1: 2012/02/11(土) 10:38:01.72 ID:Bx1XtSJW0

勇者「いきなり目の前に光の玉が現れた件について」

天使「光の玉ではなく 私は天使です 後光が光ってるんです」エッヘン

勇者「それで日々の税を払うのにやっとな農民の俺になに? 勇者ポイント?」

天使「そうです 将来勇者になるであろうあなたに素敵なポイントシステムを私がプレゼント!!」

勇者「確かに 王様が魔王討伐に勇者候補を呼び出して送り出してるけど」

勇者「それは魔法が使える奴とか剣術に精通している奴とか そんな奴で農民の俺には関係ないよ」

天使「今日あたり迎えに来ますよ 王宮から使者が」

勇者「ねーよ」


王様「良くぞ参ったな 新たなる勇者よ」

勇者「そんなことなかった」

3: 2012/02/11(土) 10:42:37.38 ID:Bx1XtSJW0

勇者「農民の俺に一体なんの……」

王様「お主も魔界の そして魔王のことは知っておるだろう」

勇者「魔物と魔族の頂点に立っているのが魔王なんですよね」

王様「この国でも毎年 勇者を送り出していることは?」

勇者「俺の幼馴染も行きましたから知ってますけど」

王様「何人送り出そうとも 魔界に行って帰って来たものはおらん」フゥ

勇者「…………」

王様「それでお主も勇者として魔界に行ってもらいたいのだが」

勇者「それでが前の話と全然繋がってないんですけど」

王様「お主の幼馴染が存外に活躍しておるようでな」

王様「幼馴染と同じ歳の奴は全員素質があるのではないかとな のぅ大臣」

大臣「おっしゃるとおりです」

勇者「」アゼン

7: 2012/02/11(土) 10:47:35.60 ID:Bx1XtSJW0

勇者「あのちょっと待ってください 俺はただの農民ですけど」

王様「それが?」

勇者「旅に出て魔族と戦うなんてとても……」

王様「鍬も剣も同じようなものじゃろう のぅ大臣」

大臣「仰るとおりです」

勇者「……俺には畑があるんですが」

王様「勇者となったものは 最低2年は国に帰って来ることを許さぬ」

王様「その間 キサマの財産・土地はすべて没収させてもらう」

勇者「なにそれこわい」

王様「なに 魔物を倒して素材を狩れば金になるし」

王様「他の街・国に行けばその場所から援助金が出る」

大臣「それではこれが支度金です 1週間以内に国から出てくださいね」


勇者は50Gをてにいれた

8: 2012/02/11(土) 10:52:56.07 ID:Bx1XtSJW0

勇者「毎年勇者税ならぬアホな税金掛ける国だと思ったら」

勇者「トップからあの有様か」

天使「これはどうするべきですかね」フヨフヨ

勇者「まずは酒場に行って仲間を集めないと」

天使「今のままだと確実に死にますからねぇ……」

天使「はい! そこで勇者ポイントです!!」

勇者「なにさいきなり」

天使「あなたには勇者として必要な特技を覚えるのにポイントが必要になってきます」

天使「ポイントの入手方法はレベル上げが主ですが それ以外でも道具だとかクエストだとか色々あります」

天使「まずはあなたが今現在持っている2ポイントで手に入れられる能力を見てみましょう


口から火を出す 1ポイント

口から回復薬 1ポイント

口と道具袋を繋げる2ポイント

12: 2012/02/11(土) 10:57:52.84 ID:Bx1XtSJW0

勇者「1つ聞いていい?」

天使「1つと言わず一杯聞いていいですよ」

勇者「どうして覚えられる特技が全部口関係なの?」

天使「口から火を出すとか竜っぽくて格好良くないですか?」

勇者「大道芸人っぽいよ!! 普通に手から出したり出来ないの!?」

天使「あぁ~ それには10ポイント必要ですね」アリャリャ

勇者「多いよ!!」

天使「ちなみに独断で上記2つにポイントを使っておきました」

勇者「使わないで!!」

天使「今後あなたの涎を傷口に塗ると傷が回復します」

天使「なんか臭そうですよね」

勇者「今日一日だけでこの仕打ち 泣きたくなってきた」

13: 2012/02/11(土) 11:01:55.45 ID:Bx1XtSJW0

酒場

店員「はい ここが仲間との出会いを求める酒場です!!」

勇者「今日は仲間を探しに来たんですけど……」

店員「それでは下の希望欄に欲しい職の人を書いて提出してください」

勇者「とりあえず回復役として僧侶がほし――」


僧侶 100G

武道家 80G

魔法使い 80G

盗賊 70G

商人 50G

遊び人 40G

戦士 30G

勇者「お金を取るんですか?」

酒場「紹介料です!!」

16: 2012/02/11(土) 11:08:18.80 ID:Bx1XtSJW0

店員「ちなみに今出ている飲み物は別料金で20G頂きます」

勇者「ボッタクリワロタ もう戦士しか紹介してもらえない」

勇者「ところでどうして戦士はこんなに値段が低いんですか?」

店員「すばやさ÷2=みのまもりなので」

勇者「はい?」

店員「すばやさ÷2=みのまもりなので」

勇者「はいそうですか(意味わからん)」

店員「それではこちらが酒場に登録されている戦士さんたちのプロフです」

勇者「どうも……」ペラペラ

勇者「1つ聞いていいですか?」

店員「どうぞ」

勇者「1人だけ戦士の欄の上から僧侶に書き直している人がいるんですけど」

店員「」

勇者「どうしましたか」

店員「遂にそれに気付いてしまいましたか」

19: 2012/02/11(土) 11:12:24.86 ID:Bx1XtSJW0

店員「その人は実は回復魔法も使える戦士なんです」

勇者「えっと それってかなり凄いですよね」

店員「そうです あなたは当たりを引いたんですよ!!」

天使「やったね勇者ちゃん!!」

勇者「ところで……」

店員「それではこちらで手続きは進めるので……」

勇者「どうしてそんな凄そうな人がこんな所に?」

店員「」ギクリ

勇者「紹介料とかも特別高く取るものだと思ってたんだけど」

店員「気にしないでください」ズイッ

勇者「えっ?」

店員「気にしては勇者は勤まりません 勇者は度胸です!!」

勇者「……はい」

21: 2012/02/11(土) 11:16:07.61 ID:Bx1XtSJW0

店員「それではあちらの部屋にいらっしゃるので」

勇者「そういえば貰った金は50Gだけなんだけど」

勇者「みんな最初は戦士を仲間に選ぶのかな」

天使「そんなわけないじゃないですか 勇者税が年幾らか知ってるでしょ」

勇者「全体の税の半分?」

天使「そうです 優秀な奴には沢山お金をあげて無能そうな奴には少量で送り出す」

天使「残ったお金は国庫に入って幸せ理論発動なんですよ」

勇者「腐ってるね ホントに」

天使「勇者に暗黒勇者フラグ立ちましたー」

勇者「ちなみに幼馴染はどれぐらい貰ったんだろうか」

天使「1万Gですよ」

勇者「」

22: 2012/02/11(土) 11:22:12.41 ID:Bx1XtSJW0

天使「おや あれが僧侶じゃないですか」

僧侶「」ゴゴゴゴゴ

勇者「とりあえず俺の中での僧侶のイメージ語っていい?」

勇者「教会の中で祈りながらさ 世界の平和を祈ってるのが僧侶」

天使「足を机に乗せながら煙草吹かしてますよね」

勇者「私頑張ります!! とか言って健気に頑張る癒し系なのが僧侶」

天使「昼間からお酒煽りながら回りにガン飛ばしてる卑しい系ですね」

勇者「青い修道服着て 背中に後光が射してるのが僧侶」

天使「服装は理想通りで 背中からドス黒いオーラが見えますよ」

勇者「帰っていい?」

天使「帰ったら1人旅ですよ 魔物に食われますよ」

勇者「引くも地獄 進むも地獄」ゴクリ

24: 2012/02/11(土) 11:30:10.55 ID:Bx1XtSJW0

勇者「あの……ちょっとお話いいですか?」ビクビク

僧侶「なんだ 何か用かよ」ギロリ

勇者「着いてきて欲しいなーって」

僧侶「なんだ喧嘩か 表でやろうぜ」グイッ

勇者「けんっ!? 違います! 俺はあなたに仲間になって欲しくて」

僧侶「アタシに?」

勇者「あなたに……」

僧侶「それなら早く言えよ!!」バンバン

勇者「い 痛い」

僧侶「アタシの名前は僧侶 見ての通り僧侶をやってんだ」

勇者「見ての通りだと 良くて戦士 悪くて盗賊にしかみえ――げほっ!?」

僧侶「なにか言ったか?」ニコッ

勇者「僧侶様はどこからどう見ても素敵な僧侶です」プルプル

29: 2012/02/11(土) 11:35:55.75 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「前までは色んな奴がPTを組んでくれって誘いがあったんだが」

僧侶「最近は僧侶も増えて需要と供給が追いつかなくなってるのか 声がかからなくてな」

勇者「そりゃ戦士として登録されてれば声もかからないよね」ボソボソ

僧侶「なにか言ったか?」

勇者「いいえなにも」

僧侶「ところで お前はどんな武器使ってるんだよ」

勇者「家から鍬を1本……」

僧侶「なんだよ アタシの武器を見てみろよ」

僧侶「竹の槍の先端に銅の剣を括り付けた銅の槍だ」

勇者「恐ろしい発想をする上に僧侶の武器じゃないですよね それ絶対に」

僧侶「戦えりゃ問題ねーだろ まあアタシに回復任せてれば問題ねーよ」ギャハハハハ

勇者「どうすりゃいいのさ」

天使「さあ?」

33: 2012/02/11(土) 11:41:50.68 ID:Bx1XtSJW0

勇者「街の外に出てきたわけだけど……」

僧侶「この地方は魔物のレベルも低いからな 定番の”アレ”が出てくるぜ」

勇者「お約束の……」

ガサガサ

僧侶「出た!!」

のヮの

僧侶「野生ののヮのだ!!」

勇者「なにそれこわい」

勇者「あの これが魔物?」

僧侶「そうだ 凶悪な面をしてるだろ」

勇者「どちらかというと好感が持てそうな面じゃあ……」

のヮの``

勇者「わっほい! なにか吐いてきた!?」

僧侶「馬鹿! そいつは毒を吐くんだよ!!」

勇者「それを始めに言って」ビクンビクン

34: 2012/02/11(土) 11:45:41.53 ID:Bx1XtSJW0

勇者「毒……ヤバイ……」ビクンビクン

僧侶「まあ毒ぐらい気にすんな」

勇者「意識が段々なくなって」

僧侶「まずはこいつを倒さないとなぁ アタシの必殺魔法で倒してやるよ」

のヮの

僧侶「ザメハ!!」ドゴッ

のヮのをたおした 勇者はレベルアップ

僧侶「よーし! 倒したぞー!!」

勇者「」ビクンビクン

僧侶「ふぅ……解毒魔法」ズドンッ

勇者「げほっ!?」ガバッ

僧侶「なんとか生き返ったな」アハハ

勇者「鳩尾痛い」プルプル

36: 2012/02/11(土) 11:56:12.52 ID:Bx1XtSJW0

勇者「ところでさっきの必殺魔法ってなに?」

僧侶「ザメハか? 強いだろ」

勇者「確かザメハって睡眠から起こすための魔法じゃあ……」

僧侶「”ハ”の所で気合を入れるのがポイントだな」

勇者「いや ただ思い切り槍で突き刺したようにしかみえな――」

僧侶「なんだ まだ起きてなかったのか」ブンブン

勇者「素敵な魔法を使える僧侶さんが仲間で本当に良かったなぁ」

僧侶「だろ? よくわかってんなぁ」バンバン

勇者「」ゲッソリ

天使「勇者さん勇者さん!!」

勇者「……なに?」

天使「勇者が辟易している所を見ると胸がドキドキするんですが」ドキドキ

勇者「君って本当に天使なの?」

37: 2012/02/11(土) 12:00:11.46 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「なにさっきから独り言喋ってんだ 次行くぞ次」

勇者「もしかしてさ 天使って他の人には見えない設定なの?」

天使「そうですけど」シラッ

勇者「先に言ってよ!! 街中で普通に話しちゃったでしょ!!」

天使「まあ道行く人たちは苦笑いでしたけど」

勇者「もう物理的にもあの国に帰れないよ!!」

天使「背水の陣ですね」ケラケラ

勇者「笑い事じゃないから――ごほっ!?」

僧侶「早く行くって言ってんだろ」ギリギリ

勇者「はいわかりました」

39: 2012/02/11(土) 12:07:30.14 ID:Bx1XtSJW0

スライムが現れた

僧侶「今度はスライムか……」

勇者「スライムってプヨプヨしてるよね」

スラ「」プヨプヨ

僧侶「ザメハーーーっ!!」ブォン

勇者「あぶな――げほっ!?」ベチンッ

僧侶「なんで魔物庇ってるんだよお前は!!」

勇者「だってプヨプヨしてますし!!」

僧侶「あぁん!?」

勇者「」プヨプヨ

スラ「」プヨプヨ

スライムがなかまになりたそうにこちらをみている

天使「それではポイントを使って仲間にしちゃいましょう」ポチッ

ニアスライムを仲間にする 1ポイント

40: 2012/02/11(土) 12:13:35.79 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「全く 魔物を仲間にするなんてなに考えてんだか」チラチラ

勇者「だってプヨプヨしてるし」

スラ「」プヨプヨ

僧侶「魔物は倒すべき敵なんだぞ」チラチラ

勇者「もしかして僧侶さん 触りたいの?」

僧侶「んなわけねーだろ」プイッ

勇者「……僧侶さん お願いですので触ってください」ペコリ

僧侶「し 仕方ねーなー」ヤレヤレ

天使「面倒な女ですね」

僧侶「どれどれ」

スラ「ピギーーーッ」ダッ

スライムはにげだした

僧侶「」プルプル

勇者「」ガクガクガク

42: 2012/02/11(土) 12:19:41.30 ID:Bx1XtSJW0

勇者「スライムも帰ってきて良かった」ボロボロ

天使「変わりに勇者は殴られましたけど」

天使「こんな時こそ口から回復薬を出す特技の出番です!!」

勇者「そんな設定あったね」

天使「とりあえず僧侶は水浴びに行ってるし試してみたらどうですか?」

勇者「涎で傷を舐めると……痛みがなくなった!?」

天使「これがあなたの勇者としての能力です!!」

勇者「悲しくなってきたけどこれは役に立つ」ペロペロ

僧侶「」


翌日

僧侶「なあ 悩み事があるなら相談に乗るからよ」ポンポン

勇者「なぜか僧侶さんが優しくなったんだけど」

44: 2012/02/11(土) 12:25:40.91 ID:Bx1XtSJW0

村人「ここは一番目の村だよ」

勇者「とりあえず隣の村についたね」

僧侶「勇者は別の街や村につくと補助金が貰えるんだろ」

勇者「そっか 貰いに行ってくるからプヨちゃん任せたよ!!」ダッ

スラ「」プヨプヨ

僧侶「」ソーッ

スラ「」プルプルプル

僧侶「こわくないよー 武器もってないだろ」

スラ「」プヨプヨ

僧侶「そーっと」プヨン

僧侶「プヨプヨしてんなお前」

スラ「」プヨプヨ

勇者「見なかったことにしよう」

47: 2012/02/11(土) 12:42:53.91 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「それで次の街に行くには東にある洞窟を通るんだろ」

勇者「なんか洞窟の中には強い魔物がいるみたいだね」

僧侶「あっちの地方はこことは魔物のレベルが違うって聞くしな」

勇者「二人で果たして超えられるのかどうか」

僧侶「いけるだろ アタシ一度通ってきたし」

勇者「そうなの?」

僧侶「前のPTにいた時にな 二人いればなんとかなるだろ」

僧侶「いや 今は二人と一匹か」プヨプヨ

スラ「」プヨプヨ

勇者「戦闘になったらプヨちゃんが戦えるかどうか」

僧侶「少なくともお前よりは役に立つと思うけど」

勇者「」

49: 2012/02/11(土) 12:51:51.96 ID:Bx1XtSJW0

勇者「天使さん天使さん!!」

天使「どうしましたか」

勇者「なんかレベルは上がってるけど 俺全然強くなった実感ないよ」

天使「そりゃそうですよ ポイントをステに振ってないですから」

勇者「おい」

天使「あなたはポイントシステムの代わりに ステータスの成長もポイントで行われますから」

勇者「つまりどういうこと?」

天使「特技を覚える代わりに あなたは強くなるチャンスを捨ててたんですよ」

勇者「だったら今度からちからとか上げるよ!!」

天使「特技ばかり使える勇者でいいじゃないですか」

勇者「口から限定な特技なんていらないよ!!」

勇者「今は口と道具袋が繋がってるしね!!」

天使「大道芸人として生きていけますよ」

勇者「やっぱりこの特技 勇者のじゃないでしょ」

51: 2012/02/11(土) 13:02:34.04 ID:Bx1XtSJW0

勇者「さて この村で貰ったお金で道具も買ったし 準備万端だね」

スラ「」プヨプヨ

僧侶「んじゃ 行くか」

???「……勇者」

勇者「あれ? 幼ちゃんじゃん久しぶり!!」

幼「」コクリ

勇者「勇者になったって言ってたけど どうしたの?」

幼「魔界に行く前に王様が挨拶に来いって」

勇者「そうなんだー」テキパキ

僧侶「なんだ 知り合いか?」

勇者「俺の幼馴染で俺と同じ勇者!!」テキパキ

幼「同じ勇者?」ピクッ

勇者「そうそう 俺も先日勇者になったんだ」

幼「あの糞爺」ボソリ

52: 2012/02/11(土) 13:07:38.23 ID:Bx1XtSJW0

戦士「幼様! 待ってください!!」ハァハァ

幼「……」

戦士「勝手にどこかへ行ってしまわれては困ります!!」

幼「勝手にいなくなったら散歩」

戦士「それでもです! こんな下賎な者たちと話していては穢れますぞ」

僧侶「あぁん? 誰が下賎なもんだ」ギロッ

戦士「それはお主らに決まっておろう このお方をどなたと心得るのだ」

戦士「剣術・魔法にも精通し 今最も強い勇者である幼様であられるぞ」

僧侶「んなもん知るか ぶっ飛ばすぞ」

戦士「やってみるか」チャキ

幼「戦士 この人たちは知り合い」

戦士「そうでしたか! 誠すいません!!」ギリギリ

勇者「顔が笑ってないんですけど」

55: 2012/02/11(土) 13:14:43.60 ID:Bx1XtSJW0
勇者「それで俺たちはこれから東の洞窟に行くんだけど」

幼「じゃあ私も着いていく」

戦士「幼様! 私たちは王国に用事が……」

幼「勇者が心配」

戦士「はい 勇者が心配ですね!!」

勇者「いいのかそれで」


幼「中級雷呪文」ドンガラガッシャーン

勇者「幼強すぎワロタ」

僧侶「どっかの勇者とは大違いだな」

勇者「全くもってそうですね」

勇者「ところで幼のPTってこれだけ?」

戦士「今回は里帰りということで私以外は他の街におる」

勇者「なるほど」

幼「ここぐらい1人で十分なのに」

戦士「なりません!! 幼様にもしもの事があったら私は……」

59: 2012/02/11(土) 13:26:28.25 ID:Bx1XtSJW0

幼「勇者 大丈夫?」

勇者「むしろ戦っているのは幼メインなんだけど」

幼「私は大丈夫 頑丈だから」

戦士「ほらほら あっちへ行けば次の国だ 早く行け!!」

幼「ご飯はしっかり三食 危険なことは駄目」

勇者「うん わかったよ」

僧侶「どこの母親だよ」ケッ

勇者「ありがとね 幼ちゃん」

幼「」コクリ


ちょっと出掛ける用事が出来たので 2時間ぐらいで戻ると思いますが出来れば保守お願いします

82: 2012/02/11(土) 15:21:11.96 ID:Bx1XtSJW0

勇者「支援金貰って来たよー!!」

僧侶「んじゃ 武器でも物色しに行くか」


武器屋

店員「しゃーせー!!」

僧侶「おっ! 鋼の剣売ってるじゃん」

店員「それは今売れ筋ですよー そちらの彼が装備するんです?」

僧侶「いやアタシだけど」ナニイッテンダ

店員(この人僧侶じゃねーのかよ)

僧侶「竹やりにくっつければはがねの槍になるぞ」

勇者「それなら素直に鉄の槍買おうよ」

天使「まるで一揆衆ですね」

84: 2012/02/11(土) 15:35:17.13 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「そうだ 鋼の剣買うんだからなにか情報寄越せ」

勇者「凄い まるで盗賊のようなセリフを堂々と――ごはっ!?」

僧侶「寄越せ な?」ゴキゴキ

店員「えっとですね ここから西に行ったところに職の神殿があるんだよ」

僧侶「で?」

店員「この大陸で職のことを聞くならそこが一番だって……」

僧侶「次の目的地が決まったな」

勇者「職の神殿か……」

天使「勇者は職ではなく称号みたいなものですから」

天使「そこで勇者の職を尋ねるのもいいかもしれませんね」

勇者「多分農民だと思うよ 職業」

86: 2012/02/11(土) 15:42:41.65 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「あの国では特にすることなかったな」

勇者「他国の王様にも簡単には会えないしね でも良い国だったじゃない」

僧侶「そうだな」

スラ「」プヨプヨ

のヮのがあらわれた

勇者「こっちの地方でものヮのが!?」

僧侶「いや あれはのヮのベスだ 普通ののヮのより強いぞ!!」

勇者「よし! 違いが全然わからないぞ!!」

僧侶「ホイミ!!」ズガッ

のヮのをたおした

勇者「ただの突きをホイミと言い張るあの強さは凄い」

僧侶「知らなかったのか 魔物にホイミをかけるとダメージを与えられるんだぜ」

勇者「明らかに力技の類だったけどね」

88: 2012/02/11(土) 15:54:17.15 ID:Bx1XtSJW0

職の神殿

勇者「でっかいねー」

僧侶「職の神殿は職に携わる神官が唯一いる場所だからな」

僧侶「大陸にあるすべての国から支援を受けてるんだよ」

神官「あっ! お客さんですか?」

勇者「うん 職の相談をしにね」

神官「それでは案内させてもらいますね」ガチャ


神官「ここには人の適正を見ることが出来る神官の人たちが仕事をしています」

勇者「人の適正?」

神官「その人になにが向いているか ですね」

神官「人には向き不向きがありますから 戦士をしていたけど実は魔法使いの適正が高かった」

神官「そんな人も結構いるんです」

勇者「へー そうなんだ」ジー

僧侶「なんだ アタシに文句でもあんのか?」

91: 2012/02/11(土) 16:01:28.62 ID:Bx1XtSJW0

神官「大神官様 お客様を連れてきました」

大神官「おぉ そうかそうか」フォフォフォ

僧侶「大丈夫なのか こんな爺さんで」

勇者「ちょっと失礼だよ」

大神官「ふむ それでどちらの適正を見てもらいたいのかな」

僧侶「んじゃ まずはアタシで」

大神官「それでは手を見せてもらうよ ふむふむ」ジロジロ

大神官「これは凄い! 今の職をかなり極めておりますぞ!!」

僧侶「へへっ! だろう」

大神官「このまま極めれば戦士を極めてバトルマスターにもなれますじゃ」カッ

勇者「ブッ」

神官「凄い人なんですねー」

僧侶「」

94: 2012/02/11(土) 16:11:19.19 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「ジジイにはアタシが戦士に見えるってか?」ゴゴゴゴゴ

大神官「確かに盗賊に見えないこともないですが」

勇者「」プルプル

僧侶「それで 今の言葉が冥土の土産でいいのか?」ジャキ

大神官「落ち着け! どうして怒っておるのじゃ!!」

勇者「そうだよ……プッ……おちつい……」

僧侶「お前も笑ってんじゃねーよ!!」ゴンッ


大神官「やれやれ それで次はそちらの彼かね」

勇者「お願いします」サッ

大神官「ふむふむ 残念ながらお主はこれ以上の伸びしろはありませんな」

勇者「それってこれ以上成長しないってこと」

大神官「そうですじゃ」

勇者「ナンテコッタイ」

98: 2012/02/11(土) 16:17:36.62 ID:Bx1XtSJW0

大神官「だがワシも長く生きてきて始めてかもしれん」

大神官「これ程までに熟練した魔物使いに出会うのは」

勇者「……ん? 魔物使い?」

大神官「そうじゃ ある条件を満たしたものしか就くことが出来ぬ職の1つじゃ」

神官「賢者や私たち神官のようなものですよ」

大神官「その中でも魔物使いはなろうとしてなれる職ではない 魔物と心を通わせられる穏やかな心がないとな」

勇者「俺って穏やかなの?」

僧侶「馬鹿ではあるけどな」

大神官「(おかしいのぅ 魔物使いとはいえ無意識で熟練度をここまで上げられるハズはないのだが)」

勇者「ところで魔物使いって具体的にはなにをする職なんですか?」ハイ

大神官「主に味方の魔物の援護をする特技じゃな お主のスライムの攻撃力を上げたりの」

勇者「そうなんだ 出来ないけど」

大神官「それならワシが攻撃力を上げる特技を教えてやろう」

勇者「本当に? やった!!」

101: 2012/02/11(土) 16:22:12.11 ID:Bx1XtSJW0

大神官「まずは腰に手を当て腰を10回程振る」フリフリ

勇者「こうですか?」フリフリ

大神官「次に腕を上下に振りながらくるくるとトリプルアクセル」クルクル

勇者「こう?」クルクル

大神官「そして最後にセクシーポーズで決める!!」ウッフーン

勇者「せいっ!!」ウッフーン

大神官「お主 中々に筋がいいのぅ」ハァハァ

勇者「ごめんなさい これを戦闘中にやるの?」

大神官「そうじゃが?」

ゆうしゃはいまのとくぎをこころのおくふかくにふういんした

僧侶「なんだお前 本当に面白いな」ポン

勇者「いつになく優しくならないで!!」

105: 2012/02/11(土) 16:30:00.95 ID:Bx1XtSJW0
神官「お二人とも今日はここに泊まっていくんですよね」キラキラ

勇者「まあそうなるかな」

神官「だったらお話を聞かせてください! 魔物使いの勇者さんの話なんて面白そうです」

僧侶「確かにキャラとしては美味しいところだよな」

勇者「今すぐやめたいけどね」

ワイワイキャイキャイ

大神官「行ったか 一応あのお方に報告しておこうかの」


神官「そうなんですか 隣の大陸の王国から」

勇者「割と近いけどね」

神官「私はここから出たことがないから羨ましいです」

僧侶「羨ましいなら出ればいいだろ 外の世界は楽しいぜ」

神官「私魔物に両親を食べられて ここの人たちに拾われたんです」

神官「もちろん! そこのスライムさんを取って食べようなんて思ってないですよ」アタフタ

勇者「うん わかったから食べないでね」

スラ「」プヨプヨ

108: 2012/02/11(土) 16:40:41.33 ID:Bx1XtSJW0

神官「だからここの人たちに少しでも恩返し出来たらと思って」エヘヘ

勇者「うん 神官ちゃんには神官ちゃんの生き方があるから」

僧侶「そんなもん関係ねーだろ 人は人 自分は自分」

僧侶「自分に素直に生きたらいいじゃねーか」

勇者「みんな僧侶ちゃんみたいに強くないからね」

僧侶「ふん」


???「あそこが職の神殿か……」

109: 2012/02/11(土) 16:47:18.55 ID:Bx1XtSJW0

カーンカーン!!

僧侶「なんの音だ?」

神官「敵襲警報!? 皆さん私に着いて来てください!!」ダッ


神官「大神官様!!」

大神官「神官か マズイことになった 既にここも囲まれておる」

神官「援軍は……」

大神官「恐らく間に合わん 敵は魔物ではないからな」

勇者「魔物じゃないって」

大神官「敵は魔族じゃ」

勇者「魔族っ!? ってなに?」

神官「魔物は動物や自然界にあるものの形をしています」

神官「ですが魔族はより人に近い形をした者たち」

神官「魔界にして存在しない人種です」

大神官「それに人に匹敵しえるほどの知恵がある これは厄介じゃぞ」

112: 2012/02/11(土) 16:56:13.00 ID:Bx1XtSJW0

職員「大神官様! 敵は吸血族が20体ほど!!」

大神官「不死の力を持つ奴らか 避難を優先させるんじゃ!!」

勇者「逃げられるの?」

神官「こういう時の為に人間にしか入れない避難経路がありますから」

職員B「魔族が侵入してきました!!」

大神官「ワシらで時間稼ぎじゃ!!」ダッ

勇者「俺たちは?」

僧侶「魔族相手なんて楽しみじゃねえか どうせいつか戦うことになるんだ」ジャキ

神官「私も微力ながら手伝わせて頂きます」ブルブル

勇者「えっと大丈夫?」

神官「大丈夫です! 戦うための訓練も受けて来ましたから!!」ブルブル

バタンッ

吸血「なんだ ここには餓鬼が三人か」

113: 2012/02/11(土) 17:01:48.62 ID:Bx1XtSJW0

神官「先制攻撃です!!」ブンッ

ミス! しんかんのこうげきははずれた

僧侶「ミスってんじゃねえよ素人!! ザメハ!!」ブォン

そうりょのザメハ きゅうけつきに30のダメージ

スラ「」プヨプヨ

すらいむのこうげき きゅうけつきに5のダメージ

勇者「それじゃあ俺も!!」フリフリクルクルウッフーン

ゆうしゃのこうげきりょくのおどり

すらいむのこうげきりょくがあがった

吸血「」ポカーン

きゅうけつきはぼうぜんとしている

神官「」プルプル

しんかんは肩を震わせてわらいをこらえている

僧侶「お前はもっと真面目にやれよ!!」ゴンッ

勇者「やった結果がこれだよ!!」

117: 2012/02/11(土) 17:11:38.85 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「だが吸血鬼が呆然としている今がチャンスだ」

僧侶「ホイミ!!」ズドンッ

かいしんのいちげき! きゅうけつきに120のダメージ

スラ「」プヨー---!!

かいしんのいちげき きゅうけつきに200のダメージ

神官「わ わたし……」プルプル

しんかんはこうげきできない

勇者「お願い これ以上ツボに入られると俺も立ち直れなくなる」

吸血「キサマらふざけやがって……これで終わりにしてやる!!」

天使「私を忘れて貰っちゃあ困ります フラッシュ!!」ピカーッ

吸血「く……目にゴミが……っ!!」ゴシュッ

きゅうけつきをたおした

天使「どんなもんだーですよ」

勇者「最近出番ないと思ったら美味しい所だけ持ってかれた」

119: 2012/02/11(土) 17:19:48.52 ID:Bx1XtSJW0

大神官「大丈夫かお主ら!!」ガチャ

神官「だ……だいしんきゃ……」プルプル

大神官「敵の錯乱魔法でも受けたのか!?」

勇者「いいえ ツボに入ってるだけです」

大神官「大丈夫ならいいんじゃが とにかく! お主らも逃げるんじゃ!!」

神官「いえ! 私も最後まで戦います!!」キリッ

大神官「駄目じゃ お主も逃げろ!!」

神官「嫌です!!」

???「いいんじゃねえか 逃げたくない奴はそれで」

大神官「お主は……」

吸血鬼「今回この作戦を指揮させて貰っている吸血鬼だ」

大神官「吸血鬼!? そうかお主が……」

吸血鬼「なんだ 爺さん俺のこと知ってるのか」

大神官「魔族四大貴族の一角である淫魔王の懐刀だと」

吸血鬼「俺も有名になったもんだね」ケラケラ

123: 2012/02/11(土) 17:26:55.96 ID:Bx1XtSJW0

大神官「お主の目的はなんじゃ!?」

吸血鬼「ここは人間どもにとって重要な拠点なんだろ だから攻めるのは当然じゃねえか」

大神官「だが簡単にここを通すと思っておるのか?」

吸血鬼「思ってねぇよ アンタは元勇者の仲間で今でも指名手配されてる極悪な人間だからな」

神官「大神官様にそんな過去が……」

大神官「神官 良く聞きなさい ワシも昔は親の職などには就きたくなく 勇者様と一緒に旅をしたことがある」

大神官「今はこうして元の鞘に戻ったが 今でも旅をしていたあの頃の日々はワシの大切な宝物じゃ」

大神官「もっと見聞を広めなさい 神官は神官なのじゃからな」

神官「大神官様!!」

大神官「睡眠魔法」ピトッ

神官「だいしんか……」グゥ

大神官「勇者様 この子を頼みます」

僧侶「いいのかよ こいつは……」

大神官「ワシも人の親だったということですじゃ」

124: 2012/02/11(土) 17:33:32.68 ID:Bx1XtSJW0

勇者「神官ちゃんは俺たちが責任をもって逃がします」

大神官「ありがとう それとこの紙に書かれているお方に会うと良い」

大神官「きっとお主らの力になってくれるハズじゃ」

勇者「ありがとうございました!!」ダッ

僧侶「くたばんなよジジイ!!」ダッ


大神官「ふむ あの子らをみすみす逃がして良かったのかな?」ギロリ

吸血鬼「怖い怖い 俺があいつらを攻撃しようとしたらその隙を狙って俺を仕留めようとしてたんだろ」

大神官「そんなことはせんよ」フォフォフォ

吸血鬼「淫魔王様がアンタには気を付けろって言ってたからな」

大神官「あのじゃじゃ馬はまだ王など出来ておるのか」

吸血鬼「唯一自分の魅力の魔力に囚われなかった人間だって褒めてたぜ」

大神官「うれしかないの ババアに褒められたところで」

吸血鬼「もちろん なにか策はあるんだろう? この絶望的な状況を脱する」

大神官「当たり前じゃ ここの技術を貴様らに盗まれんように仕掛けもしてある」カチッ

131: 2012/02/11(土) 17:42:32.00 ID:Bx1XtSJW0
勇者「それが事の顛末です」

第二王「そうか 職の神殿がなくなったから何事かと思ったが」

第二王「あそこには証拠隠滅の為の自滅呪文が組まれておった」

第二王「大神官は見事己の職を完遂したか」

勇者「……」

第二王「報告ご苦労 もう引いてよいぞ」


神官「」

勇者「神官ちゃん……」

僧侶「いつまでもウジウジしてんじゃねーよ」

勇者「ちょっと僧侶ちゃん!!

僧侶「ジジイも自分のことは自分で決めろって言ってただろ お前はここでウジウジしてるのが仕事なのかよ」

神官「……違います 私のやりたいことは……」

神官「勇者様 お願いがあります」

勇者「どうしたの改まっちゃって」

神官「私も連れて行ってください!!」

133: 2012/02/11(土) 17:46:31.39 ID:Bx1XtSJW0

勇者「俺はそれでもいいけど 本当にいいの?」

神官「私はあの場でなんの役にも立ちませんでした」

神官「だから強くなりたいんです!!」

勇者「うん いいんじゃない 僧侶ちゃんもいいでしょ?」

僧侶「いいんじゃねーの 回復役が増えるのはいいことだしな」

勇者「回復役……?」チラリ

僧侶「おいアタシは回復役だろ!!」

スラ「」プヨプヨ

神官「」ウフフ


第二王「側近 今回の件 警備の位置がバレていたようだが」

側近「人間側に内通者がいるのかもしれませんね」

第二王「総力を挙げて探し出せ」

側近「ハッ!!」

第二王「このままでは済まさんぞ 魔族に魔王め」

136: 2012/02/11(土) 17:53:15.21 ID:Bx1XtSJW0

勇者「今 俺たちは砂漠の街に向かっています……」

僧侶「熱いんだよ馬鹿!!」

勇者「それはしょうがないよ」

神官「心頭滅却すれば火もまた涼しいですよ」フラフラ

勇者「神官ちゃん! そっちに行ったら駄目だよ!!」ガシッ

勇者「それにしても 次の街にはいつ着くんだろうね」

僧侶「もうすぐじゃね 着いたら水がぶ飲みしてやる」

のヮの

勇者「僧侶さん! 新しいのヮのが出たよ!!」

僧侶「砂漠に出てくる地獄ののヮのだ!!」

勇者「よし! 今回も違いがちっともわからないぞ!!」


140: 2012/02/11(土) 18:14:09.47 ID:Bx1XtSJW0

数分後

勇者「堅いよ!! 守備力増大の呪文ばかり唱えて!!」

僧侶「暑い上に本当に腹立つ奴だな」

のヮの

勇者「神官ちゃんがマトモに動けないから逃げられないし」

神官「フラフラリ~~~」フラフラ

勇者「なんか万事休すだよね」アハハ

僧侶「ホイミ!!」ズドンッ

じごくののヮのに1のダメージ

僧侶「諦めてんじゃねーぞ!!」

スラ「」プヨプヨ

神官「風初級呪文」

のヮのをたおした

勇者「強いのは物理攻撃だけで呪文攻撃には弱いんだよね」

145: 2012/02/11(土) 18:24:11.82 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「なんだ お前もやりゃ出来るじゃねえかよ」

神官「風呪文呪文らりるれろ~~~」フラフラ

僧侶「こいつ錯乱してやがる!?」

勇者「止めて神官ちゃん! このままじゃPTが全滅しちゃう!!」


砂漠の街

神官「うわー!! こんな街があるんですね」キラキラ

僧侶「アタシこのPTで今後やっていく自信がなくなったんだが」

勇者「同感」ハァ

神官「お二人とも早く早く!!」

147: 2012/02/11(土) 18:30:12.01 ID:Bx1XtSJW0

店員「この街の更に北にあるピラミッドは見学しがいがあるよ」

神官「ピラミッドってなんですか?」

店員「昔の王様を祭ったお墓だな 超デカイ」

僧侶「そりゃ興味ねえな それと聖なるナイフくれ」

勇者「残念なことに僧侶さんの槍もどんどん進化している」

僧侶「おい あそこにパフパフ小屋があるぞ」

神官「パフパフ……ってなんですか?」

僧侶「」ゴニョゴニョ

神官「ふ! 不潔です!!」バンッ

僧侶「そんなに嫌うなよ 勇者なら興味あるだろ」

勇者「そうだね」

神官「勇者様!?」

148: 2012/02/11(土) 18:35:36.17 ID:Bx1XtSJW0

天使「マジ不浄ですね 天界なら死刑ですよ死刑」

勇者「なにがパフパフだよ! プヨプヨの方が良いに決まってるだろ!!」プヨパン

僧侶「」

神官「」

スラ「」プヨプヨ

勇者「ちょっと文句言いに行って来る!!」ダッ

神官「あの……」

僧侶「アタシは知らん」


僧侶「プヨ行くぞ」

スラ「」プヨプヨ

神官「私はどうすれば……」

僧侶「勝手にすればいいだろ」

神官「わかりました」

150: 2012/02/11(土) 18:43:22.80 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「それでなんで着いて来るんだよ」

神官「勝手にしろと言われたので」ニコニコ

僧侶「」ハァ

ワーワー

武道「今なら俺とストリートファイトをして勝った奴には賞金10000Gだ」

神官「強そうな人ですね」

僧侶「オラァッ」ゴッ

武道「ごふっ!?」

神官「僧侶さーーーん!! なにしてるんですか!?」

僧侶「なにって参加してるんだが」

武道「待て待て! まだ始まってないぞ」

僧侶「なんだ もう始まってるんだと思ったんだがな」

僧侶「おい 早く暴れさせろよ」

ゴキッバキッドゴッ

152: 2012/02/11(土) 18:51:16.77 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「いやぁ 臨時収入もあって良かったな」ホクホク

神官「……」

僧侶「どうしたんだ?」

神官「凄いです! 女性なのにあんなに強いなんて!!」ズイッ

僧侶「ちょっと近い……」

神官「お姉様って呼んでもいいですか!?」

僧侶「いやそれはちょっと……」

神官「じゃあ僧侶様で……素敵です!!」

僧侶「アタシこいつ苦手」ハァ

155: 2012/02/11(土) 18:56:16.85 ID:Bx1XtSJW0

勇者「ちょっと黒服の人たちに囲まれてきた」ボロボロ

僧侶「だろうな」

神官「次はどこに行くんですか?」

勇者「聞いてきたんだけど 次は魔界との国境にある武の街かな」

僧侶「……」

勇者「僧侶さんどうかした?」

僧侶「別になんでもねーよ 行くぞ」

天使「なんか怪しい臭いがしますね」クンクン


のヮの

勇者「僧侶さん僧侶さん! またのヮのですよ!!」

僧侶「今度はのヮのコングだな」

勇者「やっぱり他ののヮのとの違いがわからない!!」

156: 2012/02/11(土) 19:02:49.49 ID:Bx1XtSJW0

僧侶「なんかあっさり倒せたな」

勇者「改心の一撃が怖かったけどそれだけだったね」

スラ「」プヨプヨ

神官「ところで次に行く武の街ってどんな所ですか?」

僧侶「その名の通り 武に名のある人間が集まってるんだよ」

僧侶「魔界探索にも一番力を入れてるからな」

勇者「なんか詳しいね」

僧侶「そうでもねーよ」


村人「ここは武の街だよ 更に北に行くと魔界の門がある武の国だ」

勇者「へぇ 初めて見たけど魔界との国境にある壁はデカイね」

僧侶「あれのお陰で魔族はこっちに入ってこられないからな」

神官「でも前の吸血鬼は……」

僧侶「だからおかしいんだろ 武の国でなにかあったのかもな」

157: 2012/02/11(土) 19:10:20.19 ID:Bx1XtSJW0

勇者「武の街って言われるだけあって 武器も結構いいものが揃ってるね」

僧侶「国の方が色々揃ってるから そっちで買ったほうがいいかもな」

勇者「ところで 次はその国に行くの?」

神官「その前に行ってみたいところがあるんですけど」

勇者「行ってみたいところ?」

神官「大神官様が頼れって言った人がいる街がこの近くにあるって」

勇者「そうなんだ じゃあ聞き込みをしないとね その街の名前は?」

神官「辺境街っていうらしいんですけど」


村人「辺境街? あそこならここから南にあったよ」

勇者「あった?」

村人「魔族との戦争で1000年ぐらい前になくなったんじゃないかな」

158: 2012/02/11(土) 19:16:16.01 ID:Bx1XtSJW0

勇者「どうしよう」

僧侶「どうしようじゃねーよ ジジイが幾ら耄碌してたからってそこまで馬鹿じゃないだろ」

僧侶「なにかその場所にあるんじゃねーか」

神官「流石僧侶様! 素晴らしい慧眼ですね!!」キラキラ

勇者「うん なんか僧侶さんの方が勇者っぽいよね」ハァ

スラ「」プヨプヨ

勇者「プヨ……プヨ……」

僧侶「落ち込んでる馬鹿は放っておいて 食料買い込んで南にいくぞ!!」


僧侶「道がない場所を進むってのが一番面倒だな」バサバサ

勇者「しかも森の中を突っ切るって」

神官「お二人とも大丈夫ですか?」

僧侶「問題ねーから 背後には気を付けろよ」

ウゥー

159: 2012/02/11(土) 19:21:25.99 ID:Bx1XtSJW0

のヮの「」ブォオオオオ

勇者「僧侶さん僧侶さん!! 新しいのヮのですよ!!」

僧侶「あれはヒートのヮのだ 火を吐いてくる」

勇者「相も変わらず違いがわからない!! でも戦ってるのは……」

オオカミ「グルルルルルル」

勇者「モフだ! モフが戦ってる!!」

僧侶「お前はもう黙れ」

神官「でもあののヮのとオオカミはどうして戦っているんでしょうか」

僧侶「縄張り争いなんじゃねーか」

オオカミ「ぐぉんっ!!」ガブッ

のヮの彡

勇者「のヮのに勝っちゃった」

オオカミ「」フラフラ

162: 2012/02/11(土) 19:32:31.57 ID:Bx1XtSJW0

勇者「ってあのオオカミ氏にそうだよ!!」ダッ

オオカミ「」ダッ

勇者「待てー!!」

僧侶「あいつは全く!!」ダッ

神官「待ってくださーい!!」ダッ


オオカミ「」バタリ

勇者「怪我してるんだからそんなに走っちゃ駄目だって」

神官「私が治しますね 中級回復呪文」パァァ

オオカミ「グゥルルルルル」

神官「これで治ったんですけど」

僧侶「警戒されてるな」

???「仕方ないであろう その者は人間に家族を殺されたものだ」

勇者「誰!?」

???「妾の街に用があったのではないのかの?」クスクス

163: 2012/02/11(土) 19:35:16.63 ID:Bx1XtSJW0

神官「それではあなたが……」

村長「辺境町の村長だ ようこそ辺境街へ」

僧侶「ようこそって ここには街なんてなにもないじゃねーか」

村長「目の前に見えるものだけを真実と思うのが人間の悪い癖だの」

村長「地上にあるなどと誰がいった?」

勇者「……つまりどういうこと?」

村長「辺境町は今 地下にある ついておいで」

僧侶「どうする?」

神官「行くしかないですよね」

勇者「だね ほらお前もおいで」

オオカミ「」トコトコ

天使「」

165: 2012/02/11(土) 19:44:21.36 ID:Bx1XtSJW0

神官「どうして街が地下にあるんですか?」

僧侶「話では1000年前までは地上にあったんだろ」

村長「それは街を見てみればわかるよ」

ガラッ

勇者「うわあ 地下にこんな街が……」

村長「1000年前に妾の魔力で地下に移動させての」

鬼「村長様 お客さんですか?」

僧侶「魔族じゃねーか!!」ジャキ

村長「無闇に武器を向けるのは止めんか 街の中を良く見てみろ」

人「」ザワザワ

魔族「」ザワザワ

神官「人と魔族が一緒に生活をしている?」

村長「この大陸で唯一 人と魔族が共に暮らす街だからの」

166: 2012/02/11(土) 19:48:48.32 ID:Bx1XtSJW0

村長「1000年前まで 人間と魔族は手を取り合う仲だった」

勇者「それは初耳」

村長「それが魔族側からの一方的な条約破棄で今はあんな壁まで出来る始末」

村長「魔族が追い立てられる中で この街だけは地下へと街を移し 今まであったのだ」

神官「あの……大神官様もこの街の存在を?」

村長「懐かしい名だの この街は魔王を倒せるような可能性のある人間にしか見つからんようになっておる」

村長「その辺りの話も含めて 妾の屋敷で話を聞こう」


神官「そういうことがあって……」

村長「そうか あの坊主も逝ってしまったか」フゥ

勇者「大神官さんはあなたなら何か手伝いをしてくれるって言ってたんですけど」

村長「そうだの 妾は簡単な予言ぐらいしか出来ん」

僧侶「それは十分に凄いと思うんだが」

169: 2012/02/11(土) 19:54:14.94 ID:Bx1XtSJW0

村長「神官……はこのまま進めばおのずと道は開かれるだろ」

神官「えっと……はい」

村長「そして僧侶」

僧侶「どうしてアタシの名前を知ってるんだよ」

村長「妾凄いからの お主は魔界に行く前に実家に寄って悩みを解決するべきだ」

僧侶「……チッ」

村長「そして勇者だが……」

勇者「」ゴクリ

村長「特になしだの」

勇者「なんで!?」

村長「お主の行く先々は困難しか待ち受けておらん 言うだけ無駄だからの」

勇者「止めて! 今だけで十分に困難なのに!!」

171: 2012/02/11(土) 20:02:59.96 ID:Bx1XtSJW0

村長「取りあえずは魔王を倒すための武器を集めるのだ」

神官「武器?」

村長「勇者のスプーンに魔王の短刀 竜王の槍に淫魔の靴 鬼王の金棒に魔の錬金術書」

村長「スプーン短刀金棒はこの街の勇者が持っていったから残りは3つ 恐らくすべて魔界にある」

勇者「なければ魔王には勝てない……」ゴクリ

村長「別に勝てると思うが……」

勇者「」ズコー

村長「ただなくて困るものではないのでな」

村長「それとそこのオオカミ お主のこやつらに着いていくのだよ」

オオカミ「グゥルルルルル」

勇者「えっなに? アマガミされてるけど懐いたの?」

村長「ところでお主ら魔界に行くのだよな?」

僧侶「なにか悪いのかよ」

村長「いや 門は四人以上のPTではないと開けてもらえんぞ」

みんな「「」」

173: 2012/02/11(土) 20:14:35.06 ID:Bx1XtSJW0

勇者「後で酒場に行けばいるよね 着いて来てくれる人」

僧侶「まあ武の国なら良い人材もいるしな」

村長「あー 相談しておる所悪いが 実は1人推薦したい奴がいるのだが」

勇者「えっ! この街に着いて来てくれそうな人がいるの?」

村長「なんというか 性格が非常に面倒な奴での ゆえにこの街の勇者にも置いていかれたんだが」

僧侶「解散! 次の街行くぞ!!」

村長「待て待て!! 見てから決めよ!! 実力はあるから!!」

僧侶「変人はもう十分だよ」ハァ

勇者「変人って誰のことさ」

神官「全くです!!」

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「」モフモフ

僧侶「」

176: 2012/02/11(土) 20:28:11.61 ID:Bx1XtSJW0

???「なんでござるか村長殿」

村長「侍 お主勇者に置いていかれただろ だから――」

侍「そうでござる! なぜあのお方は拙者を置いていかれた!!」ジワァ

村長「げっ!」

侍「小生のような役立たずでは駄目だと仰るのだな ならば切腹を――」チャキ

村長「止めるのだ馬鹿!!」

侍「馬鹿……そう拙者は馬鹿だから切腹するのでござるよ」フハハハハハ!!

村長「お主らも見ておらんで止めんか!!」

勇者「いやだってねえ?」

僧侶「また濃いキャラが……」

神官「はわわわわわ」


村長「落ち着いたところで こやつを連れて行って欲しいのだが」ゲッソリ

僧侶「いや普通に嫌だろ」

178: 2012/02/11(土) 20:39:58.90 ID:Bx1XtSJW0

侍「拙者は見ず知らずの人にまで拒否られるとは」ジワァ

侍「連れて行って貰えぬのなら切腹しかないでござるな!!」ジャキ

村長「だからやめいゆうに!!」

勇者「もう本当に!!」


勇者「それで着いて行くことになりました」

侍「まだまだ未熟な身でござるが よろしくお願いするでござるよ」

侍「未熟 未熟だからあのお方にも……」ジワァ

僧侶「おい馬鹿 お前切腹禁止な」

侍「それは無理でござるよ」ジャキ

神官「ほら 親から貰った体は1つなんだから大切にしないと駄目ですよ」

勇者「そうだよ 俺たちは別に迷惑してないからさ」

侍「うむ ありがとうでござるよ」グスッ

村長(案外面白いPTになるかもしれんの)

180: 2012/02/11(土) 20:43:58.28 ID:Bx1XtSJW0

村長「それと侍 お主は鬼族の魔族だとバレないように」

勇者「侍ちゃんって魔族だったの? 全然そうは見えないけど」

侍「髪の毛で角が隠れているので」

勇者「ホントだ ゴツゴツしてる」サワサワ

侍「ひゃっ!?」ビクッ

勇者「ごめん 嫌だった?」

侍「」ジャキ

勇者「黙って切腹しようとするの止めて!!」バッ


村長「のぅ あれは天然でやっておるのか?」

僧侶「計算で出来るほど頭良くねーだろ」

神官「アハハ」

185: 2012/02/11(土) 20:55:35.34 ID:Bx1XtSJW0

勇者「じゃあ次は武の国に行こうか」

侍「武の国とは なんとも心が躍る名でござるな」

神官「また面白いものがあるといいですね」

僧侶「アタシは気が進まないけどな」

村長(あの者たちを見ておると この街がまだ村であった頃を思い出すの)

侍「それでは村長殿 小生は皆と共に旅に行って来るでござる」

村長「そうか 魔界であの子らに出会ったらよろしくの」

侍「御意」

バタン

村長「勇者か……あの者が関わることでどう変わるかの」

村長「のぅ 錬金術師よ」

186: 2012/02/11(土) 20:59:51.17 ID:Bx1XtSJW0

天使「久しぶりですね勇者!!」クルクル

勇者「そういえば久しぶりに見たね」

天使「私は天使ゆえ 地下には潜れないんです」

勇者「本当に面倒な設定だよね」

天使「そういうわけで久しぶりにポイント清算!!」

勇者「実は忘れてたでしょ」

天使「今回も私が独断でポイント配分を行いました!!」


口から解毒薬を出す

口から冷気を出す

口から岩を出す

オオカミを仲間にする

勇者「安定の口率」

天使「です

191: 2012/02/11(土) 21:07:05.66 ID:Bx1XtSJW0

のヮの

勇者「久しぶりののヮのですよ僧侶さん!!」

僧侶「あれは人喰いのヮのだ!!」

勇者「よし! 相変わらず違いがわからないぞ!!」

侍「それでは拙者にお任せを!!」ジャキ

侍「吸血流抜刀術 三段花!!」バチバチ

のヮのをたおした

神官「凄いです! 剣が三本ぐらいに別れました!!」

侍「あれぐらい普通でござるよ」テレテレ

僧侶「サンダガ?」

勇者「それは言わない約束です」

192: 2012/02/11(土) 21:11:58.58 ID:Bx1XtSJW0

武の国

勇者「ようやく着いたけど……」

神官「魔界との門を管理するだけあって 門も城も大きいですね」

侍「拙者も楽しみでござるよ ここには強者が沢山いる」

僧侶「」

勇者「どうかしたの僧侶さん」

僧侶「今だから言うけどさ ここアタシの故郷なんだ」

神官「そうだったんですか」

勇者「でもなにか落ち着かないよね 家出でもしたの?」

僧侶「それが……」

衛兵「姫! 僧侶姫ではありませんか!!」

僧侶「げっ!?」

196: 2012/02/11(土) 21:16:45.77 ID:Bx1XtSJW0

勇者「要約すると僧侶さんはこの国の姫で」

神官「許婚と結婚するのが嫌で家出したんですか」

侍「それで今 王宮にいるのにも納得でござるな」

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「ワンワン」

僧侶「黙ってて悪かったな」ケッ

勇者「でも僧侶さんが姫か……」

勇者「全然柄じゃないねー」

神官「どちらかというと狂戦士の類では?」

侍「まあ人は見掛けによらぬと言うが……予想外でござるな」

武王「それを父の私の前で言うか」

勇者「はい調子に乗りました」

198: 2012/02/11(土) 21:21:31.76 ID:Bx1XtSJW0

武王「婚約が嫌ならなぜ言わなかった」

僧侶「言ってどうにかなる問題かよ」

勇者「あの 話に割り込むようで悪いんですけど 武王様は婚約を強制しているわけでは……」

武王「別にない したくないのならしなければいいのだからな」

勇者「だったら僧侶さんはなにが不満なの?」

僧侶「許婚との婚約解消には新しい許婚が必要なんだよ」

武王「しかも前の許婚と決闘で勝たなくてはならん」

勇者「それはそれは」

侍「武の国らしい決まりでござるな」

僧侶「とにかく! アタシはこいつらと魔界に行くって決めたんだ!!」

武王「ならん 今の隣国の王子が直ぐに結婚を決めたいと言っている」

武王「王子を倒し新しい許婚を立てるまで出て行くことは許さん」

僧侶「だったらこいつがアタシの婚約者な!!」ギュッ

勇者「えっ!? なにそれこわい」

201: 2012/02/11(土) 21:28:31.49 ID:Bx1XtSJW0

武王「ふむ それならそれでいいだろう」

勇者「いいの!? そんなに軽くていいの!?」

武王「丁度王子も着ているしな 明日決闘だ」

王子「姫が着ているのか? それは嬉しいなあ」ヌッ

神官「ひぃっ!?」ガクガクガク

勇者「ぼ ボストロールだよ!!」

僧侶「違う アタシの許婚だ」

勇者「誰か鏡の塔から鏡取って来て!!」

侍「洞窟の中にあるのではないのか?」

僧侶「冷静にツッコミを入れるな!!」

勇者「ガンガンいこうぜ!!」キリッ

僧侶「お前は冷静になれ」ゴンッ

勇者「無理無理無理!! あんなボスクラス勝てないよ!!」

207: 2012/02/11(土) 21:49:14.13 ID:Bx1XtSJW0

王子「ブヒヒ お前をグチャグチャにして姫を僕の物にするんだ」

僧侶「」

王子「つまりお前の命は明日までってことだよ」ブヒヒヒヒーン

勇者「仲間魔物は使ってもいいですか?」

武王「ならん あくまで一対一だ」

勇者「はい」

武王「それでは明日の正午に中庭に集合しろ 解散!!」


勇者「ボストロール」ブツブツ

神官「さっきからずっとあの調子ですね」

侍「仕方ないでござるよ敵は悪鬼妖魔の類!!」

僧侶「あのさ 嫌なら止めてもいいぞ アタシが我慢すればいいんだからさ」

勇者「」

209: 2012/02/11(土) 21:59:33.31 ID:Bx1XtSJW0

勇者「……戦うよ 死ぬかもしれないけど」

僧侶「いや割とマジで死ぬから考え直した方がいいぞ」

勇者「自分のことは自分で決めろ でしょ?」

勇者「俺は戦うよ 僧侶さんに抜けて貰いたくないし」

僧侶「……」


翌日

王子「良くぞ逃げずに来たな」グフフフフ7

勇者「そりゃどうも」

王子「この試合はデスマッチ どちらかが死ぬまで終わらんぞ」

勇者「お生憎様 こちらも死ぬつもりはないから」

242: 2012/02/11(土) 23:44:25.06 ID:Bx1XtSJW0


武王「それでははじめ!!」

勇者「口から火を吐く能力!!」ブォオオオオオ

王子「なにかしたか?」ブヒヒヒヒ

勇者「じゃあ次は口から冷気を吐き出す能力」コォオオオオオ

王子「ふぅ……涼しい涼しい」

勇者「明らかに出力不足です」

王子「じゃあこちらからいくぞ」ブォン

ぼすとろーるのこうげき つうこんのいちげき!! ゆうしゃに150のダメージ

勇者「がはぁっ!?」

僧侶「勇者!?」

246: 2012/02/11(土) 23:57:59.67 ID:Bx1XtSJW0

勇者「マジ痛い シャレにならない……」

僧侶「そう思うならとっとと降参しろ! これ以上は死ぬぞ!!」

勇者「それは嫌かなあ だってそうでしょ」

勇者「俺が僧侶さんの立場でもあれと結婚は嫌だ」

王子「そうだ 僕はこいつをぐちゃぐちゃにするつもりだし」ブンッ

勇者「確かに自分で持ち込める道具は限られてるけど……」

勇者「口と道具袋を繋げる能力!!」プシュー

王子「なんだこれ この臭い……油?」

勇者「知ってた? 油って良く燃えるんだよ」ブォオオオオオ

王子「ぎゃあああああああ!?」

武王「これまで!! この勝負勇者の勝ちとする!!」

神官「勇者様凄いです!!」

侍「あそこから勝ちを掴むとは 流石勇者殿」

僧侶「……」

253: 2012/02/12(日) 00:14:06.07 ID:3jYynL800

王子「まだ……まだ僕は負けてないぞ!!」ブヒヒヒ

武王「だがあなたは……」

ボス「こうすれば問題ないだろう」ゲッヘヘ

おうじのしょうたいはぼすとろーるだった!!

勇者「マジで魔族だった!?」

僧侶「なるほど これで公明正大にこいつをぶっ飛ばせるってこった」

神官「あそこまで堂々とした外見だとわからないものですね」

侍「灯台もと暗しという所でござるな」

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「ウォオオオオオン!!」

僧侶「まあお前は休んでろ……ってかいつも大して戦闘では役に立ってないか」

勇者「酷いよ……事実だけど」

僧侶「よし! 全員行くぞ!!」

255: 2012/02/12(日) 00:21:41.05 ID:3jYynL800

侍「では拙者から……三段花!!」ジャキン

さむらいのサンダガ ぼすとろーるに80のダメージ

神官「少し出遅れましたけど 防御力低下呪文!!」

ぼすとろーるのしゅびりょくが100下がった

オオカミ「ウォオオオオオオン!!」

おおかみの2回こうげき ぼすとろーるに100のダメージ

スラ「」プヨーーー!!

すらいむのこうげき ボストロールに80のダメージ

勇者「よし! もう一度火ダルマだ!!」ゴォオオオオ

ゆうしゃのこうげき ぼすとろーるに30のダメージ

ボス「なんだこいつらは!? 変だが強いぞ!!」

僧侶「あぁ アタシらは強い そんでもってお前は弱い」

僧侶「アタシたちが魔界に行くための足場ぐらいにはなれよ」ニヤリ

ボス「ひぃっ!?」

そうりょのかいしんのいちげき!! ぼすとろーるに200のダメージ

260: 2012/02/12(日) 00:37:21.48 ID:3jYynL800

武王「正直魔界へ行きたいと言った時は 私に対する当て付けかと思ったが」

武王「良い仲間をもったな」

僧侶「そうか? 割と変人ばかりだぞ」

武王「勇者殿とそのPTの皆さん 娘をよろしく頼みます」

勇者「任せてください ってか俺たちもよろしくされます」

神官「僧侶様は素晴らしいお方なので」

侍「良い話でござるな」ウンウン


勇者「結局 魔界からの密告者って王子だったんだよね」

僧侶「あまりに王子と似すぎて入れ替わりに気付かなかったって」

神官「……あまりにも馬鹿馬鹿しい話ですね」ハァ

侍「それでは……」

勇者「魔界に行こう!!」

魔界編開始

262: 2012/02/12(日) 00:44:06.67 ID:3jYynL800

門番「魔界には我々人間の補給地点が幾つかあります」

門番「そこ以外での食料や備品の補充は現地調達になるのでお気をつけください」

勇者「G級クエストってところだね」

僧侶「意味が分からん」

門番「それと魔界の中は魔物の強さもこちらとは比較になりませんので」

勇者「わかりました それでは行って来ます」

バタン

神官「魔界は現在 魔王を中心に四つの勢力に別れているらしいです」

神官「一つ目が私たちも出会ったことがある吸血鬼たちが所属する淫魔族」

僧侶「奴らか」

神官「二つ目がボストロールなどがいる鬼族」

侍「ふむふむ」

神官「三つ目が最大の規模を誇る妖魔族」

神官「そして最後の1つが最強の種族と目される竜族らしいです」

勇者「ふ~ん」

263: 2012/02/12(日) 00:51:41.56 ID:3jYynL800

勇者「俺たちは俺たちのペースで気長にやればいいでしょ」

のヮの

勇者「僧侶さん僧侶さん! 魔界に着てから始めてののヮのですよ!!」

僧侶「あれはドラゴンのヮのだ!!」

勇者「相変わらず違いが……わかる!? だってあれ明らかに大きいもん!!」

侍「強敵でござるな!!」チャキ

神官「私頑張ります!!」


僧侶「サイズが大きくてもいつもののヮのだったな」

勇者「強くもなく弱くもなく 魔界入門みたいな感じだった」

神官「そうですね」

???「……なるほど」

266: 2012/02/12(日) 01:00:34.84 ID:3jYynL800

侍「何奴!?」

???「流石 余の気配に気付くものもおるか」

勇者「魔族……ッ!?」

僧侶「でも……」

神官(明らかに今までの魔族とは桁が違う……)

竜主「余は竜主 四大貴族の一角 竜族の長だ」ゴゴゴゴゴ

勇者(大ボスが出てきたけど……)

僧侶(小さい)

竜主「お主ら今失礼なことを考えなかったか?」

神官「そ そんなことナイデスヨー」

侍「そうでござるよ!! 小さいだとか可愛いだとかそんなことは一切」

竜主「そうか……そんなに死にたいのか」ゴゴゴゴゴ

勇者「馬鹿! 怒らしてどうするの!?」

侍「拙者一生の不覚! これはもう切腹するしか……」

僧侶「構えろ! 来るぞ!!」

268: 2012/02/12(日) 01:06:45.20 ID:3jYynL800

竜主「余の攻撃だな」ゴォオオオオオ

りゅうしゅはしゃくねつのほのおをはきだした ぜんいんにへいきん200のダメージ

勇者「強いよ……」ゲホッ

僧侶「誰かの火とは大違いだな」

神官「もう一度でも食らったら…園」

侍「ならば先手必勝!!」ジャキッ

さむらいのサンダガ りゅうしゅに5のダメージ

神官「では! 風系中級呪文」

しんかんのじゅもん りゅうしゅに10のダメージ

僧侶「いくぞ! ベホイミ!!」

そうりょのベホイミ りゅうしゅに5のダメージ

竜主「弱いな だが……ふむ」

271: 2012/02/12(日) 01:13:30.57 ID:3jYynL800

竜主「そなたらに折り入って頼みがある」

僧侶「頼みだぁ!?」

竜主「今魔界は未曾有の脅威にさらされている」

竜主「既に鬼族と妖魔族は奴の手に落ちてしまった」ギリッ

竜主「このままでは魔王様が奴の手に落ちるのも時間の問題……」

勇者「その奴って……」

竜主「淫魔族の王 淫魔王と呼ばれる女だ」

竜主「奴の魅了の魔術は相手を誘惑して自分の下僕にする術」

神官「確か大神官様を襲った吸血鬼も……」

竜主「奴は魔界のみならず将来的には人間界にまで勢力を広げるつもりでいる」

僧侶「だからアタシたちにも手伝えって?」

竜主「そうだ 既に何組かの勇者には協力の約束を取り次いでいる」

273: 2012/02/12(日) 01:22:51.12 ID:3jYynL800

竜主「頼む!!」ペコリ

僧侶「アタシたちが協力してなにか得はあるのかよ」

竜主「余らは淫魔王さえ倒されれば降伏するつもりでいる」

勇者「それが本当なら魅力的だけど……」

竜主「今は信じてくれとしかいえない……」

勇者「まあ取り合えず信じる方向で」

僧侶「なっ!? お前正気か!!」

勇者「だって必死みたいだし」

僧侶「お前らも黙ってないで止めろ!!」

神官「私たちは勇者様の決めたことなら正しいと思ってますから」

侍「そうでござるな」

僧侶「……チッ」

竜主「ありがとう 特に魔物使いであるそなたが手伝ってくれるのなら百人力だ!!」ギュッ

勇者「そうかな?」

275: 2012/02/12(日) 01:27:25.32 ID:3jYynL800

竜主「淫魔王の魅了の力は強力だが 魔物使いは魔族のステータス異常を起こす術に対する抵抗がある」

竜主「あなたならばもしや……」

勇者「そんなに言われると照れ――痛い!?」

僧侶「鼻の下を伸ばしてデレデレしてんじゃねーよ」チッ

勇者「デレデレなんてしてないよ!!」ヒリヒリ

僧侶「いいや! してたね!!」

竜主「とにかく 作戦決行の時はこいつに知らせる」

ドラ「ギャース」

勇者「小さい竜?」

竜主「ベビードラゴンだ それでは頼んだぞ」バサバサ

神官「飛んでいっちゃいましたね」

勇者「取り合えずお前もよろしくな」ナデナデ

ドラ「ギャース」バサバサ

277: 2012/02/12(日) 01:42:00.48 ID:3jYynL800

勇者「取り合えず竜主さんの話は隅に置いておいて」

僧侶「アタシたちはこれから 竜主ともマトモに戦えるように強くならないといけないんだよな」

神官「まだまだ先は長いですね」

侍「そうでござるな」


人間軍キャンプ

司令「いやはや 良くぞウチのキャンプを見つけましたな」

勇者「割と目立つ位置にあったので でも大丈夫なんですか?」

司令「ここは魔族には入れない見れない結界で囲ってありますから」

神官「なるほど 便利なんですね」

司令「一応最前線ですからね 他にも物資の補給やクエストを受けることが出来ます」

僧侶「クエスト?」

司令「色々な任務ですね 主に複数のPTで挑んでもらうことになります」

幼「」ジーッ

勇者「わっ!? 幼ちゃんじゃん!! 元気にしてた!?」

281: 2012/02/12(日) 01:48:25.16 ID:3jYynL800

幼「取りあえずは」

勇者「わーい」キュッキュッ

幼「勇者も無事でなにより」

神官「誰ですか?」

僧侶「勇者の幼馴染らしい」

侍「どちらかというと兄弟みたいな感じでござるな」


勇者「ツインテールも作ったところで……」

戦士「また下賎な連中が増えているな勇者!!」

僧侶「下賎なのはこいつらだ アタシを入れるな」

賢者「下賎な者に下賎といって何が悪いんですか」

武道家「そうだそうだ!!」

勇者「あっちの人たちも増えてるし」

幼「面倒」

285: 2012/02/12(日) 01:54:46.49 ID:3jYynL800

幼「もし良かったら これから一緒にクエスト」

勇者「クエスト一緒に行きたいの?」

幼「」コクリ

戦士「駄目ですぞ 昨日今日入った連中と一緒に行くなど……」

幼「私が守るから大丈夫」

僧侶「そりゃ楽できていいな」アハハ

戦士「それなら……キサマら! くれぐれも足を引っ張るなよ!!」


司令「今回のクエストだが 最近活発に活動している吸血鬼がいる砦の1つを壊してもらう」

司令「過酷な任務になると思うが 諸君らの健闘を祈る!!」

勇者「砦攻めにPTが俺たちと幼の所だけって」

戦士「本当は我々だけで十分なのだ」

僧侶「それにしてもだ 吸血鬼が最近活発に活動しているなら」ボソボソ

神官「竜主さんの話もあながち嘘ではないかもしれませんね」ボソボソ

287: 2012/02/12(日) 02:03:54.19 ID:3jYynL800

天使「はい! いきなりのポイント清算タイムです!!」

勇者「本当にいきなりだね」

天使「このまま行くと勇者は戻ってこられないかもしれないので」

勇者「縁起でもないこと言わないで」

天使「まあ幼ちゃんがいるなら大丈夫でしょ多分」


口から毒を出す特技

口からやけつく息を出す特技

ベビードラゴンを仲間に

最寄のベースキャンプに帰れる特技

勇者「あれ? 最後だけ凄いマトモ」

天使「ただし一日一回しか使えないんですよ」

325: 2012/02/12(日) 08:54:50.91 ID:3jYynL800

保守あり

勇者「砦についたはいいけど」

戦士「吸血鬼が30程にボストロールが二体か」

僧侶「この人数で倒せる数じゃねーだろ どーすんだよ」

幼「いつも通り……」

賢者「幼様が必殺魔法の詠唱をするから それまで我々で足止めだ」

幼「」ブツブツブツ

神官「凄い魔力を感じます……」

武道家「敵に気付かれた 行くぞ!!」ダッ


賢者「全体防御上昇呪文!!」カッ

僧侶「行くぞ! ベホイミ!!」ドスッ

328: 2012/02/12(日) 09:01:16.09 ID:3jYynL800

戦士「私と武道家がボストロールを抑えるから後は頼む!!」

賢者「了解しました!! ここは私を倒さないと通れないと思ってください 結界呪文!!」カッ

神官「私も微力ながらお手伝いします! 全体攻撃力上昇呪文!!」カッ

侍「いつもこのような戦いを続けているのでござるか!?」ガッ

武道家「当たり前だ いつもは我らだけでやるからこれよりもキツイぞ!!」

勇者「いやでも凄いよ 詠唱が終わるまでこうやって足止めでしょ」

賢者「あのお方なら一撃で終わらせる それを信じているから出来るんです」

戦士「お陰で私たちの実力もかなり上がるしな」

幼「完成 みんな離れて……」

勇者「おk!!」

全体滅殺呪文!!

331: 2012/02/12(日) 09:07:49.55 ID:3jYynL800

僧侶「一撃で砦ごと粉砕か 凄いな」

幼「私 天地雷鳴士だから」

勇者「俺なんかとは大違いだね」

幼「そんなことない 勇者には勇者のいい所がある」

幼「そうでもなければ魔界までは来られない」

神官「そうですよ 勇者様がいたからこそ 私たちはここにいるんですから」

勇者「ありがとうみんな……」

勇者「そうだ! キャンプまで戻れる特技を覚えたからみんなで戻ろう!!」

戦士「なに!? 移動呪文は伝説の呪文だぞ」

幼「使えるなら素直に驚き」

勇者「じゃあ行くよ ベースキャンプに戻る特技!!」ビューン

335: 2012/02/12(日) 09:12:42.62 ID:3jYynL800

勇者「天使さん天使さん!! 1つ聞いていい?」

天使「どうしたんですかいきなり」

勇者「キャンプに戻る特技を使ったら俺1人だけ戻って来ちゃったんだけど」

天使「当たり前ですよ それ単体1人対象の呪文なんですから」

勇者「意味ないよ!! みんなで戻りたかったんだけど!!」

天使「呪うなら自分の未熟さを呪ってください」


僧侶「てめえ勇者!! よくも置いていってくれたな!!」

勇者「ひぃっ!?」ガクガクガク

神官「落ち着いてください僧侶様!」

侍「そうでござる! これ以上は勇者殿が死んでしまうでござるよ!!」

戦士「凄いのか凄くないのかわからんPTだな」

幼「らしいといえばらしいPT」クスッ

338: 2012/02/12(日) 09:25:30.95 ID:3jYynL800

司令「勇者くん1ついいかね」

勇者「どうしたんですか司令さん」

司令「君の連れているモンスターが少しね」

勇者「ああ プヨりたいんですか どうぞ」サッ

スラ「」プヨプヨ

司令「いやそうではなくてね……」

勇者「なるほど モフりたいと どうぞ」サッ

オオカミ「ワン!!」モフモフ

司令「いやそうではなく……」

勇者「なるほどなるほど バサしたいと」サッ

ドラ「ギャー」バサバサ

司令「いやもういいよ」ハァ

僧侶「なんだかんだであいつ強いよな」

神官「そうですね」

340: 2012/02/12(日) 09:37:52.01 ID:3jYynL800

司令「勇者くん 改めて頼みたいことがあるのだがいいかね?」

勇者「どうしたんですか?」

司令「ここに来たPTには初めに大体やってもらっているクエストなんだが」

司令「ある人を探してきて欲しいんだ」

勇者「ある人って?」

司令「恐らく魔王に最も近いお方で既に1年近くここに帰ってきていない」

勇者「それって死んでるんじゃ……」

司令「あの人が死ぬなんてまずありえない だから探してきて欲しいんだ」

司令「とはいえ 3日ほど探して見つからなかったら帰ってきてもいいんだけどね」

勇者「はいわかりました ところで特徴的なものはなにかあるんですか?」

司令「一目見ればわかるよ」

347: 2012/02/12(日) 10:02:49.72 ID:3jYynL800

勇者「そういうクエストを受けてきました」

僧侶「見ればわかる奴を探して来いね 3日適当に探せばいいだろ」

神官「でも実力だけなら一番魔王に近いんですよね」

侍「……」

勇者「侍ちゃんどうかした? さっきから黙ってるけど」

侍「それは恐らく拙者の知り合いでござるよ」

勇者「そうなの!? ってかもしかして辺境街から出た勇者?」

侍「そうでござるよ」

神官「それなら侍さんの匂いをオオカミちゃんに嗅がせれば楽なんじゃないですか」

オオカミ「ワンッ」

侍「出来れば会うのは止めておいた方がいいと思うのでござるが」

勇者「どうして」

侍「色々と常軌を逸している二人なので」

349: 2012/02/12(日) 10:15:27.28 ID:3jYynL800

鬼「なんだ奴は!? 鬼頭領様の懐刀である俺が!?」

???「四大貴族全員アタシがぶっ潰してやろうと思ったのに 鬼と妖魔の二人がいなくなったから」

???「ついでにぶっ壊してやろうと思ったのによ」ズンズン

鬼「止めろ! 俺を殺したら残りの鬼族の連中が……」

???「お嬢様 鬼族を滅ぼして来ました」ザッ

???「ご苦労 メイド」

メイド「いえいえ」

鬼「鬼族を滅ぼしたって……そこの女はともかく お前は魔族じゃないのかよ!!」

メイド「えぇ 私は魔族ですよ それがどうかしましたか?」

???「それを言われりゃ アタシだって人間と魔族の血が混ざったハーフだよ」ギャハハハハ

???「まあアタシの目的は魔王で アンタらは偶々アタシの目の前にいた可哀想な羊だけどな」

鬼「なんだお前は!?」

総統「総統だよ馬鹿野郎!!」ブォン

354: 2012/02/12(日) 10:27:20.91 ID:3jYynL800
侍「あの街で人間と魔族の血が長年に混ざって生まれた異常種らしいでござる」

侍「どこまでも一直線にしか進まないお方で 恐らく魔王城まで一直線に向かっていると思うでござるよ」

勇者「もし出会っちゃったら?」

侍「邪魔した瞬間に 恐らく襲われるでござるよ なによりも自分の邪魔をされるのが嫌いなので」

勇者「じゃあこの3日は適当にレベル上げの方向で!!」

僧侶「まあいいだろ」

神官「1年かけて魔界の奥に向かったとしたら 3日では追いつけないでしょうしね」


勇者「探索を始めたはいいけど 早速怪しい洞窟を発見した」

僧侶「怪しすぎて逆に入れないんだが」

オオカミ「ワンワン!!」グルグル

神官「オオカミちゃんが警戒してますけど」

勇者「前に幼ちゃんたちと戦ったときに思ったんだけどさ」

勇者「俺たちってまだまだ全然弱いじゃん」

僧侶「いや みんなお前ほど弱くないけどな」

勇者「」

355: 2012/02/12(日) 10:33:19.67 ID:3jYynL800

勇者「とにかく 少しぐらいの危険を経て強さを求めるのもありなんじゃないかって」

侍「確かに 戦士殿たちは詠唱補助のために大勢の敵と毎回戦っているでござるからな」

僧侶「まあいいんじゃないか 割と毎回ギリギリの戦いをしてるんだからよ」

神官「私たちは勇者さんについていきますよ」

勇者「ありがとう じゃあ行こうか」ダッ


のヮの

勇者「のヮのがいたよ 僧侶さん僧侶さん!!」

僧侶「アタシもあのタイプののヮのは知らないな」

侍「どうやら後ろにある宝を守っているようでござるな」

神官「怪しさ全開ですね」

勇者「でも所詮はのヮの! みんな行くよ!!」

のヮのマジンガがあらわれた!!

358: 2012/02/12(日) 10:43:29.54 ID:3jYynL800

のヮのマジンガの二回こうげき ゆうしゃに200のダメージ!!

勇者「痛い!? ってか普通に強いよ!!」

侍「勇者殿!! 三段花!!」

さむらいのこうげき のヮのマジンガに50のダメージ

神官「まずは勇者様の回復をしないと!! 中級回復呪文!!」パァア

ゆうしゃは100ポイントたいりょくがかいふくした

神官「中級の回復呪文で回復しないなんて……

僧侶「食らえ! ザメハ!!」ズドン!!

そうりょのこうげき のヮのマジンガに40のダメージ

スラ「」プヨーーー!!

オオカミ「アオーンッ」

ドラ「ギャースッ」

三体同時攻撃 のヮのマジンガに50のダメージ

勇者「ヤバイ 全然ダメージを与えている気がしない!!」

361: 2012/02/12(日) 10:50:34.67 ID:3jYynL800

のヮのミ

のヮのマジンガがもう一体あらわれた

勇者「しかも増えた!? みんな取り合えず撤退!!」

僧侶「わかってるよ!!」ダッ


ミのヮの彡

神官「距離が離れると追撃して来ないみたいですね」

僧侶「今のアタシたちのレベルじゃ到底勝てないってことだな」

侍「悔しいでござるが」

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「ワォーン」

ドラ「ギャー」バサバサ

勇者「じゃあ取り合えずあののヮのに勝つのを目標に頑張ってみようか」

363: 2012/02/12(日) 10:58:09.73 ID:3jYynL800

僧侶「アタシは槍術の特訓だな」

侍「それならば拙者と一緒にやるでござるよ」

僧侶「相手がいた方がやりやすいか いいぜ」

勇者「じゃあ神官ちゃんは俺と……」

神官「私は心当たりがあるので……」デハ

勇者「」


勇者「じゃあ俺たちは俺たちで修行を開始しようか」

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「アオーン」モフモフ

ドラ「ギャース」バサバサ

368: 2012/02/12(日) 11:12:36.04 ID:3jYynL800

僧侶「ハッ! ヤァッ!!」ズンズン

侍「ふむ 僧侶殿は基礎能力は独学にしてはかなり高いでござるよ」

僧侶「そりゃどうも」

侍「しかしこの先 特技も呪文もない状態で進むのは難しいでござるよ」

僧侶「ベホイミやザメハが使えるが?」ハテ

侍「あれは気合を入れた普通の攻撃ではござらんか」

僧侶「呪文はぶっちゃけアタシには適正がないし 特技もなあ」

侍「それでは拙者が使っている吸血流抜刀術を覚えてみるでござる?」

僧侶「お前がいつもやってんのか でもあれは剣でしか出来ないんじゃないのか」

侍「その気になれば槍でも出来るでござるよ 多分」

僧侶「おい」

侍「なんせ一太刀で無数の斬激を発生させる特技でござるから」

侍「三段花は三つ その上に四つ五つとあるでござるよ」

僧侶「まあいいか 取り合えずコツ教えろや」

侍「人に物を頼む態度ではござらんな」

373: 2012/02/12(日) 11:20:18.49 ID:3jYynL800

神官「お願いします!!」ペコリッ

賢者「神官は回復と補助を主とする職 私に聞きにきたのは正解ですね」

神官「賢者さんは様々な呪文に精通しているんですよね」

賢者「魔法使いと僧侶を極めたものですので」

神官「私に教えをください!!」

賢者「別に断る理由もないですしいいですよ」

神官「ありがとうございます!!」パァア


幼「勇者たちも頑張ってる」

武道家「特訓とか燃えるよな?」

戦士「それはお主だけではないのか」ハァ

378: 2012/02/12(日) 11:32:55.21 ID:3jYynL800

僧侶「集合時間とかは特に決めなかったが」

侍「拙者たちもそれなりに充実した時間を過ごせたでござるからな」

神官「みなさーん!!」フリフリ

侍「神官殿もそれなりに厳しい特訓をしたのでござるか?」

神官「はい 1ヵ月賢者様の所で修行しながら幼さんのサポートを」エヘヘ

神官「お二人も?」

僧侶「まあな」

侍「中々僧侶殿が特訓を止めてくれなくて困ったでござるが」

僧侶「おい」

勇者「みんなもう集まってるね」

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「」モフモフ

ドラ「」バサバサ

神官「勇者さんもずっと特訓を?」

勇者「うん これなら負ける気はしない」キリッ

381: 2012/02/12(日) 11:43:40.27 ID:3jYynL800

のヮの

勇者「よし! のヮのが出たぞ!!」

侍「まずは拙者でござるね!! 四化粧!!」ズバッ

さむらいのこうげき のヮのマジンガに150のダメージ

僧侶「見せてやるぜ僧侶流槍殺法!!」

勇者「なにそれ?」

侍「吸血流抜刀術を自分なりに改良したのでござるよ」

僧侶「四四累々!!」

そうりょのこうげき のヮのマジンガに130のダメージ

のヮのマジンガのこうげき 勇者に200のダメージ

勇者「だからなんで標的が俺ばかりなの!?」

神官「任せてください! 上級回復呪文!!」

ゆうしゃのたいりょくが300かいふくした

勇者「よし! 次は俺だな!!」

389: 2012/02/12(日) 11:48:39.21 ID:3jYynL800

一ヶ月前

勇者「天使 俺ってこれ以上ステ振りしてもあんまり強くならないよね」

天使「まあそうですね 魔物使いは元から自分で戦うタイプでもないですし」

勇者「だったら今のポイントで覚えられる特技でなにかないの?」

天使「即戦力になりそうな能力は……ないこともないですね」

勇者「あるの?」

天使「でもかなり修練を重ねないとマトモに使えるようにはなりませんよ」

勇者「それでいいよ!!」


勇者「そしてその特訓の結果 進化した俺の能力!!」カッ

勇者「口から回復薬を吐きながら踊りを踊って……」

勇者「オーレ!!」ダンッ

僧侶「オーレじゃなくて真面目にやれ!!」ゴンッ

418: 2012/02/12(日) 13:07:56.39 ID:3jYynL800

保守あり

勇者「真面目にやってるよ! 今のは全体回復を行いながら三匹の攻撃力を上げる効果が……」

僧侶「お前がやると途端に戦いの空気じゃなくなるんだよ!!」

勇者「酷いよ 理不尽だ!!」ジタバタ

スラ「」プヨーーー

オオカミ「」モフモフ

ドラ「」バサバサ

三体どうじこうげき のヮのマジンガに300のダメージ のヮのマジンガをたおした


勇者「倒したよ!!」

僧侶「まあいいか 宝箱物色するぞー」

侍「こういう場所であるからな なにか強力なアイテムが眠っている可能性があるでござる」

ガチャ

神官「……槍ですか?」

僧侶「まあいっか アタシが貰っておくよ」

422: 2012/02/12(日) 13:14:32.01 ID:3jYynL800

ところ代わって魔王城

側近「竜主様 お久しぶりです」

竜主「魔王様は?」

側近「こちらです……」

ギィィィ

魔王「竜主!!」ダキッ

竜主「魔王様 最近はどうですか?」

魔王「最近はみんな遊んでくれなくてひまー」プクー

竜主「それは申し訳ありません 私どもも忙しいので」

魔王「それなら仕方ないけど……」

竜主「珍しいおみやげを持ってきていますので 側近に渡しておきます」

魔王「ありがとな竜主!!」パァ

427: 2012/02/12(日) 13:33:39.79 ID:3jYynL800

バタン

竜主「まさか今代の魔王が成長しない内に内乱とは」

側近「才能はあると思うんですけど 何分子供なので」

竜主「余は近日中に淫魔王に仕掛ける もし余が負けたら……」

側近「魔王様が悲しむので止めてください」

竜主「わかった覚えておく」バサバサ


ドラ「ギャース」クルクル

勇者「いつの間にかドラの首に手紙が括り付けてあった」

僧侶「遂に淫魔王に殴りこみかける準備が出来たんだろ」

神官「私たちも強くなったし大丈夫ですよね」

侍「それは行って見なければわからないでござるよ」

428: 2012/02/12(日) 13:39:38.84 ID:3jYynL800

ザワザワ

勇者「結構人がいるね」

僧侶「まあ魔界四大勢力の1つに殴りこみだからな」

幼「勇者」

勇者「幼ちゃんも呼ばれたの?」

幼「」コクリ

賢者「僧侶さん お久しぶりですね」

神官「お久しぶりです賢者様」

ワイワイ

勇者「ねえねえ 神官ちゃんって賢者さんのこと好きなのかな? 仲良いみたいだし」

僧侶「」

侍「」

幼「」

勇者「あれ? なんでそんな目で俺を見てるの?」

僧侶「いや 自業自得だが可哀想だなと思ってな」

430: 2012/02/12(日) 13:46:32.04 ID:3jYynL800

竜主「良くぞ集まってくれた人間諸君 淫魔王の屋敷に乗り込む前に簡単な作戦を説明する」

竜主「余たちは屋敷へ突入後 淫魔王の部屋まで勇者様を連れて行く」

戦士「どうしてあの男を? それならば我々の方が適任だ!!」

竜主「淫魔王の恐ろしい所は 四大貴族で一番弱いのにその魅了の力だけならどんな相手でも従わせられることだ」

竜主「だから少しでも抵抗がある人間を前線に送りたい」

侍「適当な人材を送り込んで同士討ち などとなっては笑い事にもならんでござるからな」

僧侶「じゃあその作戦でいいだろ」

幼「」コクリ

戦士「幼様がそういうなら……」

竜主「それでは行くぞ!!」

437: 2012/02/12(日) 13:59:48.15 ID:3jYynL800

勇者「他の人たちは屋敷前にいた吸血鬼たちの足止めになったね」

僧侶「残りはアタシたちと」

幼「私たち」

竜主「それに余か」

戦士「突入するぞ!!」バンッ

吸血鬼「ウェルカム 裏切り者と敵諸君!!」パチパチ

勇者「吸血鬼!?」

吸血鬼「屋敷の中は俺たち親衛隊が守らせてもらってる」

吸血鬼「幾ら四大貴族の長でも簡単には通さないぜ」ケラケラ

神官「大神官様の……仇!!」バッ

勇者「神官ちゃん!?」

竜主「勇者様! 勇者様とその仲間は先に行ってください」

勇者「でも!!」

竜主「ここは余たちがなんとかしますので……」

勇者「わかったよ」

443: 2012/02/12(日) 14:16:16.46 ID:3jYynL800

神官「タァッ!!」ガシッゲシッ

吸血鬼「神官の格好をしながら接近戦か」

神官「武道家さんにも戦い方を習いましたので」ハァッ

吸血鬼「だが所詮は付け焼刃 俺には勝てないぜ」ガッ

神官「キャッ!?」

吸血鬼「1人で俺に勝てるなんて考えたのが運のツキだったな」シュッ

僧侶「勝手に1人にしてんじゃねーよ!!」ザクッ

侍「そうでござるよ!!」

神官「僧侶様に侍さん! 先に行ったんじゃ……」

僧侶「勝手に1人で突っ走ってんじゃねーよ」デコピン

神官「いたっ!?」

僧侶「アタシたちは仲間なんだからもう少し頼れ」

神官「仲間……」

侍「まあ小生たちを寄越したのは勇者殿なのだが」

444: 2012/02/12(日) 14:22:23.83 ID:3jYynL800

勇者「あのさ 1つ提案があるんだけど」

僧侶「なんだよいきなり」

勇者「僧侶さんと侍ちゃんは神官ちゃんの手伝いに行ってくれないかな」

僧侶「おいおい お前一番弱いんだぞ」

勇者「わかってるけどさ 神官ちゃんは今1人でしょ 1人じゃ勝てないよきっと」

侍「それは勇者殿も同じでは」

勇者「俺はまだみんながいるからさ」

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「」モフモフ

ドラ「」バサバサ

勇者「俺たちでも時間稼ぎは出来るよ」ガクガク

僧侶「わかったよ 侍行こうぜ」

侍「勇者殿御武運を……」ダッ


神官「勇者様……」

446: 2012/02/12(日) 14:28:08.97 ID:3jYynL800

僧侶「そういうこった 三対一が卑怯なんていわないよな」

吸血鬼「当たり前だ! それでこそ心躍る!!」バッ

侍「四化粧!!」ジャキ

吸血鬼「遅い!!」ガンッ

僧侶「背後ががら空きだ! 四四累々!!」ズドン

吸血鬼「ぐふっ!? まだまだ!!」

神官「回し蹴り!!」ドゴッ

侍「四化粧!!」ジャキ

僧侶「四四累々!!」ズドン

吸血鬼「ガハッ!?」

神官「これで終わりです!! 上級浄化呪文!!」

吸血鬼「がぁあああああああああ!?」

きゅうけつきをたおした

451: 2012/02/12(日) 14:31:26.08 ID:3jYynL800

僧侶「なんだ 納得は出来たか」

神官「はい 皆さんありがとうございました」ハァハァ

侍「お礼なら勇者殿に言うでござるよ」

吸血鬼「かはは……げほっ!?」

僧侶「こいつ! まだ生きてるのか!?」

吸血鬼「おまえたちは……選択を……誤った……」

侍「どういう意味でござるか!?」

吸血鬼「淫魔王様は……俺でも勝てないお方……まして1人など……」ガクリ

僧侶「そうだ! 勇者の奴が危ない!!」

侍「急ぐでござるよ!!」

神官「はい!!」

454: 2012/02/12(日) 14:36:32.89 ID:3jYynL800
少し前

勇者「ここに淫魔王が……って明らかにいそうなオーラ漂ってるよね」

スラ「」プヨプヨ

勇者「どうしてみんなを行かせたかって? まあ格好つけたかっただけだよ」

勇者「それに……ここから竜主さんに会った時以上の圧力を感じる」

オオカミ「ワォン」モフモフ

勇者「そうだね みんながいてくれればなんとか……行くよ」ガチャ

淫魔王「良くぞここに来られたわね とまあ褒めてあげるわ人間」

勇者(俺には抵抗がある? この匂いだけで意識が持っていかれそうに)

淫魔王「私の魅了の力を浴びて意識を保っていられるなんて……そこの魔物たちも」

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「」モフモフ

ドラ「」バサバサ

勇者「あなたが……淫魔王?」

淫魔王「いかにも」

455: 2012/02/12(日) 14:41:50.91 ID:3jYynL800

淫魔王「でも残念だったわね 見学だけで終了」

淫魔王「私はそんなに強くないけど 戦わずして長になれたから」

勇者「ぐぁっ!?」ガッ

淫魔王「こんな風に一方的に嬲ることも出来るの」ペロリ

スラ「ピギー」プヨーーー!!

淫魔王「邪魔よスライム風情が」バシッ

スラ「ピギッ!?」プヨン

淫魔王「死になさい」バッ

淫魔王「……ねえ なんの真似?」

勇者「スラを傷つけさせるわけにはいかないよ」

淫魔王「全く理解不能 どうして庇うの それは魔物」

淫魔王「魔物使いにとって魔物は戦うための道具でしょ」

勇者「違うよ ここにいるみんなは俺の仲間だ」

458: 2012/02/12(日) 14:51:22.43 ID:3jYynL800

淫魔王「仲間 仲間ね……アタシね これでも四大貴族の中で一番長生きなの」

淫魔王「1000年前 人間と仲良くしていた頃から生きているわ」

勇者「1000歳を超えたババア?」

淫魔王「黙りなさい 確かに条約は一方的に魔族が破った 魔族が悪いと思うわよ」

淫魔王「その後 人間が人間界に残った魔族になにをしたか知ってる?」

勇者「……」

淫魔王「姿が人間に近いアタシたちにしてきた仕打ちは許されないわ」

淫魔王「今更どの面下げて仲良くしようなんていわれても アタシたちは到底容認しない」

勇者「あぁうん 気持ちがわからないでもないけどね」

勇者「でも俺はまた人間も魔族も手を取り合えるって思ってる」ザッ

淫魔王「アンタ 高々魔物を庇って死ぬ気?」

勇者「仲間を守って死ぬなら本望だよ それにもう直ぐ別の仲間が助けに来るって信じてるから」

淫魔王「じゃあ死になさい お気楽男」

465: 2012/02/12(日) 15:02:26.38 ID:3jYynL800

淫魔王「――――ッ!!」

勇者「―――」ボロボロ

スラ『マスターがなにを言っているかわからないけど』

オオカミ『あのお方はいつも我々を守ってくれた』

ドラ『誰よりも弱いのにそれを受け入れ種族が違う私たちを……』

スラ『弱いのを受け入れるのも強さ』

オオカミ『そして我々はあのお方を守れるぐらいに強くなりたい』

ドラ『あの人だけは絶対に死なせちゃいけないんだ』

力が欲しいか?


淫魔王「なんだい? 今度は主人を守るためにお前らが相手を?」

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「」モフモフ

ドラ「」バサバサ

ピカーーーーッ

473: 2012/02/12(日) 15:09:13.28 ID:3jYynL800

淫魔王「なんだこれは……ありえないあっちゃいけない……」ガクガク

スラLv2「ピギーーーッ」ブヨブヨ

オオカミLv2「ウォオオオオオオオオン!!」モフモフ

ドラLv2「グゥルオオオオオオオオオオオ」バサバサ

淫魔王「魔物共が全員成長しただと!?」

淫魔王(確かに魔物は成長するが いきなりこんなサイズになったりはしない)

スラLv2「」ブヨーン

すらいむの全体上級回復呪文 ぜんいんがかいふくした

淫魔王「上級回復呪文!? いやそれがなんだ! 所詮は魔物!! 魔族のアタシに!!」

ドラLv2「」コォォォォォォ

淫魔王「あれはマズイ!?」

どらごんはしゃくねつのいきをはきだした いんまおうに1000のダメージ

淫魔王「がはっ!? なんだあの力は……確実に魔物の域を超えている」

淫魔王「ここは逃げさせてもらう!!」バサバサ

オオカミLv2「ウォオオオオオン」ダッ

480: 2012/02/12(日) 15:16:22.98 ID:3jYynL800
淫魔王「速い!?」バッ

おおかみのにかいこうげき いんまおうに1500のダメージ いんまおうをたおした

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「」ペロペロ

ドラ「」バサバサ

勇者「」

天使「大丈夫ですよ まだこの人は死んでは駄目な人です 私が死なせません」パァ


僧侶「勇者 大丈夫か!?」ガチャ

勇者「あーうん」ポリポリ

侍「淫魔王はどこに行ったでござる!?」ジャキ

勇者「なんか起きたらいなかったんだけど 逃げたんじゃない?」

神官「……逃げた? まあ良かったです勇者さんが無事で」ホッ

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「ワン」モフモフ

ドラ「」バサバサ

484: 2012/02/12(日) 15:21:41.82 ID:3jYynL800

竜主「そうか 淫魔王はいなくなっていたか……」

勇者「これからどうするんですか?」

竜主「淫魔王には逃げられたとしても 奴の軍は壊滅状態」

竜主「しばらくは大丈夫だ 油断は出来んがな」

勇者「そっか じゃあ俺たちは帰ります」

僧侶「まあ今日ぐらいはパァッと盛り上がりたいな」

幼「賛成」

侍「宴の宴会芸には定評のある拙者でござるよ」

神官「切腹芸は止めてくださいね」

アハハハハハ

竜主「」


淫魔王「まだ生きてる なんだ最後の最後に情けをかけられたのか」ボロボロ

淫魔王「まあこの程度でアタシは考えを変えはしないけどね」

竜主「ようやく見つけたぞ」

485: 2012/02/12(日) 15:24:29.91 ID:3jYynL800

淫魔王「もう抵抗はしないから武器を降ろしなよ 魅了の力を使う体力もないからさ」ハァ

竜主「いやに達観してるな まるで憑き物が落ちたみたいだぞ」

淫魔王「……そうかもね 若いっていいなって少しだけ思ったのさ」

竜主「……」

淫魔王「これから魔王様の成長を見られないのも心残りではあるね」

淫魔王「そんで最後に1つだけ聞かせてくれよ」

竜主「なんだ?」

淫魔王「どうして鬼族と妖魔族の長を殺した!!」

竜主「」

491: 2012/02/12(日) 15:32:46.45 ID:3jYynL800

淫魔王「アンタが謀反を考えてたのにも薄々は気付いてたよ」

淫魔王「なんせ竜族は自分一番の種族だからね」

竜主「まあそうだな 昔から魔族の中でも余の竜族が一番だと思ってる」

竜主「あの二人を殺すのは簡単だった なんせ淫魔王が謀反を働いていると言ったら簡単に信じたからな」

淫魔王「確かに 一番古株のアタシを好んでなかったのは知ってるさ」

淫魔王「でもな!! 人間に裏切られたアタシが同族の魔族を裏切るわけないだろ!!」ギリッ

竜主「はいはい 都合の良いことにそなたが人間界を襲ってくれたお陰で」

竜主「阿呆な人間も簡単に動いてくれたしな」

淫魔王「くそったれ……」ギリギリ

竜主「これから余は魔王も殺しに行く 残念だったな淫魔王」

淫魔王(あの男 名前だけでも聞いておけばよかったな)

495: 2012/02/12(日) 15:37:35.48 ID:3jYynL800

魔王城

側近「魔王様! お逃げください!!」

魔王「嫌だ! 我も側近と一緒に戦う!!」

側近「なりません!!」

ドゴン!!

竜主「ここにいましたか魔王陛下」

魔王「竜主! これは一体どういうことだ!?」

竜主「謀反ですよ 我々竜族が最も強いと証明するための」

側近「あなたはそんなことのために!?」

竜主「そんなこと? それが余には何より重要なのだ」

側近「ですが! あなたたち竜族がそれでも他の種族が力を合わせれば!!」

竜主「知っているか? 遥か昔 初代魔王の時代 初代魔王の参謀として仕えた男の話」

竜主「彼は錬金術師として今の魔物を創り出したらしい そしてその術を本にして封印したとか」

498: 2012/02/12(日) 15:43:54.62 ID:3jYynL800

竜主「その原本がここにある 中身を解読するのは余でも難しかったが」

竜主「お陰で1つの術を復活させることに成功した」バッ

側近「ひぃっ!?」

魔王「化物……」ガクガクガク

竜主「魔配合 魔族同士を合体させることにより より強い魔族を生み出す外法」

竜主「妖魔のように術を操る術を持ち……」イタイヨー

竜主「鬼のように強い肉体を持ち」タスケテー

竜主「淫魔のような魅了と不死の肉体を持つ」アァー

竜主「四大貴族すべての肉体を宿したこの余こそが魔を統べる王に相応しい」

側近「狂ってます!!」

竜主「余が魔王になれば余が基準だ」フン

魔王「竜主 お前は余の友ではなかったのか」

竜主「そんなのはイヤイヤ言っていたに決まっているでしょう」

魔王「そうか……そんな理由で私の部下を殺したのか!!」

500: 2012/02/12(日) 15:48:26.12 ID:3jYynL800

竜主「魔王の力は代々 我々四大貴族の長に受け継がれてきた」

竜主「それが今代になって”母の間”から出てきた餓鬼が魔王?」

竜主「笑わせるでない!!」

魔王「……」

竜主「諦めて死んでください 魔王様」ギィ

魔王「あーっはははははは!! 私には仲間も友もいないのか!!」

竜主「いきなりどうしました?」

魔王「ならば私はもう思い残すことはない」

竜主「……?」

魔王「力で支配をしたいのなら 力で思い知らせてやろう」バギボキ

側近「魔王様の体が大きく……」

竜主「なんだその技は! 死ね!!」バッ

507: 2012/02/12(日) 15:58:56.93 ID:3jYynL800

キャンプ

司令「昨日 突如として西の方角に魔王城が現れた」

司令「今まで影も形も見えなかったものがいきなりだ」

勇者(これって淫魔王が逃げたからかな)ボソボソ

僧侶(可能性はあるな)ボソボソ

司令「だからこそ 明日総攻撃を仕掛ける!!」

司令「心残りがあるものは今日休んでおくように以上!!」


勇者「明日が最終決戦か……」

神官「でも魔王城に行くまでに何日もかかりそうですけど」

侍「だがここを出発したら休む暇などないでござろう」

勇者「うん ちょっと散歩に行って来るね」ダッ

神官「ちょっと勇者さん!! 行っちゃった……」

僧侶「」

516: 2012/02/12(日) 16:07:03.77 ID:3jYynL800

神官「はいそれでは……」ガシッ

侍「でござるな」ガシッ

僧侶「なんだ いきなり腕を掴んで」

神官「僧侶様は勇者様に想いを伝えないんですか?」

僧侶「はぁっ!? なんだいきなり!!」

侍「見ててこちらが心配になるぐらい分かり易いでござるよ」ハァ

僧侶「アタシは……そんなんじゃねーよ」ボソボソ

神官「僧侶様 前私に”ウジウジしてるのがお前の仕事かよ”って言ったじゃないですか!!」

僧侶「そんな昔のことを……」

侍「僧侶殿は切腹するほどウジウジ悩むなと拙者の頭を何度も……」

僧侶「それは確実に私怨だろ!!」

520: 2012/02/12(日) 16:11:29.97 ID:3jYynL800

僧侶「アタシだって勇者のことは嫌いじゃないけどさ」

神官「」ジトーッ

僧侶「好きだよ! あいつのことが好き!!」モウッ

僧侶「でもよ アタシみたいなガサツな女 好きになんてならねーだろ」

侍「案外お似合いだと思うのだが」

僧侶「そういうお前らだって好きじゃないのかよ!!」

神官「私はどちらかというと憧れの人って感じで」エヘヘ

僧侶「それも十分おかしいだろ」

侍「拙者は兄のような存在だと思っているでござるから」

僧侶「あんなのが兄でいいのかよ」

神官「あんなのに惚れたのは誰ですかー」

侍「誰でござるかー」

僧侶「うっせー!!」ダッ

神官「逃げちゃいましたね」

侍「どこに行ったかは明白でござるが」

523: 2012/02/12(日) 16:15:50.14 ID:3jYynL800

スラ「」プヨプヨ

勇者「心配してくれてるんだ ありがとう」

勇者「魔王城……なにか胸騒ぎがするんだよな」

僧侶「おい勇者!!」ハァハァ

勇者「どうしたの? 息切らして」

僧侶「一回しか言わないから良く聞けよ!!」ガシッ

勇者「ちょっと苦しい!!」ジタバタ

僧侶「アタシはお前のことが好きだ!!」

勇者「……はい?」

僧侶「もう言わない」プイッ

勇者「俺のことが好きだって聞こえた気がするけど どこが?」ハテ

勇者「俺なんてみんなに守られてばかりで格好悪いだけの勇者でしょ」

532: 2012/02/12(日) 16:24:34.80 ID:3jYynL800

僧侶「最初お前を見たときはオドオドしてるだけの奴だったろ」

勇者「そうだね いきなり勇者になったから」

僧侶「でも旅をしていく内に色々わかって 武の国でアタシのために戦ってくれた時は嬉しかった」

勇者「……」

僧侶「痛いのに 相手も強いのにそれでもアタシの為に戦って勝って」

僧侶「本当に感謝してんだ 勇者には」

勇者「……」

僧侶「いつもボケてるけどやる時にはやってくれる そんなアンタが好きなんだよはい終わり!!」パンッ

僧侶「もう寝るぞ!!」

勇者「僧侶さんは確かにガサツで暴力的で 駄目駄目だけど」

勇者「いつもキツイことを言いながら俺たち仲間のことを考えてくれる」

勇者「そんな僧侶さんが俺も好きだよ」

537: 2012/02/12(日) 16:32:10.45 ID:3jYynL800

僧侶「付き合ってもアタシはこの性格を変える気はないぞ

勇者「俺もいい加減な性格は一生変わらないかな」

僧侶「もう逃げたいなんて言っても一生逃がさないからな」

勇者「こんな何もしない奴嫌だって逃げるなら今の内だよ」

僧侶「超束縛するぞ」

勇者「望むところかな」

僧侶「勇者!!」ダキッ

勇者「はいはい 魔王に絶対勝とうね」


神官「お幸せになってくださいねー」

侍「いい話でござるな」

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「」モフモフ

ドラ「」バサバサ

540: 2012/02/12(日) 16:37:20.59 ID:3jYynL800

天使「勇者! 遊んでる場合じゃないんですよー!!」

勇者「実に久しぶりな状況」

僧侶「うわっ!? なんだこの光の塊」

勇者「僧侶さん 天使のことが見えるの?」

天使「一時的に存在を上げているんです それよりも! 魔王城が大変なことになっているんです!!」

勇者「大変なことって?」

天使「とにかく! 今すぐ魔王城に向かってください!!」

勇者「向かってくださいって言われても……」

天使「なんの為に最近はポイントを使っていなかったと思っているんですか」フッフッフ

勇者「なんで?」

天使「魔王城まで一足飛びでいける特技入手のためです!!」

勇者「そんなのがあるの?」

天使「あるんです! とにかく手遅れになる前に魔王城に向かってください!!」

549: 2012/02/12(日) 16:45:40.36 ID:3jYynL800

魔王城

勇者「今度はみんなで来られたけど」

神官「大きいですねー 武の国の城の2倍ぐらいはありませんか?」

侍「そこまでデカくはないではござらんか」

勇者「……」

僧侶「どうしたんだ勇者」ギュッ

勇者「なんでもないよ」

僧侶「嘘付け話せ」ギリギリ

勇者「痛い痛い!! 話します話します!!」

勇者「なんか変な感覚だけど 魔王城が少し懐かしく見えて」

僧侶「こんな禍々しい城が懐かしいってお前……」

勇者「だから言いたくなかったの! 早く入ろう!!」

556: 2012/02/12(日) 16:49:45.43 ID:3jYynL800

神官「凄い濃い魔力です 恐らく魔王は上にいますね」コホッ

侍「魔法に精通してない拙者でもわかるのだから 相当でござるな」

勇者「」ジー

僧侶「どうした? そこは地下へ行く階段だろ」

側近「そうですね 魔王様は最上階にいます」

僧侶「魔族!?」

側近「魔族ですが私は案内役です」

侍「それを信じろと?」

側近「この魔力を見て魔王様が小細工をするようなタイプに見えますか?」

神官「」

側近「では行きましょう」

勇者「」

572: 2012/02/12(日) 17:08:04.33 ID:3jYynL800

魔王「竜主のお陰で私は話し合いではなく力でしか物事を解決することが無理だと学んだ」

魔王「仲間も友も その腹に隠しているものは他人にはわからぬ ならばそんなものはいらぬ」

勇者「あれが魔王?」

魔王「さあ私の武が正しいと証明されるがいい」

まおうがあらわれた

侍「まずは先手必勝!! 五麻団子!!」

さむらいのこうげき まおうに20のダメージ

僧侶「僧侶流槍殺法!! 五九楽浄土!!」ズドン!!

そうりょのこうげき まおうに15のダメージ

神官「守りを固めます!! 全体防御呪文!!」

しんかんのまほう ぜんいんのしゅびりょくがあがった

魔王「弱い それで私に挑もうというのか 全体滅殺呪文」

まおうのこうげき ぜんいんに300のダメージ

575: 2012/02/12(日) 17:18:37.27 ID:3jYynL800

神官「最強クラスの魔法を詠唱もなしに……」

僧侶「最後の最後にこんなのありかよ……」

侍「一撃で皆瀕死とは……」

勇者「まだ諦めちゃ駄目だ!!」

スラLv2「ピギーーーッ」ブヨブヨ

オオカミLv2「ウォオオオオオオオオン!!」モフモフ

ドラLv2「グゥルオオオオオオオオオオオ」バサバサ

僧侶「そうだな 良く考えたらアタシキスもしてねーや」ググッ

神官「私なんてまだ恋愛もしていないんですよ」ググッ

侍「そうでござるな」ググッ

魔王「愚かな」バッ

581: 2012/02/12(日) 17:28:13.19 ID:3jYynL800

僧侶「」

神官「」

侍「」

スラ「」

オオカミ「」

ドラ「」

魔王「なぜ弱いのに足掻くのだ」

勇者「なんでだろうな」

魔王「いい加減にしろ」ゲシッ

勇者「ガハッ!? 甘い……僧侶さんの蹴りに比べればまだまだ」

魔王「弱いのならば強いものに任せればいいだろう なぜ出てくる」

勇者「大切なものを守りたい その気持ちは弱い人も強い人も代わらないだろ」

勇者「魔王にはそんな人はいなかったのかよ」

魔王「…………」

584: 2012/02/12(日) 17:35:01.71 ID:3jYynL800

淫魔王「全く魔王は本当に甘ったれだね」

魔王「いいでしょ淫魔王!!」スリスリ

淫魔王「でもね アンタも魔王なんだからいつかはアタシたちを守らなくちゃいけないんだよ」

魔王「うん! だったら私が淫魔王を守るね!!」

淫魔王「あははっ! 期待しておくよ」


魔王「……私にはそんな人はいない」

勇者「今の間はなんだよ!!」ゴッ

魔王「痛いぞ!! 魔王を殴るとは何事だ!!」ガッ

勇者「五月蝿い!! ザメハを舐めるな!!」

594: 2012/02/12(日) 17:43:32.08 ID:3jYynL800

ギャースカギャースカ

僧侶「なんか まるで兄弟喧嘩みたいだな」

神官「同感です」

側近「魔王様は生まれてからずっと その生まれから疎まれて来ましたから」

側近「あんなに楽しそうな魔王様を見たのは初めてです」


魔王「私の大切な人はもういない!!」ガッ

勇者「あそこの人とかいるだろ!! それに俺だって!!」

勇者「あれ? 俺だって? げほっ!?」

魔王「隙を見せるな」ゴッ

勇者「痛い!? 殴るな馬鹿!!」ガッ

596: 2012/02/12(日) 17:50:07.74 ID:3jYynL800

魔王「なんだお前は 私と殴り合って息があるとは……」ハァハァ

勇者「一応勇者だよ 弱いけどね」

魔王「そうか……私の負けでいい」

勇者「簡単に諦めていいの?」

魔王「私を倒したいのかなんだ もういいよもうどうでもいい」

勇者「じゃあ俺たちはもう友達だな」

魔王「……?」

勇者「いや友達が欲しかったんじゃないの?」ハテ

魔王「本当に 私の負けでいいよ」ヘタリ


???「良かったですね魔王」

601: 2012/02/12(日) 17:57:08.04 ID:3jYynL800

総統「なんだこりゃ 来てみれば全部終わってるってよ」ザッザッ

メイド「まるで悪役のセリフですお嬢様」ハァ

侍「総統殿!?」

総統「侍じゃん 元気してた?」

勇者「ってことは あの二人が辺境街の勇者か……」

メイド「私はあくまでお付ですけど」

総統「アタシは戦いたいんだ そこの魔王と」

勇者「駄目だ もう魔王は戦わせない」

魔王「お前……」

総統「知るか あたしは強い奴と戦いたいの そっちの事情なんてしらねーよ」

天使「ちょっと待つですよ!!」フワフワ

604: 2012/02/12(日) 18:01:30.83 ID:3jYynL800

天使「こんな所で争っている場合じゃありません!!」

総統「なんだこの玉」

天使「そんなことよりも!! 地下にある”あれ”を倒さないと平和にはなりません!!」

勇者「あれって?」

天使「魔王城地下 母の間に君臨する魔物を創り出す魔物のことです!!」

僧侶「裏ボスか」

天使「そもそも魔族と和解しても魔物は暴れ続けますからね!!」

神官「その魔物を倒さないと無限に魔物は沸き続けると」

侍「それは厄介でござるな」

総統「おい玉 そいつは強いのか?」

天使「もちろん! すべての魔物の母ですから!!」

メイド「お嬢様 帰りたいです」

総統「駄目だ! そいつぶっ倒しに行くぞ!!」

606: 2012/02/12(日) 18:05:03.78 ID:3jYynL800

勇者「地下への入り口は……さっき俺が何かを感じてた階段からか」

僧侶「おい魔王」

魔王「なんだ?」ギュー

僧侶「アタシの勇者にくっつくな!!」ガー

魔王「いーやー!!」ギュー

勇者「もうちょっと緊張感を持とう」

僧侶「だってこいつが!!」

魔王「べーっだ!!」ベー

僧侶「この野郎!!」

神官「先行き不安ですね」

側近「その通りですね」



618: 2012/02/12(日) 18:20:20.94 ID:3jYynL800

勇者「この扉の先に最後の敵が……」

魔王「勇者残念ながら私と側近はここまでだ」

僧侶「どうした?」

側近「私たち魔族はその扉の先にいけないのです」

侍「拙者はどうすれば?」

総統「人間の血が混ざってるから大丈夫だろ 駄目なら気合で入れ」

メイド「無茶苦茶ですね」

勇者「じゃあ開けるよ……」ガチャ

バタン

勇者「俺たちの戦いはここまでだ! さあ帰ろう!!」

僧侶「開けて閉めるんじゃねーよ!! 行くぞ!!」

勇者「無理無理無理!! あれは絶対に無理だって!!」

ガチャ

623: 2012/02/12(日) 18:26:06.40 ID:3jYynL800

母魔物「」ズーン

僧侶「デカイな」

神官「軽く魔王城ぐらいはあるんじゃないですか?」

侍「どこが頭か全然分からないでござる」

総統「なんだかワクワクしてこないか?」ワクワク

メイド「そんな空気読めない馬鹿はお嬢様だけです」

勇者「だから言ったじゃん」

総統「よし! やるか!!」ブォン

そうとうのこうげき ははまものに100のダメージ

メイド「仕方ありませんね 精霊木魔法」

めいどのこうげき ははまものに90のダメージ

母魔物「……」

ははまものはようすをみている

624: 2012/02/12(日) 18:32:13.34 ID:3jYynL800

勇者「全然ダメージを与えてる気がしない」

総統「それよりもだ! どうして反撃しねーんだよ!!」ガンガン

メイド「これは様子がおかしいですね」

僧侶「魔物を生み出すだけの魔物だから動けねーんじゃねーの」

神官「ありえますね」

侍「どうするでござるか?」

スラ「」プヨプヨ

総統「このまま一気に終わらせるに決まってんだろ」ブォン

総統「アタシの鬼王の金棒に魔力を込めて……」

そうとうのこうげき ははまものに500のダメージ ははまものをたおした


天使「ようやく長かった戦いも終わりましたね!!」

勇者「地下に入れない設定はどうした」

628: 2012/02/12(日) 18:39:05.99 ID:3jYynL800

天使「母魔物を倒してくれたお陰で 私もこちらで実体化出来ます」ペカー

勇者「ヤバイ 普通に美しい」

僧侶「」ゲシッ

勇者「痛いよ!!」ピョンピョン

天使「よくぞやってくれましたね 勇者とその下僕共」

僧侶「おい」

神官「下僕って」アハハ

侍「口が悪いでござるな」

天使「頑張ったあなたたちに褒美を与えたいと思います」

勇者「褒美ってそんな……」

僧侶「もらえるもんは貰っとけよ」

天使「はい では死んでください 光全体下級呪文」

てんしのこうげき ぜんいんに400のダメージ

635: 2012/02/12(日) 18:47:59.12 ID:3jYynL800

勇者「ちょっといきなりどういうこと天使!!」

総統「天使だと!?」

僧侶「知ってるのか?」

総統「ウチの村長が天使共には注意しろって言っていたが」

天使「それがわかってたから辺境街には入らなかったんですよ」

天使「あの女狐は危険ですからねー」

勇者「えっとあの……」

天使「まあつまり 我々は地上侵略に来た悪い天使なんです」

僧侶「地上侵略!?」

天使「元は2000年前に私たちが侵略の為に天の門を作ったのが始まりでした」

天使「その門は初代魔王とその参謀である錬金術師が作った母魔物によって封じられていたんですけど」

勇者「ということは!? もしかして俺たちに母魔物を倒させるのが目的!?」

天使「そうです 封印が解かれないように魔物を作り出し 天界にも魔物を送ってた忌々しいものですから」

639: 2012/02/12(日) 18:56:32.21 ID:3jYynL800

天使「あなた達をここに連れてくるのにも苦労したんですよー」

天使「邪魔な四大貴族を消すために竜主をけし掛けて同士討ちさせたり」

天使「職の神殿を潰してあなた達が強くなるように仕向けたり」

天使「死なないように幼を誘導したり」

天使「勇者を勇者として旅立たせたり」

天使「魂だけではマトモに活動できなかったので苦労したんですよー」

勇者「そうだよ! どうして旅をさせて母魔物を倒すのが俺じゃなくちゃいけなかったんだよ!!」

天使「……ハァ 私だってあなたみたいな弱い奴を使いたくなかったです」

天使「でもあそこの扉を開けられるのはあなただけだったので仕方なく」

勇者「……俺だけ?」

天使「おかしいとは思わなかったんですか 魔物使いの熟練度が最初から全開だったり魔物を成長させたり」

勇者「それは……」

天使「それはもういいんですけどね それでは天界地上侵略行動隊長 四大天使であるミカエルちゃんが華麗に滅ぼしちゃいますよー」

646: 2012/02/12(日) 19:06:31.33 ID:3jYynL800

???「させません!!」ガキッ

天使「おっと……何奴ですか?」

勇者「魔王……に似てるけど誰?」

???「天使 あなたはもう帰りなさい あまり時間もないでしょう」

天使「このままやられっぱなしは嫌ですよー 光中級呪文!!」

てんしのこうげき ???に20のダメージ

天使「あれ? あまり効いてない?」

???「私はあなたたち天使を滅ぼすために生まれた存在なので 魔物砲」

???のこうげき てんしに100のダメージ

天使「きゃっほい!? うぅ……このままだとマズイですね」

天使「ここは引きますよ!!」バッ

勇者「ありがとう 君は……」

???「あれです」ビシッ

勇者「あれって母魔物?」

母魔物「あれの本体が私です」

651: 2012/02/12(日) 19:14:42.14 ID:3jYynL800

母魔物「危機に備えて私の分身である魔王も作りましたが 無駄でしたね」ハァ

勇者「えっと……」

母魔物「後一週間で天界の連中が攻めてきます」

みんな「「!?」」

母魔物「私の結界で一時的に天の門を封じていますが それも1週間が限度です」

僧侶「あんなのが沢山出てくるのか」

母魔物「えっと 僧侶に神官に侍はちょっと来てください」

神官「なんですか――キャッ!?」

母魔物「ごっくん」

勇者「三人が食べられたーーー!?」

母魔物「四大天使に対抗する四大貴族が倒された今 あれらには無理矢理そのレベルまで上がってもらいます」

総統「おい その天使ってのは強いのか」

母魔物「当然です」

総統「よし! メイド行くぞ!!」

メイド「それでは一週間後に」

657: 2012/02/12(日) 19:25:33.80 ID:3jYynL800

母魔物「それではあなたですけど……」

勇者「はい」

母魔物「あなたはどうして戦うんですか?」

勇者「……へ?」

母魔物「僧侶はみんなといたいから戦います 神官はみんなを守りたいからでしょう」

母魔物「侍は正義のために ならばあなたはどうして?」

勇者「どうしてもなにも 俺はみんなを守るために……」

母魔物「……ハァ どうやら天使に影響を受けすぎたようですね」

母魔物「これからあなたの過去を旅しましょう」ピタリ

勇者「旅するって……あれ?」クラリ

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「」モフモフ

ドラ「」バサバサ

659: 2012/02/12(日) 19:30:56.19 ID:3jYynL800

友「男! あれ見ろよ!!」

男「なにあれ 蛇の化物?」

友「どこからか来た謎の生物!!」

男「どうでもいいよ」

友「妹ちゃんは興味深々みたいだけど」

妹「わー」キラキラ

男「」ズコー


勇者『男は……俺? それで妹は君の姿に見えるんだけど』

母魔物『…………』

662: 2012/02/12(日) 19:37:30.26 ID:3jYynL800

男「今度はオオカミの化物だって?」

友「そうそう」

男「あんまり関わるとロクなことにならないぞ」

友「そういうなよ」

妹「」キラキラ


友「おい 大丈夫かよ 妹ちゃんが亡くなったからって自暴自棄になるな!!」

男「違うんだ 妹は殺された」

友「殺された? 謎の大災害のせいだろ」

男「見たんだ 羽の生えた人間を……そいつが妹を殺すのを」

663: 2012/02/12(日) 19:40:58.27 ID:3jYynL800

男「力が欲しい力が欲しい……」ガリガリ

友「おい男」

男「作るんだ あの死体を元に新しい生物を……」


男「見ろよ友 ついに出来たぞ」

妹「……」

友「おい男 その子って……」

男「あの死体と妹の死体を下に創り出した人造生命だ」

友「いい加減にしろよ その子は妹ちゃんじゃないだろ」

男「……なあ お前最近魔王とか呼ばれてるんだろ」

友「それがどうしたんだよ」

男「お前の不思議な力で作ってもらいたいものがあるんだ」

668: 2012/02/12(日) 19:53:30.39 ID:3jYynL800

友「まさか大陸丸々1つ作れって言われるとは思わなかった」

男「でもこれで天の門を封印する手筈は整った」

友「俺も出来る限り守護するけど……」

男「俺はここで妹と一緒に暮らすよ 大丈夫絶対に守るから」

1000年経ち 2000年経ち 自分の使命も忘れた頃

???「男 男 私があなたを救ってあげましょう」

男「……すくう?」

???「もう一度人生をやり直すんですよ」ニヤリ


妹『こうして男である錬金術師は天使の策略で新しい生命として生れ落ちたんです』

勇者『それが俺なの?』

妹『記憶の戻りが悪いのは仕方ありません 恐らくすべて思い出すのは不可能ですしね』

男「おいお前」

勇者『えっと俺?』

671: 2012/02/12(日) 19:59:30.72 ID:3jYynL800

男「お前には命を賭けて守りたい人はいるか?」

勇者『……いるよ』

男「だったら守れ 俺みたいに中途半端に忘れるんじゃないぞ」

勇者『でも俺はアンタ自身じゃ……』

男「自分は自分だろ 自分の人生を他人と比べんな」

勇者『わかった』

男「だな お前にはこいつをやるよ」ポイッ

勇者『……本?』

男「俺の研究成果のすべてを込めた錬金術の本だ 持ってけ」

勇者『ありがとう』

男「じゃあね 他人」


妹「それで 答えは出ましたか?」

勇者「うん 俺は僧侶さんや仲間を守るために戦う」

妹「それでいいんです 無理に背負う必要はないんですから」

673: 2012/02/12(日) 20:04:25.80 ID:3jYynL800

妹「これからどうするんですか?」

勇者「1週間 やりたいことがあるから」

妹「それでは1週間後に」


僧侶「なんだよここ……」

竜王「魔界にある火山だ」

僧侶「なんだチビ」

竜王「チビじゃない!! アタシは初代四大貴族の1人である竜王だ!!」

僧侶「チビはチビだろ」

竜王「お前を鍛えてやるからな!!」ガー

僧侶「いらねーよ」

竜王「お前の持ってる槍 竜王の槍を使いこなせるようになれ」

僧侶「……」

竜王「つーかお前がそれを使いこなせれば魔王にだって苦戦しなかったんだからな」

僧侶「おい 使い方教えろ」

675: 2012/02/12(日) 20:12:26.24 ID:3jYynL800

神官「ここは……」

淫王「淫魔の森です」

神官「あなたは……」

淫王「淫魔の王です 初代魔王を殺した張本人でもあります」

神官「なっ!?」チャッ

淫王「昔の話です そもそも神官に癖に復讐に身を費やしたあなたが文句を言えるんですか?」

神官「」

淫王「その靴を履きなさい 淫王の靴です」

神官「履いてどうするんですか?」

淫王「これからあなたにレッスンを課します」

淫王「見事乗り越えなければあなたの大切な仲間も守れませんよ」

神官「」

767: 2012/02/12(日) 23:35:19.85 ID:3jYynL800

侍「ここはどこでござるか?」

鬼王「賽の河原だよ」

侍「そなたは……」

鬼王「今回のアンタの敵だよ」

侍「敵とは……」

鬼王「アンタは魔族より人間の血の方が濃く出ている」

鬼王「まあ人間の中にいる間に完全に魔族の血が隠れている状態だ」

侍「……」

鬼王「それを起こしてくれって頼まれてるからね 容赦はしないよ」

775: 2012/02/12(日) 23:44:15.29 ID:3jYynL800

勇者「」ブツブツブツ

淫魔王「ここはどこだい?」

魔王「淫魔王!!」ダキッ

淫魔王「魔王様……?」

勇者「竜主の死体を残しておいてくれて助かったよ もう直ぐで再生出来なくなるところだったし」

淫魔王「アンタが私を復活させてくれたのか」

勇者「アンタじゃなくて勇者 魔王の友達だよ」

淫魔王「ハッ 馬鹿だと思ってたけど魔王の友達? ならアタシの友達でもあるわけか よろしく!!」

勇者「よろしく」ギュー

魔王「勇者ありがとな!!」

勇者「いいよ全然」

781: 2012/02/12(日) 23:54:11.66 ID:3jYynL800

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「」モフモフ

ドラ「」バサバサ

勇者「慰めてくれるの? 大丈夫だからさ」ハァ

勇者「力を手に入れたと思ったけど 相変わらず俺自身の力は代わらずか」

スラ「」プヨプヨ

勇者「わかってる いざって時はみんなに任せるよ」

オオカミ「」モフモフ

勇者「その時は頼むよ」

ドラ「」バサバサ

勇者「……」

784: 2012/02/13(月) 00:03:38.20 ID:uftLUZ4M0

一週間後

武王「お前たち! 今日は絶対に勝つぞー!!」

オォォオオオオオオオオ!!

勇者「うわぁ 凄い人が集まってる」

村長「当たり前じゃ 妾が今日のために色々と根回ししておったからな」

勇者「村長さん……」

村長「それに魔族の方はお主が纏めるのを手伝ったのであろう?」

淫魔王「アンタたち気合を入れていくよ!!」

ウォオオオオオオオオ!!

勇者「まあね」

妹「皆さん 集まってください 簡単に今回の作戦について説明しますので」

786: 2012/02/13(月) 00:11:46.47 ID:uftLUZ4M0

妹「天使の連中は門を通るといっても その強大な存在は神によって作られています」

妹「つまり敵の大ボスである神を倒せば他の天使は消えて必然的に私たちの勝利です」

武王「その為に魔王城に送り出すのは」

総統「アタシたちと……」

幼「私のPTと」

勇者「俺たちか」

武王「勇者くん 君の仲間が見えないようだが」

勇者「なんていうか まだ修行から帰ってきてないです」

武王「間に合うのかね?」

勇者「……多分」

妹「いない連中の心配をしても仕方ありません それでは全員配置についてください」

3

2

1

795: 2012/02/13(月) 00:15:48.00 ID:uftLUZ4M0

天使軍「「キャハハハハハハハハ」」

兵士A「あれが天使?」

兵士B「美しい……」

武王「お前たち! 見惚れてないで攻撃だ!!」


妹「道が開けたら魔王城まで真っ直ぐ突撃です」

勇者「わかってる ドラも頼むよ」

ドラLv2「グゥルルルルルル」

総統「随分とアタシ好みの作戦だな」

メイド「こんな状況で楽しめる馬鹿はお嬢様だけかと」

幼「勝つ」

戦士「行きましょうぞ」

妹「では皆さん! 突撃してください!!」

806: 2012/02/13(月) 00:50:20.77 ID:uftLUZ4M0

魔王城

勇者「よし! とりあず魔王城の中に入ることは出来た」

天使「はい これで終わりですよー」

勇者「天使……まだこんなにいるのか」

天使「あなた達はここで終わりです」

幼「勝手に終わりにされては困る」

総統「その通りだぜ」

勇者「二人とも」

幼「ここは私たちが食い止める 勇者は早く先へ」

総統「そういうこった アタシは暴れられれば四大天使相手でいいからな」

勇者「ありがとう!!」

総統「ちょっと待て! こいつも持ってけ」ポイッ

809: 2012/02/13(月) 00:54:44.49 ID:uftLUZ4M0

勇者「これは……」

総統「どんな物でも斬れる魔王の短刀だ それなら神の心臓でも切れるだろ」

勇者「ありがとう! じゃあ先に行ってるね!!」ダッ

天使「行かせませんよ!!」

総統「おっと ここはアタシが相手だ!!」ブォン


勇者「魔王の間と同じ場所に神がいるわけか」

勇者「今度こそ ホントのホントに最後の戦いか」

妹「思い出に耽ってないで早く開けなさい」ゲシッ

勇者「はい」ガチャ

妹『それとは別にチビ共 念話で内緒話があります』

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「」モフモフ

ドラ「」バサバサ

813: 2012/02/13(月) 01:05:27.97 ID:uftLUZ4M0
勇者「アンタが神か」

神「いかにも」

勇者「今更だけど軍を引かせるってわけには」

神「いかんな 私たち2000年の悲願だ」

勇者「なるほど 神なんて言ってるけど中身は俺たち人間と代わらずか」

勇者「なら容赦もなにもいらない!! 全員Lvアップだ!!」

スラLv3「ピギーーーッ」ブヨブヨ

オオカミLv3「ウォオオオオオオオオン!!」モフモフ

ドラLv3「グゥルオオオオオオオオオオオ」バサバサ

妹Lv3「これが私たちの真の姿です 行きます!!」ダッ

いもうとのこうげき かみに80ポイントのダメージ

スラLv3「ピギーーーッ」ブヨーーーッ!!

すらいむのこうげき かみに60のダメージ

816: 2012/02/13(月) 01:10:01.67 ID:uftLUZ4M0
オオカミLv3「ウォオオオオオオオオン!!」
おおかみの二回こうげき かみに100のダメージ

ドラLv3「グゥルオオオオオオオオオオオ」バサバサ

どらごんのこうげき 神に90のダメージ

勇者「やったか!?」

妹「それはフラグです」

神「光最上級呪文」

かみのこうげき ぜんいんに500のダメージ

勇者「ゲホッ 相変わらず強すぎる……」

神「光最上級呪文」

勇者「なっ!? 回復がおいつかな――」

かみのこうげき しかしこうげきはひかりのかべにふせがれた

神「何奴!?」

僧侶「そいつの仲間だよ」

神官「ですね」

侍「ござる」

821: 2012/02/13(月) 01:14:49.06 ID:uftLUZ4M0

僧侶「ってかアタシたちを置いて先に行くな」ゴッ

勇者「痛い!? みんなが遅刻したのが問題なんでしょ!!」

神官「ギリギリまで積めていたので」

侍「仕方がないでござるよ」

神「何人増えようが私には関係ない」パァァ

侍「それはどうでござるかな 1人の主には分からぬと思うが」

神官「仲間というものはいいものですよ」

侍「では!! 十蓮華!!」

さむらいのこうげき かみに120のだめーじ

僧侶「ここはアタシたちの土地だ! 簡単にはやらせねーぜ! ベホマ!!」

そうりょのこうげき かみに100のダメージ

神官「1人で戦っているような人に私たちが負けるはずありません 全体最上級回復呪文!!」

しんかんのまほう ぜんいんのたいりょくがかいふくした

822: 2012/02/13(月) 01:19:09.14 ID:uftLUZ4M0
僧侶「勇者 最後はお前に繋げてやるから決めて来いよ」

勇者「えっと それでいいの?」

神官「勇者さんは私たちのリーダーなんですから」

侍「最後の決め手ぐらい任せるでござる」

勇者「わかった! みんな!! ガンガンいこうぜ!!」

みんな「「おう!!」」


神(なんだこいつらは……)

僧侶「――――ッ!!」

神(1人1人の力は矮小なのに……)

神官「――――ッ!!」

神(揃った途端に何倍にも力が跳ね上がった)

侍「――――ッ!!」

神(私たちにはない力を持っているとでもいうのか?)

妹「――――ッ!!」

神「ありえぬ!!」ゴォォォォォ

826: 2012/02/13(月) 01:23:09.29 ID:uftLUZ4M0

妹「神の最強呪文が来ます」

僧侶「ってことはチャンスだな」

神官「大技の後には隙が出来ます」

侍「拙者たちが止めるので勇者殿は止めを……」

スラ「」プヨプヨ

オオカミ「」モフモフ

ドラ「」バサバサ

勇者「わかった 行くぞみんな!!」


神「光極大呪文!!」カッ

妹「させません!!」

僧侶「アタシの槍でも食らってろ!!」

神官「私の蹴り技で!!」

侍「繋げる!!」

827: 2012/02/13(月) 01:26:48.57 ID:uftLUZ4M0

ゴォオオオオオ!!

スラ「ピギーーー!!」

オオカミ「ウォオオオオオン」

ドラ「グゥルルルルル」

神「勝った!!」

勇者「俺たちのな……」

神「馬鹿な!? あの攻撃の中を進んできたというのか!?」

勇者「みんなが道を作ってくれた その道がなければ俺みたいな奴はここまで来られなかったさ」

勇者「だからこれでキッチリ決める!!」

神「おのれ!!」ブォン

勇者「これで終わりだ!!」

ブスリ

829: 2012/02/13(月) 01:30:20.20 ID:uftLUZ4M0

神「くっ……」バタリ

僧侶「やったのか?」

神官「やりましたね!!」

侍「ようやくでござるか」

妹「待ちなさい! まだ終わってません!!」

神「」グググ

勇者「しぶといね アンタも」

神「私が負けるなどありえない ならば!!」グォォォォ

僧侶「外の天使共が吸収されていく……」

妹「チッ 魔配合の技術を……」

真神「この新たなる力で貴様らを滅ぼしてやろう」ズーン

神官「強い さっきまでとは全然違う」ガクガクガク

侍「万事休すでござるな」

勇者「」

830: 2012/02/13(月) 01:34:24.27 ID:uftLUZ4M0

勇者「」ブツブツブツ

僧侶「勇者 なにを!?」

勇者「実は勝った後に奴がなんらかの手を打って来ることは予想できていたんだ」

神官「それじゃあ!!」

勇者「うん あいつに勝てる方法がある」

侍「勇者殿……」

僧侶「流石アタシの旦那だな!!」

妹「……」

勇者「門の中にあいつを押し返す 俺の命を使って」

僧侶「なっ!? どういうことだ!!」

勇者「ああなった神は天使の命を吸収した言わば不死身の存在」

勇者「門の中に押し返すしか方法はない」

僧侶「そうじゃなくて! お前の命を使うって意味だよ!!」

832: 2012/02/13(月) 01:39:03.90 ID:uftLUZ4M0

勇者「ずっと考えたんだ なにか他に方法はないかって」

勇者「でもあれだけの力を持った神に勝つんだ 命を張る代償ぐらいないと勝てないって」

僧侶「だからってなにもお前が!!」

勇者「俺にしか出来ない仕事だからさ 最後ぐらい格好付けさせてよ」

僧侶「勇者!!」

神官「勇者さん!!」

侍「勇者殿!!」

妹「馬鹿ですかあなたは」ゴッ

勇者「痛い!?」

妹「自分の命を賭けるなんて勇者のやることではありません 馬鹿のすることです」

勇者「でも……」

妹「命を賭けるのは私たちで十分です」

スラ「」プヨーーー!!

オオカミ「ウォオオオオオン」

ドラ「グゥルルルルルルル」

834: 2012/02/13(月) 01:44:32.31 ID:uftLUZ4M0

真神「なんだこいつらは!?」

妹「私たちが押し返します! 早く私たちをパワーアップさせなさい!!」

勇者「出来ないよ!! 俺には仲間を犠牲にすることなんて……」

妹「馬鹿! 犠牲ではありません 私たちはあなたに賭けているんです!!」

スラ『マスターなら平和な世の中を作ってくれる』

オオカミ『我々魔物や魔族 そして人間が手を取り合える世界を』

ドラ『その為に私たちは進むんだ』

妹「死ぬなら前のめりに! 勝つなら勝って平和を作りなさい!!」

妹「それが死んだ先人に対しての報いです!!」

勇者「……ありがとう!!」カッ

妹「一気に押し返しますよ!! 気合を入れなさい!!」

スラ「」プヨーーー

オオカミ「」モフモフ!!

ドラ「」バサバサ!!

真神「私がこんな連中に――ぐぁああああああ!?」

837: 2012/02/13(月) 01:47:56.73 ID:uftLUZ4M0

数日後

武王「一時はどうなることかと思ったが」

魔王「無事に勝てて良かったな!!」

淫魔王「今日は無礼講だ お前ら飲めーーー!!」

第二王「よっ! 姉様!!」ゴクゴク

幼「……フラれた」グスン

総統「まあドンマイ 生きてりゃいいことあるよ」ポンポン

メイド「どうぞ」スッ

側近「これはどうもありがとうございます」

淫魔王「ところで今回の主役たちはどこに行ったんだ?」

武王「それなら心配ないでしょう 彼らなら……」

839: 2012/02/13(月) 01:51:18.13 ID:uftLUZ4M0

勇者「」ザッザッ

僧侶「こんな目出度い日にどこに行くんだよ」

勇者「えっと……散歩に……」ビクッ

僧侶「真面目に答えろ」

神官「そうですよ! 私たち仲間ですよね!!」

侍「まあなんとなく答えはわかっているでござるが」

勇者「妹たち 最後は門の中に神を押し返して消えただろ」

勇者「でもまだ天界と呼ばれる世界で生きてると思うんだ」

僧侶「だから助けに行きたいって?」

勇者「うん」

僧侶「よし! 今から一発だけ殴るぞ!!」

勇者「えっ――ガハッ!?」ドシン

僧侶「痛かったか?」

勇者「それよりも宣言されて殴られたのが始めてだったのに驚いてます」ヒリヒリ

842: 2012/02/13(月) 01:56:05.66 ID:uftLUZ4M0

僧侶「1人で行く気かよ」

勇者「俺の力だと1人分の駄賃しか出せないんで」

勇者「門は完全に封印しちゃったし」

僧侶「仕方ないな こんな面倒な奴愛しちまったアタシが悪いんだし」

勇者「そりゃあ……」

神官「謝らないでくださいね 絶対に戻ってくるんですから」

侍「そうでござるよ それまでは拙者たちが平和な世の中を作るために頑張るでござる

僧侶「それに謝るなら帰ってきてから結婚するのが遅くなったことに謝れ」

勇者「……ありがとう」

僧侶「浮気は絶対にするなよ」

勇者「しないよ する余裕ないよ」

神官「風邪を引かないでくださいね」

勇者「天界って風邪引ける場所なのかな」

侍「困ったらいつでも拙者たちのことを思い出してくだされ」

勇者「俺のイマジネーションで頑張る」

843: 2012/02/13(月) 01:59:38.06 ID:uftLUZ4M0

勇者「じゃあいってきます」

僧侶「いってらっしゃい」フリフリ

神官「また元気な姿で戻ってきてくださいねー!!」

侍「待っているでござるよー!!」

勇者「待ってろよみんな! 今迎えに行くからな!!」バッ

カッ

神官「行っちゃいましたね」

僧侶「……」

侍「僧侶殿 今なら泣いてもいいでござるよ」

僧侶「二人とも ちょっと胸借りるぞ」

神官「はいはい」

侍「どうぞ」

僧侶「」ヒグッエグッ

844: 2012/02/13(月) 02:04:31.09 ID:uftLUZ4M0

………………

娘「それでその糞勇者は帰ってきたんですか?」

女「あれ? あなたにはそういう感想だったの?」

娘「それでどうだったんですか!!」ユサユサ

女「あなたのお父さんに聞いてみれば?」

娘「おとうさーん!!」ダキッ

男「なんだいきなり!?」

娘「勇者は幸せになれたんですか!?」

男「……そうだな 自分の意思で幸せだっていえるよ なあ僧侶」

女「そうですね 勇者」

845: 2012/02/13(月) 02:05:07.78 ID:uftLUZ4M0




勇者「勇者ポイントシステム?」天使「そですよ」




終わり

848: 2012/02/13(月) 02:05:41.67
おつ
これでやっと寝れる

850: 2012/02/13(月) 02:06:40.95 ID:uftLUZ4M0

天界編とか書きたかったけど 時間がないのでこれで終わりです
最後の方はダラダラしちゃったけど 最後まで読んでくれた人ありがとうございました
カレー勇者や辺境村の人と同じなので そっちも機会があったら呼んでみてください

それではありがとうございました

851: 2012/02/13(月) 02:07:17.95

引用元: 勇者「勇者ポイントシステム?」天使「そですよ」