1: 2020/07/13(月) 21:30:15.953 ID:fS9cJGPi0
依頼人「おいっ、一体いつになったら奴を頃してくれるんだ! 依頼してずいぶん経つぞ!」
頃し屋「それがそのぉ……ガードが固くて……なかなかチャンスがなくてですね……」
依頼人「この役立たずが! もういい! 他の頃し屋に頼む!」
頃し屋「ま、待って下さい! もう一度チャンスを……」
依頼人「自分でチャンスも作れぬ奴に、チャンスなどやるか! このグズがっ!」
スタスタスタ… バタンッ!
頃し屋「はぁ……」
頃し屋「それがそのぉ……ガードが固くて……なかなかチャンスがなくてですね……」
依頼人「この役立たずが! もういい! 他の頃し屋に頼む!」
頃し屋「ま、待って下さい! もう一度チャンスを……」
依頼人「自分でチャンスも作れぬ奴に、チャンスなどやるか! このグズがっ!」
スタスタスタ… バタンッ!
頃し屋「はぁ……」
7: 2020/07/13(月) 21:34:20.856 ID:fS9cJGPi0
女暗殺者「また失敗したの?」
頃し屋「ああ……ダメだった」
頃し屋「赤ん坊の頃親に捨てられ、少年時代は教師に見捨てられ、ついに裏社会に足を踏み入れ」
頃し屋「最後の手段で始めた頃し屋稼業だけど……ここでもダメかぁ……」
頃し屋「もう野垂れ死にするしかないのか……」
女暗殺者「……」
女暗殺者「だったらさ、進研ゼミ始めてみない?」
頃し屋「進研ゼミ?」
頃し屋「ああ……ダメだった」
頃し屋「赤ん坊の頃親に捨てられ、少年時代は教師に見捨てられ、ついに裏社会に足を踏み入れ」
頃し屋「最後の手段で始めた頃し屋稼業だけど……ここでもダメかぁ……」
頃し屋「もう野垂れ死にするしかないのか……」
女暗殺者「……」
女暗殺者「だったらさ、進研ゼミ始めてみない?」
頃し屋「進研ゼミ?」
8: 2020/07/13(月) 21:37:37.611 ID:fS9cJGPi0
女暗殺者「勉強の進研ゼミって聞いたことあるでしょ?」
頃し屋「まあ、一応な。通信教育だろ?」
女暗殺者「そう。ようはあれの頃し屋バージョン」
女暗殺者「最後までこなせば、伝説の頃し屋“ブラッド”級の実力になること間違いなしよ!」
頃し屋「マジかよ」
女暗殺者「かくいう私も、進研ゼミのおかげでメキメキ腕を上げてね」
女暗殺者「この一週間で、三件も仕事こなしちゃったもん。おかげでしばらく豪遊できるわ」
頃し屋「すげえ」
頃し屋「まあ、一応な。通信教育だろ?」
女暗殺者「そう。ようはあれの頃し屋バージョン」
女暗殺者「最後までこなせば、伝説の頃し屋“ブラッド”級の実力になること間違いなしよ!」
頃し屋「マジかよ」
女暗殺者「かくいう私も、進研ゼミのおかげでメキメキ腕を上げてね」
女暗殺者「この一週間で、三件も仕事こなしちゃったもん。おかげでしばらく豪遊できるわ」
頃し屋「すげえ」
9: 2020/07/13(月) 21:40:30.295 ID:fS9cJGPi0
女暗殺者「どう、やってみない?」
頃し屋「だけど……高いんだろ? 通信教育やる金なんて……」
女暗殺者「それが今なら、無料キャンペーンやってるんだって!」
頃し屋「ええ!?」
女暗殺者「どうする?」
頃し屋「そりゃあ……やらない理由がないだろ。このままじゃどうせ生きていけないんだし」
女暗殺者「決まりね」
頃し屋「だけど……高いんだろ? 通信教育やる金なんて……」
女暗殺者「それが今なら、無料キャンペーンやってるんだって!」
頃し屋「ええ!?」
女暗殺者「どうする?」
頃し屋「そりゃあ……やらない理由がないだろ。このままじゃどうせ生きていけないんだし」
女暗殺者「決まりね」
11: 2020/07/13(月) 21:43:39.117 ID:fS9cJGPi0
<頃し屋のアジト>
頃し屋(教材が届いた……さっそくやってみるか)
頃し屋(なになに? ……標的が以下のような条件で夜道を歩いてます、どう殺害しますか?)
頃し屋(暗いし、正面から一気に心臓を……!)カリカリ
頃し屋(よし、次の問題!)
頃し屋(次のうち、神経毒はどれでしょう……ヤバイ、分からん)
頃し屋(えぇっと……)
頃し屋(教材が届いた……さっそくやってみるか)
頃し屋(なになに? ……標的が以下のような条件で夜道を歩いてます、どう殺害しますか?)
頃し屋(暗いし、正面から一気に心臓を……!)カリカリ
頃し屋(よし、次の問題!)
頃し屋(次のうち、神経毒はどれでしょう……ヤバイ、分からん)
頃し屋(えぇっと……)
12: 2020/07/13(月) 21:46:15.962 ID:fS9cJGPi0
頃し屋「できたぞ」
女暗殺者「じゃあこれを採点してもらうから」
頃し屋「誰に?」
女暗殺者「そりゃ決まってるでしょ。進研ゼミといったら“赤ペン先生”よ」
頃し屋「ふうん」
女暗殺者「赤ペン先生の採点が終わったら、また届けに来るから」
頃し屋「悪いな」
女暗殺者「じゃあこれを採点してもらうから」
頃し屋「誰に?」
女暗殺者「そりゃ決まってるでしょ。進研ゼミといったら“赤ペン先生”よ」
頃し屋「ふうん」
女暗殺者「赤ペン先生の採点が終わったら、また届けに来るから」
頃し屋「悪いな」
13: 2020/07/13(月) 21:50:21.572 ID:fS9cJGPi0
頃し屋(赤ペン先生から俺の解答が返ってきた……)
頃し屋「ゲ」
頃し屋(添削されまくりじゃねえか……。0点といっていいぐらいだ)
頃し屋(ふむふむ、こういう時は背後から忍び寄って首を狙うのがベストか……)
頃し屋(他の問題も、分かりやすく正解が書いてあるな)
頃し屋(よーし、きっちり復習しよう! なにしろ後がないんだ!)
頃し屋「ゲ」
頃し屋(添削されまくりじゃねえか……。0点といっていいぐらいだ)
頃し屋(ふむふむ、こういう時は背後から忍び寄って首を狙うのがベストか……)
頃し屋(他の問題も、分かりやすく正解が書いてあるな)
頃し屋(よーし、きっちり復習しよう! なにしろ後がないんだ!)
14: 2020/07/13(月) 21:52:18.253 ID:fS9cJGPi0
女暗殺者「先生からの採点だよ」
頃し屋「うわっ、また間違いだらけ……」
~
頃し屋(屋内にいる標的数人を、効率的に殺害するには……)
頃し屋(あ、ガスが使えるんじゃないか!?)
~
頃し屋「おお、褒められてる! 珍しい!」
頃し屋(だけどガスから逃れた奴への対処も必要か……なるほど、勉強になる)
頃し屋「うわっ、また間違いだらけ……」
~
頃し屋(屋内にいる標的数人を、効率的に殺害するには……)
頃し屋(あ、ガスが使えるんじゃないか!?)
~
頃し屋「おお、褒められてる! 珍しい!」
頃し屋(だけどガスから逃れた奴への対処も必要か……なるほど、勉強になる)
15: 2020/07/13(月) 21:56:59.367 ID:fS9cJGPi0
頃し屋「よーし、今日の分終了!」パタンッ
頃し屋(それにしても、不思議なもんだ……)
頃し屋(こうして問題を解いてるだけで、自分がどんどん頃しに成熟してってる感覚がある)
頃し屋(きっと問題や、赤ペン先生の添削の仕方が上手だからだろうな)
頃し屋(だけど、そろそろ物足りなく……)
頃し屋(それにしても、不思議なもんだ……)
頃し屋(こうして問題を解いてるだけで、自分がどんどん頃しに成熟してってる感覚がある)
頃し屋(きっと問題や、赤ペン先生の添削の仕方が上手だからだろうな)
頃し屋(だけど、そろそろ物足りなく……)
16: 2020/07/13(月) 22:01:30.908 ID:fS9cJGPi0
女暗殺者「そういうと思って、今日の課題は実戦的なものだよ」
頃し屋「え」
女暗殺者「なんと“実際の仕事”をこなしてもらうわ」
頃し屋「マジで……!?」
女暗殺者「仕事内容はこれ、成功すれば報酬も支払われるわ」
頃し屋「……!」
女暗殺者「どうする? やる?」
頃し屋「やるさ。ここまで勉強した成果を試したい!」
頃し屋「え」
女暗殺者「なんと“実際の仕事”をこなしてもらうわ」
頃し屋「マジで……!?」
女暗殺者「仕事内容はこれ、成功すれば報酬も支払われるわ」
頃し屋「……!」
女暗殺者「どうする? やる?」
頃し屋「やるさ。ここまで勉強した成果を試したい!」
19: 2020/07/13(月) 22:04:37.595 ID:fS9cJGPi0
頃し屋「……」
護衛A「お疲れ様です」
護衛B「お車へどうぞ」
中年男「今日の会合も上手くいったわい」
頃し屋(深夜0時、標的はあの中年……ボディガードが二人……)
頃し屋(あ、これって……進研ゼミでやったのとほぼ同じ状況じゃないか!?)
頃し屋(なら殺れる!)
護衛A「お疲れ様です」
護衛B「お車へどうぞ」
中年男「今日の会合も上手くいったわい」
頃し屋(深夜0時、標的はあの中年……ボディガードが二人……)
頃し屋(あ、これって……進研ゼミでやったのとほぼ同じ状況じゃないか!?)
頃し屋(なら殺れる!)
21: 2020/07/13(月) 22:07:22.335 ID:fS9cJGPi0
頃し屋(ボディガードの盲点を突いて接近……)スッ
頃し屋(首に毒針……これで終わりだ)チクッ
中年男「ううっ……」ドサッ
護衛A「え?」
護衛B「どうしました、先生!? ……大変だ、息してない!」
頃し屋(仕事完了)
頃し屋(まさか、こうまで鮮やかに上手くいくとは……恐るべし進研ゼミ)
頃し屋(首に毒針……これで終わりだ)チクッ
中年男「ううっ……」ドサッ
護衛A「え?」
護衛B「どうしました、先生!? ……大変だ、息してない!」
頃し屋(仕事完了)
頃し屋(まさか、こうまで鮮やかに上手くいくとは……恐るべし進研ゼミ)
25: 2020/07/13(月) 22:10:46.683 ID:fS9cJGPi0
その後も――
頃し屋(今日の問題は難しいな……)
頃し屋(屈強のボディガード10人に囲まれた国の重鎮クラスか……)
頃し屋(うーん、あらかじめこの区画に武器を隠して……)
~
女暗殺者「はい、お返事」
頃し屋「お、来た来た」
頃し屋「あー……俺のプランだと射撃される可能性が高いか……。考えが浅かった」
頃し屋(今日の問題は難しいな……)
頃し屋(屈強のボディガード10人に囲まれた国の重鎮クラスか……)
頃し屋(うーん、あらかじめこの区画に武器を隠して……)
~
女暗殺者「はい、お返事」
頃し屋「お、来た来た」
頃し屋「あー……俺のプランだと射撃される可能性が高いか……。考えが浅かった」
26: 2020/07/13(月) 22:13:18.797 ID:fS9cJGPi0
女暗殺者「はい、今日の教材としての仕事よ。ある組織の裏切り者だってさ」
女暗殺者「部下を10人ぐらい引き連れてるから気をつけてね」
頃し屋「了解」
~
ザシュッ! ザクッ! ズシャッ!
頃し屋「これで……部下は全滅」
頃し屋「まさか、あんたが標的になるとはな……。運命を感じるよ」
依頼人「お、お前は……あの時のヘタレ頃し屋!?」
女暗殺者「部下を10人ぐらい引き連れてるから気をつけてね」
頃し屋「了解」
~
ザシュッ! ザクッ! ズシャッ!
頃し屋「これで……部下は全滅」
頃し屋「まさか、あんたが標的になるとはな……。運命を感じるよ」
依頼人「お、お前は……あの時のヘタレ頃し屋!?」
27: 2020/07/13(月) 22:16:22.154 ID:fS9cJGPi0
依頼人「ま、待て! お前があの時仕事をしくじらなきゃ、私はこんな立場になってなかった!」
依頼人「だから見逃してくれないか! 頼むっ!」
頃し屋「関係ない。あの時はあの時、今は今。今、俺の標的はあんた。それが全てだ」
ドスッ!
依頼人「ぐふっ……!」
依頼人「ク、クク……人というのは、変われば変わるものだな……」
依頼人「この手並み、この冷酷さ……まるで、噂に聞く“ブラッド”の、ようだ……」ドチャッ…
頃し屋「……」
依頼人「だから見逃してくれないか! 頼むっ!」
頃し屋「関係ない。あの時はあの時、今は今。今、俺の標的はあんた。それが全てだ」
ドスッ!
依頼人「ぐふっ……!」
依頼人「ク、クク……人というのは、変われば変わるものだな……」
依頼人「この手並み、この冷酷さ……まるで、噂に聞く“ブラッド”の、ようだ……」ドチャッ…
頃し屋「……」
30: 2020/07/13(月) 22:21:19.354 ID:fS9cJGPi0
女暗殺者「はい、今日の教材だよ」
頃し屋「ありがとう」
頃し屋(いくら俺でも、この段階になってくるとさすがに気づく)
頃し屋(本家の進研ゼミをやってるのはベネッセという会社だが)
頃し屋(あれほど有名な企業が裏では頃し屋向けの通信教育事業を行っている?)
頃し屋(やるわけがない)
頃し屋(バレたら会社の経営が危うくなるぐらいじゃ済まない。リスクしかないのだから)
頃し屋(現に、俺がいくらベネッセを調べても、そんな証拠は一切出てこなかった)
頃し屋「ありがとう」
頃し屋(いくら俺でも、この段階になってくるとさすがに気づく)
頃し屋(本家の進研ゼミをやってるのはベネッセという会社だが)
頃し屋(あれほど有名な企業が裏では頃し屋向けの通信教育事業を行っている?)
頃し屋(やるわけがない)
頃し屋(バレたら会社の経営が危うくなるぐらいじゃ済まない。リスクしかないのだから)
頃し屋(現に、俺がいくらベネッセを調べても、そんな証拠は一切出てこなかった)
31: 2020/07/13(月) 22:23:19.852 ID:fS9cJGPi0
頃し屋(そして、もう一つ――“赤ペン先生”の正体)
頃し屋(俺はいつも、ある人物から教材を受け取り)
頃し屋(ある人物から採点結果をもらい、仕事もある人物から受けている)
頃し屋(もはや疑う余地はなかった)
頃し屋(“赤ペン先生”の正体は――)
頃し屋(俺はいつも、ある人物から教材を受け取り)
頃し屋(ある人物から採点結果をもらい、仕事もある人物から受けている)
頃し屋(もはや疑う余地はなかった)
頃し屋(“赤ペン先生”の正体は――)
33: 2020/07/13(月) 22:26:21.001 ID:fS9cJGPi0
女暗殺者「赤ペン先生から知らせよ」
頃し屋「なんだ」
女暗殺者「最終試練だってさ」
女暗殺者「“町外れの廃工場に夜9時に来て”だって」
頃し屋「分かった」
女暗殺者「心してかかった方がいいよ。生半可な気持ちだと……死ぬよ」
頃し屋「ああ」
頃し屋「なんだ」
女暗殺者「最終試練だってさ」
女暗殺者「“町外れの廃工場に夜9時に来て”だって」
頃し屋「分かった」
女暗殺者「心してかかった方がいいよ。生半可な気持ちだと……死ぬよ」
頃し屋「ああ」
34: 2020/07/13(月) 22:30:05.296 ID:fS9cJGPi0
夜――
<廃工場>
頃し屋「……」ザッザッザッ…
頃し屋「赤ペン先生、いるんだろ」
頃し屋「……」
ゾワッ
頃し屋(背後に強烈な殺気ッ!)
シュバッ!
<廃工場>
頃し屋「……」ザッザッザッ…
頃し屋「赤ペン先生、いるんだろ」
頃し屋「……」
ゾワッ
頃し屋(背後に強烈な殺気ッ!)
シュバッ!
37: 2020/07/13(月) 22:33:37.720 ID:fS9cJGPi0
ギィンッ!
頃し屋「……」ザッ
赤ペン先生「……」ザッ
頃し屋(全身赤づくめの……暗殺者!)
頃し屋(こいつが……赤ペン先生かッ!)
赤ペン先生「……」ジリ…
頃し屋(恐ろしく強い……捕縛は不可能)ジリ…
頃し屋「……」ザッ
赤ペン先生「……」ザッ
頃し屋(全身赤づくめの……暗殺者!)
頃し屋(こいつが……赤ペン先生かッ!)
赤ペン先生「……」ジリ…
頃し屋(恐ろしく強い……捕縛は不可能)ジリ…
38: 2020/07/13(月) 22:36:08.948 ID:fS9cJGPi0
キィンッ! ギンッ! キンッ!
頃し屋(ナイフで急所を的確に狙ってくる――)
赤ペン先生「……」ヒュッ
頃し屋(針! おそらく猛毒!)
頃し屋(受け止めたり、弾いたりしたら隙が生まれる! だから――)
頃し屋(受け流す)スルッ
赤ペン先生「!」
頃し屋(ナイフで急所を的確に狙ってくる――)
赤ペン先生「……」ヒュッ
頃し屋(針! おそらく猛毒!)
頃し屋(受け止めたり、弾いたりしたら隙が生まれる! だから――)
頃し屋(受け流す)スルッ
赤ペン先生「!」
39: 2020/07/13(月) 22:38:50.324 ID:fS9cJGPi0
頃し屋(ミドルキック!)
ドゴォッ!
赤ペン先生「……っ!」
頃し屋(心臓ががら空き! まっすぐに突く!)シュッ
赤ペン先生「……」サッ
頃し屋(と見せかけて、足を踏みつけ!)
グシャッ!
赤ペン先生「うぐっ……!」ミシ…
ドゴォッ!
赤ペン先生「……っ!」
頃し屋(心臓ががら空き! まっすぐに突く!)シュッ
赤ペン先生「……」サッ
頃し屋(と見せかけて、足を踏みつけ!)
グシャッ!
赤ペン先生「うぐっ……!」ミシ…
40: 2020/07/13(月) 22:41:30.422 ID:fS9cJGPi0
頃し屋(首をッ!)シュバッ
ザンッ!
赤ペン先生「あ、ぐ……!」ブシュゥッ…
ドザァッ…
頃し屋(やった、が……)
頃し屋(こいつの正体は俺の予想と違う……。“女暗殺者”じゃないッ!)
ザンッ!
赤ペン先生「あ、ぐ……!」ブシュゥッ…
ドザァッ…
頃し屋(やった、が……)
頃し屋(こいつの正体は俺の予想と違う……。“女暗殺者”じゃないッ!)
42: 2020/07/13(月) 22:44:28.672 ID:fS9cJGPi0
女暗殺者「見届けたわ」スッ…
頃し屋「!」
女暗殺者「頃し屋……それと“ブラッド”」
頃し屋「ブラッド?」ハッ
赤ペン先生「……」
頃し屋(赤ペン先生の正体は――伝説の頃し屋“ブラッド”だったのか!)
頃し屋「なぜだ!? なぜ、あんたほどの頃し屋が俺のためにこんな回りくどいことを……!」
赤ペン先生「……大きく、なったね」
頃し屋「!」
頃し屋「!」
女暗殺者「頃し屋……それと“ブラッド”」
頃し屋「ブラッド?」ハッ
赤ペン先生「……」
頃し屋(赤ペン先生の正体は――伝説の頃し屋“ブラッド”だったのか!)
頃し屋「なぜだ!? なぜ、あんたほどの頃し屋が俺のためにこんな回りくどいことを……!」
赤ペン先生「……大きく、なったね」
頃し屋「!」
44: 2020/07/13(月) 22:47:36.057 ID:fS9cJGPi0
頃し屋「まさか、あんたは……」
赤ペン先生「ええ……私はかつて、あなたを、捨てた……」
赤ペン先生「頃し屋、だった私にとって……あなたは足手まといに、過ぎなかったから……」
赤ペン先生「だけど、この体は病にむしばまれ……余命いくばくもないことを知った……」
赤ペン先生「そしたら、どうしてもあなたを一目見たくなって……」
赤ペン先生「あなたも頃し屋になってること……知った……」
女暗殺者「私がこの人に教えを受けたのは本当の話よ」
女暗殺者「そして、頼まれたの」
女暗殺者「息子であるあんたに頃しの全てを教えたいけど、直接教えることはできない」
女暗殺者「だから、通信教育を装うから、仲介役になってくれ……って」
赤ペン先生「ええ……私はかつて、あなたを、捨てた……」
赤ペン先生「頃し屋、だった私にとって……あなたは足手まといに、過ぎなかったから……」
赤ペン先生「だけど、この体は病にむしばまれ……余命いくばくもないことを知った……」
赤ペン先生「そしたら、どうしてもあなたを一目見たくなって……」
赤ペン先生「あなたも頃し屋になってること……知った……」
女暗殺者「私がこの人に教えを受けたのは本当の話よ」
女暗殺者「そして、頼まれたの」
女暗殺者「息子であるあんたに頃しの全てを教えたいけど、直接教えることはできない」
女暗殺者「だから、通信教育を装うから、仲介役になってくれ……って」
45: 2020/07/13(月) 22:50:25.765 ID:fS9cJGPi0
赤ペン先生「私は……人としても、親としても、最低、だった……」
赤ペン先生「本当に……ごめん、ね……」
頃し屋「母さん……!」ギュッ
赤ペン先生「母さん……と、呼んでくれる、の……」
赤ペン先生「あり……が、と……」
頃し屋「……!」
…………
……
赤ペン先生「本当に……ごめん、ね……」
頃し屋「母さん……!」ギュッ
赤ペン先生「母さん……と、呼んでくれる、の……」
赤ペン先生「あり……が、と……」
頃し屋「……!」
…………
……
48: 2020/07/13(月) 22:54:20.059 ID:fS9cJGPi0
……
……
政府高官「というわけで、この組織の首領を潰さねば、我が国の治安は著しく悪化する!」
政府高官「ぜひ力を貸して欲しい!」
頃し屋「分かった。報酬と仕事の話に移ろう」
政府高官「……!」
政府高官(並みの……いや腕の立つ頃し屋でもまず断るだろう依頼をあっさりと……)
政府高官(さすが、現代最高の職業暗殺者ともいわれている男だ……)
……
政府高官「というわけで、この組織の首領を潰さねば、我が国の治安は著しく悪化する!」
政府高官「ぜひ力を貸して欲しい!」
頃し屋「分かった。報酬と仕事の話に移ろう」
政府高官「……!」
政府高官(並みの……いや腕の立つ頃し屋でもまず断るだろう依頼をあっさりと……)
政府高官(さすが、現代最高の職業暗殺者ともいわれている男だ……)
49: 2020/07/13(月) 22:57:06.673 ID:fS9cJGPi0
女暗殺者「あら、お仕事?」
頃し屋「ああ、ちょっとある組織の首領を殺ってくる」
女暗殺者「大仕事じゃないのよ。くれぐれも気をつけてよ」
頃し屋「問題ない」
頃し屋「進研ゼミで殺ったのと同じだ」
END
頃し屋「ああ、ちょっとある組織の首領を殺ってくる」
女暗殺者「大仕事じゃないのよ。くれぐれも気をつけてよ」
頃し屋「問題ない」
頃し屋「進研ゼミで殺ったのと同じだ」
END
50: 2020/07/13(月) 22:58:23.283
おつかれ
なかなか良かった
なかなか良かった
51: 2020/07/13(月) 22:59:05.464
お母さん生き返らせないのかよ
52: 2020/07/13(月) 22:59:12.670
ひとりで殺りきれるようになったのね
54: 2020/07/13(月) 23:00:35.649
非常な世界やな乙
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