1: 2011/10/24(月) 20:25:18.63 ID:1k9WPx9S0
まどか「へ? なっ、何でですか?」

マミ「あー……今ちょっと、汚れてるというか」

まどか「そんなの気にしませんけど……」

マミ「いや、その……結構ひどいのよ」

まどか「……良かったら、掃除しましょうか?」

マミ「だっ、駄目! 近づくのも駄目! もう足の踏み場もない程だから!」

4: 2011/10/24(月) 20:27:38.62 ID:1k9WPx9S0
まどか「そ、そうなんですか?」

マミ「あっ、後で掃除しとくから……今は、とにかく我慢して?」

まどか「あ、じゃあ、その……」

マミ「……何?」

まどか「あの……銭湯に行くのは……」

マミ「………言ったでしょ? 外出は一番駄目よ」

マミ「外は危ないんだから」

まどか「はあ……」

マミ「ドタバタしてて、もう三日くらい入ってないものね……女の子だし、入りたい気持ちはわかるけど……ごめんなさいね」

まどか「こ、こっちこそワガママいってすみませんでした」

マミ「いいのよ……明日には入れるようにしておくわ」

8: 2011/10/24(月) 20:29:25.28 ID:1k9WPx9S0
まどか「……はい」

マミ「じゃあ、私は学校に行ってくるわ。 お留守番お願いね」ガチャッ

まどか「わかりました。 ……いってらっしゃい」

マミ「はい、行ってきます」キィー……

まどか「…………」


バタン カチャカチャ ガチッ


まどか「はぁ……」

まどか「今日も一人か……気が滅入るなあ・・・・・・」

11: 2011/10/24(月) 20:31:05.31 ID:1k9WPx9S0
…………………

カチカチ カチカチ

まどか「………そこだっ………てやっ………」

ホアチャー イケソウカナー

まどか「……おっ、弱ってきた」

クーラーエ ヒッサツケン

まどか「あっ」

キャー コレジャワラエナイヨ

まどか「ああっ、もう……パフェ失敗とか……」ポイスッ

12: 2011/10/24(月) 20:32:42.75 ID:1k9WPx9S0
まどか「あーあ、サソリとか絶滅すればいいのに……」ボフッ


まどか「…………つまんないなー」


まどか(もう三日……でいいのかな? その前のことも考えるとどれくらいになるんだろ……)

まどか(というか何してたんだろ私……)

まどか(パジャマで公園に倒れてたってことしか、マミさんは教えてくれないし)

まどか(住ませてくれるのは嬉しいんだけど、ちょっと過保護っていうかなんていうか)

まどか「外は危ない、テレビは刺激が強い、直射日光が危険だからカーテン閉めっぱなし……」

まどか「赤ちゃんじゃないんだからもー……」

まどか「………………」

まどか「お母さん、お父さん、たっくん……さやかちゃん、ひとみちゃん……」



まどか「ほむらちゃん…………今頃どうしてるのかな」

14: 2011/10/24(月) 20:34:51.92 ID:1k9WPx9S0

………………………………

ガチャガチャ

マミ「ただいまー」

まどか「あ、おかえりなさい」

マミ「宅配便とか来た? 電話は?」

まどか「いえ、来ませんでしたけど」

マミ「そう? おかしいわね……発送メールは来たんだけどなあ……」

まどか「え? 何か頼んでたんですか?」

マミ「まあね……この様、とはよく言ったものだわ」

まどか「あ、いやそういうことじゃなくて……この部屋ってパソコン有るんですか?」

15: 2011/10/24(月) 20:37:09.81 ID:1k9WPx9S0

マミ「え? そりゃあ有るけど……あっ」

まどか「! あの、使わせt」

マミ「駄目よ! ネットなんて見たら悪影響が出るもの」

まどか「……………はい」

マミ「……昼間一人じゃ寂しいかもしれないけど、アドパで我慢してくれるかしら……」

まどか「で、でもGEBはあんまり部屋が……」

マミ「…………わかったわよ、今度モンハン買ってくるわ」

まどか「す、すみません」

16: 2011/10/24(月) 20:39:36.87 ID:1k9WPx9S0

マミ「言ってくれれば何でも買ってくるわよ……そのかわり、外に出ちゃ駄目。 わかった?」

まどか「はい…………あの」

マミ「何? 別にLoAでも構わないわよ?」

まどか「そうじゃなくて……みんな、どうしてるのかな、って……」

マミ「あ……そう、ね……美樹さんは、元気だったわよ?」

まどか「ほ、ほむらちゃんは!? ほむらちゃんは……元気ですか?」

マミ「うっ……まあ、多分、元気じゃないかしら?」

まどか「……何かあったんですか?」

17: 2011/10/24(月) 20:39:46.15
このデブ何様だよ

20: 2011/10/24(月) 20:41:37.22 ID:1k9WPx9S0

マミ「いやその、彼女とはあんまり接点が無いというか……」

まどか「そ、そうですよね……すみません」

まどか「……あ、家族は……私の家の方は、どうなってるんでしょうか?」


マミ「…………言いにくいんだけど、今病院にいらっしゃるみたいなの」


まどか「………えっ?」

マミ「一家で事故にあったみたいで……今まで隠しててごめんなさい」

まどか「そっ………そんな! ど、どれくらいの怪我なんですか!? たたたたたっくんは!? まだ、小さいのに!」

23: 2011/10/24(月) 20:43:38.01 ID:1k9WPx9S0
マミ「お、落ちついて! ……みんな命に別状は無いそうよ」

まどか「……そうなんですか? でも、お見舞いに行った方が……」

マミ「駄目よ! ……まだ色々大変だろうし、私たちが行っても邪魔になるだけだから」

マミ「それに……まだあなたは外に出ない方が良いわ」

まどか「私は!……私はなんともありません」

マミ「それでも良くないの……今のあなたには……色々と、ショックが大きいのよ」

まどか「………何かあるんですか?」

マミ「まだ教えられないわ……でも、いつかは教える。 だから、今は言うことを聞いて」

25: 2011/10/24(月) 20:45:28.13 ID:1k9WPx9S0

まどか「……はい」

マミ「よし! じゃあ、お風呂の掃除してくるわね!」トテテテテ…

まどか「……ありがとうございます」


まどか(お母さん、お父さん、たっくん…………大丈夫かな)

まどか(それに、ほむらちゃん………)


まどか(何だろう、何か、嫌な予感がする……)

28: 2011/10/24(月) 20:47:28.49 ID:1k9WPx9S0


……………………


マミ「それじゃあ行ってくるわね」ガチャ

まどか「はい、いってらっしゃい」

キィー…

マミ「あっ、そうそう、昨日掃除を終わらせといたから、お風呂入っていいわよ」

まどか「本当ですか!? ありがとうございます!」

マミ「入浴剤も入れといたからね! ゆっくり使ってちょうだい」

まどか「え?……あ、はい……ありがとうございます」

マミ「じゃあ改めて、いってきます」

まどか「いってらっしゃい……」

バタン カチャカチャ ガチン

まどか「…………お風呂、入ろうか」

31: 2011/10/24(月) 20:49:16.61 ID:1k9WPx9S0

………………

カポーン

まどか「ふう…… 久しぶりに入ると気持ちいいなあ……」

まどか「でもマミさんったら……自分で入れない入浴剤に何の意味があるんだろう?」チャプン

まどか「もう…………」

まどか「…………」ジー…


まどか「小さい……」


まどか「こんなに小さかったっけかな……」サワサワ

33: 2011/10/24(月) 20:51:23.72 ID:1k9WPx9S0
まどか「……いや! 客観的に見れば、まだ……!」ザプン

まどか「…………って、あれ?」キョロキョロ

まどか「そういえば、鏡は?」

まどか「………あっ、破片」

まどか「そっか、割っちゃったんだ……」

まどか「なんで割っちゃったんだろ? ………酔っぱらってたとか? それとも、転んじゃったとか?」

まどか「…………ぷっ」

まどか「ぷふっ、あははははっ!」

まどか「あんなに必氏になって隠さなくたっていいのに……」

36: 2011/10/24(月) 20:53:30.12 ID:1k9WPx9S0

まどか「意外とおっちょこちょいなんだなー……」ザプン

まどか「はあー……午後からはまたパフェ埋めでもするかなー」

ブクブクブクブクブク……

………………………

39: 2011/10/24(月) 20:55:42.15 ID:1k9WPx9S0


………………………


マミ「………はあっ! ていっ!」チャキッ バン! バン!

オオオオオオオオオ………

マミ「これでとどめよ……ティロ・フィナーレ!」シュルルルルル……ジャキンッ!

ズガァァァァン!!

オオオオオオ… ポトッ

マミ「はあっ、はあっ……これで、二つ目」

マミ「はあっ……結構、きついわね……」


杏子「………マミ? マミじゃねえか」


マミ「あ……佐倉、さん?」

42: 2011/10/24(月) 20:57:46.91 ID:1k9WPx9S0

マミ「ご、ごめんなさい……あなたのテリトリーだったかしら?」

杏子「あ、いや……そうじゃなくて」

杏子「その、二体同時に出たみたいだから……お前は近い方にかかりっきりになってるかと思ってな」

マミ「悪いけどそっちも……はあっ……私が、倒したわ」

杏子「お前……大丈夫かよ?」

マミ「心配してくれるの?……でも大丈夫、これくらい、何ともないわ」

杏子「そんなんじゃねえよ…………で? あいつはどうしてんだ?」

マミ「ああ……鹿目さんのこと?」

44: 2011/10/24(月) 21:00:02.74 ID:1k9WPx9S0
杏子「鹿目?……ああ、そうだったな。 そう、まどかはどうしてる?」

マミ「まだ、今のところは平気ね……外に出るな、っていいつけも守ってる。……ちょっと不満そうだけど」

マミ「家族のことも、気にしてた……事故に会った、って嘘ついてごまかしたけど……いつまで持つかしら」

杏子「いい気なもんだな……」


マミ「仕方ないわ……何があったのか、本人は覚えて無いんだもの」

杏子「まあそうかもしれないけど、自業自得さ……お前も変わってんな、あんなのの世話するなんて」

マミ「だって……ほっとけないもの」

46: 2011/10/24(月) 21:02:31.42 ID:1k9WPx9S0

杏子「……………」

マミ「あなたは、そういうの嫌いでしょうけど……でも、確かにそう思ったんだもの……自分に嘘はつけないわ」

マミ「自分を騙して生き延びても……後で後悔するだけよ。 それは多分、氏ぬより辛い」

マミ「だから……今は辛くても、正義の味方でいたいの」

杏子「……そうかい」

杏子「………あー、一応言っとく。………さやかには気をつけろよ」

マミ「!………ありがとう!」

48: 2011/10/24(月) 21:04:36.95 ID:1k9WPx9S0

杏子「……………」

マミ「それじゃ、私はもう行くわね……あ、家にはいつでも来て良いのよ? 事情を知ってるのはあなたくらいだし」

杏子「………さっさと行け」

マミ「うふふ………またね」ヨタヨタ…

杏子「……………」



杏子「……言ってくれるじゃねえか……ったく」



……………………………

50: 2011/10/24(月) 21:06:13.56 ID:1k9WPx9S0

……………………………



カチカチ カチカチ

まどか「いけっ……あ、まずいかもっ……」

アットウテキナー キャー ノリワルイヨォ…

まどか「……なぜ見てるんです!」

リロードヨ!!

まどか「あー、もう……」ポイスッ

まどか「アドパアドパっと……」


ピーンポーン


まどか「へっ? お客さん?……あっ、荷物か」

52: 2011/10/24(月) 21:08:15.09 ID:1k9WPx9S0

ピーンポーン


まどか「はーい」トテテテテテ

ガチン ガチャッ キィ…

まどか「ちょっと待ってください、今ハンコを……って、あれ?」

???「あれ? あなたは……?」

まどか(うちの中学の制服だ……)

まどか「え、ええっと……私は、マミさんの後輩で、今ちょっと訳があって家で休ませてもらってたんです」

???「あ、そうなの? 私は巴さんのクラスメイトなんだけど……」

54: 2011/10/24(月) 21:10:38.33 ID:1k9WPx9S0

三年生「最近、巴さん休みだったから、溜まったプリントを届けに来たの」スッ

まどか「ありがとうございます……って、え? ……最近?」


三年生「ええ………三日か四日くらい出て無いじゃない? だから、様子見もかねて来たのよ。 今日は結構早く終わったし」


まどか「…………え? 四日……?」

三年生「元気なら良いんだけど…………どうかした?」

まどか「えっ? あ……いえ、なんでも、ありません」

三年生「そう?……じゃあ、私はこれで」

キィー… バタン

57: 2011/10/24(月) 21:13:04.37 ID:1k9WPx9S0

まどか「………………」

まどか(…………マミさんが、学校に行ってない?)

まどか(どうして……? じゃあ、何してるの?)

まどか(………なんで、私は外出禁止なの?)


まどか「…………!!」ダッ


ガチャッ キィー… バタン カチャカチャ ガチン

61: 2011/10/24(月) 21:15:32.59 ID:1k9WPx9S0

タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ

まどか「はあっ、はあっ……」

タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ

まどか(どこへ行こう…… と、とりあえず、家に行ってみよう!)

まどか(なんか、やな感じがする……)

タッ タッ タッ

ガシッ

まどか「へっ?」

マミ「あ………鹿目、さん…………!!」

62: 2011/10/24(月) 21:16:56.90 ID:1k9WPx9S0
まどか「あっ……あの、その、これは」

パシンッ

マミ「外に出ちゃ駄目だって言ったでしょう!!」

まどか「あ、ご、ごめん、なさい」

マミ「ほら、早く帰るわよ」

まどか「かえ、る?……どこへ?」

マミ「私の家に決まってるでしょう!」

まどか「で、でも! 私の家は……!」

マミ「今はあそこがあなたの家よ! だってあなたの……っ!」

66: 2011/10/24(月) 21:18:49.11 ID:1k9WPx9S0

まどか「私の、なんですか? 何があったんですか?」

マミ「……だから今は言えないって」

まどか「じゃあいつ教えてくれるんですか!」

マミ「………いいから帰るの!!」

まどか「いやっ! 放して下さい!」バシッ

マミ「あっ、駄目! それ以上――――」

――――ガッ、――――

     え?

――か―――だ――――っ?

―あ――み―――――――め―――――

――――――――――――――――――――――――…………………


69: 2011/10/24(月) 21:20:41.11 ID:1k9WPx9S0

……………………………


まどか「……………あれ?」

マミ「! ……目が覚めた?」

まどか「え?…………私、何があったんですか?」

マミ「……転んで、頭を打ったのよ……まだ足元がふらついてたのね」

まどか「…………すみません」

マミ「もう良いわ……学校に行ってないこと、話さなかった私にも非は有るもの」

まどか「…………」

マミ「プリント、受けとっておいてくれてありがとう。 ………でも、二度とこんなことが無いように、ね」

まどか「…………はい」


まどか「もう………外には出ないように、します」


71: 2011/10/24(月) 21:22:47.03 ID:1k9WPx9S0

…………………………



まどか「って言ってもなあ……」


まどか「やっぱり、余計気になっちゃうよ……」ピタッ

コッ コッ コッ  コッ   コッ  ………

まどか「よし……行った、よね」

まどか「さてと……まずはカーテン、かな」


75: 2011/10/24(月) 21:26:33.76 ID:1k9WPx9S0

…………………………


まどか「………………」

まどか「…………なに、これ」

まどか「窓が全部黒スプレーで塗りつぶしてある………」ガッ ガッ

まどか「しかも開かない……」

まどか「テ、テレビは!?」

ゴソゴソ…… プラン

まどか「は、配線が切られてる……PS3専用テレビって……」

まどか「……電話線も同じ……まあ携帯があればなんとかなるもんね……」

まどか「パソコン………は探すだけ無駄かなあ?」


まどか「グッバイレーニン…………こんなの絶対おかしいよ」

81: 2011/10/24(月) 21:30:01.85 ID:1k9WPx9S0


まどか(それにあの時……確かに私は転んだし、傷もあったけど、絶対あれはおかしいよ)

まどか(だって、気を失ったから転んだんだもん)

まどか(……じゃあなんで気を失ったの?)


まどか(それは多分………マミさんの、魔法)


まどか(私の目が覚めた時もやけに冷静だったし……意識が遠くなるのも、なんかおかしな感覚だった)

まどか(それに何より、怪しすぎるよ……こんな風に軟禁して)

まどか(何かおかしい……何かがあるんだ。 この部屋と、私に)

まどか「………パソコン、探してみよう……」


82: 2011/10/24(月) 21:32:02.85 ID:1k9WPx9S0

……………………………………………

バキッ ドカッ

???「くそっ、くそっ……!!」

ガシッ バシッ バキッ

???「どこに……どこに居るんだぁっ!!」


マミ「……何、してるの? 美樹さん」

さやか「はあっ……はあっ……ああ?……ああ、マミさんか」

マミ「何?それ……足元の……」

85: 2011/10/24(月) 21:35:16.76 ID:1k9WPx9S0

さやか「ああ、これに用があって来たの?……ほらっ」ゲシッ

テン テン テン ガッ ゴロゴロゴロゴロゴロ ピタッ

QB「う、うう……」

マミ「きゅ、キュウべえ!?」

マミ「だ、大丈夫!?」

QB「うあ……マ……ミ?」

マミ「……随分と荒れてるみたいね、美樹さん」

さやか「はんっ! ……何か悪い? 腹が立ってるのよ今!」

88: 2011/10/24(月) 21:37:39.01 ID:1k9WPx9S0

マミ「あなた……ソウルジェムの浄化、してる?」

さやか「してる、してるわよ……でもぜんっぜん足りないっ!」

さやか「あいつを……あいつを殺さなきゃどうにもなんないのよ」

マミ「……あいつって暁美さんのこと?」

さやか「……わかってるんだったら名前を出さないでっ!!」ブンッ!

ガシャーン!

マミ「……ごめんなさい」

さやか「謝んなくっていいからさぁ、あいつの居場所を教えてくれない?」

マミ「さすがに知らないわ……彼女とは、そんなに仲良くないから」

90: 2011/10/24(月) 21:39:39.87 ID:1k9WPx9S0

さやか「………本当に? かくまったりしてないでしょうね?」

マミ「するわけが無いでしょう……私の、魔法少女の友人は……鹿目さんとあなただけよ」

さやか「あっそ……ならいいわ、他当たるから」フラッ

マミ「……………」

QB「彼女が、荒れるのも……仕方ないさ」

マミ「キュウべえ! 大丈夫なの?」

QB「うん……いや、大丈夫、とは、さすがに言えないなあ……」

マミ「待ってて、今回復魔法を……」

QB「良いんだ、やめてよ……これは、ぼくの責任なんだ」

95: 2011/10/24(月) 21:43:13.23 ID:1k9WPx9S0

マミ「キュウべえ……」

QB「ははっ……処分なら想定していたけど、処罰が下るとは思ってなかったよ……」

マミ「……処罰?」

QB「ああ……『感情』さ。 疑似、だけどね………今ならわかるよ、これは無かったんじゃない、捨てたんだ」

QB「進化の途中で、どうしても邪魔になったから自ら捨てた……そして、それは正解だったと思う」

QB「地獄の苦しみ、という奴だね……胸が痛くて、頭がガンガンする」

マミ「あなた……どうしてこんなことに」

98: 2011/10/24(月) 21:45:31.87 ID:1k9WPx9S0

QB「当然さ……失敗したからだよ、任務に……だから最後の一匹まで減らされた後、処罰が下されたんだ」

マミ「失敗って……まさか、あの時のこと?」

QB「そうさ……ぼくは、知らなかったが……初めから、希望は一つしか無かったのかもしれないね」

QB「パンドラの箱、って言うのかな? ……自らが閉じ込めたものを、怖がって他人任せにしたから希望を取り逃がした……」

QB「そこから他に出てきたもの、それを背負う役がぼくってわけだ」

マミ「……随分詩的になったじゃないの? 感情があるっていうのも、悪いことばかりじゃないでしょう?」

QB「そう、かな……」

マミ「そうよ、まだ……あなたはやり直せる」

QB「……すまない、マミ……その提案には乗れない。 ……悪いことばかりじゃないから、なおさら」

100: 2011/10/24(月) 21:48:32.09 ID:1k9WPx9S0

マミ「…………そう、残念ね」

QB「……ありがとう、すこしは休まったよ。 もう、行かなくちゃ」

マミ「大丈夫? ……じゃないんだったわね」

QB「ふふっ、自分の足で歩けるくらいには大丈夫さ……じゃあね」ヨロヨロ

マミ「……………」


QB「ふぅ……ふぅ………うあっ」ドテッ

QB「くっ……まだ、氏ぬわけにはいかない」



QB「ぼくは………暁美、ほむらの手で……殺される、べきだ」




……………………………………………

104: 2011/10/24(月) 21:50:54.61 ID:1k9WPx9S0

……………………………………………



まどか「うーん……」

まどか(なんだろう、この引き出し)

まどか(部屋中探して、もうここしか探す場所が無くなっちゃった)

まどか(多分、この中にパソコンがあるんだろうけど……)

まどか(なんか、変な感じがするなあ…… パソコンだけじゃない、気がする)

まどか(……なんとかしてあけられないかな)

まどか「…………えいっ!」ググッ

バキッ

106: 2011/10/24(月) 21:52:15.73 ID:1k9WPx9S0

まどか「えっ」

カラカラ……

まどか「うわあ……まさか本当に開くなんて……」

まどか(見た目重視で鍵選んだのかなあ……なんかマミさんの将来が心配になってくるよ……)

まどか「でもまあ、結果オーライかな」


まどか「じゃあ、見て、みよう」

…………ゴクリ


カラ………

カラカラカラカラカラカラカラッ


108: 2011/10/24(月) 21:54:16.46 ID:1k9WPx9S0


まどか「こ、これって……」


まどか「ほ、ほむらちゃんのソウルジェム!? な、なんでこんな所に……」



マミ「ただいまー……って、鹿目さん!?」

まどか「うわっ! あ、こ、これは……その」

マミ「人の引き出しを勝手に開けるなんて……!!」

109: 2011/10/24(月) 21:56:08.52 ID:1k9WPx9S0

まどか「で、でも! これはなんなんですか!? これ、ほむらちゃんのソウルジェムですよね!?」

マミ「あっ、そ、それは…………!!」

まどか「何だっていうんですか? おかしいですよこん……なの」



まどか「さ、さやか、ちゃん?」

マミ「!?」クルッ



さやか「やーっぱり嘘ついてたんだぁ……………マミさん?」チャキッ




マミ「くっ……! しっかりつかまっててっ!」ヒョイッ

まどか「へっ? きゃあっ!?」

112: 2011/10/24(月) 21:57:22.64 ID:1k9WPx9S0

さやか「やだなあ……逃げるつもり!?」ブンッ!

マミ「……!!」バン!

さやか「っ……!!」キンッ

マミ「はっ!」

まどか「きゃあああ!!」

パリーン

さやか「!?……窓から外に逃げたか……チッ」


さやか「…………絶対頃してやる!」


……………………

117: 2011/10/24(月) 21:58:59.68 ID:1k9WPx9S0

マミ「はあっ、はあっ……まけた、かしら?」

まどか「マ、マミさん……そろそろ下ろしてもらっていいですか……」

マミ「え? ああ……ごめんなさい、いきなり抱えたりして」

まどか「よいしょっと……さやかちゃん、どうしちゃったんですか……?」

マミ「……色々あったのよ」

まどか「……マミさん! いい加減教えてください!」

まどか「私と……ほむらちゃんに、何があったんですか!?」

マミ「……駄目よ、まだあなたに教えることは出来ない」

まどか「そんな……さっきのさやかちゃん、明らかに私を狙ってました。……ここまで来て、まだ駄目なんですか?」

118: 2011/10/24(月) 22:01:10.86 ID:1k9WPx9S0

マミ「……耐えられないと思うわ」

マミ「あれはあなたにとって……氏ぬより辛いことだった」

まどか「そんなこと! ……わからないじゃないですか」

マミ「……あなたは……精神病院に入院してたのよ? あまりのショックで、まともに会話もできなくなって」

まどか「……!!」

マミ「病院から脱走して、倒れてた所を私が引き取ったの……記憶が無いでしょう? それが証拠よ」

マミ「あなたは絶対に、耐えられない」

まどか「そんな……」

124: 2011/10/24(月) 22:08:37.44 ID:1k9WPx9S0

マミ「……わかったら、早く逃げなさい。 そのソウルジェムを持って」

マミ「もうすぐ美樹さんが追い付いてくる……私が足止めするから、できるだけ遠くに逃げるの」

まどか「だ、大丈夫なんですか?」

マミ「ふふっ、平気よ……後輩に負けるつもりは無いわ」

マミ「……でも、もしものことがあったら……佐倉さんと、キュウべえを探して。……力になってくれるはずだから」


マミ「それに、今のあなたと彼なら……もしかしたら、全部良い方向に進むかもしれない」


128: 2011/10/24(月) 22:10:43.34 ID:1k9WPx9S0


まどか「?……どういうことですか?」

マミ「……そんな気がするだけよ。 さあ、行って!」

まどか「は、はい!」ダッ

マミ「…………これで、みんな」ザクッ




さやか「上手くいくと思った?」




131: 2011/10/24(月) 22:12:05.24 ID:1k9WPx9S0



マミ「っ………!!」ドパッ

まどか「さ、さやかちゃ……」

マミ「!? 駄目っ! 立ち止まらないで!!」

さやか「………氏ね」ヒュッ

まどか「きゃあっ!!」


カッ!



まどか「…………………」

まどか「…………あれ?」

まどか「は、外れた……?」

まどか「……………って、あれ? 服、が」


まどか「なんで……私が、変身してるの?」


133: 2011/10/24(月) 22:13:04.15 ID:1k9WPx9S0

マミ「……っ!!」

さやか「チッ! いまいましい……時間を止めたってわけ?」

まどか「……どういう、こと?」

マミ「やめて美樹さんっ!!」

さやか「はぁー……ほんっとうに気持ち悪い」

さやか「あんたさー、いつまでそれやってるつもり?」

まどか「? それって……何のこと?」

マミ「やめてっ! 早く逃げて!!」



さやか「だから……いつまでまどかの振りしてるつもりなのよ、転校生!!」



まどほむ「…………………え?」


139: 2011/10/24(月) 22:14:45.70 ID:1k9WPx9S0


さやか「何しらばっくれてるの? 鏡で見てみなさいよ、自分の顔」

まどほむ「か、がみ……? 自分の、顔?」


―――そういえば、鏡は? ……割っちゃったのか


さやか「……声とか髪はなんとかごまかせても、顔を見たらさすがに気付いちゃうもんね? ……鏡、見てなかったんだ?」

まどほむ「……………………」


―――窓が全部黒スプレーで塗りつぶしてある………


141: 2011/10/24(月) 22:15:37.19 ID:1k9WPx9S0


さやか「……あんたって本当に最低よね。 自分がまどかの振りをすることで埋め合わせしてたってこと?」

まどほむ「……………いや」


―――あれはあなたにとって……氏ぬより辛いことだった


さやか「………でもそんなこと許さない」

まどほむ「いや………いやぁ!」

さやか「あんたはっ………」チャキッ

マミ「くっ……もうやめて美樹さんっ!!」ダッ

まどほむ「いやああああっ!!!」



さやか「あんたはまどかを、私の友達を頃したんだからっ!!」ブンッ!

―――――――――――――――――――――――――――――

149: 2011/10/24(月) 22:17:09.75 ID:1k9WPx9S0

―――――――――――――――――――――――――――――


ほむら「……どいて、まどか」チャキッ

まどか「や、やだよ……どうしてこんなことするの?」

QB「…………」

ほむら「……そいつは敵なのよ」

ほむら「美樹さやかの体を見たでしょう?……そいつは私たちを騙していただけよ」

まどか「でっ、でも……!」

まどか「もしかしたら、わかりあえるかもしれないし……」

153: 2011/10/24(月) 22:17:55.08 ID:1k9WPx9S0

ほむら「……その必要は無いわ」ギリッ……

まどか「待って! まだ……っ!!」

バン! キイン!

まどか「……へ? あ……」ダラダラ

QB「!? ……跳弾したのか」

QB「……なんてことだ」

まどか「ほ……むらちゃ……」ドサッ


ほむら「……まどか?」

ほむら「まどか、まど……」ユサユサ



ほむら「………………え?」

――――――――――――――――――――

156: 2011/10/24(月) 22:18:51.59 ID:1k9WPx9S0
――――――――――――――――――――


ガキィン!


マミ「くっ……」ギリッ

マミ「暁美さん……逃げてっ……今のうちに……」


まどほむ「いやっ……私が……頃し……まどかを」


さやか「………どうして邪魔するのかな………」

マミ「仕方ないでしょっ……正義の、味方なんだからっ!」ググッ…!

さやか「……くっだらないっ!」グググッ!


まどほむ「ちがう……私は、き、キュウべえを、撃とう、と……それで……それでっ……!」

158: 2011/10/24(月) 22:19:26.76 ID:1k9WPx9S0

マミ「うっ、ああっ……! 良いから早く逃げて! 暁美さん!」


まどほむ「それで?……氏んだ?……誰が? ほむらちゃん? わたし?……まどか?」


マミ「………暁美さんっ!!」


ほむら「いやああああっ!! こないでえええっ!!」チャキッ



バンッ! バンッ! バンッ!


ピシッ…

161: 2011/10/24(月) 22:20:04.76 ID:1k9WPx9S0


マミ「………え?」

マミ「う……そ」フラッ

ドサッ

さやか「………ま、マミさん?」

さやか「え?……ちょっと」ユサユサ

ほむら「はあっ…………はあっ………」シュンッ

さやか「マミさん……マミさん!! マミさ………」

さやか「……………」

さやか「ど、こへ行った……」ズオオ…

さやか「暁美、ほむらああああっ!!!」ビシビシビシッ!!


……………………

164: 2011/10/24(月) 22:21:09.42 ID:1k9WPx9S0


杏子「おい……しっかりしろよ」

QB「………ん? ああ……」

QB「すこし、意識が飛んでたかな……」

杏子「お前、本当に大丈夫なのか? ……もうストックは無いんだろ?」

QB「大丈夫さ、一体でも残っていれば平気だ……と言いたいところだが、この体も……もう危ないみたいだ」

杏子「そんなんであいつに会うつもりかよ……休んでた方が良いんじゃないか?」

QB「……いや、彼女に、僕が一番苦しめた彼女に……謝らずに氏ぬことは出来ない」

QB「もう長くないかもしれないなら……なおさら会いにいかないと」

杏子「そうかい……まあ、今のあいつは自分をまどかだと思い込んでるらしいからな……そんなに険悪にはならないかもな」

QB「やっぱり、自分で頃したという事実には、さすがに耐えられなかったのかな……僕を狙っていたとはいえ」

杏子「まあ壊れちまうのも無理は無いか……っと」

杏子「……魔女だ! かなり近い……」

168: 2011/10/24(月) 22:21:44.69 ID:1k9WPx9S0

QB「じゃあ、僕はもう下ろしてもらっていいよ……ありがとう、運んでくれて」

杏子「悪いな……行ってくる!」ダッ

タッ タッ タッ タッ…


QB「…………」

QB「ここからマミのマンションまで……持つかな」

………………………

170: 2011/10/24(月) 22:22:19.18 ID:1k9WPx9S0

………………………


杏子「はあっ、はあっ……ここか」

杏子「ん……? 人が倒れて、ってマミじゃねえか!」

杏子「! これは………おい、しっかりしろ! マミ! おい!」

マミ「………う、あ」

杏子「おい……大丈夫か!?」

マミ「さ、くらさん……暁美さんは……?」

杏子「ほむら? ……いねえぞ? なんか有ったのか?」

マミ「………氏体が無いなら、生きてる、のかな……」

173: 2011/10/24(月) 22:23:17.55 ID:1k9WPx9S0

杏子「………それよりお前のことだ! ……ソウルジェムにヒビが入ってるぞ」

マミ「ああ………さっきの銃弾で………私、氏ぬのね……」

杏子「馬鹿言うな! まだ氏ぬって決まったわけじゃ……!」

マミ「ふふっ……いいのよ……やっぱり、これでよかった」

マミ「後悔なんて、ない……暁美さんを、守れたんだもの」

マミ「………全部、上手くいったわけじゃないかもしれないけど……それでも、彼女が生きていれば、必ずどこかに繋がっていく」

マミ「そんな、気がする………」

177: 2011/10/24(月) 22:24:36.07 ID:1k9WPx9S0

杏子「マミ……」

マミ「…………美樹さんの、こと……あなたに、任せ、たわ………」

杏子「さやか?……もしかして、あの魔女は……」

マミ「私の………可愛い、後輩を………たす、け…て…………」

パリンッ

杏子「……マミ? マミ!?……」

杏子「…………」スッ

杏子「…………さやか」



杏子「今、助けてやるからな」


………………………………………………

178: 2011/10/24(月) 22:25:42.00 ID:1k9WPx9S0


ほむら「はあ………はあ………」フラフラ

ほむら「まどかぁ………」フラフラ ドテッ

ほむら「ごめん……ごめんね………」


QB「………暁美、ほむら……どうして、ここに」


ほむら「!?……キュウべえ!」

QB「ほむら……聞いてくれ、その……」


ほむら「……寄るなあっ!!」ジャキッ


バン! バン!


QB「うあっ……」

179: 2011/10/24(月) 22:26:29.92 ID:1k9WPx9S0

バン! バン! バン! カチッカチッカチッ


ほむら「はあっ、はあっ……」

ほむら「………そう、だ」



ほむら「こいつが、悪いのよ……全部」

ほむら「逃げる必要なんて、なかったんだ」

180: 2011/10/24(月) 22:26:59.54 ID:1k9WPx9S0

ほむら「………もう、いい……時間を巻き戻そう、もう一度……いえ、何度でも」


ほむら「ごめんねまどか………もう迷わない………もう逃げたりしない」


ほむら「…………私が、絶対に助けるから」


ほむら「だから……帰ろう……あの時まで」


―――――――――――

……………



終わり

185: 2011/10/24(月) 22:28:08.57
ふーむ 乙

187: 2011/10/24(月) 22:28:25.86

192: 2011/10/24(月) 22:28:59.70
乙乙

一概に誰が悪いとは言えないな…

194: 2011/10/24(月) 22:29:17.73 ID:1k9WPx9S0
なんか色々すまんかった……これが深夜のテンションなのか

195: 2011/10/24(月) 22:29:38.95

208: 2011/10/24(月) 22:32:39.81
結局、マミさんがほむら守ってたのって時間を巻き戻させるため?

211: 2011/10/24(月) 22:35:42.85
>>208
さやかに人を殺させたくなかったんじゃないかな

引用元: まどか「あの……お風呂入りたいんですけど」マミ「だっ、駄目よ」