1: 2012/02/04(土) 13:08:42.42 ID:NWs4wG8A0
マミ「えぇそうよ」

マミ「5人で魔女狩りをするようになってから、効率そのものはたしかに上がってるけど・・・」

マミ「あなたたちがペアを組むときの危なっかしさったら・・・それはもう見ていられないわ」

杏子「まったくだな」モグモグ

まどか「・・・うん、たしかに」

さやか「ひっど! みんなひっど!」

マミ「でも事実でしょう?」

さやか「・・・むむ・・・まぁ少しは思うところもなくはないけど・・・」

マミ「そこで『同居』というわけ」

さやか「いや意味わかんないし・・・」

7: 2012/02/04(土) 13:11:14.77 ID:NWs4wG8A0
QB「・・・それは僕も名案だと思うよ」

さやか「QB! あんたどっから・・・!」

QB「生活を共にするということは、お互いの理解を深めることにも繋がるしね」

さやか「って聞いてないし・・・」

マミ「そう。その理解がいざ戦闘になったときにとても大切になってくるわけ」

杏子「どっかのアニメでも言ってたしな、それ」

さやか「そんなもんなの・・・?」

マミ「そんなもんなのよ」

まどか「でも二人だけで大丈夫かなぁ」

マミ「甘いわね、鹿目さん。それを乗り越えていくことこそが、今回の計画のキモじゃない」

さやか「計画て・・・」

9: 2012/02/04(土) 13:14:00.77 ID:NWs4wG8A0
さやか「というわけだからさ・・・その・・・」

ほむら「・・・」

さやか「まぁこれからよろしくってことで!」エヘヘ

ほむら「・・・そう。よろしく」

さやか「うん、よろしく!」

ほむら「・・・」

さやか「・・・」

ほむら「・・・」

さやか(めちゃ気まずいわぁ・・・)

10: 2012/02/04(土) 13:16:59.72 ID:NWs4wG8A0
さやか「あ、あのさ。それで、どっちの家にする・・・?」

ほむら「・・・なにが?」

さやか「いやぁ、その、これから生活する場所」

ほむら「・・・」

さやか「・・・」

ほむら「・・・」

さやか(この間はなんだよっ)

ほむら「・・・あなたのうちにはご両親がいらっしゃるでしょう?」

ほむら「だったら答えはおのずと決まっているようなものだと思うけれど」

さやか「そ、そういやそうだったーっ! ごめんごめん、私うっかりしてたわー」

ほむら「・・・」ハァ

12: 2012/02/04(土) 13:20:55.84 ID:NWs4wG8A0
ほむら「どうぞ」ガチャ

さやか「お、お邪魔しまーっす」

さやか「よいしょ・・・」スコン

ほむら「・・・」ジッ

ほむら「・・・ちょっといいかしら、美樹さやか」

さやか「ん、なに?」

ほむら「あなたのご両親は、他人の家での靴の脱ぎ方も教えないのかしら?」

さやか「あっ」

13: 2012/02/04(土) 13:24:30.34 ID:NWs4wG8A0
さやか「いっけね。ごめんごめん」

ほむら「・・・」ジトー

さやか「むっ・・・そんな睨むことないじゃん」

ほむら「・・・」

さやか「ていうかさぁ」

ほむら「・・・なにかしら」

さやか「その『美樹さやか』って呼び方やめようよ」

さやか「あたしも『転校生』ってのやめるから」

15: 2012/02/04(土) 13:28:10.50 ID:NWs4wG8A0
ほむら「じゃあどう呼んだらいいの?」

さやか「えーっとぉ、ここはかわいく『さやか姫』とか? なんつってーw」

ほむら「・・・じゃあ『さやか』でいいわね」

さやか「ったく・・・釣れないなぁ」

さやか「じゃああたしも『ほむら』でいいのかな」

ほむら「・・・!」

ほむら「・・・好きに呼ぶといいわ」プイッ

さやか(あれ・・・今、ちょっと照れた・・・?)

18: 2012/02/04(土) 13:33:06.37 ID:NWs4wG8A0
さやか「おいおい、ほむらぁ~」

ほむら「・・・なに?」

さやか「なーにほっぺた赤くしちゃってんのぉ?」

ほむら「!」カァアア

ほむら「う、うるさいっ!」プイッ

さやか「うはー照れちゃってー! かわいいとこあるじゃーん!」プニプニ

ほむら「・・・」キッ

さやか「おーこわ・・・そんな睨むなってーの。かわいくないぞ~」

ほむら「・・・」フン

23: 2012/02/04(土) 13:37:41.48 ID:NWs4wG8A0
さやか「へぇ・・・きれいな部屋だねー」

さやか「整理も行き届いてるし」

ほむら「・・・。じゃ、少しそこで待ってて」

さやか「え、あ、お茶とかならあたしがやるよ」

ほむら「いいえ、結構よ。あなたにやらせると余計な手間をとりそうだから」スタスタ

さやか「・・・」ムッ

さやか(やっぱかわいくないやつ)

24: 2012/02/04(土) 13:41:00.11 ID:NWs4wG8A0
ほむら「・・・どうぞ」カチャリ

さやか「お、うん、さんきゅ・・・」

さやか「ってうわ~いい香り! これなんて紅茶?」

ほむら「・・・アールグレイよ」

さやか「あ、それ知ってる! 前テレビかなんかで見た!」

ほむら「・・・そうなの」

さやか「ほいじゃ、いただきまーす」ズズズ

ほむら「・・・」

さやか「お、おいしーーーーー!!! こんなおいしい紅茶はじめて飲んだよ私っ!」

ほむら「・・・それはよかったわね」

26: 2012/02/04(土) 13:44:31.54 ID:NWs4wG8A0
10分後

さやか「んで、そもそもなんで同居することになったかというと・・・」

ほむら「・・・説明は結構よ。だいたい予想はつくわ」

ほむら「私とあなたのペアは協調性に欠けるから、共同生活を送ることで連帯感を高めるように・・・とでも言われたんでしょう」

さやか「・・・さ、さっすがぁ! 何も聞かずにそこまで言い当てるとはねー!」

ほむら「・・・」

さやか「・・・まいっちゃうよねぇ。私たち二人ってそんなに信用ないかなぁ・・・」

ほむら「・・・そうね。たしかに巴マミの言ってることは正しい」

さやか「・・・え?」

28: 2012/02/04(土) 13:50:46.68 ID:NWs4wG8A0
ほむら「ひいき目に見ても、私たちがペアになったときの戦績は、ほかの人たちと比べて圧倒的に劣るわ」

さやか「・・・そ、そりゃそうかもしれないけどさぁ」

ほむら「でもね。勘違いしてほしくないの」

さやか「・・・?」

ほむら「それはすべて、あなたの不甲斐なさから生じている問題よ、美樹さやか」

さやか「え・・・はぁ!? あたし!?」

ほむら「あなた以外にだれがいるっていうの」

さやか「・・・」

29: 2012/02/04(土) 13:53:06.44 ID:NWs4wG8A0
ほむら「この間の戦闘もそう、私の言ったとおりにしていればあれほどの苦労はしなかったはず・・・」

さやか「・・・ッ! あ、あれは・・・」

ほむら「あれは、なんだというの? この期に及んで言い訳かしら・・・?」

さやか「言い訳とか・・・そんなんじゃ・・・」

ほむら「あなたはまだ経験が浅い素人なんだから、私の指示通りに動くだけでいいのよ」

ほむら「一人で勝手に突っ走られると、むしろ迷惑なの」

ほむら「それを必死にフォローする私の身も考えて」

さやか「・・・」

30: 2012/02/04(土) 13:56:01.12 ID:NWs4wG8A0
さやか「・・・なによ・・・それ・・・」

さやか「なんだっていうのよそれ!? 全部私が悪いっていうの!?」

ほむら「・・・だからそう言ってるでしょう」

さやか「ふざけないでよッ!」

さやか「たしかに私の実力不足で迷惑かけちゃうときもあるけどさぁ!」

さやか「でも、それにしたって、言い方ってもんがるでしょうが!」

さやか「そもそも、あんた自身にも反省すべき部分はあるんじゃないの!?」

さやか「特にその・・・あたしに対するいつも上から目線のスカした態度!」

さやか「それが私たちの関係性をこじれさせてる原因でしょうが!」

ほむら「・・・」

32: 2012/02/04(土) 14:00:15.42 ID:NWs4wG8A0
ほむら「・・・言いたいことはそれだけ?」

さやか「あ、あんた・・・ッ!」

ほむら「・・・わかったわ。もうやめにしましょう、こんな茶番」

さやか「・・・は?」

ほむら「あなたとはどうやっても分かり合えないみたいだから、こんなことしていても無意味よ」

ほむら「巴マミに言って、このふざけた企画をやめさせるわ」

さやか「!」

36: 2012/02/04(土) 14:04:45.70 ID:NWs4wG8A0
ほむら「・・・」スタスタ

さやか「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

ほむら「・・・なに?」

さやか「・・・そうやってすぐ諦めて、逃げて出してもいいの? あんたは」

ほむら「・・・!」ピクッ

さやか「それで悔しくないの・・・?」

ほむら「・・・あなたはそんなこと言える立場じゃないでしょう」

ほむら「それに私は初めから期待なんてしていなかった。だからこれは諦めでもなんでもない」

41: 2012/02/04(土) 14:10:45.83 ID:NWs4wG8A0
さやか「・・・そんなのは詭弁でしょ」

ほむら「・・・なんですって」

さやか「私は悔しい・・・このまま諦めちゃって、みんなに『やっぱり』って思われるのが」

ほむら「・・・」

さやか「私、あんたの言ったとおり実力ないし、ただでさえ足手まといだからさ・・・」

さやか「いつかみんなにも認めてもらえるようにって、それだけを考えてずっと戦ってた」

さやか「特にあんたとはよく衝突しあってたからさ、『絶対に負けない』って感じで変な対抗意識もっちゃって」

さやか「バカみたいだよね・・・私」

ほむら「・・・」

42: 2012/02/04(土) 14:15:03.86 ID:NWs4wG8A0
さやか「ほんとは、さ。私、あんたに憧れてたのかもしれない」

さやか「何でもそつなくこなすあんたが、かっこいいなって」

ほむら「・・・私はそんなに立派な人間ではないわ」

さやか「へぇ・・・意外。案外控えめなとこあるんだね」

ほむら「・・・」

さやか「って、冗談だよっ!」

ほむら「・・・わかってるわ」

さやか「まぁあんたがあんた自身をどう評価してようが勝手だけどさ・・・」

さやか「あたしにとっての『暁美ほむら』は、いつでも完璧で、嫌味なやつで・・・」

さやか「それでいて、私の目標だった」

45: 2012/02/04(土) 14:19:42.20 ID:NWs4wG8A0
さやか「これでもかってくらい悔しかったし、妬みもしたよ」

さやか「けど、やっぱり私が一番望んでたのは・・・」

さやか「あんたに認めてもらうことだったのかも」

ほむら「・・・」

さやか「で、でも」グスッ

さやか「でも、やっぱり私は私だった・・・迷惑なだけの私でしかなかった・・・」ポロポロ

さやか「さっきはさ、あんたにそれを直に言われて、制御きかなくなっちゃったんだ」

さやか「今までの言葉はごめん。撤回するよ・・・」

ほむら「・・・」

47: 2012/02/04(土) 14:22:11.36 ID:NWs4wG8A0
ほむら「・・・」スッ

さやか「・・・えっ」

ほむら「・・・これで涙を拭いて」

さやか「え、あ、うん。ありがとう・・・」ゴシゴシ

ほむら「・・・美樹さやか」

さやか「・・・」

さやか「言ったはずでしょ。その呼び方はやめようって」

ほむら「・・・そうね。ごめんなさい」

ほむら「さやか」

さやか「・・・なに?」

50: 2012/02/04(土) 14:28:30.29 ID:NWs4wG8A0
ほむら「・・・私、あなたに謝らなくちゃいけない」

さやか「・・・どうして?」

ほむら「その、さっきはひどいことを言ってしまったから・・・」

ほむら「たしかにあなたは少しばかり未熟で、不器用かもしれないわ」

さやか(そこは否定しないのね・・・まぁいいけどさ)

ほむら「でも、あなたはあなたなりに悩みを抱えて、苦労してたのね」

さやか「・・・」

ほむら「私、あなたの気持ちなんてこれっぽっちも考えようとしてなかった」

ほむら「だから、その・・・ごめんなさい」

51: 2012/02/04(土) 14:31:33.23 ID:NWs4wG8A0
さやか「・・・いいよ。許してあげる」
ほむら「ほ、ほんと・・・?」

さやか「うっそ」

ほむら「・・・!」

さやか「なーんて! 冗談だよ、ジョーダンっ!」

ほむら「あ、あなたって人は・・・!」

さやか「ごめんごめん、ついからかってみたくなっちゃって」ナハハ

ほむら「・・・ばか」

55: 2012/02/04(土) 14:35:58.59 ID:NWs4wG8A0
さやか「じゃあさ、さっきの言葉は撤回だよね?」

ほむら「え?」

さやか「さっきあんた言ったじゃん。『もう茶番はやめにしましょう(キリッ』って」

ほむら「・・・そんな言い方してないわ」

さやか「したよ」

ほむら「してない」

さやか「・・・」ムー

ほむら「・・・」ジトー

56: 2012/02/04(土) 14:39:21.06 ID:NWs4wG8A0
さやか「ぷっ・・・!」

ほむら「くす・・・」

さやか「あはは!」

ほむら「ふふっ」

さやか「・・・はぁ、なに下らないことで言い合ってんだろうね、あたしたち」

ほむら「そうね」

さやか「それで、どうなの?」

ほむら「・・・」

ほむら「まぁ、私は別にかまわないわ・・・あなたがそうしたいのなら」テレテレ

62: 2012/02/04(土) 14:46:21.36 ID:NWs4wG8A0
さやか「・・・ぷっ」

さやか「あはは!」

ほむら「?」

さやか「なっ、なによその言い方」ククク

さやか「とことん素直じゃないやつ!」ズビシッ

ほむら「は、はぁ!?」

ほむら「そ、そもそもあなたが言い出したんでしょッ!」

さやか「私はマミさんに言われただけだもんねー!」

ほむら「むっ」

63: 2012/02/04(土) 14:49:36.07 ID:NWs4wG8A0
さやか「んでどうなのよー?」
ほむら「くっ・・・」
ほむら「わ、わかったわよ! いいわ。認めるわ」
ほむら「わ、私と一緒に・・・」
さやか「私と一緒に? ん?」
ほむら「・・・」イラッ
ほむら「私と一緒に・・・ど、同居してください」カァアア
さやか「ぶばっ!」

65: 2012/02/04(土) 14:55:15.19 ID:NWs4wG8A0
ほむら「い、今笑ったわね! 笑ったでしょう!?」

さやか「くくっ・・・あはは!」

ほむら「も、もう知らないわ、私!」

さやか「ひぃ・・・ひぃ・・・いやっ、ちょ、ま、待ってってば」ククッ

ほむら「なによ! 謝罪の言葉は受け付けないわよ!」

さやか「いや、今のはかわいかったんだってばっ」

ほむら「か、かわいかった・・・?」

さやか「そ。かわいかったの、あんたが」

68: 2012/02/04(土) 15:00:15.00 ID:NWs4wG8A0
ほむら「・・・」

さやか「・・・?」

ほむら「と、とにかく、もうこれで契約は成立ねっ!」

さやか「契約って・・・QBじゃないんだから」

ほむら「なんでもいいわよ! とにかくもうこの話は終わり!」

さやか「はいはい」

ほむら「・・・」ドキドキ

ほむら(か、かわいかった・・・? 私が・・・?)

69: 2012/02/04(土) 15:02:03.52 ID:NWs4wG8A0
窓の外

マミ「はぁ、いちじはどうなることかと思ったけど」

マミ「お互いに本音をぶつけ合ったおかげで、もうすっかり打ち解けてきたみたいね」

まどか「ほんとよかったです・・・」グスッ

杏子「泣くなよ、ほら」スッ

まどか「ありがとう、杏子ちゃん・・・」ゴシゴシ

杏子「いいって、気にスンナ」

QB「・・・」

マミ「まぁ、今日のところはひとまず帰りましょう」

70: 2012/02/04(土) 15:04:52.24 ID:NWs4wG8A0
そして夜

さやか「んで、今日の夕飯はどうする?」

ほむら「私が作るわ」

さやか「えっ、あんた作れんの?」

ほむら「簡単なものならね」

さやか「さっすが優等生!」

ほむら「・・・その呼び方はやめてちょうだい」

さやか「えー、だって事実じゃん」

ほむら「・・・じゃああなたのこと、これから劣等生って呼ぶわよ」

さやか「・・・ごめんなさい、もう言いません」

73: 2012/02/04(土) 15:08:00.05 ID:NWs4wG8A0
さやか「うわーハンバーグだぁ!」

ほむら「子供みたいなはしゃぎ方しない」

さやか「えぇー、だって私たち子どもじゃーん」

ほむら(・・・言い返せないわ)

さやか「でもなんかごつごつしてるねこれ」

さやか「ハンバーグっていうより、肉団子・・・?」

ほむら「・・・!」カァアア

ほむら「まだあんまり上手じゃないから・・・」

75: 2012/02/04(土) 15:11:52.81 ID:NWs4wG8A0
さやか「まぁ難しそうだもんねぇ」

ほむら「・・・」

さやか「じゃま、いっただきまーっす」

さやか「・・・」モグモグ

さやか「おー! おいしい!」

ほむら「・・・ほんと?」

さやか「うん、おいしいよ。この肉団子もといハンバーグ!」

ほむら「・・・」サッ

さやか「あ、かえしてー!」

77: 2012/02/04(土) 15:15:12.87 ID:NWs4wG8A0
ほむら「今のはわざと言ったでしょう・・・?」

さやか「なんだよー! 軽い冗談じゃん!」

ほむら「私、冗談は嫌いよ」

さやか「・・・はいはいわかりましたよごめんなさい」

ほむら「・・・心がこもってないわ」

さやか「ごめんなさいほむら様、あなたの超絶美味ハンバーグをこの私めにお恵みください」

ほむら「よろしい」スッ

さやか「よっしゃ!」パクパク

78: 2012/02/04(土) 15:18:11.65 ID:NWs4wG8A0
ほむら「お風呂わいたから先に入っていいわよ」

さやか「えー、いいよ。私まだこのテレビ見たいし」

ほむら「・・・わかったわ、じゃあ入ってくる」

さやか「・・・」

さやか「・・・」ソーッ

さやか(よっーし、今のうちにほむらの私物チェーック!)

さやか(あぁ・・・さやかちゃんってばなんて悪い子なのかしら!)

80: 2012/02/04(土) 15:21:39.66 ID:NWs4wG8A0
さやか「・・・」ゴソゴソ

さやか「うーん、めぼしいものはこれといってないなぁ・・・」

さやか「ん? これは・・・」ガサ

さやか「きたー! 日記帳!」テンテロリーン

さやか「他人に見られたくないものの定番よねー!」

さやか「じゃあさっそく中を拝見・・・」ペラッ

さやか「ふむふむ・・・」

さやか「まどか・・・まどか・・・どのページを開いてもまどか・・・」

81: 2012/02/04(土) 15:24:40.30 ID:NWs4wG8A0
さやか「『今日もまどかはかわいいかったわ。まるで天使のよう。というより私の中のエンジェルね』」

さやか「『今日はまどかが風邪でお休みだった。はぁ大丈夫かしら。いっそ今からでもお見舞いに行ってそのまま夜をまどかと・・・』」

さやか「・・・」ペラッペラッ

さやか「あいつ、まどか好きだなぁ・・・ちょっと病的なとこもあるけど」

さやか「・・・」ペラッ

さやか「お、私の名前もある。どれどれ・・・」

さやか「『美樹さやか・・・あんなにもまどかと密着して・・・許せないわ。爆殺してやろうかしら』」

さやか「・・・」ゾクリ

83: 2012/02/04(土) 15:28:19.21 ID:NWs4wG8A0
ガチャ
さやか「っ! ていやっ!」バサッ

ほむら「ふぅ・・・あがったわよ、さやか」

さやか「ひゃっ! へ、そ、そっかぁ! 早かったね!」

ほむら「?」

さやか「・・・」アセアセ

ほむら「どうしたの? さやか」

さやか「べっ、別にどうもしてないよ!」

ほむら(何かしら・・・怪しいわね)

84: 2012/02/04(土) 15:33:05.04 ID:NWs4wG8A0
ほむら(ん? そういえばこの部屋、さっきと比べて何か違和感が・・・)

ほむら「・・・さやか」

さやか「!」ビクッ

さやか「は、はい! なんでしょう!」

ほむら(なんで敬語・・・?)

ほむら「なにかこの部屋のものをいじらなかった?」

さやか「!」

さやか「そ、ソンナコトシテナイヨ?」

ほむら「・・・」ジー

さやか「・・・」アセアセ

86: 2012/02/04(土) 15:39:24.93 ID:NWs4wG8A0
ほむら「・・・」キョロリ

さやか「・・・」

ほむら「!」

ほむら「こ、これ・・・」ペラリ

ほむら「・・・」カァアア

ほむら「・・・」キッ

さやか「!」ビクッ

ほむら「見たわね・・・?」

さやか「み、ミテマセンコトヨ・・・?」

ほむら「そう・・・見たのね」

さやか「・・・」アワワ

89: 2012/02/04(土) 15:42:15.23 ID:NWs4wG8A0
ほむら「・・・」プルプル

さやか「ご、ごめんなさい!」

ほむら「・・・」

さやか「ダメ・・・?」

ほむら「ダメよ」

さやか「そ、そんなケチケチすんなよー! 減るもんでもないじゃん!」

ほむら「・・・モノは減らなくても、心は減るのよ」

さやか(どっかで聞いたことあるぞ・・・そのセリフ)

91: 2012/02/04(土) 15:46:56.33 ID:NWs4wG8A0
ほむら「―――じゃあ、今後一週間、朝の風呂掃除ね」

さやか「うっわー、めんどくさ・・・」

ほむら「何か文句でも・・・?」

さやか「いいえー、ありませんよー」

ほむら「それじゃあ、あなたもお風呂入ってきなさい。私は先に寝てるわ」

さやか「え、早くない? まだ10時だよ?」

ほむら「起きていてもすることがないもの。それに・・・」

さやか「それに?」

ほむら「今日はとっても疲れたもの・・・」

さやか「まっそうだよね」ナハハ

93: 2012/02/04(土) 15:51:53.84 ID:NWs4wG8A0
さやか「ふぃ~、いい湯だったぁ」

さやか「ん? 机の上にメモが・・・」

『さやかへ 寝るときは玄関側から二番目の部屋を使ってください。布団も敷いてあります。おやすみ ほむら』

さやか「・・・だとさ」

さやか「この家ってそんないくつも部屋あるのかぁ・・・」

さやか「・・・」

さやか(そういえばあいつ、家族とかいないんだよね)

さやか「今まで一人で、寂しくなかったのかな・・・」

さやか「・・・ようしっ」

96: 2012/02/04(土) 15:58:30.36 ID:NWs4wG8A0
ガチャ

さやか「お~い。ほむら~」ボソッ

ほむら「・・・」

さやか「・・・」

さやか(寝ちゃったのかな・・・)

さやか「・・・」ソーッ

さやか「・・・」モゾモゾ

ほむら「きゃっ!」

さやか「なんだ、起きてんじゃーん!」

ほむら「あ、あなた、なに勝手に人のベッドに入ってきてるのよッ!」

97: 2012/02/04(土) 16:03:11.93 ID:NWs4wG8A0
さやか「いいじゃんいいじゃん! 寂しいこと言うなよー」

ほむら「ちょ、こら、やめ!」

さやか「このこのー」

ほむら「ひゃあっ! どこ触ってんのこの変態!」

さやか「おや~、ほむらちゃんはここ触られると感じちゃうのかなぁ?」

ほむら「い・・・ッ!」

ほむら「いい加減にしなさいッ!」デュクシ

さやか「ぐはっ!」

ほむら「はぁ・・・はぁ・・・」

98: 2012/02/04(土) 16:07:05.21 ID:NWs4wG8A0
さやか「いったぁ・・・なにすんのさっ!」

ほむら「そ、そっちこそ! 夜這いなんてどういうつもりよっ!」

さやか「よ、夜這いとかそんなんじゃないやい!」

ほむら「じゃあどういうつもりよ!」

さやか「そ、それは・・・」

ほむら「なによ」

さやか「ほ、ほむらが一人で寝るの、寂しいんじゃないかって思って・・・」

ほむら「・・・」

101: 2012/02/04(土) 16:11:20.75 ID:NWs4wG8A0
ほむら「・・・そんなことないわ」

ほむら「今までだってそうしてきたんだし」

さやか「・・・」

さやか「でも、さ・・・それでも・・・」

さやか「一人ってのは寂しいもんでしょ」

ほむら「・・・」

さやか「・・・だーかーらぁ!」バサッ

ほむら「って、きゃっ、ちょっと! こらぁ!」

さやか「うははは、このー、かわいいやつめー!」

103: 2012/02/04(土) 16:14:41.97 ID:NWs4wG8A0
―――――――――――そして

ほむら「・・・さやか」

さやか「・・・」

ほむら「ねぇ・・・ちょっとそんなにくっつかないで」

さやか「・・・」スピー

ほむら「・・・はぁ、どんだけ寝つきいいのかしら」

ほむら「まったく・・・今日はとんでもない一日だったわ」

ほむら「・・・」

ほむら「まぁでも・・・こういうのも悪くないかしらね」

104: 2012/02/04(土) 16:15:55.32 ID:NWs4wG8A0
さやか「うにゃ・・・」

ほむら「!」ビクッ

さやか「・・・ほむほむぅ・・・むにゃ」

ほむら「・・・はぁ、寝言か」

ほむら(聞かれたかと思ったわ・・・)

ほむら「それにしても、ほむほむって・・・」

ほむら「私のことかしら・・・?」

ほむら「・・・」

ほむら「・・・ふふっ」

105: 2012/02/04(土) 16:17:02.63 ID:NWs4wG8A0
『今日はうちに騒がしい子がひとりきました』

『おてんばで、ちょっとうるさすぎるくらいだけど・・・』

『それでも、家の中がだいぶにぎやかになりました』

『彼女とはよく喧嘩もするし、これから先、苦労も絶えないだろうけど』

『なんだかんだでこの新しい生活が、ほんのちょっぴり楽しみです』

おわり

111: 2012/02/04(土) 16:29:32.75
いいさやほむだった
乙!

引用元: さやか「転校生と同居ぉ!?」