1: 2015/11/29(日) 09:33:56.220 ID:0kU1GZ5yM
まどか「先生・・・そんなのってないよ ひどすぎるよ・・・」

さやか「そーだよせんせー マミハラだよ!」

ほむら「愚かね・・・早乙女和子」

    「そのデリカシーのなさが 男を逃す最大の原因となっているのに どうしてあなたは気が付かないの?」

    「延々と 惚気と愚痴を交互に聞かされる私の身にもなってちょうだい・・・いい加減にして!」

和子 「え? え?」




マミ (あなたたちの優しさが辛い・・・)

3: 2015/11/29(日) 09:35:14.851
杏子「アタシは?」

4: 2015/11/29(日) 09:36:08.133 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「・・・なーマミ あたしと組むか?」

さやか「ちょっと杏子! あんた あたしの目の前で 他の女口説こうっての!?」

杏子 「なに言ってんだ? オメーはまどかと組めばいーじゃねーか」

ほむら「待ちなさい 佐倉杏子」

    「まどかは私と組む事が 既に決まっているのよ」

まどか「へ? そうなの?」

ほむら「ええ」

まどか(いったい いつの間に・・・)

7: 2015/11/29(日) 09:38:08.260 ID:0kU1GZ5yM
ほむら「まどかとほむら・・・」

    「それはもう 宇宙が何回書き換えられても 変わる事のない真理なのよ」

まどか「えっと・・・そうなんだ」

ほむら「ええ」

    「だから あなたたちの痴話喧嘩に 私達を巻き込まないでちょうだい」

9: 2015/11/29(日) 09:40:11.127 ID:0kU1GZ5yM
さやか「だーれが痴話喧嘩してんのよ! 浮気者に釘を挿してただけじゃない!!」

ほむら「それを痴話喧嘩っていうのよ」

さやか「なんだとー!」

マミ 「やめてみんな! 私の為に 争わないで!!」

まどか「うわあ・・・場の空気を全く読まない素敵な発言・・・カッコイイですマミさん!」

杏子 (あー うんまい棒うめー)モグモグ

和子 「ちょ ちょっと皆さん! 落ち着いて!」

    「それと佐倉さん 授業中にお菓子を食べるんじゃありません!」

10: 2015/11/29(日) 09:42:21.288 ID:0kU1GZ5yM
ほむら「それで 何故こうなるのかしら?」

杏子 「しょうがねえだろ まどかがマミと組むって言うんだから」

ほむら「杏子・・・それなら あなたが巴さんとペアになるって まどかに進言すべきじゃないの?」

杏子 「いや・・・何か さやかがヤキモチ焼いてて怖いし」

ほむら「横暴な飼い主に苦労している あなたの立場には同情するわ」

杏子 「誰が飼い主だよ!?」

ほむら「もちろん 美樹さやかよ」

13: 2015/11/29(日) 09:45:31.356 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「あのなあ・・・さやかン家には 居候させて貰ってるだけだっての」

    「おかしな邪推すんなよ」

ほむら「あら・・・似たようなものじゃないかしら?」

杏子 「やけに突っかかるね・・・」

ほむら「当然よ せっかくまどかと一緒に 至福の時を過ごせると思っていたのに・・・」

杏子 「至福って・・・学年合同の 栗拾いじゃねえか」

15: 2015/11/29(日) 09:47:33.211 ID:0kU1GZ5yM
ほむら「ふう・・・分かってないわね」

    「まどかと共にする事なら 何だっていいの」

    「あの子と同じ時間を過ごせる事が 私にとっては最高の幸せよ」

杏子 「・・・まあいいじゃんか もう決まった事なんだし・・・今回はあたしで我慢しなよ」

    「それに・・・あたしはアンタの事キライじゃないぜ」

ほむら「奇遇ね・・・私もよ」

杏子 「・・・」

17: 2015/11/29(日) 09:49:15.540 ID:0kU1GZ5yM
ほむら「なによ?」

杏子 「いや・・・あんたがそんな事言うのは珍しいからさ」

ほむら「そうだったかしら?」

杏子 「んー まあいいや そんじゃあ行こうぜ」

ほむら「ええ」

18: 2015/11/29(日) 09:51:08.686 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「それにしても 栗拾いなんて久し振りだなー 懐かしい・・・」

    「ほむら・・・あんたはどうだい?」

ほむら「私は・・・体が弱くて あまりこういった事には縁がなかったわ」

杏子 「そっか・・・じゃあ今日は楽しめるといいな」

ほむら「そうね」

20: 2015/11/29(日) 09:53:12.137 ID:0kU1GZ5yM
ほむら「・・・それにしても 随分大量に落ちているわね」

    「杏子・・・これを全部拾うの?」

杏子 「いや そんな訳ねえだろ」

    「こんだけいっぱい落ちてても マトモに喰えるのはごく一部だよ」

    「なるべく大ぶりで 痛みの少ないのを探すんだ・・・ほれ こんなのとか」

22: 2015/11/29(日) 09:55:09.427 ID:0kU1GZ5yM
ほむら「やけに手慣れてるわね」

杏子 「まあ 昔はよくやってたからな」

ほむら「・・・栗拾いを?」

杏子 「栗拾いってか 喰えるモノ全般かな」

ほむら(・・・そういえば杏子の家族は 彼女が幼い頃に・・・)

23: 2015/11/29(日) 09:57:10.772 ID:0kU1GZ5yM
ほむら「ごめんなさい・・・嫌なことを思い出させたかしら?」

杏子 「何だよイキナリ?・・・いいって もう吹っ切れてるさ」

ほむら「そう・・・あなたは強いのね」

ほむら(私は まどかを失った事に 耐えられなかった・・・)

24: 2015/11/29(日) 09:59:11.562 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「強いって・・・普通だろ?」

ほむら「そうかしら?」

杏子 「だって 考えてもみろよ・・・普通に生きてれば 大抵は自分の親と氏に別れるんだ」

    「あたしは それが早かっただけだよ」

ほむら「・・・でも」

25: 2015/11/29(日) 10:01:12.030 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「例えばさ・・・親と氏に別れた子供がいたとするだろ?」

    「最初のうちは 悲しんで泣き喚くかもしれない」

    「それこそ 朝から晩まで一日中・・・でも そんな長くは続かないもんさ」

    「いつかは泣き疲れて眠くなる・・・お腹だって空くしな」

27: 2015/11/29(日) 10:02:21.332 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「生きていく為には いつまでも 悲しんでばかりはいられないんだよ」

    「やがて そうやって日々を暮らしているうちに 子供だって理解する」

    「氏んだ人は 生き返る事はないってな・・・」

    「悲しみは消えないけど 折り合いを付けて 乗り越えるしかないんだ」

28: 2015/11/29(日) 10:04:10.822 ID:0kU1GZ5yM
ほむら「・・・それは あなたの実体験?」

杏子 「さあね 御想像にお任せするよ」




    「・・・なあ ほむら」

    「もし本当に 神様ってのが居たとして・・・ソイツは人間を 苦しめ悲しませる為だけに 造ったと思うか?」

ほむら「・・・」

29: 2015/11/29(日) 10:06:08.711 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「あたしは そうは思わない」

    「希望と絶望は差し引きゼロ・・・それが世の理かもしれないけど それだけじゃない気がするんだ」

ほむら(・・・それは ヒトの歴史を紡いできた 魔法少女達の祈り・・・)

    (それを 守りたいと願った まどかの思い・・・)

30: 2015/11/29(日) 10:08:10.320 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「悪い・・・つまんない話しちゃったね」

ほむら「いえ そんな事はないわ・・・ねえ杏子 今度一緒にラーメン屋に行きましょうか?」

    「風見野に 美味しい店があるんでしょう?」

杏子 「なあ・・・あたしって あんたにその話したっけ?」

ほむら「さあ どうだったかしら? 直接聞いた事は 無いかもしれないわね」




    「じゃあ そろそろ戻りましょうか?」

杏子 「・・・ああ うん」

31: 2015/11/29(日) 10:10:35.654 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「あらあら 凄く沢山落ちているわね・・・」

まどか「素敵・・・さすが 豊かな緑あふれる 自然の国グンマー」

マミ  「ふふっ なあに鹿目さん? まるで地元の観光協会みたいよ」

まどか「えっと 地道な広報活動です」

    「こうやって地元の良さをアピールしてれば 地域企業からタイアップ企画が来るかもしれないじゃないですか」

    「そうしてスポンサーを募っていけば いつか続編に繋がるんじゃないかと思って・・・」

    「私達の活躍を心待ちにしてくれてる ちっちゃい子にも早く朗報を届けたいですから」

マミ (・・・小さなお子様は このアニメは見ないんじゃないかしら?)

   (いえ むしろ子供の目に入ったら 親御さんから苦情が入るわ・・・)

32: 2015/11/29(日) 10:12:16.968 ID:0kU1GZ5yM
まどか「私・・・焼きまんじゅうとかと コラボしてみたいです!」

マミ 「ちょっと鹿目さん なんでそんな際どいラインを攻めるの?」

   「せめて 蒟蒻畑ぐらいにしておきなさい」

まどか「ええっ!? 焼きまんじゅう美味しいじゃないですか!」

マミ 「でもアレは 若い子に流行るような食べ物じゃないでしょ」

まどか「そっかー ざんねん・・・」

33: 2015/11/29(日) 10:14:12.465 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「それにしても 街中でこんな栗拾いが出来るだなんて・・・」

   「さすが『関東の秘境』と言われるだけはあるわね」

   「正直・・・群馬って北関東を名乗るには力不足よね」

   「甲信越群って区分にした方が しっくりくるんじゃないかしら?」

34: 2015/11/29(日) 10:16:10.298 ID:0kU1GZ5yM
まどか「マミさん・・・そんな事言ってると スポンサーが逃げて行っちゃいますよ」

マミ 「あらいけない・・・じゃあ そろそろ栗拾いを始めましょうか」

まどか「そうですね なるべく美味しそうなのを狙っていきましょう!」

35: 2015/11/29(日) 10:18:21.951 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「ふう・・・いっぱい採れたわ」

まどか「マミさん こっちもです!」

マミ 「もう これ以上には無理ね・・・じゃあ鹿目さん そろそろ戻りましょうか?」

まどか「はい!」




    「・・・ねえ マミさん」

マミ 「なあに鹿目さん?」

36: 2015/11/29(日) 10:20:09.645 ID:0kU1GZ5yM
まどか「えっと・・・今度 お菓子作りを教えて貰いたいんですけど」

マミ 「別に構わないわよ・・・でも どうしたの急に?」

   「鹿目さん・・・ひょっとして 誰か食べさせたい人でも居るの?」

まどか「ええっ!? あの その・・・」

マミ 「・・・図星?」

まどか「・・・はい」

37: 2015/11/29(日) 10:22:09.239 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「もしかして 暁美さん?」

まどか「なッ なんでほむらちゃんが出てくるんですか!?」

マミ 「他に思い付かなかったんだけど 違ったかしら?」







まどか「その・・・違わないですけど」

38: 2015/11/29(日) 10:24:11.855 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「安心して鹿目さん 別に からかったりしないから」

   「でも そういう事なら 頑張って練習しないとね」

   「私の特訓は厳しいわよ・・・ついてこれるかしら?」

まどか「はい! 頑張ります!!」

39: 2015/11/29(日) 10:26:11.838 ID:0kU1GZ5yM
さやか「おー 見なよ仁美・・・いっぱい落ちてるよ」

    「選り取り見取りって感じ?」

仁美 「まあ・・・これなら わざわざ探さなくても良さそうですわね」

さやか「よーし それじゃあいっちょやりますか!」

40: 2015/11/29(日) 10:28:08.878 ID:0kU1GZ5yM
仁美 「・・・ねえ さやかさん ちょっとお話がありますの よろしいですか?」

さやか「どしたの仁美 改まって・・・ひょっとして惚気話?」

仁美 「大事なお話なんですの 真面目に聞いて頂けますか?」

さやか「・・・分かったよ 何?」

42: 2015/11/29(日) 10:30:07.865 ID:0kU1GZ5yM
仁美 「あの日 どうして来なかったのか 理由を聞いてもよろしいですか?」

さやか「・・・ねえ仁美 その話はやめない? もう今更でしょ?」

仁美 「でも! わたくしこんな気持ちのままでは この先絶対に後悔しますわ!!」

    「本当はあの日・・・わたくしは上条君の事を諦める為に さやかさんにお話を持ちかけたんですの」

さやか「仁美・・・」

43: 2015/11/29(日) 10:32:07.126 ID:0kU1GZ5yM
仁美 「だってそうでしょう? お二人は幼馴染で 入院中もずっとさやかさんは献身的に励まし続けて・・・」

    「対するわたくしは お話すら 殆どした事がなかったんですもの」

    「でも 自分の気持ちすら伝えずに 何もしないで諦めるのは嫌だった・・・」

    「だから 上条君が退院した時に決めたんですの」

    「せめて 親友であるさやかさんにだけは 自分の気持ちを知って貰おうって・・・それなのに」

44: 2015/11/29(日) 10:34:08.724 ID:0kU1GZ5yM
さやか「ねえ仁美・・・じゃあ あたしがどう答えたら満足かな?」

    「本当は 今でも恭介に未練タラタラで 絶対に諦めきれないって言えば納得するの?」

仁美 「それは・・・」

さやか「困るよね? あんたが聞きたいのはそういう事なんだよ?」

仁美 「でも!」

さやか「ごめん・・・別に意地悪したかった訳じゃないんだ 正直な所を言うとね あたしと恭介って違うんだ」

仁美 「・・・違う?」

45: 2015/11/29(日) 10:36:08.454 ID:0kU1GZ5yM
さやか「んー なんて言ったらいいのかな・・・」

    「確かに あたしは恭介の事が好きだったけど あいつにとってのあたしはそうじゃなかったんだ」

    「大事な幼馴染としては見てくれてたし 優しくもしてくれたけど 女としては扱ってくれなかったんだ・・・笑うでしょ?」

仁美 「・・・」

46: 2015/11/29(日) 10:38:10.574 ID:0kU1GZ5yM
さやか「下手に付き合いが長かったせいかな・・・変に兄妹みたいになっちゃってさ」

    「ひょっとしたら あたしが告白する事で アイツがあたしを見る目が変わってくれたかもしれないけどね」

仁美 「だからって 何も言わずに引き下がるなんて さやかさんらしくありませんわ!」

さやか「仁美・・・恭介は優しくしてくれる?」

仁美 「なっ 何ですの急に?」

さやか「あの音楽馬鹿は 身近にいる女の子の気持ちにすら気付かない鈍感だよ・・・苦労してるんでしょ?」

仁美 「それは・・・確かにそうですけれど」

47: 2015/11/29(日) 10:40:07.579 ID:0kU1GZ5yM
さやか「あいつはさ 確かに凄いヴァイオリンの才能があるけど それ以外はてんで駄目で・・・芸術家のサガってやつ?」

    「将来 演奏家として大成出来ても 幸せな家庭を築けるビジョンが全く見えてこないんだよね」

    「悔しいけど あたしがあいつの傍にいて その人並みの幸せってヤツを 与えてやれるとは思えない」

    「でも仁美・・・あんたなら それが出来るんじゃないかな?」

仁美 「さやかさん・・・」

48: 2015/11/29(日) 10:42:08.774 ID:0kU1GZ5yM
さやか「だからさ・・・あんた達には周りの誰もが羨むぐらいに 幸せになってもらわなきゃ」

    「それで あたしを安心させてよ」

仁美 「・・・分かりました 精一杯頑張りますわ」

さやか「うん ありがとう仁美」

50: 2015/11/29(日) 10:44:09.318 ID:0kU1GZ5yM
和子 「どうですかみなさん 沢山採れましたか?」

    「じゃあ今日は HRは無しでこのまま解散します」

    「ジャージのまま帰ってもいいですけど 制服は忘れないようにして下さいね!」

51: 2015/11/29(日) 10:46:17.705 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「ねえみんな・・・良かったら家に寄ってく?」

   「せっかくだからこの栗を使って ケーキでも作りましょうか?」

まどか「ええ! 本当ですかマミさん!?」

さやか「さんせー さっすがマミさん! 話が分かるう」

杏子 「おい さやか・・・あたしのセリフを取るなよ」

ほむら「そうね お言葉に甘えさせて貰おうかしら」

マミ 「じゃあ行きましょう なぎさも待ちわびてるでしょうし」

52: 2015/11/29(日) 10:48:07.329 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「ただいま なぎさ」

なぎさ「お帰りなさい マミ!」

    「あっ・・・みんなも一緒なのです」

    「えっと・・・いらっしゃい」

マミ 「遅くなってごめんなさいね・・でも今日は 沢山のお土産があるのよ ほら!」

なぎさ「わあ・・・栗がいっぱいなのです!」

53: 2015/11/29(日) 10:50:11.957 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「今からこの栗を使って ケーキを作ってあげる」

   「どんなのがいいかしら?」

なぎさ「なぎさはチーズケーキがいいのです!」

マミ 「あらあら・・・また?」

なぎさ「はい! マミのチーズケーキは とっても美味しいのです!!」

マミ 「分ったわ・・・そうね この栗も使って 特別なのを作ってあげるわ」

   「待っててね なぎさ」

なぎさ「はいなのです!」

54: 2015/11/29(日) 10:52:08.551 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「じゃあみんな 上がってちょうだい」

さやか「わー・・・なんか あたしたちっておまけ扱い」

まどか「ねえ さやかちゃん・・・二人とも仲良しなんだからいいじゃない」

さやか「そうだけどさあ・・・」

55: 2015/11/29(日) 10:54:07.827 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「なーマミ あたしはモンブランがいいな」

マミ 「はいはい 分ったわ」

ほむら「杏子・・・あなた 随分と馴染んでるわね」

杏子 「あー 一時期マミとは組んでたからな この家もよく通ったもんさ」

ほむら「そういえばそうだったわね・・・」

56: 2015/11/29(日) 10:56:10.153 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「みんな リクエストはある?」

さやか「ねーマミさん・・・そんなに沢山の種類を作るのって 大変じゃないの?」

マミ 「あら いいのよ? 遠慮しないでちょうだい」

さやか「んー でも あんまりご迷惑おかけするのもなんだし・・・]

    「何か 手軽に出来るケーキがあったら それでお願いします」

マミ 「そう? じゃあ シフォンケーキでモンブランを作りましょうか?」

   「それなら 佐倉さんの希望にも沿えるわ」

さやか「マミさん こんな食い意地の張ったヤツのこと 気にしないでいいですよ」

杏子 「なんだとー さやか!」

57: 2015/11/29(日) 10:58:08.280 ID:0kU1GZ5yM
まどか「まあまあ二人とも・・・あ そうだマミさん! 良かったら 私にも手伝わせて下さい」

マミ 「そうね お願いしようかしら?」

まどか「はい! 色々教えてくださいね!!」

ほむら「まどかが手伝うなら 私も手伝うわ」

まどか「えっ? いいよほむらちゃんは 出来上がるのを待ってて」

ほむら「でも」

58: 2015/11/29(日) 11:00:11.625 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「なあ ほむら・・・あんたケーキなんか作れるのか?」

ほむら「・・・ケーキ作りは自信が無いけど 爆弾や手榴弾作りなら自信があるわ」

杏子 「いや・・・それ 役に立たないだろ」

    「キャンドルの代わりに ダイナマイトでもおっ立てるつもりかよ」

ほむら「・・・不器用ではない事を アピールしたのだけど」

マミ 「いいのよ暁美さん・・・その気持ちだけで十分よ」

マミ (それに暁美さんの分は 鹿目さんに作らせてあげたいし・・・)

59: 2015/11/29(日) 11:02:09.618 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「そーだぜ餅は餅屋・・・大体あたし達が手伝っても 邪魔になるだけだって」

さやか「あんたは邪魔しない代わりに いっつもつまみ食いしてんじゃないのさ」

杏子 「いーじゃんか 味見だよ味見・・・あんまり甘ったるいと みんな太るぞ?」

    「そーならないように あたしが身体を張ってるんじゃないか・・・感謝して欲しいぐらいだね」

さやか「調子いいこと言っちゃってまあ」

まどか「・・・ふふっ こういうのって いいですねマミさん」

    「賑やかで 楽しくて・・・ずっと こんな時間が続いてくれたらいいのに」

ほむら(まどか・・・)

60: 2015/11/29(日) 11:04:09.566 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「はい みんなお待たせ」

さやか「わあ・・・すっごく美味しそうですね マミさん!」

杏子 「じゃあ いっっただっきまーす!」

マミ 「ねえ暁美さん・・・あなたの分は 鹿目さんが殆ど一人で作ったのよ」

まどか「わわ! マミさん? 秘密にしてって言ったじゃないですか!」

61: 2015/11/29(日) 11:06:08.420 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「うーん でもね やっぱり食べて貰う前に 言っておいた方がいいと思って」

   「料理って 食べて貰う人に 笑顔になってほしくて作るものでしょう?」

   「もし暁美さんが 私の作ったケーキだと誤解したまま食べてしまったら その笑顔は鹿目さんでなくて 私に向けられてしまうのよ?」

まどか「マミさん・・・」

マミ 「ね?」

まどか「わかりました」

62: 2015/11/29(日) 11:08:11.140 ID:0kU1GZ5yM
まどか「・・・えっと ほむらちゃん・・・頑張って作ったの」

    「食べてみてくれる?」

ほむら「ありがとう まどか 頂くわ」

まどか(ドキドキ)

まどか「どう・・・かな?」

ほむら「とても美味しいわ・・・まどかは お料理も上手なのね」

まどか「本当!? えへへ・・・うれしいな」

マミ 「良かったわね 鹿目さん」

まどか「はい マミさんのおかげです!」

63: 2015/11/29(日) 11:10:08.201 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「じゃあ はい・・・なぎさのは特別よ」

   「クリームチーズケーキに マロンをトッピングしてみたの」

   「どう? 美味しい?」

なぎさ「はい! とっても美味しいのです!!」

マミ 「ふふっ 良かった・・・」

64: 2015/11/29(日) 11:12:09.336 ID:0kU1GZ5yM
なぎさ「マミ もっと食べたいのです!」

マミ 「なぎさ・・・晩御飯前なんだから 食べ過ぎちゃダメよ?」

なぎさ「大丈夫なのです! なぎさはマミのご飯なら お腹いっぱいでも食べれるのです!!」

マミ 「もう なぎさったら・・・」

65: 2015/11/29(日) 11:14:17.194 ID:0kU1GZ5yM
まどか「・・・前から思ってたけど マミさんってなぎさちゃんに激甘だよね・・・溺愛しすぎ」

さやか「ほんと・・・こっちが胸焼けしちゃうくらい」

ほむら「巴さんは愛が重すぎて 相手に引かれるタイプね」

さやか「うわー 自分の事を棚に上げて どの口で言うわけ?」

    「あんたの発言にドン引きだわ・・・」




ほむら「なによ・・・あなたに人の事が言えるの?」

さやか「はあ? 何それ?」

ほむら「恋に敗れたぐらいで魔女化する 夢見るお姫様が・・・あなたにだけは言われたくないわね」

さやか「ぐっ このー! 好き勝手言ってくれちゃって!!」

66: 2015/11/29(日) 11:16:25.044 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「おいおい やめろよお前ら」

    「大体なぎさは マミの妹みたいなものだろ?」

    「ちょっとくらい 大目にみてやれよ・・・マミは家族を亡くして 天涯孤独なんだからさ」

さやか「杏子・・・」

ほむら「・・・悪かったわね杏子 また嫌なことを思い出させてしまったかしら?」

杏子 「いいって・・・変に気を回すなよ」

67: 2015/11/29(日) 11:18:12.451 ID:0kU1GZ5yM
まどか「・・・ねえ なんだか 杏子ちゃんとほむらちゃん 仲良しになってない?」

杏子 「そうか?」

ほむら「別に普通だと思うけれど・・・」

さやか「杏子・・・あんたマミさんだけじゃ飽き足らず ほむらにまでちょっかい出してんじゃないでしょうね!?」

杏子 「はあ? なんだよそれ?」

まどか(・・・どうしよう ひょっとして杏子ちゃんに 先を越されちゃった?)

68: 2015/11/29(日) 11:20:09.156 ID:0kU1GZ5yM








.

69: 2015/11/29(日) 11:22:09.432 ID:0kU1GZ5yM
和子 「は~いそれじゃ 二人一組になって~」

マミ 「!?」

ほむら「先生・・・二日続けて 同じネタはやめてもらえるかしら?」

和子 「同じネタ? 暁美さん 何の事ですか?」

まどか「ほむらちゃん? 何言ってるの?」

ほむら「え? ・・・まどか?」

マミ 「暁美さん どうしちゃったの?」

さやか「今日は栗拾いだって ずっと前から言ってたでしょ あんた忘れたの?」

ほむら(・・・どういう事?)

70: 2015/11/29(日) 11:24:09.508 ID:0kU1GZ5yM
杏子 「なあ ほむら・・・大丈夫か?」

ほむら「ええ 平気よ 心配しないで」

杏子 「うんまい棒でも食うか?」

ほむら「ありがとう いただくわ・・・コーンポタージュ味はあるかしら?」

杏子 「ごめん ソース味しか残ってない」

ほむら「いえ ソース味も嫌いじゃないわ」モグモグ

和子 「あなたたち・・・先生の目の前で 堂々とお菓子を食べるんじゃありません!」

71: 2015/11/29(日) 11:26:08.278 ID:0kU1GZ5yM
ほむら(私は・・・この現象に 覚えがある)

    (タイムリープ・・・しかし 私の時間逆行能力は失われたはず・・・)

    (何者かによる干渉? でもここは 私の改変した世界・・・異変があれば すぐに察知出来る)

    (現に 使い魔たちからの報告は何もない)

72: 2015/11/29(日) 11:28:09.300 ID:0kU1GZ5yM
ほむら(・・・考えられる可能性は二つ)

    (世界改変に伴う歪みが 元へ戻ろうと修正が働いたか・・・)

    (もしくは彼女・・・円環としてのまどかが 眠りから目醒める兆候・・・)

    (どちらにせよ この異変を引き起こした原因を 早急に調べなくてはいけないわ)

73: 2015/11/29(日) 11:30:08.632 ID:0kU1GZ5yM
ほむら(ここは慎重に行動するべきね・・・誰と組むべきかしら?)

    (まどかは円環の理・・・原因の究明が済むまでは 不用意に接触出来ない)

    (美樹さやかも同様・・・一部とはいえ 彼女も円環に連なる者 私が封じた記憶が戻れば 厄介な事になる)

    (なら 必然的に候補は一人・・・)

74: 2015/11/29(日) 11:32:12.711 ID:0kU1GZ5yM
むら「ふう・・・仕方ないわ 巴さん 私と一緒に組みましょう?」

マミ 「暁美さん・・・私とでいいの?」

ほむら「ええ・・・それとも嫌だったかしら?」

マミ 「いえ 嬉しいけど 鹿目さんと組まなくていいの?」

ほむら「ちょっと まどかとは組めない事情があるのよ」

75: 2015/11/29(日) 11:34:10.842 ID:0kU1GZ5yM
まどか「ほむらちゃん・・・そんなに私と組むのが嫌なんだ・・・」

ほむら「ち 違うのよまどか! 私が愛してるのは貴女だけよ!!」

まどか「ほッ ほむらちゃん!? 愛してるって?」

ほむら「いえ その えっと・・・」

ほむら(いけない・・・うっかり口が滑ったわ)

まどか「・・・ひょっとして 冗談?」

ほむら「そ そんな事はないのよ まどか!」

ほむら(・・・どうしましょう)

76: 2015/11/29(日) 11:36:11.913 ID:0kU1GZ5yM
さやか「いよっ 熱いねご両人!・・・痴話喧嘩は 他所でやってくんないかな?」

まどか「そんな・・・お熱いだなんて・・・さやかちゃん もっと言って!」

さやか「まどか・・・あんたってば 髪だけでなく 頭の中までピンクかよ」

ほむら「美樹さやか・・・痴話喧嘩って どういう意味かしら?」

さやか「知らないの? 痴話喧嘩っていうのは 男女間の愛情のもつれが元でおこる たわいもない喧嘩の事だよ」

ほむら「それぐらい知ってるわよ! っていうか 私達は『男女』じゃないでしょう!」

77: 2015/11/29(日) 11:38:08.866 ID:0kU1GZ5yM
さやか「ああ そっか・・・じゃあ こういう場合は 痴話喧嘩って言わないのかな?」

    「どうなの中沢くん?」

中沢 「え!? えっと どっちでもいいんじゃないかと」

さやか「うわー 予想通りの反応」

    「せんせー! どうなんですか?」

和子 「えっとね 恋人同士なら 同性間でも構わないのよ」

    「でも 暁美さんと鹿目さんは まだ恋人同士じゃないから 巴さんも含めた三人での修羅場っていうのが適切じゃないかしら?」

78: 2015/11/29(日) 11:40:18.568 ID:0kU1GZ5yM
さやか「おおっ 和子ちゃんが 初めて教師らしい姿を!」

まどか「さすが先生! 痴話喧嘩のエキスパートですね!」

和子 「あなたたち・・・言っていいことと悪いことがありますよ!」

    「全く・・・いままで担任から どんな指導を受けてきたのかしら?」

杏子 「いや 担任はお前だろ」

まどか(どっちかっていうと 先生の指導に問題がある気がする・・・)

79: 2015/11/29(日) 11:42:14.567 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「それにしても 暁美さんとペアになるなんて 初めてじゃないかしら?」

ほむら「そうね」

マミ 「見て・・・沢山落ちてるわよ」

   「これだけあれば 色んな料理に使えそうね」

   「ふふっ なぎさ 喜んでくれるかしら?」

ほむら「じゃあ そろそろ拾いましょうか」

マミ 「ええ 頑張りましょう」

ほむら(少し 探りを入れてみようかしら?)

81: 2015/11/29(日) 11:44:12.784 ID:0kU1GZ5yM
ほむら「巴さん・・・最近なにか 変わった事はない?」

マミ 「・・・変わった事?」

ほむら「些細な変化でも構わないわ どこかで違和感を感じた記憶はある?」

マミ 「暁美さん・・・ひょっとして 私と組んだのは その話のため?」

ほむら「それだけではないけれど・・・まあ そうよ」

マミ 「ねえ・・・お仕事の話は 後にしない?」

   「せっかくのイベントなんだから 今は学生らしく レクリエーションを楽しみましょう」

ほむら「巴さん・・・あなたらしくないわね」

82: 2015/11/29(日) 11:46:09.409 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「私らしくない か・・・ねえ 私らしいって なに?」

   「強くて 華麗で 理想的な魔法少女・・・模範的な正義の味方・・・」

   「それが 巴マミらしい って事なの?」

   「私が 年相応にはしゃいでいたら『らしくない』のかしら?」

ほむら「巴さん・・・」

83: 2015/11/29(日) 11:48:09.975 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「ごめんなさい・・・今のは 忘れてちょうだい」

ほむら「気にしないで・・・誰にだって 弱音を漏らしたくなる時があるわ」

    「・・・でも あなたが弱気だと 皆が戸惑う」

    「私でよければ 愚痴ぐらい聞くから」

マミ 「ふふ・・・ありがとう 優しいのね 暁美さん」

ほむら「いえ そんな事ないわ」

84: 2015/11/29(日) 11:50:10.331 ID:0kU1GZ5yM
ほむら(・・・なぜ この人が苦手だったのか 今なら分かる)

    (繊細で 強がりで 寂しがりで・・・ まるで自分の嫌な部分を 鏡で見せられているようだった)

    (似たもの同士・・・だけど 決して相容れない存在)

    (でも・・・)

85: 2015/11/29(日) 11:52:12.395 ID:0kU1GZ5yM
ほむら「ねえ巴さん」

    「もし 『最初』に出会ったのが あなただったら 私たち 親友になれたのかもしれないわね」

マミ 「どうしたの暁美さん?」

   「いきなり そんな事を言い出すなんて」

ほむら「ただ なんとなく そう思っただけよ・・・忘れてちょうだい」

マミ 「もしかして 気を使ってくれてるの?」

ほむら「そういう事にしておいてくれると 助かるわ」

マミ 「じゃあ そうする」

86: 2015/11/29(日) 11:54:12.078 ID:0kU1GZ5yM
マミ 「・・・でもね暁美さん あなたさえよければ 今からでも遅くないわ」

   「私なら いつでも待っているから・・・ね?」

ほむら「ありがとう」

ほむら(・・・でも もう遅い)

    (私は既に 袂を分かってしまったのだから・・・)

87: 2015/11/29(日) 11:56:14.022 ID:0kU1GZ5yM








.

88: 2015/11/29(日) 11:58:11.815 ID:0kU1GZ5yM
和子「は~いそれじゃ 二人一組になって~」

マミ「!?」

ほむら「杏子 うんまい棒を貰えるかしら?」

杏子 「おい! いきなり何言い出すんだ あんた!?」

ほむら「これは とても重要な事なの・・・何味がある?」

杏子 「ええと・・・ソース味だけだな」

ほむら「ありがとう 杏子」モグモグ

89: 2015/11/29(日) 12:00:11.720 ID:0kU1GZ5yMNIKU
和子 「・・・暁美さん 授業中にお菓子を食べるのが 重要な事ですか?」

ほむら「はい先生 どうしても必要だったんです」

和子 (このガキ・・・臆面もなく言い切りやがった)

まどか(ほむらちゃん カッコイイ・・・)

マミ (なんだか分からないけど 助かったわ)

さやか(・・・)

90: 2015/11/29(日) 12:02:11.623 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら(結局 昨日はあれから大した変化はなかった)

    (そして 杏子のうんまい棒にも変化はない)

    (つまり ループした時点で 状況は一度リセットされる・・・私の記憶を除いて)

    (変化が現れるのは この栗拾い以降の行動から)

    (なら もう選択の余地は殆どないわね)

91: 2015/11/29(日) 12:04:11.774 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「ねえ美樹さん・・・私と一緒に組みましょう?」

さやか「えーと あんた本気?」

ほむら「もちろんよ 冗談に聞こえたかしら?」

さやか「いや 悪い冗談にしか聞こえないんだけど・・・」

ほむら「それは了承と受け取っても構わないかしら?」

さやか「どう聞いたらそんな結論になるのさ!」

ほむら「いいから 黙って私と組みなさい」

92: 2015/11/29(日) 12:06:08.693 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「なんつー強引な・・・そーだ まどかの事はいいの?」

    「あんた あんなに組みたがってたじゃん」

ほむら「・・・・・・・・・ええ 涙を飲んで諦めるわ」

さやか「諦めんなよ!」

    「ねえ まどか・・・あんたもほむらと組みたいでしょ? ね?」

まどか「うん・・・でも 私も涙を飲んで諦めるよ」

93: 2015/11/29(日) 12:08:08.916 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「なんで急に そんな事言い出すわけ あんたらは!?」

まどか「えっと 私マミさんと ちょっとお話ししたい事があって」

    「それに さやかちゃんとほむらちゃんが仲良しになってくれると それはとっても嬉しいなって」

ほむら「ええ まどか・・・頑張るわ」

さやか「いや 頑張んないでいいから」

94: 2015/11/29(日) 12:10:14.611 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「往生際が悪いわね・・・いい加減に 観念しなさい」

さやか「いやー やめてー 拉致られるー 助けてー」

ほむら《黙って来なさい・・・二人だけで話があるの》

さやか(念話!? 話ってまさか・・・)

95: 2015/11/29(日) 12:12:08.078 ID:0kU1GZ5yMNIKU
まどか「行っちゃった・・・じゃあ 私たちも行きましょうか?」

マミ 「そうね 鹿目さん」






杏子 「・・・ちょっと待て」

    「あたしは 誰と組めってんだよ?」

仁美 「佐倉さん・・・よろしかったら わたくしと組みますか?」

杏子 「志筑仁美・・・あんたって 結構いい奴なんだな」

仁美 「・・・そんな事ありませんわ」

96: 2015/11/29(日) 12:14:10.230 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「それで? 話ってなにさ?」

ほむら「あなたと腹の探り合いをしても意味がないし 単刀直入に言うわ」

    「美樹さやか・・・あなたは今回の異常に 何か気付いてるんでしょう?」

さやか「おい あんた・・・その姿は」

ほむら「やっぱり・・・私の悪魔姿を見ても驚かない」

    「封じた筈の記憶が 戻っているようね」

97: 2015/11/29(日) 12:16:08.138 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「・・・こんな所でその姿を晒すのは ちょっと不用心すぎるんじゃないの?」

ほむら「心配は要らないわ 周囲の空間は私が閉じた」

    「誰かに見咎められる事はない」

さやか「・・・」

98: 2015/11/29(日) 12:18:16.915 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「いつから気付いていたの?」

さやか「さあて なんの事やら・・・さやかちゃん わかんなーい」

ほむら「・・・見咎められる事はない と言ったわよね?」

    「ここで あなたが消えても 誰も気が付かないわ」

99: 2015/11/29(日) 12:20:08.584 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「あたしが消えたら 一緒に居たあんたに 疑いがかかるんじゃないの?」

    「それに あたしを舐め過ぎじゃない? 逃げる事ぐらいなら出来るんだよ」

ほむら「心配は要らない とも言った筈よ」

    「本来あなたは この世界に存在しない」

    「消え去っても 自然な状態に戻るだけ」

さやか「・・・」

100: 2015/11/29(日) 12:22:10.110 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「そして 逃げる事も不可能・・・」

    「気付いているでしょう? 円環の力が出せない事に」

さやか「あんた・・・一体あたしに 何したのさ?」

ほむら「何もしてないわ・・・あなたにはね」

さやか「・・・」

101: 2015/11/29(日) 12:24:09.802 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「先程 空間を閉じた と言ったでしょう?・・・これは『魔結界』って言うのよ」

    「世界の一部を上書きし 自分の領域として固定する 悪魔の力・・・」

さやか「・・・つまりここは あんたのダークオーブの中ってワケだ」

ほむら「ええ 理解が早くて助かるわ」

    「外界から完全に隔絶された異空間・・・」

    「以前 インキュベーターの使用した 遮断フィールドと同様の性質だと言えば分かるかしら?」

102: 2015/11/29(日) 12:26:10.321 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか(それで か・・・円環の力が出せないのは)

    (世界との繋がりを断絶されて 円環との接続まで強制的に切断されたって事ね・・・)

ほむら「あの時は 円環の理を観測する事が 奴等の目的だった・・・」

    「だから内部の招きに応じる形で あなたも円環の力を振るう事が出来た」

さやか「・・・」

103: 2015/11/29(日) 12:28:08.772 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「ここまで言えば 分かるわよね?」

    「今のあなたは 自分の持つ 本来の魔法少女としての力しかない」

    「この状態なら 一呼吸の間を待たずに 容易くその命を摘み取る事が出来るのよ」

さやか「・・・分かったよ 降参 こうさーん」

ほむら「あら 随分と素直ね?」

さやか「よく言うよ・・・その為に 散々脅しを掛けたんでしょ?」

    「・・・それとも あたしと戦いたいの?」

104: 2015/11/29(日) 12:30:09.274 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「まだ そんな減らず口が叩けるだなんて・・・戦いにすら ならないと思うけど」

さやか「それじゃあどうする? あたしを頃す?」

ほむら「それは あなたの返答次第よ」

さやか「・・・」

105: 2015/11/29(日) 12:32:08.307 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「じゃあ 先程の質問に答えて」

さやか「・・・質問は 一個ずつにしてもらえる?」

ほむら「ええ 美樹さやか・・・何時から記憶が戻っていたの?」

さやか「まあ 最初から かな」

ほむら「そう 初めから・・・」

    「それで わざわざこの茶番劇に 付き合ってくれていたって訳ね」

    「・・・ここまで虚仮にされたのは初めてよ」

さやか「コケにする か・・・そんなつもりはなかったけどね」

107: 2015/11/29(日) 12:34:16.152 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「じゃあ次・・・この異常は何? ループの原因と解決策・・・」

    「あなたの知っている事を 全部話してもらうわ」

さやか「・・・なんであたしが それを知ってると思うのさ?」

ほむら「とぼけても無駄よ・・・学校で言った あなたの言葉」


    『まどかの事はいいの? あんた あんなに組みたがってたじゃん』


ほむら「まどかとのペアに固執していたのは 初日の話・・・本来あなたが その事を知る由はない」

    「私と同様に ループ時の記憶を留めない限りは・・・」

さやか「・・・」

108: 2015/11/29(日) 12:36:08.704 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「そして あなたが言った『最初から』の言葉・・・それは 一体何処を指すのかしら?」

さやか「・・・」

ほむら「世界改変直後 ではないわよね?・・・あの時 私は 確かにあなたの記憶を封じた」

    「なら 今回の異常が発生した時に あなたの記憶が戻ったと考えるのが妥当・・・」

    「それはつまり 円環としての彼女が 目覚める兆候ではないの?」

109: 2015/11/29(日) 12:38:12.534 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「・・・へえ 冴えてるじゃん」

ほむら「茶化さないで・・・それで 答えは?」

さやか「半分は正解・・・かな?」

ほむら「半分?」

さやか「あたしの記憶が戻ったのは 今回の異常・・・ループが起きた時」

    「それは正解だよ」

ほむら「・・・」

110: 2015/11/29(日) 12:40:24.316 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「あんたの記憶操作は 自己暗示に近い・・・円環に関する記憶を 文字通り『封じた』だけ」

    「力の使い方を 思い出せない様に細工しただけで 記憶を消したり 円環との繋がりを絶った訳じゃない」

ほむら「・・・」

さやか「それが あんたの甘さ・・・いや 優しさかな?」

ほむら「・・・それで?」

111: 2015/11/29(日) 12:42:15.835 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「今回のループは まどかが引き起こした・・・」

    「でも 目覚める兆候じゃないよ 全くの逆」

ほむら「・・・逆?」

さやか「マミさんの部屋で まどかはなんて言ってた? 思い出してごらんよ」

ほむら(まどか・・・そう あの子はとっても幸せそうに 笑ってくれたわ・・・私の望んだ通りに)


    『賑やかで 楽しくて・・・ずっと こんな時間が続いてくれたらいいのに』


ほむら「・・・!? まさか?」

112: 2015/11/29(日) 12:44:09.134 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「それじゃあ これは・・・」

さやか「そう・・・穏やかな幸せが 永遠に続いて欲しいという『人間としてのまどか』の願いだよ」

    「その強烈な想いが 円環に働き掛けて 世界の条理を捻じ曲げた・・・」

    「まどかが 円環の力を使った余波があたしにも及んで そのショックで封じられた記憶が戻ったってワケさ」

113: 2015/11/29(日) 12:46:10.549 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「でも・・・それなら何故 まどかは目覚めないの?」

    「円環の力を使えば 彼女は本来の力と姿を取り戻してしまう筈よ?」

さやか「・・・言ったろ『逆』だって」

    「この世界の継続を望んだのは『人間としてのまどか』だ」

    「あの子が目を覚ましたら この世界は 本来の姿に戻ってしまう・・・」

ほむら「・・・」

114: 2015/11/29(日) 12:48:08.068 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「だから あの子は眠りについた・・・この日常を守るためにね」

    「言うならば 此処はまどかの 夢と現が溶け合う領域・・・あの子の望んだ世界だよ」

ほむら「そんな・・・なら このループを解除する方法は 一つしかない」

ほむら(そう・・・まどかを目覚めさせて 円環の理へと戻す事・・・)

115: 2015/11/29(日) 12:50:08.140 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「いや 実はそこまで深刻な事態じゃないんだ」

ほむら「・・・どういう事?」

さやか「まどかの興味を 他に移してやればいい」

    「例えば 次の休みに みんなで遊びに行くとかさ」

ほむら「・・・そんな簡単な事で?」

さやか「まあ 一時凌ぎにしかならないけど・・・しばらくならこの方法で まどかの目覚めを防げるはず」

    「・・・あと このループを抜けるには もう一つの条件がある」

ほむら「条件? 何かしら?」

116: 2015/11/29(日) 12:52:08.115 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「まどかは あんたとペアになるのがご所望みたい」

ほむら「・・・どういう事? そもそも 私とのペアを拒んだのはまどか自身でしょう?」

さやか「あー うん・・・そーなんだけどさー」

ほむら「何よ 歯切れの悪い」

さやか「いや・・・あたしの口から 言っちゃっていいのかなって」

ほむら「いいから言いなさい」

117: 2015/11/29(日) 12:54:07.896 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「あの子・・・あんたと仲良くなりたくて マミさんにお菓子作りを教わろうとしてたんだ」

ほむら「じゃあ その為に巴さんとペアを組んだの?」

さやか「そういう事・・・でも あんたが他の娘と組んで 仲良くしてたのが気に食わないみたい」

ほむら「そんな・・・」

118: 2015/11/29(日) 12:56:07.420 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「あんたの言いたい事は分かるよ・・・自分で拒否しときながら 身勝手な奴だって思ってるんでしょ?」

ほむら「・・・いえ でも まさか」

ほむら(まどかが 私を想ってくれている?)

さやか「あたしが知ってるのはここまで・・・とりあえずそれで 今回のループは解除出来るはずだよ」

ほむら「・・・」

119: 2015/11/29(日) 12:58:08.607 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「信じられない?」

ほむら「逆よ・・・何故そこまで教えるの?」

    「世界を元に戻すのが 円環としての あなたの使命でしょうに」

さやか「人の事を力ずくで脅しといて よくそんなこと言えるね この悪魔!」

ほむら「真面目に答えて」

120: 2015/11/29(日) 13:00:07.727 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「・・・あたしも人間としての生に 未練があるって言ったら 笑う?」

ほむら「笑わないわ・・・でも嘘ね」

さやか「なんでそう思うのさ?」

ほむら「それが本当ならば 私に敵対する意味はない・・・むしろ 手を組む筈よ」

さやか「あんたって 鋭いんだか 抜けてんだか よく分かんないよね」

ほむら「真面目に答えて と言った筈よ・・・私を怒らせないで」

さやか「分かったってば・・・そんな怖い顔で睨むなよ」

ほむら「それで?」

121: 2015/11/29(日) 13:02:16.406 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「・・・このまま まどかが目を覚ませば 世界は元の姿を取り戻す」

    「その時 世界を歪めた元凶は どうなると思う?」

ほむら「それは・・・」

さやか「当然 無事じゃあ済まない・・・むしろ 一瞬で消し飛ぶかもね」

ほむら「・・・」






さやか「あんたはもう 魔法少女・・・いや 魔女ですらない 悪魔だ」

    「既に円環の理からは外れている・・・まどかによる救済は望めない」

ほむら「・・・」

122: 2015/11/29(日) 13:04:10.055 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「でも あんたが自分の意思で まどかの元に還る事を望めば まだ救いはあるかもしれない」

    「あんたは そのぐらいの力は持ってるはずだよ」

ほむら「私が・・・自らの手で あの子から家族や友達を奪えって言うの? ふざけないで!!」

さやか「このままでも 結果は同じ・・・あんただって解ってるんでしょ?」

    「こんな不安定な世界が いつまでも長続きするはずがないって・・・」

ほむら「ッ・・・」

123: 2015/11/29(日) 13:06:11.705 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「それに まどかは眠っているだけ・・・眠りってのは いつかは覚めるもんなんだ」






さやか「なあ ほむら・・・あたしは いや まどかも杏子もマミさんも みんなあんたに感謝してるんだよ?」

    「本来なら あり得なかった幸せ・・・それが泡沫の夢だったとしても あんたはそれを与えてくれた」

ほむら「だったら!」

さやか「でも 人の身に余る奇跡の恩恵を受けておきながら 人間としての幸せまで求めるのは 都合が良すぎるよね?」

    「そんな不条理が罷り通る筈がない」

    「必ず何処かで歪みを生じて 世界を在るべき姿へと修正する」

ほむら「・・・」

124: 2015/11/29(日) 13:08:23.108 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「そりゃあ あたしだって心残りが無い訳じゃない」

    「でも あんたのお陰で 別れを告げる時間ぐらいは出来た」

ほむら「・・・」

さやか「まどかだってそうさ」

    「本当なら 誰の記憶に残る事もなく その存在すら無かった事にされていたのに もう一度 家族や友達と触れ合う事が出来たんだもん」

 


    「だから ほむら・・・ね?」













ほむら「・・・嫌よ」

さやか「ほむら?」

125: 2015/11/29(日) 13:10:13.274 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「絶対に嫌! もう二度とまどかとは離れない!!」

    「その為なら こんな世界なんてどうなったって構わない!!」

さやか「あんた 自分が何言ってるか分かってんの?」

ほむら「ええ 私は冷静よ美樹さやか」

    「まどかも この世界の維持を望んでくれているんでしょう?」

    「・・・なら 円環にはずっと眠っていてもらうわ」

126: 2015/11/29(日) 13:12:08.796 ID:0kU1GZ5yMNIKU
さやか「わっかんないヤツだなー あんたが円環されれば もう二度とまどかと離れる事はないってのに!」

ほむら「その代償に 彼女の人としての幸せを犠牲にして? 冗談じゃないわ!!」

さやか「ッ・・・」

ほむら「まどかが笑ってくれない世界に 価値なんて無い」

さやか「・・・あんたが言ってるのは 子供の駄々と変わらないじゃないか! そんなの長くは続かないって分かってるんだろ!!」

ほむら「なら 一秒でも長く まどかと同じ時を過ごすだけよ」

さやか「いい加減にしろ!!」

127: 2015/11/29(日) 13:14:09.028 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「美樹さやか・・・何故あなたが涙を流すの?」

さやか「だって そんな無茶を続けたら あんたはいずれ力尽きるよ・・・」

    「あんたが消えちまったら・・・まどかが悲しむじゃないか」

    「いや まどかだけじゃない・・・杏子も マミさんだって・・・」

ほむら「さやか・・・」

さやか「・・・幸い まだ時間はある」

    「今度は 一人で抱え込んで突っ走ったりしないでさ ちゃんと まどかと話し合いなよ」

ほむら「・・・」

128: 2015/11/29(日) 13:16:08.713 ID:0kU1GZ5yMNIKU








.

129: 2015/11/29(日) 13:18:11.714 ID:0kU1GZ5yMNIKU
和子 「は~いそれじゃ 二人一組になって~」

マミ 「!?」

ほむら「巴さん 落ち着いて」

マミ 「でも! 絶体絶命のピンチよ!?」

ほむら「杏子・・・巴さんと組んでくれるかしら?」

杏子 「別に 構わないけど・・・さやかは?」

さやか「あたしは仁美と組むよ ちょっと 話したい事もあるしね」

仁美 「さやかさん・・・」

130: 2015/11/29(日) 13:20:22.935 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「じゃあ決まりね」

    「まどか・・・私とペアになってくれる?」

まどか「えっ・・・ほむらちゃん 今日は 何だか強引だね」

ほむら「嫌だったかしら?」

まどか「ううん そんな事ないよ・・・むしろ 嬉しいかも」

ほむら「そう 良かった・・・じゃあ 行きましょう」

まどか(わわ・・・ほむらちゃんが手を握って来た ど どうしよう?)

ほむら「どうしたの まどか?」

まどか「な 何でもないよ・・・さ 行こ!」

ほむら「ええ」

131: 2015/11/29(日) 13:22:08.737 ID:0kU1GZ5yMNIKU
まどか「わあー 見て見て・・・すっごい いっぱい落ちてるよ!」

ほむら「本当・・・拾いきれないぐらいね」

まどか「じゃあ 早速拾っちゃおうか?」

ほむら「そうね」

132: 2015/11/29(日) 13:24:09.655 ID:0kU1GZ5yMNIKU
まどか「これだけあれば 色々作れそう」

    「甘露煮 グラッセ モンブラン・・・ねえ ほむらちゃんは どんなのが好き?」

ほむら「私はモンブランが好きよ」

まどか「本当? 私も大好きなんだ・・・良かった 一緒だね!」

133: 2015/11/29(日) 13:26:14.251 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「・・・ねえ まどか」

    「今度 みんなで遊びに行きましょう」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「いいでしょう たまには?」

まどか「う うん」

134: 2015/11/29(日) 13:28:11.226 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「それとも 二人っきりの方がいいかしら?」

まどか「ほッ ほむらちゃん それって」

ほむら「ふふ・・・冗談よ」

まどか「ほむらちゃん・・・私のことからかってる?」

ほむら「そんな事ないわ まどかさえよければ 二人っきりでもいいのよ?」

まどか「ほむらちゃん・・・」

135: 2015/11/29(日) 13:30:07.634 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「まどか・・・あなたは今 幸せ?」

まどか「うん!」

    「・・・私ね 引っ越してきて 久し振りの日本で お友達が出来るか不安だったの」

    「でも全然 そんな心配いらなかった」

    「だって こんなにいっぱい 素敵な友達が出来たんだもん!」

ほむら「そう・・・私もね 今幸せよ」

    「こうしてもう一度 あなたと同じ時を過ごせる事が出来たんですもの」

136: 2015/11/29(日) 13:32:09.196 ID:0kU1GZ5yMNIKU
まどか「ほむらちゃん・・・やっぱり私達って 昔に会った事あるの?」

ほむら「まどか・・・」

まどか「ほむらちゃんがくれた このリボン・・・これって やっぱり何か大切な意味があったんじゃ・・・」

ほむら「そのリボンはね・・・あなたが再開を約束して 私に預けてくれた物なの」

まどか「私・・・そんな大事なこと 忘れちゃってるの?」

ほむら「いいのよ 気にしないで・・・本当に 昔の事ですもの 覚えてなくても仕方がないわ」

まどか「でも・・・」

137: 2015/11/29(日) 13:34:10.126 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「そのリボンは 元々あなたの物・・・それに こうしてまた巡り会う事が出来た」

    「それだけで 私は十分よ」

まどか「わ!? ほむらちゃん?」

ほむら「ごめんなさいまどか・・・しばらくの間 こうしていてもいい?」

まどか(ほ ほむらちゃんに抱き付かれちゃった!)

    (女の子同士なのに ドキドキしちゃう・・・)

    (あれ? でも なんでだろう・・・とっても懐かしい感じがする)

138: 2015/11/29(日) 13:36:11.693 ID:0kU1GZ5yMNIKU
まどか「ほむらちゃん・・・泣いてるの?」

ほむら「ごめんね ごめんねまどか」

まどか「ほむらちゃん・・・よしよし 泣かない泣かない」

ほむら(手の中に有る この笑顔も温もりも 失いたくない・・・)

    (でも・・・駄目よ 私はあの時に誓ったはず)

    (何があっても 絶対にまどかを守ってみせると)

    (その為なら・・・私はどうなっても構わない)

139: 2015/11/29(日) 13:38:12.286 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら(私の命・・・その全てを費やせば まどかが人としての天寿を全うする時間ぐらいは稼げるはず)

    (元より まどかに救ってもらったこの命・・・彼女の為に使う事に躊躇いはない)

    (大丈夫・・・私が消えても まどかには家族や大勢の友達がいる)

    (・・・何の問題もないわ)

140: 2015/11/29(日) 13:40:08.737 ID:0kU1GZ5yMNIKU
まどか「ほむらちゃん 落ち着いた?」

ほむら「ごめんなさい・・・みっともない所を見せてしまって」

まどか「ううん いいの・・・私なんかで役に立てる事があったら 遠慮なく言って欲しいな」

ほむら「ありがとう まどか・・・あなたは本当に優しいのね」

ほむら(昔から 全く変わらずに・・・)

141: 2015/11/29(日) 13:42:18.417 ID:0kU1GZ5yMNIKU
まどか「じゃあ そろそろ栗拾いに戻ろっか?」

ほむら「ええ」




まどか「あのね ほむらちゃん・・・よかったら今度 私の作ったお菓子を食べてみてほしいんだけど どうかな?」

ほむら「まどか?」

142: 2015/11/29(日) 13:44:10.933 ID:0kU1GZ5yMNIKU
まどか「今はまだ練習中で お洒落な飾り付けとか出来ないんだけど 味には自信があるんだよ?」

    「なんたって パパ直伝なんだから!」

ほむら「それはとっても美味しそうね・・・楽しみに待っているわ」

まどか「うん! えへへ・・・」

143: 2015/11/29(日) 13:46:26.698 ID:0kU1GZ5yMNIKU
ほむら「・・・」








ほむら(私はいつか 報いを受ける時が来る)

    (全ての魔法少女の希望・・・まどかの願いを踏み躙った その罪を贖う時が)

    (それは遠くない未来 彼女が目覚める迄の 僅かな間・・・)

    (でも それまでで構わない・・・貴女と共に 幸せな夢を見させてちょうだい)

    (お願いよ まどか・・・)




 ― おわり ―

引用元: 和子先生「は~いそれじゃ 二人一組になって~」 マミ「!?」