1: 2020/11/02(月) 02:06:43.841 ID:7cR9JLp/a
俺「鬼の血を入れられた。俺はもう手遅れだ。せめてお前の手で人間として逝かせてくれ…」

炭治郎「今まで鬼殺隊の仲間としてやってきたじゃないか!鬼の血になんて負けるな!」

俺「ば、馬鹿野郎…鬼殺隊としてやってきたなら、呼吸の使い手が鬼になればどれほど厄介なことになるかわかるだろう!お、俺が人間のうちにはやく殺せっ…!」

炭治郎「で、でもっ…」

俺「お前は鱗滝さんに何を教わったんだ!さっさとやれえっ!!」

炭治郎「お、俺さん…わかった」キッ

俺「そ、それでいい…正気を保っているのも辛いんだ…はやく楽にしてくれ…」

グサァッ!

炭治郎「……う、うぅっ…俺さん!俺さぁんっ!!」

俺「……た、炭治郎…鬼になりかけている今心臓を貫いた所で致命傷にならない!首を、首を切り落としてくれっ!」コヒュ-コヒュ-

炭治郎「!?」

2: 2020/11/02(月) 02:07:05.182 ID:7cR9JLp/a
炭治郎「すまない俺さん!つぎはちゃんと一撃で楽にしてみせる!!」

俺「わ、悪いな炭治郎…頼むぞ…!」ヒュ-ヒュ-

炭治郎「水の呼吸には唯一こんな場面に対応した慈愛の型がある。今こそそれを使う時だ…!」コォォ

炭治郎「水の呼吸、伍ノ型!干天の慈…」

善逸「お、おい炭治郎!何やってんだよ!?」

伊之助「相手は俺さんだぞ!?味方と敵の区別もつかねえのか!」

炭治郎「善逸!伊之助!」ズルッ

俺「ぐあああああああっ!!」プシャァァッ!

炭治郎「お、俺さん!!」

3: 2020/11/02(月) 02:08:12.282 ID:7cR9JLp/a
炭治郎「しまった!2人に気を取られて技の入りが浅くなってしまった!」

俺「ぐっ…た、炭治郎…頼む!はやく俺にトドメを!!」

善逸「何言ってるんです俺さん!同じ鬼殺隊の仲間を斬るなんてできるわけないでしょう!」

伊之助「そうだぜ俺さん!今まで一緒に戦ってきた仲じゃねえか!」

俺「さ、さっきも炭治郎に言ったが、俺はもう手遅れだ。じきに鬼へと変貌してしまう…」

俺「だからせめて人間でいるうちにお前たちの手で氏なせてくれ…頼む!」

善逸「そ、そんな…俺さんが鬼に…!?」

伊之助「ま、待ってくれよ。そんなこと急に言われても信じられねえ。少し心の整理をさせてくれ…」

俺「わ、わかった…」ゼェゼェ

炭治郎「俺さん…」

7: 2020/11/02(月) 02:08:53.210 ID:7cR9JLp/a
数十分後

俺「善逸!伊之助!まだ覚悟は決まらないのか!?それでもお前たちは鬼殺隊か!」

善逸「で、でも…やっぱり俺さんを斬るなんて無理だ!!」

伊之助「そ、そうだ。一体今までどれくらい俺さんに助けられたと思ってるんだ…」

俺「馬鹿野郎…俺が鬼になったら真っ先に襲うのはお前たちなんだぞ!?俺の手でお前たちを殺させるつもりか!!」

炭治郎「お、俺さんにオレたちを斬るのが無理なようにオレたちにも俺さんを斬るなんてできないんですっ…!」

俺「心配するな、お前たちが斬るのは鬼殺隊として一緒に戦ってきた俺じゃない。ただの人間を襲う畜生鬼だ。さあさっさとトドメを刺してくれ…」

炭治郎「俺さん…」

伊之助「……わかったよ。俺さんには散々世話になったんだ。介錯くらいオレがしてやる」チャキッ

善逸「伊之助!」

8: 2020/11/02(月) 02:09:01.094
はよ鬼になれよ

10: 2020/11/02(月) 02:10:04.130 ID:7cR9JLp/a
善逸「なに言ってんだよ伊之助!今まで一緒に戦ってくれた俺さんを本当に頃すつもりかよ!?」

伊之助「お前だってわかってんだろ。俺さんはもう助からない…誰かがやってやるしかねえんだよ!」

俺「伊之助…あぁ、その通りだ。頼んだぞ…!」

善逸「俺さん…」

伊之助「カァァ…いくぞ俺さん。獣の呼吸、壱の牙!穿ち抜き!」グサァッ

俺「ゴフッ…ヒュ-ヒュ-」

伊之助「!? 心臓を貫かれたのにまだ生きて…」

炭治郎「伊之助!今の俺さんは鬼になりかけだから心臓を刺されたくらいじゃ氏なないんだ!!」

伊之助「なんだと!?」

15: 2020/11/02(月) 02:12:44.811 ID:7cR9JLp/a
伊之助「それをはやく言えよ炭治郎!無意味に俺さんを苦しませちまったじゃねえか!!」

炭治郎「す、すまない伊之助…ショックで気が動転していて…」

俺「フッ…グァァ…た、頼む3人とも…そろそろ正気を保つのも苦しくなってきたから…はやく頃して…」

善逸「何やってんだよ伊之助!もういいよ俺さんの介錯はオレがやる!」

伊之助「馬鹿なこと言うな!俺さんはオレに任せてくれたんだ!最後までやらせろ!」

炭治郎「それを言うなら最初に頼まれたのはオレだ!オレが責任を持って俺さんを介錯してみせる!!」

わいわいがやがや

俺「……ウグッ…ウオアアアアアアアアアアア!!!3人でやれえ!!」

炭治郎「! ついに俺さんの正気が…」

善逸「ど、どうすんだよ2人とも!チャンスは今しかないぞ!?」

伊之助「こうなったら俺さんの言う通り、3人いっぺんに斬りかかるしかねえ!」

炭治郎「よし、それならオレの掛け声に合わせていくぞ。せーの!」

ズバズバズバァッ!

16: 2020/11/02(月) 02:13:39.430
やったか!?

18: 2020/11/02(月) 02:13:58.228 ID:7cR9JLp/a
俺「うぐううううううっ!!!」ビクゥンッ

炭治郎「し、しまった…!3人一緒だと他の2人の技の邪魔をしないようにとか、オレがやらなくても2人がやってくれるみたいな甘えが出てしまった!」

善逸「こ、こうなったら完全に鬼になる前に動きを封じるしかない!」

伊之助「すまねえ俺さん!獣の呼吸、伍ノ牙!狂い裂き!!」ズバズバァッ

俺「!!!!」手足ボトボトッ

伊之助「四肢は斬り落とした!これでしばらく時間を稼げるはずだ!」

俺「ウグオオオオオッ!ウオオオオオオッ!」ググッ

善逸「斬られてすぐに手足が再生しかかってる。やっぱり俺さんはもう…」

炭治郎「……こうなったらやるしかない。はやく俺さんを楽にしてあげよう」

伊之助「そうだな、それが今のオレたちが俺さんにできる唯一の恩返しだ…」

俺「ウアア…た、頼む…ハヤクコロシテ…コロシテ…!」ピクンピクン

19: 2020/11/02(月) 02:14:13.537
>>16
やってない

21: 2020/11/02(月) 02:15:05.687 ID:7cR9JLp/a
炭治郎「幸い俺さんはさんざんオレたちの斬撃を食らって瀕氏の状態だ。動きも封じた今なら苦もなく首を斬れるはずだ」

善逸「さ、さっきみたいに3人一緒だとまた中途半端に斬っちゃうかもしれない。だ、誰がやるんだ…?」

伊之助「しょうがねぇ。炭治郎、お前がやれ」

炭治郎「……!いいのか?伊之助」

伊之助「あぁ、俺さんに1番世話になったのはお前だろ?自分の手でしっかりケリをつけてこい」

善逸「そ、そうだ…俺さんをはやく楽にしてあげてくれ…」

炭治郎「2人とも…ありがとう!」

俺「……覚悟は決まったか」

炭治郎「俺さん!正気に戻ったんですね!?」

俺「あぁ、なんとかこの一瞬なら正気でいられそうだ。最後にお前の成長した剣をこの俺に見せてくれ!」

炭治郎「俺さん…はい!水の呼吸、拾ノ型!生々流転!!!」

ガキィンッ!

24: 2020/11/02(月) 02:17:15.878 ID:7cR9JLp/a
伊之助「や、やったのか…!?」

善逸「いや…まだだ!まだ落とし切れてない!」

炭治郎「鬼化が進んで首の皮が硬く…だがこの型は連撃だ!次の回転で…」

ガキィンッ!

俺「た、炭治郎ウウウウウウウウ!!!!」

炭治郎「俺さん…うおおおおおおおおっ!!!!」

ガキィンッ!ガキィンッ!ガキィンッ!ガキィンッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガァ!ガガガガガガ!!

善逸「どんどん回転が速く…」

伊之助「この威力なら…いける!」

炭治郎「今のオレがあるのも俺さんのおかげです!今までありがとうございました!!」

俺「ッ──あぁ…炭治郎…俺の方こそ、俺を醜い鬼の姿になる前に頃してくれてありがとう…」

スパァッ

……ボトンっ

炭治郎「……」スチャッ

善逸「俺さんの首が…落ち…」

伊之助「ついに、ついにやったんだな…オレたち」

生首俺「」ピクピク…

炭治郎「!?」

25: 2020/11/02(月) 02:20:51.660
やったか!?

27: 2020/11/02(月) 02:22:55.628
首切られながらよく喋るね

28: 2020/11/02(月) 02:23:43.611 ID:7cR9JLp/a
炭治郎「そんな…首を斬ってもまだ生きてるなんて!?」

善逸「鬼は日輪刀で首を斬り落とせば氏ぬはずだろ!?こんなのありえないからぁ!」

伊之助「さすがは俺さんだ…けど普通の鬼が首を斬り落とせば氏ぬなんて弱点を克服するには相当時間がかかるはずだ!」

炭治郎「弱点を克服される前になんとか殺さないと!」

グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!

鬼首俺「……ッ…ァア!」ピクンピクン

炭治郎「だ、だめだ…角も生えて…どんどん顔が異形の姿に…」

善逸「そんなぁ!どうすんだよ!俺さんが鬼になったらオレたちみんな殺されちまうぞ!」

伊之助「くっ…万事休すってやつか…」

サァァ…

鬼首俺「ギッ…!?ガッ、アッ…ギャアアアアアアアアアアアア!!!!!!」サラサラサラ…

炭治郎「!! 朝日…」

善逸「もうこんな時間だったのか」

伊之助「俺さんが塵になって…空へ昇っていく…」

パァァ…

炭治郎「なぁ2人とも…オレ上手くやれたかな」

善逸「あ、当たり前だろ!俺さんだって炭治郎に感謝してるさ」

伊之助「鬼殺隊に入ったときからきっと氏は覚悟の上だっただろう。お前はよくやったよ」

炭治郎「そっか…そうだよな!」

炭治郎「(俺さん、空の上から見ててください。必ずオレが無惨を倒して俺さんの仇を取ってみせます…!)」


俺の氏を乗り越え、登る朝日を前に決意を新たにする炭治郎であった…


完!

30: 2020/11/02(月) 02:32:07.796
ここアニメ化されてないよな乙

31: 2020/11/02(月) 02:48:50.766
ギャグマンガ日和でやりそうってかやってそう

32: 2020/11/02(月) 02:57:02.785
ここOVAで発売されるってマジ?

引用元: 俺「た、炭治郎…俺が人間である内に殺してくれ…!」炭治郎「そ、そんなことはできない!」