先輩「例えば後輩くんはどういうときに幸せを感じるんだい？」

後輩「うーん……おいしいものを食べてるときとかっすね」

先輩「君はなんというか……幸福者だね」

後輩「いやぁ照れるっす」

先輩「ちなみにどんな食べ物が好きなんだい？」

後輩「最近はセブ◯イレブンのカルパスがブームっすね。三◯矢サイダーと合わせるとそれはもう……幸せっすよ」ｳｯﾄﾘ

先輩「なんというか、中年のような趣味をしてるんだな」

後輩「中年のような思考をしている先輩には言われたくないっす」

後輩「幸せといえば、よく幸せは買えないって言うっすけど」

先輩「ふむ」

後輩「俺はコンビニで買えちゃうんすよねぇ。300円しないっすよ。幸せ」

先輩「インスタントハッピーだね」

後輩「手軽ってのもひとつの幸せっすよ」

後輩「そういう先輩は、どういうときに幸せを感じるんすか？」

先輩「私かい？……うーん……あっ」

後輩「おっ？なんか思いついたっすか？」

先輩「……いや、いい」

後輩「えー、なんすかそれー！気になるっすよ～」

先輩「あの、その、恥ずかしいから、その」

後輩「えー？そんな恥ずかしがることないっすよ。ぶっちゃけ俺もめちゃくちゃ恥ずかしいじゃないっすか。なんすかカルパス食べて幸せって。アホっぽいじゃないっすか」

先輩「後輩くんがアホっぽいのは割と今更だよ」

後輩「えっ」ｶﾞｰﾝ

後輩「俺ショックっす！これは先輩に責任を取ることを所望するっす！」

先輩「せ、責任……？」

後輩「さっさと吐くっす！カツ丼頼みますよ！」

先輩「うぅ……流してはくれないのか……」

後輩「出前の電話番号ググり始めましたからね！俺！」

先輩「なんでそんなにカツ丼に前向きなんだ……えっと……あの……その……寝る前に……ぬいぐるみを……抱いてるときとか……」ｶｧ

後輩「…………」

先輩「…………」

後輩「…………」

先輩「…………なんとか言いたまえ」

後輩「かーわーいーいー」

先輩「よし、黙っていいぞ。とりあえず私は今最高に不幸だ！」

後輩「俺はなんか今最高に幸せっすよ」ﾆﾔﾆﾔ

先輩「趣味が悪いぞ……」

後輩「いやいやこれは先輩が反則っす」ﾆﾔﾆﾔ

先輩「こ、こほん。話を戻そう。こうやって私達は幸せになる瞬間を挙げてみたが、どっちも刹那的なものでしかないだろう？」

後輩「顔が赤いまま話題を無理矢理難しい話に持っていく先輩を見てかわいいと思うこの感情もまた刹那……諸行無常っすね……」ﾆﾔﾆﾔ

先輩「私達はもっと長期的な目で幸せを求めた方がいいんじゃないだろうか。今、幸せになるのは簡単だが、十年後、一年後、一ヶ月後……一週間後を幸せにするとなると難しいと思わないか？」

後輩「あぁ……諸行無常っすね……」ﾆﾔﾆﾔ

先輩「とりあえず君を殴れば私は今幸せになれそうなんだが」

後輩「……まぁ、でもそんなの簡単じゃないっすか」ｻｽｻｽ

先輩「……む？」

後輩「俺はこうやって二人だけの文芸部室で先輩とダベるの好きだし、幸せっすよ」

先輩「……なるほど」

後輩「先輩は、どっすか？俺と話すの、好きじゃないっすか？」

先輩「そんなことは……ないけれど……」

後輩「明日も、一週間後も、一ヶ月後、一年後だってこうやって先輩と何気ない話を続けていけばいいじゃないっすか」

後輩「きっとそれが"私達の幸福論"ってやつっすよ」

先輩「あっはっは。なんというか、等身大だね」

後輩「そっすか？ちょっと背伸びした感じがするっすけど」

先輩「確かに、背伸びをしているかもしれない。でもきっと、そういうところも含めて等身大なんだよ」

後輩「もっとこう『俺達の出会いに感謝ー、最高にツいてるー！』みたいな感じの方が等身大っぽいっすよ」

先輩「それは……思考停止じゃないか……？」

後輩「先輩」

先輩「なんだい？」

後輩「ツいてるっすね」

先輩「それは……幸運だね」

めっちゃ短いしオチが強引だけどおわり。

おつおつ
久々にみた