1: 2014/07/21(月) 02:58:42.15 ID:ZDBsKD+Go

ブロロ…

美希「ミキ、事務所に着くまで寝てて良い?」

P「ああ。もうちょっとかかるけどな」

美希「うん。おやす……あれ?」

P「ん、どうした」

美希「ねえ、女の子がこっちに手を振ってるの」


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2: 2014/07/21(月) 02:59:31.09 ID:ZDBsKD+Go

P「女の子?」

美希「オジサンに腕を引っ張られてる……ハニー! 車止めて!」

P「えっ、もしかして誘拐か!?」

キイッ

3: 2014/07/21(月) 03:00:21.73 ID:ZDBsKD+Go

バンッ

P「おい、何してるんだ!」

女の子「あ、ありがとうございます!」

美希「どうしたの?」

女の子「知らないおじさんに、いきなり呼び止められて……車の中に連れ込まれて」

4: 2014/07/21(月) 03:01:06.26 ID:ZDBsKD+Go

P「くそっ、逃げられた……美希、女の子は無事か?」

美希「うん、怪我とかしてないよね?」

女の子「はいっ……! ところで、あの」

美希「ん?」

女の子「アイドルの星井美希さんですよね……?」

5: 2014/07/21(月) 03:01:48.62 ID:ZDBsKD+Go

美希「あー、うん。そうだよ」

女の子「わたし大ファンで……あのっ、お兄さんも、助けてくれてありがとうございました」

P「怪我が無いなら一番だ。とりあえず警察に連絡だな」

美希「でも、逃げられちゃったの……」

P「この車のドライブレコーダーに、ナンバーが映ってるかもしれない」

美希「さすがハニー!」

6: 2014/07/21(月) 03:02:15.89 ID:ZDBsKD+Go

女の子「あ、あのっ、サインとかもらっても」

美希「普段は断ってるんだけど……怖かったよね。うん、トクベツにサインするの。ハニー、良いよね」

P「ああ」

美希「えっと、色紙……あった。お名前は?」

女の子「わ、わたし――」


7: 2014/07/21(月) 03:02:57.10 ID:ZDBsKD+Go

 ◇◆◇

律子「プロデューサー、来ないわね」

響「どうしたのかな……」

律子「響を送った先で会議をするって聞いてるんだけど……連絡もないし」

響「じ、事故とかに遭ってたらどうしよう、律子ぉ」

律子「こらこら、泣かないの。大丈夫よ……じきに連絡が」

8: 2014/07/21(月) 03:04:06.38 ID:ZDBsKD+Go

プルルル

響「り、律子のケータイ! 鳴ってるぞ!」

律子「……もしもし! プロデューサーですか!?」

P『もしもし、律子』

律子「どうしたんですか、何かトラブルでもありました?」

P『いや、実は取り調べを受けてて……』

9: 2014/07/21(月) 03:04:44.65 ID:ZDBsKD+Go

律子「取り調べ!?」

響「っ」ビクン

P『取り調べを受けてて、警察署に居るんだよ』

律子「な、何があったんですか……!?」

P『実は……誘拐で』

10: 2014/07/21(月) 03:05:22.88 ID:ZDBsKD+Go

律子「誘拐……!?」

響「えっ」

律子「…………分かり、ました。――こういう時は冷静にならないと、ですよね」

P『理解が早くて助かる。今日は一日、拘束されそうなんだ』

律子「一日だけ、なんですか」

11: 2014/07/21(月) 03:06:34.72 ID:ZDBsKD+Go

P『分からない……場合によっては、明日もかかるかな』

律子「それで、美希は……」

響「美希が誘拐に……たっ、大変だ……!」

P『美希も一緒なんだよ』

律子「え……っ!?」

12: 2014/07/21(月) 03:07:09.52 ID:ZDBsKD+Go

P『美希と一緒だったから、隣の取り調べ室にいると思う』

律子(プロデューサー殿が美希を誘拐したのかと思っていたけど、まさか……共犯だったなんて)

P『……律子?』

律子「すみません、混乱していて……その、相手方は」

P『もう大丈夫だ。保護されてるから』

13: 2014/07/21(月) 03:07:53.72 ID:ZDBsKD+Go

律子「良かった……あの、なんでこんなこと」

P『それはいま、警察が調べてるよ』

律子「その、聞きにくいんですけど、事務所の名前の報道とかは……どうなりますか?」

P『それは大丈夫だ。報道では、美希がアイドルってことを考慮して、公表しないそうだ』

律子「……それでいいんですか?」

14: 2014/07/21(月) 03:08:32.81 ID:ZDBsKD+Go

響(……プロデューサー、美希を助けることを諦めようとしてるのかな)

律子「そんなことでいいんですか!?」

P『お、おいおい……感情的になるなよ』

律子「なりますよ、そりゃ!」

響(律子が、泣きながら怒ってる……)

15: 2014/07/21(月) 03:09:10.61 ID:ZDBsKD+Go

律子(誘拐なんて大それたことをしたなんて、にわかには信じられないけれど……)

P『なあ、律子』

律子(きっと、何か理由があったんだろうけど……犯罪を犯したら、きちんと償わないと)

P『相手方の意向なんだ。分かってくれ』

律子「え……」

16: 2014/07/21(月) 03:10:03.31 ID:ZDBsKD+Go

律子(誘拐されたのに、犯人を公表しないで良いなんて……そんな人も、いるのね)

律子「……仕方ないんですかね」

P『ああ』

響「仕方ない、って……」

律子「その、プロデューサー」

17: 2014/07/21(月) 03:10:33.23 ID:ZDBsKD+Go

P『おう』

律子「私はとりあえず、響を送っていきます。ですから」

響「……」

律子「自分のしてしまったこと、ちゃんと償って……帰ってきてください。では」

P『え、ちょっ』

ピッ

18: 2014/07/21(月) 03:10:59.19 ID:ZDBsKD+Go

律子「……響、行きましょう」

響「律子、誘拐ってどういうことなんだ……?」

律子「それなら大丈夫。保護されてるそうだから」

響「そ、そうなのか……」

律子「ええ、安心しなさい」

19: 2014/07/21(月) 03:11:35.03 ID:ZDBsKD+Go

響(美希、怖かったろうな……ひどいこと、されてないかな)

響「ねえ、律子。自分、美希に逢いたい」

律子「ダメよ」

響「どうして! 仕事が終わったあとで良いんだ。だから」

律子「ダメ。美希はいま、誰かと会える状態じゃないの」

20: 2014/07/21(月) 03:12:12.06 ID:ZDBsKD+Go

律子(誘拐事件の犯人で警察に捕まってるなんて、響には言えないわ)

響(誰かと会える状態じゃない、って……まさか、心を傷つけられて……)

響「……美希のこと、励ましてやりたいんだ。ダメかな」

律子「励ますって……とにかく無理よ、響。私だって会えないんだから」

響「律子も会えない、って……そんなに大変なのか、美希」

21: 2014/07/21(月) 03:12:50.81 ID:ZDBsKD+Go

響(美希がアイドルを辞めちゃったら、自分はどうすればいいんだろう……)

律子「響、仕事に……」

響「うあ…………みき、みきが」

律子「響、落ち着いて」

響「りつこ……自分っ、美希が居なくなったら……うああああん!」

22: 2014/07/21(月) 03:13:25.37 ID:ZDBsKD+Go

律子「響……」

響「もう、アイドルできないのかな」

律子「そんなこと無いわ。いつか絶対に帰ってくる」

響「でも、でも……っ」

律子(響を泣かせるんじゃないわよ、美希……)

23: 2014/07/21(月) 03:14:02.46 ID:ZDBsKD+Go

 ◆◇◆

美希「――って、ことがあったの」

千早「美希はすごいわね。勇気があって……」

真美「ミキミキと兄ちゃん、超お手柄だよ!」

亜美「お姫様を救う王子様みたいじゃん!」

伊織「ま、美希にしては頑張ったんじゃない?」

24: 2014/07/21(月) 03:14:52.35 ID:ZDBsKD+Go

律子「……この間はすみませんでした、疑っちゃって」

P「いやー、まさか俺と美希が誘拐犯だと思われるとは。あっはっは」

律子「あの時、見事に噛み合ってなくて……冷静になったら分かることでも、分かってなかったですね」

P「それは俺も一緒だよ。あの時はドライブレコーダーを調べてたんだ」

律子「響は号泣するし、なんだか私も泣きたくなっちゃって……本当に、何事も無くてよかったです」

25: 2014/07/21(月) 03:15:55.49 ID:ZDBsKD+Go

P「誘拐犯も捕まったみたいだしなぁー、あの日は大変だった」

律子「お手柄ですね、プロデューサー」

P「俺は何にもしてないよ。そういえば、どうして響はずっと泣いてたんだ?」

律子「……私とは別の考えで、美希が誘拐されたって思ってたみたいですよ」

P「美希が?」

26: 2014/07/21(月) 03:16:46.55 ID:ZDBsKD+Go

律子「それで、取り調べでしばらく会えないって言うのを勘違いして」

P「泣いちゃったのか」

律子「ね、響」

響「えっ、何?」

律子「響の美希への愛、伝わったわよ」

27: 2014/07/21(月) 03:17:23.12 ID:ZDBsKD+Go

春香「美希のことが大好きなんだね」

響「う……だって、心配しちゃって……」

P「響。ありがとうな」

響「う、うん……勘違いで良かったぞ」

春香「響ちゃん、かーわいい♪」ダキッ

28: 2014/07/21(月) 03:18:00.93 ID:ZDBsKD+Go

響「ん、春香……?」

春香「誘拐しちゃおうかな……」

響「ヒィ!」

真美「あーっ! はるるんが誘拐しようとしてるー!」

亜美「ミキミキの出番だぁー!」

29: 2014/07/21(月) 03:18:55.71 ID:ZDBsKD+Go

響「美希ぃー! 春香がー!」

美希「いま行くの、覚悟してね春香!」

春香「かわいいから抱きしめただけなのに!?」

律子「真犯人は春香だったのね……」

春香「違いますよ!?」

30: 2014/07/21(月) 03:20:10.24 ID:ZDBsKD+Go
勘違い系のSSをもっと読みたいです。ありがとうございました。

31: 2014/07/21(月) 03:31:18.06
乙です

32: 2014/07/21(月) 03:39:44.64
Pの信用度無さは普段の言動に問題がありそうだ

引用元: P「誘拐事件に遭遇した!」