1: 2017/03/06(月) 20:43:02.730 ID:KXGts0cK0
ラフィエル「私達なかよしですもんね♥」ギュッ
サターニャ「ややややめなさいよこの悪魔!!/////」
ガヴリール「あーうっぜ、向こうでやってくんね」
サターニャ「ややややめなさいよこの悪魔!!/////」
ガヴリール「あーうっぜ、向こうでやってくんね」
21: 2017/03/06(月) 21:57:52.723 ID:rxIPe5pj0
サターニャ「ほ、ほらラフィエル~! ガヴリールが変な目で見て――」
ガヴリール「あー見えない見えない」
サターニャ「ちょ、ガヴリール!?」
ガヴリール「耳が詰まって聞こえないなぁ……ヴィーネに頼むかなぁ」
ガヴリール「おっと、ヴィーネがいないなー探しに行こうー」スタスタスタ
サターニャ「あからさまな嘘で逃げ――」グイッ
サターニャ「……ら、ラフィエル?」
ラフィエル「サターニャさんは、私のことお嫌いですか?」
サターニャ「うっ……」
サターニャ「あーいや、その……」
ラフィエル「……そう、ですか」
サターニャ「ラ、ラフィエル!」
ガヴリール「あー見えない見えない」
サターニャ「ちょ、ガヴリール!?」
ガヴリール「耳が詰まって聞こえないなぁ……ヴィーネに頼むかなぁ」
ガヴリール「おっと、ヴィーネがいないなー探しに行こうー」スタスタスタ
サターニャ「あからさまな嘘で逃げ――」グイッ
サターニャ「……ら、ラフィエル?」
ラフィエル「サターニャさんは、私のことお嫌いですか?」
サターニャ「うっ……」
サターニャ「あーいや、その……」
ラフィエル「……そう、ですか」
サターニャ「ラ、ラフィエル!」
23: 2017/03/06(月) 22:02:07.572 ID:rxIPe5pj0
サターニャ(がっくりと肩を落としたラフィエルは)
サターニャ(まるで、それが演技じゃないかのように、とぼとぼと歩く)
サターニャ「い、いやいや……いつもの揶揄いでしょ」
サターニャ「……………」
サターニャ「ラ、ラフィエル!」
ラフィエル「……なんですか?」
サターニャ「あ、あのさ!」
サターニャ(振り返ったラフィエルの寂しそうな顔)
サターニャ(残念そうな顔)
サターニャ(私の知ってる、私の知らない顔)
サターニャ「あのさ……」
サターニャ「き、嫌いじゃないわよ! 別に」
サターニャ(まるで、それが演技じゃないかのように、とぼとぼと歩く)
サターニャ「い、いやいや……いつもの揶揄いでしょ」
サターニャ「……………」
サターニャ「ラ、ラフィエル!」
ラフィエル「……なんですか?」
サターニャ「あ、あのさ!」
サターニャ(振り返ったラフィエルの寂しそうな顔)
サターニャ(残念そうな顔)
サターニャ(私の知ってる、私の知らない顔)
サターニャ「あのさ……」
サターニャ「き、嫌いじゃないわよ! 別に」
26: 2017/03/06(月) 22:06:37.865 ID:rxIPe5pj0
サターニャ(自分の顔が熱く火照っていくのを感じながら)
サターニャ(見ていられなくて、眼を逸らす)
サターニャ(ラフィエルも、ガヴリールも、ヴィネットも)
サターニャ(私にとっては、一応……)
サターニャ「だかっ――」
サターニャ(意を決して顔を上げた瞬間)
ラフィエル「むふふ~」
サターニャ「な、なに笑ってるのよ」
サターニャ(いつものラフィエルの笑顔が見えた)
サターニャ(いつもなら何とも思わない)
サターニャ(でも、少しだけ違った)
サターニャ(また引っかかりましたね。と、言われてる気がした)
サターニャ(見ていられなくて、眼を逸らす)
サターニャ(ラフィエルも、ガヴリールも、ヴィネットも)
サターニャ(私にとっては、一応……)
サターニャ「だかっ――」
サターニャ(意を決して顔を上げた瞬間)
ラフィエル「むふふ~」
サターニャ「な、なに笑ってるのよ」
サターニャ(いつものラフィエルの笑顔が見えた)
サターニャ(いつもなら何とも思わない)
サターニャ(でも、少しだけ違った)
サターニャ(また引っかかりましたね。と、言われてる気がした)
28: 2017/03/06(月) 22:12:04.926 ID:rxIPe5pj0
ラフィエル「いえいえ~」
ラフィエル「サターニャさんはやっぱり、お優しい方だな~と」
サターニャ「嘘。ほんとは馬鹿にしてるでしょ」
ラフィエル「え?」
サターニャ(根拠はなかったけど)
サターニャ(でも、いつもそうだからって、勝手に考えて)
サターニャ(適当に言った言葉は、ラフィエルを驚かす)
サターニャ(いつもの仕返し、そんな言葉が心に浮かんだ)
ラフィエル「あの――」
サターニャ「あんたなんか大っ嫌いよラフィエル! もう話してやらないんだから!」
サターニャ(ごめんなさいと言わせてやる)
サターニャ(いつもいつも揶揄ってくる仕返しだと)
サターニャ(……すでにある罪悪感に言い聞かせて。ラフィエルを見る)
ラフィエル「サターニャさんはやっぱり、お優しい方だな~と」
サターニャ「嘘。ほんとは馬鹿にしてるでしょ」
ラフィエル「え?」
サターニャ(根拠はなかったけど)
サターニャ(でも、いつもそうだからって、勝手に考えて)
サターニャ(適当に言った言葉は、ラフィエルを驚かす)
サターニャ(いつもの仕返し、そんな言葉が心に浮かんだ)
ラフィエル「あの――」
サターニャ「あんたなんか大っ嫌いよラフィエル! もう話してやらないんだから!」
サターニャ(ごめんなさいと言わせてやる)
サターニャ(いつもいつも揶揄ってくる仕返しだと)
サターニャ(……すでにある罪悪感に言い聞かせて。ラフィエルを見る)
30: 2017/03/06(月) 22:16:50.436 ID:rxIPe5pj0
ラフィエル「あ、え……?」
ラフィエル「その……サターニャさ……」
サターニャ(ラフィエルにしては、稀に見る落ち着かなさだった)
サターニャ(驚きに見開いた瞳)
サターニャ(彷徨う右手、途切れ途切れの言葉)
サターニャ「…………」
サターニャ(まだよ。まだ!)
サターニャ(胡桃沢=サタニキア=マクドゥエル。ここで引いてはいつもと同じよ)
サターニャ(ぐっと握りこぶしを作って、ラフィエルを睨む)
サターニャ「……ふんっ、そう言うことだからさようなら。白羽さん?」
ラフィエル「その……サターニャさ……」
サターニャ(ラフィエルにしては、稀に見る落ち着かなさだった)
サターニャ(驚きに見開いた瞳)
サターニャ(彷徨う右手、途切れ途切れの言葉)
サターニャ「…………」
サターニャ(まだよ。まだ!)
サターニャ(胡桃沢=サタニキア=マクドゥエル。ここで引いてはいつもと同じよ)
サターニャ(ぐっと握りこぶしを作って、ラフィエルを睨む)
サターニャ「……ふんっ、そう言うことだからさようなら。白羽さん?」
34: 2017/03/06(月) 22:21:51.345 ID:rxIPe5pj0
ラフィエル「ま、待ってくださ……」
サターニャ「……っ」
サターニャ(背中を向けた瞬間、一瞬だけど、腕に何かが触れた)
サターニャ(何かじゃない)
サターニャ(ラフィエルの手……でも)
サターニャ「……………」
サターニャ(何も言わずに歩き出す)
サターニャ(ラフィエルがまた、騙そうとしているかもしれないから)
サターニャ(振り返ればまた、むふふ~って笑っていると思ったから)
ラフィエル「サターニャさん……」
ラフィエル「……すみません」
サターニャ「……っ」
サターニャ(背中を向けた瞬間、一瞬だけど、腕に何かが触れた)
サターニャ(何かじゃない)
サターニャ(ラフィエルの手……でも)
サターニャ「……………」
サターニャ(何も言わずに歩き出す)
サターニャ(ラフィエルがまた、騙そうとしているかもしれないから)
サターニャ(振り返ればまた、むふふ~って笑っていると思ったから)
ラフィエル「サターニャさん……」
ラフィエル「……すみません」
35: 2017/03/06(月) 22:25:32.330 ID:rxIPe5pj0
サターニャ(謝った!)
サターニャ(心を鬼にしてでも抗った甲斐があった!)
サターニャ(……………)
サターニャ(でも、また騙そうとしてたら?)
サターニャ「……それでもいいじゃない」
サターニャ「いや、でも……」
サターニャ(自分で自分に話しかけて)
サターニャ(どうするべきかを話し合ううちに)
サターニャ「あ……」
サターニャ(気づけば、家に帰って来ていて)
サターニャ(振り返ってもラフィエルはいない)
サターニャ「明日ネタバラシすればいい……わよね!」
サターニャ(いつも通りの考え方で、気持ちを切り替えた)
サターニャ(心を鬼にしてでも抗った甲斐があった!)
サターニャ(……………)
サターニャ(でも、また騙そうとしてたら?)
サターニャ「……それでもいいじゃない」
サターニャ「いや、でも……」
サターニャ(自分で自分に話しかけて)
サターニャ(どうするべきかを話し合ううちに)
サターニャ「あ……」
サターニャ(気づけば、家に帰って来ていて)
サターニャ(振り返ってもラフィエルはいない)
サターニャ「明日ネタバラシすればいい……わよね!」
サターニャ(いつも通りの考え方で、気持ちを切り替えた)
38: 2017/03/06(月) 22:32:51.692 ID:rxIPe5pj0
………………
…………
……
ガヴリール「ん? 今日は一緒じゃないのか?」
サターニャ「私とラフィエルがなんでセットなのよ」
ガヴリール「サターニャだって別に嫌じゃないんだろ~?」
サターニャ「それは……その」
サターニャ(ラフィエルがそばにいる事)
サターニャ(私にとって、それは……)
サターニャ「なんだっていいでしょ! それよりも勝負しなさい、ガヴリー……」
サターニャ(府と視線を感じて教室の入り口に目を向けると)
サターニャ(逃げるように靡いた銀色の髪が消えていく)
ガヴリール「勝負はしないぞ。面倒……? どうした?」
サターニャ「あ、いや……急用が出来たわ! 首を長くして待ってなさい!」
ガヴリール「洗うじゃないのかよ……どれだけ待たせるつもりだよ」
サターニャ(ガヴリールのそんなぼやきを無視して教室を出て、右を見る)
サターニャ「……いない」
サターニャ(ラフィエルのクラスに行くと、ついさっき出ていった。と言われて適当に階段を登っていく)
…………
……
ガヴリール「ん? 今日は一緒じゃないのか?」
サターニャ「私とラフィエルがなんでセットなのよ」
ガヴリール「サターニャだって別に嫌じゃないんだろ~?」
サターニャ「それは……その」
サターニャ(ラフィエルがそばにいる事)
サターニャ(私にとって、それは……)
サターニャ「なんだっていいでしょ! それよりも勝負しなさい、ガヴリー……」
サターニャ(府と視線を感じて教室の入り口に目を向けると)
サターニャ(逃げるように靡いた銀色の髪が消えていく)
ガヴリール「勝負はしないぞ。面倒……? どうした?」
サターニャ「あ、いや……急用が出来たわ! 首を長くして待ってなさい!」
ガヴリール「洗うじゃないのかよ……どれだけ待たせるつもりだよ」
サターニャ(ガヴリールのそんなぼやきを無視して教室を出て、右を見る)
サターニャ「……いない」
サターニャ(ラフィエルのクラスに行くと、ついさっき出ていった。と言われて適当に階段を登っていく)
39: 2017/03/06(月) 22:42:21.751 ID:rxIPe5pj0
サターニャ(屋上まで登っても見当たらなくて)
サターニャ(青空通路を通っていると、校舎脇に座り込むラフィエルと子犬が見えた)
サターニャ「ラフィエルーっ!」
ラフィエル「!?」
ラフィエル「ぁ………」
ラフィエル「っ!」
サターニャ「あ、ちょっ、待ちなさ……って、追えるわけないしぃ~っ!」
サターニャ(声をかけた瞬間)
サターニャ(ラフィエルは体を震わせて、そのまま辺りを見渡し)
サターニャ(私を見つけた瞬間全速力で走り出す)
サターニャ(要するに、また見失った)
サターニャ(青空通路を通っていると、校舎脇に座り込むラフィエルと子犬が見えた)
サターニャ「ラフィエルーっ!」
ラフィエル「!?」
ラフィエル「ぁ………」
ラフィエル「っ!」
サターニャ「あ、ちょっ、待ちなさ……って、追えるわけないしぃ~っ!」
サターニャ(声をかけた瞬間)
サターニャ(ラフィエルは体を震わせて、そのまま辺りを見渡し)
サターニャ(私を見つけた瞬間全速力で走り出す)
サターニャ(要するに、また見失った)
41: 2017/03/06(月) 22:51:13.385 ID:rxIPe5pj0
サターニャ(昼休み……)
サターニャ(授業が終わった瞬間に教室に駆けこんでも)
サターニャ(入れ違いで出ていったと言われる)
サターニャ「……はぁ」
ヴィーネ「どうしたの? ため息なんてサターニャらしくない」
サターニャ「ヴィネット……」
サターニャ(ヴィネットは私のことを心配そうに見つめ)
サターニャ(隣の席が空席なのを確認してから椅子に座る)
サターニャ「んー……」
サターニャ(言えるわけない。ラフィエルと喧嘩したって……)
サターニャ「!?」
サターニャ(ガタンッと膝を机の裏にぶつけたけれど)
サターニャ(そんなことが気にならないほど、混乱する)
サターニャ(喧嘩? 私がラフィエルと?)
サターニャ「い、いやいや。あれは復讐。仕返し」
サターニャ「悪魔的反撃―デビルズカウンター―。ゆえに喧嘩じゃ――」
ヴィーネ「いや、喧嘩でしょ」
サターニャ「えっ」
サターニャ(授業が終わった瞬間に教室に駆けこんでも)
サターニャ(入れ違いで出ていったと言われる)
サターニャ「……はぁ」
ヴィーネ「どうしたの? ため息なんてサターニャらしくない」
サターニャ「ヴィネット……」
サターニャ(ヴィネットは私のことを心配そうに見つめ)
サターニャ(隣の席が空席なのを確認してから椅子に座る)
サターニャ「んー……」
サターニャ(言えるわけない。ラフィエルと喧嘩したって……)
サターニャ「!?」
サターニャ(ガタンッと膝を机の裏にぶつけたけれど)
サターニャ(そんなことが気にならないほど、混乱する)
サターニャ(喧嘩? 私がラフィエルと?)
サターニャ「い、いやいや。あれは復讐。仕返し」
サターニャ「悪魔的反撃―デビルズカウンター―。ゆえに喧嘩じゃ――」
ヴィーネ「いや、喧嘩でしょ」
サターニャ「えっ」
44: 2017/03/06(月) 22:59:35.154 ID:rxIPe5pj0
ヴィーネ「朝から見てたけど、いつもと逆よね」
ヴィーネ「普段はラフィがサターニャを追いかけてるのに、今日はサターニャが追いかけてる」
サターニャ「それはっ」
ヴィーネ「本当に嫌いならどうだっていい」
サターニャ(ヴィネットは私が言いたいことを分かっているみたいに)
サターニャ(中途半端に遮って)
ヴィーネ「でも、サターニャはそうやって頑張ってラフィエルに会おうとしてる」
ヴィーネ「それなら、その手で捕まえられなくても。その言葉で引き留められるんじゃない?」
サターニャ(ヴィネットはそう言いながら)
サターニャ(私の胸のところを指さして、ウインクする)
サターニャ「でもさ……ラフィエルの姿さえ見えないし」
ヴィーネ「ラフィエルはサターニャと一緒でしょ。サターニャが迷走してなければ、の話だけどね」
ヴィーネ「普段はラフィがサターニャを追いかけてるのに、今日はサターニャが追いかけてる」
サターニャ「それはっ」
ヴィーネ「本当に嫌いならどうだっていい」
サターニャ(ヴィネットは私が言いたいことを分かっているみたいに)
サターニャ(中途半端に遮って)
ヴィーネ「でも、サターニャはそうやって頑張ってラフィエルに会おうとしてる」
ヴィーネ「それなら、その手で捕まえられなくても。その言葉で引き留められるんじゃない?」
サターニャ(ヴィネットはそう言いながら)
サターニャ(私の胸のところを指さして、ウインクする)
サターニャ「でもさ……ラフィエルの姿さえ見えないし」
ヴィーネ「ラフィエルはサターニャと一緒でしょ。サターニャが迷走してなければ、の話だけどね」
46: 2017/03/06(月) 23:08:51.284 ID:rxIPe5pj0
サターニャ(ヴィネットはそう言いながら、振り返りもせずに)
サターニャ(私にしか見えないような位置で、扉の方を指さす)
ラフィエル「!」
サターニャ「あっ」
サターニャ(いつものように、ラフィエルがいた)
サターニャ(いつもと違うのは、ラフィエルが逃げる事)
サターニャ(いつもと違うのは、ラフィエルが悲しそうなこと)
ガヴリール「さっさと行くなら行けよ。サターニャ」
サターニャ「ガヴ――」
ガヴリール「何のための筋力極振りなのか分からなくなるだろ~」
サターニャ(言いたいことは色々ある)
サターニャ(でも今は呑み込んで、駆けだす)
サターニャ「後で勝負よ! ガヴリール!」
ガヴリール「一騎打ちはしないからな」
サターニャ(余計なお世話よ……天使の癖に! そう心にとどめて前を見る。廊下の先、一瞬だけラフィエルの髪が見えた)
サターニャ(ラフィエルに頭で勝ててない事なんてわかってんだから)
サターニャ(だから……それ以外でなんて、負けてやれない!)
サターニャ(私にしか見えないような位置で、扉の方を指さす)
ラフィエル「!」
サターニャ「あっ」
サターニャ(いつものように、ラフィエルがいた)
サターニャ(いつもと違うのは、ラフィエルが逃げる事)
サターニャ(いつもと違うのは、ラフィエルが悲しそうなこと)
ガヴリール「さっさと行くなら行けよ。サターニャ」
サターニャ「ガヴ――」
ガヴリール「何のための筋力極振りなのか分からなくなるだろ~」
サターニャ(言いたいことは色々ある)
サターニャ(でも今は呑み込んで、駆けだす)
サターニャ「後で勝負よ! ガヴリール!」
ガヴリール「一騎打ちはしないからな」
サターニャ(余計なお世話よ……天使の癖に! そう心にとどめて前を見る。廊下の先、一瞬だけラフィエルの髪が見えた)
サターニャ(ラフィエルに頭で勝ててない事なんてわかってんだから)
サターニャ(だから……それ以外でなんて、負けてやれない!)
47: 2017/03/06(月) 23:15:34.908 ID:rxIPe5pj0
サターニャ(……登った!)
サターニャ(考えない。考えないで直感で移動する)
サターニャ(間違えてたら逃げられる)
サターニャ(慎重すぎても逃げられる。それなら――本能に従う)
サターニャ(そして、屋上に出ると)
サターニャ(端までかけていく銀色の髪が見えた)
サターニャ「……天使の力で逃げるつもりね?」
サタ-ニャ「………」
サターニャ(胸の前で強く拳を作り、息を吸い込む。そして)
サターニャ「ごめん!!」
サターニャ(今ここで……ううん。一番ラフィエルに言いたい言葉を放り投げた)
サターニャ(考えない。考えないで直感で移動する)
サターニャ(間違えてたら逃げられる)
サターニャ(慎重すぎても逃げられる。それなら――本能に従う)
サターニャ(そして、屋上に出ると)
サターニャ(端までかけていく銀色の髪が見えた)
サターニャ「……天使の力で逃げるつもりね?」
サタ-ニャ「………」
サターニャ(胸の前で強く拳を作り、息を吸い込む。そして)
サターニャ「ごめん!!」
サターニャ(今ここで……ううん。一番ラフィエルに言いたい言葉を放り投げた)
48: 2017/03/06(月) 23:22:01.902 ID:rxIPe5pj0
サターニャ「ごめん、ラフィエル」
ラフィエル「…………」
サターニャ「ほんの冗談のつもりだった……わけじゃない。ごめん、少し本気だったわ」
サターニャ(いつも揶揄ってくるから)
サターニャ(ラフィエルの悲しそうな顔とか雰囲気とかが信じられなくなって……)
サターニャ(積もり積もったものが爆発した)
サターニャ(……そう。信じていた)
サターニャ(信じるくらいに、私はラフィエルを……思ってた)
サターニャ「全部私が悪いとは思ってないわよ!」
サターニャ「元はと言えば、ラフィエルが揶揄ってばっかりだから!」
サターニャ「だから、一応勇気を振り絞った言葉まで揶揄われて……嫌になったわけだし!」
ラフィエル「…………」
サターニャ「ほんの冗談のつもりだった……わけじゃない。ごめん、少し本気だったわ」
サターニャ(いつも揶揄ってくるから)
サターニャ(ラフィエルの悲しそうな顔とか雰囲気とかが信じられなくなって……)
サターニャ(積もり積もったものが爆発した)
サターニャ(……そう。信じていた)
サターニャ(信じるくらいに、私はラフィエルを……思ってた)
サターニャ「全部私が悪いとは思ってないわよ!」
サターニャ「元はと言えば、ラフィエルが揶揄ってばっかりだから!」
サターニャ「だから、一応勇気を振り絞った言葉まで揶揄われて……嫌になったわけだし!」
50: 2017/03/06(月) 23:31:40.018 ID:rxIPe5pj0
サターニャ(私に背中を向けたままのラフィエルに)
サターニャ(ゆっくりと、堂々と近づいて)
サターニャ(あと少しのところまで来たところで、不意に)
サターニャ(ラフィエルの頭が私の胸にぶつかった)
ラフィエル「すみません」
ラフィエル「ごめんなさい……サターニャさん」
サターニャ「ラフィエル……」
ラフィエル「サターニャさんと居ると楽しかったんです。どこまでも、いくらでも。どんなことでも」
ラフィエル「それで自分を制することが出来なくなって……いえ、私はサターニャさんに甘えていたんです」
ラフィエル「サターニャさんなら許してくれるだろう。気にしないだろう。と」
サターニャ(これは、嘘だと思えない)
サターニャ(ううん、思いたくなかった)
サターニャ(私のブラウスにしみこんでいく天使の雫が偽物だって、疑いたくなかった)
サターニャ(ゆっくりと、堂々と近づいて)
サターニャ(あと少しのところまで来たところで、不意に)
サターニャ(ラフィエルの頭が私の胸にぶつかった)
ラフィエル「すみません」
ラフィエル「ごめんなさい……サターニャさん」
サターニャ「ラフィエル……」
ラフィエル「サターニャさんと居ると楽しかったんです。どこまでも、いくらでも。どんなことでも」
ラフィエル「それで自分を制することが出来なくなって……いえ、私はサターニャさんに甘えていたんです」
ラフィエル「サターニャさんなら許してくれるだろう。気にしないだろう。と」
サターニャ(これは、嘘だと思えない)
サターニャ(ううん、思いたくなかった)
サターニャ(私のブラウスにしみこんでいく天使の雫が偽物だって、疑いたくなかった)
52: 2017/03/06(月) 23:39:36.328 ID:rxIPe5pj0
サターニャ「ぜ、全部が全部嫌だったわけじゃないわよ」
ラフィエル「ですが……」
サターニャ「好きとか嫌いとか! そう言うのを冗談に利用されたのが嫌だっただけで」
サターニャ(隠さない)
サターニャ(いつものようにしてしまいそうな心を、頭を)
サターニャ(ラフィエルの感触で抑え込んで)
サターニャ「ちょっとイラってくることも確かにあるわよ。でも」
サターニャ「……ラフィエル」
サターニャ(意を決してラフィエルの両肩を掴んで、体から引き離す)
サターニャ(濡れた金色の目は、宝石のように見えて)
サターニャ(だから、それに目がくらんだのよ。と、恥ずかしさに壊れそうな心を立て直して)
サターニャ「楽しかった。普通に、幸せだったと思うし」
サターニャ「無くなったら無くなったで……なんだかんだ物足りないし」
サターニャ「ラ、ラフィエルは笑っててくれた方が……私的には嬉しいって言うか……」
ラフィエル「ですが……」
サターニャ「好きとか嫌いとか! そう言うのを冗談に利用されたのが嫌だっただけで」
サターニャ(隠さない)
サターニャ(いつものようにしてしまいそうな心を、頭を)
サターニャ(ラフィエルの感触で抑え込んで)
サターニャ「ちょっとイラってくることも確かにあるわよ。でも」
サターニャ「……ラフィエル」
サターニャ(意を決してラフィエルの両肩を掴んで、体から引き離す)
サターニャ(濡れた金色の目は、宝石のように見えて)
サターニャ(だから、それに目がくらんだのよ。と、恥ずかしさに壊れそうな心を立て直して)
サターニャ「楽しかった。普通に、幸せだったと思うし」
サターニャ「無くなったら無くなったで……なんだかんだ物足りないし」
サターニャ「ラ、ラフィエルは笑っててくれた方が……私的には嬉しいって言うか……」
54: 2017/03/06(月) 23:49:12.606 ID:rxIPe5pj0
サターニャ(言い表すなら、ぼんっという破裂音にも似たものが)
サターニャ(頭の中で響いて、全体的な体の熱さを感じて)
サターニャ(きっと、顔が赤いんだろうなぁ。なんて)
サターニャ(他人事みたいに考えて)
サターニャ「な、仲直りよ!」
ラフィエル「……良いんですか?」
ラフィエル「また、悪戯するかもしれません。揶揄うかもしれません」
ラフィエル「それでも――」
サターニャ「良いわよ。ラフィエル」
サターニャ(好きという言葉は使えなかった。でも、それでいいと思いながら)
サターニャ「大悪魔様であるこの私が、その程度の事で嫌いになるわけないじゃない」
ラフィエル「サターニャさん……ありがとうございます」
サターニャ「…………ぅ」
サターニャ(抱き着いてきたラフィエルを)
サターニャ(思わず、流れ任せに抱きしめながら、地獄の業火にも似た熱さを体に感じて)
サターニャ(どうか心臓の音だけは聞こえませんようにと、願った)
サターニャ(頭の中で響いて、全体的な体の熱さを感じて)
サターニャ(きっと、顔が赤いんだろうなぁ。なんて)
サターニャ(他人事みたいに考えて)
サターニャ「な、仲直りよ!」
ラフィエル「……良いんですか?」
ラフィエル「また、悪戯するかもしれません。揶揄うかもしれません」
ラフィエル「それでも――」
サターニャ「良いわよ。ラフィエル」
サターニャ(好きという言葉は使えなかった。でも、それでいいと思いながら)
サターニャ「大悪魔様であるこの私が、その程度の事で嫌いになるわけないじゃない」
ラフィエル「サターニャさん……ありがとうございます」
サターニャ「…………ぅ」
サターニャ(抱き着いてきたラフィエルを)
サターニャ(思わず、流れ任せに抱きしめながら、地獄の業火にも似た熱さを体に感じて)
サターニャ(どうか心臓の音だけは聞こえませんようにと、願った)
55: 2017/03/07(火) 00:01:03.153 ID:HEBqrWE80
……………………
……………
………
ラフィエル「サターニャさんっ、今日はお買い物行きませんか?」
サターニャ「良いけど、着せ替え人形はお断するわ」
ラフィエル「忘れたんですか? 今日は二人でお料理を――」
サターニャ「お、覚えてるわよ。忘れるわけ」
ラフィエル「む~サターニャさんっ! 天誅です!」
サターニャ「にゃっ、やめ――」
ガヴリール「サターニャってさ。最近ラフィとすげー仲いいよなー」
ヴィーネ「ほんと」
ラフィエル「そうですよ~、ね、サターニャさーん」
サターニャ「くっつくなぁっ!」
サターニャ(抱き着いてくるラフィエルにそう言いながらも)
サターニャ(心はまんざらでもなくて、笑う)
ガヴリール「……はぁ」
サターニャ「なによガヴリール。文句あるわけ?」
ガヴリール「いいや、ないよ」
ガヴリール「あーいや、やっぱりある。出来れば余所でやってくれ。見てるこっちが恥ずかしい」
サターニャ(私は天使が、ラフィエルが――好きだから)
……………
………
ラフィエル「サターニャさんっ、今日はお買い物行きませんか?」
サターニャ「良いけど、着せ替え人形はお断するわ」
ラフィエル「忘れたんですか? 今日は二人でお料理を――」
サターニャ「お、覚えてるわよ。忘れるわけ」
ラフィエル「む~サターニャさんっ! 天誅です!」
サターニャ「にゃっ、やめ――」
ガヴリール「サターニャってさ。最近ラフィとすげー仲いいよなー」
ヴィーネ「ほんと」
ラフィエル「そうですよ~、ね、サターニャさーん」
サターニャ「くっつくなぁっ!」
サターニャ(抱き着いてくるラフィエルにそう言いながらも)
サターニャ(心はまんざらでもなくて、笑う)
ガヴリール「……はぁ」
サターニャ「なによガヴリール。文句あるわけ?」
ガヴリール「いいや、ないよ」
ガヴリール「あーいや、やっぱりある。出来れば余所でやってくれ。見てるこっちが恥ずかしい」
サターニャ(私は天使が、ラフィエルが――好きだから)
59: 2017/03/07(火) 00:02:59.353 ID:HEBqrWE80
完!
61: 2017/03/07(火) 00:06:26.764
よくやりきってくれた
おつ!
おつ!
65: 2017/03/07(火) 00:47:16.095
素晴らしい尊さ
引用元: ガヴリール「サターニャって最近ラフィとすげー仲いいよな」サターニャ「は、はぁ!?そんなわけっ/////」ラフィエル「そうですよ~♪」
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