4: 2010/07/24(土) 02:18:07.34 ID:VdSgHVO3O
憂「え?」

唯「ということで!」

憂「え、え?」

唯「憂! 協力して!」

憂「う~ん……」

唯「お願い!」

憂「別に良いけど……」

唯「ぃやったぁっ!!」グッ

憂(大丈夫かなぁ……)

7: 2010/07/24(土) 02:47:24.21 ID:VdSgHVO3O
よくじつ!



唯「どう? 似合う?」クルクル

憂「うん! 可愛いよお姉ちゃん!」

唯「バレないよね?」

憂「きっと大丈夫だよ! だって可愛いもん!」

唯「そ、そうかなぁ!」テレテレ

憂(照れてるお姉ちゃん可愛い!)

唯「憂も私そっくりだよ! 可愛い!」

憂「えへへ……」

唯「……あれ? ストッキングは?」

憂「……あ」

8: 2010/07/24(土) 02:58:07.67 ID:VdSgHVO3O
憂「ちょ、ちょっと待っててね!

唯「うん」


10ぷんご!


唯「ういー?」ヒョコッ

憂「ごめん、ストッキング見当たらないや……」ゴソゴソ

唯「私の履く?」

憂「えぇっ!?」

唯「……いや?」

憂「嫌じゃないよっ!! 全っ然嫌じゃない!!」

唯「じゃあ持ってくるね~」トテトテ

憂(ぅぁぁ……お姉ちゃんのストッキング……)カアッ

10: 2010/07/24(土) 03:02:51.64 ID:VdSgHVO3O
唯「ほい!」スッ

憂「……」

唯「うい?」

憂「……」ドキドキ

唯「うーいー?」

憂「ふぇっ!? あ、うん、ありがとう……」ドキドキ

唯「顔赤いよ? 大丈夫?」

憂「だいじょぶだいじょぶ……じゃ、じゃあ履くね?」

唯「どうぞ~!」

憂「……」ドキドキ

憂「お、お邪魔します!」スルスル

13: 2010/07/24(土) 03:11:25.96 ID:VdSgHVO3O
唯「おぉ~! どこから見ても私だねっ! 可愛いよ憂!」ビシッ

憂(履いちゃった……お姉ちゃんのストッキング履いちゃった!!)カアッ

唯「……憂、ホントに大丈夫? 顔真っ赤だよ?」

憂「ちょ、ちょっと暑いだけだよ! さ、さあ学校に行こう! 遅れちゃうよ!」

唯「? うん」


げんかん!


唯「じゃあ、このドアから出たら私は平沢憂!」

憂「私は平沢唯だね!」

唯「えへへ、じゃあ張り切って行きましょう!」グッ

憂「おー!」グッ

15: 2010/07/24(土) 03:28:54.63 ID:VdSgHVO3O
とうこうちゅう!



唯「……あ! あずにゃんみっけ!」

憂「あ、ホントだね」

唯「あずにゃんおは」

憂「あずにゃんおはよ!」ダキッ

梓「もー、朝一から抱きつかないで下さいよ」

唯「!?」

憂「あずにゃん分補給~」ギューッ

梓「離れてくださいってばー」

憂「そんな事言って~ホントは嬉しいんでしょ~」スリスリ

梓「う、うるさいです!」カアッ

憂「赤くなってるよ! ういやつういやつ!」ナデナデ

梓「ふ、ふんっ!」カアッ

唯(う、憂すげぇ……)

17: 2010/07/24(土) 03:37:21.49 ID:VdSgHVO3O
梓「憂もおはよう」

唯「え!? あ、うん。おはようあずにゃん」

梓「……あずにゃん?」

唯「あ、梓! ちゃん!」

梓「? 変な憂」

唯「あはは……」

憂「今日のムギちゃんのお菓子なんだろーねー」スリスリ

梓「いい加減離れて下さいよー」



唯(なんで憂、そんなに「私」が上手なの?)ボソボソ

憂(前にお姉ちゃんに成り済ました事あるからね。改善点も含めて予習したの)ボソボソ

唯(なんと!? 憂……恐ろしい子!!)

憂(ふふっ)

21: 2010/07/24(土) 03:53:48.22 ID:VdSgHVO3O
ろうか!



唯(どうしよう……ボロ出しちゃいそう……)テクテク

唯(で、でも純ちゃんの事もっと知りたいし……)テクテク

唯(……ええい、なるようになっちゃえ!)ふんす

梓「憂ー! 教室通り過ぎたよー! どこ行く気ー!」

唯「あ!? 早速やらかしちゃった!!」

梓「もう、体調悪いの? 大丈夫?」

唯「だいじょぶだいじょぶ! 気合い入れ過ぎただけだから!」ふんす

梓「気合い?」

唯「そう! 気合い!」

梓「……今日の憂、なんか唯先輩っぽいね」

唯「!?」ギクッ

梓「まぁいいや。早く教室に入ろうよ」

唯「う、うん(あ、危ない危ない!)」ドキドキ

23: 2010/07/24(土) 04:13:13.91 ID:VdSgHVO3O
きょうしつ!



梓「おはよう寝癖頭」

純「おはようチビ助」

唯「おはよう純ちゃん!」ダキッ

純「……梓、憂どうかしたの?」

唯「はっ!? (またやっちゃった!)」

梓「朝からこんな感じ」

純「今が朝ですけどー」プッ

梓「揚げ足取るんじゃない」

唯「ご、ごめんね純ちゃん!」バッ

純「あー……あったかいからそのままでも良かったのに」

24: 2010/07/24(土) 04:21:56.71 ID:VdSgHVO3O
唯「へっ? (あ、あれ?)」

梓「ところで純、宿題やった?」

純「……」

梓「ダメ」

純「まだ何も言って無いじゃん!」

梓「写させないからねー」

純「ぶーぶー!」

梓「ブーイングしたってダメ」

純「ブォォォー! ブォォォー!」ブォォォ

梓「ブブゼラ鳴らしたって……うるさっ!? なんでそんなの持ってんの!?」

唯(もしかして凄く勿体無い事しちゃった?)

26: 2010/07/24(土) 04:44:16.89 ID:VdSgHVO3O
純「……憂は助けてくれるよね?」ジッ

唯「えっ!?」

純「……」ジーッ

唯「う……」

梓「憂、純を甘やかしちゃダメだよ」

純「憂っ! お願いっ! このとーりっ!」

唯(憂らしく……憂らしく……よし!)

唯「純ちゃん、宿題は自分の力でやらないとためにならないよ?(人の事言えないけど)」

純「うっ……」

梓「純、憂の言うとおりだよ」

唯「でも、見せてあげる(今日の私は……)」

純「ほんとっ!?」パアッ

梓「もー、憂は甘いなー」

唯「条件付きだけどね(ちょっぴり小悪魔だよっ!)」

純「え」

36: 2010/07/24(土) 08:21:44.46 ID:VdSgHVO3O
唯「んふ~♪」ギューッ

純「憂……楽しい?」カキカキ

唯「うん!」ギューッ

純「そう。私は周りの視線がちょっと痛い」カキカキ

梓「条件が安いよ憂。宿題写してる間、ずっと抱き付いてるだけなんて」

唯「え、そうかな? (小悪魔じゃなくて邪神クラスの要求だと思ったんだけどなー)」

梓「……なんかそうしてると唯先輩みたいだよ」

唯「姉妹だもん。それに私だって人肌恋しくなる時くらいあるよー(今のかわしは我ながら上手かったね!)」

純「なんか眠くなってきた……くぁ……」

梓「ちょっと純、今寝たら写す時間無くなるよ?」

純「だって憂があったか過ぎて……ああポカポカする……」ウトウト

唯「じゃあ残りは後にしてあげるね」バッ

純「ふぁい……ぐぅ」

梓「だから起きなってば!」バシッ

純「いたっ!」

40: 2010/07/24(土) 08:50:52.04 ID:VdSgHVO3O
さんげんめ!



先生「じゃあ次の問題を……平沢さん。黒板に出て解いてください」

唯「はい」ガタッ テクテク……

スラスラ

唯「出来ました」

先生「……はい、正解です。席に戻ってください」

唯「はい」テクテク



純(流石憂だね)ボソボソ

梓(そうだね)ボソボソ

純(私なんか全く分かんなかったよ)ボソボソ

梓(だろうね)ボソボソ

唯(憂の成績を落とすワケにはいかないからね。復習しといて良かった!)ふんす

46: 2010/07/24(土) 09:11:15.15 ID:VdSgHVO3O
やすみじかん!



純「いやー憂のおかげでさっきの授業助かったよ」

唯「次からは自分でやらなきゃダメだよ?」

純「はーい」

唯「それにまだ約束は残ってるからね!」

純「はーい……って、何するの?」

唯「お昼休みまでなーいしょ♪」

純「何よそれー」クスクス

唯「あはは!」

47: 2010/07/24(土) 09:15:34.37 ID:VdSgHVO3O
純「今日の憂ってさ、良く笑うよね」

唯「そ、そう?」

純「うん。いや、普段笑わないって意味じゃ無いんだけど」

唯「う、うん」

純「……なんか、楽しそう」ニコッ

唯「ッ……」

純「ん? どかした?」

唯「わ、私ちょっとお姉ちゃん見てくるね!」ガタッ タタタタ……

純「あ、ちょっと! ……行っちゃった」

49: 2010/07/24(土) 09:31:24.44 ID:VdSgHVO3O
唯(うー……思わず教室から飛び出ちゃった……)タッタッタッ

唯(あの笑顔は反則だよぉ……)タッタッタッ

唯(……私、やっぱり楽しそうに見えたんだ)タッタッタッ

唯(……えへへ)タッタッタッ


ドンッ


唯「わぷっ!?」ドタッ

紬「きゃっ!?」ドタッ

唯「あ、ご、ごめんなさい!」ペコペコ

紬「いえ、こちらこそ不注意でした」ペコ

唯「いえいえ廊下を走ってた私が100%……って、ムギちゃん?」

紬「あら? 憂ちゃん?」

唯「……あっ! つ、紬さん!」アセアセ

紬「……」ジーッ

唯「う……」

51: 2010/07/24(土) 09:46:48.85 ID:VdSgHVO3O
唯(これ、やっぱり疑われてるよね……)ドキドキ

紬「……」ジーッ

唯(……なんとか切り抜けないと!)ふんす

紬「……!」

唯(それにしてもどうやって……そうだ!)

唯「わ、私お姉ちゃんの様子を見に行くんで……!」ダッ

紬「分かったわ」ガシッ

唯「へ?」

紬「一緒に行きましょう♪」

唯「」

53: 2010/07/24(土) 09:55:45.75 ID:VdSgHVO3O
紬「……」テクテク

唯(そりゃそう言うよね、同じクラスだもん……)ズーン

紬「ねぇ」ピタッ

唯「な、なんですか?」ピタッ

紬「唯ちゃんよね?」

唯「チ、チガイマスヨー?」アセアセ

紬「顔に書いてあるわよ?」

唯「え!? 嘘!?」サワサワ

紬「……ふふっ」クスッ

唯「……あっ!?」

紬「やっぱり唯ちゃんね♪」

唯「うー……はい……」

59: 2010/07/24(土) 10:27:37.45 ID:VdSgHVO3O
唯「もーなんでバレたのー?」テクテク

紬「だって唯ちゃんが二人も居るなんておかしいじゃない」クスッ

唯「へ?」テクテク

紬「憂ちゃん凄いわ。本当に唯ちゃんなんだもん」テクテク

唯「……私の演技、下手かなぁ」テクテク

紬「ううん。ただ、唯ちゃんは唯ちゃんらしさが隠せて無いからじゃない?」テクテク

唯「うー……」テクテク

紬「でも無理に隠す必要無いと思うわ」テクテク

唯「えっ?」ピタッ

紬「だってそれが唯ちゃんの良いところじゃない」ニコッ

唯「……そ、そうかな?」

紬「ええ」

唯「……ありがとう、ムギちゃん!」ダキッ

紬「あらあら♪」

72: 2010/07/24(土) 10:58:48.98 ID:VdSgHVO3O
紬「そういえば肝心な事を聞いてなかったわ」ナデナデ

唯「ふぇ?」ギューッ

紬「どうして二人は入れ替わっているの?」

唯「あ! そうそう、えっとね……」


カクカクシカジカ


紬「つまり、唯ちゃんは純ちゃんの事をもっと知りたいわけね?」ニコニコ

唯「へ、変かな?」

紬「いえいえ、とっても素敵じゃない!」ウットリ

唯「え、えへへ……」

73: 2010/07/24(土) 11:27:31.41 ID:VdSgHVO3O
ゆいのきょうしつ!



唯「憂はどこかなー……」ソーッ

紬「ほら、唯ちゃんの席に」ボソボソ

唯「ホントだ……えっ!?」



律「ほら唯、起きろってばー」ユサユサ

憂「むにゃ……ふわあああ……今何時ー?」

澪「三間目が終わったところだよ。唯はずっと寝てたけど」

憂「え!?」

律「そりゃもう気持ち良さそうに寝てたぞ」

憂「もうりっちゃん! なんで起こしてくれなかったのー!」プンプン

律「何度も起こしたぞこのねぼすけさんめ! うりうりー!」グリグリ

憂「きゃー」ケラケラ

澪「全く……」ヤレヤレ

74: 2010/07/24(土) 11:28:42.02 ID:VdSgHVO3O
唯「私だ……私が居る!!」

紬「ちなみに二間目の国語で小テストがあったんだけど……」

唯「……まさか」

紬「憂ちゃん、ずっと寝てたわ」

唯「ひぃいいい!? そこまで真似なくていいのにぃいいい!!」ガーン

86: 2010/07/24(土) 12:30:32.10 ID:VdSgHVO3O
いどうちゅう!



唯(憂は良く頑張ってるよ……うん……楽しそうだったし……)

唯(……ちょっと入りすぎな気がするけど)
唯(私はちょっと素が出すぎなんだっけ……でもムギちゃんはそれが良いって言ってくれたけどね!)

唯(……それに格好だけじゃ気付かなかったよね、純ちゃんは。ふふっ)

唯(あ……でもあずにゃんにはもうバレてるかも)

唯(……)

唯(あ、それは無いか……憂に抱き付かれても気付かなかったし)

唯(よし……前向きに考えよう!)ふんす

87: 2010/07/24(土) 12:31:39.51 ID:VdSgHVO3O
ういのきょうしつ!



唯「ただいまー」

梓「あ、おかえり憂」

純「おかえりー。唯先輩どうだった?」

唯「お、お姉ちゃんは相変わらずお姉ちゃんだったよー。あはは……」

梓「ふ~ん」

88: 2010/07/24(土) 12:38:51.69 ID:VdSgHVO3O
唯「そういえば梓ちゃん、どこに行ってたの?」

梓「職員室。次の時間、担当の先生が休みだから自習だって」

純「何しよっかなー♪」ウキウキ

梓「勉強しなさいよ」ゴソゴソ

純「……そう言って取り出したるは音楽雑誌。やっぱり梓もこっち側ね!」

梓「あーあー聞こえなーい。雑音をシャットダーウン」カチッ

純「ミュージックプレイヤーまで……流石の私もそこまで思い付かなかったよ」ガーン

唯「サボる気満々だね」クスッ

純「憂、お喋りしよ」

唯「良いけど、一応授業中だから静かにね?」

純「はいはーい」

112: 2010/07/24(土) 15:35:18.22 ID:VdSgHVO3O
じしゅう!



梓「~♪」ペラッ

純「数学の先生、小皺増えたよね」

唯「う~ん……二年くらい前はもっと少なかったかなぁ……」

純「……私達まだ居なくない?」

唯「あ゙っ!?」



梓「~♪~♪」ペラッ

純「最近来た実習生、長身でカッコいいよね」

唯「そうそう! イケメンだよね!」

純「……女の人だけど」

唯「え゙っ!?」

梓「あ、これ買おう」

114: 2010/07/24(土) 15:37:32.36 ID:VdSgHVO3O
おひるやすみ!



梓「んー、お腹減ったー」ノビーッ

純「……」ジトーッ

唯「う……(やっちゃったよ……)」サッ

梓「あ、メール……ムギ先輩からだ」

純「……」ジトーッ

唯「な、何かな純ちゃん?」アセアセ

純「べっつにー」

唯(こ、これはまずい……)ドキドキ

梓「今日は部室で食べるね。先輩達に誘われたから」

唯「なっ!?」

純「おー行ってらっしゃい」

唯(……今一人にされるときっとボロ出しちゃうよ~)

148: 2010/07/24(土) 18:59:37.66 ID:VdSgHVO3O
純「どこで食べる?」

唯「お任せします……」

純「じゃあ屋上で」

唯「屋上立ち入り禁止だよ?」

純「バレなきゃ大丈夫だよ」

唯「えぇ~……」

純「あ、その前に購買によって良い?」

唯「お弁当は?」

純「遅刻しそうで急いでたから……あはは」

唯「おっちょこちょいだね」

純「う、うるさいやい」

唯「ふふっ、行こ?」ギュッ

純「あ、うん」

唯(リードすればさっきのを忘れさせられるよね!)

純(……憂ってこんなに積極的だったっけ)

149: 2010/07/24(土) 19:01:07.98 ID:VdSgHVO3O
唯「購買にとうちゃーく!」

純「うわー……込んでるね」

唯「で、何買うの?」

純「うーん……今日はなんかガッツリ系が良いかな。カツサンドとか」

唯「カツサンドね……」

純「うん……」


──「ちょっと! アンタ足踏んでるわよ!」
──「押さないでってば!」
──「先に取ったのは私だぞ!」
──「何よこのデコっぱち!」
──「助けてー!」


唯「……戦争みたい」

純「……ここホントに女子校?」

唯「……よ、よし! 行くよ!」

純「う、うん」

151: 2010/07/24(土) 19:03:20.11 ID:VdSgHVO3O
純「ま、前が見えない……」

純「憂……って、あれ? さっきまで横に居たのに」

……ゴンッ

純「おぶっ!?」

純「え、エルボーが飛んで来た……いったあ……」

純「うう……もっと早く来るんだった……」

律「メンチカツサンドとったどー!」ドドドド

ドカンッ

純「ぐぶっ!?」

純「み、見覚えのあるデコに激突された……」フラフラ

純「も、もーだめ……」フラフラ



……ぽふっ

152: 2010/07/24(土) 19:08:13.73 ID:VdSgHVO3O
純「……あれ? 柔らかい……」

唯「おいっす!」

純「……う、憂?」

唯「カツサンド買えたよ。あとメンチカツサンドも」

純「す、すご……」

唯「純ちゃんの為に頑張っちゃった」ニシシ

純「……ありがと」

唯「どういたしまして! さ、屋上行こっ!」

純「……」ジッ

唯「ん?」

純「……やっぱり、憂じゃなかったんだね」クスッ

唯「え? あ、あれ?」

純「……髪、ほどけてますよ、唯先輩」

唯「あっ!?」

203: 2010/07/24(土) 22:42:56.84 ID:VdSgHVO3O
唯「屋上の鍵、閉まって無かったね」

純「すんなり入れましたね」

唯「……」

純「……」

唯「風、気持ち良いね」

純「ちょっとだけ肌寒いですけどね」

唯「……」

純「……」

唯「座ろっか」

純「はい」

204: 2010/07/24(土) 22:44:17.31 ID:VdSgHVO3O
純「もう少しそっちに寄って良いですか?」

唯「ん、おいで」

純「じゃ、失礼します」

唯「うん」

純「……」

唯「……」

純「……唯先輩、体温高いですよね」

唯「暑い?」

純「いえ、丁度良いです」

唯「そっか」

純「はい……あったかい」

唯「ふふっ」グゥ~

純「……お昼、食べましょうか」クスッ

唯「……うん」カアッ

207: 2010/07/24(土) 22:46:09.02 ID:VdSgHVO3O
唯「いただきまーす」

純「いただきまーす」

純「あむっ」パクッ

唯「おいしい?」

純「……ん~衣サクサクで肉汁が凄い……おいしい!」

唯「ふふっ、良かったね」

純「まぁ……唯先輩が確保してくれたのが一番の味付けですけどね」

唯「純ちゃん……」

純「えへへ……」



唯「結構恥ずかしい事言うね~」ニヤニヤ

純「あっ!? ……もー!!」

208: 2010/07/24(土) 22:47:21.07 ID:VdSgHVO3O
唯「ごめんよ純ちゃ~ん期限直してよ~」

純「唯先輩なんか知らないもん!」プイッ

唯「ほ、ほら、卵焼きあげるから!」スッ

純「どうせ憂が作ったやつでしょ!」

唯「私が作ったやつだよ。ちょっと崩れちゃってるけど」

純「……唯先輩、料理出来たんですか?」

唯「出来る出来ないじゃないよ! やるかやらないかだよ!」ふんす

純「えー……」

唯「はい、あ~ん」スッ

純「……いただきますっ!」パクッ

唯「どうかな!? おいしい!?」

純「……あっま」

220: 2010/07/25(日) 00:00:06.80 ID:Pv8MUBQ+O
唯「甘いの嫌いだった?」

純「そういう問題じゃないですよ……」

唯「え?」

純「これは甘いだけです。甘ければ美味しいってワケじゃ無いんですよ?」

唯「……」シュン

純「でも……大事なものは入ってますね」

唯「! 愛情だねっ!?」

純「う、恥ずかしいからあえて言わなかったのに……次は頑張ってくださいね?」

唯「うん!」

221: 2010/07/25(日) 00:02:30.78 ID:Pv8MUBQ+O
唯「ごちそうさまでしたー」

純「ごちそうさまでしたー」



唯「まだ、時間あるね」

純「ところで唯先輩」

唯「なあに?」

純「どうして憂の格好してたんですか?」

唯「どうしてだと思う?」

純「……」



純「私の事をもっと知りたいとか? なーんて……」

唯「正解」ギュッ

純「えっ?」

297: 2010/07/25(日) 14:27:32.93 ID:Pv8MUBQ+O
唯「純ちゃんをもっと知りたい」

唯「……学校に入学する前、憂と一緒に部活見学に来たでしょ?」

唯「あの時からね、憂に色々聞いてたの」

唯「だってほら、後輩になるかもしれない子じゃん?」

唯「入部する前からその子の事を分かっておけば……ほら、どんな音楽が好きなのか、好きな食べ物とか、色々な事」

唯「そうすれば、すぐに仲良くなれると思ったからね!」

唯「……まぁ純ちゃんは入部してくれなかったけど……ううん、謝らないで」

298: 2010/07/25(日) 14:28:58.62 ID:Pv8MUBQ+O
唯「それから純ちゃんがどんな子なのか聞いて……知っていくうちに……」

唯「なんか……だんだん純ちゃんの事を意識しちゃうようになってて……」

唯「眠ってても……お菓子を食べてても……」

唯「忘れられなくなっちゃってたんだ……」

唯「純ちゃんの事をもっと知りたい」

唯「でも、学年も違うし部活も違う」

唯「普段の生活の中じゃ話す機会が無い。全く無いってワケじゃないんだろうけど……」

唯「電話してみようかと思った。メールしてみようかと思った。直接会いに行こうと思った。でも無理だった」

唯「だって……なんだか……」

唯「……は、恥ずかしかったから……」

300: 2010/07/25(日) 14:30:08.37 ID:Pv8MUBQ+O
唯「どうしたら……純ちゃんと話せるかな?」

唯「どうしたら……純ちゃんをもっと知れるかな?」

唯「……それで、思い浮かんだんだ」

唯「私が憂になれば良い」

唯「憂の格好をすれば……恥ずかしがらずに純ちゃんと話せる」

唯「そんな、自分勝手な事を……」

唯「……それで今日、実行したんだよ」

唯「……憂に無理を言ってね」

304: 2010/07/25(日) 14:36:37.24 ID:Pv8MUBQ+O
唯「……」

純「……」

唯「……自分勝手、だよね」スクッ

純「……」グイッ

唯「あ……」

純「宿題を写す条件、続き、まだ残ってるでしょ?」ギュッ

唯「……うん」ギュッ

純「……恥ずかしさはもう無いみたいですね」クスッ

唯「……言われると意識しちゃうよ」カアッ

純「ふふっ」

305: 2010/07/25(日) 14:37:58.10 ID:Pv8MUBQ+O
純「……憂は唯先輩が自分勝手だとは思ってないと思いますよ。私も思いませんし」

唯「そうかな……」

純「だって憂、いっつも楽しそうに唯先輩の事話しますもん」

唯「憂が?」

純「はい。それに今日一日一緒に居て分かりました」

唯「えっ?」

純「憂が言ってた事が本当だって。優しくて……他人を想える人だって……」

唯「純ちゃん……」

309: 2010/07/25(日) 14:44:22.75 ID:Pv8MUBQ+O
純「……唯先輩」

唯「ん、なあに?」

純「唯先輩って、私の事を"知りたい"んですよね?」

唯「……う、うん」

純「……"知りたい"って言葉よりもっと素敵な言葉があると思いませんか?」

唯「……うん。あるよ。素敵な言葉が」

純「……」

唯「……」



唯「……"好き"」

唯「……私は」

唯「……純ちゃんの事が」

唯「……"好き"、です」

唯「……こ、恋人として、"好き"、です!」

311: 2010/07/25(日) 14:47:33.42 ID:Pv8MUBQ+O
純「……ふふっ。凄く嬉しいです」

唯「……い、言っちゃった」カアッ

純「……」

唯「……あの」

純「唯先輩」

唯「う、うん」

純「私も唯先輩の事、好きです」

唯「ほ、ホント!?」

純「でも、まだお付き合いは出来ません」

唯「……だ、だよね……女の子同士だもん、抵抗が……あれ? まだ?」

純「はい」

312: 2010/07/25(日) 14:50:14.92 ID:Pv8MUBQ+O
唯「そ、それってどういう……」

純「私の想いが唯先輩の想いに負けてるからです」

唯「……想いが?」

純「はい。唯先輩は私の事をこんなに想ってくれてるのに……私の想いは好きな人……唯先輩に負けてるって」

純「"好き"が"好き"に負けてるなんて……」

唯「純ちゃん……」

純「……ですから、唯先輩」

純「私の想いが唯先輩の想いに負けないくらいになるまで……」

純「恋人同士と呼べるようになるまで……」スッ

唯「えっ──」



チュッ

313: 2010/07/25(日) 14:51:31.20 ID:Pv8MUBQ+O
純「"進んだ友達"から、始めようよ」ニシシ

唯「……」

純「それまでは……ほっぺだけね!」

唯「……」

純「……!」カアッ

純「うわあああ何やってんだ私いいい!!」ジタバタ

唯「純ちゃん」スッ

純「へ」



チュッ

314: 2010/07/25(日) 14:52:26.47 ID:Pv8MUBQ+O
唯「……こちらこそ、よろしくね!」ニシシ

純「……うん!」

唯「えへへ……」

純「へへ……」

唯「へへ、へ……」グスッ

純「へ?」

唯「うわああああああん!!」

純「ちょ、ちょっと!? なんで泣くの!?」アタフタ

317: 2010/07/25(日) 15:02:25.54 ID:Pv8MUBQ+O
純「落ち着いた?」

唯「うん……」ゴシゴシ

純「どうして泣いちゃったの?」

唯「嬉しくて……安心したら泣いちゃった」
純「……そっか。でも唯先輩、笑った顔が一番似合うよ?」

唯「……そうかな?」ニコッ

純「うん、そうだよ」ニコッ

唯「……ねえねえ」

純「ん?」

唯「唯って呼んでよ」

純「まだだーめ♪」

唯「えー!」

純「ふふっ」



──キーンコーンカーンコーン

318: 2010/07/25(日) 15:03:47.33 ID:Pv8MUBQ+O
唯「あ、チャイム鳴っちゃった!」

純「今日はもうサボっちゃおうよー」

唯「ダメだよ純ちゃん!」

純「えー」

唯「ほら!」キュッ

純「あ、ポニテ」

唯「今日は憂ですから!」ふんす

純「……敵わないなーもー」クスッ

唯「ほら、行こっ!」スッ

純「うん!」ギュッ

319: 2010/07/25(日) 15:05:00.13 ID:Pv8MUBQ+O
つぎのひ!



憂「昨日は楽しかったよ~」ニコニコ

唯「そ、そう?」

憂「うん! いーっぱい抱きついちゃった!」ニコニコ

唯「っていうか憂……私の国語の小テスト……」

憂「紬さんって凄く良い匂いするよね。一番抱きついたかも!」ニコニコ

唯「……」

憂「ん? どうしたの?」

唯「……ごめん」

憂「? 何が?」

唯「ムギちゃんにバレちゃった」テヘッ

憂「」

320: 2010/07/25(日) 15:05:48.77 ID:Pv8MUBQ+O
10ぷんご!



唯「うーいー!! 学校遅刻しちゃうよー!! 部屋から出てきてよー!!」ドンドン

──『お姉ちゃん先に行ってて!! 私恥ずかしくて死にそう!!』

唯「大丈夫だってばー!!」ドンドン

──『うわああああああん!!』

321: 2010/07/25(日) 15:08:46.67 ID:Pv8MUBQ+O
とうこうちゅう!



和「あら、おはよう二人とも」

唯「あ、おはよう和ちゃん」

憂「おはようございます……」ズーン

和「憂、どうかしたの?」

唯「ちょっとね、あはは……」アセアセ

和「……そう。それで?」

唯「へ?」

和「なんで昨日、あんた達は入れ替わってたの?」

唯「」

憂「」

322: 2010/07/25(日) 15:09:52.54 ID:Pv8MUBQ+O



カクカクシカジカ




323: 2010/07/25(日) 15:10:45.81 ID:Pv8MUBQ+O
和「はぁ……唯、あんたこんな大事な時期に何やってんのよ……」

唯「……だって後悔したくなかったもん」

憂「和さん、お姉ちゃんを責めないでください……」

和「別に責めないわよ……終わった事はどうにもならないんだし。でも、これっきりよ?」

唯「はぁーい」

和「ほら、憂も」

憂「は、はい!」

和「ん、よろしい」



憂「ところでなんで分かったんですか?」

和「何年あんた達の幼馴染みやってると思ってるのよ」クスッ

憂「……和ちゃん」ギュッ

和「ふふっ。昨日散々抱き着いたくせにまだ足りないの?」ナデナデ

憂「えへへ……」

唯「……私そんなに抱き着いてるかなぁ?」

326: 2010/07/25(日) 15:15:38.93 ID:Pv8MUBQ+O
こうてい!



唯「……あ! 50メートル右方にあずにゃん発見!」ビシッ

和「私、日直だから先に行ってるわよ? 職員室に日誌取りに行かなくちゃ」

唯「ほーい」

憂「あ、私も日直です」

和「あら、そうだったの。一緒に行く?」

憂「はい。お姉ちゃん、梓ちゃんによろしくね」フリフリ

唯「うん、行ってらっさ~い」フリフリ

327: 2010/07/25(日) 15:16:35.48 ID:Pv8MUBQ+O
唯「あずにゃんおはよ!」ダキッ

梓「もー、朝一から唯先輩はホントにもー」

唯「あずにゃん分補給~」ギューッ

梓「離れてくださいってばー」

純「おはよ、唯先輩!」

唯「あ! 純ちゃん!」バッ

梓「へ? あ、あれ?」

唯「おはよっ!」ダキッ

純「ふふ、おはよ!」ギュッ

梓「!?」

純「あったかいなぁ……唯先輩にはもう春が来てるんだねー」ギューッ

唯「うん……今まさに春が来てるよ……純ちゃんという春がねー」ギューッ

梓「ちょ、ちょっと!!」

328: 2010/07/25(日) 15:17:34.57 ID:Pv8MUBQ+O
純「どしたの梓ー?」ギューッ

唯「あ、憂があずにゃんによろしくだってー」ギューッ

梓「そうですか!! じゃなくて!! い、いつの間にそんなに仲良くなったんですか!! っていうかスキンシップ激しすぎです!!」



──キーンコーンカーンコーン



梓「あ、チャイム」

唯「純ちゃん」

純「ん?」



チュッ

333: 2010/07/25(日) 15:35:41.45 ID:Pv8MUBQ+O
唯「……また後でね!」

純「……うん!」

唯「……ふふっ」タッタッタッ……

純「……えへへ」フリフリ

梓「ちょ、ちょっとちょっと!? 今何やったの!?」

純「梓、私達も行こ!」タタタタ

梓「ま、待てー!! 質問に答えろー!! 唯先輩とどういう関係だー!!」

純「……"進んだ友達"だよっ!」



おしまい!

336: 2010/07/25(日) 15:38:46.92
乙 いい純だった

引用元: 唯「私が憂の格好したら純ちゃんはどんな反応するのかなー」