1: 2012/05/13(日) 14:28:17.87 ID:CrJb/IvQ0
ほむら?「目覚めたまえッ!我が主達よ」

バゴ バゴン

 ド  ド ン

ほむら?「……」コキコキ

ほむら?「私が眠っている間……外の世界がどのように変わったか……」


ほむら「ありのまま今起こっていることを話すわ……」ゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「お風呂上がりに牛乳を飲んでいたら突然柱から私が現れた上に見覚えのある人達も現れた」

ほむら「何を言っているのか分からないと思うけれど、私にも何が起こっているのか分からないわ……」

ほむら「超能力だとか催眠術だとかそんなチャチな物じゃあ断じてない……もっと恐ろしい物の片鱗を味わっているッ……!」

2: 2012/05/13(日) 14:33:22.38 ID:CrJb/IvQ0
??1「……」ドドドドドドドド

??2「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら?「カレンダーを見ましたところ、まだ暁美ほむらは時間遡行を続けている様子……」

ほむら?「今だに鹿目まどかを救えていないのかと……」

??1「気になるところではあるが……私達の目的は一つッ!『エイジャの赤石』!」

??2「フフフッ……そう焦る必要はない……」


ほむら「私が横にいるのに完全無視……一体何が起きているというの…?」

3: 2012/05/13(日) 14:36:02.03 ID:CrJb/IvQ0
??1「時間はあることだし」

??1「今は外の世界がどのようになっているのかを確かめる必要がある……」

??2「もっとも、なにも変わってはいないでしょうけどね」

ズッ

ほむら?「ッ!」FUOHH

カッ

ドオォッ

??1「ッ!!」スパッ

ドォォオオ

??2「ホムウ!おのれッ何をするかッ!」

??1「待ていッ!エシヅキ!」

ホムウ「失礼を!カーズコ様」

4: 2012/05/13(日) 14:41:23.93 ID:CrJb/IvQ0
ビシィッ

カーズコ「ホムウ!あなたが三つ編に触れられるのを極端に嫌い……無条件に反射してしまうのを忘れていたわ」

エシヅキ「何しろ二千年ぶりですから……仕方ありませんわ」

ホムウ「主人に対する無礼を働きました……何なりと罰をッ」

カーズコ「フッ……いいのよ、このくらい大したことではないわ」

カーズコ「あなたのその敏感な反射神経を活かす戦闘……期待しているわ」

ホムウ「……カーズコ様」


ほむら「そう……あの私はなぜか三つ編眼鏡時代の私……」ゴゴゴゴゴゴ

ほむら「そして私が主人だというあの二人はッ!そう!あの二人は早乙女先生と志筑仁美じゃないのッ……!!」

5: 2012/05/13(日) 14:46:18.26 ID:CrJb/IvQ0
カーズコ「さあ、幸い外の時間は闇夜……行くわよエシヅキ!ホムウ!」

ほむら「ま、待ちなさいあなた達」

三人「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「うっ……こ、こいつら……!」

ほむら(なんという…なんという『スゴ味』ッ……!この私が恐怖している――ッ!?)

ザッザッザッ

ほむら「…!ちょっと、無視をするんじゃ――」ガシッ

スカッ

ザムゥー

ほむら「あ…あぁぁ~~~ッ!!わ、私の右手が……右手がぁぁぁーーー!!!!」

7: 2012/05/13(日) 14:51:08.46 ID:CrJb/IvQ0
ホムウ「……暁美ほむら……只の一月しか生きられぬ生き物……」ドドドドドド

ほむら「うぅっ…うぅぅうぅ……」

ホムウ「……」ザッザッ

ほむら「このぉ――ッ!!」

ドガガガガガガガガガガ

シュゥーー

ホムウ「……私が眠っている間に何か進歩をしたのかと思えば……その貧弱な装備を見て想像できるなッ!」

ほむら「そ、そんな……銃が効かないですってッ!!」

カーズコ「何をしているのホムウ……暁美ほむらなど放っておきなさい」

ホムウ「フッ……」

ドギュゥーーン

ザァァアア

ほむら「に、逃げられた……」

ほむら「いいえ……情けをかけられたッ…!この私がッ!!」

8: 2012/05/13(日) 14:56:21.64 ID:CrJb/IvQ0
ほむら「追わなければ……しかし、この腕では……とにかく今は回復が先決」

シュゥゥウゥゥ

ほむら「それにしても、一体何者なの……早乙女先生、志筑仁美、そして昔の私……」

ほむら「どうして柱から……ッ!!」バッ

ほむら「柱に飾ってあった写真……いないッ!そこにいたはずの三人がッ!!真っ白な影になって消えている!!!」

ほむら「この写真、いつだったかまどかに撮ってもらった時のもの……それがなぜ」

ほむら「それにおかしいのはもう一つッ!写真に写っているのはあの三人だけではない…!!」

ほむら「美樹さやかッ!!なぜか美樹さやかは映ったままなのよッ!」

ほむら「四人で撮った写真のうち三人が実態となって現実の世界に……まさか、魔女の仕業……?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「分からないわ……今はまだ、何も……」

9: 2012/05/13(日) 15:02:13.25 ID:CrJb/IvQ0
早乙女「目玉焼きの焼き加減は半熟ッ!それとも否ッ!中沢ぁぁーーー!!」ビシィッ

ドドドドドドドドドドド

早乙女「……そう、今日はあなた達に残念なお知らせがあります……」

早乙女「中沢君は、昨日塾の帰りに何者かに襲われて命を奪われました……」ゴゴゴゴゴゴ

さやか「嘘……」

まどか「あの中沢君が…!?」

ほむら(えっ)

早乙女「犯人の目星は付いていませんが……とても残酷な氏に方をしたそうです」

ほむら(中沢……一体どうして)

早乙女「さ、今日は皆さんに転校生を紹介します」ニコッ

ほむら(嘘でしょ…!?こ、この流れで私を呼ぶというの~~ッ!?)

12: 2012/05/13(日) 15:08:10.23 ID:CrJb/IvQ0
早乙女「暁美さん、入って下さい」ニコニコ

ほむら「うっ……」ガラッ

ほむら「暁美ほむら……私の名前は……私の名前は暁美ほむらです」

シィィィーン

ほむら(……い、未だかつて味わったことのない静寂……私が一体何をしたというの)

早乙女「みなさん仲良くしてあげて下さいね」

ほむら(この人まさか偽物じゃないでしょうね……)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

13: 2012/05/13(日) 15:11:42.00 ID:CrJb/IvQ0
男「ううぅ…中沢、お前はいい奴だった……」

女「中沢君…いつも早乙女先生に可愛がられて実は嬉しそうだった中沢君……」

ほむら「……な、中沢――」ボソッ

男女「ッ」ギロッ

ほむら「……い、いけない……休み時間ごとに保健室に行かないといけないんだったわ……」ガタッ

男「中沢ぁ……」

女「中沢君……」

ほむら(私が一体何をしたっていうのよ!!)

ほむら「あの、鹿目まどかさん?」

まどか「うぐっ…ヒック……な、なんですか……」グスン

ほむら「……なんでもないです」

ほむら(もう嫌だ)

14: 2012/05/13(日) 15:14:41.59 ID:CrJb/IvQ0
放課後

ほむら(結局今日はまどかにアクションを起こせなかったわ……)

ほむら(しかしインキュベーターッ!あいつがこの街にいる限り必ずまどかを勧誘するはずッ!それを阻止しなければッ)

―ショッピングモール―

ゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「……」

ほむら(そういえば今日は全校生徒強制的に家に帰らされていたんだったわね……無駄足もいい所だわ)

ピキィーーン

ほむら(この反応、使い魔…!巴マミがいる可能性は否定できない……仕掛けてみる価値はあるわね)

15: 2012/05/13(日) 15:17:57.53 ID:CrJb/IvQ0
使い魔「WWUURRRYYYYYYY!!!!!」

ほむら「蹴散らしてくれるわ!」ズババババババ

マミ「あら、先客がいたのね」

マミ(この子学校で見かけたわね……ハッ!そうだわ!今日から学校に転校してきた空気の読めない美人転校生!)

ほむら「初めまして、巴マミ」

マミ「そういうあなたは暁美ほむらさん!」

QB「おーいマミーー!」ハッハッハッハッハ

マミ「QBーッ!魔法少女なら知ってると思うけれどQBよ!私のお友達でね、利口なのよ」

ほむら「ふん!」

ボギャァァァッ

マミ「なっ」

ドサーーッ

キュゥべぇーーーッ

マミ「なっ!何をするだぁーーーーッ!許さないわよッ!」

ほむら「あ、ついうっかり」

16: 2012/05/13(日) 15:21:13.26 ID:CrJb/IvQ0
ほむら「ごめんなさい、急に走ってこられたからびっくりしただけよ」

マミ「ほ、本当かしら……」

ほむら「それより、使い魔はもうほとんど始末したわよ」

マミ「そうみたいね。でも、どうやらとんでもないのが残っているみたいよ……」ゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「ッ!!」

ドドドドドドドドドドドド

カーズコ「……」

エシヅキ「……」

ホムウ「……」

ほむら「あなたたちッ!現れたわね……」

マミ「あら、知り合いなの?」

ほむら「それほどでもないわ」

18: 2012/05/13(日) 15:24:21.44 ID:CrJb/IvQ0
カーズコ「使い魔が残っているわね」

エシヅキ「ではワタクシが……」

ガパァァ

ほむら「なっ…!?使い魔を取りこんでいるですって!?」

マミ「体が触れただけで……」ゴクリ

エシヅキ「うふふ、やはり使い魔では物足りませんわね……」

ホムウ「昨日の人間も私達の足しにはなりませんでしたからね」

ほむら「昨日の人間?どういう意味よ」

ホムウ「さあ、あなたには関係ないわね」

マミ「!……答えなさい。返答次第では容赦しないわよ」スッ

ほむら「……まさか、中沢を襲ったのは…?」

ホムウ「中沢?フフッ、何のことかしらね……」

19: 2012/05/13(日) 15:28:26.31 ID:CrJb/IvQ0
マミ「暁美さん、気付いていると思うけど、こいつら三人とも魔女の反応をしているわよ」

ほむら「ッ!……えぇそうね」

マミ「出会ったばかりで言うのもなんだけれど、ここは共闘しない?」

ほむら「……いいえ巴マミッ!あなたは引っ込んでいて頂戴ッ!!」

ほむら「こいつらとはなんとなく……なんとなくだけど私が片を付けなければならないのよッ!!」ダッ

マミ「暁美さん!」

ほむら「ハァッ!」

カチッ

ほむら「時を止めたわ……貧弱な装備ですって…?もう一度味わうがいいわッ!」

ドドババババババガガガガガガ

カチッ

21: 2012/05/13(日) 15:33:50.64 ID:CrJb/IvQ0
ホムウ「ぬう!これはッ!」

マミ「一瞬でこんな量の銃弾を!?一体どんな魔法なのッ!」

ほむら「あなた達は銃弾に囲まれたわッ!今度こそくらいなさい!!」

ホムウ「!」バァァァァァァァ

ほむら「何!?」

マミ「三つ編が鞭のようにしなるワイヤーの様に伸びたですって!」

ブシャオオォーーーーッ

ババババババ

ほむら「そんな……三つ編を振り回して全弾撃ち落とすだなんて!」

マミ「とんでもない反射神経ッ!」

26: 2012/05/13(日) 15:37:44.06 ID:CrJb/IvQ0
マミ「しかもよく見るとあれは三つ編が振り落としたのではないわ!」

ほむら「三つ編を振り回した風圧でやってのけたというの!?」

ホムウ「貧弱ゥ!貧弱ゥ!」

エシヅキ「あの程度の装備で私達を倒そうだなんて笑止千万ですわ」

カーズコ「うふふ、暁美ほむらは私達の脅威になるかと思っていましたが、どうやら思い過ごしだったようですわね」

ホムウ「そうですね……では行きますか」

カーズコ「そうね」

マミ「おほん…おほほほんおほーん」

三人「……」

マミ「あなたたち、私のこと忘れてないかしら?」

32: 2012/05/13(日) 15:41:34.88 ID:CrJb/IvQ0
マミ「この私から魔女が逃げられると思っているの!」

ほむら「巴マミ……」

マミ「あなたはそこで見ていなさい。どんな魔法を使ったのか分からないけど、あれだけの魔法を破られたのなら他に手はないんでしょう?」

ほむら「くっ……」

マミ「見てなさいッ!すでにあなた達は私のリボンに取り囲まれているわ」

カーズコ「取り囲んでばかりで芸のないことね……」

マミ「必殺ゥ~~~~!ティロ――ッ!!!」

ホムウ「……」スッ

ほむら「ホムウのやつ……まだ何か隠しもっているわ!」

マミ「確かにとんでもない技をもっているのかもしれない……でもここで後には引けないッ!ティロ・フィナーレーーーッ!!!」ボシュゥゥーーン

33: 2012/05/13(日) 15:47:03.88 ID:CrJb/IvQ0
ズーッ

スッ

ホムウ「闘技!ホム砂嵐!!」シュタァ

マミ「なっ!こ、これは…!」

ほむら「馬鹿な!左腕を関節ごと右回転!右腕をひじの関節ごと左回転!拳が一瞬巨大に見えるほどの拳圧ッ!」

QB「その二つの拳の間に生じる真空状態の圧倒的破壊空間はまさに歯車的砂嵐の小宇宙!!」

ほむら「いたの!?」

ドオオォォォ

マミ「き…きゃああああぁぁぁぁぁああぁあ」ドグシッ

ほむら「ま、マミーッ!」

ゴシャーーン

36: 2012/05/13(日) 15:51:33.03 ID:CrJb/IvQ0
ホムウ「残念だけどくたばったみたいね」

ほむら「あの巴マミが、一撃で……」ゴクリ

エシヅキ「久々に見れましたわ、ホムウのホム砂嵐」

ほむら「まずいッ……こいつらはここで仕留めないと……こいつらを世に放ってはいけなかったッ!!」

ほむら「でええぇええい!!」ヒュッ

エシヅキ「あら、これまた貧相な小道具ですこと」パシッ

カパァ

ドモン

ほむら「ば…爆弾を丸呑み……」

ほむら(圧倒的種族……こいつらは違うッ!決定的に何かが違うッ!今までの魔女とッ!)

37: 2012/05/13(日) 15:55:56.41 ID:CrJb/IvQ0
カーズコ「くだらない時間を過ごしたわね……結界も消えたことだしさっさと出ましょう」

ホムウ「暁美ほむら……そんな貧弱なままで鹿目まどかを救えると思っているとは心底愚かね……」

ほむら「な、なんですって…!」

エシヅキ「あなたたちなど気にする必要もない……次に会うときはもう少しマシな戦い方をして下さいね」

スタスタ

ほむら「ま、また生かされた……」

マミ「んっ……暁美さん?あいつら、は?」

ほむら「消えたわ……私達をほったらかしにして」

マミ「消えたですって?変な魔女ね、もう氏を覚悟していたというのに」

39: 2012/05/13(日) 16:01:03.95 ID:CrJb/IvQ0
QB「大丈夫かいマミ?」

マミ「QB、無事だったのね」

ほむら「ふん!」ボギャァァァ

キュゥべぇーーーッ

マミ「暁美さん!」

ほむら「ごめんなさい、癖なの」

ピクピク

マミ「とにかく!次の犠牲者を出す前に何としても仕留めるわよ!それまでは共闘してくれる?」

ほむら「……いいわ、私一人ではどうしようもないみたいだもの」

マミ「ありがとう暁美さん!」

ほむら「その代わり、私の目的にも協力して貰うわよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

マミ「目…的…?」

ピクピク

43: 2012/05/13(日) 16:04:58.75 ID:CrJb/IvQ0
―マミの家―

ジョロ ジョロジョロジョロン ジョボジョボジョボ

マミ「はい、紅茶よ」

ほむら「……」

マミ「どうかしたの?」

ほむら「いえ、頂くわ」

マミ「さてと、まずはあの魔女のことについて知ってることを話してもらえるかしら?」

ほむら「いいけど、私自身信じられないのよ……それでもいいのなら」

マミ「どういう意味…?」

つまり!あの魔女は柱に飾っておいた写真から出てきた魔女なんだよ!

な、なんだってー!?

マミ「にわかには信じられないわね」

ほむら「しかし事実ッ……紛れもない事実よ」

ほむら「名前はホムウ、エシヅキ、カーズコ……外見は私、クラスメイトの志筑仁美、担任の早乙女和子なの」

マミ「ますます訳が分からないわね」

47: 2012/05/13(日) 16:10:36.68 ID:CrJb/IvQ0
マミ「とりあえずあなた以外の二人には何か話を聞いてみたの?」

ほむら「彼女達は一般人よ?魔女について何か知っていますか、とでも聞くというの?」

マミ「それもそうね……じゃああの魔女たちの目的は何かしら?」

ほむら「……分からない…ただ一つ、『エイジャの赤石』がどうとか」

マミ「聞いたことないわ……」

ほむら「魔女の反応はソウルジェムに記憶されているんでしょう?それを追うしかないわね」

マミ「エイジャの赤石がなんなのか分からない以上、そうするしかないわけね……でもその前に、対策を考えないと」

ほむら「忌々しいわッ!何が貧弱よッ!私の苦労も知らないで」

マミ「まさかティロ・フィナーレを弾き返されるなんて思ってもいなかったわ」

ほむら「ホムウの能力は私達とは相性が悪いわね。それに加えて後ろの二人の能力は未知数……厳しすぎるわ」

マミ「魔女の能力が未知数なのはいつものことだけど、流石に今回は知っておかないと勝てそうにないわね」

48: 2012/05/13(日) 16:15:42.46 ID:CrJb/IvQ0
QB「とりあえず今できることは新しい仲間を増やすことじゃないかな?」

ほむら(こいつまさか――!)

マミ「そんな簡単に増やせるものじゃないでしょう」

QB「それがね、実はいい魔法少女候補を見つけたんだよ」ゴゴゴゴゴゴゴ

マミ「そうなの?」

QB「マミと同じ見滝原中学、暁美ほむらと同じクラスさ」

ほむら(やはり!やはりQBは既にッ!!まどかとさやかの存在を認識しているッ!)

マミ「でも、わざわざ一般の人を巻き込むのは気が引けるわね」

ほむら「えぇ、その通りね。私達だけで片を付けるべきよ……なまじ増やすにしても、せめて今!魔法少女になっている人を探すべきだわ」

マミ「今……ハッ!私に心当たりがあるわ…!」

ほむら「……」ニヤリ

マミ「声をかけてみる価値はきっとあるはずッ!」

ほむら(これでいい……巴マミが他人を巻き込もうとしなくて有難かったわね……)

ほむら(後は佐倉杏子ッ!巴マミの心当たりは間違いなく彼女ッ!!どうにかこちらに引き込むことができればワルプルギスにも対抗しやすくなるッ!)

ほむら(今回、案外ツいてるかもしれないッ!!)

50: 2012/05/13(日) 16:20:11.89 ID:CrJb/IvQ0
QB「分かった、マミがそう言うならもう少し様子を見よう……ただし、こちらとしては何らかのアクションをかけさせて貰いたいね」

ほむら「それは駄目ッ!許されないわQB……それは裏切り行為よ、私や、巴マミに対しての」

QB「裏切りだって?魔法少女候補に声をかけることの、一体何が裏切りだというんだい?」ゴゴゴゴゴゴ

ほむら「一つ、私達は一般人を巻き込むつもりはないと言った」

ほむら「二つ、私の目的の中に鹿目まどかを魔法少女にしないということが含まれている」

マミ「目的……そういえばまだ聞いてなかったわね」

ほむら「今、話すわ……」ドドドドドドドド

マミ「……」

ほむら「今から約三週間後、ワルプルギスの夜が来る…!!私の目的はやつの破壊」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

マミ「ワルプルギスの夜、ですって……」ゴクリ

QB「馬鹿な、どうして君が知っているんだい?」

ほむら「それはまだ秘密、目的を果たしてからなら話してもいい」

マミ「……いいわ、マリアナ海峡みたいに深い事情があるみたいね……」

マミ「それじゃあさっき言っていた鹿目まどかさん?彼女のことについて聞きたいわね」

51: 2012/05/13(日) 16:25:00.83 ID:CrJb/IvQ0
ほむら「……彼女を魔法少女にさせるわけにはいかない」

マミ「……」

ほむら「以上よ」

マミ「え…?ひょっとして、それだけ?たったそれだけ…?」

ほむら「いずれ、よ」ドドドドドドドド

マミ「……共闘しようと言ったのは私だけれど、もう少し信頼してくれてもいいんじゃないかしら」ゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「信頼していないわけじゃない……ただ早すぎると言うだけ」

マミ「……」

ほむら「……」

マミ「いいわ…とりあえず、もう少し一緒に戦えばあなたのことが自ずと分かるはずだから」

ほむら「感謝するわ」

54: 2012/05/13(日) 16:28:37.58 ID:CrJb/IvQ0
マミ「今日はここまでにしましょう……晩御飯、食べていかない?」

ほむら「いえ、私は別に――ッ!」

マミ「食べて、行かないの……?」ゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら(こ、ここで食べていかないと余計なトラブルを招く気がするッ!なんとなく……なんとなくだけど、ここは一緒に食べるべき…!)

ほむら「い、頂いていくわ」

マミ「待っててすぐに準備するから」ニコッ


~数十分後~

ほむら「なぁによォ~~~!?このスパゲッティはァ~~~~~!!!真っ黒じゃないのよ!!!」

マミ「暁美さん、それはネーロと言って新鮮なイカの墨が入ってるのよ」

ほむら「知ってるわ」

マミ(ならなんで驚いたのかしら……)

モグモグ

ほむら「ンいしい!美味しいわ!!」ズビズバー

マミ「遠慮しないで食べていってね」

55: 2012/05/13(日) 16:32:21.24 ID:CrJb/IvQ0
翌日

ほむら(それにしてもあれからソウルジェムにもホムウ達の反応はないわね……何処に隠れてるのかしら)

仁美「おはようございます」

ほむら「ッ!」サッ

仁美「?なぜ急に身構えたんですの?」

ほむら「いえ、別に」ファサッ

仁美「ひょっとして私のことご存じないですか?同じクラスの志筑仁美です」

ほむら「えぇ、知ってるわ。学級委員長だものね」

仁美「そう!せっかくですからご一緒に登校しませんかと思いまして」

ほむら「……いいわよ、行きましょう」

仁美「はい!」

ほむら(こっちの志筑仁美は至って普通……なのに向こうは爆弾でお腹をボテ腹にする魔女……不思議なものね)

57: 2012/05/13(日) 16:33:22.90 ID:CrJb/IvQ0
まどか「おはよう仁美ちゃん!それと、暁美さん?」

ほむら「ほむらでいいわ」

まどか「ほむらちゃんだね、おはよう!私鹿目まどか」

ほむら「おはよう、鹿目さん」

さやか「おっはー!こりゃ珍しいトリオだね。転校生がいるとは」

ほむら「美樹さやかさん、よね」

さやか「さやかでいいよ!堅苦しいのは無しにしましょうや」

まどか「私もまどかでいいからね?」

ほむら「……えぇ、そうさせてもらうわ」

ほむら(平和ね……いつまでもこんな幸せが続けばいいのに)

58: 2012/05/13(日) 16:37:28.27 ID:CrJb/IvQ0
仁美「あら、何かあそこに倒れてますわ」

まどか「あっ!猫だッ!」

さやか「黒猫ッ!!だけどこいつぁもう遅いよ……車にはねられて随分経ってる」

ほむら「可哀相だけど、これがこの子の運命――ッ!」

ほむら(しまった、この子を助けるためにまどかが契約する可能性がッ!!それはまずい……ベリッシモまずいわ!)

まどか「パウッ!」ドスッ

ほむら「えっ?」

黒猫「……ニャー」

さやか「黒猫が復活したッ!流石まどかッ!!」

まどか「ばいばーい」

ほむら「……え?」

59: 2012/05/13(日) 16:41:50.15 ID:CrJb/IvQ0
まどか「じゃあ学校いこっか!早くしないと遅刻になっちゃう」

ほむら「いや、あの」

さやか「ゲェーッ!もうこんな時間!!走るよッ!」

仁美「遅刻したら早乙女先生に一体どんな罰を与えられるか……」

ほむら「ちょ、ちょっと待って!今何かとんでもないことが起こったような気がするの」

まどか「ほむらちゃん急いで!」

ほむら「耳ッ!なぜ誰も傾けようとしないのッ!!」

62: 2012/05/13(日) 16:44:07.53 ID:CrJb/IvQ0
教室

ほむら(結局何も聞けなかった……でもまどかが猫を指で突いたら(?)突然猫が復活した)

ほむら(この世界のまどか、何かおかしい気がする……)

早乙女「暁美さん」

ほむら「ッ!」ビクッ

早乙女「なぜ急に構えたのか分かりませんけど、この問題の答えは?」

ほむら「あぁ、そういう……サンライトです」

早乙女「ディ・モールトベネ!(非常に良し)」

ほむら(この教室も中沢君が氏んだ割には経った一日で平然としてるわね)

ほむら(それが不気味…ッ!何かこう、得体の知れない何かがこの世界には満ちている……そんな気がするわ)

63: 2012/05/13(日) 16:47:42.29 ID:CrJb/IvQ0
昼休み

ほむら「まどか」ズイイッ

まどか「な、何かな?」ジリッ

ほむら「朝の猫、一体どうして復活したの?理由を聞きたいの」

まどか「うーん、企業秘密なんだけどなぁ~」

ほむら「いいから答えて……場合によっては強硬手段を取らざるを得ない」

さやか「ほむら落ち着けってば」

まどか「ここだけの話にしてくれる?」

ほむら「……約束するわ」

まどか「あれはね、『波紋』のエネルギーなの」

ほむら「は、もん…?」

64: 2012/05/13(日) 16:51:49.55 ID:CrJb/IvQ0
まどか「東洋人は『仙道』とも呼んでるよ」

ほむら「私達は東洋人じゃないの?」

まどか「簡単に説明するとね、『呼吸』には『血液』が関わってるでしょ?『血液』は『酸素』を肺から運ぶもんね」

まどか「それに『血液』中の『酸素』は『体細胞』に関わってるよね?『体細胞』はイコール『肉体』!」

まどか「特別な呼吸法が肉体に波紋を起こしてエネルギーを作るの……その波紋エネルギーが猫に伝わって体を復活させたんだよ」

まどか「ドゥーユーアンダースターンンドゥ?」

ほむら「えぇ」

ほむら「全く意味が分からないわ」

仁美「確かに言葉だけで理解できた方はいませんわね」

さやか「そうだね、『言葉』だけ、ならね……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「――ッ!?」ゾクッ

67: 2012/05/13(日) 16:56:45.90 ID:CrJb/IvQ0
まどか「スー ハー スー ハー」

クゥゥゥォォォ

コォォォオオオ

ほむら「なっ、何が始まってるというのッ!」

まどか「ルオオオオオオオオ!!!」

ほむら「ちょっ――」

メメタァ

さやか「ごへぁっ」ゴァァァ

ドガッシャーーン

\なんだなんだ、美樹が突然吹っ飛んだぞ/ \パンツーまる見え?/ \YEAAAH/パシ! ビシガシグッグッ

仁美「このようにほむらさんを殴っても後ろにいたさやかさんが吹っ飛んで行きましたわ」

ほむら「えっ?何?なんなの?」

仁美「何より凄いのはほむらさんは無事なのに対し、直接殴られたわけじゃないさやかさんがあんなにも吹っ飛ばされたということッ!!」

ほむら「えっ、えっ」

68: 2012/05/13(日) 17:00:36.25 ID:CrJb/IvQ0
まどか「これはね、波紋エネルギーがほむらちゃんの体を伝ってさやかちゃんに届いたからなんだよ」

ほむら「波紋ってそんなに凄いの!?」

まどか「いろんなことができるんだよ?っていっても、私はどういう訳か生まれながらにして特別な呼吸ができてるだけで修行と化したことないんだけどね」ティヒヒ

ほむら「修行がいるのね……」

さやか「うぅっ、おかしい……あの流れは絶対にほむらが吹っ飛ぶ流れだったはずなのに」フラッ

まどか「ごめんねさやかちゃん、ついうっかり」

ほむら「そうよね、うっかりは誰にでもあることだわ」

仁美「うっかりなら仕方ないですわね」

さやか「うぅー不公平だぁ!あんまりだぁぁーー!!」

69: 2012/05/13(日) 17:04:13.02 ID:CrJb/IvQ0
ほむら「それで、この波紋とか仙道ってどういう時に使うの?」

まどか「……さあ?痛み止めくらいかな?波紋の呼吸してると痛みが和らぐから」

さやか「それが一番便利だよね」

仁美「関節外しても痛みを和らげられるそうですわ」

ほむら(魔法少女でもその気にならないと出来ないことを糸も簡単に……)

まどか「ママはいつかのためにちゃんと修業した方がいいっていうんだけど、別に今のままでも困らないかなあって」

ほむら「……まあ、今のままでも十分凄いからいいんじゃないかしら」

さやか「おっ、今日のお弁当はサンドイッチだね!」

まどか「うん!私はペッパーをかけて食べるのが好きなんだよねぇ……」パラパラ

まどか「あっ」ドバァ

まどか「ハクチュン!」

ほむら(……まあ、このまどかなら魔法少女の力に憧れて契約、なんてことはなさそうね)

ほむら(やっぱり今回の世界はツいてるのかもしれないわね)

71: 2012/05/13(日) 17:08:52.85 ID:CrJb/IvQ0
放課後

マミ「佐倉杏子さんよ」

杏子「あんたか、新人魔法少女ってのは」

ほむら「新人じゃないわ、最近こっちに来たって言うだけよ」

杏子「どっちでもいいけどさ……マミの頼みで仕方なくやってやるんだ、グリーフシードバッチリ貰うからな」

ほむら「どうやって仲間になって貰ったの?」

マミ「グリーフシードと衣食住分けてあげるからって……」

杏子「衣食住は関係ないだろ!」

ほむら「そんなあっさり……」

杏子「こんな弱っちそうな奴と組むのかよ?本当に大丈夫なんだろうなぁ?」

ほむら「何とも言えないわね」

杏子「チッ……まあいいさ、さっさとその強え三人組の魔女ってのを見つけてグリーフシードいただこうよ」

73: 2012/05/13(日) 17:13:02.66 ID:CrJb/IvQ0
ウロ…ウロ…

マミ「反応があったわ」

ほむら「この近くにあいつらが」

杏子「だがちょっと待て!あたし気付いちまったんだけどさ、魔女の反応はもう一つあるッ!」

ほむら「三人組も反応をしている……つまりッ!魔女が四匹いることになるわね」

マミ「それもどうやら、同じ結界の中にね」

ドドドドドドドドドド

杏子「へっ、おもしれえ!中に入ってどんな魔女か確かめてやるッ!」ギュオォー

ほむら「気を付けてッ!奴らは既にッ!!私達の行動を掴んでいるはず!!」

杏子「なにッ!」

使い魔「URREEYYYYYY!!!!」

マミ「構うことはないわ!」

74: 2012/05/13(日) 17:16:30.85 ID:CrJb/IvQ0
ドドバババババジャキーンガガガガドッゴァァーン

ほむら「待ってッ!何か変だわ……」

杏子「この使い魔ども、斬っても斬っても復活しやがる…!」

使い魔「AAANTHOYYYYYYY!!」

マミ「でも復活しない奴もいるわ!」

ほむら「……そうか、頭よ!頭を狙うのよッ!」

杏子「どこだよ!」ザシュッ

マミ「こんなところで魔力を使う訳にはいかないわ……ここは魔女を先に倒しましょう!」

杏子「賛成だな…キリがないのは嫌いだッ!!」

ほむら「急ぎましょう」

ほむら(ホムウ達は一体どこに……結界の持ち主の魔女と潰しあってくれていたら助かるのだけれど)

76: 2012/05/13(日) 17:21:56.31 ID:CrJb/IvQ0
杏子「いたぞッ!」

マミ「カーズコ達も一緒だわ!」

ほむら「魔女と戦闘しているわね」

魔女「このゲルトルートォ容赦せん!」

エシヅキ「この石仮面を魔女の顔面に叩きつけてッ!そのまま一気に殴りぬけるッ!!」ドギャァァァ

魔女「GYAAAAAAAAAAAAA」

ホムウ「使い魔どもの血を垂らせば」

ヒュッ ビスッビスッ

魔女「NUGAABBAAHHHH」

カーズコ「できたッ!吸血魔女の完成だわッ!!」

ほむら「吸血魔女…ですって?」

79: 2012/05/13(日) 17:25:23.37 ID:CrJb/IvQ0
ホムウ「ぬう、来たか暁美ほむら」

マミ「吸血魔女とは何者なの!」

カーズコ「ふん、答える必要はないわ」

杏子「んなことぁどうでもいい!狩らせてもらうッ!!」ダッ

ほむら「駄目よ杏子!迂闊に近づいたら!!」

ホムウ「フッ」スッ

杏子「ハッ!ヤバい…こいつぁヤバいッ!危険な匂いがプンプンするぞ!!!」

ホムウ「闘技!ホム砂嵐!」

ズァァァァ

杏子「ぐ…ぐあああああああああ」

ほむら「杏子おおーーー!!!」

カーズコ「急所を逃れたか……悪運の強い奴」

杏子「くそっ…掠っただけでこの威力かよ……」

80: 2012/05/13(日) 17:28:52.33 ID:CrJb/IvQ0
魔女「WWWRRYYYYYY」

エシヅキ「この吸血魔女、どうやら人間の血が吸いたいみたいですわ」

ホムウ「魔女といっても所詮石仮面にかかればこの程度ね」

マミ「ハァッ!」ババンバンババン

魔女「KUWWAAAAAA」ピョッ ドゴォッ

マミ「きゃっ!」

ほむら「マミィィ!なんて素早いのこいつ……身体能力が今までの魔女とケタ違いだわッ!」

魔女「UURREEEYYYYYYY」ズォォォ

ほむら(しまった防御が間に合わな――)

82: 2012/05/13(日) 17:33:37.47 ID:CrJb/IvQ0
バチィィィ

魔女「ANGYAAAAAAAA」シューシュー

ほむら「な、何…?」

ホムウ「ぬう!今何が起こったの?」

カーズコ「暁美ほむらが魔女に触れた途端…火花の様な物がほとばしり吸血魔女の体が溶けだした」

エシヅキ「もしや、『波紋』!?」

ほむら「なんだか分からないけれど、私の手の平から出た物が魔女に効いた……ならもう一発!」ビシィッ

魔女「……」

ほむら「あれ?」

魔女「WREEYYYYYY」ゴォォォォ

ほむら「どういうことなのよぉぉーーー!!!」

85: 2012/05/13(日) 17:41:49.39 ID:CrJb/IvQ0
エシヅキ「先程見えたのは確かに波紋だと思ったが……」

ホムウ「一体どういうことなのでしょう……」

カーズコ「もういい吸血魔女!さっさとそいつらから生命エネルギーを吸い取ってしまいなさい!」

マミ「そうはさせないわッ!!」パシィィッ

杏子「頭が弱点なんだろォォォーーー!!!!」ズブッシャァーー

カーズコ「巴マミ!佐倉杏子!生きていたのかッ!」

杏子「勝手に頃すなッ!」

マミ「佐倉さんどいて!開けた穴からお見舞いしてあげるわ!!!」

マミ「震えるわよハート!燃え尽きるほどヒート!!」

マミ「山吹き色≪サンライトイ工口ー≫のティロ・フィナーレ!!」ボシュゥゥーーン

魔女「MMMMMMMOOOOHHHHHHHHH」シューシュー

ほむら「やった!流石巴マミ!私達が口にしない必殺技の名前も平気で叫ぶ!」

杏子「そこに痺れる憧れるぅ!」

87: 2012/05/13(日) 17:48:56.74 ID:CrJb/IvQ0
カーズコ「チチィ、せっかくの吸血魔女が……まあいいわ、使える手駒はまだ残っているはずだもの」

エシヅキ「次に参りましょうか」

ホムウ「お待ちくださいカーズコ様、エシヅキ様」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「今度こそ逃がさないわよ」

ホムウ「暁美ほむら……あなた、最近波紋を受けたことがあったんじゃぁないの…?」

ほむら「波紋を…?そういえば昼にまどかから触れられたことがあった……」

ホムウ「やはり!カーズコ様、エシヅキ様…私はこの暁美ほむらを偉く気に入りました……将来波紋の戦士になるやもしれません」

カーズコ「ほう……なら、今すぐに消してしまいましょう」スゥッ

ホムウ「お待ちをカーズコ様……せっかくですので、アレをやろうかと……」

エシヅキ「ははん!ホムウ、いつものやつをやるというわけですわね」

ホムウ「名付けて『氏のウェディングリング』≪結婚指輪≫…今からこのリングを心臓の動脈に引っ掛けておく」

ほむら「な…何をする―――ッ!」

ズボボォ

89: 2012/05/13(日) 17:56:40.56 ID:CrJb/IvQ0
ホムウ「このリングの外殻はワルプルギスの夜が来る次の日に溶け始める!リングの中には毒薬が入っている!」

ホムウ「手術で取り出すことはできない!無理に外そうとすれば殻はあっという間に破れ毒は流れだす!」

ホムウ「毒が体に回らんうちに助かる方法はただ一つ!ワルプルギスの夜が来るまでに私と戦って勝ち!」

ホムウ「眼鏡の先セル(耳をかける部分のこと)の中にある解毒剤を飲むことのみ!」

マミ「暁美さん!」

ほむら「ぎゃあああああああ」

エシヅキ「ワルプルギスを倒せずに時を戻されてはたまりませんもの……私と戦うことはないでしょうけど、このエシヅキからも喉にプレゼントですわ」

ほむら「ゲッー!」ドスッ

ほむら「いやああああああああーっ!!」

マミ「心臓と!」

杏子「喉!」

エシヅキ「ホムウとは違う毒よ…私の解毒剤はパンツの中に」

ほむら「ちょっとそれどういう意味よぉぉぉーーーっ!!」

エシヅキ「冗談…リボンタイの中に仕込んであります」

90: 2012/05/13(日) 18:02:28.39 ID:CrJb/IvQ0
エシヅキ「カーズコ、あなたはどう?」

カーズコ「くだらないわ…もっとも暁美ほむらに時を戻されては面倒
……それに敵があってこそのお肌の様にハリのある人生…気持ちは分からなくもないけれど」

カーズコ「私達の目的はあくまで『エイジャの赤石』のパワーを手に入れることッ!忘れるないように……ふたりとも!行くわよッ!」ダッ

エシヅキ「しかし結局、波紋疾走のない魔法少女など恐るるに足りませんわね」

杏子「波紋疾走…?」

マミ「波紋…?」

ホムウ「次の結界で会うときまでに身につけておくことね!」ドギュゥゥーーン

ウフフフフフハハハーッワハハハハアハハハハハハーーッ

ほむら「な…なんてこと……ウェディングリングですって?飛んだブラックユーモアじゃないの!ご丁寧に二個も埋めて……」

ほむら「二個じゃあ重婚罪じゃぁない!しかも両方女なうえに一人は自分自身って……日本じゃ同性同士の結婚はまだ認められてないのよ!!」

93: 2012/05/13(日) 18:08:21.88 ID:CrJb/IvQ0
マミ「結界が……消えた」

杏子「チッ……」ガシィッッ

杏子「どういうことだおい……あいつら本当に魔女なのかッ!明らかにおかしいぞ!他の魔女とはッ!!」

マミ「だからそういったじゃない……でも今回ッ!今回の魔女はさらに不可解ッ!意味不明だったわ」

ほむら「ただの魔女が謎の仮面を被せられると……あいつはもう普通の魔女じゃなかったッ!パワーッ!スピードッ!全てが他の魔女以上ッッ!!!」

杏子「今、分かったよ……こりゃあ確かに放ってはおけねえ……だがしかしだ!あたしは自分の命を危険に晒すのは正直ごめんだ」

マミ「そんな!」

杏子「……あいつらが言ってた『波紋』!これに何か秘密があると見たねッ!まずは対抗策をはっきり打ち出してからじゃなきゃあ戦うのは無謀すぎる……」

マミ「佐倉さん……ありがとう、一緒に頑張りましょう」

杏子「ケッ……」

ほむら「二人とも」

マミ「なぁに?」

ほむら「実は私……聞いたことあるのよ……」ゴゴゴゴゴゴゴ

杏子「聞いたことあるだと……まさかッ!」

ほむら「私は『波紋』のことについて知っている」ドドドドドドドドドド

95: 2012/05/13(日) 18:12:46.39 ID:CrJb/IvQ0
杏子「そういやぁあんた、妙なこと言われてたよなぁ……ワルプルギスがどうだとか、時を戻されたらだの」

ほむら「うッ!」ギクゥッ

マミ「ワルプルギスはともかく、時を戻されてっていうのは私も初耳だわ」

杏子「答えてもらうぞ…暁美ほむら……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら(まずい……言い訳が思い浮かばない……ここは一つ、ワルプルギスの為に時を戻したということにしなければッ!)

ほむら(別に嘘なわけでもないし……)

ほむら「……実は」

私はワルプルギスの夜を倒すために時間を戻しているのよーっ!

な、なんだってー!?

杏子「超ド級の魔女が来るとなっちゃぁ、ますますやべぇじゃねーか……」

マミ「でも今回、戻ることはできないのね…?」

ほむら「くっ…氏のウェディングリングッ!これで私は何としてもッ!このループでケリをつけなきゃぁならなくなってしまったッ!」

ほむら(絶対にまどかを救わなければッ!今度こそ終わり……!!)

マミ「ワルプルギスのことはできる限り協力するわ!でも、あの三人だけは、まずあなたの知っている波紋とやらを教えてほしいわね」

ほむら「……正確には、『私』が知っているわけじゃぁないわ」

98: 2012/05/13(日) 18:16:16.51 ID:CrJb/IvQ0
翌朝

まどか「ラン ランララ ランランラン」

ズズッ

ゴゴゴゴゴゴゴ

まどか「……なんですか?」

マミ「……」

杏子「……」

ほむら「まどか、話があるからついて来てもらえるかしら?」

まどか「ほむらちゃん……先輩と他校の子を連れてきて、一体私にどんな用事があるのかな……」ドゴゴゴゴ

ほむら「聞きたいことがあるだけ……少しあなたのことを話してもらうだけでいいの」

まどか「ふーん……」

マミ「そういえばまだだったわね、自己紹介……巴マミ、よ……よろしくね鹿目さん」

杏子「佐倉杏子だ……あんたには聞きたいことが……いや、聞かなきゃぁならないことがあるんでね!ちょっくら面貸してもらおうか」ゴゴゴゴゴ

マミ「脅さないの」ペシッ

99: 2012/05/13(日) 18:21:41.21 ID:CrJb/IvQ0
ほむら「どう?」

まどか「別に、構わないよ……遅刻しなかったら、ね……」

ほむら「ありがとう……」

ほむら(本当は……本当はッ!まどかに会わせたくなかったッ!!まどかを魔法少女に関わらせたくなかったッ!!)

ほむら(しかしエシヅキは口にしていた……『波紋』と!ホムウは口にしていた……『鹿目まどかをまだ救えていない』と!!)

ほむら(あいつらが何かしらのアクションをまどかに起こす可能性……それはゼロではないッ!)

ほむら(あぁぁ、どうして結局こうなるのよぉーー!!)

マミ「この辺でいいかしら……さあ、話してもらいましょうか」

杏子「『波紋』について、な」ドドドドドドドド

まどか「……ねえほむらちゃん」

ほむら「な、何かしら?」

まどか「私言ったよね…?『ここだけの話にして』って……確かに言ったよね……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「うぅっ!ま、まどか違うの!これには訳が……!あ、あぁぁ!そ、そんな目で見ないでッ!!」

まどか「約束……破ったんだね」

コォォオオォオォ

100: 2012/05/13(日) 18:26:26.50 ID:CrJb/IvQ0
ほむら「ひっ!な、何を……するつもりなの……」

まどか「丁度いいんじゃないかな……百聞は一見にしかずっていう昔の言葉もあるくらいだもんね」

コォォォオオォ

ザワッ ゾザザザザザザ

マミ「何…?鹿目さんの足元の草が……」

杏子「奇妙な模様を描いてるだとぉ!?いや、こいつぁまさかッ!この『模様』はッ!!」

まどか「これが、『波紋』だよ」

まどか「震えるよハート!燃え尽きるほどヒート!刻むよ魂のビートッ!!」

ブワアアアア

ほむら「あぁぁああっ!体が勝手にぃぃぃーーー!!動き出すぅぅ!!」グイイィィン

ズズズゾォォォォ

杏子「な、何ィィィ!あのクールを装っていたほむらが!!あのほむらがまるでマイケルジャクソンの様にムーンウォークをノリノリでやっているだとぉぉ!?」

マミ「可愛い」

ほむら「ひぇえぇ恥ずかしいぃぃいぃぃ」

まどか「もう……約束破った罰だもん!」

104: 2012/05/13(日) 18:31:32.89 ID:CrJb/IvQ0
マミ「一体暁美さんに何をしたの?」

まどか「波紋エネルギーを体に流してちょっと筋肉の動きを操ってみたんです」

杏子「そんなことできるのか!?」

まどか「これは波紋のちょっとした応用だけどね……それで波紋の何が知りたいのかな…?」ドドドドドド

杏子「うぅ……なんだこいつ……さっきまでの呑気で和やかな雰囲気が全くない!とてつもない『スゴ味』を放っている!!」

マミ「波紋のこと、一から教えてほしいの」

まどか「ふーん……それは別にいいですけど、残念ながら今日はもう無理ですよ」

マミ「な、なぜ!?」

まどか「『遅刻』、しそうなんですよ……マミさんでしたっけ?あなたも急いだ方がぁいいんじゃないですか?」

マミ「……確かに……いいわ、あとでまた聞きに行くから」

杏子「あたしはお預けかよ……」

まどか「じゃあそういうことでさようなら!」ダッ

ほむら「こ、これどうにかしてからにしてぇぇ~~~!!!」ズズズズゥゥゥ

106: 2012/05/13(日) 18:36:51.11 ID:CrJb/IvQ0
昼休み―屋上―

まどか「――と、これが波紋です」

マミ「そんなものが存在していたなんてね……」

杏子「だが、それを聞いてますます分からなくなってきた……一体波紋があいつらとどういう関係にあるっていうんだッ!!」

まどか「あいつら?」

マミ「……暁美さん、どうする?私達が言うのもなんだけれど、彼女にも事情を話した方がいいんじゃぁないかしら?」

ほむら「それには……それには及ばないわ」

まどか「ほむらちゃん」ジリィ

ほむら「ッ!」ビクッ

コォォオオオ

ほむら「待って言うからッ!!言うからこんなところでムーンウォークは勘弁してェ!!」

杏子「軽いトラウマになってるじゃねえか……」

ほむら(あぁぁ、私はなんてことを……でも……でも!この世に人前で好き好んでムーンウォークする姿を晒す女子中学生が一体どれだけいるのか考えてみてほしいッ)

ほむら(私の反応は極自然……仕方のないことなのよ)

108: 2012/05/13(日) 18:42:30.65 ID:CrJb/IvQ0
ほむら「――信じて貰えないでしょう」

まどか「波紋なんかより魔法少女の存在の方がびっくりだよね……そして波紋でしか倒せなさそうな感じの魔女がいる、と……」

マミ「別に話半分でも構わないわ……むしろそれが普通ッ!極当たり前の反応だと思うわ」

まどか「でも、ほむらちゃんがあんなに真剣に話してくれたから……ほむらちゃんの気持ちがッ!『言葉』じゃなく『心』で理解できました!!」

ほむら「……ありがとうまどか。でもこれ以上あなたは関わってはいけないわ……危険すぎるもの」

QB「それはどうかな」ゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「ッ!QBェ!!」

まどか「わっ!何その変な生き物!?」

QB「あぁ、実はね――」

ほむら「ふん!」ボギャァァァ

キュゥべぇーーッ

まどか「何をやってるのほむらちゃん!?」

ほむら「またまたついうっかり」

QB「なっ、なんてやつだッ!!こいつぅ、まるで息をするのと同じようにボクに毎度蹴りを入れてくるッ!!」

112: 2012/05/13(日) 18:48:43.90 ID:CrJb/IvQ0
ほむら「何をしに来たのかしら……場合によっては別に丸太の様には太くない私の足があなたの顔を潰すわよ」

マミ「綺麗な足してるわよね?」

まどか「そうですね」

ほむら「……」カァァ

QB「いやいやいや、魔法少女の存在をばらしたのは間違いなく君達だ……そうすると、ボクが出てこないわけにはいかないよね?」ゴゴゴゴゴ

ほむら「言ってる意味が分からないわ」

マミ「もしかして、鹿目さんを勧誘にでも来たのかしら…?」

QB「そんなことはぁ断じてないよ。ボクからは勧誘しない……ボクは呼ばれたらいつでも来れるということを示しただけさ……」

QB「鹿目まどか、君が契約したくなったらいつでも僕を呼ぶといいよ」

ほむら「失せなさい……」

QB「じゃあ…『一応』教えておいただけだからね……」スタスタ

113: 2012/05/13(日) 18:49:57.97 ID:CrJb/IvQ0
まどか「なんだったんだろう今の……」

マミ「QBのことは一旦忘れて置いて……叶えたい願いもないのに、憧れるようなものでもないわ」

ほむら「とにかく、今日は波紋のことについて話してくれてありがとう」

杏子「あぁ、参考にはさせてもらうよ」

まどか「もう、二人も内緒なの忘れないでくださいね?」

マミ「肝に銘じておくわ……ムーンウォークはイヤだもの」フフフッ

杏子「だな」ニヤリ

ほむら「もうそれはいいでしょぅ!」

キンコンカンコーーン

まどか「ッ!!予鈴ッ!次の授業は英語じゃないのぉ!!遅刻厳禁ッ!」ダッ

杏子「じゃああたしもお暇しようかなっと」

ほむら「今さらだけどあなた何ナチュラルに侵入してるのよ……」

122: 2012/05/13(日) 19:19:45.13 ID:CrJb/IvQ0
放課後

ほむら(まどかに魔法少女の存在が知られてしまった……しかし、契約はとりあえず阻止できそうね)

ほむら(それにしても、波紋の話を改めて聞いてもやっぱりあいつらにどういう関係があるのか分からないわ……)

ほむら(とりあえず様子を見て判断しないと)

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「何まどか?」

まどか「話聞いてなかったでしょ……」

ほむら「ご、ごめんなさい」

まどか「だから、魔法少女見学に行ってもいい?」

ほむら「えぇ、どう――え?」

まどか「やったぁー!ありがとう!!」

ほむら「あれ待って……一体いつからそんな話してたかしら」

まどか「最初から」

ほむら(おかしい……全然記憶がない……まるで過程を吹っ飛ばされて結果だけ残されたような……)

124: 2012/05/13(日) 19:25:04.16 ID:CrJb/IvQ0
ほむら「危険だって言ったでしょう!駄目よ!」

まどか「でも波紋が何か役に立つんだよね?だったら、私にも手伝わせてほしいなぁって」

ほむら「うっ!……でも危険だわ」

まどか「……」コォォオオオ

ほむら「分かった!分かったから!巴マミに聞いてみるからッ!!」ピッピッ

まどか「ぶぅー」

ほむら(お願い断ってよ……)

マミ『え?鹿目さんの魔法少女見学?あんまりお勧めはできないけれど……』

ほむら「よね!?そう思うわよね!?ね!?」

マミ『今日はまだあの三人の魔女の反応がないから多少安全だと思うわ。それでよかったら』

ほむら(この人って人は……)

127: 2012/05/13(日) 19:29:09.31 ID:CrJb/IvQ0
結界

まどか「杏子ちゃんはいないんですか?」

マミ「あの子はちょっと探し物があるからって今日はお休みよ」

ほむら(この結界、いつも巴マミがやられている魔女の……用心ッ!せずにはいられないッ!)

まどか「うわぁ変な生き物がいっぱい……」

使い魔「WWWRRRRYYYYYYYY!!!!」

ほむら「ここは任せて」バババババババ

マミ「ハァッ!」ババンバンババン

まどか「うわぁすごぉーい……」

使い魔「KUWAAAAAAAAAAA」

ほむら「させない!」

まどか「ルオオオオオオオ!!!」パウッ

使い魔「GIIYYYAAAAAA」シューシュー

ほむら「……あれ?」

128: 2012/05/13(日) 19:32:04.87 ID:CrJb/IvQ0
ドドドドドドドドドド

魔女「……」

まどか「ちっちゃくて大人しそうな魔女だね」

ほむら「油断しないで……あの小さな体にとんでもない物を仕込んでいるッ!そういう『スゴ味』を放っているッ!!」

マミ「私から行かせてもらうわ!」ダッ

ほむら「いけないマミ!やつはまだ得体の知れない何かを隠しているッ!!」

マミ「必殺ゥ~~~~!!ティロ・フィナーレェェ!!!」ボシュゥゥーーン

魔女「これが俺の本体のハンサム顔だ」ババァアン

ズモモォォォオオォ

マミ「ハッ――!?」

ほむら「マミィィィーーーー!!!」

129: 2012/05/13(日) 19:32:44.19 ID:CrJb/IvQ0
まどか「あっ、波紋って効くんだ」

ほむら「……えっ、効くの?」

まどか「これなら私でもちょっと戦えるかも」パウッ

使い魔「ANGYAAAAAA」シューシュー

ほむら「普通に戦ってる……しかも結構強い……!?」

まどか「私でもなんとかなるかも」ドゴォッ

ほむら「何このまどか怖い……」

ほむら(それにしてもよく見ると、使い魔がやられた時の反応って昨日私が魔女に触れた時のに似てるわね……)

マミ「暁美さん気を引き締めて!魔女がいるわよ!」

ほむら「え、えぇ」

131: 2012/05/13(日) 19:37:35.99 ID:CrJb/IvQ0
まどか「コオオオァァァァァアァア」ギュオオォォ

魔女「WRREEYYYYYYYYY!!!」ギュォォン

ほむら「なっ、何ですってェェ!?魔女が突然こっちに向かってきたッ!?」

まどか「生命磁器の波紋!周りのお菓子を集めて魔女の気をこっちに向けたよッ!!」

魔女「あたしィィィのお菓子ィィィん!」オォォォォッ クワッ

ほむら「ナイスよ……ヴェエェェリィィイイナイスまどか!くらいなさい!」

ほむら「必殺ゥ~~~!!!ただのランチャーーー!!!」

ドゴゴゴォォーーン

魔女「ANGYAAAAAAAAA」

132: 2012/05/13(日) 19:43:45.22 ID:CrJb/IvQ0
まどか「やったぁー!ほむらちゃん凄い!!」

ほむら「ふぅ……まさか波紋にそんな使い方があるなんてね」

まどか「お菓子って生命なのかは置いといてうまくいってよかったぁ」

ほむら「……まあ、まどかの波紋が凄かったってことね」

まどか「全然修行してないんだけどね」

マミ「ありがとう……ちょっと油断してたわ……こんなんじゃ『柱の写真の女』には勝てないわね……」

ほむら「……なにそれ?」

マミ「何って、あの三人の魔女じゃぁ言いにくいでしょ?」

ほむら「どっちもどっちじゃないのよぉ!せめて『柱の女』か『写真の女』にしなさいよぉっ!!」

マミ「じゃあ『柱の女』ね!その方がカッコいいものッ!」ババァン

ほむら(違いが分からないわ……)

133: 2012/05/13(日) 19:47:25.43 ID:CrJb/IvQ0
まどか「『柱の女』ってなんですか?」

ほむら「うっ……昼はあえて誤魔化してしか言わなかったのにッ!」

マミ「ご、ごめんなさい……ついうっかり」

まどか「うっかりなら仕方ないですよね」

ほむら「あぁもぅ!うっかりだものね!仕方ないわよねッ!そして私はムーンウォーク回避のために言わなければならないのよねッ!!」

まどか「流石ほむらちゃんだね」

ほむら「『柱の女』っていうのは――」

「私 の こ と よ !」

マミ「この声は……!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ホムウ「久しぶりね暁美ほむら、巴マミ……そして鹿目まどかッ!!」

134: 2012/05/13(日) 19:52:13.63 ID:CrJb/IvQ0
ほむら「ホムウッ!」

マミ「しまったぁぁ!!こっちの魔女ばかり気にして気が付かなかったわ…!」

まどか「あれが『柱の女』……の、ほむらちゃん…?」

ホムウ「結局巻き込んだという訳ね、鹿目まどかを……」

マミ「ノコノコ一人で現れるなんて……自信があるのかしら?それとも……ただのお馬鹿さぁんなのかしらぁぁ!!!」ジャキッ

ホムウ「そして波紋の存在を知ったわねェ~~~!!!」

ほむら「だったらなんだというのッ!」

ホムウ「フッ……私達と戦える資格を手にしたということよ……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「資格ですって?」

まどか(こっちを見てる…?)ゾゾォッ

マミ「無視は良くないわ…良くないのよ……」

136: 2012/05/13(日) 19:56:08.70 ID:CrJb/IvQ0
ホムウ「フフッ……そうッ!鹿目まどかは波紋の一族!波紋の一族こそ我らが宿敵ッ!!」

まどか「ッ!どうしてそれを…?」

ホムウ「私達は、鹿目まどか……あなたをこの世から始末させてもらうわ」

ほむら「な、なんですってぇぇ~~~!?!?」

マミ「鹿目さんを…!?」

ホムウ「そしてあなたを葬った後で、私達はエイジャの赤石を見つけ出し全てを克服するッ!!」

ホムウ「暁美ほむらッ!あなたは放っておけば済む話……」

ホムウ「私達はもう少し成り行きを見守らせてもらうとするわ……ここに来た目的は既に果たされているッ!」

ほむら「目的…?」

魔女「WWRREEEYYYYYYYYYY!!!」

マミ「な、何ィィ!!魔女がまだ生きているですってぇぇ!?」

137: 2012/05/13(日) 20:01:42.98 ID:CrJb/IvQ0
ホムウ「愚かねッ!私は初めから魔女の中身の方に石仮面を被せていたのよッ!!」

ホムウ「私達の忠実な部下にするためにね……」ゴゴゴゴゴゴゴ

マミ「部下ですって!?」

ホムウ「暁美ほむら……どうしても私と戦いたいといのならッ!あえて戦いたいというのならばッ!波紋の戦い方を知るがいい!!」

ほむら「なっ……どうしてそんなことを私に言うの!?」

ホムウ「フッ、気に入っていると言った……ここで鹿目まどかを潰してもつまらんと判断したまで……」

ホムウ「カーズコ様は許されないだろうが、ここで出会ったことは黙っておいてあげるわ……」

ホムウ「鹿目まどかッ!」ビシィッ

まどか「……」

ホムウ「あなたなら私達が何者か知っているはずッ!あなたにも私は期待しているのよ……せいぜい楽しませて頂戴」

ホムウ「帰るわよッ!」

魔女「WWRREEEYYYYYYYYYY」

140: 2012/05/13(日) 20:08:14.61 ID:CrJb/IvQ0
マミ「なんなのあの魔女……」

ほむら「まどかを頃す……でも戦うことを楽しみにしているですって……滅茶苦茶だわ」

マミ「鹿目さん、何か知っているの?」

まどか「……」ドドドドドドドド

ほむら「波紋の一族って一体何なのか……詳しく聞かせてもらえるかしら」ファサァァッ

まどか「……分かったよ……私が知っていることだけなら話すから……」

まどか「でも明日まで待って……明日、必ず話すから」

マミ「いいわ、鹿目さんの準備ができてからで構わないわよ」

ほむら「どうせなら杏子にも教えておきたいものね」

まどか「ありがとう……」

141: 2012/05/13(日) 20:14:15.56 ID:CrJb/IvQ0
翌日―まどかの家―

まどか「いらっしゃい……ゆっくり、していってね」コトッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

杏子「おい、ここ本当にのほほんとしたこいつの家かよ……」

マミ「家全体が恐ろしいわ……家を恐ろしいと感じさせる何かが!この家には眠っているというのかしら……」ゴクリ

ほむら「何者なのかしら、波紋の一族……」

まどか「じゃあまず何から説明すればいいかな?」

マミ「まずは波紋の一族……鹿目さん、あなたは何者なの?」

まどか「私達は先祖代々波紋の呼吸法を身につけて、『石仮面』と戦ってきました」

杏子「石仮面?」

ほむら「魔女をパワーアップさせたアレのことね」

まどか「あの石仮面は血を塗ると骨針が飛び出て脳に直接作用して、未知の力を引き出す道具……石仮面を被ったら吸血鬼になっちゃうの」

ほむら「未知の力……」

杏子「あいつらに脳味噌があったことが驚きだ」

142: 2012/05/13(日) 20:18:52.18 ID:CrJb/IvQ0
まどか「そういう吸血鬼に対して身につけたのが波紋のエネルギー……波紋とはッ!太陽のほとばしりッ!波紋のエネルギーの波は太陽のそれと同じッ!!」

まどか「石仮面のエネルギーが裏なら波紋は表!!」

マミ「波紋のエネルギー……」

杏子「おい待て!今まで生きてきて石仮面だの波紋だの聞いたことなかったぞ!」

まどか「それはね、本当はもう石仮面は何年も前に消滅しちゃったからなの……それでも私達は万が一に備えて波紋の呼吸法だけはずっと伝えてきたの」

ほむら「なら、どうして石仮面が奴らの手に…?」

まどか「それは分からない……でも、あの魔女たちが再び現れることは分かってたよ」

マミ「何ですって…?」

まどか「私のパパのパパ……つまり私のおじいちゃん、老師トモペティの予言があった」

まどか「近い将来、一人暮らしの女性の柱から……少女が自身の体を気にして牛乳を飲んでいる時!飾られた写真から波紋の一族を滅ぼすため!四人の女たちが降り立つであろう!!」

ほむら「それ本当なの!?」

マミ「自身の体を気にして…?」

杏子「身長か?」

ほむら「う、うるさいわね……」

144: 2012/05/13(日) 20:23:52.35 ID:CrJb/IvQ0
まどか「その予言があったからママは修業しなさいって言ってたんだけど、私はあんまりやる気なかったから……」

まどか「でも今は違うよ!柱の女たちを野放しにはできないもん!」

ほむら「でもおかしいわその予言」

マミ「柱の写真の女って三人しかいないわよ?四人目っていうのは誰かしら?」

ほむら「ハッ!ま、まさか……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

杏子「な、なんだよ?その写真ってのになんかあんのか?」

まどか「ほむらちゃん……ひょっとしてその写真、家に置いてきたりしてないよね…?」ドドドドドドド

ほむら「――ッ!本当にそう思うのまどか…!?」

まどか「老師トモペティの予言は外れないよ……もし今ほむらちゃんが写真を家にッ!本当に家に置いて来ているのならッ!!」

まどか「四人目の柱の写真の女が復活しているはずだよ……」ドドドドドド

マミ「どうなの暁美さん!?あの盾の中に写真を入れてるんじゃないの!?」グィィ

ほむら「写真は……家に、置きっぱなしよ……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

杏子「ということはやっぱり……出てるのか、四人目がッ…!」

146: 2012/05/13(日) 20:27:55.77 ID:CrJb/IvQ0
―ほむらの家―

ボチュゥッ

ゴゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴ ゴゴゴ ゴ

ズォォォ

ズルゥッ ズテテーン

???「グプ……プッ……」

???「クンカクンカ……」ヒクヒク

???「……あ…けみ……ホムラ……」キョロキョロ

???「わるぷ……る…ギス……」

ほむら「遅かったッ!!四人目の美樹さやかは既にッ!!写真から復活した後だったッッ!!」

???「……暁美……ほむら……」

まどか「さやかちゃん!……の、偽物!?」

148: 2012/05/13(日) 20:31:34.52 ID:CrJb/IvQ0
マミ「この子、鹿目さんと暁美さんの知り合いなの…?」

ほむら「一応……」

まどか「でもさやかちゃんじゃないんだよね……名前あるのかな?」

ほむら「多分ね……でも、なんというか他の三人に比べて……」

???「見たこともない!なんだ……この…部屋は……」

杏子「頭悪そうだな」

まどか「そんなことないよ!……多分」

ほむら(私は言ってないわ)

マミ「それじゃあ私が名付け親≪ゴッドファーザー≫になってあげるわ……何か特徴はない?」

ほむら「えぇーっと……刀っぽいのが似合いそう、とか」

マミ「そうねぇ、じゃあ『刀を使う美樹さやかさん』という意味の『サヤタナ』というのはどうかしら?」

ほむら「そのまんまじゃないのよぉぉ!!少しは捻りなさいよ!捻って捻って捻りなさいよぉ!」

杏子「お前が刀が~とか言ったからだろうよ」

150: 2012/05/13(日) 20:36:52.78 ID:CrJb/IvQ0
サヤタナ「鹿目まどか……波紋の…一族……!!」

ほむら「やはりまどかを狙うのね…!」

サヤタナ「まどかッ!お前をッ!!この手で始末する!!!」

杏子「なるほど、目的がはっきりしてやがるな」

マミ「それにしてもさっきより言葉が流暢になってるわ……ひょっとして逆にッ!逆にものすごく頭がいいんじゃぁないかしらッ!?」

まどか「サヤタナちゃん……」

サヤタナ「UOOOOHHHHHHHHHHHHH!!!!」ズァァァ

杏子「来るぞ!」

ほむら「家で暴れられるのは癪だけど、この際仕方ないわね」

152: 2012/05/13(日) 20:40:19.05 ID:CrJb/IvQ0
杏子「オラオラオラオラオラオラーーー!!!!」ズババババババァン

ほむら「ボラボラボラボラボラボラボラ」ドガガガガガガガガガガ

ほむら「ボラーレ・ヴィーア(飛んで行きな)」

サヤタナ「フゥ~……」ゴゴゴゴゴゴゴ

杏子「なっ!何ィィィ!?!?全く効いてないだとォォォ!?」

ほむら「頭を狙ったのに駄目だというのッ!?」

まどか「波紋のエネルギーは太陽のエネルギー!多分サヤタナちゃんの弱点は太陽の光ッ!!」

マミ「もうすぐ日が沈んでしまうわよ!?でもそれはつまり……それはつまりっ!外に引きずり出せば私達の勝ちってことね!」

154: 2012/05/13(日) 20:43:15.47 ID:CrJb/IvQ0
マミ「レガーレ・ヴァスタリアァァァ!!!!」

シュルルルン

ギュァァァアン

サヤタナ「ぬう!これは!!」

マミ「リボンで縛り上げてやったわ!このまま外まで引きずり出してあげるッ!!」ズリッズリッ

ほむら「グーよグー!ディモールトグーよ巴マミ!暴れずに済ませてしまえばこっちのものよ!」

サヤタナ「……フンッ!」 ベコン

グルルン

ギャン

ブチィィィ

マミ「何ですってェェェ!?私のリボンをあっさりと引きちぎったですって!?」

リブス・ブレード(別名・露骨な肋骨)
…一本一本が回転でき方向自在!

10: 2012/05/13(日) 21:29:43.89 ID:CrJb/IvQ0
杏子「この野郎ッ!」

サヤタナ「無駄ァ!」ガシィィン

杏子「受け止められたァ!?」

サヤタナ「AGGAAAAAAAA!!!!!」ブォン

杏子「速いッ!」ヒュッ

ズパパパパ

杏子「う、うわああああああ!!!」グォオオォォォン

バッシーッ

杏子(ううっ!まるで二階か三階から飛び降りたみたいに強烈!またしても掠っただけでこの威力だとォ!!)

まどか「杏子ちゃん!サヤタナちゃんごめんッ波紋をぶん流してあげるッ!!」

ゴッ

ガッパァァ

サヤタナ「……なんなのその攻撃はさぁ……」

まどか「効いてない…!?」

11: 2012/05/13(日) 21:32:52.33 ID:CrJb/IvQ0
マミ「きゃぁっ!」バチバチィ

ほむら「うぐぅ!こ、これは波紋が…!地面から波紋が流れ込んでいる…!?」バチッ

サヤタナ「飲み込んであげる…!!!」グニュォン

まどか「まずいッ!は、波紋の呼吸をッ!!」コォォォ

ゴパァァッ

サヤタナ「ムッ!?」

まどか「セ~~フ……」

マミ「どういうことなの鹿目さん!波紋の呼吸を使えば倒せるんじゃなかったの!?」

まどか「レインコートの表面を雨滴が流れるようにッ!波紋がサヤタナちゃんの体を通って地面から皆に流れているんです!もっと強力な波紋じゃなきゃぁ効きません!!」

マミ「そんなぁッ!それじゃあ一体どうやって倒すっていうのよぉ!すでに太陽は沈みかけているわッ!!」

ほむら「絶体絶命…!」

16: 2012/05/13(日) 21:36:10.26 ID:CrJb/IvQ0
サヤタナ「鹿目まどか…これが波紋か……人間は問題なく吸収できると思っていたのに……この世界の人間はみんな波紋が使えるのか」

ドガッ

グニョオォォォ

ほむら「うわああああああああーっ」

まどか「ほむらちゃん!波紋の呼吸をしてーーッ!!」

ほむら「無理に決まってるじゃないのよぉぉーー!」

サヤタナ「ふむ、やっぱり鹿目まどかだけみたいね……」

ほむら「こ、このぉ…!」コォォォォォ

バチィィ

サヤタナ「むっ!これはまさかっ!」

まどか「やればできるじゃん!」

ほむら「な、何が……」ハァ ハァ

17: 2012/05/13(日) 21:39:15.09 ID:CrJb/IvQ0
杏子「おいマミ!無敵のティロ・フィナーレで何とかしてくれよぉ~~!!」

マミ「無茶言わないでよ!魔法少女の攻撃なんて、もはやサヤタナには無意味だわ!」

杏子「だがもう太陽は建物の影にッ!すでに隠れてしまったッッ!どうしようもねーーっ」

マミ「……そうか、そういうことね…!」

マミ「佐倉さん!暁美さん!急いでサヤタナをどうにかして空中に投げるのよぉッ!あとは私が…!」

ほむら「巴マミ……心得たわ!!」

杏子「おいどういう意味だ!」

ほむら「なんとしてもこいつを上にッ!上にさえ向けてしまえばァァッ!!」

まどか「……だったらそれは、軽い方がいいよね」ダッ

ほむら「まどか!?一体何を――!?」

20: 2012/05/13(日) 21:44:05.49 ID:CrJb/IvQ0
スプ スプ

ガバァッ

ズブズブズブ

ほむら「まどかぁぁぁーーっ!!!」

杏子「奇怪!あいつッ自分からサヤタナに吸収されに行ったぞッッ!」

サヤタナ「ムムッ、全てを諦めたかッ!」

まどか「全てを諦めた…?ノーノー、それは全然違うよサヤタナちゃぁん……」

まどか「外側に波紋を流しても駄目ならあとは内側しかないよねぇぇ~~~!!!!」バチバチィ

ド シャン

サヤタナ「ガフッ!?」

ほむら「や、やったッ!体を真っ二つにしてやったわ!」

ズズッ ズズズッ

杏子「戻ろうとしたってそうはさせるかよォォォォォ!!!」ザシュッ ブァァァン

マミ「上手いわ佐倉さん!槍で上半身をあっさりと空中に放り投げてくれたわねッ!」

マミ「そして喰らいなさい!角度75度のティロ・フィナーレをーーーっ!!!」

23: 2012/05/13(日) 21:48:02.82 ID:CrJb/IvQ0
ギュゥゥーーン

サヤタナ「HUOOHAAAAAAAAAA―――ッ!!」

サヤタナ「この程度の攻撃であたしがやられるとでも――ハッ!」

シュー シュー

サヤタナ「UUOAHAAAAAAAAAAA!!!!」

サヤタナ「上空は……上空は未だッ!太陽がああぁぁぁぁぁあぁぁ!!!」ピシッ パキィッ


ほむら「何か落ちてくるわ」

ドッジャ~~ン

杏子「石になったサヤタナか……」

マミ「危なかった……上空に打ち上げるのがあと少し!後少しでも遅れて夜になっていたならッ!こいつを倒すことはできなかったかもしれないッ!!」

25: 2012/05/13(日) 21:51:06.75 ID:CrJb/IvQ0
マミ「下半身もちゃんと石になってるわね……」ツンツン

杏子「こいつ放っておいて大丈夫なのか?」

まどか「とりあえずうちに持って帰ってみるね」

ほむら「危険よまどか!やめた方がいいわ」

まどか「うーん……じゃあ仁美ちゃんに聞いてみようかな」

ほむら「仁美に?」

まどか「紫外線照射装置とか作ってるかもしれないし」ピッ

ほむら「そんな都合のいい設定があるわけ――」

まどか「あ、仁美ちゃん?紫外線照射装置とか作ってないかな?」

仁美『ありますわよ』

まどか「じゃああとで借りたいんだけどいいかな」

仁美『勿論ですわ!お友達への協力は惜しみません!!』

まどか「ありがとう仁美ちゃん!またね!」ピッ

ほむら「そんなことだろうと思ったわよ」

27: 2012/05/13(日) 21:54:45.36 ID:CrJb/IvQ0
まどか「それにしてもほむらちゃんひょっとして波紋のセンスあるんじゃないかな?」

ほむら「は、波紋の…?」

まどか「さっきとっさにやってたよね?私から流れた波紋エネルギーが残ってたのが伝わったのかも!」

ほむら「そ、それくらい普通じゃぁないの?」

まどか「そんなことないよ!普通考えられないことだよ!波紋の呼吸法、一緒に練習してみない?」

ほむら「え、えぇっと……そうね、やらせてもらうわ」

まどか「やったね!私も本格的に修行してみようかなって思ってたから、一緒に頑張ろう!」

ほむら「分かったわ。どうやら波紋がないと柱の女達には勝てないみたいだもの……どの道選択なんてないのよッ!」

マミ「あのぉ、それって私達にもできたりするのかしら…?」

杏子「そうだ!このままあいつらにやられっぱなしなのは癪だからなッ!なんかねーのかよっ!!」

まどか「うーん……二人はあんまり波紋に向いてないような……」

マミ杏「がーーん」

29: 2012/05/13(日) 21:58:31.87 ID:CrJb/IvQ0
まどか「じゃあ波紋の先生にかけあってみるからオッケーが出たら一緒に頑張ろうね!」

ほむら「えぇ」

ほむら(波紋の先生って…鹿目家以外に伝わってるものなのかしら……)

マミ「あなた達頼りになってしまうのは何か寂しいわね……魔女なんだから私達魔法処女がどうにかしなければならない問題なのに」

杏子「くそっ、イラつくなぁッ!!」ダンッ

マミ「私達にできることは普通の魔女を退治することだけなのかしら」

杏子「そういやぁ気になってたんだけどよォ……奴らが魔女を吸血魔女とかにするだろ?そしたらグリーフシードはどうなるんだ?」

マミ「あっ……この間のお菓子空間の魔女の時は手に入らなかった…!!」

杏子「このままじゃぁ奴らにグリーフシード全部持ってかれちまうな」

マミ「させないわっ!私達にできることはッ!」

杏子「魔女を倒して奴らの戦力拡大を防ぐことッ!!」

マミ「魔女に成長する使い魔もできるだけ倒すようにね」ニコッ

杏子「うっ……魔力は節約するべきだとは思うんだが吸血魔女にするよりマシだ……仕方ねえなぁ!!」

33: 2012/05/13(日) 22:04:05.26 ID:CrJb/IvQ0
数日後―病院―

まどか「えぇっと、上条君の病室は……ここだね」スッ

まどか「……あれ?」ギィィ

まどか「こ…これはッ!さやかちゃんが付きっきりで看病してる!なんて献身的な介護――」

恭介「あぁ!さやかもっと優しく!そこはダメッ!ダメッ!ダメッ!」

恭介「ああ!優しくして!服を脱がせないで!感じる、うあああああダメ!もうダメ~~」

まどか「!!!」サッ

まどか「あ、あれ~おかしいなぁ目にゴミが入ったのかな……見てない!私はなぁんにも見てない!」

まどか「鹿目まどかはクールに去るよ……」

さやか「ってちょい待てぇー!まどかは変な誤解をしているッ!」

36: 2012/05/13(日) 22:07:26.29 ID:CrJb/IvQ0
まどか「もう、身体拭いてただけならそう言ってくれればいいのに……」

さやか「いたの分かんなかったのに言えるわけないじゃんか」

恭介「じゃあ今日も――」

まどか「パウッ」ドスッ

恭介「うげぇぇっうふっかはっ」

まどか「そうそう、そうやって肺の中の空気全部吐き出して~……しばらく呼吸はできないけど心配無用だよ」ティヒヒ

恭介「ぐはっ!」ミシィ ミシメシッ

ビキ ベシ ミシ!

恭介「痛みが!骨折した腕の痛みがッ!ぜ…ぜんぜん」

さやか「いやもうこれも定期だし、今更そんな大げさなリアクション取らなくても……」

恭介「ごめんごめん……でもやっぱり鹿目さんは凄いね。呼吸法で腕の痛みを消してくれるなんて」

まどか「また痛みが出てきたら呼んでね?」

恭介「ありがとう……これでバイオリンに集中できるよ」グッ

まどか「リハビリ頑張ってね」

38: 2012/05/13(日) 22:10:42.65 ID:CrJb/IvQ0
さやか「いやぁ~相変わらずまどかには世話かけますなぁ~」

まどか「その言い方だとさやかちゃん上条君のお嫁さんみたいだよぉ」

さやか「なっ!何言ってんのよぉ!そんなんじゃないって!!」プイッ

まどか「それにしても早く治せるようになるといいのにね……」

さやか「現代医学では無理でも、まあ何年かしたらきっと……それまではまどかに頼りっぱなし……」

まどか「……さやかちゃん?」

さやか「ねえまどか!前から言ってるけど私にも波紋の呼吸教えてよ!そしたら私だけで何とかできるはずだし!!」

まどか「でも、さやかちゃんもあんまり、そのぉ……」

さやか「才能か!?やっぱり才能なのかぁ!?くそぅ、私にも才能さえあれば……」

まどか「だって先生にも微妙って言われたよね?」

さやか「そこをなんとかぁ……」

まどか「うーん……とりあえず今日から私とほむらちゃんで先生のところに修行しに行くんだけど、良かったらついてくる?」

さやか「行かせて頂きます!頑張っちゃいますからねぇ~~~!!」

42: 2012/05/13(日) 22:14:55.86 ID:CrJb/IvQ0
まどか「お待たせほむらちゃん!」

さやか「悪いね待たせちゃって」

ほむら「いえ、平気よ」

ほむら(上条恭介がまどかのおかげで怪我を気にしていない……つまり、さやかが魔法少女になる確率はほぼゼロッ!!勝ったも同然だわ)

まどか「じゃあ早速先生に会いにいこっか」

ほむら「そういえば波紋の先生って誰なの?」

まどか「誰って…先生は先生だけど?」

ほむら「質問を質問で返さないで!テストだと0点になるわよッ!!」

まどか「???」

さやか「何処まで行くの?」

まどか「とりあえず公園の噴水前に来て、って」

ほむら「こないだも思ったけれどあなた達は耳を傾けるという言葉を知らないのかしら」

45: 2012/05/13(日) 22:18:33.42 ID:CrJb/IvQ0
―公園―

ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド 

\ママ見てー噴水の上に人が立ってるー/ \子供は見ちゃいけませんっ/

ほむら「……」

まどか「あれだよ」

ほむら「やっぱり!?噴水のてっぺんに立ってシルクハットと仮面してるなんてどう見ても変態じゃないのよぉぉ!!」

まどか「先生は変態じゃないよぉ!」

???「そこの黒髪のあなた……私を侮辱したわね……痛めつけてあげるわ」

ほむら「はい?そんなこと全然――」

???「フンッ」フワッ

トン

スゥォオオオオオオオ

ほむら「水面の何やら細い棒の上に……な、何者なの!?」

46: 2012/05/13(日) 22:21:01.02 ID:CrJb/IvQ0
ドザザザザザァ

クルゥゥウウウウウ

バギャッ

ほむら「ゲ!なんなのよぉーーっ!!」ズザァァーー

???「うふふ、まだまだね」

ほむら「いい加減正体を見せなさいッ!」

???「あら、まだ気が付いてなかったの?」スッ

ほむら「――ッ!!まさかっ!いえ、そんな…あ…あなたはーーーっ!!」

ほむら「早乙女先生ッ!!」

早乙女「YES I AM!」チッ♪チッ♪

ほむら「先生が乗っているのは…まさか教鞭…!?」

49: 2012/05/13(日) 22:24:26.71 ID:CrJb/IvQ0
早乙女「鹿目さんから聞いたわ……暁美さんも波紋の世界に入門したいんですって?」

ほむら「そんな、一体どういう関係が……」

さやか「ずっと先生って言ってたのにねぇ?」

まどか「うちのママと早乙女先生って知り合いなの。その関係で、早乙女先生も波紋習ってたんだけど、いつの間にかママより上手になっちゃってたみたいで」

早乙女「私がいつまでも童顔のままでいられるのは波紋のおかげなのよ……やだもうっ!なんてこと言わせるのよぉ!」

ほむら「……」

早乙女「……コホン!とにかく、やるというからには徹底的に叩きこむわよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「なっ、なんて『スゴ味』なのかしら……!!でも、こんなところで負けるわけにはいかない!」

早乙女「まずは波紋の呼吸法を身につけること……それができたら次に進むわ」

さやか「先生ッ!あたしもなんかしたいです!」

早乙女「美樹さんは日常生活中も波紋の呼吸をしなさいっていった言いつけを守れるようになってからです」

さやか「うっ……努力します……」

54: 2012/05/13(日) 22:28:22.11 ID:CrJb/IvQ0
一週間がたった!

ほむら(この一週間まどかとさやかと一緒に早乙女先生に波紋を習っている)

早乙女「うふふ、三人ともいい感じになってきたわね……呼吸法矯正マスクもなかなか様になってきたわよ」

ほむら「ありがとうございます」

さやか「コヒュー…コォォォ……ふぅー危ない危ない」

早乙女「美樹さんはやっぱりまだ慣れないみたいだけど」

さやか「いやいや、マスクのおかげでこれでもかなりマシになりましたよッ!」

まどか「これで波紋の基本はマスターだね」

早乙女「魔女とやらに勝てそうなの?」

ほむら「いえ、まだまだです……まだまだ波紋を極めなければ勝てそうにありません」

早乙女「そう…石仮面の連中が復活したっていうのは信じられないわね……」

ほむら(早乙女先生とさやかにも魔法少女や魔女のことを成り行き上話してしまった……しかしこれは逆に好機ッ!)

ほむら(使い魔や魔女に波紋のエネルギーが有効なことは分かっている……つまりッ!ワルプルギスにも波紋は有効である可能性は高い!!)

ほむら(先生ほどの使い手が一緒に戦ってくれるとしたら……勝機はそこにしかないッ!!)

56: 2012/05/13(日) 22:31:11.18 ID:CrJb/IvQ0
早乙女「それでは次の修行をしたいんだけど、今日はもう遅いから明日にしましょう」

まどさや「はぁーい!」

ほむら「ではお先に……」スタスタ

ほむら(最近全然魔女退治ができてないわね……マミや杏子は大丈夫かしら)

ザッ

ほむら「ッ!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら(後をつけられている……ちょうどいいわ、波紋を使って…!!)

ほむら「並木を伝う!緑色≪エメラルドグリーン≫の波紋疾走≪オーバードライブ≫!!」ゴァァァァ

ドキューーン

\グエァ/

ほむら「私の後を付けているのは誰ッ!」

マミ「お、落ち着いて暁美さん!私よ巴マミよ!!」バァーン

杏子「あとあたしな」ババァァン

ほむら「マミ!杏子!」

59: 2012/05/13(日) 22:35:29.01 ID:CrJb/IvQ0
マミ「しばらく会ってないから、ソウルジェムが濁ってるんじゃないかと思ってグリーフシードを持ってきたのよ」

ほむら「それはありがたいわね……波紋は痛くなかった?」

マミ「何かピリッと来ただけで済んだけど……凄いじゃない、もうそこまで使いこなせるようになったのね」

ほむら「全く、何度挫けそうになったことか……」

杏子「そんな厳しいのか?その変なマスクも修業の為か?」

ほむら「これ付けて学校生活させられたのよ……今なら人前で余裕でムーンウォークできるわ」

杏子「わーお!そいつぁやべぇな……」

ほむら「ところで魔女の方はどんな感じなの?」

マミ「……それが酷い有様よ」

杏子「全然魔女がいねーんだ」

ほむら「……つまり……奴らが動いている、と…?」ゴゴゴゴゴゴ

マミ「恐らくは……」

杏子「使い魔まで残らずだ……僅かに残ってる魔女をぶっ飛ばしてようやく二個手に入れたぐらいだ……」

ほむら「くっ…少ない!圧倒的少なさッ!このままではワルプルギスの夜を倒すどころかそれまで無事でいられるかが不安ッ!!」

63: 2012/05/13(日) 22:41:14.34 ID:CrJb/IvQ0
杏子「そういやぁさぁ……今まではずっと綺麗に保ってきてたから気にしなかったんだけど……」

ほむら「――ッ!」ドッキィーン

杏子「ソウルジェムが濁ったら……一体どうなるんだろうなぁ」ドドドドドドドド

ほむら「そ、それは……」

杏子「なあほむら、何か知らないか…?あたしもマミもQBには聞いてないんだよ……」ゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「……私…私は……」ゴクリ

ほむら「私は知らないわ……何も」ファサァッ

杏子「ふーん……」

マミ「ところで暁美さん、人が本当のことを言ってるかどうかがどうやって分かると思う?それはね……顔の皮膚を見ると分かるんですって」

マミ「『汗』とかでテカるでしょう?その感じで見分けるんですって……『汗の味』を舐めればもっと確実に分かるそうよ」

マミ「汗をかかないのね…………」

ほむら「……えぇ…何が言いたいのかしら」

ドドドドドドドドドド

マミ「……いえ、別に舐めたりはしないわよ?」

ほむら「舐めたら今後一生軽蔑するわ」

66: 2012/05/13(日) 22:45:44.05 ID:CrJb/IvQ0
杏子「QBに聞きてぇんだけど最近見ないんだよなぁ」

ほむら(正直助かったわ……今の状況はあまり『良』とは言えない……)

ほむら(せめて何かッ!何か一つでも好転しているのならッ!二人のショックは和らいで魔女になる可能性は減るというのに…!)

杏子「あんまり濁らせたくないんだけど」ジー

早乙女「暁美さーん、忘れ物よー!」

ほむら「早乙女先生?」

早乙女「もう、そそっかしいんだか、ら……」

ほむら「……早乙女先生?」

早乙女「そ、それはアァァァァァーーーーーっ!!!!『エイジャの赤石』!!」

杏子「えっ?」

早乙女「どうしてあなたが持っているのよぉぉぉーーーっっ!!!」

ほむら「『エイジャの赤石』…!それはホムウが言っていた奴らの目的!まさか杏子のソウルジェムのことだったとでもいうのッ!?」

杏子「えっえっ?」

ほむら「……なぁーんて、そんなわけないわよね」

67: 2012/05/13(日) 22:48:53.16 ID:CrJb/IvQ0
早乙女「あなたどこでそれを手に入れたの!?」

杏子「どこって言われても――」

早乙女「盗んだわねッ!盗んだのねェェッ!!それはあなたが持っていていいようなものじゃぁないのよッ!」

杏子「いや違う……あんたが何を言ってんのかさっぱり分かんねぇけど違うと断言できるッ!」

ほむら「早乙女先生、あれは多分杏子の持ち物だと思うから……」

早乙女「黙らっしゃい!とにかくエイジャの赤石は没収よッ!」グゥォォォォ

ほむら「波紋ッ!杏子逃げてッ!早乙女先生は勘違いをしているわ!!」

杏子「み、見りゃぁ分かるッ!こいつマジでプッツン来てやがるってなぁ!!」ダッ

早乙女「波紋疾走ーーーッ!!」ブォォン

マミ「なっ!棒を投げたッ!しかしものすごい勢いでぶっ飛んでいくわッ!!」

ほむら「ただの棒じゃぁないッ!あれは教鞭ッ!波紋が通りやすいように油を塗った特別な教鞭だわッ!!」

ドギュゥーーン

バリィィィ

杏子「がはっ!」

70: 2012/05/13(日) 22:54:06.60 ID:CrJb/IvQ0
早乙女「決まったッ!私の波紋はッ!あの少女の筋肉を操作して行動をさせているッッ!!」

杏子「か、体が勝手にィィーー!?ソウルジェムを投げやがるぅ~~~っ!!!」ブワァァ

早乙女「さらに!生命磁器への波紋疾走ッ!」ドッギャァァァァン

早乙女「これでエイジャの赤石は取り戻した!あとは逃げるのみッ!」ダッ

ほむら「さ、流石早乙女先生!落ち葉を集めてすぐさまキャッチするための網を作ったッ!」

マミ「呑気に言ってる場合じゃないわよ!佐倉さんのソウルジェムが盗られちゃったわよ!」

ほむら「……ハッ!まずい!ディ・モールト!ディ・モールトまずいわ!!」カチリッ

マミ「ハッ!暁美さんが消えた…?それより佐倉さんは大丈夫かしら……」

スタスタ

マミ「佐倉さん大丈夫?今きっと暁美さんが取りに行ってくれてるわよ…話せばきっと……?」

ドドドドドドドドドド

マミ「佐倉さん…?」ユサユサ

杏子「……」

マミ「…………これは……佐倉さんはッ!あぁぁっ!佐倉さんは既に……既に氏んでいる…!!」

72: 2012/05/13(日) 22:57:26.42 ID:CrJb/IvQ0
早乙女「ふぅ……これで一安心ね……エイジャの赤石、石仮面の奴らに渡すわけにはいかないものね」

早乙女「それにしてもこれ、なんか違う気がするわね……」

ほむら「早乙女先生」

早乙女「あら暁美さん。ねえこれ、本当にエイジャの赤石かしら?なんだか違う気がするんだけど」

ほむら「結構前から違うって言ってましたけど」

早乙女「ひょっとして私、何か勘違いしてた…?」

ほむら「えぇ」

早乙女「……いやんもうっ!私ったらおっちょこちょいっ!キャッ!恥ずかしい!!」カァァァ

ほむら「……」

早乙女「……オホンオホホーン……はいこれ、彼女に返しておいてね」

ほむら「はい……正直、もういろいろと遅いような気もするんですけどね」

早乙女「ん?」

ほむら「……いえ、ひょっとしたらってこともありますから」

74: 2012/05/13(日) 23:01:51.60 ID:CrJb/IvQ0
マミ「佐倉さん!一体どうしたの!?しっかりしてぇ」ユサユサ

ほむら「……」

早乙女「えっ私?そんなに強い波紋にした覚えはないんだけど……」

マミ「暁美さん……佐倉さんがぁ……」グスン

ほむら「……」スゥッ

杏子「……ハッ!」

マミ「佐倉さん!気が付いたのねッ!!」

杏子「あたしは今氏をほんのちょっぴりだが体験した……い、いや…体験したっていうよりは全く理解を超えてたんだけど……」

杏子「ありのまま今起こったことを話すぜ!あたしはソウルジェムを投げさせられたと思ったらいつの間にか氏んでいた!」

杏子「な、何を言ってるのか分からないと思うけどあたしも何をされたのか分からなかった……頭がどうにかなりそうだった」

杏子「臨氏体験だとか仮氏状態だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてない!もっと恐ろしい物の片鱗を味わったぜ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

マミ「暁美さん……『汗』を…かいているわね……」ゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「……こうなったら仕方がないわね……ソウルジェムの秘密をひとつ教えてあげるわ」

76: 2012/05/13(日) 23:06:12.85 ID:CrJb/IvQ0
杏子「ソウルジェムがあたしらの魂だとッ…!」

マミ「これが壊れてしまえば……私の命もそこまで……」

ほむら「嘘だと思うのならQBを探し出して聞いてみるといいわ……もっとも、答えは同じでしょうけどね」

マミ「……」ガタガタ

杏子「飲んどる場合かーッ!」バシ

ガシャーン

杏子「QBだッ!奴を探し出してぶっ飛ばすッ!そうでもしなきゃぁ気が収まらねぇ」ズン ズン ズンッ

ほむら「……あなたは探しに行かないの?」

マミ「わ…私は……ちょっと家に帰るわ……」フラァァ

ほむら(流石にショックが大きかったみたいね……でも幸いなのはッ!今回のマミは気丈!きっと立ち直ってくれると信じている……)

早乙女「暁美さんの言っていた魔法少女……許せないッ!私の大切な教え子をこんな姿にしてしまうなんて…!!」

早乙女「あなたに何が何でも波紋を叩きこんで魔女だけでなく!QBとやらもギャフンと言わしてやらなきゃぁ気が済まないッ!!」

ほむら「え…えぇ……」

早乙女「明日からはヴェェリィィハードな修行だから覚悟しておいてね!」

79: 2012/05/13(日) 23:10:11.81 ID:CrJb/IvQ0
翌日

早乙女「名付けて『地獄昇柱』≪ヘルクライム・ピラー≫!」

ほむら「こんな塔があったなんて……どんな中身なのかしら」

まどか「せ、先生!いきなり『地獄昇柱』に挑まなきゃいけないんですか!?私も話でしか聞いたことないけど、たくさんの修験者が氏んでいったっていう『地獄昇柱』に!」

さやか「ゴクリ……こいつぁやばそう……」

ほむら「それで、一体どんな中身になっているの?」

早乙女「この塔の中に落ちればよく分かる……」

ほむら「え」

ドガァッ

まどか「先生!?まさかッ!」

ドボォン

さやか「ぷはっ…ッ!?」ヌルヌル

ほむら「こ…これはッ!油≪オイル≫だわ!油が大理石の表面を流れ落ちてくる」

早乙女「素手で柱の頂上まで登ってくるのよ!出口はそこしかない……登れぬ場合は氏ぬまで外に出られない……」

ほむら「つるっつるっの柱!これを登るのッ!?『地獄昇柱』!」

81: 2012/05/13(日) 23:15:15.60 ID:CrJb/IvQ0
「円柱」は!

その昔波紋法を復興しようとした鹿目家によって建てられた

高さは24m 最大円周7m20

つるつるに磨きあげられた大理石でできており 円柱の頂上からは油がとめどなく流れ出してきて塔内全体を濡らす

下に落ちた油は地力を利用して再び頂きに押し上げられまた噴き出すという永久機関!

この油に波紋を流し続けて登らなければならない……

波紋の持久力を試す修行!

人呼んで「地獄へ昇る柱!」

ジワジワ ツルゥ~

ほむら(なんてこと……柱に波紋でひっついているのが精一杯で一センチ指を動かしただけでも相当の疲労だわ……)

ほむら(もし……一度でも……一度でも柱から落っこちたら……もう二度と柱を登る体力はないッ!待っているのは飢え氏にのみ!)

ヌルヌル ヌル ヌルゥー

さやか「ゴボゴボゴボ」

まどか「さやかちゃん!長引いたら長引いただけ体力を消耗しちゃうよ」

84: 2012/05/13(日) 23:21:20.41 ID:CrJb/IvQ0
さやか「冗談じゃないよ――ッ!最近呼吸法についていけるくらいになったばかりのーーーッあたしの波紋でーーーーッ!」

さやか「この柱にくっついて登るなんてできるわけがない!」

ほむら「確かに私もこれは厳しい……魔法を使ってもどうにかできるかしら……」

さやか「ほむら!あんたの魔法でどうにかできないわけぇ!?」

ほむら「む…無理よ……私の魔法はこういうことには向いていない……」

さやか「そんな……せ…先生~ッ!ま、まさか……の、登る能力がないからってあたしを見頃しにしたりしないですよね……」

さやか「あたしは波紋の呼吸がまともにできるようになってまだ一日…ちょっと脅して気合い入れてから後で本当は助けてくれるんですよね?ハシゴとかでさあ」

早乙女「……」

さやか「う!」

ほむら「あ…あの早乙女先生の目……ソウルジェムの濁りきった魔法少女を見るかのように冷たい目だわ」

ほむら「残酷な目…『かわいそうだけどあしたの朝には魔女となって呪いを生むのね』って感じの!」

まどか「……ほむらちゃん、今何て…?」

ほむら「えっ」

さやか「『魔法少女』が『魔女』に……『魔女』になるだってェェェーーーッ!!!」

86: 2012/05/13(日) 23:25:22.04 ID:CrJb/IvQ0
ほむら「し…しまった!つい……ついうっかり!」

「聞いたわよ暁美さん」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「あぁっ…まさかっ……この声はまさかッ……」バァァン

マミ「魔法少女が魔女になるですって……?」ゴゴゴゴゴゴ

杏子「この耳で確かに聞いたぞ……」ドドドドドド

ほむら「マミに杏子!なぜっ!?なぜこんなところにいるのよぉぉぉ~~~ッ!!」

マミ「魔法少女が魔女を生むなら……みんな氏ぬしかないじゃないッ!あなたもッ!!私もォォッ!!」ジャキィッ

ほむら「マ…マミィィ――ッ!!!!」

マミ「……なぁ~んてね」スッ

ほむら「……えっ」

杏子「あたしらはもう知っているのさ……昨日こいつをとっちめたからなぁ!」バァァァァン

QB「ウヒャ~くちぐった~い」

ほむら「QBッ!」

90: 2012/05/13(日) 23:29:21.14 ID:CrJb/IvQ0
杏子「こいつが全て答えてくれたよ……あたしらの正体をなぁ!」

早乙女「ということは、どうやら暁美さんの言ったことは間違いないということね」

マミ「そうですよ早乙女先生……私は自分の部屋へ行って2時間眠った……そして…目を覚ましてからしばらくして……」

マミ「自分が人間じゃないことを思い出し……泣いた……」

杏子「つまりこういうことらしい――」

こいつは宇宙人でエネルギー問題の解決とかのためにあたしらを利用してたんだよーッ!!

な、なんだってー!

早乙女「吐き毛を催す『邪悪』とはッ!何も知らぬ無知なるものを利用することだ…!!自分の利益だけの為に利用することだ……」

早乙女「異星人が『少女』を!てめーだけの都合で!」

マミ「暁美さん!私達は大丈夫だから!あなたは波紋の修行をしっかり頑張ってね!!鹿目さんとサヤタナさんもね!」

さやか「サヤタナじゃないです美樹さやかですからッ!」

ほむら「えぇ……ありがとう二人とも」

ほむら(正直魔法少女の正体を喋った時はどうなるかと思ったけど……なんとかなったわね……後はこの柱を登るだけ)

ほむら(しかしこれが鬼門!少しでも気を抜いたら絶対に辿り着けないッ!!)

94: 2012/05/13(日) 23:35:39.31 ID:CrJb/IvQ0
さやか「あんたは平気なの?魔法少女の運命を知ってて」

ほむら「最初はショックだったけど……人間いつか慣れるものよ」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「それより早くここを登りましょう」

さやか「うぅっ、全然登れない……」

まどか「さやかちゃん……さやかちゃんは『できるわけがない』ってセリフを4回だけ言っていい……いい?4回だよ?私も昔ママにそう言われた」

さやか「…?」

まどか「一点集中!『水鉄砲は穴が小さい方がイキオイよく遠くまで飛ぶ!』ということだよ!」

ほむら「まどか、一体何の話をしているの?」

まどか「ほむらちゃんも聞いてて。血液の流れには誰でもほんの少しだけエネルギーができる…栄養分を運んだり体温を調節したりするほんのちっぽけなエネルギー……」

まどか「でもね、波紋使いはある一定のリズムでその小さなエネルギーを体全体からしだいしだいに集めてくるの」

まどか「円盤投げの選手がぐるぐるの円運動の加速によって力を蓄積させるように……だんだんだんだん小さなエネルギーを大きなものにかえる…」

まどか「そのリズムがある一定の"呼吸法"のリズムで、そのエネルギーが太陽の振動≪バイブレーション≫!生命のほとばしり『波紋』なんだよ!」

さやか「何言ってんのか分かんないよぉ!!」

97: 2012/05/13(日) 23:40:12.33 ID:CrJb/IvQ0
まどか「いい?4回…さっき一回言ってたからあと3回『できるわけがない』って言っていいから……私は先に行くね」ピタァァァ

ほむら「私も!」ピタァ

さやか「よぉーしあたしも!」バシィ

ヌルヌル ヌルゥー

さやか「うっ……やっぱり無理!できるわけがない!!」

まどか「今言ったね?『できるわけがない』…って……後2回だよ」

さやか「なんでそんなにスルスル登れるわけ!ズッケェー!!」

ほむら(さやかほどじゃぁないけれど…私もかなり疲れる……一体まどかはどうやってあんなに素早く……)

ほむら「……ハッ!まさか……いえ、でもさっきの話……そういうことね!」

さやか「ほむらなんか分かったの!?」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「ッ!」ビクッ

まどか「さやかちゃんには言っちゃ駄目だよ……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

さやか「そんな殺生なッ!アドバイスなしでできるわけがない!」

ほむら(なぜ?まどかは友達思いのいい子なハズ……いえ、それとも…友達思いだからこそ!まどかは自分で気付かせようとしているのかもしれない……)

98: 2012/05/13(日) 23:43:58.45 ID:CrJb/IvQ0
28時間経過

まどか18m地点
ほむら15m地点
さやか0m地点

さやか「丸一日経ってるのにまどかはあそこからほとんど進まず、ほむらもやっとあそこに着いたところ……」

ほむら「……」ブルブル

さやか「ああ!体重を支えているほむらの指がだんだん!い、今にも!」

ほむら「……」ブル ブル

さやか「はがれそうだッ!ほむらの波紋も限界なんだッ!頑張れほむらー!」

ほむら「……」スッ

さやか「ホッ」

ほむら「……」グググ ブルブル

さやか「ま…またはがれそうだッ!指先だけしか付いてない!」

スッ

さやか「もう……ほむらでさえあんな状態なのに……あたしに登ることなんてできるわけが……はっ!」

ゴォォォォォ

102: 2012/05/13(日) 23:48:24.21 ID:CrJb/IvQ0
さやか「あの指ははがれそうなんてもんじゃなくて!逆に……」

『水鉄砲は穴が小さい方がイキオイよく遠くまで飛ぶ!』

さやか「ま…まさかッ!た…試してみよう!」

コォォオオオ

ザザザ

さやか「波紋のパワーの謎とは!!これかッ!」

ザン

ピタァーッ

さやか(やった!くっついた!波紋でくっついた!!)

さやか(手の平の方がぴたりとくっつくから体重が支えられるイメージがあった!でも実際は奇妙だけどその逆!)

さやか(一点集中ゆえ指先!波紋は指先だけの方が強い!なんてことはない謎だったぁ!!)

ほむら(ようやく気が付いたみたいね……とはいえ、私も余裕なんかないわ)

104: 2012/05/13(日) 23:51:21.32 ID:CrJb/IvQ0
さらに24時間経過

まどか22m地点
ほむら18m地点
さやか16m地点

さやか(流石にまどかは速い……でも、ほむらがこの辺でもたついてる理由が分かったよ)

さやか(下からじゃぁ分からなかったけど、この円柱は上へ行くほどオーバーハングしてる形になってるんだ……)

さやか(ここからが大変ってわけだね……でも、不思議と波紋のおかげかお腹も空かないしトイレにも行きたくならない……)

さらに3時間経過

まどか23m地点
ほむら19m地点
さやか18m地点

さやか「おおっ!なんだあれは!あ…あれは~~~~~!!!」

さやか「ひっひっヒビだッ!あそこに丁度指が引っ掛かりそうなくらいの割れ目があるッ!」

ジワジワ ジワ

さやか「うッ…うッ…うれピーッやったね!ひと息つけるじゃん!」ガシッ

ガゴン

106: 2012/05/13(日) 23:55:16.24 ID:CrJb/IvQ0
さやか「な…何今の!?なんか変なスイッチみたいな……!?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「な、なにこれは?」

まどか「大変……気を付けてッ!何か噴き出してくるよッ!」

ボッ

シュゥゥ

ショバァアァァァァァ

ほむら「これはッ!超高圧で吹きだす油ッ!油があたかも水晶の壁の様に行く手を遮ったッ!」

さやか「なんなんだぁこいつぁ…!」ソーッ

まどか「触っちゃ駄目だよさやかちゃん!」

ドドドドドドドドド

ポロッ

スパパァァァッ

さやか「あぁっ!落ちてきた石の破片が真っ二つにィ!!」

ほむら「向こうが透けて見えるから薄い油膜の様に考えたけれどとんでもないわ!逆にカミソリのように鋭い超高圧の膜ッ!」

108: 2012/05/13(日) 23:57:44.49 ID:CrJb/IvQ0
2時間経過

ほむら「勢いは一向に止む気配がないわね……」ジーッ

さやか「うっ…怒ってる?怒ってるほむら!?」

ほむら「……」フイッ

さやか(あちゃぁ~……でも、あんなところにひびがあったら誰だって手を入れて休んじゃうと思う!誰だってそうする、あたしもそうする)

さやか「……って考えてる場合じゃない!どうにかしなきゃぁこのまま氏んじゃう!」

ほむら(別にさやかに怒ったわけじゃないわ……ただ…ただ!さやかにここを突破できるのかという不安ッ!)

ドドドドドドドドドド

ガシィ

まどか「ハッ…ハッ……や…やった……!!」

まどか 登頂成功

まどか「ゼーハーゼーハー……せ、先生ーッ!一体どこにいるんですかッ!?」

まどか「油の噴射を止めて下さい!じゃないとさやかちゃんとほむらちゃんがッ!特にさやかちゃんはこのままだと突っ込んじゃう性格ッ!」

まどか「なんとかしてくださいよーっ!!!」

111: 2012/05/14(月) 00:03:15.26 ID:uCpici7K0
さやか「このままじゃ埒が明かない……あたしは行くよほむら!」

ほむら「待って!用は波紋でこの柱を突破できればいいのよね……」ゴゴゴゴゴゴ

さやか「…?ほむら、あんた何をするつもり?」

まどか「二人とも大丈夫!?待ってて!今先生を呼んでくるから」

ほむら「先生を、呼んでくる…?いいえまどか、その必要はないわ…その必要は全然ないのよ……」

まどか「どういうこと?」

ほむら「こうするの」シュパァァン

さやか「変身した!?」

まどか「駄目だよ!波紋以外は使っちゃいけないんだよ!!」

ほむら「私が相手にするのは魔女よ……魔法と波紋ッ!二つを組み合わせなければ勝つことなど不可能ッ!」

ほむら「さやか、どうしても攻略法がないというのなら……」スルゥ

ほむら「私の片足だけ脱いだ波紋をよく通すシルク製のタイツに触れていてもいいわよ」ゴゴゴゴゴゴ

さやか「あんた、一体何を……」

ほむら「足ではくっつく波紋を流し続ける!すかさず盾を傾けて砂時計を発動!波紋を砂時計に流して砂の流れるスピードを極限までダウンッ!」ギュゥゥゥン

ほむら「するとぉぉ~~~……周りの世界はッ!時を止めることなく登りきる前までのジェットコースターのように緩やかに進んでいくッ!!」

114: 2012/05/14(月) 00:07:27.37 ID:uCpici7K0
さやか「す、すげえ!!」

ほむら「さやか!私のタイツに触れたわねッ!それはすなわちッ!!私と同じ時間を歩むことを許可したという証…!」

ほむら「まずは私がこの油膜を超える……」COOOOOOO

バシァ

バババババババ

さやか「凄い!油の噴出するスピードも遅くなってるから全く問題がない!」

ダッ

バーーン

ほむら「はぁ…ハァ……は、波紋の呼吸を保たなければ……」

ほむら「さやか、今のうちに…!」

さやか「……」ゴゴゴゴゴゴ

ほむら「何をしてるの!二つの波紋をコントロールするのは想像以上にしんどいのよッ!このままだと盾を維持するのが不可能に――」

ポイッ

ほむら「なっ!なんですってぇ~~~!!!どうして私のタイツを手放したのよ!これじゃああなたは緩やかな時の世界から破門されてしまうッ!」

さやか「いいんだよほむら……きっとこれはあたしの力で乗り越えなきゃぁならない壁なんだ…試練なんだ……」

117: 2012/05/14(月) 00:13:27.58 ID:uCpici7K0
さやか「刻むよ波紋のビートォォォ!」

ブオァアァァ

バチィィィィ

ほむら「さ…さやかぁぁーーーッ!!!!」

まどか「さやかちゃぁぁーーん!!!」

ドドドドドドドドドド

10秒後

まどか「さやかちゃんがいない……まさかっ、油圧に飛ばされて下に落ちたとか…せ…切断されちゃったとか……」

早乙女「鹿目さん、あそこを見て」

まどか「あっ!先生!?」

ドドドドド

まどか「ああッ!取り囲む壁にしがみついているのは……さやかちゃん!」

ほむら「柱から壁まではゆうに10m以上ある…それに油面の下じゃなく油面の上2mのところに向かって私以上の位置に……やるわねさやか」

早乙女「さやかは……バリアーの下面を滑ったのよッ!」

120: 2012/05/14(月) 00:19:06.50 ID:uCpici7K0
早乙女「当然油圧は壁のところまで遠くなれば弱くなっている!そこで!」

早乙女「壁寸前で油の弾ける勢いを利用して油面の上へジャンプ!美樹さんは下に落ちるどころか逆に3mも上昇したの!」

早乙女「自分のマイナスを逆に利用するなんて賢いわね!テストでもあれくらい賢かったら嬉しいのに……」

ほむら「あんな方法もあったなんて……負けていられないわね…私もはやく登らなければッ!」

さやか「や…やってやった!うぐぐぐ……でももう呼吸が限界……」

ズルゥ

さやか「うぅっ滑ったっ!」

ガシィッ

さやか「ま、まどか!」

まどか「大丈夫さやかちゃん!?せ、先生!手を貸しちゃったこと許して下さい…!」

早乙女「構わないけど、鹿目さんも結構限界じゃない?」

まどか「わわっ、手が油で滑っちゃう!」

さやか「でっ!?離さないでよ絶対に!!」

ほむら「こっちもギリギリなんだけど……」

121: 2012/05/14(月) 00:23:32.05 ID:uCpici7K0
数時間後

早乙女「全員登頂成功ね。よくやったわ……暁美さんの波紋の使い方は上手だったから今回はお咎めなしにしてあげる」

ほむら「ど、どうも……」

早乙女「修行のメニューはたっぷり用意してるわ…氏ぬほど感動してちょうだい」

グモォォォオオオ

ほむら「だ、誰!?」

さやか「あぁっ!あなた達は!!」

早乙女「これから先は少々荒っぽくなるから二人にも師範代になって貰います!」

知久「やあまどか、順調に修行は進んでるようだね」

詢子「仕事休んでまで手伝ってやるんだ…感謝しろよぉ~?」

まどか「ママ!パパ!」

ほむら「この二人も鹿目家……波紋が使えて当然という訳ね」

123: 2012/05/14(月) 00:26:59.15 ID:uCpici7K0
それから修業は厳しさを増していった

詢子「1秒間に10回の呼吸ができるようになれ!!」

まどか(く……くっくるピーィ)

知久「10分間息を吸い続けて10分間吐き続けろッ!それができたらマスクを取ってやる!」

さやか(げ~~~な……なんてこった~~~)

早乙女「『呼吸』よ!『呼吸』だけ鍛えれば自然に筋肉もパワーも鍛えられる……波紋法は『呼吸』のリズムにその全てがあるのよ!」

ほむら(別に筋肉はいらないのだけれど……)

三人が修行している間マミと杏子は魔女を探す

柱の女たちより先に倒してはグリーフシードを手に入れていった

そして!

ワルプルギスの夜が訪れる前日となった!!

127: 2012/05/14(月) 00:31:22.38 ID:uCpici7K0
早乙女「あなたのそれ本当にエイジャの赤石じゃないのよね…?」

杏子「違うって言ってるだろいい加減にしろっ!」

早乙女「そんな……それじゃあ一体どこにあるのかしら」

詢子「あれ?和子知らなかったんだっけ?」

早乙女「詢子は知ってるの!?」

詢子「うちの居間に飾ってあるよ」

ほむら「そんな堂々と!?」

詢子「パパとマミさんって子が取りに行ってるはずなんだけど、そういや遅いなぁ……」

まどか「私ちょっと見てくるね」

ほむら「待ってまどか、私も行くわ!一人だと襲われたら危険よ」

さやか「確かに……いつその魔女とやらが襲ってくるかも分かんないもんね」

131: 2012/05/14(月) 00:37:04.04 ID:uCpici7K0
―まどかの家―

まどか「パパーいないの~?」

ほむら「この家、なんだか様子がおかしいような……」

知久「マミさーーーんッッ!!!」

まどか「寝室の方からパパの声…!パパーー!!」ダッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

まどか「うっ…こ、これは…!」

マミ「……」ドクン ドクン

知久「くっそぉ……」

まどか「パパッ!?マミさん!?」

ほむら「お、おかしい……四人いるわ……タッくんは部屋の隅で震えている…まどかのパパさんはそこにいるのに……」

ほむら「マミは!巴マミは片足でもう一人の人間に持ち上げられているッ!!マミを支えているのは…誰っ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

クルゥゥゥゥ

ほむら「エ……エシヅキ……!!」

135: 2012/05/14(月) 00:40:33.45 ID:uCpici7K0
エシヅキ「……」ググググ

ほむら「くっ」ギラッ

エシヅキ「フン……この部屋は、エイジャの赤石がなかったようですわ……ということは、別の部屋にあるはず……」

ブオンッ

知久「ぐえぇっ!!」ブワァァ

まどか「パパッ!」

エシヅキ「他の二人はまだこの家にエイジャの赤石があることをつきとめてはいない様子」

ほむら「マミの体を放り投げられてパパさんは気絶している……マミは…マミはっ!!胸に穴を開けられているッ!!」

ほむら「一撃……マミほどの魔法少女がやられるなんて、きっと不意の一撃だったに違いないわ……」

ほむら「エシヅキ……よくもマミを……」ゴゴゴゴゴゴ

エシヅキ「どいてください!いま…あなた達の相手をしている暇はありませんの」

ズズズズ

エシヅキ「へぇ~……いい鋭い眼をするようになりましたわね……でも早氏にしたくなかったらどくことですわぁっ!」ドォァォオン

ピタァァ

バァァァン

136: 2012/05/14(月) 00:44:35.29 ID:uCpici7K0
エシヅキ「ぬうう~~!これはッ!?」

ほむら「何を驚いているのかしら?私がどくのはビルの破片が落ちてきたときだけよ」

バチバチィッ

エシヅキ「あらぁ、波紋が表皮のガードを破って中にまで流れつつありますわ……」

まどか「ほむらちゃんだけじゃないよ……私も成長したんだからねーーっ!!」ブォォ

エシヅキ「フンッ!」パシィィィ

まどか「受け止められたッ!?」

エシヅキ「ふむ……意外……鹿目まどかだけでなく暁美ほむらまで成長しているとは……」

エシヅキ「だが!あなた達程度の波紋使いなら余裕ですわぁ~~~!!」メキ メキ

ほむら「くっ……」

まどか「あぐぅ……」

エシヅキ「このまま指をへし折って波紋を流せないようにしてから体内に取り込んで差し上げますわぁっ!」

ギャルルン

ギャァァーーン

エシヅキ「うっ!……はっ!!」

138: 2012/05/14(月) 00:47:52.87 ID:uCpici7K0
ほむら「やっと気が付いたようね……絹でできたリボンを撒きつけさせてもらったわ……波紋が伝わりやすいように植物油をたっぷりと染み込ませてあるリボンをね!!」

エシヅキ「馬鹿なッ!怪しいしぐさや動きがあれば見破っていたはず!」

まどか「私がいたから後ろのマミさんが見えなかったのかな……?」ドドドドドド

ピィーーン

エシヅキ「ヌ…ヌウウ!あ…あれはッ!先程巴マミの首からリボンをひっぱっていたなんてッ!」

ほむら「見知った顔にするというのは少々心が痛むけれど、覚悟して貰うわよ!」

ビキビキッ ビキビキ

OOHHHHHH

ボォォン

エシヅキ「GOHHHHH」

ほむら「マミさん……あなたがいたから私は安心して修行に励むことができた……グラッツェ!マミさん!」

まどか「パパの波紋の特訓のおかげだよ……グラッツェ!パパ!」

140: 2012/05/14(月) 00:52:13.34 ID:uCpici7K0
ゴォオオオオ

ほむら「今までワルプルギスの夜の対策ばかり練ってきた私は、当然あなた達の対策を立てるのにも慣れている……」

ほむら「それに、魔法少女は本来ぶっつけ本番で魔女と戦うもの……あなたは魔法少女を馬鹿にしていたようだけど、策を考える能力は魔法少女に及ばないようねぇ―!」

エシヅキ「うぬぬぅ~~~……き…きさまぁ~~~~~」

まどか「怒るの?エシヅキちゃん?波紋で腕を斬られて怒りくるうのォ~~~~~?」

ほむら「どんどん怒るといいわ!私はあなた達に埋め込まれた毒の指輪のおかげで夜もぐっすり眠れず頭に来てるのよッ!」

まどか「パパやマミさんをこんなにして……私も怒ってるのッ!」

エシヅキ「う……うう……」ポロ ポロ

まどほむ「?」

エシヅキ「う~~うううあんまりですわ……」ポロポロポロ

エシヅキ「HEEEEEEEYYYYYYYYYY」

エシヅキ「あァァァァんまりですわァァァ!!!!」

ほむら「な…何なの!?な…泣いている……怒髪天を衝く勢いで襲ってくると思ったら…予想外!」

まどか「ダダっ子の様に泣き喚いてるよ!」

142: 2012/05/14(月) 00:56:57.22 ID:uCpici7K0
エシヅキ「AHYYYY AHYYYYY WHOOOOOOO!!!」

エシヅキ「わァァァァァァたくしのォォォォォォうでェェェがァァァ~~~~~!!!」

まどか「ご…ゴクリ」

ほむら「不気味だわ……逆に不気味ッ!怒るよりも恐ろしい…!早くとどめを刺しましょう」

ピタァァ

まどか「うっ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

エシヅキ「フー……スッとしましたわ~…ワタクシ少々怒りっぽい性格でして……激昂してトチ狂いそうになったときはこうやって泣いて頭を冷静にしているんですの」

ほむら「な…!?」

エシヅキ「それにしても驚きましたわぁ~…暁美ほむらがここまで強くなっているだなんて驚愕ですわ……」スッ

ドグシァッ

まどか「マミさんの腕をッ!?」

カシィーーン

エシヅキ「フンッ!少女同士の体というのはやはりぴったりの様ですわね……そのうち一体化してもっと動かしやすくなるでしょう」

145: 2012/05/14(月) 00:59:57.13 ID:uCpici7K0
ほむら「こ…この外道ッ!!」

エシヅキ「あら、恐れたわね……私を恐れましたわね……」

ほむら「うっ……」

ほむら(分からない……確かに魔法少女はぶっつけ本番の戦闘ばかりと言ったけど、それはあくまで敵が魔女である場合!)

ほむら(こいつは魔女は魔女でも石仮面の魔女なのよ…!一体どんな攻撃パターンで……)

ドッヒャァァァ

グルルルン

ドスドスドスッ

まどか「こ、この音はッ!」

ほむら「マミの髪がマミをぐるぐる巻きにしてさらに身体をぶっ刺している!!」

エシヅキ「おじぎ草という植物は驚異的なスピードで葉っぱを閉じたり開いたりできるが、これは膨圧運動という細胞間の水分の移動で動く」

エシヅキ「それと同様に私の髪も膨圧運動で自由自在に動かすことができるッ!そして私から落ちた髪は相手の髪の動きを奪う!」

エシヅキ「ホムウはホム砂嵐という風を操る流法≪モード≫をもつが…ワタクシは『髪のエシヅキ』!!」

エシヅキ「髪を操る流法!」

150: 2012/05/14(月) 01:04:45.59 ID:uCpici7K0
ほむら「髪を操るから…なんだって言うのよぉぉーーーっ!!!」ブワァァァン

ほむら「おおおおおおくらいなさい!機関部に油を塗って弾丸に波紋を込められるようにした機関銃『クラッカーマシンガン』ッ――――!!」

ドババババババ ボァァッ

ほむら「なっ!何ィィィ!?両腕を後ろにして頭を出してくるなんてどういうつもり!!!」

意外!
それは髪の毛ッ!

バシバシバシバシバシ

まどか「髪の毛で全弾弾いてるッ!」

ほむら「ホムウは風圧を利用して弾丸を弾いていたがッ!エシヅキはそのまま髪を使って振り落として来るッ!!」

ほむら「しかも波紋は髪の毛を切られることでエシヅキまで届かないッ!」

エシヅキ「落ちた髪の毛と私の髪の毛をあなた達に送り込んで縛り上げ…体内に取り込んであげますわッ!!!」

エシヅキ「くらってくたばれ『氏髪舞若布』≪ダンス・メカブヘアー≫の流法!」ドリュゥーーム

ドシュッ

ほむら「ぐえッえええええーーーーーーっ!!!」

まどか「ほむらちゃぁぁーーーんっ!」

155: 2012/05/14(月) 01:11:03.69 ID:uCpici7K0
ほむら「左手に溜めるッ!炎の波紋ッ!!緋色≪スカーレット≫の波紋疾走ッッ!!!」ゴァァァ ドシァァァ

ゴゴゴゴゴ

ボシィィ

エシヅキ「ぬう!自分の体を叩いて絡みつく髪を焼いたか!」

まどか「ほむらちゃん大丈夫!?」

ほむら「私は平気よ……それよりまどかは?」

まどか「私のことは気にしないで……それにしても、エシヅキちゃんの周りに髪の毛が散らばっちゃったから迂闊に手が出せなくなっちゃったね」

ほむら「上から行けばそのまま氏髪舞若布の餌食に……」

ほむら(しかし私は一つの作戦を立てているッ!突っ込んだ時と飛ばされた際、マミのリボンを撒いてきた……)

ほむら(エシヅキがリボンの結界に入った時!リボンを巻きつけて波紋で倒すわ!)

エシヅキ「うふふ」ニヤニヤ

ほむら「うっ!何がそんなにおかしいの!」

エシヅキ「ワタクシの髪の毛……伸縮自在ですのよォ~~~!!!」ドワワァン

まどか「来たっ!波紋疾走連打ッ!」ババババババッ

ほむら「き…きりがない……!」

160: 2012/05/14(月) 01:18:43.86 ID:uCpici7K0
ドスッ ビシュッ ビルルルルルッ

ほむら「きゃぁぁ~~~っ!!」

グォン

ほむら(ふ…服を破り私の皮膚に食い込んでいるわ!もがけばもがくほど強く……まるでたこの触手の様にッ!!)

エシヅキ「さぁぁぁ~~てぇぇ~~~~……そのお腹に風穴を開けてあげるわァァーーーッ!!!」グォォォォン

まどか「桃色≪ローズピンク≫の波紋疾走ッ!!」ビュオッ

ギャン

エシヅキ「かはぁっ!!こ、これはぁぁ!!」

まどか「寝室の花瓶に飾ってあった薔薇だよ……波紋入りの薔薇の棘は、痛いでしょ…?」

ほむら(ここですかさず!足元のリボンを掬いあげて髪を切らせてもらうわッ!!)

ズビズバァ

ほむら「そして喰らいなさい!波紋疾走のビートッ!!」ドキュゥーーン

エシヅキ「RRRRRRRRRRUUUUUOOOHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!」

エシヅキ「こんな魔法少女ごときに……ワタクシがァァァこんな魔法少女ごときにぃィィィィィ!!!!!」

バーーーーン

162: 2012/05/14(月) 01:25:31.59 ID:uCpici7K0
ファサァッ キィーーン

ほむら「リボンタイを落としていったわね……それにちゃんとグリーフシードまで」スッ

まどか「解毒薬入ってるの?」

ほむら「あったわ」

ドロォ ゴクン

シュゴゴゴォォォォ

ほむら「ふぅー……何か、喉の辺りの突っかかりが消えたような気がするわ」

まどか「やったねほむらちゃん!ついに柱の女を一人倒したよ!!」

ほむら「ありがとうまどか…あのままだとやられていたわ」

まどか「いやぁそれほどでもぉ……ってそれよりパパとマミさんを助けなきゃッ!!」

ほむら「そうだったわ!特にマミは重傷!幸いにしてソウルジェムは無事だけれど……例え無事でもッ!マミが氏を意識してしまえばその時グリーフシードへと変化してしまうッ!!」

まどか「そんなっ!急いで手当てしなきゃ…!」

163: 2012/05/14(月) 01:30:46.67 ID:uCpici7K0
ほむら「とりあえずこのグリーフシードを使ってジェムの回復、そして杏子に手伝ってもらって回復魔法を使わなければ…!」

ほむら「まずはみんなのところへ帰りましょう!」

まどか「タッくんおいで!」

タツヤ「こあかったーーっ!!」グズッ

ほむら(タッくんのことすっかり忘れてた……)

まどか「っと、その前にエイジャの赤石もっていかなきゃ」

ほむら「居間にあるって……これね」

まどか「綺麗だね」

ほむら「えぇ……まあいいわ、急ぎましょう」

タッタッタッタ


ズルズルゥ ズルルゥ…

167: 2012/05/14(月) 01:40:14.90 ID:uCpici7K0
杏子「マミしっかりしろい!こんなところでくたばるんじゃぁねぇぇーーっ!!!」

知久「うっ…すまない、僕が付いていながら……」

ほむら「不意打ちだったんでしょう?仕方ないこともあります……」

さやか「ちょ、ちょっと大丈夫なの!?ワルプルギスってめっちゃでかいんでしょぉ?マミさんがいないと戦えないんじゃないの!?」

ほむら「それでも……なんとかするしかないわ」

まどか「体が治れば……体さえ治せれば……」

「みなさん!お静かに!!」

さやか「こ、この声はッ!あたしらはこの声の主を知っているッ!」

仁美「まどかさんから連絡を頂いてすっ飛ばしてきました……新しいボディを必要としている方がいるそうですね」

まどか「仁美ちゃん来てくれたんだね!マミさんが大変なの!」

仁美「うっ…!これは惨いですわ……おまかせください!志筑財団総力を挙げて必ず体を復活させて差し上げます!」

さやか「仁美いつのまにそんなことできるようになってたの!?」

仁美「……本当は、上条君の為でしたの」ボソッ

さやか「へっ?」

仁美「でも今は見滝原の危機とのことッ!私情は挟んでいられませんッッ!!」

169: 2012/05/14(月) 01:48:37.24 ID:uCpici7K0
ほむら「任せていいのね…?」

仁美「お任せ下さい……志筑財団の科学は世界一ィィィィィィィィィィ!!!」

仁美「人間を超越するほどのボディにして差し上げますわァァァァ!!」

杏子(もう超越してるんだけどな……)

ほむら「できるだけ早い方がいいわ……例えば明日とか」

仁美「不眠不休で作らせます…それではアリーヴェデルチ(さようならだ)」

ブォォオオオオォォォン

まどか「あとは仁美ちゃんに任せるしかないね……」

早乙女「知久さんはまだダメージが回復していない……」

詢子「となると戦力はあたし、和子、まどか、さやかちゃん、ほむらちゃん、杏子ちゃんの六人か……」

杏子「そのうち魔法少女はたった二人……本当に大丈夫なのかほむらッ!」

ほむら「う…うろたえるんじゃあないわッ!魔法少女はうろたえないッ!!」

まどか「……そうだよ、きっとなんとかなるよ!明日頑張ろう!」

ほむら「そうね……こんな世界もう二度とないでしょうし、どっちみち明日ワルプルギスを倒さなければ私は氏ぬ……」

ほむら「必ず勝つわよッ!!」

171: 2012/05/14(月) 01:56:40.38 ID:uCpici7K0
ワルプルギスの夜襲来

ワル夜「ホハハハフフフフヘハハハハフホホアハハハフハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケノォホホノォホヘラヘラヘラヘラアヘアヘアヘ」

杏子「でやがったなワルプルギスッ!」

まどか「とりあえず、使い魔は私達に任せて!」

ほむら「さぁ……行くわよッ!」

さやか「ちょちょちょ、ちょぉッと待ったぁぁ!」

ほむら「……何?」

さやか「いやさほら、ひょっとすると使い魔だっていいやつって可能性もあると思ってさ!あたし使い魔と戦うの初めてだし、初対面で色々決め付けるのは良くないと思うのよ、うん」

ほむら「ばっ…そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!」

さやか「ハロ~~ご機嫌いかがぁ~~?ハッピーうれピーよろピくねー」

使い魔「……」

さやか「さあご一緒に!ハッピーうれピーよろピくねェ~~!」

使い魔「WWRREEEYYYYYYYYYY」バキィッ

さやか「げふっ」

まどか「さやかちゃぁーーんっ!!」

173: 2012/05/14(月) 02:03:40.37 ID:uCpici7K0
さやか「……」

ほむら「……気が済んだ?」

さやか「震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!」コァァァァ

和子「波紋疾走ッ!」ドギュゥーン

詢子「次から次へときりがないな」バチィーン

まどか「マミさんの意志は私が……山吹色の波紋疾走!!」ブワァァァァ

杏子「あたしらはワルプルギスだッ!頼むぞほむら!」

ほむら「時よ止まれ!」カチリッ

ドォォォーーン

杏子「これが止まった時の世界…!」

ほむら「一気に駆け抜けるわよッ!」

ゴォォォァァァ

175: 2012/05/14(月) 02:10:54.94 ID:uCpici7K0
杏子「でけぇ図体してるじゃぁねーか……容赦はしないッ!」

杏子「あたしの精神テンションは今!貧民時代に戻っている!父に絶望され魔女を恨んでいたあの当時にだッ!」

杏子「冷酷!残忍!そのあたしがあんたを倒すぜッ!」ズン

ほむら「ぶっ壊すほど…シュートッ!」ドォーーン

杏子「くらええええええええっ!!!!」

杏子「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーーッ!!!」

ザザザザザザザザシュンッ

ほむら「解除」

カチリッ

ワル夜「MMMMMMMMOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH」

ほむら「やったッ!効いてるわッ!今までどんなに重火器で攻撃してもビクともしなかったこの魔女にィィ!!一矢報いてやったッ!」

杏子「やりゃぁできるじゃねーか……おいほむら!あたしの武器に波紋は流せねえのか!?」

ほむら「愚問!油を塗りさえすれば……」ヌリヌリィ

ほむら「波紋槍の完成よッ!」

杏子「多節槍ッ!こいつをワルプルギスに巻きつけて…そのまま一気に叩きつけるッ!」ジャラァァ

178: 2012/05/14(月) 02:18:52.73 ID:uCpici7K0
ワル夜「GIIIIYAAAAAAAHHHHHHHHHHHHHH」

杏子「地面に引きずり下ろしてやるッ!」

グォォォーーン

ほむら「ハッ!いけない杏子!それはまずいぃ!!」

ワル夜「SYYYYYYAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

普通ならばそのまま地面に叩きつけられていただろう

しかしワルプルギスは常時逆様状態!

逆にッ!正常時の状態に戻そうと体を起こしたのだッ!

杏子「うっ!うああああ引っ張られるッ!」グォン

ほむら「杏子ーーっ!!」

ワル夜「KUUUUWAAAAAAAAA」ゴァァァァ

ドガァァッ

杏子「グアッ!!」

ほむら「なんてこと……空中に放り投げられて逆に殴られ…地面に叩きつけられてしまった…!!」

179: 2012/05/14(月) 02:25:18.68 ID:uCpici7K0
ワル夜「NUUUUUUAAAAAHHHHHH」

ほむら「むっ!再び逆様状態に戻ろうとしている……好機!利用しない手はない!」

スタッ

ほむら「そう…そこの位置がいい!ワルプルギスの頭が斜めになっているその位置がものすごくいいッ!」

ブォォォォォォォォン

ほむら「ロードロー……」

ほむら「タンクローリーだッ!HOOMRYYYYYYYY!!!!」

ヒュッ

ドガァァァァァァァアァン

181: 2012/05/14(月) 02:30:32.53 ID:uCpici7K0
ほむら「すかさず攻撃を続けるわッ!必殺ゥ~~~!!波紋ランチャーーッ!!」

ドガガガガガガァァン

和子「暁美さんの波紋の使い方、完璧ね」バチィ

詢子「だなっ!魔力じゃなくて波紋で戦った方が強いんじゃぁないのかぁ?」バチバチィ

まどか「でもほら、魔法じゃなきゃできないこともあるみたいだし」ドォォン

和子「ワルプルギスは退治で来たのかしら?」

まどか「……使い魔が消えないところを見たら、まだだと思いますよ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

183: 2012/05/14(月) 02:40:59.29 ID:uCpici7K0
ワル夜「HUUUUUUWAAAAAAAAAHHHHHH」ドドドドドドドドド

ほむら「くっ……まさに不氏身の怪物ッ!!」

ほむら(でもなぜかしら……今まで戦ってきた時よりも感じる『スゴ味』は圧倒的に少ない気がする!)

杏子「あたしを置いて暴れてんなぁほむら」バァァン

ほむら「流石杏子、あの程度の攻撃なんてことないみたいね」

杏子「当然だッ!」

杏子(あたしの全神経は今…研ぎ澄まされている……肌で微妙な空気の動きまでも分かるほどに!貧民時代のピリピリした感覚だ!!)

ほむら「もう一度時を止めるッ!次も行くわよ!」

杏子「任せろッ!」

カチリッ

185: 2012/05/14(月) 02:49:10.34 ID:uCpici7K0
杏子「今度こそ風穴開けてやる!」ヒュッ

ズブッシャァァーーー

杏子「よし!ここにほむらが波紋を――」

ガシィィ

杏子「なっ!なんだぁ!?槍が突然何かに掴まれたような感覚っ!」

ほむら「どういうことよぉ!!もし……もしもっ!ワルプルギスの中に何かがいるとして……そいつに槍が当たっていたのだとしたらッ!」

ほむら「そいつは杏子を伝って私に触れているも同義……つまりッ!止まった時の世界に入門している…!」

杏子「なにィィィィィ!!そんなことできるやつがいるっていうのか!?」

ほむら「いるとしたら……まずいッ!この腕を離すわよ杏子ぉぉ――ッ!!」

ホムウ「ほんの一手遅れたようねぇ……」グボァァァァ

ほむら「ホムウッ!」

ホムウ「闘技!ホム砂嵐!」

187: 2012/05/14(月) 02:56:13.38 ID:uCpici7K0
カチリッ

ドォォオオァァアァア

ドギュゥーーン

杏子「ゲブッ」

ドッグシァッ

ほむら「カハッ」

ブッシァッ

ドガッシャーーン

ホムウ「フッ……私達が生き物の……魔女の中にすら入れるということを知らなかったようね」

ホムウ「暁美ほむらの急所は外してしまったが……佐倉杏子には完全に入ったッ!」

ズズズズズズ

189: 2012/05/14(月) 03:04:46.90 ID:uCpici7K0
ゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「馬鹿な……どうしてホムウが…ここにいるの……!」

ホムウ「簡単な話……最強の魔女を吸血魔女にするためよぉっ!!」ガバッ

ホムウ「血はぁぁっ!貴様らの血だぁぁぁッッ!!!!」

ビス ビスビスッ

ワル夜「うわっはははは―――――ッ!!」

カッ

ほむら「あぁっ…ああぁぁぁっ!そんな!ワルプルギスが……吸血魔女にッ…!!」

ホムウ「どうやら、貴様の望みは完全に途絶えたようだな……」

ほむら(もう駄目だわ……ただでさえ勝てるかどうか分からなかったワルプルギスが…今度は全てパワーアップしている吸血魔女ですって……)

ほむら(そんなの倒しようがないじゃない……)

190: 2012/05/14(月) 03:15:24.50 ID:uCpici7K0
ホムウ「ムッ」

杏子「……」ズルリ ズルリ

ほむら「杏子……」

ホムウ「無駄だ!もはや闘うどころか立ち上がることすら困難なはずッ!あなたの血管や筋肉をズタぼろに引き裂いたわ」

杏子「う…うああ……」

ドス ガス ドン

ホムウ「やめろ!」

グラァ

杏子「あっ……」ドザァァ

ほむら「くっ…もうやめて杏子……立ち上がっては駄目よ……」

杏子「親父はただ平和を願っていただけだった……あたしだって…正義のために何かやらなくちゃあ……」

杏子「カッコ悪くてあの世にいけねーよ……」

191: 2012/05/14(月) 03:24:11.74 ID:uCpici7K0
シュルッ パシッ

ほむら「リボンを…?」

杏子「いいよ……一緒にいてやるよほむら……一人ぼっちは寂しいもんな……」

杏子「あたしの最後にみせる魔法は正義の魂だ!人間の魂だ!」

グラァァ

ボゴォォォ

ほむら「ッ!杏子!ビルの瓦礫が……」

杏子「受け取ってくれほむら」

ズズズゥゥン

ほむら「…………嘘……杏、子……?」

193: 2012/05/14(月) 03:37:37.36 ID:uCpici7K0
ほむら「……嘘だよね……ここまで来て…杏子が氏んだりするはずないよね…?」グググ

ホムウ「立ち上がるか暁美ほむら……しかし無駄なこと」

ほむら「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ホムウ「……ワルプルギスよ…後は任せたわ……」スタスタ

ワル夜「KUUUAAAAAAAAAAAAAAAAA」

ほむら「……リボンと、髪飾り」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「……まどか…?」

和子「佐倉さんはどこ!?」

ツツー

さやか「岩の下から…血が……?」

まどか「こ…これは……まさか……」

194: 2012/05/14(月) 03:45:22.81 ID:uCpici7K0
ほむら「杏子は…ここで氏んだ」

まどか「そんな……」

ゴシゴシ スチャッ

和子「悲しんでいる暇なんてないわよ……目の前に魔女がいるのよ!気を引き締めなさい」

さやか「なっ…!」

詢子「……和子の、言うとおりだ……」グッ

さやか(杏子が氏んだのになんで涙一つ流さないの……と、怒りたいけど…先生の言うことは間違ってないし、先生だって気丈に振る舞ってるだけなんだ……)

さやか「早乙女先生、眼鏡逆さだよ」

和子「……」フルフル スチャッ

まどか「杏子ちゃん……」

ほむら「ううっ……杏子ォォォーーーーーーッッ!!!!」

196: 2012/05/14(月) 03:57:24.87 ID:uCpici7K0
ワル夜「FUUUUUHAAAAAAAAAHHHHHHHH!!!」

さやか「こんのやろぉ……許さない!」

ほむら「さやか……この場合!そう言う台詞を吐くんじゃないわ…いい?こういう場合!敵を討つときというのは言うような台詞を吐いてから戦うのよ」

ほむら「『我が名は暁美ほむら』『我が先輩の名誉のために!』『我が友杏子の心の安らぎの為に…』『この私が地獄の淵へブチ込んであげる』」

ほむら「こう言って決めるのよ!!山吹き色の波紋疾走ッ!」

まどか「桃色の波紋疾走ッ!」

さやか「青色の波紋疾走ッ!」

和子「波紋疾走ッ!」

詢子「波紋疾走ッ!」

バチバチバチィィン

ワル夜「ANGYAAAAAAAAAAAA」

197: 2012/05/14(月) 04:10:53.52 ID:uCpici7K0
ほむら「これでどうッ!ワルプルギスゥゥゥーーーッ!!」

ワル夜「GIII…GIIYYYYAAAAAAA」

まどか「弱ってるッ!すなわちッ!今が好機ッ!!」

「私にもやらせてもらえるかしら!」

さやか「ッ!あたしらはこの声の主を知っている!いや!あの眼差しと体の傷を知っているッ!」

マミ「地獄から舞い戻ったわ」ババァァン

ほむら「マミ――!?一体なんなのその体はッ!?」

まどか「腕から顔からお腹まであちこち機械だらけじゃないですかァァっ!!」

マミ「義手なんかじゃ済まない身体になってしまったわ……でも、そのおかげでワルプルギスの夜と戦えるの!」

200: 2012/05/14(月) 04:24:50.41 ID:uCpici7K0
仁美「志筑財閥の科学は世界一ィィィィィィィ!!巴先輩!思う存分やってしまって下さいなッ!」

ほむら「マミ……」

マミ「分かってるわ……佐倉さんの仇ッ!」

ほむら(本当の仇はこっちじゃないんだけど……今はそんなことどうでもいいわね)

マミ「くらえワルプルギス!一分間に600発の魔弾を発射可能になったこの体で繰り出すティロ・フィナーレをッ!!!」

マミ「ティロ・フィナーレェェェェーーーー!!!!!」

ボボボボギュゥゥゥーーーーーン

ワル夜「GIIYAAAAAAAAAAAAA」

マミ「暁美さん!とどめを!」

ほむら「震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!山吹き色の波紋疾走ッ!!!」

ドォォァァァァン

201: 2012/05/14(月) 04:33:55.77 ID:uCpici7K0
ワル夜「うぐおおおああああ!?なああにィィィイイ!!ば…ばかな…このワルプルギスが……このワルプルギスがぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~ッ」

シューーシューー

ドザァァァッ

まどか「や……やったッ……」

さやか「服だけ残って…消滅……!」

詢子「終わったんだな」

和子「勝った!まどか☆マギカ完!」

ほむら「うっ…うぅぅぅ」ドサァァ

マミ「よくやったわね暁美さん……私達であのワルプルギスを倒したのよ」

ほむら「はい……うぐっ…グスッ……ぬううぅぅぅぅぅぅ~~~~~ッ」

202: 2012/05/14(月) 04:40:39.49 ID:uCpici7K0
まどか(杏子ちゃん!パパ!QB!終わったよ……)

マミ「――って誰ひとり氏んでないでしょ!」

さやか「だ、だって…杏子は…もう……」

マミ「生きてるわよッ!だって暁美さんは持っているんだものッ!佐倉さんの命をッ!ソウルジェムを!!」

ほむら「ヒック…グスン……ふぇ?」ゴシゴシ

マミ「だからね暁美さん、佐倉さんのソウルジェム持ってるでしょ?って言ってるの」

ほむら「そんなの……私が持ってるのは、リボンと髪飾、り……ハッ!」

まどか「付いてる…!その輝きはぁぁ!間違いなくソウルジェムの輝きッ!」

さやか「バッチリ間違いなくソウルジェムだッ!」

和子「ちょっと暁美さん!どうして気が付かなかったの!?」

ほむら「……うっ――」

まどか「『うっかり』はなしで」

ほむら「えっ?」

205: 2012/05/14(月) 04:47:39.96 ID:uCpici7K0
マミ「この瓦礫の下に……佐倉さん無事だといいんだけど」

仁美「ここから先は私達がやりますので、みなさんはお急ぎになられた方がよろしいのでは?」

まどか「そっか……これで終わりじゃぁないんだよね」

ほむら「柱の女……あいつらが残ってる」ゴゴゴゴゴゴゴ

詢子「石仮面ともこれで決着だな」

和子「そうね…必ず終わらせましょう」

さやか「場所は分かってんの?」

ほむら「そう遠くないはず……ホムウがさっきこの辺にいたから…ソウルジェムの反応を辿っていけばいいわ」

まどか「ほむらちゃん怪我大丈夫?」

ほむら「平気よ……こんな傷、杏子が受けたものに比べたらなんてことないわ」

ほむら「待っていなさいホムウッ!私は必ずあなたを倒すわッ!!」

207: 2012/05/14(月) 04:55:09.19 ID:uCpici7K0
―魔女の結界―

さやか「やっぱりマミさんにも来てもらった方が良かったんじゃないかな?」

ほむら「マミは杏子の手当てをしなければならないし、どっちにしろ波紋なしでホムウ達と戦えるとは思えないわ」

さやか「それもそうなのかな……」

まどか「この門をくぐればいいのかな」サスッ

\ギャッ/

まどか「ひゃっ!な、何?何処から声が!?」

ほむら「門に触ったら突然……」

\門じゃねーズラ/

ほむら「これはまさか…吸血魔女ッ!」

魔女「どこ見てるズラ!門じゃねーって言ったズラッWWWRRRRRYYYYYY」

さやか「やっぱり吸血魔女!」

魔女「踏みつけてやるズラ覚悟するズラ」

208: 2012/05/14(月) 05:00:25.67 ID:uCpici7K0
ほむら「くっ!」

和子「待ちなさい」スッ

ほむら「早乙女先生…?」

和子「あなたは一番疲れているもの…少し休んでいなさい」

魔女「童顔眼鏡はいいズラ 可愛いズラ 丁度いいズラ 踏んづけてそこから血を吸い取ってやるズラ」

和子「可愛いだなんて…もうっ!正直なんだからッ!!でも吸血魔女に言われても何にも嬉しくありません」

魔女「WOOFHOOOFHOOOOO」ズズズゴゴゴゴゴ

まどか「これは!門の片側が持ち上がって私達を踏みつぶそうとしているッ!」

魔女「ギュゥゥ~~~っと踏んづけるズラーーーッ!!」グゥォォォォ

211: 2012/05/14(月) 05:05:57.73 ID:uCpici7K0
スゥゥ クゥゥゥ

ビシィッ

魔女「なにその棒っきれ?HYAAHAA私を殴ったつもり?笑っちゃうズラ!」

和子「さあもう行きましょう」

魔女「あれーどこ行くズラ 私を無視するなズラ」

さやか「オーノーだズラ…あんたもう波紋流されちゃったズラ」

魔女「OOOHHHHHNOOOOOO」シューシュー

ほむら「早乙女先生はやっぱり教鞭を使うんですね」

和子「まあね、大事な商売道具だもの」

詢子「そのまま殴ってもいいと思うんだけど…変わってるなぁ」

ほむら「……そろそろですよ」

ドドドドドドドドドド

212: 2012/05/14(月) 05:14:10.63 ID:uCpici7K0
フォォオオオ

ホムウ「……」

ほむら「いたわねホムウッ!」

詢子「待ちな……やつを見るより床を見るんだ」

まどか「分かってるよママ…気配が何十ってあるのに足跡は一つしかないってこと」

さやか「何十…?」

ホムウ「ほう…僅かな呼吸の流れを感じるほどになったか」ヒュゥーー

ズララァァァーーーン

魔女たち「KUUUUWWWWAAAAAAAAAAAAAA」

まどか「ひっ!」

ほむら「こいつらみんな吸血魔女と吸血使い魔だというのッ…!?」

215: 2012/05/14(月) 05:24:46.96 ID:uCpici7K0
ホムウ「さて暁美ほむらよ……私と戦う資格を得てからすこしはまともになったのかしら」

ほむら「愚問だわ…必ず倒してみせるッ」

ホムウ「ならば、手始めにこう言うのはどうかな」パチン

シュタタタタッ

魔女1「私の名はエリー!」

魔女2「ギーゼラ!」

魔女3「シャルロッテ!」

魔女4「ロベルタ!」

魔女’S「血管針攻撃ッ!」

ほむら「この暁美ほむらぁ容赦せん!」ズァァァ

バキィィン

ほむら「証明を叩き落として全員同時に触れて波紋を流す……」

バチバチィ シュー

216: 2012/05/14(月) 05:29:51.07 ID:uCpici7K0
魔女'S「GIIIYAAAAAAAAAAAAAA」

さやか「やるぅ!」

ホムウ「ほう……ついに私と闘う完全なる資格を手にしたかッ!」

ほむら「ところで、あなたもでてきたらどうなの…カーズコ!」

ピカァァ

パカァァァァァ

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

カーズコ「……」

まどか「眩しいっ……!」

さやか「暗闇だから余計にそう感じてしまうっ!」

217: 2012/05/14(月) 05:40:33.78 ID:uCpici7K0
カーズコ「エイジャの赤石を渡しなさい」

和子「……ここにはないわ」

詢子「和子が二人いるみたいで気味悪いね……」

カーズコ「そうでしょうね……わざわざ敵陣に持ってくるやつはいない…だが持って来て貰おうッ!さもなくばあなた達を頃した後で周りの人間も頃してあげるわッ!」

和子「あら、私達を殺せると思ってるのかしら」

カーズコ「しかしここから数人の吸血魔女を貴様らに邪魔されぬよう外に出すこともまた容易ッ!」

詢子「嘘は言ってないようだよ和子……使い魔どもに壁になって邪魔されれば数匹の魔女が逃げるのには十分すぎる時間だッ」

まどか「先生、ここは持ってきた方がいいんじゃぁ」

和子「ッ!」バッ

ほむら「それはエイジャの赤石ッ!しっかり持ってきていたんですねッ!!」

218: 2012/05/14(月) 05:49:04.17 ID:uCpici7K0
カーズコ「フンッ」ニヤリ

カーズコ「そいつを奪うのよッ!そうすれば私達の勝ちよッ!」

ホムウ「お待ちをカーズコ様!暁美ほむらと私との闘いはまだ……どうか今一度チャンスをッ」

カーズコ「ならん!もはや目の前にあるエイジャを手に入れるのみ!」

ホムウ「ムウ……」

和子「仕方ないわね……私がカーズコの相手をするから、暁美さんはホムウの相手を」

和子「他の三人は吸血魔女たちでいい?」

さやか「了解です!」

まどか「こっちは任せてほむらちゃん!」

ほむら「えぇ……決着を付けてやるッ!」

230: 2012/05/14(月) 08:37:16.23 ID:uCpici7K0
詢子「ちょぉっと待ったぁぁぁ!」

まどか「ママ…?」

詢子「せっかく一対一の勝負がしたいっつってんのにさぁ、それをやらせないってのは酷いんじゃぁないのぉ?」

カーズコ「人間風情がこの私に指図するつもり?」ゴゴゴゴゴゴ

詢子「おー怖い怖い…怒ったところは和子そっくりだねぇ……ほむらちゃん、銃を持ってるよね?」

ほむら「え…えぇ……あるわ……」

詢子「そいつでエイジャを撃つんだ」ドドドドドド

ほむら「エイジャを…ッ!!」

カーズコ「おのれ鹿目詢子ッ!どういうつもりかッ!」

詢子「このまま多勢に無勢で襲われたんじゃぁひょっとしたら負けちまうかもしれないだろぉ?そうなったらさぁ、あたしらの面目丸つぶれなわけよ」

詢子「だったらいっそ、敵の手に渡るくらいなら自分たちでぶっ壊しちまおうかなってさぁ」ゴゴゴゴゴゴゴ

カーズコ「ヌウ……」

詢子「どうすんだい……こちとらエイジャを撃つのに1秒とかからないんだよ……」

詢子「一対一の勝負、認めてやったらどうなのさ…?」ゴゴゴゴゴゴゴ

232: 2012/05/14(月) 08:46:49.30 ID:uCpici7K0
カーズコ「……いいだろう、敢えて貴様らの挑発に乗ってやる!」

詢子「そうこなくっちゃね!」

ホムウ「フッ……」

カーズコ「ホムウ!」

ホムウ「失笑でしたカーズコ様」

詢子「頑張りなよほむらちゃん!勝てる自信、ある?」

ほむら「アリアリアリアリアリーヴェデルチよ」ファサァッ

まどか「それ使い方間違ってないかな?」

カーズコ「ホムウ!決闘には時と場所が必要!希望を言いなさい!」

ホムウ「今宵……日付が変わる時!場所はこの結界内にある古代環状列石≪サークルストーン≫の間!」

233: 2012/05/14(月) 08:58:32.36 ID:uCpici7K0
カーズコ「古式にのっとった作法で戦いたいというね……」

和子「日付が変わるまではまだまだ時間があるわね」

カーズコ「好きに過ごすがいい…ただし早乙女和子!貴様はエイジャを持ってこの場に残れ!逃げ出さんようになッ!」

和子「そりゃそうか…当然の要求よね……」

詢子「和子、あたしは一旦外に出てくる……ここのこと頼んだよ」

和子「任せなさいな!」

ほむら「私も残ります」

まどか「私も」

さやか「じゃああたしも!」

詢子「よし!それとさほむらちゃん、一応言っとくんだけど……」

詢子「赤石を破壊したらなお!なお奴らを倒せなくなるって言い伝えがあるんだ……だから本当に破壊しちゃだめだかんな?」ヒソヒソ

ほむら「……分かりました」

235: 2012/05/14(月) 09:07:57.10 ID:uCpici7K0
時は過ぎ!日付が変わる少し前!

一行は古代環状列石に来ていた!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

さやか「なっ…何この地響きは!」

ホムウ「来たか!」

ドドドドドドドドド

VAAHOOOOOOOOO

ほむら「あれはッ!あの象はッ!ワルプルギスの夜の使い魔と思われる象なのではッ!!」

カーズコ「そう!あれはワルプルギスの象であるッ!もっとも、石仮面を使って吸血象にしてあるけどねぇぇ~~~」

ほむら「吸血象ですってェ~~」

カーズコ「これよりほむら対ホムウの一対一の古式にのっとった『戦車戦』を実施するわッ!」

236: 2012/05/14(月) 09:14:24.88 ID:uCpici7K0
カーズコ「この戦車に乗り闘技場を戦いながら走り続けるッ!どちらかが戦闘不能になったら勝負が決まるッ!ゴールは氏のみ!古代ローマの戦車ですマッチッ!」

さやか「待てこらぁぁ~~~!吸血象ってことはあんたらの手下じゃないのよぉ~~ッ!こっちが不利じゃん!」

ホムウ「心配しなくても、手綱は波紋が通るようになっているから波紋で操ることができる」

さやか「本当かよぉ……」

ほむら「……」スッ

まどか「ほむらちゃん危ないよ!」

バチバチィ

ほむら「確かに通るわね…軽い波紋で操れそうだし負担もそんなにないわ」

\ワーワー/ \ワーワー/

ズォォオォン

カーズコ「ホムウ……古式のっとった戦闘装束か」

ほむら「どう見ても体操服じゃない」

241: 2012/05/14(月) 09:24:58.91 ID:uCpici7K0
ほむら「ホムウ……あなたには杏子をやられた借りがあったわね…今!ここで返すわッ!」

ホムウ「フンッ…ひとつ教えておいてあげる!第一コーナーの柱にはトラックを一周するごとに武器がかけられる」

ほむら「武器?」

ホムウ「一週目は…ティロ用大型キャノン!」

ほむら「ううっ……!」

ほむら(あんな大きくて使いにくそうなものを使えというの……いえ、普段なら便利なんでしょうけど、この勝負は揺れる戦車の上ッ!圧倒的に使い勝手が悪いッ!)

ほむら(しかし、うまくいけば停車して狙うことも可能かもしれない……狙う価値はあるッ!)

ホムウ「ナイスファイトに期待しているわよ……ほむら」

ほむら「……」

242: 2012/05/14(月) 09:30:38.11 ID:uCpici7K0
カーズコ「もうすぐ日付が変わる」

和子「それが始まりの合図」

ドドドドドドドド

ほむら(ワルプルギスの夜が来る前だったかしら……まどかが言っていた)

ほむら(明日頑張ろう、と)

カーズコ「スタート!!」

ほむら(明日っていまさッ!)

カチリッ

ほむら「どうせ時を戻しても毒で氏んでしまう……だから残っていた砂時計ありったけを使って時間を止め距離を離す!」

ほむら「そしてッ!キャノンは頂くわッ!」ガシィィ

カチリッ

243: 2012/05/14(月) 09:35:41.35 ID:uCpici7K0
ドドドドドドド

ホムウ「ヌウ!いつの間に!!」

カーズコ「時を止めたかッ!」

さやか「やりやがったなぁほむらのやつ!」

ほむら「残念だけど、一撃で決めさせてもらうわ……吸血象は停止させッ!すでに私は走ってくるあなたに狙いを定めているッ!」

ほむら「くらえええーーーっ!波紋を込めたティロ・フィナーレをーーーっ!!!」

ボシュゥゥーーン

ホムウ「MMMMMOOOOOOOOHHH」

ドッギャーーン

まどか「早い!なんてスピーディな決着っ!」

さやか「ホムウは象の半身と一緒に吹き飛んでるッ!!」

245: 2012/05/14(月) 09:42:38.83 ID:uCpici7K0
ほむら「姿が見えない……これで終わり…?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ほむら「ホムウの吸血象が近づいてくる……ハッ!そうだったっ!奴らはッ!生き物の中に体を埋めることができるんだったわ!」

ズズズズズ

ホムウ「……」スゥッ

さやか「象の半身からホムウが現れただってぇ!?」

ほむら「そしてまずいっ!この距離ではかわせないッ!」

ホムウ「闘技!ホム砂嵐!」

グゥォオオオオオォ

ドグァーーーッ

ドシァッ

和子「暁美さん!」

カーズコ「ふん、他愛ない……」

246: 2012/05/14(月) 09:51:19.35 ID:uCpici7K0
カーズコ「これで終わった……エイジャの赤石を頂くぞ」

和子「終わったですって?よく見なさい」

まどか「ああっ!ホムウちゃんの腕がボロボロだよッ!」

さやか「しかもなんかうわ言のように呟いてる!」

ホムウ「ワタシナンカシンジャエバイインダー……ナマエマケシテマスー……」ブツブツ

カーズコ「なんですって!?一体なぜッ!……そういえばキャノンは!奴が持っていたキャノンはどこにいったのッ!」

ほむら「ま…またまたやらせていただいたわァん!マミのキャノンは本来リボンの魔法だったことを知らなかったのかしら?」

カーズコ「まさか……ッ!」

ほむら「キャノンをリボンの状態に戻してホムウの腕に絡みつけ波紋を流し……ホム砂嵐の威力を封じたのよ」

ホムウ「シンジャエバインダー……」ブツブツ

247: 2012/05/14(月) 09:57:33.79 ID:uCpici7K0
ほむら「トラックを一周するまでもなかったわね!ここでとどめをさしてあげるわ!」スッ

突然だが、一流のスポーツ選手には「スイッチング・ウィンバック」と呼ばれる精神回復方法がある!

選手が絶対的なピンチに追い込まれた時、それまでの経過のショックや恐怖を心の隅においやり闘志だけを引き出す方法である

その時選手は心のスイッチを入れ替えるため儀式を行う

「ユニフォームを変える」「深呼吸をする」

ホムウのスイッチはッ――

まどか「ホムウちゃんが……ホムウちゃんが…!」

さやか「な…なんだぁ~~!何やってんのあいつぅ!」

ホムウ「……」バーーン

和子「ホムウが……眼鏡を外して髪をほどいたァ~~~~!」

249: 2012/05/14(月) 10:11:29.79 ID:uCpici7K0
ほむら「……」

ホムウ「これで条件はあなたと同じ…!な…なまじ視力に頼っていたから虚を突かれた!」

ホムウ「これからは『風』だけを感じてものを見るわ!」

ほむら「……」

ホムウ「……」

ほむら「ところでこれ、吸血象が走行不能になったらどうするの?」

ホムウ「復活を待つのみッ!」

ほむら「……私にはまだ波紋を使った『クラッカーマシンガン』とかあるけど、今……今ぶち込んでも!構わないのよね…?」ゴゴゴゴゴゴ

ホムウ「……ど…ドンパチですかーッ!?」

ほむら「YES! YES! YES! "OH MY GOD"」

ほむら「ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラーーッ!」ドガガガガガガガガガ

ほむら「ボラーレヴィーア(飛んで行きな)」

250: 2012/05/14(月) 10:20:08.00 ID:uCpici7K0
グシュァァァ

ホムウ「ううっ……あぁ……」シューシュー

ほむら「ハァハァ……自分自身を撃つというのは…結構嫌なものね……」

ホムウ「ほむら……決着が…ついてしまったわね……」シュー

ほむら「そうね」

ホムウ「佐倉杏子の……仇は取れたかしら……」

ほむら「えぇ」

ホムウ「……やってちょうだい」

ほむら「そうね……私は魔女に情けをかけない。ひと思いにとどめをさしてあげる」

ホムウ「良かったわね……まどか、を…救えて……」

グォォォォォォ

バチィィッ

シュー

ほむら「……」

252: 2012/05/14(月) 10:30:37.49 ID:uCpici7K0
カーズコ「くっ……ホムウは!甘かったのだッ!爪がッ!!」

シュッ

シャキィーーン

カーズコ「残るはこのカーズコのみ!だがッ!頂点に立つのは常に一人!」バーーン

和子「光る教鞭を武器にするのね」

カーズコ「このカーズコは流法は『光』!輝彩滑刀の流法!!」シャキィン

和子「私が相手をしてあげるわ……一対一でね」

まどか「先生!私達も戦います!」

さやか「そうっすよぉ!そんなルールは取り決めてなかったんですから!」

和子「いいえ駄目です!ホムウとの対決を一対一にした以上、カーズコとも一対一で蹴りをつけます」

カーズコ「……フン、阿呆め」

253: 2012/05/14(月) 10:44:12.78 ID:uCpici7K0
ほむら「ハァ…ハァ……」

まどか「ほむらちゃん…今から先生が勝負するんだって」

ほむら「そう……」

ほむら(カーズコ……奴だけは三人の中でも異彩を放っていた……早乙女先生で大丈夫なのかしら)

早乙女「姿形は私と同じでも、中身は全然似てないわね」

カーズコ「そうね……どうやら武器もあなたと私の物では全く質が違うようね」

早乙女「同じ教鞭を持って置いて……何が違うというのッ!」ダッ

カーズコ「無駄無駄ァ!」ブゥゥゥゥン

早乙女「ハッ!」

早乙女(ただ光っているだけかと思ったけど……よく見るとッ!よく聞くとッ!)

早乙女「教鞭に付いているサメの歯の様な形の細かい微小な、しかも鋭いツメが教鞭を走っていたのだッ!!」

ズバァァァ

255: 2012/05/14(月) 10:57:22.17 ID:uCpici7K0
まどか「早乙女先生!」

早乙女「は…発想のスケールで……負けた……」

ブッシャァァァーーッ

カーズコ「フン……こんな奴が貴様らの師とは笑止!」

ほむら「まさかっ!早乙女先生が一撃で…!?」

カーズコ「ご丁寧にエイジャの赤石を持ってきてくれるとは……赤石は手に入れたッ!あとは貴様ら波紋の一族と戦士を滅するのみ!」

さやか「うっ……こいつぁやばいよ!」

まどか「先生が勝てなかった相手……でも、やるしかない!ここで負けるわけにはいかないよッ!」

ほむら「絶ぇぇぇぇぇぇ対にぃぃぃぃぃ!!負けないッ!!!」

256: 2012/05/14(月) 11:08:30.69 ID:uCpici7K0
吸血魔女「WWWRYYYYYY」

さやか「波紋疾走ッ!」バチィィ

まどか「どいてッ!」バチバチィ

カーズコ「おぉぉっとぉぉ~~~ッ!近付くんじゃぁないわッ!それ以上近付くとこいつがどうなってもいいのかしらぁ?」シャキィィン

ほむら「卑怯なッ!」

カーズコ「卑怯~~~っ??卑怯だとぉぉ~~~ッ!私の目的はエイジャの赤石で『究極魔女』になること!」

カーズコ「どんな手を使おうが……最終的に……勝てばよかろうなのだァァァァッ!!!」

カーズコ「こいつはほとんど氏んでいる…だがちょっぴり生きている……あえてそうしたのは『駒』だからよッ!」

カーズコ「ウィンウィンウィンウィン」スル スルスル

ほむら「余裕を噛まして……」ギリッ

カーズコ「さあ終わりよッ!」

257: 2012/05/14(月) 11:19:40.33 ID:uCpici7K0
グォォォォ ピッカーーッ

カーズコ「ヌヌウ!これはッ!太陽の光ッ!?一体なぜェェ!!!」

まどか「今は夜のはずなのに…!こ…この光はッ!?」

キュィィィィン

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

さやか「その顔はッ!マミさんッ!!」

マミ「YES I AM」チッ♪チッ♪

杏子「あたしもいるぞ!」

仁美「私達志筑財団もいますわ」

まどか「みんな来てくれたんだねっ!」

259: 2012/05/14(月) 11:37:22.10 ID:uCpici7K0
マミ「本当は時間をかければ治るんだけど……今はこの脅威を破るためにあえてこの姿で挑ませてもらうわ!」

マミ「体内に仕込んだ紫外線照射装置ッ!」

マミ「ティロ・ウルトラヴィオレット!!!」ピッカーーーッ

吸血魔女「GGIIIIIYAAAAAAAA!!!」

カーズコ「おのれェェ~~~ッ!小癪な真似をッ!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

カーズコ「ハッ!」

ほむら「もう終わりにしましょうカーズコ……」

まどか「あなた達は確かに強い……でもね、人間はもっと強いんだよ」

カーズコ「こぉのぉぉ――ッ!ノミと同類の分際でェェッ!」ブァァァァ

さやか「ノミと同類…?」バチィッ

ほむら「巨大な敵に立ち向かう姿は似ているかもしれないけど、ノミ達のは『勇気』とは呼べないわッ!」

まどか「『勇気』とは『怖さ』を知ることッ!人間讃歌は『勇気』の讃歌ッ!人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさだよッ!」

ほむら「魔法少女はQBに人間じゃぁないと言われていたけどね……『勇気』ある限り私達は人間なのよッ!!」

260: 2012/05/14(月) 11:44:08.61 ID:uCpici7K0
カーズコ「どちらでも同じことッ!私たち超生物に叶うはずがないッ!」ゴァァァァ

カーズコ「SSHHAAAAAAAA」ギャン

ほむら「くらえっ!」

まどほむさや「波紋疾走ッ!!!」

バッキィィーーン

ドッギュァーーン

カーズコ「BAAHHHHHHHHH!!!」ボッシュシュシュ

ドッジャーーン

ほむら「やった…波紋を流し込んでやったわ……!」

さやか「ざまぁみろぉーっ!」

まどか「さようなら、カーズコ先生……」

262: 2012/05/14(月) 11:51:54.01 ID:uCpici7K0
ドドドドドドドドドドド

ほむら「これで…全部終わったのね……」

まどか「うん……石仮面と波紋の一族の因縁は、ここで終わりにしよう」

さやか「……あれ?そういえば赤石と石仮面は?」キョロキョロ

まどか「えっ?どこだろう?」

ほむら(何かしらこの胸騒ぎ……嫌な予感がする……ッ!)

マミ「みんな大丈夫!?あとはこの紫外線照射装置でいっきに決めさせてもらうわよッ!」チュィィィン

杏子「ったく、おいしいとこ持っていきやがって」

マミ「ティロ・ウルトラヴィオレットッ!!!」ピッカーーーッ

クルゥゥゥ

ほむら「ハッ!!しまったッ!カーズコは赤石を嵌めた石仮面をッ!既に被っているゥゥッ!!!」

マミ「なっ!何ですってェェェ~~~ッ!?」

シュゴォォォォーー 

ガシャァァン

ギャワォォォォォォォォ

264: 2012/05/14(月) 11:55:57.64 ID:uCpici7K0
ボロ…ボロ…

さやか「た、たた立ちあがったァーーッ!!」

ほむら「うっ!うろたえるんじゃぁないわッ!魔法少女はうろたえないッ!」

さやか「いやあたし違う!」

シュゥゥゥゥゥ

カーズコ「……」

杏子「何がどうなってやがるんだ……あいつはどうなっちまったんだ!」

ピッ

まどか「太陽が…昇るッ!」

さやか「じゃあこれであいつは消えるッ!?」

266: 2012/05/14(月) 12:03:47.28 ID:uCpici7K0
ブァァァァァァ

バァァァーーーン

ほむら「あっ…あぁぁっ……太陽の中にいるのに……消えないッ!カーズコにもはや太陽のエネルギー…波紋は効かないわッ!!」

マミ「まさかっ…本当に……『究極の魔女』≪アルティメット・ウィッチイング≫カーズコの誕生なのーっ!?」

マミ「私が赤石の石仮面に気付いていれば……」

ほむら「奴は最後まで石仮面を隠していた……し、仕方のないことと言えば仕方のないことかもしれないけど……」

杏子「あぁっ!だがしかしッ!今回はうっかりじゃぁ済まないッ!ワルプルギスどころじゃねぇとんでもない魔女が生まれちまったッ!」

さやか「でも、一体何が変わったんだろう?」

まどか「み、見て!腕が変化していくよッ!」

モコモコモコ

グニョォォーーン

ほむら「あれはマミが食べられそうになった魔女…!腕から魔女を生やしているッ!」

杏子「あいつは…きっと全部の魔女になれちまうんだ……ワルプルギスにだってなんにだってなっちまう……」

267: 2012/05/14(月) 12:13:23.32 ID:uCpici7K0
まどか「全ての魔女……」

カーズコ「フン!もはや魔法少女も波紋の一族も恐るるに足らないわ!」

ほむら「こんなのもう、どうしようもないじゃない……せっかくワルプルギスを倒して、全部終わると思ったのに……」

ほむら「もうっ!もう帰ることさえできないのにっ!」

まどか「全ての魔女を消し去るには……」

「次にまどかは『QB私契約するよ』と言う……」

まどか「QB私契約する――ハッ!」

QB「その言葉が……聞きたかったよまどかッ!!」バァァァン

ほむら「インキュベェェタァァァーーーッ!!この期に及んでッ!まだ私を邪魔するというのかぁッ!」

QB「そうかな?もはやカーズコを倒すには波紋だけでなく最強の魔法少女の力を持ったまどかは必須だと思うけどね」

カーズコ「無駄無駄無駄ァ!何者にも私を倒すことはできないわ!!」

QB「さあまどか!願い事を言え!叶えてやろう!Hail 2 U!」

ほむら「だめェェェェェェェ~~~~~ッ!!!」

269: 2012/05/14(月) 12:20:38.09 ID:uCpici7K0
まどか「全ての魔女を生まれる前に消し去る……」

まどか「カーズコ先生がッ!」

ほむら「へっ?」

カーズコ「なにィ?」

QB「……君の願いはエントロピーを凌駕したッ!Hail 2 U!」

ブワアァァァァァァァァ

パァァァァァァァァ

カーズコ「無駄な足掻きをォォ――ッ!契約完了する前に吹っ飛ばしてやるッ!」ゴァァァ

カッ

270: 2012/05/14(月) 12:23:48.97 ID:uCpici7K0
カーズコ「……?」

カーズコ「ここはどこなの…?」

カーズコ「ムッ!そこにいるのは誰ッ!」バッ

少女「うっ……」

カーズコ「血まみれの少女……」

少女「ありがとう……迎えに来てくれたのね」

カーズコ「何の話をして――ハッ!!」

カーズコ「私の体にッ!体の中に入り込んでくるッ!!こいつの魔女がッ!」

カーズコ「OGOOOAAAAHHHHHHH!!!!」

カッ

271: 2012/05/14(月) 12:26:25.49 ID:uCpici7K0
カーズコ「ハッ!」

カーズコ「……またしても少女の前」

少女「終わるんだ……」

カーズコ「うぐっ!まただわッ!またしても魔女が入りこんでくるッ!!」

カーズコ「しかもこいつが今まで受けてきた呪いをッ!苦しみをッ!!全て一緒にッ!!」

カーズコ「BAAAHHHHHAAAAAAAAA!!!!」

カッ

273: 2012/05/14(月) 12:31:05.15 ID:uCpici7K0
カーズコ「うっ…!」

カーズコ「やはり少女の前…!」

カーズコ「まさか鹿目まどかの願いとは……!」

カーズコ「全ての魔女が生まれる前に私の中に閉じ込めることッ!その者の呪いと一緒にッ!!」

カーズコ「究極の魔女とは……究極の魔女とはッ!全ての魔女になれる……」

カーズコ「逆にいえばッ!未来永劫生まれてくる魔法少女のために魔女をッ!呪いを吸収し続けなければならないッ!」

少女「あぁっ……」

カーズコ「わ、私は何回呪いを受ければいいの!?次はど…どんな呪いを……私は…私は……」

カーズコ「私のそばに寄るなあ―――――ッ!!」

275: 2012/05/14(月) 12:40:28.99 ID:uCpici7K0
一年後

さやか「恭介、行っちゃうんだね」

恭介「あぁ、もしかしたら治るかもしれないってところが見つかったんだ……そこに賭けてみようと思う」

さやか「これであたしの波紋もいらなくなるねッ!良かった良かった」

恭介「うーん……ちょっと残念かもね」

さやか「へっ?」

恭介「もう波紋は必要なくなるかもしれないけど……これからも支えてほしいかなあとか思ってたり……」ポリポリ

さやか「そ、それって――」

恭介「この手術がうまくいったら、僕と付き合ってくれないかな…?」

さやか「……ばかッ!それじゃあ映画とかで怪物に食べられちゃうパターンと一緒みたいじゃんかッ!」ポカッ

恭介「うっ…ごめん……」

さやか「……絶対よくなるよ。いってらっしゃい」

恭介「いってきます」

276: 2012/05/14(月) 12:44:27.24 ID:uCpici7K0
マミ「杏子ーっ、いないのー?」キョロキョロ

マミ「もうっ、出掛けるんならお遣い頼もうと思ったのに……」

マミ「今日の晩御飯は杏子の好きなものにしようと思ったのになぁ」

杏子「なんだってェェェ~~~ッ!」バッ

マミ「……」

杏子「……」

マミ「どこに隠れてたのかしら?」

杏子「オーッノーッ!勘弁してくれよマミ!一緒に暮らしてるからってそんなにこき使うなよぉ~」

マミ「これくらい普通です!お願いね」ニコッ

杏子「チッ……」

マミ「いってらっしゃい」

杏子「いってきます」

277: 2012/05/14(月) 12:49:32.50 ID:uCpici7K0
魔獣「WWWRRREEEEEYYYYYYYYYY」

まどか「そっちいったよほむらちゃん!」

ほむら「任せてッ!」

ほむら「波紋疾走ッ!」バチィィ

魔獣「ANNGYAAAAAAAA」

まどか「波紋を練り込んだ魔法の矢ッ!桃色≪ローズピンク≫のフィニトラ・フレティアッ!」ヒュッ

ボッシャァァァ

まどか「今回は楽な相手だったね」

ほむら「まどかがいれば大抵の魔獣は楽な相手になってしまうわ」

まどか「もう、褒めても何も出ないよ?」

QB「やあ二人とも、グリーフキューブはあるかい?」

ほむら「かっ喰らってなさいッ!」ポイッ

279: 2012/05/14(月) 12:55:54.98 ID:uCpici7K0
QB「あれから一年か……」

ほむら「まどかがカーズコを円環の理という概念にしてもうそんなに経つのね」

まどか「本当は私がやるべきことだったのかもしれないけど……」

ほむら「いいのよまどか、吐き毛を催す『邪悪』にはこれくらいでも生ぬるいわ」

QB「魔法少女は魔女になる前にカーズコがやってきて導いていく……」

QB「おかげでエネルギー回収ノルマは全然見通しが立たなくなったよ」

ほむら「あんたも『邪悪』側の生き物なんだからちょうどいいわ」

QB「はいはい……インキュベーターはクールに去るよ」スタスタ

まどか「魔法少女と受験勉強…両方頑張らなくちゃならないってのが受験生の辛いところだよねぇ」

まどか「覚悟はできてる?私はできたよ!」

ほむら「当然」

280: 2012/05/14(月) 13:06:59.86 ID:uCpici7K0
ほむら(いつか私の前にもカーズコが現れるのだろう……当然まどかにも)

ほむら(その時あいつはどんな顔をしているだろうか?)

ほむら(でも今はそんなことはどうでもいい)

ほむら(ようやく手に入れた幸せを受け止めていきたい)

ほむら(私達は魔法少女……でもその前に)

ほむら(一人の『人間』なのだ)

ほむら(人間讃歌をこの胸に……『正義』の輝きの中にあるという『黄金の精神』を……)

ほむら(伝えていきたいと思う)


魔法少女まどか☆まどか 完

282: 2012/05/14(月) 13:10:02.62 ID:uCpici7K0
疲れた
スレタイと柱組の名前しか考えてなかったから最後の方めちゃくちゃだけど許して
エシヅキ放ったらかしだけどまあいいか

それから二回もスレ落としてごめん&保守してくれてありがとう
グラッツェ!

285: 2012/05/14(月) 13:19:06.55 ID:uCpici7K0
やべーほむらにホムウの薬飲ませるの忘れてた
あの後すぐ飲んだってことで脳内保管しといておくれ

281: 2012/05/14(月) 13:09:59.59
乙乙。三部しか読んだことなかったけどこれで二部がよくわかった

286: 2012/05/14(月) 13:21:31.72
まったくとんだうっかりだぜ乙乙

287: 2012/05/14(月) 13:21:44.53
ジョジョしか知らない俺でも楽しめたよ

乙!


引用元: ほむら「ホムウッ!」