣いてない!」キッ
ラフィエル「サターニャさんったら、本当に強情ですね」
サターニャ「……薄情よりはマシでしょ」
ラフィエル「あ、強情って白状しましたね」
サターニャ「地味に韻を踏んでるんじゃないわよ、むかつくわね!」
ラフィエル「あら、いつものサターニャさんに戻ってきましたね♪」
サターニャ「うっ……」ギクッ
ラフィエル「……もう、どうしたら泣き止んでくれますか?」
サターニャ「泣いてない!」キッ
ラフィエル「サターニャさんったら、本当に強情ですね」
サターニャ「……薄情よりはマシでしょ」
ラフィエル「あ、強情って白状しましたね」
サターニャ「地味に韻を踏んでるんじゃないわよ、むかつくわね!」
ラフィエル「あら、いつものサターニャさんに戻ってきましたね♪」
サターニャ「うっ……」ギクッ
4:2017/08/15(火) 21:08:40.838 ID:tIptbKik0.net
ラフィエル「そうだ、近所に新しくパン屋さんが出来たんですよ。行ってみませんか?」
サターニャ「……どういう風の吹き回しよ」
ラフィエル「サターニャさんが元気になるかと思って……」
サターニャ「そんなに単純じゃないわよ、私は」
ラフィエル「えっ!?そうなんですか!?」ガーン
サターニャ「そんなに驚かれるとショックなんだけど!」
ラフィエル「メロンパンさえあれば涙も止まるかと思っていたのに……」
サターニャ「どんな原理よ!……って、だから泣いてないって!」
サターニャ「……どういう風の吹き回しよ」
ラフィエル「サターニャさんが元気になるかと思って……」
サターニャ「そんなに単純じゃないわよ、私は」
ラフィエル「えっ!?そうなんですか!?」ガーン
サターニャ「そんなに驚かれるとショックなんだけど!」
ラフィエル「メロンパンさえあれば涙も止まるかと思っていたのに……」
サターニャ「どんな原理よ!……って、だから泣いてないって!」
5:2017/08/15(火) 21:10:42.790 ID:tIptbKik0.net
ラフィエル「うーん、どうすればいいんでしょうか」
サターニャ「……べ、別にどうもしなくていいんだけど」
ラフィエル「サターニャさん、気晴らしに私と遊びませんか?」
サターニャ「私で遊ぶ、の間違いでしょ」
ラフィエル「そんなこと言わずに、ほら。一緒に歌ったり踊りませんか」
サターニャ「いつも踊らされてるのは私よ」
ラフィエル「きっと楽しいですよ」
サターニャ「愉しいのはあんただけよ」
ラフィエル「サターニャさんも、導られて楽しくなってるじゃないですか」
サターニャ「そんなこと思ってないわよ!」
ラフィエル「サターニャさんはMだと信じていたのに……」
サターニャ「んなっ……違うわよっ!」
サターニャ「……べ、別にどうもしなくていいんだけど」
ラフィエル「サターニャさん、気晴らしに私と遊びませんか?」
サターニャ「私で遊ぶ、の間違いでしょ」
ラフィエル「そんなこと言わずに、ほら。一緒に歌ったり踊りませんか」
サターニャ「いつも踊らされてるのは私よ」
ラフィエル「きっと楽しいですよ」
サターニャ「愉しいのはあんただけよ」
ラフィエル「サターニャさんも、導られて楽しくなってるじゃないですか」
サターニャ「そんなこと思ってないわよ!」
ラフィエル「サターニャさんはMだと信じていたのに……」
サターニャ「んなっ……違うわよっ!」
7:2017/08/15(火) 21:11:58.423 ID:tIptbKik0.net
ラフィエル「……」
サターニャ「……」ウルウル
ラフィエル「そろそろ、涙の理由を話してくれませんか」
サターニャ「……言わなきゃ駄目なの?」
ラフィエル「話してくれるまで離れませんから」
サターニャ「はなからそんな魂胆だったのね」
ラフィエル「言わぬが花……とは言いますが、私はサターニャさんの口から聞きたいんです」
サターニャ「ほんとうに、意地悪ね……わかってるくせに」
ラフィエル「……」
サターニャ「……言えるわけがないじゃないの」
サターニャ「……」ウルウル
ラフィエル「そろそろ、涙の理由を話してくれませんか」
サターニャ「……言わなきゃ駄目なの?」
ラフィエル「話してくれるまで離れませんから」
サターニャ「はなからそんな魂胆だったのね」
ラフィエル「言わぬが花……とは言いますが、私はサターニャさんの口から聞きたいんです」
サターニャ「ほんとうに、意地悪ね……わかってるくせに」
ラフィエル「……」
サターニャ「……言えるわけがないじゃないの」
9:2017/08/15(火) 21:13:13.274 ID:tIptbKik0.net
ラフィエル「そうですか……」
ラフィエル「これは、考えたくなかったことなんですが」
ラフィエル「……もしかして、迷惑でしたでしょうか」
サターニャ「……迷惑?」
ラフィエル「はい。私が先ほどしたことも、伝えた言葉も」
ラフィエル「サターニャさんにとって、迷惑以外の何物でもないのかも」
ラフィエル「だから、サターニャさんは、泣いてしまったのではないですか?」
サターニャ「っ!……それはちがっ……!」
ラフィエル「これは、考えたくなかったことなんですが」
ラフィエル「……もしかして、迷惑でしたでしょうか」
サターニャ「……迷惑?」
ラフィエル「はい。私が先ほどしたことも、伝えた言葉も」
ラフィエル「サターニャさんにとって、迷惑以外の何物でもないのかも」
ラフィエル「だから、サターニャさんは、泣いてしまったのではないですか?」
サターニャ「っ!……それはちがっ……!」
11:2017/08/15(火) 21:15:17.359 ID:tIptbKik0.net
ラフィエル「サターニャさんのために作ったお菓子も」
ラフィエル「サターニャさんを想って書いた手紙も」
ラフィエル「それを渡すために、二人きりになれる場所に連れてきたことも」
ラフィエル「それと一緒に、サターニャさんに伝えた言葉さえも」
ラフィエル「全部、ぜんぶ、いらなかったんでしょうか」
ラフィエル「私はそれを認めたくなくて……うぅっ……」
サターニャ「それは違うっ!!」ギュッ
ラフィエル「サターニャさんを想って書いた手紙も」
ラフィエル「それを渡すために、二人きりになれる場所に連れてきたことも」
ラフィエル「それと一緒に、サターニャさんに伝えた言葉さえも」
ラフィエル「全部、ぜんぶ、いらなかったんでしょうか」
ラフィエル「私はそれを認めたくなくて……うぅっ……」
サターニャ「それは違うっ!!」ギュッ
12:2017/08/15(火) 21:17:04.334 ID:tIptbKik0.net
ラフィエル「さたーにゃ、さん……?」キョトン
サターニャ「ごめん、ラフィエル。私が素直じゃないばっかりに、不安にさせちゃって」
サターニャ「ほんとは、全部嬉しかったの」
サターニャ「私のために頑張って作ってくれたお菓子も」
サターニャ「ちょっと照れくさいけど、ラフィエルの想いが詰まった手紙も」
サターニャ「二人きりになれるように取り計らってくれたことも」
サターニャ「全部、ぜんぶ嬉しかったの」
サターニャ「そしたら……なんだか、心があったかくなって……目が熱くなって……」
サターニャ「でも、それを素直に認めるのは癪で……」
サターニャ「ついつい、はぐらかすようなことをしちゃったわ。……ごめんなさい」
ラフィエル「う、うぅ……!」ポタポタ
ラフィエル「サターニャさん……!!」ギュッ
サターニャ「ごめん、ラフィエル。私が素直じゃないばっかりに、不安にさせちゃって」
サターニャ「ほんとは、全部嬉しかったの」
サターニャ「私のために頑張って作ってくれたお菓子も」
サターニャ「ちょっと照れくさいけど、ラフィエルの想いが詰まった手紙も」
サターニャ「二人きりになれるように取り計らってくれたことも」
サターニャ「全部、ぜんぶ嬉しかったの」
サターニャ「そしたら……なんだか、心があったかくなって……目が熱くなって……」
サターニャ「でも、それを素直に認めるのは癪で……」
サターニャ「ついつい、はぐらかすようなことをしちゃったわ。……ごめんなさい」
ラフィエル「う、うぅ……!」ポタポタ
ラフィエル「サターニャさん……!!」ギュッ
13:2017/08/15(火) 21:19:17.709 ID:tIptbKik0.net
サターニャ「まったく、ラフィエルのせいでぜんぶ打ち明けちゃったじゃないの」
サターニャ「天使に感情を揺らがされるなんて、悪魔にとってあってはならないことなのよ?」
サターニャ「だから、必死で隠してたのに……私もまだまだね」
ラフィエル「すみません、サターニャさん……」
サターニャ「……ねえ、私だけこんな思いをするのも不公平だと思わない?」
ラフィエル「それもそうですね……では私は何をすればいいんでしょうか」
サターニャ「簡単なことよ。……もう一回、あの言葉を言ってくれればいいの」
サターニャ「プレゼントと一緒にくれた、あの言葉を」
ラフィエル「そういうことなら……お安い御用です」
サターニャ「天使に感情を揺らがされるなんて、悪魔にとってあってはならないことなのよ?」
サターニャ「だから、必死で隠してたのに……私もまだまだね」
ラフィエル「すみません、サターニャさん……」
サターニャ「……ねえ、私だけこんな思いをするのも不公平だと思わない?」
ラフィエル「それもそうですね……では私は何をすればいいんでしょうか」
サターニャ「簡単なことよ。……もう一回、あの言葉を言ってくれればいいの」
サターニャ「プレゼントと一緒にくれた、あの言葉を」
ラフィエル「そういうことなら……お安い御用です」
14:2017/08/15(火) 21:22:03.492 ID:tIptbKik0.net
サターニャ「言っとくけど、今度は泣かないからね」
ラフィエル「……やっぱりさっきは泣いてたんですね」
サターニャ「う、うるさいわね!
サターニャ「あんたも、泣くんじゃないわよ!さっき目が潤んでたの、見逃さなかったんだからね!」
ラフィエル「わ、私は泣きませんよ?」
サターニャ「ふうん、どうかしらね?」
ラフィエル「……それじゃあ、言いますね」
ラフィエル「……やっぱりさっきは泣いてたんですね」
サターニャ「う、うるさいわね!
サターニャ「あんたも、泣くんじゃないわよ!さっき目が潤んでたの、見逃さなかったんだからね!」
ラフィエル「わ、私は泣きませんよ?」
サターニャ「ふうん、どうかしらね?」
ラフィエル「……それじゃあ、言いますね」
16:2017/08/15(火) 21:23:46.236 ID:tIptbKik0.net
ラフィエル「サターニャさん、お誕生日おめでとうございます」
ラフィエル「サターニャさんが生まれてきてくれて、サターニャさんに出会えて、私はとても幸せです」
ラフィエル「何事にも一所懸命なところも、ときどき空回りしちゃうところも、全部好きなんです」
ラフィエル「これから先、いろんなことがあると思いますが……」
ラフィエル「サターニャさん……どうかこれからも、ずっと、一緒にいてくれませんか?」
ラフィエル「サターニャさんが生まれてきてくれて、サターニャさんに出会えて、私はとても幸せです」
ラフィエル「何事にも一所懸命なところも、ときどき空回りしちゃうところも、全部好きなんです」
ラフィエル「これから先、いろんなことがあると思いますが……」
ラフィエル「サターニャさん……どうかこれからも、ずっと、一緒にいてくれませんか?」
17:2017/08/15(火) 21:26:01.160 ID:tIptbKik0.net
サターニャ「……」グスッ
ラフィエル「サターニャさん……」ウルウル
サターニャ「……ありがとう、ラフィエル」
サターニャ「わかったわ。これからもずっと、一緒にいてあげる」
ラフィエル「!……ありがとう、ございますっ……!」
ラフィエル「……サターニャさん、どうして泣いているんですか?」
サターニャ「……泣いてないわよ」
サターニャ「あんたこそ、なんで泣いてるのよ」
ラフィエル「……泣いてないですよ?」
サターニャ「……意地っ張り」
ラフィエル「……お互い様です♪」
ラフィエル「サターニャさん……」ウルウル
サターニャ「……ありがとう、ラフィエル」
サターニャ「わかったわ。これからもずっと、一緒にいてあげる」
ラフィエル「!……ありがとう、ございますっ……!」
ラフィエル「……サターニャさん、どうして泣いているんですか?」
サターニャ「……泣いてないわよ」
サターニャ「あんたこそ、なんで泣いてるのよ」
ラフィエル「……泣いてないですよ?」
サターニャ「……意地っ張り」
ラフィエル「……お互い様です♪」
18:2017/08/15(火) 21:27:29.329 ID:tIptbKik0.net
サターニャ「ねえ、私たちに涙なんて似合わないと思わない?」
ラフィエル「そうですね。サターニャさんには太陽みたいな笑顔が一番です!」
サターニャ「そういうラフィエルは、怪しげにニヤニヤしてるのが一番似合うわ!」
ラフィエル「ひどいですー!」
サターニャ「ふう……。さてと、なんか気晴らしに、メロンパンでも食べたくなってきたわね」チラッ
ラフィエル「え、あっ……そういえば、近所に美味しいパン屋さんができたらしいですよ?」
サターニャ「よし、じゃあそこに行きましょ!ついてきなさい、ラフィエル!」
ラフィエル「はいっ♪」ニコニコ
おしまい。
ラフィエル「そうですね。サターニャさんには太陽みたいな笑顔が一番です!」
サターニャ「そういうラフィエルは、怪しげにニヤニヤしてるのが一番似合うわ!」
ラフィエル「ひどいですー!」
サターニャ「ふう……。さてと、なんか気晴らしに、メロンパンでも食べたくなってきたわね」チラッ
ラフィエル「え、あっ……そういえば、近所に美味しいパン屋さんができたらしいですよ?」
サターニャ「よし、じゃあそこに行きましょ!ついてきなさい、ラフィエル!」
ラフィエル「はいっ♪」ニコニコ
おしまい。
19:2017/08/15(火) 21:28:46.213 ID:tIptbKik0.net
ありがとうございました。
サターニャ、誕生日おめでとう!
サターニャ、誕生日おめでとう!
20:2017/08/15(火) 21:36:54.647 ID:BfDXspvza.net
乙
サタラフィいいぞ~
サタラフィいいぞ~
22:2017/08/15(火) 21:41:52.479 ID:SaNkh3Fb0.net
多様な言い回しがとても好み
乙乙
乙乙
引用元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1502798620
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