5: 2011/11/01(火) 22:21:06.33 ID:Sm/JtXg90
男「えっ……あっ、う……ウソ、だ……よな」

幼「ホントだよ、まあガンだしね。そういうこともあるよ」

男「…………」

幼「そんな顔しないでよ、ガンで氏ぬかもしれないってのは前から言ってたじゃん」

男「…………ああ、そうだな」

幼「…………それでさ、記念に告白しよかなって、思ってさ」

男「こ、告白って……あの告白?」

幼「うんっ、その告白」

幼「好きな人がいてさ、最後に告白してみよかなって……もちろん返事がどうであれ付き合ったりはしないけどね」

男「……そうか、それで誰に告白するんだ?」

幼「……うん、それはねーーーー友くん、なんだけど……」

男「」


12: 2011/11/01(火) 22:36:36.49 ID:s33p+kbPO
男「…お、おぉ友に告白するのか」

幼「うん前々から好きだったし頑張って告白してみようと思うの。…多分無理だと思うけど」

男「いや、そんなことはないよ。幼ってスッゴい可愛いし友もきっと幼が告白するのを待ってると思うよ」

幼「そ、そうかな…」

16: 2011/11/01(火) 22:44:06.39 ID:s33p+kbPO
男「きっと成功できるよ。俺も幼と友が付き合う手伝いをするから告白してみなよ、な?」

幼「うん、私頑張って告白してみるよ。…時間だから帰るね」

男「おう、気をつけて帰れよ」
幼「うん、またね」

男「…」

男(俺の気持ちを伝えるよりも幼の告白を手伝ったほうがいいよな…うん)

19: 2011/11/01(火) 22:50:04.59 ID:s33p+kbPO
一週間程して友と幼は付き合うことになった。
幼は友と付き合う手伝いをした俺に向かってこれまでにない笑顔でありがとうと言った。
俺は少し悲しくなった。

22: 2011/11/01(火) 22:57:58.01 ID:s33p+kbPO
幼「友君、明日の休み何だけど…」

友「うん、それじゃ…」

男「…」

女「やあ、男。暇か?」

男「なんだい?幼の親友の女」

女「いやさ、ちょっと小耳に挟んだけど…幼の病気って何なんだ?」

男「…言ってもいいのか?」

女「…うん」

24: 2011/11/01(火) 23:05:48.56 ID:s33p+kbPO
俺は女に幼が末期ガンであり後少しの命だという事を話した。
女は微妙な顔をしていた。


女「そっか、だからあの奥手な幼が積極的に友に告白をしたのね」ガクリ

男「…お前も友に告白しようと思っていたのか?」

女「(ビクッ)い、いやっ。別にそんなわけじゃないし!幼に突然彼氏が出来たから少しだけ気になっていただけだし!」

男(…わかりやすい奴だな)

26: 2011/11/01(火) 23:07:28.37 ID:s33p+kbPO
>>23
なかったということで頼む

27: 2011/11/01(火) 23:13:57.19 ID:s33p+kbPO
女「まあ、幼だから本命の人とられたってかなしくないさ!」

男「で、本音は」

女「……」ジワッ

男「わかった。わかったから泣くのは止めてくれ。周りの目が冷たい」

女「ゴメン…」

男「まあ、男なんて星の数ぐらいいるんだまた探せばいいだろ」

女「うん…そだね」

30: 2011/11/01(火) 23:26:49.94 ID:s33p+kbPO
暫くして幼はまた俺の所に相談しにやってきた。
どうやら初デートの相談らしい。
男「…で、デートの時の服を俺に選んで欲しいと」

幼「…」コクリ

男「普通そう言うのは彼氏と選ぶんじゃ無いのか?」

幼「…一緒だと恥ずかしすぎて声が出なかったから」

男「…。まあいいや。で、幼はどの服で行こうと思うんだ?」

幼「これとこれで悩んでる」

男「…黒と灰しか無いのか?」

幼「…だめなの?」

男「だめではないが…地味だよなあ。家に他の色はあるのか?」

幼「…この色しかない」

男「…明日、服買いにいこうか」

幼「…うん」

33: 2011/11/01(火) 23:35:12.93 ID:s33p+kbPO
<服屋>

幼「…お財布盗まれた」

男「えっ」

幼「家から出たときはあったのにどうしよう」

男「…ほらよ」つユキチ

幼「…?」

男「お前のことだ、とりに戻っても盗まれるだろうから俺が立て替えてやるよ」

幼「…ありがと」

37: 2011/11/01(火) 23:52:08.18 ID:s33p+kbPO
幼はその日にかった洋服を来てデートに向かった。
彼女の笑顔を見るにどうやら上手くいったようだ。


幼「友君にこの色似合っているよと言われた…///」


幼が立て替えたお金を返しに来たときにそう言われた。胸に何か刺さるような感じがした

42: 2011/11/02(水) 00:12:30.47 ID:FrXmW+NyO
友「やあ、男。元気か?」

男「ああ、元気だがそれが何か?」

友「いや、ちょっと彼女についての話がしたくてな」

男「ノロケならしばくぞ」

友「違うわ。…あのな、デートに行ったときの話何だけどな」

男「ノロケじゃねえか」

友「話を最後まで聞け。…でそのデートで幼の私服を始めてみたんだけどな」

友「正直いってかわいかった。かわいかったさ。けどなどうしても気になることがあってだな」

友「色なんだよ、色。俺の苦手な赤色」

男「そういやお前昔から赤色が苦手だったよな」

友「そう、その色がどうしても気になったんだよな」

男「…それだけか?」

友「それだけ」

…俺はわざと友人が苦手な赤色の服を幼に進めていた。

46: 2011/11/02(水) 00:27:30.94 ID:FrXmW+NyO
初め幼が友に告白をすると聞いた時はショックを受けた

どうして俺じゃない…

幼の話を聞いている時には頭の中に何度もそれが現れた。
何度も幼に告白しようとした。が、出来なかった。
最終的には友の告白を手伝うことを選んだが心の中では友を憎いと思っている。だから俺はわざとこの色を選んだ。

最初はざまあみろとおもった。
がすぐに虚しさを感じた。

50: 2011/11/02(水) 00:37:05.99 ID:FrXmW+NyO
女「なあなあ、男」

男「どうした…って誰だその隣のやつは?」

女「ふふっ、私達付き合うことになったんだ~」

男「へぇ、ついさっきまでは幼に思ってた人とられたーとかいって泣いてた癖にな」

女「ふふん、今が幸せだから泣いたことなど忘れたわ。いこ、彼氏」

彼氏「おう」

…女はすぐに別な彼氏を見つけることが出来た。
…俺は幼をみるたび別な彼女を作ることは出来なさそうに思う。

51: 2011/11/02(水) 00:42:01.22
なんだろう

52: 2011/11/02(水) 00:42:38.83
ああ...なんだろう..

53: 2011/11/02(水) 00:44:56.68 ID:FrXmW+NyO
時が流れ幼は週一程度通院するようになった。
少しでも長く生きたいと思っているらしく延命治療を行っている。

幼「…少しでも友と一緒にいきたいから。…薬の副作用で髪は抜けたけどね」

幼は赤色のニットキャップをかぶりそれを隠していた。

54: 2011/11/02(水) 00:51:36.73 ID:FrXmW+NyO
さらに時間が立ち幼は入院と退院を繰り返すようになっていた。
相変わらず友との仲は憎たらしいほど良好である。

友「困ったことがある」

男「なんだ」

友「俺が赤色を好きだと思っているらしく一緒にいるときによく赤色を目に付くようになった。どうしよう」

男「しらねぇよ…」

俺はすこしこそばゆく感じた。
赤色は友が苦手な色でもあり俺が好きな色だからだ。

56: 2011/11/02(水) 00:58:49.81 ID:FrXmW+NyO
いくら延命治療を施しても限界がある。幼は徐々に入院する日がふえていった。
相変わらず友との仲は良い。

俺は出来るだけ友とあわないように心がけながら幼の見舞いに行くようになった。
ある日こんなことを聞かれた。

女「なんで男って性格も顔もかっこいいのに彼女を作らないの?」

俺は上手くはぐらかした。
本当は幼とあうたびに彼女を作る気をなくしてしまうからだ。

57: 2011/11/02(水) 01:02:17.04
癌か…ガーン…

58: 2011/11/02(水) 01:06:35.76 ID:FrXmW+NyO
また時が経ち幼は病院に寝たきりになった。
友との仲は相変わらず良い。

…もう幼に好きだったと言うことも出来そうにないなぁ。
そう思っていた時、友から相談を持ち込まれた。

61: 2011/11/02(水) 01:16:54.78 ID:FrXmW+NyO
場所は俺の部屋。幼が俺に友と告白すると言った場所だ。

友「…後、1、2週間の命らしい」

男「そうか」

友「…医者から退院してもいいと言われたそうだ」

男「…そうか」

友「なあ、男。俺は幼をきちんと見ていられるのか?」

男「さあな」

63: 2011/11/02(水) 01:25:27.63 ID:FrXmW+NyO
友「なあ、幼が退院したときお前も一緒にこないか?」

男「…何でだ?」

友「正直言って幼の前で泣きそうだからさ。お前がいれば笑っていられそうだからな」

男「…はあ、いいぞ」

友「悪いな」

64: 2011/11/02(水) 01:34:49.71 ID:FrXmW+NyO
退院したときの幼は昔のような面影はなかった。
だが声はいつもと変わらない幼の声だった。

幼「友君、デートしようか」


幼と友は初デートようにウキウキしながらいろんな所に行った。俺はその場から去った。

…俺がいなくても大丈夫じゃないか

67: 2011/11/02(水) 01:42:13.98 ID:FrXmW+NyO
どうやら幼は無理をしていたらしい。
デートが終わり幼が自宅に入った時糸が切れるように幼が倒れたそうだ。
病院に搬送されたが意識はない。

友「俺が…俺がいろんな所にいかせたせいだ」

友はそう行っているがそれは違う。友がいたから幼はいろんな所に行けたのだ。

71: 2011/11/02(水) 01:46:59.56 ID:FrXmW+NyO
病院で意識不明から3日後、幼は氏んだ。余命宣言を受けて10ヶ月。予想より6ヶ月も長く生きれたそうだ。

俺はそれを友より6時間遅れて知った。

76: 2011/11/02(水) 02:01:22.10 ID:FrXmW+NyO
気がつけば俺は霊柩車を見ていた。
隣には友。鼻水混じりの涙。周りには幼の親族がいた。
霊柩車はゆっくり走り出した。
ポタリポタリと俺の足元に水が落ちてきた。

なぜ幼だけがこんなことに…

77: 2011/11/02(水) 02:09:31.28 ID:FrXmW+NyO
長い時間が立ち俺は社会人として働いていた。友はどこに行ったのか忘れてしまった。
俺は幼がなくなってからいくつか告白を受けた。が、どうしてもつきあう気にはなれなかった。

俺は年一回幼が氏んだ日に有給を使ってでも彼女の墓参りにいくようになっていた。

79: 2011/11/02(水) 02:15:28.89 ID:FrXmW+NyO
何回目の墓参りだろうか。偶然友にあうことが出来た。
友の隣には幼程ではないが美しい女性。その後ろには小さい子供がいた。

男「…元カノの墓参りにいって嫌な顔されないのか?」

友「俺の妻はこれぐらいでは怒らんよ」

俺は友と一緒に線香をあげた

80: 2011/11/02(水) 02:23:10.08 ID:FrXmW+NyO
墓参りも終わり友が話しかけてきた。

友「なあ、男」

男「なんだ」

友「お前幼のことが好きだっただろ」

男「…いいえと言ったら嘘になるな」

友「…氏ぬ直前俺は幼のそばにいた。彼氏だからな。で、最期なんていったと思うか?」

男「友に関してのことじゃないのか」

友「いや、お前の事をいっていたよ」

男「!?」

83: 2011/11/02(水) 02:35:10.84 ID:FrXmW+NyO
友「初めはさ俺も戸惑ったさ。突然友人のお前の事を言ったからな。けど幼のノートとかの遺品をみるとさお前のことが好きだったらしいんだよな」

男「…幼は俺に友と付き合いたいとしっかりと言ったが」

友「そうだけど俺本当は2番目に好きだった人物らしいんだわ」

男「えっ…」

友「本当はお前と付き合たかったが本当に好きな人を病気を理由に付き合いことなんてできない…とか書いてあったなぁ」

86: 2011/11/02(水) 02:45:35.30 ID:FrXmW+NyO
友「幼は俺と付き合って男のことを只の幼なじみだと思おうとした。けど、無理だった。だから時折相談という名目でお前にあっていた。」

…そういえば元気な時にはよくデートの相談をしに来ていたことを覚えている。

男「けど最期の退院の時、お前ととても仲良くデートしていたじゃないか。俺が入るような余地がないようにな」

友「逆だ。お前にみずぼらしい姿をみられたくないからわざと俺と仲良くしていたんだよ」

92: 2011/11/02(水) 02:54:19.96 ID:FrXmW+NyO
男「最期…最期はどんなことを言ってたんだ?」

友「『男君、素直になれなくてごめんなさい』だそうだ」

…俺は何も言い出せない。ただただ涙が流れるばかりだ。
永遠とも思える時間が流れ、友が口を開けた。

友「…すまない」

…謝らなくていい。俺はそう言おうとしたが声が出なかった。ただただ嗚咽が漏れるばかりだった。

94: 2011/11/02(水) 03:07:45.96 ID:FrXmW+NyO
妻「どうしたの?」

私―友―の妻が不安な顔で泣き崩れた男を見ている。息子は疲れているらしく既に車の後部座席で眠っていた。

友「ああ、今ようやく幼の思いが彼に伝わったんだ」

…もし私が告白を断っていれば
…もし幼や男が告白する勇気があれば

私が初めて幼の最期の言葉を理解したときは怒りに満ちていた。

―俺はコイツよりも劣っていたの言うのか!

だが時が経つにつれて怒りは疑問に変わり、疑問は不安に変わっていった。

―幼が最期に言ったことを伝えねば

そして今、幼が一番好きだった男にそれを伝えた。
私にはこれがよかったのか悪かったのかわからない。恐らく一生わからないのかも知れない。

97: 2011/11/02(水) 03:18:43.92 ID:FrXmW+NyO
私は泣いている男を後にした。
その翌日、今度は私一人で幼の墓へ向かった。

友「…これが幼が生きているうちにおこっていたら」

男は眠るようにして幼の墓の前で息絶えていた。
顔は笑っており、手には小さな布のような物を持っていた。
その布の色は私が苦手な、だけど幼と男が好きだった赤色だった。




終わり

99: 2011/11/02(水) 03:28:31.94
最後、男を頃す必要はなかった
絶対になかった

でも良かった、乙

105: 2011/11/02(水) 03:58:42.32
友は一生恨んでもいいレベル

引用元: 幼馴染「私もうすぐ死んじゃうらしいの」