1: 2012/05/02(水) 00:13:05.27 ID:vJKAmPER0
P「俺も好きだぞ、その曲」

伊織「うん…、いい曲よね」

P「ほかにもいい曲あるけど知ってるか?Signとか、しるしとか」

伊織「当たり前じゃない、バカにしてるの?」

P「だよな、あはは」

プロデューサーが恋人ができたと言っていた
初めての恋人らしい
だから近頃とても楽しそうだ

3: 2012/05/02(水) 00:14:23.88 ID:vJKAmPER0
私達がその話を聞いた時は誰も初め信じていなかった
それもそうだろう
だって心のどこかでプロデューサーは私達のもので、
私達を一番に考えてくれるそんな人だったんだから

でもみんなで聞いているうちに彼女の写真を見せてくれた
その写真にはたしかにツーショットで、幸せそうな顔だった
それでなによりそれを見せているプロデューサーの顔は
今まで見たことないくらい
素敵な笑顔だった

「あきらめよう」
そう理性が諭してくる
あいつのあんな顔見たら当たり前よね


4: 2012/05/02(水) 00:14:45.42 ID:vJKAmPER0
P「伊織、どうした?」

伊織「な、なんでもないわ、なんでも…」

P「やっぱり元気ないぞ、なんでも相談にのるから話してくれよ」

伊織「ほんとになんでもないって!」

P「…そっか、もしも話したいことができたら言ってくれなんでも聞くから」

また理不尽に声を荒げてしまった
別にあいつは悪くない
ただあいつにやさしくされるたび
私の中に上手に仕舞っておいたものが
「飛び出したい」とうずきだす
普段はあのときの痛い気持ちを最後に
寝たふりしているくせに…

5: 2012/05/02(水) 00:15:13.63 ID:vJKAmPER0
P「おはよう、伊織」

伊織「お、おはよ」

P「今日も仕事がんばろうな!」

私の柄でもないけど会えるとうれしい

P「今日は雑誌の撮影だぞ」

伊織「知ってるわよ」

P「伊織は写真で一層可愛く写るからなー」

伊織「……私を誰だと思ってるの?
   スーパーアイドル伊織ちゃんなんだから当たり前でしょ」

プロデューサーには相手がいるのに
私の気持ちを伝えようか迷ってしまう時がある
でもいつも悩んで悩んで思いを飲み込んでいた
気持ちを伝えたら今まで通りになんていられない

あきらめなきゃとわかっていても
心にはまだはっきり残っている気持ちがある

6: 2012/05/02(水) 00:16:29.53 ID:vJKAmPER0
P「お疲れ様、ばっちりだったじゃないか!」

伊織「ありがと…」

P「じゃあこれで仕事終わりだし家まで送っていくよ」

伊織「ちょっと寄ってほしいところがあるの」

P「いいぞ、どこだ?」

伊織「…スタバ」

P「はは、お安い御用だよ」


7: 2012/05/02(水) 00:16:52.34 ID:vJKAmPER0
別にコーヒーなんか好きじゃない
ただ出来るだけプロデューサーのそばに居たくて

ああ、私はまた懲りもせずこいつを欲しがってるわ

P「伊織のそれすごいな」

伊織「そう?これ好きなの」

P「もはやパフェみたいだな」

伊織「おいしいわよ、今度頼んでみなさい」

P「うん、そうするよ」

そんな優しい笑顔向けないでよ
ずっと一緒にいたくなっちゃうじゃない

8: 2012/05/02(水) 00:17:24.18 ID:vJKAmPER0
そのあとしばらくプロデューサーと話した後家へ送ってもらった

夕暮れ時一人で部屋にいると
考えることはあいつのことばかり
みっともないかもしれないけれど
すべてが愛おしく思えて
一人でいる孤独が溢れ出してきた

次の日は学校も休みで仕事もオフだった
久しぶりに家にいられる休日だ

といっても特にすることはなく
好きな音楽を聞いたり、
テレビを見たりしているうちに夜になってしまった

なんかあっという間に時間が過ぎてしまった
もっと有意義な時間の使い方をしたかったわね…

いよいよ夜も更けてきたころ
ふっとあいつに会いたくなった

9: 2012/05/02(水) 00:17:46.69 ID:vJKAmPER0
あいつは今なにしてるんだろう?
もう寝たかな?それとも…

考えれば考えるほど会いたくなって
声も聞きたくなる

携帯とり電話をしようかと思ったが
明日会えるからいいか
そう思ってやめてしまった

でも本当は怖かっただけ
出てくれなかったらどうしよう
用もないのにうざいと思われたらどうしよう
そんな考えが頭をよぎったから

10: 2012/05/02(水) 00:18:21.12 ID:vJKAmPER0
それからしばらくたった日
いつものように仕事が終わり
プロデューサーに家まで送ってもらうことになった

P「今日はスタバいいのか?」

伊織「今日はいいわ…」

P「そうか、遠慮なんかしなくていいんだぞ」

伊織「別に遠慮なんかしてないわよ」

P「やっぱり最近元気ないよ、伊織」

伊織「えっ?」

P「いや、俺は伊織のこと自分で言うのもあれだけど、
  よく見てるんだ」

伊織「………」

P「俺はさ伊織が元気ないの分かってて
  放っておくことなんて出来ないよ」

伊織「……なんであんたはそこまで分かって
   私の気持ちが分からないの?」

12: 2012/05/02(水) 00:19:24.63 ID:vJKAmPER0
P「えっ?」

伊織「私はね、あんたのことが好き
   プロデューサーとしてじゃなく一人の男の人として」

P「伊織…」

伊織「気持ち悪いと思われるかもしれないけど
   私はあんたが大好きよ、ずっと一緒に居たいくらいに…」

気がつくと涙がこぼれそうだった
これ以上プロデューサーに心配かけられないから
せめて涙はこぼさないように伝えなくちゃ

13: 2012/05/02(水) 00:19:41.46 ID:vJKAmPER0

伊織「でもこの気持ちが叶わないことはわかってる
   だから今まで通り私達をプロデュースしてほしい
   
   今まで通りやさしくて
   おせっかいで、あまり頼りにはならないけど
   みんなが大好きなプロデューサーでいてほしい
   
   ……これくらいは聞いてくれるわよね?」

P「ああ、わかった、任せろ」

伊織「にひひっ」

本当にこれでよかったのかな?
でもこんな心があったかいのは久しぶりな気がした

これからもよろしくね
プロデューサー

終わり

14: 2012/05/02(水) 00:20:25.09 ID:vJKAmPER0
おわった
ミスチルのCANDYの歌詞になぞって書いてみました

18: 2012/05/02(水) 00:29:57.60
見てたよ

26: 2012/05/02(水) 00:44:14.87 ID:vJKAmPER0
ちらほら読んでくれてるのな

30: 2012/05/02(水) 01:07:28.24 ID:vJKAmPER0
ラストほ

32: 2012/05/02(水) 01:12:57.72 ID:vJKAmPER0
ごめん保守いらんよ

引用元: 伊織「CANDY」P「いい曲だよな」