1: 2014/08/15(金) 02:45:43.08 ID:NZX+hF1x0
スタジオ


冬馬「さて……帰るか」


真美「あれあれ~?」


亜美「あまとうじゃ~ん!」


冬馬「ゲッ、765プロ……というか、俺の名前は天ヶ瀬冬馬だ!!」


亜美「今から帰んの?」


真美「1人で?」


冬馬「……そうだ。悪いか?」


亜美「いやいや~…悪くはないけど……」


真美「ちょっと、さみしいよね~?」


冬馬「ぐっ……うるせぇな!関係ねぇだろ!」


P「あっ!亜美!真美!ここにいたのか!」タタタ

 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408038333

2: 2014/08/15(金) 02:52:06.70 ID:NZX+hF1x0
亜美「あっ!兄ちゃん!」


P「ほら、早く帰るぞ」


真美「うん!ほら、兄ちゃん!」ギュッ


P「わっ……なんだよ、急に手なんか握っちゃって」


亜美「兄ちゃんとラブラブして帰ろうと思って!えい!」ギュッ


P「おいおい……両手に……」


亜美「んっふっふ~!兄ちゃん、両手に菊だねぇ~!」


P「両手に花な。葬式になる」


亜美「じゃね!あまとう!」


真美「ばいば~い!」









冬馬「……………」


冬馬「何だよ……見せつけやがって……」


冬馬「……………」


冬馬「帰ろ……」スタスタ

3: 2014/08/15(金) 02:57:16.66 ID:NZX+hF1x0
冬馬の自宅


冬馬「…………」


冬馬「あのプロデューサー……」


冬馬「他のアイドルとも事務所であんな風に、毎日触れ合ってるんだろうな……」


冬馬「……………」


冬馬「……………」グスッ


冬馬「な、何、泣いてんだ!俺は!」ポロポロ


冬馬「くそっ……止まれよ……涙!」ポロポロ


冬馬「くそっ……くそっ……」ポロポロ


冬馬「俺だって……」


冬馬「あんな風にモテて……彼女作りてぇよ……」グスッ


冬馬「何でモテねぇんだ……俺は……」グスッ

6: 2014/08/15(金) 03:03:51.12 ID:NZX+hF1x0
冬馬「……………」


冬馬「はぁ………もう、こんな遅い時間……」


冬馬「明日は久々に、一日フルで学校か……」


冬馬「早く寝ねえと、遅刻しちまうな」


冬馬「ちゃんと学業も成り立たせないとオヤジに怒られるしな……」


冬馬「はぁ……寝るか……」


冬馬「…………っと、その前に」


冬馬「おやすみ、おふくろ」


冬馬「さて、挨拶も済んだし電気消すか……」



カチッ

9: 2014/08/15(金) 03:15:35.65 ID:NZX+hF1x0
次の日 朝


冬馬「んーっ……よく寝たな」


冬馬「うっし!昨日の事は忘れて、元気に行くぜ!」


冬馬「よし、じゃあ弁当を作って……」


冬馬「いや……パンでも買うか」


冬馬「楽屋の弁当ばっか食ってたからな……米は控えたい」


冬馬「朝飯は昨日の残りもんでも食うか……」




チーン


冬馬「あったまったな……」


冬馬「いただきます」モグモグ


冬馬(学校か………)


冬馬(アイドル活動の方が生活のメインになってるからなぁ……)モグモグ


冬馬(塾とかそろばんとかの、習い事みたいなイメージになってるんだよなぁ……)ごっくん


冬馬「ごちそうさま」


冬馬「よし……身だしなみ整えて、行くか!」

10: 2014/08/15(金) 03:24:42.25 ID:NZX+hF1x0
通学路


冬馬「まだ時間に余裕があるな……」


冬馬「んっ?……あいつは……」


冬馬「よう!男!」


男「ん?……おっ!冬馬!朝から珍しいな!」


冬馬「今日は仕事がオフなんだ」


冬馬「ちゃんと、最後まで授業受けるぜ」


男「へぇ~、冬馬が一日学校にいるなんて、何か変な感じするなぁ」


冬馬「そ、そうか?そんなにいないか?俺?」


男「売れて来てから、昼からとか、早退とかばっかだからな」


冬馬「そういや、そうだな……」


男「毎日ノートをとってる俺に、感謝しろよ?」


冬馬「わかってるって、今度なんか奢らせろよ!」


冬馬「おっ、着いたな、学校」

12: 2014/08/15(金) 03:39:15.38 ID:NZX+hF1x0
下駄箱前


冬馬「今日の一限目なんだっけ?」


男「今日は確か……」


臆病娘「あっ、あのっ、天ヶ瀬くん!」


冬馬「ん?何だ?」


臆病娘「えっと……あ、あの……」///


臆病娘「きょ……今日、久々に学校来るって聞いたから……その……」///


臆病娘「こ、これ!クッキー作って来たんですぅ!」///


臆病娘「よかったら、食べて下さいぃ!」///


冬馬「えっ?あ、え、その……え?」


臆病娘「ど、どうぞぉ!」///バッ


冬馬「あ、さ、サンキュ……?」


臆病娘「じゃ、じゃあね!」///タタタ






冬馬「な、何だ?……何でクッキーを……?」


冬馬「あっ!ま、まさかこれって……俺へのアプローチ!?」


冬馬「じゃあ、今、もしかして俺って……」


冬馬「モ、モテてたんじゃね……?」


冬馬「なぁ!?そうだよな!?男!?」


冬馬「うおぉぉぉぉお!やったぜぇぇぇぇぇえ!!」


男「……………」


男「……いや、違うな」


冬馬「………え?」

13: 2014/08/15(金) 03:53:35.14 ID:NZX+hF1x0
冬馬「違うって……何がだよ?」


男「いいか……お前は、アイドルで有名人だ」


冬馬「あぁ……それが?」


男「そういう奴に、何かをしたとする」


男「そしたら、何をしたにせよ、『私は有名な天ヶ瀬冬馬と関わった』という話題が出来る」


冬馬「………!!」


男「気づいた様だな……」


冬馬「も、もしかして……」


冬馬「さっきの奴は、ただ話題を作るためだけに、俺にクッキーを……?」


男「あぁ……」


冬馬「嘘こけ!!話題作りの為だけに、そんな……」


男「お前は学校にあまり来てないから知らんだろうが……」


男「学校の女子の世界、女子界は、話題を持たなければ、女子グループからハブられるのだ……」


男「話題が無いやつと一緒にいても、つまらないからな……」


男「つまり、学校生活での氏を意味する」


冬馬「なっ……そう……なのか?」


男「あまり学校に来てないお前が知らないのは無理はない」


冬馬「くそっ…俺は利用されただけって事かよ……くそっ!」ダンッ


男「そう怒るな……女子には女子の苦労があるんだ」

15: 2014/08/15(金) 04:01:24.91 ID:NZX+hF1x0
冬馬「……まぁ、害が無かったから、よしとする……」


冬馬「くっそ……せっかく彼女をゲッチュ出来ると思ったのによ……」


男「まぁまぁ、落ち込むな、冬馬」


男「一緒にその話題作りの道具を食ってやるよ」


冬馬「あぁ……ありがとよ」


男「なぁに、気にするな」ムシャムシャ


冬馬「うぅ……これが、俺へのアプローチのクッキーだったらよぉ……」グスッ


男「どんまいどんまい、ははは」ムシャムシャ


冬馬(……しかし、チョコで『冬馬君大好き』ってクッキーに書いてるとは…)


冬馬(手の込んだ、話題作りだ……)ムシャムシャ

18: 2014/08/15(金) 04:15:01.25 ID:NZX+hF1x0
一限目


生徒会長「じゃあ、来月始まる学園祭での出し物の話し合いするわよー!」


冬馬「一限目を使って、クラスで話し合いか…」


男「生徒会長、相変わらず眼鏡が似合うなー」


生徒会長「みんな、出し物ちゃんと考えて来た?」


生徒会長「何か案がある人、手上げてー?」





し~~~~~~~~ん……


生徒会長「ちょ、ちょっと!何でみんな手上げないのよ!?」


生徒会長「昨日、考えて来てって言ったじゃない!」








し~~~~~~~~~~~ん………


男(何と言うか…提案したら反感食らうとか、責任とか問われそうだから、言いにくいんだよな……)


生徒会長「………もう!仕方ないわね……はぁ……」


生徒会長「わかりました、私が考えて来たのに……」


冬馬「あっ、なぁ」スッ


生徒会長「えっ?」

19: 2014/08/15(金) 04:31:57.03 ID:NZX+hF1x0
冬馬「えっとよ……今考えたやつなんだけどよ……」


冬馬「学園祭の出し物、カレーの模擬店…何てどうだ?」


冬馬「俺、カレーなら詳しいしよ、カレーなら人気出ると思うぜ?」


冬馬「なぁ、みんな!?どうだ!?」


冬馬「何か意見があるなら、遠慮なく言ってくれ!」



クラス全員「……………」


男「いいな……いいじゃん!カレー!」


女「うん!作り方とか簡単だしね!」


リア充「よし!それにしよう!」


ワイワイ……ガヤガヤ……






生徒会長「……じゃ、じゃあ、それでいい?みんな?」


クラス全員「賛成ーー!」


生徒会長「決定ね!じゃあ、詳しい内容を……」


ワイワイ、ガヤガヤ







男「よかったな!冬馬!」


冬馬「あぁ!みんなが賛同してくれて助かったぜ!」


生徒会長「…………」

22: 2014/08/15(金) 05:10:25.72 ID:NZX+hF1x0
休み時間 廊下


冬馬「二限目は調理実習か……移動しねーと」


不思議ちゃん「天ヶ瀬冬馬……」


冬馬「ん?えっと……」


冬馬「確かあんたは、隣のクラスの不思議ちゃん……」


不思議ちゃん「学園祭にて……あなた方の学級は『かれぇ』の模擬店を開くようですね」


不思議ちゃん「そして、それを提案したのは天ヶ瀬冬馬、あなたですね?」


冬馬「あぁ、そうだが……」


不思議ちゃん「……わかりました」


不思議ちゃん「私は、今ここであなたに、宣戦布告をいたします!」


冬馬「は、はぁ!?宣戦布告?」


冬馬「な、何だよ、いきなり…」


不思議ちゃん「理由は……私の学級は、『らぁめん』の模擬店だからです!」


冬馬「……はぁ?」


冬馬「どういうことだよ?」

23: 2014/08/15(金) 05:21:56.81 ID:NZX+hF1x0
不思議ちゃん「………わかりませんか?」


不思議ちゃん「『らぁめん』と『かれぇ』は……」


不思議ちゃん「切っても切れぬ、闘いの縁があるからです!!」


冬馬「……はぁ?」


不思議ちゃん「昼食の時、人は必ず思います……」


不思議ちゃん「今日は『らぁめん』と『かれぇ』、どちらにしようか……と」


冬馬「……いや、そんなに思わんが…」


不思議ちゃん「何故、この二つが頭に思い浮かぶのか……?」


不思議ちゃん「それは、『らぁめん』と『かれぇ』は闘う運命だからです!!」


不思議ちゃん「そして、勝者のみが食される、弱肉強食の世界!」


不思議ちゃん「この二つは、命懸けで闘っているのです!」


不思議ちゃん「ですから、『らぁめん』と『かれぇ』を選んだ私達とあなた方の学級は……」


不思議ちゃん「闘わなければならない!」


不思議ちゃん「そういう事です」


冬馬(……………)


冬馬(本当、わかんねぇ……)

24: 2014/08/15(金) 05:29:24.62 ID:NZX+hF1x0
冬馬「ま、まぁ、とにかく、学園祭で勝負って事か?」


冬馬「それなら、俺も負けらんねぇ!勝負だ!」


不思議ちゃん「………!!」


冬馬「見てろよ、すげぇ美味いカレーを作ってだな……」


不思議ちゃん「……………」


不思議ちゃん「………しないの、ですね……」


冬馬「ん?なんだ?」


不思議ちゃん「いえ……何も、ふふふ」ニコッ


冬馬(何だ……?本当、わかんねぇな……)


不思議ちゃん「では、学園祭にて、お互い全力を尽くしましょう」


冬馬「あぁ!負けねえからな!」


冬馬「じゃあな!」タタタ







不思議ちゃん「………初めて、ですね」


不思議ちゃん「私を……馬鹿にしない、殿方は……」


不思議ちゃん「………天ヶ瀬、冬馬……ですか……」

26: 2014/08/15(金) 05:43:53.76 ID:NZX+hF1x0
二限目


冬馬「調理実習か……メニューは何だ?」


男「えっと……カレーだ!」


冬馬「何!?タイムリーじゃねぇか!」


冬馬「よし!学園祭前の練習と行こうぜ!」


男「冬馬、ちゃんと作れんのか?」


冬馬「当たり前だ。カレー作りは大の得意だ」


冬馬「カレーの事ならちょっとうるさいぜ」


男「へー、完成楽しみにしとくよ」


冬馬「お前もちゃんと作れよ」


ドジっ子「あの、冬馬くん……」


冬馬「ん?何だ?」


ドジっ子「さっき、カレー作りが得意って言ってたよね?」


冬馬「あぁ、まぁな」


ドジっ子「よかったら、カレー作りの事……色々と、聞いていいかな?」///


ドジっ子「ダメ……かなぁ?」///


冬馬「!!」


冬馬(ま、まさか、これって……!)


冬馬(俺との距離を取ろうとしてるんじゃ……!?)


冬馬(この赤面と、上目使い……間違いない!!)


男(いや、違うな)


冬馬(なにっ!?)

27: 2014/08/15(金) 05:45:42.21
冬馬くん学園祭オフとれるんですかねぇ…

31: 2014/08/15(金) 05:54:02.23 ID:NZX+hF1x0
男(こいつは……本当にカレー作りについて詳しく聞きたいだけだ)


冬馬(な、何で分かんだよ!?)


冬馬(この赤面っぷりは、間違いなく……)


男(彼氏だ)


冬馬(えっ?)


男(きっと彼氏に、手作りのカレーを食べさせたいとドジっ子は思っているんだ……)


男(楽しみだな、喜ぶかな、などと楽しい妄想をしてしまい、ドジっ子は赤面しているんだ……)


男(お前はただの、情報提供者だよ、冬馬)


冬馬(で、でも、上目使いが……)


男(異性を騙す、あざとい手法だよ)


男(現に、お前も騙されてるじゃないか)


冬馬(はっ……!)


男(こうやって、女は異性を騙し、情報をもぎ取って行く……)


男(分かったか?冬馬?)


冬馬(………あぁ)


冬馬(俺はさながら、手の平の上で踊り狂うピ工口。だったんだな……)


ドジっ子「………冬馬、くん?」

32: 2014/08/15(金) 06:08:37.18 ID:NZX+hF1x0
冬馬「あ、あぁ、悪い、今から教える……」


ドジっ子「やったぁ!ありがとう!冬馬くん!」ニコッ


冬馬(この笑顔も、騙す手法何だな……はぁ……)


冬馬「じゃあまず、まな板を取ってくれ」


ドジっ子「うん……わっ、キャア!!」ドンガラ…


冬馬「!!」


冬馬「危ねっ!!」ガシッ


ドジっ子「あっ……」///


冬馬「あっぶねー……気を付けろよ?」


ドジっ子「あ……ありがとう……冬馬くん……」///


冬馬「あぁ…」


双子姉「あっ!ピピンがドジっ子ちゃんの肩抱いてるー!!」


冬馬「え……わ、わぁ!すまねぇ!」


ドジっ子「あっ……いや、そんなぁ……」///


双子妹「ひゅー!ひゅー!羅刹ひゅーひゅー!」


冬馬「ちゃ、茶化すな!あと、名前は天ヶ瀬冬馬だ!」

36: 2014/08/15(金) 06:27:32.89 ID:NZX+hF1x0
10分後


冬馬「完成したな……いただきます」


男「本当に美味いな」モグモグ


冬馬「当たり前だ。俺がほとんど作ったんだからな」


冬馬「さて、俺も食うか…」


ドジっ子「あの、冬馬くん!」


冬馬「ん?なんだ?」


ドジっ子「私の班で作ったカレー……」


ドジっ子「冬馬くんの言う通りにしたら、美味しく出来たよ!」


冬馬「おぉ、よかったな」


ドジっ子「それでね……あのね……よかったらだけど……」///


ドジっ子「今度……私が作った料理を、冬馬くんに食べて欲しくて……」///


ドジっ子「だから……今度の休み、私の家に……遊びに来ない?」///


冬馬(!!)


冬馬(こ……これって……!!)


男「………………」


男「……彼氏……実験……試食……毒味……」ボソボソ


冬馬「!!」


冬馬「わ、悪い、今回はやめとくよ……」


ドジっ子「そっかぁ……」シュン

38: 2014/08/15(金) 07:18:15.46 ID:NZX+hF1x0
休み時間


冬馬「やべっ、調理実習ゆっくりしすぎた!」タタタ


冬馬「早く教室に戻らねぇと、三限目に間に合わなくなる!」タタタ



おっとり女「あらあら~、また廊下を迷っちゃったわ~」


冬馬「…………」タタタ


おっとり女「困ったわぁ~……どうしましょう….」


冬馬「…………」


冬馬「おい、あんた」


おっとり女「はい?」


冬馬「教室の場所、どこだよ?」


おっとり女「えっ?」


冬馬「いいから!早く言えよ!」


おっとり女「は、はい……3-○組です……」


冬馬「はぁ!?さ、3年も通って、学校の廊下迷ってんのかよ!?」


おっとり女「すみません……方向音痴なもんで……」


冬馬「い、いや、別に謝らなくていいけどよ……」

39: 2014/08/15(金) 07:24:39.61 ID:NZX+hF1x0
冬馬「えぇい、とにかく急ぐぞ!」パシッ


おっとり女「キャッ……て、手を……」///



冬馬「走るぞ!」タタタ


おっとり女「あ、は、はいぃ~……」タタタ











冬馬「はぁはぁ……着いたな……」


おっとり女「あ、あの……そろそろ、手を……」///


おっとり女「周りの人が……その……見てますから……」///


冬馬「え?」チラッ


冬馬「あ、あぁ!?」バッ


冬馬「す、すまねぇ!急いでて、つい!」


おっとり女「い、いえ、いいんですよ」///


冬馬「本当、悪かった!じゃあな!」タタタ


おっとり女「あっ、待ってくださ……」



おっとり女「行っちゃった……」

40: 2014/08/15(金) 07:32:39.24 ID:NZX+hF1x0
キーンコーンカーンコーン……



冬馬「あぁ……三限目間に合わなかったか……くそっ!」


冬馬「仕方ねぇ……遅刻なら、もう三限目はサボるか…」


冬馬「ノートは男にでも頼んで……」


冬馬「屋上にでも行って、寝るか」


冬馬「ふわぁ……眠くなって来たな……」


冬馬「飯食ったからだろうな……」スタスタ









冬馬「ふわぁ……屋上に着いたな……」


冬馬「ベンチで寝るか……」


金髪娘「ムニャムニャ……」スースー


冬馬「…………」


冬馬「先客がいたか……」

42: 2014/08/15(金) 07:44:19.58 ID:NZX+hF1x0
冬馬「仕方ねぇ……そこら辺に座っとくか」ストン


冬馬「調理実習で作ったオニギリでも食うか……」スッ


金髪娘「!!」ピクッ


金髪娘「オニギリ!?」ガバッ


冬馬「おわっ!?」ビクッ


金髪娘「ん~?…………見ない顔だね?」


冬馬「な、何だよ、急に起きて……ビックリした……」ドキドキ


金髪娘「………」ジー


冬馬「な、何だよ、俺を見て……」


金髪娘「オニギリ……」ジュルリ


冬馬「そっちを見てたのかよ……いるか?」スッ


金髪娘「ありがとうなの」シュバッ


金髪娘「なかなかなの」モグモグ


冬馬「は、速ぇ……」


金髪娘「……ところで、君だれ?」


冬馬「知らねぇのかよ……職業上、ショックだな……」

43: 2014/08/15(金) 08:04:19.16 ID:NZX+hF1x0
金髪娘「ふ~ん、天ヶ崎竜馬っていうアイドルなんだね」


冬馬「天ヶ瀬冬馬だ!!」


金髪娘「アイドルかぁ~……楽しい?キラキラ出来る?」


冬馬「キラキラは分からねぇが……」


冬馬「まぁ、楽しいとは正直思う」


冬馬「何より、やり甲斐があるからな!常に全力疾走だ!」


金髪娘「疲れるのは、好きじゃないの」


金髪娘「でも……アイドル、かぁ……」


金髪娘「……やってみても、いいかなぁ」


冬馬「何?本気か?」


金髪娘「うん。そこそこ売れればいいかなって」


冬馬「……おい、そんな生半端な気持ちなら、やめておけ」


金髪娘「え?」


冬馬「やるからには、一番を目指す気でやれ!」


冬馬「生半端なやつは、アイドルになる資格なんてねぇ!」


金髪娘「…………」


冬馬「……悪い、熱くなっちまった……」


金髪娘「ううん、ちょっとビックリしたけど気にしてないの」


冬馬「そうか……とにかく、やるからには本気でやれ」


冬馬「そしたら、お前の言う通りキラキラ出来るかもしれねえぞ」


冬馬「じゃっ、次の授業は出るからそろそろ戻る」スクッ


冬馬「じゃあな、やるならテッペン目指せよ!」スタスタ









金髪娘「……あんな真剣な目をして、本気で怒られたの初めてなの」


金髪娘「……天ヶ瀬冬馬かぁ……少し、興味が湧いちゃったな」

44: 2014/08/15(金) 08:17:06.92 ID:NZX+hF1x0
四限目


冬馬「四限目の体育は絶対にサボれねぇぜ!」


冬馬「体を動かせるのは、気持ちがいいぜ!」


先生「はい、じゃあ後は男女共自由に運動しろー」


男「そういえば今日は男女混合だったよな……」


男「おい、冬馬。女子がいるぞ、女子が。」


冬馬「ふんっ、俺には関係ない」


冬馬「…………」ちらっ


男(女子の方をチラッと………)


ボーイッシュ女「やい!天ヶ瀬冬馬!」


冬馬「ん?あー!」


冬馬「ボーイッシュ女か!サッカーボールを持ってるという事は……」


ボーイッシュ女「そう!サッカーの勝負を申し込みに来た!」


ボーイッシュ女「前、昼休みの時に負けたからね……勝負だ!」


冬馬「いいだろう……売られた喧嘩は買うまでだ!」


ボーイッシュ女「じゃあ早速……あのコートで1対1で勝負だ!」タタタ


冬馬「よし!見てろよ!圧勝してやるぜ!」タタタ


男(まぁ、あいつなら………大丈夫だろ)

45: 2014/08/15(金) 08:26:32.05 ID:NZX+hF1x0
15分後


冬馬「はぁ…はぁ………や、やるな」


ボーイッシュ女「はぁ…はぁ………やっぱり、サッカー上手いね」


冬馬「まぁな…特技の一つだからな」


女「あ、あの、ボーイッシュ女ちゃん!」///


ボーイッシュ女「うん?なに?」


女「はい、これ!タオル!」///スッ


ボーイッシュ女「あぁ、ありがとう」


女「カッコよかったね!ボーイッシュ女ちゃん!」///


ボーイッシュ女「ははは……カッコいい、か……」


ボーイッシュ女「…………」


冬馬「……………?」

47: 2014/08/15(金) 08:42:55.12
こんなイケメンなのにどうして…

49: 2014/08/15(金) 08:54:23.68 ID:NZX+hF1x0
水道付近


ボーイッシュ女「フー……冷たくて気持ちいい!」バシャバシャ


冬馬「なぁ……さっきはどうしたんだよ?」


ボーイッシュ女「何が?」


冬馬「何か……女と話してた途中、急に元気が無くなったというか……」


ボーイッシュ女「……ははは、気付いちゃったか……」


ボーイッシュ女「はぁ……皆、ボクの事をよくカッコいいって言ってくれるんだけど……」



ボーイッシュ女「やっぱりボクも女の子だから……」


ボーイッシュ女「可愛いって言われたいな、って思っちゃって……」


ボーイッシュ女「ははは……何てね!今の忘れて!」


冬馬「……………」



冬馬「まぁ……何だ、その……」



冬馬「それ聞いて……その……思ったけどよ……」


冬馬「可愛い所……あるじゃねーかよ」


ボーイッシュ女「………え?」


冬馬「いやっ、そのっ、なんだ……!」///


冬馬「お、お前みたいに、カッコいいって言われてるやつが……」///


冬馬「可愛いって思われたいだなんて……ギャップがあるっていうか……その、なんだ…」///


冬馬「えぇい!今のセリフ、忘れろ!」///


ボーイッシュ女「……………」


ボーイッシュ女「へへっ」///

53: 2014/08/15(金) 09:16:13.77 ID:NZX+hF1x0
昼休み


冬馬「さて、飯でも食うか」


沖縄娘「おーい!元気っ子!サーターアンダギー作って来たぞ!」


元気っ子「うっうー!ありがとうございます!」


冬馬「サーターアンダギーか……おい、沖縄娘」


沖縄娘「あっ!冬馬!」


沖縄娘「何?」


冬馬「それ、ひとつくれよ」


沖縄娘「べぇー!これは元気っ子の為に作って来たやつだからダメー!」


冬馬「チッ…わかったよ」


沖縄娘「まぁ、冬馬がどうしても食べたいっていうならあげるぞ!」


冬馬「ふん、別に。そんなにはいらねえよ」


沖縄娘「つ、強がるのは良くないぞ!ほら、食べろぉ!」グイッ


冬馬「うおっ!急に口に入れ……」モゴモゴ


冬馬「んっ……んん?」モグモグ


沖縄娘「ど、どうだ?」

58: 2014/08/15(金) 09:28:40.04 ID:NZX+hF1x0
冬馬「う……うまいな」モグモグ


沖縄娘「ほ、本当か!?」


冬馬「あぁ、しかも少し甘さが強い……俺の好みだ」


沖縄娘「へへっ、冬馬の好みに合わせて作ったかいがあったぞ!」


冬馬「え?お前、これ元気っ子の為に作ったって……」


沖縄娘「え……あぁっ!!」///


元気っ子「沖縄娘さん、そういえば昨日冬馬さんが1日学校にいる日について先生に聞いてましたね」


元気っ子「それに合わせて、サーターアンダギーを作ってあげてたんですね!沖縄娘さん!」


元気っ子「とっても優しいです!」


沖縄娘「いや……あの……これは……その……」///


双子姉「ひゅーひゅー!」


双子妹「弄られカップルだー!」


沖縄娘・冬馬「か、カップルじゃねーし!」///

61: 2014/08/15(金) 09:50:44.99 ID:NZX+hF1x0
六限目終了



冬馬「んー!……疲れたぁ……やっぱ、勉強は難しいな」


ツンデレ娘「そんな調子で、本当にアイドルと学業が両立出来るの?」


冬馬「んん?……ツンデレ娘か」


ツンデレ娘「三限目もサボっちゃって……出席率最悪よ、あんた」


冬馬「ふんっ、お前に心配される事じゃねーよ」


ツンデレ娘「なによ!せっかく忠告してやってんのに!」


冬馬「いらねぇお世話だ」


双子姉「おやおや~?ツンデレ同士の会話ですかな?」


双子妹「ツンデレ同士の会話は、本心を読み取るのに頭を使いますなぁ~」


ツンデレ娘・冬馬「誰がツンデレだ!(よ!)」


独身教師「はぁ~い!皆、席に着いて~!」


ツンデレ娘「ったく……無理して体壊すんじゃないわよ!」


冬馬「分かったよ、早く席に戻れよ」


ツンデレ娘「………心配、してるんだから……」ボソッ


冬馬「ん?」


ツンデレ娘「……何でもないわよ、じゃあね」タタタ







冬馬「……………」


冬馬「ありがとよ………」ボソッ

62: 2014/08/15(金) 10:08:13.68 ID:NZX+hF1x0
放課後


冬馬「久々の六時間フルは、なかなかこたえるな…」


男「そうか……どうだった?周りの奴らは?」


冬馬「あぁ……俺を心配してくれたりして、いい奴らばっかだよ」


男「そうか……いい友達を持ったな」


冬馬「あぁ」


男「………いい友達を持ったな」


冬馬「あぁ……何で2回言ったんだ?」


男「いいか、恋人とか、彼女じゃないぞ?」


男「いい『友達』だからな!?『友達』だかんな!?」


冬馬「な、何だよ!?そんな友達を強調すんなよ!」


冬馬「そ、それに…あいつらとはそんな関係じゃないって……」


冬馬「俺が……1番知ってるっつーの……くぅ……」ショボーン


男「まぁまぁ……そう気を落とすな」


冬馬「るせぇ!今日はもう、1人で帰る!」


冬馬「じゃあな!!」タタタ


男「……………」














男「何とか、童O仲間を失わずに済んだな……」

66: 2014/08/15(金) 10:33:12.38 ID:NZX+hF1x0
冬馬「はぁ……何で俺はモテないんだ?……くっそ」トボトボ


冬馬「………ん?あそこにいんの、生徒会長か……?」


生徒会長「……………」トボトボ


冬馬「よお、生徒会長」


生徒会長「あっ……天ヶ瀬冬馬……」


生徒会長「……………」


冬馬「………?」


冬馬「どうした?何か元気ねーな?」


生徒会長「………冬馬は……」


生徒会長「凄いね……カリスマ性というか……皆から信頼されてて……」


冬馬「何のことだ?」


生徒会長「……今日の一限目、冬馬が中心に話が進んだでしょ?」


生徒会長「本当は、私がしないといけない役割なのに……全然出来なくて……」


生徒会長「ダメだなぁ……私って」


冬馬「……………」


冬馬「いや、お前はよくやってるし、出来るやつだよ」


冬馬「そんな風に責任を感じるの、最近の並大抵なやつらじゃ、しようともしないぜ」


冬馬「それに、ちゃんと学園祭の事も先陣切ってしてるしよ」


生徒会長「……………」


冬馬「あとはよ……もっと周りのやつらに頼ったらいいと思うぜ」


冬馬「あいつら、思ってるより頼りになるぜ?」


生徒会長「……そっか、そうだね」


生徒会長「ふふっ、ありがと、元気出てきた」


生徒会長「冬馬って……思ったより、優しいのね」///

67: 2014/08/15(金) 10:53:10.37 ID:NZX+hF1x0
冬馬(!!)


冬馬(な……なんか、この雰囲気良くないか?)ドキドキ


冬馬(このまま行けば、俺にも彼女が……)ドキドキドキドキ


冬馬(いける……いける!!)ドキドキドキドキドキドキ


冬馬「なぁ……生徒会長」


生徒会長「なに?」


冬馬「生徒会長って……好きな奴とか……いるのか?」


生徒会長「なっ!」///


生徒会長「きゅっ、急に何言い出すのよ!?」///


生徒会長「ま、まぁ、ちょっと気になる人なら……」///チラッ


冬馬(この反応!!間違いない!!)


冬馬「な、なぁ!!生徒会長!!」


生徒会長「はっ、はい!?」///


冬馬「そのっ、お、俺と……つつつつつつつ、付き…………」












大声少女「あぁーーー!!生徒会長さぁんだぁーーーーーーーー!!!」

女装男「お、大声少女ちゃん、声大きいよ……」

ヒッキー「近所迷惑?」

72: 2014/08/15(金) 11:19:11.14 ID:NZX+hF1x0
冬馬「!?」ビクッ


生徒会長「あっ、女装男!それに、友達も……」


冬馬「えっ?知り合いか?」


生徒会長「え、えぇ、従弟で……」


冬馬「そ、そうか……」


冬馬(くそっ、雰囲気がぶち壊しだ……)


冬馬(今日の所は撤退だ!)


冬馬「邪魔しちゃ悪いな、あばよ」タタタ


生徒会長「え!?」


生徒会長「ちょ、ちょっと!さっき何を……」


生徒会長「………行っちゃった…」


生徒会長「何だったんだろう……さっき言おうとしたの……?」

74: 2014/08/15(金) 11:35:43.53 ID:NZX+hF1x0
冬馬自宅


冬馬「はぁ……チクショウ、俺って本当についねえなぁ……」


冬馬「……いやいや!プラス思考で行かねえと!!」


冬馬「あの時、別にいい雰囲気じゃなかったかもしれなかったしな!」


冬馬「うん!きっとそうだ!俺の勘違いだったに違いない!」


冬馬「そうそう!よし、この話は終わりだ!」


冬馬「よし!明日の確認するか!」


冬馬「えーと……明日は765プロと共演の撮影があるな……」


冬馬「ひとまず、また学校生活とはおさらばだな……」


冬馬「学園祭の準備とかには出てえなぁ」


冬馬「それに合わせて、スケジュール調整するか」


冬馬「さぁーて……寝るか……」


冬馬「おやすみ、おふくろ」


冬馬「電気消そ…….」


カチッ











冬馬(…………………)


冬馬(あー……モテてぇ……彼女欲しい……)

79: 2014/08/15(金) 11:45:29.97 ID:NZX+hF1x0
次の日 スタジオ



冬馬「おつかれーっす!」


冬馬「うし……帰るか」


真美「あっ!あまとう!」


亜美「おつかれー!」


冬馬「あぁ、おつかれ…って!天ヶ瀬冬馬っつってんだろ!」


真美「ねぇねぇ、あまとうってさぁ……誰かと付き合った事ってあんの?」


冬馬「は、はぁ!?な、なんだよ!いきなり!?」


亜美「いやぁ~、あまとうってそういうの無さそうと思ってぇ~」


冬馬「は、はぁ!?」


冬馬「あ、あ、あるに決まってらぁ!!」


冬馬「そ、そそ、そんなの昔からあるし!マジだし!真実だしぃ!!」


真美「うわぁ……必氏だぁ」


亜美「言わずもがな……あまとう」


冬馬「ぐっ………うるせぇなぁ!!」


冬馬「何でだ……何でなんだよぉ!?」













冬馬「なんで俺には彼女が出来ねぇんだ!!」





80: 2014/08/15(金) 11:57:31.88
おつ!
あまとう本当に純粋だな(白目)

86: 2014/08/15(金) 13:12:56.17
これ大体男が悪いよね

87: 2014/08/15(金) 13:15:35.68
乙!
オレに彼女ができないのも男友達のせいかもしれんな

引用元: 冬馬「くそっ!何で俺には彼女が出来ねぇんだ!!」