5: 2011/06/12(日) 18:10:40.92 ID:y58ufRM50
紬「夏休みに私とりっちゃんと2人で出かけたことは知ってるでしょ?」
紬「あの時はすっごく楽しくて、りっちゃんのこといっぱい知れたのね」
紬「それで思ったんだけど、私ってみんなで遊ぶことはあっても
2人きりで遊ぶことはあんまりないじゃない?」
紬「もう3年生だし、みんなのこともっともっと知りたいの」
紬「だからね、今度2人で遊んでほしいなぁって」
紬「いい?澪ちゃん」
紬「あの時はすっごく楽しくて、りっちゃんのこといっぱい知れたのね」
紬「それで思ったんだけど、私ってみんなで遊ぶことはあっても
2人きりで遊ぶことはあんまりないじゃない?」
紬「もう3年生だし、みんなのこともっともっと知りたいの」
紬「だからね、今度2人で遊んでほしいなぁって」
紬「いい?澪ちゃん」
7: 2011/06/12(日) 18:12:19.50 ID:y58ufRM50
澪「う、うん、いいけど。それ言うためにわざわざ呼び出したのか?」
紬「あ、ごめんね・・・・・・」
澪「違う違う!そうじゃなくて!」
澪「断るわけないだろ、ムギの頼みを
そんなに申し訳なさそうに言うなってことだよ」
紬「じゃ、じゃあ・・・・・・」
澪「あぁ、遊ぼう、2人で」
紬「ほんと!?やった!やったぁ!」
澪「大袈裟だなぁ」
11: 2011/06/12(日) 18:13:56.19 ID:y58ufRM50
澪「それにしても、律と遊んだのって夏休みだからもうずいぶん前じゃないか
その間ずっと考えてたのか?」
紬「あのね、遊べたらいいなぁとは思ってたんだけどね
夏期講習で忙しかったし、受験勉強もあるから言いづらかったの・・・・・・」
澪「そっか、もう冬になっちゃったな・・・・・・」
紬「うん、寒くなったらなんだか寂しくなってきちゃって」
紬「でも大変な時期だし、やっぱり迷惑よね・・・・・・」
澪「だからそんなことないって」
14: 2011/06/12(日) 18:15:49.87 ID:y58ufRM50
澪「あのな、ムギと2人で遊んだって律から聞いたとき
なんで私も誘わなかったんだって律に怒鳴っちゃったんだ」
澪「私もムギと遊びたいって思ってたんだよ」
澪「だから迷惑じゃない、迷惑なんかじゃないよ」
紬「ふふ、ありがとう澪ちゃん、やっぱり澪ちゃんは優しいね」
澪「へ?い、いや、そんなこと・・・・・・ないって」
紬「そうなの?」
澪「そうなの!そうだ、ほら、予定決めないとだろ」
20: 2011/06/12(日) 18:18:09.24 ID:y58ufRM50
紬「そうね、澪ちゃんは行きたいところある?」
澪「いや、ムギの行きたいところでいいよ」
澪「あ、でも、私は律みたいに遊べる場所たくさん知ってるわけじゃないんだ」
紬「あのね、澪ちゃん。ひとつ聞きたいんだけど」
澪「うん」
紬「2年生の冬の日に1人で海に行って、詩を考えてたよね?」
澪「え?あ、あれは結果的に失敗だったって言うか、寒かっただけだし・・・・・・」
紬「ううん!私はすっごくかっこいいって思ったの」
紬「なんていうか、大人の女性って感じで」
澪「そう・・・・・・かな?」
澪「いや、ムギの行きたいところでいいよ」
澪「あ、でも、私は律みたいに遊べる場所たくさん知ってるわけじゃないんだ」
紬「あのね、澪ちゃん。ひとつ聞きたいんだけど」
澪「うん」
紬「2年生の冬の日に1人で海に行って、詩を考えてたよね?」
澪「え?あ、あれは結果的に失敗だったって言うか、寒かっただけだし・・・・・・」
紬「ううん!私はすっごくかっこいいって思ったの」
紬「なんていうか、大人の女性って感じで」
澪「そう・・・・・・かな?」
26: 2011/06/12(日) 18:21:15.66 ID:y58ufRM50
紬「うん!それでね、こういうことよくやってるの?」
澪「あ、うん。たまに・・・・・・」
紬「どんなことしてるの?」
澪「あ~、え~と、遠くの町まで行って」
紬「うんうん!」
澪「海の見えるカフェとか探して、1日中本読んだり、詩を考えたりとか・・・・・・」
紬「かっこいい!!」
澪「えぇ!?」
30: 2011/06/12(日) 18:23:23.23 ID:y58ufRM50
紬「私も同じことしたい!」
澪「でもずっと同じところにいるんだぞ、いいのか?」
紬「すっごく楽しそう!」
澪「そっか、ムギがしたいならそうしよっか」
紬「ありがとう、澪ちゃん!」
澪「あぁ、じゃあいつにしようか。もうすぐ冬休みだし、それからならいつでも暇なんだけど」
紬「そうね、じゃあ今度の土曜日は?大丈夫?」
澪「大丈夫だよ。じゃあ今度の土曜日駅前に・・・・・・9時でいいか?」
紬「はい!私すっごく楽しみにしてます!うふふ~」
澪「私も楽しみにしてるよ」
紬「ほんとにありがとうね澪ちゃん!」
澪「うん、じゃあ土曜日にな」
紬「うん!」
37: 2011/06/12(日) 18:26:10.26 ID:y58ufRM50
―――――――
―――
澪「はぁ、早く来すぎたかな、ムギはまだ来てないし」
澪「8時半・・・・・・か」
澪「・・・・・・土曜日の朝も駅前は人がけっこういるなぁ
普段来ないからわからなかったけど」
澪「・・・・・・さむ」
紬「わっ!!」
澪「ひぃ!!?」
澪「ム、ムギ!?」
41: 2011/06/12(日) 18:29:04.28 ID:y58ufRM50
紬「ふふ、澪ちゃん驚いた?」
澪「もう!やめてくれよ、こういうのは!律じゃないんだからさ」
紬「ごめんなさいね、澪ちゃん」
澪「これきりにしてくれよな」
紬「うん、それでね澪ちゃん・・・・・・」
澪「え?あ、あぁ、そうか・・・・・・・」
澪「え~と、いいかげんせい」
紬「あいたぁ~」
紬「ぶってもらっちゃった~」
澪「はぁ、まったく変なやつだよ」
55: 2011/06/12(日) 18:31:58.20 ID:y58ufRM50
―――――――
―――
紬「飲み物も買ったし、お菓子も300円以内!準備万端!」
澪「まるで遠足だな」
紬「あとは出発を待つだけね」
澪「ここから2時間くらいだから、まぁゆっくり景色でも観ながらだな」
紬「ふふ、なんだか合宿を思い出しちゃった」
澪「あ~1年のときムギが寝言言ってたなぁ」
紬「うそっ!?私なんて言ってた!?へんなこと言ってない!?」
澪「たしか、ゲル状がどうとか・・・・・・」
紬「なぁに?それ」
澪「さぁ?」
―――
紬「飲み物も買ったし、お菓子も300円以内!準備万端!」
澪「まるで遠足だな」
紬「あとは出発を待つだけね」
澪「ここから2時間くらいだから、まぁゆっくり景色でも観ながらだな」
紬「ふふ、なんだか合宿を思い出しちゃった」
澪「あ~1年のときムギが寝言言ってたなぁ」
紬「うそっ!?私なんて言ってた!?へんなこと言ってない!?」
澪「たしか、ゲル状がどうとか・・・・・・」
紬「なぁに?それ」
澪「さぁ?」
57: 2011/06/12(日) 18:34:28.94 ID:y58ufRM50
―――――――
―――
紬「着いたぁ~」
澪「着いたなー」
澪「はー、毎度ながら不思議な感覚だなぁ」
紬「不思議な感覚?」
澪「うん、なんていうかさ、自分が知らない町でも
人が住んでてさ、それぞれの人生があるんだよなぁって」
紬「あ、その気持ちはわかるわ」
澪「私たちがさ、今日こうしてここに来る来ないにかかわらずさ
ここに住む人たちには関係なくっていつも通り町は廻ってるんだよなぁって」
澪「いつもそんなことを思うよ」
紬「うふふ、澪ちゃんはやっぱり詩人ね」
澪「う、忘れてくれ。恥ずかしいこと言った気がする・・・・・・」
62: 2011/06/12(日) 18:36:36.07 ID:y58ufRM50
―――――――
―――
紬「ねぇ澪ちゃん、あとどのくらいで着くの?」
澪「もう少しで着くよ、けっこう歩いたからな。疲れたか?」
紬「ううん、大丈夫」
澪「もうすぐそこの景色が開けて海が見えてくるんだ、そしたらすぐだよ」
紬「そっかぁ、なんだかわくわくしてきた~」
澪「あー、ほら見えてきた見えてきた」
紬「ほんと!?どこどこ!?」
澪「こっちこっちほら、見えるだろ?」
紬「あーほんと。海ね」
澪「海だろ?」
―――
紬「ねぇ澪ちゃん、あとどのくらいで着くの?」
澪「もう少しで着くよ、けっこう歩いたからな。疲れたか?」
紬「ううん、大丈夫」
澪「もうすぐそこの景色が開けて海が見えてくるんだ、そしたらすぐだよ」
紬「そっかぁ、なんだかわくわくしてきた~」
澪「あー、ほら見えてきた見えてきた」
紬「ほんと!?どこどこ!?」
澪「こっちこっちほら、見えるだろ?」
紬「あーほんと。海ね」
澪「海だろ?」
64: 2011/06/12(日) 18:39:50.75 ID:y58ufRM50
紬「冬の海ってじっくり見たことないから、不思議な感じ」
紬「なんていうか、吸い込まれそうっていうか・・・・・・」
澪「うん、わかるよ」
紬「痛そうっていうか・・・・・・」
澪「え?それはちょっとわからないかなぁ」
紬「そう?」
澪「うん。あ、ほらあそこ目的の場所」
紬「着いたのね」
澪「それじゃあ、さっそく入ろうか」
紬「えぇ」
66: 2011/06/12(日) 18:41:37.70 ID:y58ufRM50
紬「へぇ~ここがそうなのね」
澪「落ち着いてて、いい雰囲気だろ?」
紬「ほんとね~」
澪「じゃあ何か飲み物頼むか。なににする?」
紬「ん~、澪ちゃんと同じのにしようかなぁ」
澪「そっか、紅茶でいいか?いつも飲んでるんだ」
紬「うん、それでお願い」
澪「落ち着いてて、いい雰囲気だろ?」
紬「ほんとね~」
澪「じゃあ何か飲み物頼むか。なににする?」
紬「ん~、澪ちゃんと同じのにしようかなぁ」
澪「そっか、紅茶でいいか?いつも飲んでるんだ」
紬「うん、それでお願い」
68: 2011/06/12(日) 18:43:38.55 ID:y58ufRM50
澪「それでムギは今日なに持ってきたんだ?本とか?」
紬「うん、何冊かね。澪ちゃんは?」
澪「私も本かな、あとは作詞用のノートを」
紬「あ、書けたら見せてー」
澪「あぁ、出来が良かったらな・・・・・・」
紬「楽しみにしてまーす」
紬「うん、何冊かね。澪ちゃんは?」
澪「私も本かな、あとは作詞用のノートを」
紬「あ、書けたら見せてー」
澪「あぁ、出来が良かったらな・・・・・・」
紬「楽しみにしてまーす」
72: 2011/06/12(日) 18:46:27.72 ID:y58ufRM50
澪「さて、飲み物も出てきたし
ここから各自本を読んだり、まぁ私は詩を考えたり、自分の世界に没頭するわけだけど」
紬「うん?」
澪「ムギはそれで本当によかったのか?退屈しないか?」
紬「あのね、澪ちゃん。こうして海の見えるカフェでお茶しながら本を読んでね
読むのに疲れて、ふと顔をあげたら澪ちゃんが作詞をしてる
それってとっても素敵なことだし、すごく落ち着くと思うの」
紬「だから、退屈なんてしないわ。ね?」
澪「そっか、ふふ」
澪「それじゃあ。はじめるとするか」
紬「えぇ」
ここから各自本を読んだり、まぁ私は詩を考えたり、自分の世界に没頭するわけだけど」
紬「うん?」
澪「ムギはそれで本当によかったのか?退屈しないか?」
紬「あのね、澪ちゃん。こうして海の見えるカフェでお茶しながら本を読んでね
読むのに疲れて、ふと顔をあげたら澪ちゃんが作詞をしてる
それってとっても素敵なことだし、すごく落ち着くと思うの」
紬「だから、退屈なんてしないわ。ね?」
澪「そっか、ふふ」
澪「それじゃあ。はじめるとするか」
紬「えぇ」
75: 2011/06/12(日) 18:49:09.82 ID:y58ufRM50
澪「・・・・・・」
紬「・・・・・・」
澪「・・・・・・」
紬「・・・・・・」
澪「・・・・・・」
紬「・・・・・・」
澪「・・・・・・」
紬「ねぇ、澪ちゃん」
澪「どうした?」
紬「今はなにをしてるの?」
澪「今は詩を考えてるよ」
紬「そっか」
澪「うん」
84: 2011/06/12(日) 18:52:23.08 ID:y58ufRM50
紬「・・・・・・」
澪「なぁ、ムギ」
紬「なぁに?澪ちゃん」
澪「今はなにをしてるんだ?」
紬「今は海を見てるわ」
澪「そっか」
紬「うん」
澪「・・・・・・まだ痛そうに見えるか?海」
紬「今は・・・・・・ちょっと遠いからわからないかな」
澪「そっか」
紬「うん」
――――――――――――――――
――――――――――――
――――――――
―――
澪「なぁ、ムギ」
紬「なぁに?澪ちゃん」
澪「今はなにをしてるんだ?」
紬「今は海を見てるわ」
澪「そっか」
紬「うん」
澪「・・・・・・まだ痛そうに見えるか?海」
紬「今は・・・・・・ちょっと遠いからわからないかな」
澪「そっか」
紬「うん」
――――――――――――――――
――――――――――――
――――――――
―――
92: 2011/06/12(日) 18:53:25.92 ID:y58ufRM50
紬「ちゃん・・・・・・澪ちゃん」
澪「ん・・・・・・」
紬「澪ちゃん起きて」
澪「んう、あれ?私寝ちゃったのか・・・・・・」
紬「うん、もう外暗くなってきちゃったし。そろそろ帰りましょうか」
澪「あぁ、ごめんな。寝ちゃうなんて・・・・・・」
紬「澪ちゃん、すっごく気持ちよさそうにしてたわ」
澪「ん、なんかすごくいい夢を見てたような・・・・・・」
澪「ん・・・・・・」
紬「澪ちゃん起きて」
澪「んう、あれ?私寝ちゃったのか・・・・・・」
紬「うん、もう外暗くなってきちゃったし。そろそろ帰りましょうか」
澪「あぁ、ごめんな。寝ちゃうなんて・・・・・・」
紬「澪ちゃん、すっごく気持ちよさそうにしてたわ」
澪「ん、なんかすごくいい夢を見てたような・・・・・・」
101: 2011/06/12(日) 18:55:08.46 ID:y58ufRM50
紬「どんな夢?」
澪「忘れちゃったみたいだ、とにかくすごくいい夢だったよ」
紬「そっかぁ。あ、澪ちゃんおでこ赤くなってる~」
澪「え!?み、見ないでくれ!」
紬「大丈夫よ。ほら、前髪で隠れるから」
澪「あ、そうか」
紬「じゃあ行きましょうか」
澪「あぁ」
105: 2011/06/12(日) 18:56:30.53 ID:y58ufRM50
澪「うぅ、外すっかり寒くなってるじゃないか・・・・・・。海辺だから風も強いし」
紬「澪ちゃん、大丈夫?」
澪「ん、大丈夫」
紬「・・・・・・」
澪「・・・・・・」
澪「なぁムギ」
紬「うん?」
澪「今日は楽しかったよ」
紬「私も楽しかったわ」
澪「・・・・・・あのさ」
紬「うん」
109: 2011/06/12(日) 18:57:53.75 ID:y58ufRM50
澪「なんていうか、軽音部はさ
律や唯がいつもふざけてるから、私がしっかりしなきゃって思うんだ」
澪「もちろん、それが嫌ってわけじゃないし。軽音部には必要だとも思ってるよ」
澪「梓は後輩だから弱いところは見せられないし、私が甘えられるのはムギだけなんだよな~って」
澪「それにさ、ムギといっしょにいると落ち着くって言うか・・・・・・なんというか・・・・・・」
澪「あー、つまりこれからもよろしくなって・・・・・・言おうと・・・・・・思って・・・・・・その」
律や唯がいつもふざけてるから、私がしっかりしなきゃって思うんだ」
澪「もちろん、それが嫌ってわけじゃないし。軽音部には必要だとも思ってるよ」
澪「梓は後輩だから弱いところは見せられないし、私が甘えられるのはムギだけなんだよな~って」
澪「それにさ、ムギといっしょにいると落ち着くって言うか・・・・・・なんというか・・・・・・」
澪「あー、つまりこれからもよろしくなって・・・・・・言おうと・・・・・・思って・・・・・・その」
120: 2011/06/12(日) 18:59:31.05 ID:y58ufRM50
紬「ふふ、みーおちゃん!」
澪「うわぁ!ど、どうしたんだよ急に!?」
紬「私の手、あったかいでしょ?」
澪「あ・・・・・・うん、あったかい」
紬「私も澪ちゃんといると落ち着くし、もっともっと甘えてほしいなって思ってるよ?」
紬「だから、私からもよろしくね!」
澪「ふふ、ありがとな」
122: 2011/06/12(日) 19:01:21.47 ID:y58ufRM50
紬「ね、このまま手つないでいこっか?」
澪「えぇ、恥ずかしいよ」
紬「この町には知り合いはいないから大丈夫よ!」
澪「そうかなぁ」
紬「今日書いた詩、今度見せてね」
澪「あぁ、今日はなんだかすごくはかどったんだよ」
紬「そっかぁ、私も作曲がんばるね!」
澪「うん、頼むよ!」
126: 2011/06/12(日) 19:04:31.89 ID:y58ufRM50
琴吹家
紬「は~、今日は楽しかったなぁ」
紬「澪ちゃんと前よりもっと仲良くなれたと思うし」
紬「澪ちゃんかわいかったし、大成功ね!」
紬「次は誰を誘おうかな~」
紬「ん~・・・・・・りっちゃん、かな」
紬「うん!それじゃあさっそくメールメール~」
130: 2011/06/12(日) 19:06:34.09 ID:y58ufRM50
律「ムギ、まだかなぁ」
律「前回、一泡吹かされたからなー」
律「ムギのことだからそろそろ後ろから―――!?」
紬「だーれだ?」
律(きたか・・・・・)
律(っていうかえぇ~、声でバレバレだし・・・・・・)
律「だ、誰だー!やめろー!」
紬「動かないで、動いたら撃つわよ!」
律「えぇ!?それ違うだろ、ムギ!」
134: 2011/06/12(日) 19:08:22.54 ID:y58ufRM50
紬「あれ~、バレちゃった?」
律「当たり前だろ~」
紬「ふふ、ごめんなさいね、りっちゃん。1度やってみたくって」
律「まぁ、それはいいんだけどさー」
紬「待たせちゃったかしら?」
律「いや、今来たとこだよ」
紬「あ・・・・・・」
律「ん?」
紬「い、今のもう1回言ってみて」
律「え?今来たとこだよ?」
紬「このやりとりって実在したのね・・・・・すごいわ・・・・・・」
律「あの~?つむぎさーん?」
律「当たり前だろ~」
紬「ふふ、ごめんなさいね、りっちゃん。1度やってみたくって」
律「まぁ、それはいいんだけどさー」
紬「待たせちゃったかしら?」
律「いや、今来たとこだよ」
紬「あ・・・・・・」
律「ん?」
紬「い、今のもう1回言ってみて」
律「え?今来たとこだよ?」
紬「このやりとりって実在したのね・・・・・すごいわ・・・・・・」
律「あの~?つむぎさーん?」
137: 2011/06/12(日) 19:11:02.24 ID:y58ufRM50
紬「私ね、今日が楽しみで昨日ぜんぜん眠れなかったの~」
律「え~そんなにか?」
紬「だって水族館って、小さいころ行ったきりでずっと行ってなかったんだもん」
律「へぇー、そういや私も小学校以来だな」
紬「だからね、メールで水族館は?って聞かれたとき、すっごく嬉しかったの!」
律「そっか、それは選んだかいがあったよ」
紬「やっぱり、りっちゃんってエスコートがすごく上手ね!」
律「まだ私なんにもしてないんですけど!?」
141: 2011/06/12(日) 19:12:49.62 ID:y58ufRM50
律「じゃあこっから電車乗ってくからなー」
紬「はーい」
律「切符落とすなよー」
紬「はーい」
律「乗り間違えるなよー」
紬「はーいってりっちゃん、これじゃあエスコートじゃなくてまるで引率よ・・・・・・」
143: 2011/06/12(日) 19:14:54.29 ID:y58ufRM50
律「よーし、着いたぞー」
紬「着いたぞー」
律「すみませーん、高校生2枚くださーい」
紬「くださーい」
律「はい、ムギ」
紬「ありがとう、りっちゃん」
紬「あ、パンフレットもいっしょにもらえるのね」
律「どれどれ、ほ~、けっこう広いなーここ」
紬「ほんとね~、どこから見よっかー」
律「おっ、ムギムギここ見てみ」
紬「え?あっ、すごい!マンボウが見られるのね!」
律「じゃあここから見るかっ!」
紬「はい!是非!」
紬「着いたぞー」
律「すみませーん、高校生2枚くださーい」
紬「くださーい」
律「はい、ムギ」
紬「ありがとう、りっちゃん」
紬「あ、パンフレットもいっしょにもらえるのね」
律「どれどれ、ほ~、けっこう広いなーここ」
紬「ほんとね~、どこから見よっかー」
律「おっ、ムギムギここ見てみ」
紬「え?あっ、すごい!マンボウが見られるのね!」
律「じゃあここから見るかっ!」
紬「はい!是非!」
145: 2011/06/12(日) 19:17:45.79 ID:y58ufRM50
紬「おー・・・・・」
律「ほえ~」
紬「これが生マンボウ・・・・・・なのね」
律「なんていうか・・・・・・」
律紬「おっきい・・・・・・」
律「けっこう迫力あるなぁ・・・・・・」
紬「あ、ここに生態とか載ってるみたい」
律「へぇ、どれどれ」
律「ほえ~」
紬「これが生マンボウ・・・・・・なのね」
律「なんていうか・・・・・・」
律紬「おっきい・・・・・・」
律「けっこう迫力あるなぁ・・・・・・」
紬「あ、ここに生態とか載ってるみたい」
律「へぇ、どれどれ」
152: 2011/06/12(日) 19:22:27.84 ID:y58ufRM50
律「マンボウの体内には大量の寄生虫が住み着いており・・・・・・」
紬「!?」
律「うわぁ・・・・・・」
紬「寄生・・・・・・虫・・・・・・」
律「あ、でも寄生虫を振り落とすために海面からジャンプするんだって」
紬「あ、良かった。ちゃんと振り落とせるのね・・・・・・」
律「この時、着水の衝撃で死に至ることもある・・・・・・」
紬「あぁ・・・・・・」
律「・・・・・・」
156: 2011/06/12(日) 19:27:45.27 ID:y58ufRM50
律「・・・・・・あー、えっと」
紬「・・・・・・・・・・・・写真」
律「え?」
紬「写真とりましょう!カメラ持ってきたの!」
律「あ、あぁ!記念にな!」
紬「ほら、これ!」
律「おぉ!デジカメじゃん!」
紬「そうなの!一緒に撮りましょう!」
律「よっしゃあ!そんじゃあ、そのへんの人に頼んで・・・・・・すみませーん」
紬「カメラお願いしてもよろしいですか?」
紬「えぇ、マンボウをバックに、はい。お願いします」
159: 2011/06/12(日) 19:35:34.81 ID:y58ufRM50
律紬「ありがとうございましたー」
律「どう?ちょっと見てみようぜ」
紬「うん」
律紬「・・・・・・」
律紬「プッ・・・・・・ブハァ!」
紬「り、りっちゃん顔引きつりすぎ~~」
律「ム、ムギこそ、なんで顔だけマンボウのまねしてるんだよ~~!」
紬「だ、だってまねしようかどうか迷ってるうちに撮られちゃって・・・・・・」
律紬「ぷっ、あははははははははは」
165: 2011/06/12(日) 19:43:09.50 ID:y58ufRM50
律「は~、笑った笑った」
紬「ほんと、お腹いた~い」
律「はー、マンボウもいろいろ苦労してるんだなぁ」
紬「普段はのほほんとしてるのにね」
律「次はどこいくー?」
紬「ん~と、あ!イルカショーもうすぐやるみたい!行ってみましょう!」
律「おぉ!いいね!」
168: 2011/06/12(日) 19:50:19.55 ID:y58ufRM50
紬「すごいすごーい!見て見てりっちゃん!」
律「見てる見てる」
紬「わっかくぐってる!ジャンプしてるよ~!」
律「はいはい、すごいなー」
紬「ね、ねぇ、えさ上げる人募集してるみたい!私いっても大丈夫かな?」
律「えぇ!?あーいうのはちっちゃい子どもがやるもんじゃないのか?」
紬「そっかぁ、そうよね」
律「でも、ムギがやりたいんだったら」
紬「ううん、いいの。子どもたちの楽しみを奪っちゃまずいわ」
律「そっか」
174: 2011/06/12(日) 19:57:27.69 ID:y58ufRM50
紬「ねぇ、りっちゃん。このふれあい広場ってなあに?」
律「んー、これは、そこにいる動物を触ってもいいよって場所だな」
紬「おもしろそう!行ってもいい?」
律「あぁ、いいよ」
176: 2011/06/12(日) 20:05:06.71 ID:y58ufRM50
紬「りっちゃん、この生き物はなんて言うの?」
律「うん、なまこだな。これは」
紬「なまこ・・・・・・」
律「なまこ」
紬「触ってみる」
律「え?平気か?ちょっと気持ち悪くないか?こいつ」
紬「だってふれあい広場だし・・・・・・」
律「まぁ、そうだけど」
紬「つんつん」
律「どう?」
紬「なんだかぐにぐにしてる。りっちゃんも触る?」
律「うん。ほんとだ、ぐにぐにしてるな」
紬「ぐにぐに」
律「ぐにぐに」
178: 2011/06/12(日) 20:12:37.53 ID:y58ufRM50
紬「りっちゃんこっちこっち」
律「んー、クラゲ?」
紬「うん、すっごく綺麗じゃない?」
律「そうだなー、けっこう種類いるんだな。クラゲって」
紬「そうね、この子なんてちっちゃくてかわいいなぁ」
律「なぁなぁ、ムギ」
紬「なぁに?りっちゃん」
律「クラゲのまねできるか?」
紬「えっ?クラゲの・・・・・・」
律「さすがのムギでもこれは―――」
紬「やってみるわ!りっちゃん!」
律「おぉ!」
紬「・・・・・・」ウネウネ
律「・・・・・・」
181: 2011/06/12(日) 20:20:31.31 ID:y58ufRM50
律「さーて、次はどこに行こうかー」
紬「スルー!?スルーなの!?」
律「あはは、ごめんごめん」
紬「もう!りっちゃんなんて知らない!」
律「悪かったって~」
紬「・・・・・・りっちゃんのクラゲも見たいな~」
律「えぇっ!私のー!?」
205: 2011/06/12(日) 22:02:53.00 ID:y58ufRM50
紬「だめ?」
律「う、わかったよ~」
紬「ふふ、じゃあどうぞ!」
律「ええと・・・・・・」ウネウネ
紬「・・・・・・」
紬「あの・・・・・・ごめんね?」
律「いや・・・・・・」
208: 2011/06/12(日) 22:10:55.26 ID:y58ufRM50
紬「つ、次はペンギンのコーナーに行ってみましょう!」
律「よ、よっしゃあ!気をとりなおしてな!」
律「いくぞーっ!」
紬「おー!」
210: 2011/06/12(日) 22:17:43.28 ID:y58ufRM50
紬「コウテイペンギンだって~」
律「聞いたことあるぞー、名前だけ」
紬「赤ちゃんかわいい~」
紬「毛がふさふさで、モフモフしたいなぁ」
律「なーんか歩き方がまさしくペンギンって感じだな」
紬「ペタペタって音がしそうね」
213: 2011/06/12(日) 22:26:55.76 ID:y58ufRM50
律「なぁなぁ、あそこでゴロゴロしてるの唯みたいじゃないか?」
紬「え?どこどこ?」
律「ほら、あそこ」
紬「ほんとだ~」
紬「それじゃあ、あっちのはじっこにいるのは澪ちゃんかしら」
律「それっぽいなー。んじゃあ、あのツンツンしてそうなのは梓だな!」
紬「なにそれ~」
紬「え?どこどこ?」
律「ほら、あそこ」
紬「ほんとだ~」
紬「それじゃあ、あっちのはじっこにいるのは澪ちゃんかしら」
律「それっぽいなー。んじゃあ、あのツンツンしてそうなのは梓だな!」
紬「なにそれ~」
214: 2011/06/12(日) 22:32:18.37 ID:y58ufRM50
―――――――
―――
律「ムギー、そろそろ帰る時間じゃないか?電車もあるし」
紬「あ、そうね。もうこんな時間・・・・・・」
律「あんまり遅くなるとあれだしな」
紬「うん。ねぇ、りっちゃん最後にひとついい?」
律「ん?なに?」
―――
律「ムギー、そろそろ帰る時間じゃないか?電車もあるし」
紬「あ、そうね。もうこんな時間・・・・・・」
律「あんまり遅くなるとあれだしな」
紬「うん。ねぇ、りっちゃん最後にひとついい?」
律「ん?なに?」
218: 2011/06/12(日) 22:39:05.59 ID:y58ufRM50
律「ほら、ムギ。もうちょっとくっつけって」
紬「え、ええ。これでいい?」
律「うーん。これじゃあ私たちしか映らないな」
律「ちょっとかがんでみるか」
紬「どう?」
律「ばっちし!ペンギンも映ってるよ」
律「じゃあ撮るぞー」
紬「は、はい!」
律「はい、チーズ」
219: 2011/06/12(日) 22:47:32.63 ID:y58ufRM50
電車内
紬「りっちゃん、今日はすごく楽しかったわ。本当ありがとうね」
律「そっか、私も楽しかったよ」
紬「こんな時期に誘って迷惑じゃなかった?」
律「そんなことないって、私も息抜きしたかったしさー」
律「ま、実際息抜きばっかなんだけど」
律「ムギと2人で遊んだの夏休み以来だったし」
紬「次はいつこうして遊べるかしらね」
律「ん~どうだろ、受験終わってからかもなぁ」
紬「そうよね・・・・・・」
律「ん~、寂しいのか~?」
紬「うん。寂しい、かな」
律「ムギ・・・・・・」
221: 2011/06/12(日) 22:53:52.32 ID:y58ufRM50
律「なぁ、ムギ。去年の学園祭前のこと覚えてるか?」
律「私が風邪ひいて練習に出られなかったときのこと」
紬「うん」
律「さわちゃんが代わりのドラム探したら?って提案したときにさ、ムギが言った言葉」
律「りっちゃんの代わりはいませんって」
律「後から澪に聞いた話なんだけどな」
律「私さ、そのことを聞いたときすっげー嬉しかったんだ」
223: 2011/06/12(日) 23:00:30.04 ID:y58ufRM50
律「りっちゃんの代わりはいません」
律「自然と元気付けられるっていうか、ここにいていいんだって思えるっていうかさー、あはは」
律「あれ?私なに言ってんだろ、こんなこと言うつもりじゃ」
律「だぁー!今のは忘れてくれ!ムギ!」
紬「ふふ、だめですー。ぜったーい忘れないからね」
紬「りーっちゃん!」ギュー
律「ム、ムギ!?どうしたんだよ~そういうのは梓とかにやりなしゃい」
紬「ふふ、りっちゃんの代わりはいませ~ん」
律「こ、こら、ムギ~」
229: 2011/06/12(日) 23:08:52.06 ID:y58ufRM50
琴吹家
紬「楽しかった、すっごくすっごく楽しかった~~」
紬「りっちゃんたらあの後、自分が降りる駅を乗り過ごしてまで私を送ってくれるんだもん」
紬「あんなに悪いわって断ったのに・・・・・・」
紬「優しすぎるわ・・・・・・」
紬「ふふ、りっちゃんとの思い出また増えちゃった~」
紬「りっちゃんの代わりはいません」
紬「あんなふうに思っててくれてたなんて、嬉しかったなぁ」
紬「こんなに幸せになっていいのかしら・・・・・・」
紬「次は唯ちゃんか梓ちゃんだけど」
紬「そうね、梓ちゃんを誘っちゃおうかなぁ」
紬「メールメールっと」
233: 2011/06/12(日) 23:16:12.31 ID:y58ufRM50
梓「ふぅ、一通り掃除したし。これで大丈夫かな」
梓(それにしても、ムギ先輩がうちに来るなんて・・・・・・)
梓(けっこういきなりだったし、どうしたんだろ)
梓(ちょっと緊張するなぁ・・・・・・)
ピンポーン
梓「あ、来たかな」
梓「はーい」
梓「いらっしゃいです」
紬「こんにちは~」
梓「どうぞ、あがってください」
紬「おじゃましま~す」
236: 2011/06/12(日) 23:22:23.01 ID:y58ufRM50
梓「今日も寒いですね。外はどうでした?」
紬「うん、ちょっと風が強かったかな」
梓「やっぱり迎えに行ったほうが良かったですかね」
紬「ううん、場所は知ってたし。梓ちゃん寒いの苦手でしょ?」
梓「すみません、なんか気を使わせちゃって」
紬「気にしないで」
梓「それじゃあ、こっちです。ムギ先輩うち来るの初めてですよね」
紬「そうね、遊ぶときはいつも唯ちゃんの家だったから」
梓「そうですよね」
紬「梓ちゃん家にはレコードがたくさんあるって聞いて楽しみだったの~」
239: 2011/06/12(日) 23:27:39.14 ID:y58ufRM50
梓「あ、今お茶持ってきますね」
紬「手伝おっか?」
梓「いえ、いつも淹れてもらってますし」
梓「ムギ先輩のみたいにおいしく淹れられるかわかりませんけど」
紬「そっか、じゃあ楽しみにしてるね」
梓「はい。それじゃあ適当にくつろいでてください」
紬「は~い」
243: 2011/06/12(日) 23:34:03.91 ID:y58ufRM50
梓(とは言ったものの)
梓(ムギ先輩の口に合うかな・・・・・・)
梓(やっぱり手伝ってもらえばよかったかも)
梓「お待たせしました」
紬「いただきま~す」
梓「どうですか?」
紬「ん、おいしいよ」
梓「そうですか、よかったです」
246: 2011/06/12(日) 23:42:23.07 ID:y58ufRM50
梓「えっと、それじゃあなにしましょうか」
梓「うち、あんまり遊ぶものとかないんですけど」
紬「うん、あのね、今日は梓ちゃんにギター教えてもらおうと思って」
梓「あ、そうでしたか。それならお安い御用です」
紬「お願いしま~す」
梓「はい!それじゃあうちにあるギター使って一緒に練習しましょうか」
250: 2011/06/12(日) 23:51:27.21 ID:y58ufRM50
梓「どこかわからないところあったら聞いてくださいね」
紬「うん、ねぇ梓ちゃん。これなんだけど・・・・・・」
梓「はい、そうですね・・・・・・これは・・・・・・」
梓「コツは手首の力を抜いてブラブラさせる感じです」
紬「ブラブラ?」
梓「はい!腕を振る勢いで手首をこう・・・・・・ブラブラ~っと」
紬「こう?」
梓「ん~まずはギターを持たずにやってみましょうか」
紬「うん」
梓「空中にこんな感じでブラブラっと」
紬「ブラブラ・・・・・・」
梓「そうですそうです!そんな感じです!ブラブラ」
紬「ブラブラ」
梓「ブラブラ」
254: 2011/06/12(日) 23:58:32.48 ID:y58ufRM50
紬「ありがと梓ちゃん!教えるの上手よね!」
梓「いえ、そんな。ムギ先輩の飲み込みが早いんですよ」
紬「そう?」
梓「そうですよ」
梓(唯先輩もムギ先輩くらい真面目にやってくれればいいのになぁ)
梓(ムギ先輩、一生懸命やってくれるし教えてて楽しい・・・・・・)
梓(ギターもすごい似合っててかっこいいし、トリプルギターなんてできるようになったりしたら・・・・・・)
紬「梓ちゃん?」
梓「え!?はいっ!なんでしょうか!?」
紬「えっと、次はどうすればいいのかなって」
梓「あ、そうですよね!次はですね・・・・・・」
257: 2011/06/13(月) 00:05:02.97 ID:dgtw8uN10
―――――――
―――
紬「ふぅ、ちょっと指が痛くなってきちゃった」
梓「それじゃあ今日はこのへんにしておきましょう」
紬「はーい」
紬「梓ちゃんは指痛くならないの?」
梓「ええ、私は慣れてますし」
紬「やっぱりギターは痛みに耐えられるようになるのが重要なのね・・・・・・」
梓「だから違いますって」
262: 2011/06/13(月) 00:12:33.79 ID:dgtw8uN10
梓「そういえば先輩」
紬「なぁに?」
梓「どうしてギターを練習しようと思ったんですか?」
紬「だってかっこいいじゃない?」
梓「え?それだけですか!?」
紬「あとは、弾けるようになったら作曲のときの参考になるかな~って」
紬「本当はベースやドラムもできたほうがいいかなって思うんだけど」
梓「すごい・・・・・・やっぱりムギ先輩はすごいです・・・・・・」
紬「へ?そんなこと・・・・・・」
梓「だって作曲だってほとんど1人でやってるのにその上各パートの練習もだなんて・・・・・・」
266: 2011/06/13(月) 00:17:51.56 ID:dgtw8uN10
梓(考えてもみれば、あのレベルの曲を作るのは並大抵の努力じゃ足りないと思うし)
梓(バンド経験は高校からみたいだからかなり勉強したんだろうな)
梓(そもそもティータイムだって全部ムギ先輩が用意したものだし)
梓(もしかして軽音部ってムギ先輩がいなかったら崩壊するんじゃ・・・・・・!)
梓(考えれば考えるほど軽音部にとってのムギ先輩の存在の大きさが浮き彫りに・・・・・・)
268: 2011/06/13(月) 00:22:37.49 ID:dgtw8uN10
紬「梓ちゃん?」
梓「あっ!はい!すみません、ボーっとして」
梓「えと、休憩しましょうか、お茶いれますね」
紬「あ、ねぇ、やっぱり手伝わせて?お願い」
梓「え?はい、私はかまいませんけど」
梓「そうだ、あの!お茶の淹れ方教えてもらってもいいですか?」
紬「もちろん、いいわよ」
梓「はい!お願いします!」
271: 2011/06/13(月) 00:29:01.81 ID:dgtw8uN10
紬「それじゃあまずはお湯を沸かしましょうか」
梓「はい、えと、あの。一応ミネラルウォーターならうちにあるんですけど使いますか?」
紬「ううん、水道水でいいのよ」
梓「そうですか」
紬「あ、電子レンジ借りるわね」
梓「はい、どうぞ」
紬「こうやってポットを温めておくの」
梓「へぇ~」
272: 2011/06/13(月) 00:32:47.17 ID:dgtw8uN10
紬「梓ちゃんはミルクティーでよかったかしら?」
梓「あ、はい。あの、いつもは先にミルクを入れるのに今日はそうしないんですか?」
紬「今日はいつもと違うから後から調整できたほうがいいかと思って」
梓「そうなんですか」
梓(いろいろ工夫してるんだなぁ・・・・・・)
紬「あ・・・・・」
梓「どうかしましたか?ムギ先輩」
紬「外、雨降ってきたみたい」
梓「ほんとですね、けっこう本格的に降りそうです」
275: 2011/06/13(月) 00:38:39.33 ID:dgtw8uN10
梓「ん・・・・・・」
梓「あ、おいしい」
紬「ふふ、よかった」
梓「淹れ方ひとつでこんなに変わるものなんですね」
紬「梓ちゃんにおいしく飲んでもらいたかったから」
梓「いつもこんな苦労してらしたんですね。知りませんでした」
紬「苦労なんかじゃないわ。私が好きでやってることだから」
梓「そうですか・・・・・・」
梓(ほんとすごいな、この先輩)
378: 2011/06/13(月) 17:03:12.04 ID:G28WNJ5I0
紬「ね、梓ちゃん。レコード見てもいい?」
梓「はい、どうぞ。好きに見てください」
紬「ふむふむ」
梓「気になったのがあったらかけてみましょうか」
紬「いいの?」
梓「いいですよ、もちろん」
紬「でも、ジャズって私あまり詳しくなくって」
梓「確かにあまりポピュラーではないですもんね」
紬「あ、ビートルズとかストーンズもあるのね」
381: 2011/06/13(月) 17:11:47.92 ID:G28WNJ5I0
紬「梓ちゃん、これお願いしてもいいかな」
梓「はい、それではちょっと待ってくださいね」
紬「うん」
梓「確かこのアルバムの2曲目って最近映画の主題歌になりましたよね」
紬「そうなの、それでちょっと気になって」
梓「今かけますね」
384: 2011/06/13(月) 17:17:46.09 ID:G28WNJ5I0
梓「・・・・・・」
紬「・・・・・・」
梓「なんか、いいですね」
梓「こうしてお茶飲みながらレコードを聴いて」
梓「外は雨が降ってますけど、またそれがいいと言うか」
梓「なんだか物語の世界のできごとみたいです」
紬「そうね」
387: 2011/06/13(月) 17:26:48.58 ID:G28WNJ5I0
梓「この部屋だけ世界中から切り取られたみたいですね」
梓「聴こえるのは音楽と雨の音だけで・・・・・・」
紬「梓ちゃん文学少女みたいなことを言うのね」
梓「そんな、ちょっと感傷的になってるだけです」
紬「・・・・・・」
梓「・・・・・・」
388: 2011/06/13(月) 17:34:56.93 ID:G28WNJ5I0
梓「・・・・・・私、たまに妙な気分になるんですよ」
梓「普段はならないんですけど、長期休暇にずっと1人でいると、たまに」
梓「自分がどこにいるのかわからなくなるっていうか、そんな気分になるんです」
梓「もちろん自分が家にいて、なにをしてるかっていうのはわかるんですけど」
梓「どうしてここにいるのか、どういう経緯でここにいるのか」
梓「なにが正しくてなにが正しくないのか」
梓「今、自分のしていることに意味があるのか」
梓「もう、なにもかもわからなくなっちゃうんです」
389: 2011/06/13(月) 17:40:06.95 ID:G28WNJ5I0
梓「そうすると漠然と不安になるんです」
梓「1年後とか10年後とか、もっと先のことを考えると、今の自分が無意味に思えてくるというか」
梓「ただただ、気分が沈んでくるんです」
梓「心にぽっかり穴が空くんです」
梓「虚しいとか空虚感とかそんな感じに」
392: 2011/06/13(月) 17:44:17.49 ID:G28WNJ5I0
梓「・・・・・・あ~、えっと」
梓「あ、あの、すみません。意味不明ですよね。変なこと言ってすみません」
梓(なに言ってるんだろ、私)
梓(自分でもわけわかんないよ)
梓(こんなこと言ってもムギ先輩が困るだけなのに)
梓(先輩が迷惑するだけなのに)
梓(ほんと、なに言ってんだろ私・・・・・・)
395: 2011/06/13(月) 17:51:01.87 ID:G28WNJ5I0
紬「梓ちゃん」
梓「は、はい、なんですか?」
紬「そっち、行ってもいい?」
梓「え?そっち?」
紬「隣、座ってもいい?」
梓「あ、あぁ、はい。どうぞ」
396: 2011/06/13(月) 18:01:35.14 ID:G28WNJ5I0
梓「えと、先輩。今のはなんでもなくて、その、気にしないでください」
梓「なんというか、気の迷いというか戯言というかですね・・・・・・」
紬「ねぇ、梓ちゃん」
梓「・・・・・・はい」
紬「ちょっとした昔話、私のね」
梓「ムギ先輩の」
紬「うん」
399: 2011/06/13(月) 18:06:39.58 ID:G28WNJ5I0
紬「私ってほら、いわゆるお嬢様ってやつじゃない?」
紬「自分で言うのも人から言われるのも、あまり好きではないんだけど」
紬「実際お店の人から紬お嬢様、なんて呼ばれることもあるし」
紬「梓ちゃんも聞いたことあるでしょ?」
梓「はい」
紬「小さいころからお嬢様お嬢様って呼ばれて」
紬「ほんと嫌になっちゃうんだけど、それは学校でも同じだったの」
紬「私の通っていた中学校も、そのお嬢様が通う学校だったから」
401: 2011/06/13(月) 18:13:18.53 ID:G28WNJ5I0
紬「そこの生徒は子どものころから英才教育を受けているような子ばっかりで」
紬「私も例外ではなかったの」
紬「親しくしてくれる友達もいたけど、同年代でも会話は敬語が当たり前だった」
紬「梓ちゃん、想像できる?」
梓「いえ、私にはちょっと難しいです」
紬「そうよね」
紬「悪い子たちではないし、今でもたまに連絡をとることもあるんだけど」
紬「当時の私はそれが窮屈で、耐え難かったのね・・・・・・」
403: 2011/06/13(月) 18:19:18.86 ID:G28WNJ5I0
紬「だから高校は無理を言って私に決めさせてもらうことにしたの」
紬「そうして入学したのが桜高」
紬「初めはね、梓ちゃん。とってもとっても不安だったの」
紬「私の普通がまわりの普通と違うことが、とってもね」
紬「けど、私は諦めたくなかったし、決心はしてたから」
紬「なんとか馴染もうと必死だったわ」
紬「それでね、部活に入ろうと思ってたの」
紬「部活に入れば、なんとかなるって」
405: 2011/06/13(月) 18:25:36.29 ID:G28WNJ5I0
紬「それで私が叩いた門が音楽室だったの」
紬「ふふ、そこで初めてりっちゃんと澪ちゃんに会ったのよね」
紬「そのときの2人のやりとりを見てね、安心して泣けてきちゃったの」
紬「ここで良かったんだって、私は間違ってなかったんだって」
紬「この人たちと一緒にいれば大丈夫だって」
梓「そうだったんですか・・・・・・」
紬「今では大正解。当時の自分をほめてあげたいくらい」
407: 2011/06/13(月) 18:30:57.99 ID:G28WNJ5I0
紬「私の居場所はね、もう放課後ティータイムの中なの」
紬「それはきっとみんなも同じ気持ち、1人も欠けることなく」
紬「梓ちゃん、あなたもね」
紬「梓ちゃんの居場所は放課後ティータイムの中にあるし」
紬「放課後ティータイムには梓ちゃんが必要なの」
紬「梓ちゃんは学年がひとつ下だから、寂しい思いや不安な気持ちになるかもしれないけど」
紬「それでもこれだけは覚えていて欲しいの」
紬「私たちには梓ちゃんが必要だし」
紬「梓ちゃんの居場所はいつでもここにあるってこと」
紬「ね、梓ちゃん」
梓「あ・・・・・・」
409: 2011/06/13(月) 18:37:45.54 ID:G28WNJ5I0
梓「・・・・・・はい・・・・・・あの、私」
梓「私、もしかしたら不安だったのかも、しれないです・・・・・・」
梓「先輩たちが、もうすぐ卒業しちゃうから、私だけ、学校に残されるから・・・・・・」
梓「どうして、私だけ学年が違うんだろうって・・・・・・」
梓「どうして、私ばっかり先輩たちを追いかけて、つらい思いしなきゃいけないんだろうって・・・・・・」
梓「ずっと、そんなことばかり、考えて・・・・・・」
梓「でも、先輩たちは、そんなことなくて、先輩たちは・・・・・・」
梓「うっ・・・・・・ひっく、ごめんなさい、ごめんなさい、ひっく・・・・・・」
413: 2011/06/13(月) 18:45:47.77 ID:G28WNJ5I0
紬「おいで、梓ちゃん」
梓「うぅ、ムギ先輩・・・・・・」
紬「大丈夫よ、私たちなら大丈夫よ、ね」
梓「はい・・・・・・はい・・・・・・ひっく・・・・・・」
紬「ずっと一緒だから、これからもずーっと」
梓「せんぱい・・・・・・ぐすっ」
――――――――――――――――
――――――――――――
――――――――
―――
414: 2011/06/13(月) 18:52:24.06 ID:G28WNJ5I0
梓「ふぁ、あれ?私寝ちゃって・・・・・・」
梓(そうだ、ムギ先輩に泣きついてそのまま疲れて寝ちゃったんだ)
梓(あれ?ムギ先輩は?)
梓(あ、私の肩にもたれかかって寝てる・・・・・・)
梓(気持ちよさそうに寝てるなぁ)
梓(呼吸のたびに胸が上下に揺れて・・・・・・)
紬「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」
梓(まつげ長いな・・・・・・)
418: 2011/06/13(月) 18:57:41.82 ID:G28WNJ5I0
梓(髪もふわふわだし)
梓(・・・・・・いいにおいが)
梓(ちょっと触ってみてもいいかな)
梓(ちょっとだけなら・・・・・・いいよね)
梓(わぁ、サラサラだぁ)
紬「・・・・・ふふ」
梓「えっ!?」
421: 2011/06/13(月) 19:04:14.80 ID:5BPgCbn/0
紬「くすぐった~い、梓ちゃん」
梓「お、起きてたんですか!?いつから!?」
紬「え?今起きたのよ」
梓「そうでしたか・・・・・・」
紬「髪、もっと触る?」
梓「うぅ、すみませんでした・・・・・・」
422: 2011/06/13(月) 19:08:10.38 ID:5BPgCbn/0
紬「ふふ、冗談よ」
梓(・・・・・・は、恥ずかしい)
紬「ね、梓ちゃん」
梓「え・・・・・・はい」
紬「雨、小降りになってきたみたい」
梓「そうみたいですね」
424: 2011/06/13(月) 19:13:25.46 ID:5BPgCbn/0
紬「私そろそろ帰るね」
梓「あ、そうですか・・・・・・」
紬「うん、また降り出す前に」
梓「駅ですよね、送ります」
紬「そんな、悪いわ」
梓「私が送りたいんです。いいですよね?」
紬「うん、それじゃあお願いしちゃおっかな」
紬「あ、私傘持ってきてない・・・・・・」
梓「でしたら、うちにあるの使ってください」
梓「えっと、あ・・・・・・ひとつしかない・・・・・・」
紬「あ、それじゃあ―――」
427: 2011/06/13(月) 19:22:03.23 ID:W5iRMtrI0
紬「ふふ、相々傘なんて初めて~」
梓「私もですよ」
紬「ほら梓ちゃん、もっと寄らないと、濡れちゃうよ?」
梓「えぇ、でもこれは寄りすぎですよ」
紬「嫌だった?」
梓「い、いやじゃないですけど・・・・・・その・・・・・・」
紬「?」
梓「あぅ・・・・・・恥ずかしいですよ・・・・・・」
紬「梓ちゃんか~わいー」
梓「んな!からかわないでください!」
431: 2011/06/13(月) 19:28:17.65 ID:W5iRMtrI0
梓「ム、ムギ先輩」
梓「あの、今日はすみませんでした」
梓「みっともないところをお見せしてしまいまして・・・・・・」
紬「梓ちゃん意外と泣き虫さんだったのね」
梓「うぅ、ムギ先輩~」
紬「ふふ、泣いてる梓ちゃんもかわいかったよ?」
梓「も~!」
433: 2011/06/13(月) 19:31:56.46 ID:W5iRMtrI0
紬「それじゃあ梓ちゃんまたね」
梓「はい!今日はありがとうございました!色々と・・・・・・」
紬「えぇ、こちらこそ」
梓「それではムギ先輩」
紬「うん、ばいばーい」
436: 2011/06/13(月) 19:39:00.32 ID:W5iRMtrI0
琴吹家
紬「梓ちゃんは本当にいい子ね」
紬「私の電車が見えなくなるまで手を振ってるなんて・・・・・・」
紬「けなげすぎて・・・・・・梓ちゃん」
紬「やっぱり梓ちゃんも寂しかったんだ・・・・・・」
紬「・・・・・・」
紬「うん」
紬「次は最後になっちゃったけど、唯ちゃんと遊びましょう!」
紬「よ~し!」
446: 2011/06/13(月) 19:59:26.01 ID:W5iRMtrI0
ピンポーン
紬「こんにちは~」
憂「こんにちはー」
憂「お姉ちゃーん!紬さん遊びに来たよ~!」
唯「おぉう!ムギちゃん!いらっしゃ~い」
紬「おじゃましま~す」
447: 2011/06/13(月) 20:07:16.61 ID:W5iRMtrI0
唯「あがってあがって~」
紬「うん」
憂「もうすぐ夕飯できますのでー」
紬「ごめんね、急にお泊りなんて」
唯「ムギちゃんならいつだって歓迎だよ~」
唯「ほれ、おこたにでも入りなさいな」
紬「うん、わぁ、あったか~い」
唯「冬はやっぱりこたつだよね~」
唯「あ、みかん食べる~?」
憂「もう、お姉ちゃん、夕飯もうすぐだって言ったでしょ?」
唯「ひぇ~ごめんなさーい」
紬「ふふふ」
449: 2011/06/13(月) 20:13:40.85 ID:W5iRMtrI0
憂「夕飯できました~」
唯「おぉ!今日もおいしそうだねぇ」
紬「すごーい」
憂「たくさん作りましたからおかわりあったら言ってくださいね」
紬「これを1人で・・・・・・」
唯「そいじゃ、いただきまーす」
紬憂「いただきまーす」
450: 2011/06/13(月) 20:18:16.57 ID:W5iRMtrI0
紬「あ、おいしい~」
唯「おいしいよ~憂~」
憂「よかったぁ」
紬「憂ちゃんはいつでもお嫁さんにいけるわね」
憂「えぇ!?そんなお嫁さんなんて・・・・・・」
唯「だめだよ~、憂にはまだ早い!お姉ちゃんは認めないよ!」
憂「も、もう、お姉ちゃんたら」
紬(かわいい)
451: 2011/06/13(月) 20:23:56.33 ID:W5iRMtrI0
憂「あ、お姉ちゃん、ご飯粒ついてるよ」
唯「え~どこどこ~?取って~」
憂「ここだよ、ぱくっ」
唯「ありがとーうい、えへ~」
憂「えへへ」
紬(・・・・・・すごくかわいい)
唯「ムギちゃんがたまにするうっとりお目目になってる・・・・・・!」
紬「はっ!ごめんなさい」
憂「紬さん?」
紬「ええ!おいしいわよ!おかわりもらえるかしら!?」
憂「え?あ、はい」
453: 2011/06/13(月) 20:28:42.20 ID:W5iRMtrI0
唯「ふい~お腹いっぱーい」
紬「ご馳走様でした~」
憂「お粗末さまでした」
紬「おいしかったわ」
紬「毎日憂ちゃんのご飯が食べられる唯ちゃんは幸せ者ね」
唯「でしょ~」
憂「今お茶入れますね」
紬「あ、手伝うわ」
憂「いえ、座っててください。紬さんはお客さんですから」
紬「お客・・・・・・」
455: 2011/06/13(月) 20:33:50.55 ID:W5iRMtrI0
唯「この時間っておもしろい番組やってたっけー」
唯「ねぇムギちゃん」
紬「・・・・・・あ、あのね唯ちゃん!」
唯「ほぇ?」
紬「実はお願いがあるの」
唯「お願い?なになに?言ってみてー」
457: 2011/06/13(月) 20:40:18.32 ID:W5iRMtrI0
紬「うん、あのね唯ちゃん」
唯「うん」
紬「わ、私のお姉ちゃんになって欲しいの!」
唯「ふえ?」
憂「え?」
462: 2011/06/13(月) 20:48:08.18 ID:W5iRMtrI0
唯「どゆこと?」
紬「うん、唯ちゃんと憂ちゃんってとっても仲がいいじゃない?」
紬「それで、2人を見てたら姉妹っていいな~って思って」
憂「お茶はいりました」
紬「ありがとう」
紬「私ってほら、一人っ子だから、兄弟がいるのってどんな感じなのか知らなくて」
唯「それで私にお姉ちゃんに?」
紬「う、うん。今日だけでいいの!だめ、かな?」
466: 2011/06/13(月) 20:54:31.73 ID:W5iRMtrI0
唯「そんなのお安い御用だよ~」
紬「ほんと!?ありがとう!」
紬「憂ちゃんもいいかしら?」
憂「はい・・・・・・あの!私は紬さんの妹ですか?」
紬「うん、嫌かしら・・・・・・」
憂「そんな!紬さんってきれいだし、上品だし、紬さんがお姉ちゃんっていいかも・・・・・・」
唯「だって!ムギちゃん良かったね!」
471: 2011/06/13(月) 21:01:17.82 ID:W5iRMtrI0
紬「あ、ありがとう、2人とも・・・・・」
紬「だ、抱きしめてもよかですか!?」
唯「いいよ~、ぎゅー」
紬「ほぁ!?ゆ、唯ちゃん!?」
唯「ん~?ムギちゃんはあったかいね~」
紬「おぉ・・・・・・」
唯「ほら、憂もおいでよ~」
473: 2011/06/13(月) 21:07:34.66 ID:W5iRMtrI0
憂「え?私も!?」
唯「そうだよ、お姉ちゃんなんだから」
憂「それじゃあ、失礼します・・・・・・」
憂「ぎゅー」
紬「ふわぁ・・・・・・」
紬(こ、この姉妹すごすぎるわ・・・・・・!)
477: 2011/06/13(月) 21:14:33.67 ID:W5iRMtrI0
憂「ほんとだぁ、紬さんあったかいですね」
唯「憂、お姉ちゃんなんだから敬語じゃないよ?それに呼び方」
憂「ふぇ?え~っと・・・・・・」
憂「つ、紬お姉ちゃん、あったかい・・・・・・よ」
紬(ふおぉ・・・・・・)
憂「あぅ、やっぱり、恥ずかしいですね・・・・・・」
紬「あ、無理しなくていいから、ね?」
憂「は、はい」
480: 2011/06/13(月) 21:21:06.60 ID:W5iRMtrI0
唯「それじゃあムギちゃんも私のことお姉ちゃんって言ってみてよ!」
紬「え?」
唯「ほら、唯お姉ちゃんって~」
紬「そ、そうよね」
紬(よし)
紬「ゆ、唯お姉ちゃん?」
唯「どうした我が愛しい妹つむぎよ~」
紬「え?」
唯「え?」
紬「よ、呼び方はやっぱり普通にしよっか」
憂「そ、そうですね。そのほうがいいですね」
唯「えぇ!そうなの!?つまんなーい」
481: 2011/06/13(月) 21:24:33.87 ID:W5iRMtrI0
憂「えと、あ、あの私、お茶のおかわり淹れてきますね!」
紬「え、ええ」
唯「ところでさぁ、姉妹になってなにするの~?」
紬「あ、普段の唯ちゃんと憂ちゃんのやってることができたらなって」
唯「普段の・・・・・・」
唯「ん~、とくになにしてるってわけでもないんだけどね~」
482: 2011/06/13(月) 21:29:05.55 ID:W5iRMtrI0
憂「あ、お姉ちゃん、お風呂沸いたみたいだよ~」
唯「それだ!それだよ!憂!」
憂「え?」
唯「みんなでお風呂に入ろうよ!」
憂「えぇ!?」
紬「なんと」
485: 2011/06/13(月) 21:33:20.14 ID:W5iRMtrI0
憂「さすがに3人一緒は無理だと思うよ?」
唯「そっか~」
紬「ゆ、唯ちゃん!ひとつ聞いていい!?」
唯「なにー?」
紬「ふ、普段も一緒にお風呂に入ったりしてるの?」
唯「うん、たまにねー」
紬「まぁまぁまぁまぁ」
486: 2011/06/13(月) 21:38:34.69 ID:W5iRMtrI0
紬(予想以上だわ、この姉妹)
紬(なんというか完成されているのね、この2人は)
紬(普段から一緒にお風呂って)
紬(今までもそうしてたってことよね、今までずっと)
紬(誰も見てないのに・・・・・・)
唯「じゃあ今回は私とムギちゃんで入ろっかぁ」
唯「ムギちゃーん?」
紬「えっ!?は、はいっ!そうね!そうしましょう!」
唯「そいじゃ、いこっかー」
紬「は、はい」
488: 2011/06/13(月) 21:41:37.04 ID:W5iRMtrI0
唯「脱いだ服はここに入れてねー」
紬「うん」
唯「じーっ」
紬「どうしたの?唯ちゃん」
唯「ムギちゃんお胸大きいなぁ」
紬「えっ!?」
492: 2011/06/13(月) 21:44:50.55 ID:W5iRMtrI0
唯「てゆーかさー、なーんで私と憂で大きさに差が出るかなぁ」
唯「同じもの食べてるのに~」
唯「澪ちゃんやムギちゃんほどとは言わないけど」
唯「もー少しあってもいいと思うんだよねー」
紬「そ、そうね」
唯「ね、触ってみてもいーい?」
493: 2011/06/13(月) 21:48:26.58 ID:W5iRMtrI0
紬「えぇ!?」
唯「だめかな?」
紬「だめって言うか・・・・・・ねぇ、普段も憂ちゃんと、その、触りあったりしてるの?」
唯「してるよー」
紬「してるの!?」
紬「それなら、仕方ない・・・・・・わよね」
496: 2011/06/13(月) 21:51:56.53 ID:W5iRMtrI0
紬「それじゃあ、どうぞ・・・・・・」
唯「うん、ふわ~、やわっこーい」
紬「うぅ・・・・・・」
唯「ふかふかだね~」
紬「く、くすぐったいわ」
紬「ね、ねぇ、私も触っていい?」
唯「ふえ?」
紬「いいかしら?」
唯「うん、いいよ~」
紬「し、失礼しまーす」
紬「ふぁ、ふわふわ~」
唯「ム、ムギちゃん、くすぐったいよ~」
497: 2011/06/13(月) 22:01:59.68 ID:W5iRMtrI0
紬「ふわふわ~」
唯「ふかふか~」
唯「ぷっ、あははは!だめだぁ、くすぐったい!」
紬「ふえ?」
唯「ほら、ムギちゃん風邪ひいちゃうからお風呂はいろっ」
紬「う、うん」
500: 2011/06/13(月) 22:10:07.23 ID:W5iRMtrI0
唯「っつあ~、ふい~」
紬「はぁ~」
唯「生き返る~」
紬「ふふ、なぁに?それ」
唯「えー、よく言わない?生き返る~って」
紬「そうなの?」
唯「ムギちゃん、背中流してあげよっか?」
紬「そう?じゃあおねが~い」
唯「ほいほい、お任せ~」
唯「ごっしごっし」
唯「ねぇ、ムギちゃん」
紬「なぁに?」
502: 2011/06/13(月) 22:17:01.21 ID:W5iRMtrI0
唯「最近みんなと遊んだんだってー?」
紬「え?どうしてそれを」
唯「みんなが言ってたから」
紬「みんな?」
唯「うん。澪ちゃんにりっちゃんにあずにゃん」
唯「みーんな私にメールしてきたんだよー」
紬「みんななんて言ってたの?」
唯「すっごい楽しかったってさ~」
503: 2011/06/13(月) 22:23:28.29 ID:W5iRMtrI0
紬「そっかぁ、ふふ、よかったぁ」
唯「それで私の番はいつなのかってずっと待ってたんだよ~」
紬「そうだったんだぁ」
唯「ねね、なんかあったの?ムギちゃん」
紬「なにかって?」
唯「だってさ、ムギちゃんのお誘いって珍しいし」
唯「みんな順番に誘ってるみたいだから、なにかあったのかな~って」
紬「そうね、もうすぐみんな卒業でしょ?だから思い出作ろうと思って」
唯「そっかぁ」
紬「それに、寂しかったのかな」
唯「ふぇ?」
紬「ううん、不安だったのかも」
唯「不安?」
506: 2011/06/13(月) 22:29:33.00 ID:W5iRMtrI0
紬「梓ちゃんと遊んだときね、梓ちゃん言ってたんだけど」
紬「やっぱり私たちが卒業しちゃうのが寂しいみたい」
唯「へぇ~、私にはそんなこと一言も・・・・・・」
紬「それで、私は梓ちゃんにね」
紬「私たちはどこに行ってもずっと一緒だから大丈夫って言ったの」
唯「うん」
紬「それって、もしかしたら自分に言い聞かせてたのかも」
紬「大学生になって環境が変わって、今までのままでいられるか不安だったのかも」
紬「わかってるんだけど、どうしても不安になっちゃうの・・・・・・」
唯「う~ん、ムギちゃんの言うとおりだと思うんだけどな~」
唯「私たちはどこに行ってもずっと一緒だよ」
紬「うん、それはわかってるんだけどね」
508: 2011/06/13(月) 22:35:25.62 ID:W5iRMtrI0
唯「ん~、ねぇムギちゃん」
唯「前にさ、ほら、部室が使えなかったときがあったでしょ」
紬「うん」
唯「そのときってさ、いろいろ苦労したけど」
唯「部室がなくたってスタジオ借りたりして、ちゃんと部活できたじゃん」
唯「だからさ、関係ないんだよ」
唯「部室が使えなくたって、学校が変わったって」
唯「私たちがいればそこに放課後ティータイムがあるんだよ」
511: 2011/06/13(月) 22:39:57.48 ID:W5iRMtrI0
紬「あ・・・・・・」
唯「難しいことはよくわかんないけどさー」
唯「私たちは私たちじゃん」
唯「まわりが変わってもそれは変わんないよ」
唯「でしょ?」
紬「うん・・・・・・うん・・・・・・そうよね」
紬「あり、がとう、唯ちゃん」
唯「えへへ、あれ、どうしたのムギちゃん?お腹痛いの?」
紬「違うの、大丈夫。もう大丈夫だから」
唯「う、うん」
紬「シャワー出していい?」
唯「うん」
512: 2011/06/13(月) 22:42:32.09 ID:W5iRMtrI0
紬(やっぱり唯ちゃんはすごいなぁ)
紬(いつも真っ直ぐで、私たちを元気づけてくれて)
紬(私はもう大丈夫)
紬(私たちなら大丈夫)
紬(うん!)
紬「唯ちゃん!今度は私が背中流してあげるね!」
唯「おぉ!ムギちゃんおねが~い」
513: 2011/06/13(月) 22:45:37.96 ID:W5iRMtrI0
―――――――
―――
唯「憂~あがったよ~」
紬「いい湯でした~」
憂「じゃあ私はいってくるね」
憂「あ、冷蔵庫にアイスあるから食べていいよ~」
唯「おぉ!さすが憂!ムギちゃん食べよ~」
紬「うん!」
唯「おこたでアイス~おこたでアイス~」
唯「ん~おいし~」
紬「ほんと、こんな組み合わせがあったなんて・・・・・・」
唯「ムギちゃん、アイスは夏だけじゃないんだよ!」
唯「おこたでアイス!これも冬の醍醐味だよね~」
紬「おいし~い」
514: 2011/06/13(月) 22:47:36.73 ID:W5iRMtrI0
憂「ふぅ・・・・・・」
唯「憂おかえり~」
憂「2人ともなにしてたの?」
唯「別に~ゴロゴロしてただけだよ~ね~」
紬「ゴロゴロ~」
憂「そっかぁ」
唯「憂も一緒にゴロゴロしようよ~」
憂「うん!」
―――――――
―――
519: 2011/06/13(月) 23:03:06.25 ID:W5iRMtrI0
唯「ふぁ、眠くなってきちゃったや」
憂「そろそろ寝よっか」
紬「そうね」
唯「みんな一緒に寝ようよ~」
憂「えぇ?大丈夫かなぁ・・・・・・」
唯「ちょっとくらいせまくったっていいじゃん」
憂「紬さんいいですか?」
紬「ええ、私はもちろん・・・・・・」
憂「ほらお姉ちゃん準備して」
紬「ねぇ、憂ちゃん。普段も一緒に寝てるの?」
憂「え?はい、たまに・・・・・・ですけど」
紬(素敵)
525: 2011/06/13(月) 23:10:17.79 ID:W5iRMtrI0
唯「じゃあムギちゃん真ん中ねー」
紬「うん」
唯「ん~、憂もうちょっと寄って~」
憂「こ、こう?」
唯「おっけー、ふわぁ~、ムギちゃんは本当にあったかいね~ぬくぬく~」
憂「ほんと・・・・・・あったかいです・・・・・・」
憂「ひゃあ!?冷たっ!お、お姉ちゃん?」
唯「ごめんごめん~、足当たっちゃった?」
紬「唯ちゃんあんまり動くと・・・・・・」
唯「えへへ、ムギちゃんをぎゅーってしたくて」
紬「もう・・・・・・」
唯「あったかあったかだね~」
紬「ふふ、あったかあったか」
憂「・・・・・・えへへ」
530: 2011/06/13(月) 23:19:22.80 ID:W5iRMtrI0
紬「唯ちゃん、今日はありがとうね」
紬「私のわがまま聞いてもらっちゃって」
紬「憂ちゃんも」
唯「えへへ、私も楽しかったよ~。ね~憂」
憂「うん!」
紬「ありがとう2人とも」
紬「それじゃ、おやすみなさい」
531: 2011/06/13(月) 23:24:22.62 ID:W5iRMtrI0
紬(はぁ、みんなと遊べて楽しかったなぁ)
紬(ずっと忘れられない思い出になったわ)
紬(それにしても)
紬(右に唯ちゃん、左に憂ちゃん)
紬(2人とも私の腕に抱きついて・・・・・・)
唯「おやすみ~」
憂「おやすみなさい」
紬(この状況は・・・・・・)
紬(紬は今、無敵です)
紬(・・・・・・)
紬(寝れない・・・・・・)
533: 2011/06/13(月) 23:26:07.03 ID:W5iRMtrI0
琴吹家
紬「いろいろと刺激が強かったわ・・・・・・」
紬「唯ちゃんと憂ちゃん予想以上に仲良しだったのね」
紬「もしかしたら、今日なんかも一緒にお風呂に入って一緒に・・・・・・」
紬「ふはっ、いけないいけない」
紬「明日から学校かぁ」
紬「いっぱい遊んじゃったし、勉強がんばらなくちゃ」
535: 2011/06/13(月) 23:28:11.61 ID:W5iRMtrI0
放課後
紬「そろそろお茶にしよっか」
唯「おー!待ってましたー!」
律「もう勉強いやだー!」
澪「おい」
紬「ほら、梓ちゃんも」
梓「あ、はい」
律「そういやさ、ムギー」
紬「え?」
律「みんなと遊んだんだってー?」
紬「うん」
唯「いいなぁ、私もみんなと遊びたいよ~」
536: 2011/06/13(月) 23:37:54.87 ID:W5iRMtrI0
律「私も遊ぼっかなー」
唯「そうだ!お互いに誘えばたくさん遊べるよ!」
澪「いいかもな、それ」
梓「そうですね!」
律「じゃあ、私はムギから誘っちゃおうかなー」
唯「えー!私がムギちゃんを誘おうと思ったのにー」
澪「だ、だめだ!私もムギと遊びたい!」
梓「わ、私だってムギ先輩と遊びたいです!」
律唯澪梓「む~」
紬「みんな・・・・・・」
540: 2011/06/13(月) 23:42:45.54 ID:W5iRMtrI0
紬(私たちはどこに行っても変わらない)
紬(まわりがどんなに変わってもね)
紬(だってこんなに仲良しなんだもの!)
紬「ふふ、みんな大好きー!」
おわり
542: 2011/06/13(月) 23:44:14.38
乙!
久しぶりにいいほのぼの
久しぶりにいいほのぼの
543: 2011/06/13(月) 23:44:24.84
お疲れ!
凄くほっこり出来た!
凄くほっこり出来た!
551: 2011/06/13(月) 23:47:41.25 ID:W5iRMtrI0
紬「あ、でも!」
律唯澪梓「え?」
紬「受験勉強は?」
律唯澪梓「あ・・・・・・」
ほんとにおわり
引用元: 紬「みんなとデートしたい!」
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