1: 2012/02/18(土) 10:55:51.14
勇者「やっと会えた…!」タタタタッ ギュウウッ

魔王「離せ!」

勇者「おっと、君程度の力じゃ俺を引き離すことはできないよ」ギュウウ

魔王「く…!?」


#01 魔王、笹塚に叫ぶ

2: 2012/02/18(土) 10:57:38.96 ID:KgXUkm6o0
続けたまえ

6: 2012/02/18(土) 11:01:39.30 ID:2/XTjnxz0
魔王「何のつもりだ!」

勇者「ずっと前から、君をお嫁さんにすると決めてたんだ」

魔王「ふざけたことを!」

勇者「俺は本気…」ギュウウ

魔王「くっ!」ボォォッ

勇者「―――っと、さすがに魔力はすごいな」サッ

10: 2012/02/18(土) 11:03:39.78 ID:cVs3OhSp0
お嫁さんって言っても女とは限らんしな

12: 2012/02/18(土) 11:05:55.69 ID:2/XTjnxz0
魔王「ふっ、こんなことで私が動揺するとでも思ったか」

勇者「本気だって言ってんのに」

魔王「貴様の仲間はどこに隠れてる!」

勇者「仲間?いないけど。俺一人で来た」

魔王「何…勇者は四人パーティーのはずでは!?」

15: 2012/02/18(土) 11:09:47.45 ID:2/XTjnxz0
勇者「仲間は敢えて収集しなかったんだ。何故だかわかるかい?」

魔王「…!?」

勇者「君と二人っきりになるためだよ…」ニヤリ

魔王「ヒッ…!」

魔王は炎の魔法を唱えた!

勇者「ウッ」

勇者に100のダメージ!

魔王「気色悪い奴め…」

17: 2012/02/18(土) 11:13:21.53 ID:2/XTjnxz0
勇者「フ…フフフ…」

魔王「うっ…?」

勇者「お前の魔法…痛気持ちいいぜ…」

魔王「う…うわあああ!」

勇者に110のダメージ!

勇者に200のダメージ!

魔王「ああああ」

勇者に250のダメージ!

勇者「……」

魔王(く…こいつ、ビクともしない…!)

18: 2012/02/18(土) 11:17:47.34 ID:2/XTjnxz0
勇者「無駄だよ。君に俺は倒せない」

魔王「な…!」

勇者「俺は誰よりも強くなったんだ。君に見合う男になるために」

魔王「ほざけ…!」

勇者「おっと、いけないな」

勇者は素早く魔王の傍に移動した

魔王「っ!?」

勇者「それ以上魔力を無駄遣いするな」

魔王(こいつ、一瞬で…!)

23: 2012/02/18(土) 11:22:47.50 ID:2/XTjnxz0
勇者「君は聡明だからわかるだろ?」

勇者「俺は君の何倍も強い。刃向かうだけ無駄だ」

魔王「………」

勇者「わかったら大人しく…」

魔王「黙れ!」

勇者「……」

魔王「それでも私は、お前を倒すことをあきらめたりはしない」

魔王「この命が果てるまでお前を攻撃し続ける!」

勇者「やれやれ、しょうがないな」クンッ

魔王「――――!」

魔王は気絶した!

26: 2012/02/18(土) 11:26:49.72 ID:2/XTjnxz0
勇者「しょうがないな、まったく」

勇者「ま、こういう所も嫌いじゃないけどな」

魔王「…………」

勇者「とりあえず連れて帰るか」

勇者は魔王を連れて去った!

世界は救われた!

勇者「とりあえず王様の所行かないとな」

32: 2012/02/18(土) 11:34:23.28 ID:2/XTjnxz0
王様「勇者よ、よくぞ無事で帰ってきた」

勇者「はい」

王様「ところで、そなたが脇に抱えているその者は?」

勇者「魔王につかまっている所を助けたんです」

王様「そうか。我が城で充分に休養させよう」

勇者「あ、いいです。俺が面倒見ますんで」

王様「そうか?」

勇者「じゃあ実家に帰ります」


町人「勇者のお帰りだ――――!!」

  「よくぞご無事で!!」

  「ありがとうございます!!ありがとうございます!!」

36: 2012/02/18(土) 11:41:02.37 ID:2/XTjnxz0
町人「その子は一体…?」

勇者「俺の婚約者だ」

町人「えっ、またまた、勇者さま…」

町人「可愛い子ですね!どこにいたんですか?」

勇者「魔王の城の近くで倒れてたんだ」

町人「それはそれは!私の家で休ませましょうか?」

勇者「問題ない。俺一人で面倒見る」

町人「そうですか…」

38: 2012/02/18(土) 11:44:17.46 ID:2/XTjnxz0
町人「勇者様って割とお茶目なのね」

町人「婚約者だって!」

町人「だって勇者さまの婚約者って言ったら…ねぇ?」

町人「お姫様よね!」


魔王「う…?」

勇者「目が覚めたか」ニコ

魔王「こ、ここはどこだ!」

勇者「俺の実家」

39: 2012/02/18(土) 11:45:57.44 ID:2/XTjnxz0
魔王「な、なんだと!」

勇者「今日から俺と一緒に暮らそうな?」

魔王「な、な…ふざけ…」

ヘロヘロペタン

魔王「あれ…力が…」

勇者「世界が平和になったからお前の魔力もなくなったみたいだな」

魔王「そんな…」

42: 2012/02/18(土) 11:48:46.23 ID:2/XTjnxz0
魔王「歩くことさえ…ままならないなんて…」

勇者「お前、普段から魔力使いすぎだったからな。一気に疲れが出たんだろ」

魔王「………」

勇者「大丈夫、これからは俺が面倒見てやるから」

魔王「…っぐ…く…」

勇者「ん?」

魔王「くぅ…」ポタポタポタ…

勇者「どうした?悔し涙か?」

46: 2012/02/18(土) 11:50:45.07 ID:2/XTjnxz0
魔王「く……く……」ポタポタ

勇者「…」ポフポフ

魔王「触るなッ!」

勇者「……」モフモフ

魔王「だから触るなと…」

勇者「大丈夫。心配すんな。これからは俺が幸せにしてやっから」

魔王「………貴様に何がわかるっ!」

勇者「今までつらかったんだろ?」

47: 2012/02/18(土) 11:52:31.86 ID:+Fh+YE/r0
くやし涙ぺろぺろ

48: 2012/02/18(土) 11:53:00.74 ID:2/XTjnxz0
勇者「お前が魔王になった理由…話してくれないか?」

魔王「………」ポロポロ

勇者「俺、お前のこと知りたいんだよ…」

魔王「…………」

勇者「まぁ、いいや。いつか話してくれれば」

魔王「………」

勇者「いきなりはキツいよな。ごめんな」ポフポフ

魔王「……」

52: 2012/02/18(土) 11:55:19.66 ID:2/XTjnxz0
勇者「はい、魔王、ごはんだぞ」

魔王「………」

勇者「どうした?ほら。食えよ。うまいぞー」

魔王「……」

勇者「特別製だぞー」

魔王「……」

勇者「…」ガバッ

魔王「!?」

勇者「そーれ」コチョコチョコチョコチョ

魔王「あ…あはははは」

勇者「食わないと止めないぞー」

魔王「わ…わかったからやめ…!はははは!」

勇者「はい、じゃあ食え」パッ

魔王「ハァ…ハァ…」プルプルプル…

54: 2012/02/18(土) 11:57:24.40 ID:2/XTjnxz0
勇者「ほら、うまそうだろ?」

魔王「ふん、缶詰じゃないか。こんな手抜きのもの食えるか」

勇者「お前意外と贅沢だな!ほらあーん!」

魔王「…っ」パクッ…モグモグ…

魔王「…うまい…」パァァ

勇者「はは、そうだろそうだろ!初めて食べたろ?」

魔王(くっ…思わず…!)

魔王(地上のものはこんなに美味いのか…)

56: 2012/02/18(土) 11:58:56.17 ID:2/XTjnxz0
魔王「……」パクパクモグモグ

勇者「食べだしたら止まらないな―」

勇者「おなかペコペコだったろ!」

魔王「………」パクパクモグモグ

勇者「照れてるからって無視すんなよなー」モフモフ

魔王「だからそれやめろ!」

勇者「ちょっときもちよさそうだけど?」

魔王「そんなわけないだろ!」

59: 2012/02/18(土) 12:01:22.47 ID:2/XTjnxz0
勇者「じゃ、次は風呂だな。一緒に入ろうぜ!」

魔王「……!?」

勇者「何驚いてる?」

魔王「風呂…?なんだそれは?」

勇者「お前入ったことないのか?きったないなー!」

魔王「な…!?」カァァ

勇者「今までどうやって体洗ってたんだよ?」

魔王「水浴びにきまってるだろ?」

勇者「そっかー魔界には風呂という概念がないか」

勇者「ま、とにかく一緒に入るぞ!」

62: 2012/02/18(土) 12:04:10.58 ID:2/XTjnxz0
魔王「ちょ、ちょ、なに…」

勇者「ん?」ヌギヌギ

魔王「な、何してる!」カァァァ

勇者「何って服脱いでんだけど」

魔王「バカかお前は!」

勇者「風呂なんだから当たり前だろ!お前もそのマント脱げ」

魔王「な、な、やめ…!」

スポッ

勇者「中は裸か。まあ、無駄な装飾はつけないよな」

魔王「ひ…いやぁ…!」

勇者「安心しろ、手出したりしないから」

63: 2012/02/18(土) 12:05:45.91 ID:2/XTjnxz0
魔王「嘘つけ!絶対嘘だ!」

勇者「お前の嫌がることはしないよ」

魔王「……」

勇者「本当だ」

魔王(………)

シャアアア

勇者「気持ちいいか?」

魔王「……///」

勇者「ん?」

魔王「あ、あんまりこっち見るな…」

勇者「何をいまさら。俺に服脱がされた癖に」

魔王「く…」

65: 2012/02/18(土) 12:08:07.43 ID:2/XTjnxz0
ブオオオオオ

魔王「……」

勇者「きれいに乾かしてやるからな」

魔王(本当に手出されなかった…)

勇者「気持ちよかったろ?なかなか」

魔王「……」

勇者「…あーもう可愛い」ギュ

魔王「ばっ…ちょ…」

勇者「なんか妹みたいだなー」

魔王「…//」

68: 2012/02/18(土) 12:10:08.34 ID:2/XTjnxz0
数日後

魔王「勇者…」

勇者「ん?」

魔王「教えてやる…私が魔王になった理由」

勇者「……」

魔王「親を殺されたんだ」

71: 2012/02/18(土) 12:14:04.66 ID:2/XTjnxz0
魔王「父は…私が生まれたときからいなかったが」

勇者「…」

魔王「母は、私を生むや否や妙な施設に送られた」

魔王「そして、そのままそこで…汚い人間の手で」

勇者「……」

魔王「私は…それで人が、この世が大嫌いになった」

勇者「つらかったんだな」

魔王「……」

勇者「でも、それは世界中の人々を滅ぼしていい理由にはならない」

魔王「うん…わかってる」

73: 2012/02/18(土) 12:16:12.10 ID:2/XTjnxz0
魔王「今は…この世に優しい人間がいっぱいいることもわかった」

魔王「お前の…おかげで」

勇者「……」

魔王「私は…生きていていいのか?勇者」

勇者「……」

魔王「これから、どうすればいいんだ…?」

勇者「…心配しなくていい」

魔王「……」

勇者「言ったろ?俺が一生面倒見るって」

魔王「……」

75: 2012/02/18(土) 12:18:13.11 ID:2/XTjnxz0
勇者「俺は、お前が一緒にいてくれたらうれしいんだ」

魔王「勇者…」

勇者「俺のために生きてくれないか?魔王」

魔王「………」

魔王「わかった…」

78: 2012/02/18(土) 12:21:02.04 ID:2/XTjnxz0
町人「勇者さま、王様からお手紙がきております」

勇者「ありがとう」

魔王「……」


魔王「勇者、またその手紙を捨てるのか?」

勇者「ああ」

魔王「それで何通目だ?」

勇者「さあな」

魔王「……一回、城にいってやったらどうだ」

勇者「なんで?」

魔王「姫と結婚したくないのか?」

勇者「俺にはお前がいる」

83: 2012/02/18(土) 12:33:27.29 ID:2/XTjnxz0
魔王「姫は美人だって聞く。姫と結婚すればいじゃないか」

魔王「そのほうがお前も幸せになれる」

勇者「俺には、お前さえいればいい」

勇者「俺は、お前と二人だけでずっと暮らしたいんだ」

魔王「じゃあ…、どうする?」

勇者「ん?」

魔王「私がいなくなったら、お前はどうするんだ?」

勇者「そしたら、一人で暮らす」

魔王「勇者…」

勇者「そんなこと言うなよ!悲しくなるだろ?」

魔王「……」

勇者「ずっとそばにいてくれよ…?」

85: 2012/02/18(土) 12:34:49.96 ID:2/XTjnxz0
魔王「わかってるんだろ?勇者」

魔王「そんなのは、無理だ」

勇者「………」

魔王「勇者!」

勇者「好きだよ、魔王」

魔王「……」



数年後

勇者「魔王、おはよう」

魔王「勇…者…」

86: 2012/02/18(土) 12:36:24.56 ID:2/XTjnxz0
勇者「今日もいい天気だなー」

魔王「……」

勇者「今日は何が食べたい?」

魔王「勇……者」

勇者「……ん?」

魔王「聞いて……ほしいんだ」

勇者「ん…?」

魔王「私も…お前が…好きだぞ」

勇者「魔王…」

88: 2012/02/18(土) 12:38:07.96 ID:2/XTjnxz0
魔王「約束する…これからも」

勇者「……」

魔王「ずっと…お前の傍にいるから」

勇者「魔王…」

魔王「……」

勇者「魔王…あのな…」

勇者「お前の親を昔施設に連れてったのは、俺の父親だったんだ…」

魔王「……」

90: 2012/02/18(土) 12:40:01.29 ID:2/XTjnxz0
魔王「うん……知ってた」

魔王「そういうことだろうって…思ってた」

勇者「魔王…」

魔王「だから…ずっと、面倒見てくれてたんだろ?」

魔王「ありがとな…」

勇者「違う!最初はそうだったけど…」

勇者「ずっと一緒にいたのは、お前のことが本当に好きだからだ」

魔王「……ありがとう…勇者」

勇者「魔王…?」

魔王「……」

勇者「魔王―――――!」

93: 2012/02/18(土) 12:41:33.17 ID:2/XTjnxz0
魔王「………」

勇者「あ…ああぁぁ…」

魔王「………」

勇者「あああぁぁ…!」



町人「勇者さま、大丈夫かしらね…」

町人「どうなさったの?」

町人「ずっと大事にしてたあの子が、しんじゃったんだって」

95: 2012/02/18(土) 12:42:49.26 ID:2/XTjnxz0
町人「あー…そりゃまあ…仕方ないわよねぇ」

町人「あれから何年か経つもんねぇ…」

町人「猫ちゃんの寿命って、そう長くないものねぇ」

町人「世界を救った日から、ずっと一緒に暮らしてきたんですってね」

町人「それは悲しいわよねぇ…」

99: 2012/02/18(土) 12:44:16.42 ID:N43aLSuY0
どういう事だってばよ!?

100: 2012/02/18(土) 12:44:39.64 ID:Je6vnpcH0
猫だとは

103: 2012/02/18(土) 12:45:22.94 ID:2/XTjnxz0
王様「勇者よ」

勇者「はい…」

王様「まだ姫と結婚する気にはならんか」

勇者「…はい」

王様「そうか…姫がどうしてもお前を婿にというから、今まで待ってきたが」

王様「もう姫もいい歳だ。あきらめねばな」

勇者「すみません…」

105: 2012/02/18(土) 12:46:27.56 ID:2veo4ymu0
魔王は猫だったのか

106: 2012/02/18(土) 12:47:16.87 ID:2/XTjnxz0
王様「ときに勇者」

王様「愛猫が亡くなったと聞いたが」

勇者「……」

王様「やはり随分気落ちしているのはそのせいか」

勇者「……はい」

王様「そなたには、動物の心がわかる能力があったそうだな」

勇者「はい…」

109: 2012/02/18(土) 12:51:27.52 ID:2/XTjnxz0
王様「その猫は、そなたにとって余程大切な猫だったのだな」

勇者「ええ…」

王様「そうか…では、こんなものを見ても気休めにもならぬかもしれぬが」

王様「わが城でな、お前の猫が亡くなった日に生まれた子猫がおってな」

王様「そなたの飼っていた猫に瓜二つなのだ」

勇者「え…」

召使い「この子でございます」

勇者「……!」

猫「…ニャ」

112: 2012/02/18(土) 12:54:03.44 ID:2/XTjnxz0
猫「ニャァ…」

王様「可愛らしいだろう?そなたに譲ろうかと思っておったのだが」

勇者「………ま、魔王…?」

猫「…言っただろ…?ずっとそばにいるって」

勇者「……!」

猫「私がお前より先に死ぬなど有り得んよ」

勇者「あ…!」ギュウ…

猫「お前の死に顔を見届けてやるから安心しろ」

勇者「魔王…!」ギュウウ…

王様「魔王?とな…?」

勇者「…ええ。こいつの名前です」

THE END

113: 2012/02/18(土) 12:54:43.57 ID:uHjwhk4/0
おつ

114: 2012/02/18(土) 12:55:08.71 ID:S7bC2Wg90
アブねぇ…パンツ脱ぐ所だったわ…まさかの感動物語

116: 2012/02/18(土) 12:55:30.60 ID:BIJYW7GW0
いやいい話だつたわ

122: 2012/02/18(土) 12:58:53.00 ID:aeV7e31z0
面白かった乙

130: 2012/02/18(土) 13:03:47.69 ID:9+tSL/Ia0
だから缶詰めなのか

引用元: 魔王「ついに来たな…」勇者「好きだ!」魔王「え?」