1: 2011/04/10(日) 23:13:01.44 ID:OLhKiWZJ0
ほむら「ここで眠っていてもらうわ」プシュ


QB「友達を気絶させて地下に監禁だなんてどうかしてるよ」

ほむら「あなたにはそんなこと言われたくないわ、インキュベーター。以前と同じ

失敗を繰り返すわけにはいかない。私がワルプルギスの夜と戦っているときに契約

されては今までの行動が台無しだわ。そこで・・・」

QB「暁美ほむらお得意の爆弾ってわけかい」

ほむら「そうよ。あなたがまどかを無理に起こせばセンサーが感知して体に巻かれ

た爆弾が爆発するようになっているわ」

QB「そうかい。じゃあ事が済むまでボクは静観しておくよ」

ほむら「随分と余裕ね。この状況でまだ契約させる見込みがあるとでも言うの?」

QB「それはどうかな。まあせいぜい頑張ってワルプルギスの夜を倒すことだね。正

直なところ君一人では厳しいだろうけど」

ほむら「確かに戦力は少ないわ。でも私には今まで蓄積した経験と情報がある」

QB「……」

2: 2011/04/10(日) 23:18:56.32 ID:OLhKiWZJ0
ほむら「そろそろ時間だわ」

QB「じゃあボクはしばらくこの場からおさらばするよ」

ほむら「二度と目の前に現れないで欲しいくらいだわ」

QB「それはどうかな」 タタタタッ


~例のBGM~

ほむら(薄々感じてはいたけどワルプルギスの夜って……)

ほむら(いえ、今は戦闘に集中しないと)

ほむら(時間停止があまり効かないし、相変わらず凄まじいスピードね……)

ほむら(そちらが重力を利用するならこちらも……)

ほむら(時間停止と同時に物を移動させて落下させるのは火力がいらない割に効いているわ……)

ほむら(よし!今度はあのビルをぶつければ……やった!)


3: 2011/04/10(日) 23:22:59.86 ID:OLhKiWZJ0
ほむら(やっと……ワルプルギスの夜を……私はこの日のために……)

ほむら(でももうソウルジェムが限界だわ、早くまどかを解放しないと……)

ほむら(しかしやはりグリーフシードは生み出さないか……)

……………

まどか「……ん…ん?えっ!ほむらちゃん?それって……それにこの景色……」

ほむら「見てのとおりよ。ワルプルギスの夜はもう倒したわ」

ほむら「一人だったからかなり魔力を消耗したけれど」

まどか「だっ大丈夫なの?」

ほむら「体の方はね。でも、こっちはもう限界……グリーフシードも使い切ったわ」

まどか「……ほむらちゃんは私に契約させたくないんだよね?」

ほむら「そうよ。だから最期にあなたと話がしたかったの」

6: 2011/04/10(日) 23:26:32.28 ID:OLhKiWZJ0
まどか「最期って……ほむらちゃんはまさか……」

ほむら「あまりこういうことは言いたくないけれど……」

ほむら「そうよ、魔女になる前に私は自分でソウルジェムを壊すわ」

まどか「!そっそんな……ダメだよほむらちゃん…」

ほむら「でも他に方法はないわ」

ほむら「たとえあなたが願いで私を助けたとしても、それはあなたが魔女になることを意味する」

ほむら「そして最強で最悪の魔女になったあなたはこの星を壊滅させる」

まどか「ほむらちゃんは…全部……知ってたの?」

ほむら「ええ、こいつの企みのことも全てね」

まどか「!」

8: 2011/04/10(日) 23:30:38.67 ID:OLhKiWZJ0

QB「まどか、君さえ契約してくれれば暁美ほむらをこの状況下から救うことなど造作もないことだよ」

QB「このままでは彼女は間違いなく氏ぬだろう。それでも契約を拒むかい?」

まどか「キュゥべえ……」

ほむら「こいつの言うことに耳を貸してはダメ!」

ほむら「鹿目まどか、あなたは私を助けたいのかもしれないけれど、もう充分あなたには助けられた」

まどか「どういうこと?」

ほむら「私は最初、魔法少女であるあなたに命を救ってもらった」

ほむら「そしてあなたはワルプルギスの夜との戦いに敗れて氏んでしまった」

ほむら「私はあなたとの出会いをやり直すために魔法少女となって過去に戻ったわ」

10: 2011/04/10(日) 23:34:49.11 ID:OLhKiWZJ0
ほむら「そして時間を繰り返すことでこの魔法少女のからくりの全容が明らかになってきた」

ほむら「過去のあなたは真相を知ってこう言ったわ」

ほむら「『キュゥべえに騙される前のバカな私を助けて』」

ほむら「そしてこうも言った。『私は魔女にはなりたくない』」

ほむら「『この世界には守りたいものがたくさんある』と」

ほむら「今回初めてあなたを契約させることなくワルプルギスの夜を倒したわ」

ほむら「やっとあなたとの約束を守れたのよ。だから過去のあなたと私の意志をどうか尊重してほしいの」

まどか「……」

12: 2011/04/10(日) 23:38:47.89 ID:OLhKiWZJ0
QB「時間がないよ、君のソウルジェムはもう真っ黒だ」

QB「鹿目まどか、これ以上大切な友人を失いたくなかっ」バンバンバンッ

まどか「!」

ほむら「さようなら、まどか。ありがとう」バンッ パリーン

まどか「いやあああああああっっっっ……………………?」

ほむら「」

14: 2011/04/10(日) 23:42:11.11 ID:OLhKiWZJ0
─────────────────────────────



【病室】

ほむら(……また過去に……いえ、ああなってしまっては戻るのは当然としても……)

ほむら(まさかここまでインキュベーターの掌で踊らされていたなんて……)

ほむら(これでは私の目的は…………待って、こう考えることも可能だわ……)

ほむら(私の目的は今の構造上絶対に達成できない。ここを利用できないかしら)

ほむら(……実際にやってみなければわからないけど、まどか以外の魔法少女を助ける道も開けたと考えるべきか……)

ほむら(……どうせまた戻るだけならやってみる価値はありそうだわ)

ほむら(そうなれば、早速)

16: 2011/04/10(日) 23:47:03.31 ID:OLhKiWZJ0
【学校】

先生「今日は皆さんに転校生を紹介します」

生徒「そっちが後回しかよ…」

先生「じゃあ暁美さん、いらっしゃい」

まどか「えっ」

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

17: 2011/04/10(日) 23:48:23.18 ID:OLhKiWZJ0
【休み時間】

生徒「暁美さんって前はどこの学校だったの?」

ほむら「東京の、ミッション系の学校よ」 

生徒「前は部活とかやってた?運動系?文化系?」

ほむら「やってなかったわ」

生徒「すごいキレイな髪だよね、シャンプーは何使ってるの?」


仁美「不思議な雰囲気の人ですよね、暁美さん」

さやか「まどか、あの子知り合い?なんかさっき思いっきりガン飛ばされてなかった?」

まどか「いや、えっと…」 

19: 2011/04/10(日) 23:56:03.76 ID:OLhKiWZJ0
ほむら(以前はキュゥべえを攻撃していたことが逆に仇となった)

ほむら(彼女に怪しまれないようにしつつも、契約させないためにはどうすればいいかしら)

ほむら(それに、美樹さやかへの対応も考えておかなくては)

ほむら(戦力が増えるのは良いけれど、魔女化させるのは避けたい……)

ほむら「鹿目まどかさん、美樹さやかさん、ちょっといいかしら」

ま&さ「?は、はい……」

ほむら「話がしたいので、ちょっとだけついてきてもらえる?」

スタスタスタスタ



21: 2011/04/11(月) 00:00:17.27 ID:nVb8QoET0
さやか「突然私たちを呼び出して何?」

ほむら「あなたたちは自分の人生が尊いと思う?家族や友達を、大切にしている?」

さやか「えっ?ますますわけが」

まどか「みんな良い人たちだし、大切だよ」

ほむら「そう……あなたは?」

さやか「ま、まあまどかと同じかな」

ほむら「そう。もしその人たちが大切なら、今の自分や周りの人たちを変えようだなんて思わないことね」

ほむら「あなたたちは今のままでいればいい。さもないと……」

ま&さ「さもないと?」

ほむら「全てを失うことになる」スタスタスタスタ

ま&さ「???」

23: 2011/04/11(月) 00:05:22.12 ID:nVb8QoET0
ほむら(今はこれ以上言っても仕方ない。次は巴マミね……)

ほむら(彼女がキュゥべえと一緒に契約を勧めると厄介だわ)

ほむら(そうなるとある程度先に情報を提供した方が良いかしら……)

ほむら(協力してもらって戦力になったほうがワルプルギスの夜のことを考えると都合が良いし……)

ほむら(問題はどこまで話すか……以前は一度にからくりが分かり過ぎて殺されかけた……)

ほむら(彼女が受け入れそうなことで、キュゥべえが伝えてないことと考えると……)



ほむら「このクラスに巴マミはいるかしら」

生徒「え、ええ…いますけど」

ほむら「呼んでもらえる?」

生徒「は、はあ…」

マミ「何かしら、私に何か用事?」

ほむら「ちょっとこれのことで相談があるの。屋上に来てもらえるかしら」

25: 2011/04/11(月) 00:11:30.31 ID:nVb8QoET0

マミ「それはソウルジェム!あなたは…」

ほむら「そう、同類よ」

マミ「私にそれを見せるってことは、何か知っているのね」

ほむら(相変わらず状況把握は早そうね……)

マミ「わかったわ、屋上に行きましょう」


【屋上】

マミ「それで、魔法少女についての相談って何かしら」

ほむら「私も早速その話に入りたいのだけど、確認のためにあなたにも訊くわ」

マミ「?」

ほむら「キュゥべえは今この近くにはいないわよね?」

マミ「?……ええ、いないと思うけれど」


28: 2011/04/11(月) 00:17:47.81 ID:nVb8QoET0
ほむら「ならいいわ。今日、おそらくキュゥべえが新たな魔法少女の候補者を見つけてくる」

ほむら「当然キュゥべえは契約させようとする。そこで…」

マミ「そこで?」

ほむら「あなたにはその候補者に魔法少女になることを勧めないでほしい」

マミ「何故?魔女退治には仲間が多いほうが都合が良いでしょ?」

マミ「それともグリーフシードの取り合いを避けるため?」

ほむら「仲間が多いほうが魔女退治に都合が良いというのはあなたの言う通りよ」

ほむら「それに、グリーフシードの取り合いを防ぐというのも分かりやすい理由ね」

30: 2011/04/11(月) 00:23:20.23 ID:nVb8QoET0
ほむら「ただ、それも否定したいから持ってきたわ」

マミ「!……それ……まさか全部グリーフシード」

ほむら「そうよ。私は今のところこれに関して困っていることはない」

ほむら「つまり、ライバルが増えて困るということでもない」

マミ「では、何故?」

ほむら「魔法少女には色々と裏があるの。あなたも知らない実態が。しかし今は……」

マミ「……しかし今はあなたはそこまでは教えてくれない、あるいは教えられないってこと?」

ほむら「そう。今言ったとしてもおそらく信じてはもらえない」

ほむら「仮に、信じてもらえたとしても、それは私にとってもあなたにとってもとても不都合なことになる」

31: 2011/04/11(月) 00:28:11.44 ID:nVb8QoET0
マミ「わかったわ」

ほむら「でも今言えそうなことだけ先に言っておくわ」

ほむら「これは、新たに魔法少女を生みださないためにも重要なことなの」

マミ「それは一体?」

ほむら「キュゥべえはあなたにそのことを言わなかったと思うのだけれど……」

マミ「?」

ほむら「……実は、そのソウルジェムは……それがあなたの本体、つまり魂の入れ物」

ほむら「今のあなたの肉体はただの抜け殻よ」

マミ「!……それは……証拠でもあるの?」

ほむら「もちろんあるわ。このソウルジェムの効力はせいぜい100m程度」

ほむら「それよりも離れたら、あなたの体は動かなくなる」

マミ「……あなたは……見たことがあるのね」

ほむら「ええ」

33: 2011/04/11(月) 00:32:29.96 ID:nVb8QoET0
マミ「……わかった」

マミ「今あえてそれが本当かどうか確かめはしないけど、とりあえずキュゥべえと一緒に勧誘するようなことはしないわ」

ほむら「良かった……」

マミ「ふーん……じゃあそのかわりと言ってはなんだけど、私もあなたにひとつお願いしてもいい?」

ほむら「?」

マミ「これから魔女を退治する時には協力してもらえないかしら」

ほむら「実はそれもお願いしようとしていた所よ」

ほむら(今の計画を進めるには戦力が多いに越したことはないし……)

マミ「それじゃあ、これからよろしくね。私は巴マミ、もうあなたは何故か知っているみたいだけど」

ほむら「私は暁美ほむらよ。よろしくお願いします」

36: 2011/04/11(月) 00:37:08.78 ID:nVb8QoET0
【CDショップ】

まどか「♪~」

ほむら「……」

チョンチョン まどか「ん?」

さやか(ねえ、てか何でこいつまでいるの?)

まどか(いやあ~、ついて行きたいって言われたから……断る理由もないし)

さやか(とは言ってもねえ……暁美さんだっけ?何か不気味じゃない?)

まどか(そういうこと言っちゃダメだよ)

まどか(休み時間に呼び出されたのも何か心配だったのかもしれないし)

さやか(う~ん……)

39: 2011/04/11(月) 00:43:43.01 ID:nVb8QoET0
QB(助けて……)

QB(ボクを…助けて……まどか…)

ほむら「!」

まどか(!)

まどか(何?何なの?)フラフラ

ほむら(何故キュゥべえの声が?今回は私は襲ってないのに……)

ほむさ(とりあえず今はまどかについて行くしか……)

さやか(ん?まどか?それにまどかから少し離れて後ろに転校生が……)

さやか(なんだかよく分からないけど私もついて行こう)

43: 2011/04/11(月) 00:48:45.41 ID:nVb8QoET0
【魔女の結界内】

まどか「どこ?どんどん道が変わっていく」

さやか「あ~もうどうなってんのさ」

ほむら(自ら結界付近に行っておびき寄せるとは……相変わらずね)



ドーン

ま&さ「!?」

マミ「危なかったわね。でも、もう大丈夫。あら、そこにいるのは」

ほむら(……)

マミ「友達が魔女の結界に閉じ込められてるのに変身しないのはマズいんじゃないの?」


46: 2011/04/11(月) 00:55:34.59 ID:nVb8QoET0
ほむら「できればこの二人には私の姿を見せたくなかった……」

マミ「ということは……まあ、いいわ。それより今は二人で魔女を」

ほむら「そうね。あなたはいつも通りに魔女と戦ってくれればそれでいいわ」

ほむら「必要があれば私が援護する」

マミ「もうなんか全てお見通しって感じね。じゃあさっさと片づけちゃいましょう」

ま&さ「へっ変身した!?」

49: 2011/04/11(月) 01:02:20.91 ID:nVb8QoET0
…………

マミ「ティロ・フィナーレ!」

まどか「すごい……」

さやか「も…戻った……」

マミ「さすがに二人だと仕留めるのも早いわね。そこにあるのは……」

ほむら「今回はほとんどあなたが攻撃していたし、グリーフシードはあげるわ」

マミ「そう?」

まどか「あっ!」

まどか「この子が私に呼びかけたんです、助けてって」

マミ「キュゥべえ……」

ほむら(……)

54: 2011/04/11(月) 01:08:13.97 ID:nVb8QoET0
…………

QB「ありがとう、マミ。助かったよ」

マミ「私は通りかかっただけだから。お礼はこの子たちに」

QB「どうもありがとう。ボクの名前はキュゥべえ」

まどか「あなたが、私を呼んだの?」

QB「そうだよ。鹿目まどか、それと美樹さやか」

さやか「なんで、あたしたちの名前を?」

QB「ボク、君たちにお願いがあって来たんだ」

まどか「お願い……?」

QB「ボクと契約して、魔法少女になって欲しいんだ!」

ほ&マ「それはやめたほうがいいわ」

QB「!!」

マミ「まあ、こんな所で立ち話もなんだし、私の家に来ない?」

57: 2011/04/11(月) 01:14:24.86 ID:nVb8QoET0
【マミの家】

マミ「私からの魔法少女についての説明はこんなところよ」

マミ「今のところ問題ないわよね?暁美さん」

暁美「ええ。これはどのみちキュゥべえが候補者に言う事柄だから」

マミ「私としては、あのことさえなければ……」

マミ「あなたたちに魔女退治を見てもらってそれから魔法少女になるかどうか決めてもらおうと思っていたのだけれど……」

ま&さ「?」

ほむら「キュゥべえに訊けばハッキリするわ」

ほむら「とりあえずこいつはこれに関してウソをつくことはないはずよ」

58: 2011/04/11(月) 01:20:08.79 ID:nVb8QoET0
マミ「……キュゥべえ、あなたが何を企んでいるのかは知らないけれど、

  少なくともひとつは魔法少女についての重要なことを話してないわよね?」

QB「なんのことだい?」

マミ「とぼけてもダメ……ソウルジェムのことよ」

マミ「魔法少女になったらこの体はただの抜け殻になって魂はこれに入るなんて言ったかしら?」

ま&さ「!?」

QB「それは……訊かれなかったから答えなかっただけだよ」

マミ「ということは本当なのね」

ほむら「どう、わかった?とりあえずこいつは私たちに都合の悪いことは言わないのよ」

ほむら「だから、命が惜しかったら契約なんてしないことね」

ま&さ「……」

QB「暁美ほむら、君は……」

60: 2011/04/11(月) 01:27:26.56 ID:nVb8QoET0
ほむら「もうこんな時間だし、そろそろお暇するわ」

まどか「あっじゃあ私たちもそろそろ……」

さやか「そうだね」

スタスタスタスタ

まどか「あっあの……暁美さん」

ほむら「ほむらでいいわ」

まどか「ほむら…ちゃん…」

ほむら「何かしら?」

まどか「今日は…ありがとう……ほら、さやかちゃんも」

さやか「あ…ありがとう」

63: 2011/04/11(月) 01:32:47.28 ID:nVb8QoET0
さやか「…学校で話した時はなんかヘンなこと言うからちょっとアレだったけど……」

さやか「今はその……意味もなんとなくわかったし」

ほむら「当然のことをしたまでよ。それに、」

まどか「契約はしない」

ほむら「そう、それでいいわ」

まどか「そ、その……その代わりと言っては何だけど」

ほむら「何?」

まどか「これからもほむらちゃんのカッコイイところを見たいなーなんて」

ほむら「えっ」

69: 2011/04/11(月) 01:39:41.96 ID:nVb8QoET0
───────────────────────────

マミ「ティロ・フィナーレ!」

さやか「いやあ今日もカッコ良かったですよ、マミさん!」

マミ「あはは……」

まどか「ほ、ほむらちゃんも……」

ほむら「……」

マミ(契約しないのはいいとしても毎度のように魔女退治について来られるのも正直言って負担が大きいわ)

マミ(いくら二人で協力しているとはいえ……)

ほむら(これについては謝るわ、巴マミ。私も少し迂闊だった)

ほむら(でも、私はどうしても二人に契約させるわけにはいかない……)

マミ(まあ、今のところ被害が出てないからいいけど……)

71: 2011/04/11(月) 01:45:40.36 ID:nVb8QoET0
QB(それに、この状態ならまだ切り札が二枚もあるようなもの)

QB(ボクとしては現状を維持したいんだけどねえ……まあ、だから)

QB「二人がよければいつでも契約はできるから、遠慮なく言ってね!」

…………

ほむら(最近明らかに二人の魔法少女への憧れが生じてきている……約束はさせてはいるけど……)

ほむら(ソウルジェムのことを知っているからといって契約しないという保証はない……)

ほむら(しかし魔法少女が魔女になることを言うにはまだ早すぎる……巴マミに伝わったらまた殺されかねない)

72: 2011/04/11(月) 01:50:48.18 ID:nVb8QoET0
【病室】
上條「さやかはさ…僕のことをいじめてるの?」

さやか「え……?」

上條「毎日毎日……特に用もないのにお見舞いに来て僕につまらない話とCDを聴かせて……」

さやか「だって…恭介音楽好きだし……」

上條「もう聴きたくないんだよ!!自分で弾けもしない曲なんか!!」

ガシャーンッ!!

さやか「きょ、恭介……」

上條「もうこんな腕なんて……!」

75: 2011/04/11(月) 01:54:34.55 ID:nVb8QoET0
さやか「やめて恭介!きっと治るよ、だから諦めないで!」

上條「……諦めろって言われたんだ」

さやか「……え?」

上條「今日お医者様から直々に言われたよ」

上條「もうこの腕は治らない……奇跡か魔法でも起きないかぎり……」

さやか「……あるよ」

さやか「奇跡も魔法も、あるんだよ」

77: 2011/04/11(月) 02:00:18.83 ID:nVb8QoET0
…………

※さすがに以前の反省を生かして連絡取れるようになってます

まどか「もしもし」

ほむら「!もしもし……どうしたの?」

まどか「仁美ちゃんが……仁美ちゃんが大変なの!」

ほむら「まさか……魔女に」

まどか「まだ結界には入ってないみたいだけど、口づけされてて様子が」

ほむら「すぐ行くわ。巴マミにも伝える」

80: 2011/04/11(月) 02:05:10.99 ID:nVb8QoET0
…………

マミ「遅くなって済まないわね」

ほむら「今私も来た所よ」

ほむら「場所的にはここのはずなのに……ソウルジェムが反応しない」

ほ&マ「!?」

ほむら「あなた……」

マミ「その格好」

さやか「いや~、親友のピンチとあっては駆け付けないわけにはいかないでしょう」

まどか「ありがとう、さやかちゃん。仁美ちゃんも助けてくれて」

さやか「今まで見学してたし、今回の魔女は弱かったしね。たいしたことはしてないよ」

81: 2011/04/11(月) 02:10:20.81 ID:nVb8QoET0
ほむら「約束はどうしたの!?」

ほむら「魔女退治を見学させる代わりにキュゥべえとは契約しないことになっていたはず」

さやか「……でもさ、私はソウルジェムのことも知ってるし、いいかなって」

ほむら「……」

まどか「あっあの…その、私も助けてもらった身だし、あんまりさやかちゃんのことは……」

マミ「本当にこれで良かったの?美樹さん」

さやか「もちろんですとも」

ほむら「……」

87: 2011/04/11(月) 02:18:12.01 ID:nVb8QoET0
ほむら(美樹さやかの性格は知っているつもりだったけど……)

ほむら(でも今回はまどかを助けるのが遅れるという自分の非もあるから彼女を責められない)

ほむら(でも美樹さやかは最も魔女になりやすいから厄介だわ……)

ほむら(こうなると計画上、今後上条恭介の腕がどうなるかの保証もできないし……)

ほむら(とりあえず彼女の魔女化を防ぐ手を打たなくては……志筑仁美が行動を起こす前に)


ほむら(それにこの状況ではまどかも契約しかねない)

ほむら(もう3人も魔法少女が周りにいるとなると……キュゥべえも勧誘の攻勢を強めるだろうし……)

ほむら(彼女にだけ魔女の仕組みを言っておくべきかしら……)

95: 2011/04/11(月) 02:26:34.27 ID:nVb8QoET0
【病室】

ほむら「失礼します」

上條「あなたが、転校生でさやかのクラスメイトの暁美さん?」

ほむら「はじめまして。もうすぐ退院するそうね」

上條「そうなんだよ。いきなり腕が治ってしまって僕も家族も医者もみんなビックリしてるよ」

ほむら「それは……良かったわね」

上條「あまり嬉しそうに見えないね。とはいえ初対面の人の病状なんてそんなもんか」

ほむら「……」

上條「で、話って何?まあだいだい予想はつくけど」

ほむら「美樹さやかのことよ」

96: 2011/04/11(月) 02:30:44.45 ID:nVb8QoET0

上條「彼女とは幼なじみでよく病院にお見舞いにも来るけど……」

ほむら「正直に言って、彼女のことをどう思っている?」

上條「う~ん……さやかの好意はありがたいけど、最近はちょっと鬱陶しく感じることがないこともないよ」

上條「それに、悪いけどさやかのやってることって厳しいことを言えば結局は自己満足なんじゃないかって」

上條「ただ自分が僕と一緒にいたいからお見舞いに来てるようにも思える」

ほむら「どうにかして彼女の気持ちに応えてあげられないかしら」

上條「今のところ無理だね」

99: 2011/04/11(月) 02:37:32.59 ID:nVb8QoET0
ほむら「では彼女のやっていることが自己満足でないとしたら?」

上條「それはどういうことだい?」

ほむら「すぐに信じてもらう気はさらさらないけど、あなたの腕を治したのは美樹さやかよ」

上條「!まさか……そんなことがあるはずがない」

上條「確かに僕は以前、奇跡や魔法でもない限りこの腕は治らない、と彼女に言ったことがあるけど……」

ほむら「それに対して彼女はなんと答えた?」

上條「奇跡も魔法もあると言った」

ほむら「そう。美樹さやかは魔法であなたの腕を治した」

103: 2011/04/11(月) 02:45:28.89 ID:nVb8QoET0
上條「でも、そんなこと一言も……いや、信じてもらえないということはあるにしても」

ほむら「彼女もあなたの考えていることに薄々気づいていたのでしょうね」

ほむら「わざわざそれを言ったらただ恩着せがましいだけだ、と」

上條「……」

ほむら「信じられないなら、いずれ証拠を見せるわ」

ほむら「……いえ、その結果あなたがどう思うに関わらず先にお願いしておくべきね」

上條「?」

105: 2011/04/11(月) 02:50:07.44 ID:nVb8QoET0
ほむら「どうか美樹さやかとつきあって欲しい」

上條「それは……」

ほむら「それも一カ月だけでいいわ。それ以降はあなたの自由にしてくれて構わない」

上條「……一体君は何者なんだい?」

ほむら「美樹さやかと同じ、魔法少女よ」

109: 2011/04/11(月) 02:56:28.82 ID:nVb8QoET0
数日後……

さやか「あれ、ほむらは?」

まどか「ちょっと体調が悪いみたいで」

マミ「だから、今日は二人で魔女退治ね」

さやか「ふ~ん……まあ私もそろそろ戦闘にも慣れてきたし、今日は私メインで攻撃してもいいかな?マミさん」

マミ「私もちょうどそう言おうかと思っていたところよ」

マ&ま(これならますます好都合かも)

さやか「じゃあ今日もはりきっていきますか~♪」

113: 2011/04/11(月) 03:02:20.31 ID:nVb8QoET0
【魔女の結界内】

まどか(ほむらちゃんの言ってた上條君とさやかちゃんをくっつける作戦ってこれ?)

ほむら(ええ、そうよ)

マミ(しかしあなたも大胆ね。無関係の一般人をこんな所に連れてくるなんて)

ほむら(理由は後でわかるわ。それより、くれぐれも美樹さやかには彼の姿が見つからないように)

ま&マ(了解!)

…………

さやか「ヤッ!ハッ!」ザクッ ズシャッ

ほむら「美樹さやかはあなたの腕を治す代わりに、魔法少女となって魔女と戦う使命を与えられた」

ほむら「時には戦闘で命を落とすこともある」

上條「…………」

114: 2011/04/11(月) 03:07:19.35 ID:nVb8QoET0
ほむら「少なくとも彼女の行為が自己満足でないことはわかってもらえたかしら」

上條「あ、ああ……」

上條「……まさかさやかが僕の腕と自分の命を天秤にかけるなんて」

ほむら「しかしいずれあなたもそれに似た選択を迫られるかもしれないから覚悟しておいて頂戴」

ほむら「ところで、私のお願いはきいてもらえるのかしら」

上條 コクリ

上條「……しかし君はさやかと知り合って間もないはず。何故彼女のためにそこまで?」

ほむら「いずれわかるわ」

116: 2011/04/11(月) 03:13:55.72 ID:nVb8QoET0
数日後

さやか「いや~恭介がさ~」

さやか「恭介がね……」

さやか「恭介ったら」

まどか(上條君とつきあうようになって、いつもこれだよ)

ほむら(のろけ話は飽きるけれど、この状況は喜ばしいことだわ。でも……)

まどか「いいなあ~、私も魔法少女になったら今よりも……」

QB「そうだよ、まどか。魔法少女になれば願い事が叶う上に色んな人たちの役に立てるんだよ」

121: 2011/04/11(月) 03:18:05.42 ID:nVb8QoET0
まどか「でも、私までほむらちゃんとの約束を破るわけにいかないし」

QB「そうかい」

まどか「ほむらちゃんはどうして私に魔法少女になって欲しくないの?ソウルジェムのことがあるから?」

まどか「でも、キュゥべえが言うには私は素質があるからもっと色んな人の役に立てるって……」

ほむら「それは否定しないわ。でも、とりあえず約束は守って欲しいの」

まどか「うん……」

ほむら(これで当面のところさやかの魔女化はなくなった。そろそろ魔女のことも教えた方がいいかしら)

ほむら(そして、ワルプルギスの夜に備えて新たな戦力を……)

126: 2011/04/11(月) 03:25:37.45 ID:nVb8QoET0

【隣町】

杏子「なんだお前?この辺じゃあ見ない顔だな」

ほむら「最近隣町に引っ越してきて間もないから無理もないわ、佐倉杏子」

杏子「なんで私の名前を?……まあ、いい。用件はなんだ?宣戦布告か?」

ほむら「違うわ。あなたに協力して欲しいことがあるの」

杏子「ハッ バカなこと言ってんじゃねえよ。私は巴マミのような仲良しこよしが好きな連中じゃねえんだぞ」

ほむら「それも知っているわ。普段の魔女狩りはあなたの好きにすればいいし、テリトリーを犯す気もない」

杏子「じゃあなんだ?」

127: 2011/04/11(月) 03:29:50.66 ID:nVb8QoET0
ほむら「ワルプルギスの夜についてきいたことは?」

杏子「まあ、それについてはキュゥべえから多少はな」

ほむら「単刀直入に言えば協力してほしいのはその時よ」

杏子「確かに超弩級の魔女ってことはきいてるが……」

杏子「だが私はグリーフシードが取れるなら全部自分の物にしたい。安易に協力するとは言えねえな」

ほむら「その点に関しては心配無用よ。ワルプルギスの夜はグリーフシードを生みださない」

128: 2011/04/11(月) 03:35:33.01 ID:nVb8QoET0
杏子「!……さっきから……てめえ一体何者だ?」

杏子「引っ越してきたばかりという割に私の名前も知ってやがるし」

ほむら「私は暁美ほむら。魔法少女の真相を知る者よ」

杏子「魔法少女の真相……お前は協力させる代わりにそれについての情報をよこすということか?」

ほむら「そう。理解が早くて助かるわ。もし興味があるなら私についてきて」

129: 2011/04/11(月) 03:43:32.73 ID:nVb8QoET0
【ほむらの家】

杏子「おじゃまします……っておい、話が違うぞ!」

ほむら「わかっているわ。彼女は魔法少女じゃない」

まどか「こ、こんにちは……鹿目まどかです」

杏子「……佐倉杏子だ」

ほむら「まあ、魔法少女でないからと言って関係ない訳ではないのよ」

ほむら「まどかはキュゥべえから勧誘されているわけだし」

杏子「……まさか、それを止めろと」

131: 2011/04/11(月) 03:54:30.93 ID:nVb8QoET0
ほむら「さすがに来て早々にそれを要求するつもりはないわ」

ほむら「まずはソウルジェムについて話しましょう。これはもう巴マミも知っている情報よ」

杏子「キュゥべえから説明はあっただろ?」

ほむら「それはそうね。でも、あいつらはこっちに都合が悪いことは話してくれないの」

ほむら「あなたもキャリアが長いからなんとなくわかるでしょう?」

杏子「まあ、確かにな……」

ほむら「実はソウルジェムはただの宝石じゃない。それがあなたの本体」

ほむら「魂はソウルジェムにあって、その体はただの抜け殻よ」

134: 2011/04/11(月) 04:02:43.94 ID:nVb8QoET0
杏子「!……そんなバカな!それじゃあ、あたしらは……」

ほむら「ゾンビにされたようなものね」

ほむら「でも、この事実を知ったうえでも既に一人は契約してしまった……」

杏子「バッカじゃねえの!もし事前にそのことを自分が知ってたら、絶対に契約なんてしないぞ」

まどか「……」

ほむら「でも、ここにまた一人契約しようとしている者がいる」

ほむら「彼女は周りの魔法少女の状況を見て、自分が契約すればもっと良くなると勘違いをしている」

135: 2011/04/11(月) 04:07:14.56 ID:nVb8QoET0
杏子「そうだな、それは大きな勘違いだ。自分は契約をしたばっかりに……」

ほむら「話してもらえるかしら?魔法少女になってどうなったか……」

杏子「まるで知っているかのような口ぶりだな。……まあ、いいさ。話してやるよ」

杏子「とりあえずソウルジェムのことは教えてもらったしな」


ちょっとストックも尽きたし考えながらもシンドイのでとりあえずここまで。

たぶんスレ立て直します。今日の0時まではさすがにもたないよね?このスレ

215: 2011/04/11(月) 19:18:17.67 ID:nVb8QoET0

杏子「とりあえずソウルジェムのことは教えてもらったしな」

…………

杏子「……とまあ、魔法少女になった私の事の顛末はこんなところ…って何泣いてんだ?」

まどか「…うっ……だって…せっかく願い事を叶えたのにこんなことになるなんて……ひどい……」ポロポロ

杏子「あー……そのなんだ、まあこういうこともあるからその……魔法少女になんかならないほうがいいぞ」

まどか「うん……でも……」

まどか「杏子ちゃんはこのままでいいの?」

219: 2011/04/11(月) 19:26:27.09 ID:nVb8QoET0
まどか「これからもずっと一人で……魔女と戦っていくの?」

杏子「……あたしはもう自分のためだけに生きるって決めたんだ」

杏子「もともと群れるのが好きな性分でもないしな」

まどか「……じゃあ……自分のために他の人と一緒にいるのは嫌?」

杏子「!……いや、そりゃ……まあ寂しいことがないかと言われたらウソになるけど」

ほむら「私からもお願いするわ」

ほむら「いくらワルプルギスの夜の時に共闘するといってもぶっつけ本番ではうまくいかないかもしれない」

ほむら「それにこっちは一人ではないから今のうちに他の人にも会わせておきたい」

220: 2011/04/11(月) 19:33:35.52 ID:nVb8QoET0
杏子「それはちょっと話が違うんじゃねえの?」

杏子「私は情報を得る代わりにワルプルギスの夜の時に協力すると言ったんだ。他の要求をするなら……」

ほむら「わかっているわ。何の対価もなしに事前の協力は求めない」

ほむら「だから新たに魔法少女に関する情報を伝える。しかし……」

杏&ま「?」

ほむら「今から話すことは絶対に他の人に口外してはダメよ」

ほむら「以前私はこの事実を目の当たりにした魔法少女が絶望して無理心中を図ったのを見たわ」

杏&ま「!」

223: 2011/04/11(月) 19:40:07.63 ID:nVb8QoET0
ほむら「だから……これについては今まで口にするのは避けていた」

ほむら「でも、たぶん今のあなたなら言っても大丈夫だろうし、まどかには魔法少女にさせないために言うことにするわ」

ほむら「そして、おそらくこれを知ったらあなたたちは新たに問題が生まれたと思うでしょう」

ほむら「ただ、その解決策もすでに考えてある」

ほむら「いちおうその見通しが立ちそうということもあって、話すことにした」

杏子「ずいぶんとまわりくどい言い方をするじゃないか。そんなに知られちゃマズいことなのか?」

ほむら「キュゥべえにとっては一番都合が悪いでしょうね。これを知られると」

226: 2011/04/11(月) 19:48:43.40 ID:nVb8QoET0
杏子「で、なんなんだ?その魔法少女に関する情報とやらは」

ほむら「あなたはソウルジェムが濁りきったらどうなるか……知ってる?」

杏子「…さあ?ソウルジェムは魔力の源なんだから魔力が使えなくなるんじゃ?」

ほむら「普通はそう思うわよね。でも違うのよ」

ほむら「ソウルジェムが濁りきると…………その魔法少女は魔女になる」

杏&ま「!!!」

杏子「まさか……そんな……じゃあキュゥべえの目的は……」


231: 2011/04/11(月) 19:56:32.32 ID:nVb8QoET0
ほむら「魔女を生みだすことよ。より強い魔女を」

ほむら「まどか、あなたは以前キュゥべえから君は最強の魔法少女になれるときいたわよね?」

まどか「うん………!それって……強い魔法少女が強い魔女に……なるってこと?」

ほむら「そういうこと」

ほむら「一見すれば魔女から人間を救っているように見えるキュゥべえの行為の実態は壮大な自作自演だったのよ」

杏子「……それじゃあ……そもそも何のために魔女を作り出しているんだ?」

ほむら「……にわかには信じがたい話だけど」

ほむら「…いえ魔法が存在している時点でそんなことを言うのは野暮というものね」

233: 2011/04/11(月) 20:03:44.99 ID:nVb8QoET0
ほむら「彼らはありていに言えば地球外生命体で、新たなエネルギー資源を探していた」

ほむら「そして感情というものをエネルギーに変換する発明をした」

ほむら「でも、当の彼らは感情というものをもっていなかった」

ほむら「そこで、地球にいる人類の感情を利用することにした」

ほむら「それで、最も効率の良い方法としてこの位の年齢の少女の希望から絶望へ変化する際に出る感情を取りだす事にした」

ま&杏「……」

239: 2011/04/11(月) 20:17:36.80 ID:nVb8QoET0
杏子「その話が本当なら……」

杏子「自分が魔女にならないようにする為には、一生魔女と戦ってソウルジェムが濁らないようにしないといけないって事か?」

ほむら「理屈としてはそうなるわね……ただ現実的ではないでしょうね」

まどか「そんな……」

杏子「あたしらは魔法少女になった時点で魔女になる運命なのか?」

ほむら「それが嫌でさっき言った魔法少女はソウルジェムを破壊した」

杏子「……なんとかならないのかよ?」

240: 2011/04/11(月) 20:21:38.67 ID:nVb8QoET0
ほむら「一応考えはあるのだけれど……さすがに今教えるわけにはいかないわ」

ほむら「とりあえず、今はワルプルギスの夜を撃破することに集中したほうが良いと思う」

杏子「それで、あたしはあんたらに同行しろ、と」

ほむら「そういうこと」

242: 2011/04/11(月) 20:27:26.62 ID:nVb8QoET0
…………

さやか(あの、新しく仲間に加わった杏子とかいう奴のことだけどさあ……)

さやか(一人でグリーフシード取り過ぎじゃない?)

マミ(まあ、彼女もベテランみたいだしワルプルギスの夜のことを考えると戦力が多いに越したことはないわ)

マミ(それに美樹さんは)

ほむら「彼女と違って損得で動くような人間じゃない。あなたは、あくまで人助けのために魔法少女になった。違う?」

243: 2011/04/11(月) 20:31:12.69 ID:nVb8QoET0
さやか「ん、まあ……それはそうだけど」




ほむら(仕方ないわ、ずっと一人で戦って来たんだもの……すぐに連携を取れる方がおかしい)

ほむら(でも、さすがに前回のようなトゲトゲしさがなくて良かったわ。やはり彼女に真相を話して正解だった……)

ほむら(ここまで全てが順調にいっている……)

ほむら(もはやワルプルギスの夜のことなど大した障害ではないのかもしれない……問題は……その後)

247: 2011/04/11(月) 20:36:38.78 ID:nVb8QoET0
【ワルプルギスの夜戦前日】
…………
ほむら「ワルプルギスの夜の出現範囲は……」
…………
さやか「それ本当なの?……」
…………
杏子「ほむらが今までウソの情報を言ったことなんてあったか?」
…………
マミ「……そうね、じゃあこういう攻撃方法はどう?」
…………

250: 2011/04/11(月) 20:45:11.05 ID:nVb8QoET0
ほむら「だいたいこんな感じでいいかしらね。ところで、巴マミ」

マミ「?」

ほむら「少し二人だけで話したいことがあるの。ちょっと来てもらえる?」

マミ「?…ええ」

…………

マミ「何?話って」

ほむら「突然こんなことを言うのはあなたにとっては意味が分からないと思うけど……」

ほむら「あの時、キュゥべえと契約していなかったらどうなっていたと思う?」

マミ「確かにあの時は……重傷を負っていて生氏の境をさまよっていたけど……」

マミ「契約しなかったらどうなっていたかは……なんとも言えないわね」

253: 2011/04/11(月) 20:52:43.50 ID:nVb8QoET0
ほむら「そう……これは仮定の話なんだけど、もし普通の人間に戻れるようなことがあるとしたら……あなたはどうする?」

マミ「えっ!?」

ほむら「あくまで仮定の話よ」

マミ「どうだろうな……私は……魔法少女のままでいいかな」

ほむら「!……何故?」

マミ「あら?意外な答えだった?……今は……もう一人じゃないから」

ほむら「そういうこと……じゃあ今のような状態のままだったら?」

254: 2011/04/11(月) 20:54:54.23 ID:nVb8QoET0
マミ「それならどちらでも構わないわ。確かに魔法少女になって人助けにはなっていると思うけど、魔法少女か仲間か天秤にかけるのなら魔法少女は多分選ばないと思うわ」

ほむら「そう……あなたのだいたいの考えは分かったわ」

マミ「でも、どうして急にこんな話を?」

ほむら「それは明日タネ明かしをするわ」

…………

ほむら(次は上條恭介の所に行かなくては)

256: 2011/04/11(月) 21:01:35.43 ID:nVb8QoET0
【上條の家】

ほむら「──────」

上條「この前の意味深な言葉の意味はそういうことだったのか」

ほむら「そう。それで、あなたはどちらを選ぶ?」

ほむら「美樹さやかの選択は分かり切ってるからあえて訊きには行かないけど」

上條「僕は──────」

ほむら「そう。では明日、時間になったら……」

上條「そこで待っていればいいんだね?」

ほむら「ええ」

261: 2011/04/11(月) 21:11:21.31 ID:nVb8QoET0
ほむら(次はまどかの所ね……)

【まどかの家】

まどか「どうしたの?ほむらちゃん。作戦会議ならもう終わったよね?」

ほむら「それはそうなんだけど……ワルプルギスの夜を倒した後のことで、話があるの」

まどか「それは……この間言っていた魔法少女の今後についてってこと?」

ほむら「ええ」

まどか「分かった。入って」

ほむら「おじゃまします」

262: 2011/04/11(月) 21:18:49.74 ID:nVb8QoET0
…………

ほむら「単刀直入に言うわ。明日、あなたは私の人質になって欲しいの」

まどか「!?…ん~」

ほむら「最近こそ効果がないと見えてキュゥべえが勧誘することはないけど、ワルプルギスの夜を倒したら、奴は必ず現れる」

ほむら「最強の魔法少女候補であるあなたが危害を加えられるのは、キュゥべえにとっても都合が悪いはずよ」

まどか「ほむらちゃん…………」

ほむら「…」

264: 2011/04/11(月) 21:24:12.91 ID:nVb8QoET0
まどか「……そろそろ全部話してもらうわけにはいかないかな。私が契約することはもう多分ないし」

ほむら「そうね……あなたから見れば、意味不明のお願いをしているだけだもの……」

ほむら「わかったわ。でも、長い話よ」

まどか「それは覚悟してるよ」

ほむら「……私が魔法少女になったのは……」

267: 2011/04/11(月) 21:33:11.37 ID:nVb8QoET0
…………

ほむら「……そういうことだから、あなたには人質の役を買って欲しい」

まどか「うん…わかった……ほむらちゃんは……」ポロポロ

まどか「今までずっと一人で……」

まどか「私……全然ほむらちゃんの気持ちを……わかってなかった」

まどか「ごめんね……ごめんなさい………」

ほむら「あなたが謝る必要はないわ。記憶にないことだもの」

まどか「……でも、ほむらちゃんは全部知ってたのに……」

まどか「私はほむらちゃんの言うことに従わないこともあったから……」


273: 2011/04/11(月) 21:40:17.49 ID:nVb8QoET0
ほむら「私はあなたが契約さえしなければ……それ以外は些細なことよ」

ほむら「今まで約束を守ってくれてありがとう」

まどか「ごめんね……本当は泣きたいのはほむらちゃんのはずなのに……」

ほむら「涙なんてとっくの昔に涸れたわ」

まどか「……じゃあなんで顔を上げてるの?」

ほむら「!……」ポロポロ

まどか「……もう我慢する必要なんてない…」

274: 2011/04/11(月) 21:45:35.12 ID:nVb8QoET0
ほむら「うっ……うう……今まで何度も失敗して……感情を表に出したら……またうまくいかないような気がして……」

まどか「うん……」

ほむら「……でも…今度こそ……今度こそは…やっと……うまくいきそうな気がする……」

まどか「ねえ……ほむらちゃん…」

ほむら「……何?」

275: 2011/04/11(月) 21:48:25.77 ID:nVb8QoET0
まどか「……キュゥべえって本当に感情を理解できないのかな?」

ほむら「あいつらに人間の価値観は……全く通用しないわ……」

まどか「でも……あなたが私に銃を突きつける前に……一度話しあってみるのはダメかな?」

ほむら「たぶん……ムダでしょうけど……あなたにまかせるわ……」

まどか「ありがとう……この期に及んで私のわがままにつき合わせて……」

ほむら「いいえそんなことは……あなたを人質に取らないで済むのなら……」

まどか「……私もやるだけのことはやってみたいの」

ほむら「うん……」

多分3時間後位に再開します

303: 2011/04/11(月) 23:46:27.26 ID:nVb8QoET0

【ワルプルギスの夜戦】

ほむら「そろそろ時間よ。準備はいいかしら」

さやか「バッチリですよ!」

杏子「あたしならいつでもいいぞ」

マミ「OKよ」

ほむら「……では作戦の通りに」

さ&杏&マ「了解!」

309: 2011/04/11(月) 23:56:31.92 ID:nVb8QoET0
~例のBGM~

ほむら(空高く出現するワルプルギスの夜はそもそも攻撃がしづらい)

マミ(そこで、なるべく早く下方におびき寄せるために敵の上部から攻撃する)

ほむら(みんな手はつないでいるわね……) カチッ

マミ(時間停止とともにまずは私が上空までの道を作る)

さやか(そして私が先行して敵の上部に行き無数の剣を並べる)

ほむら(さやかは上部から戻った……)カチッ

時間を再び進めると、敵に無数の剣が降り注いだ

317: 2011/04/12(火) 00:04:35.27 ID:UT9wGoSO0
杏子(次はあたしの番だな)

ヒュンヒュンヒュンッ

続いて杏子が至近距離から敵の上部に攻撃、下方に誘導する

杏子(さすがに、動きが速いな)

敵は暴れながらも下方に移動、ビル群の方に突っ込んでいく

ほむら(こうなってしまえば、こっちのものだわ) カチリ

周囲のビルに仕掛けておいた爆弾を爆発させ、敵の上部に次々に落としていく

敵は瓦礫の重みで身動きが取れない

321: 2011/04/12(火) 00:11:30.99 ID:UT9wGoSO0
ほむら「マミさん、今です」

マミ「ティロ・フィナーレ!」

ドーンッ

わずかに露出していた敵の体をマミの特大の大砲の弾が貫いた

ほむら、マミ、さやか、杏子の前でワルプルギスの夜はあっけなく倒れた

329: 2011/04/12(火) 00:17:27.30 ID:UT9wGoSO0
…………

マミ「ねえ、本当にあれがワルプルギスの夜だったの?」

杏子「確かに簡単にやっつけ過ぎた感がないとも言えねえな」

さやか「まあ、これが私たちの実力ってことじゃない?」

ほむら「事前に入念に作戦を練って大人数で戦ったから不思議なことではないわ。むしろ……」

杏子「この後が重要なのか?」

ほむら「ええ。本題はここからよ」

マ&さ「?」

ほむら「とりあえず先に避難させておいたまどかのいる病院に向かいましょう」

331: 2011/04/12(火) 00:26:00.59 ID:UT9wGoSO0
【病院の屋上】

まどか「あっ!みんな……」

まどか「無事なの?ワルプルギスの夜はもう倒したようだけど」

ほむら「全員無事よ」

まどか「良かった……それでほむらちゃんの言ってた通り……」

ほむら「現れたのね」

まどか「うん……」

QB「しばらくぶりだね、君たちとは」

さ&マ&杏「!?」

334: 2011/04/12(火) 00:33:42.28 ID:UT9wGoSO0
ほむら「いいところに現れたわね、キュゥべえ。ちょうど私もあなたに用があったの」

QB「ボクが用があるのは鹿目まどかだけど……なんだい?」

ほむら「まず先に2,3確認しておきたいことがある」

QB「?」

ほむら「魔法少女の契約についてよ」

ほむら「あなたは対象の人間の願い事をひとつ叶える代わりに、魔法少女にしているわね」

QB「その通りだよ」

ほむら「そして直接言ってはいないけれど、契約者の魂はソウルジェムに取って換えられる」

QB「普通はそれは言わないけど……そうだよ」

336: 2011/04/12(火) 00:39:45.61 ID:UT9wGoSO0
ほむら「そう……」

QB「君は……」




ほむら「結論から先に言わせてもらうわ」

ほむら「私暁美ほむらは魔法少女についての契約違反の摘発と契約の破棄を要求する」

QB「!!!!」
マミ「!!!」
さやか「!!!」
杏子「!」

341: 2011/04/12(火) 00:46:40.09 ID:UT9wGoSO0



ほむら「……とは言っても、これでは他の人に全く意味が通じない」

ほむら「そこでまずは、私個人が体験したことを順番に説明するわ」




343: 2011/04/12(火) 00:51:56.78 ID:UT9wGoSO0
ほむら「私は元々心臓を患っていて病弱だった」

ほむら「病状が改善して転入したのはいいものの、その当時希望は何もなかった。自分自身に絶望していた」

ほむら「そんな時だった……私の命を救ってくれたのは……鹿目まどかと巴マミ」

ほむら「自分でも気付かないうちに魔女の結界の中に入ってしまった私を二人は助けてくれた」

ほむら「彼女たちは自分たちが魔法少女であると言った」

ほむら「その後も彼女たちの魔女退治を私は目にした。二人ともカッコ良くて、自分も魔法少女になることを望んだ」

ほむら「でもそれは叶わなかった。キュゥべえから言ってこない限り、自分から魔法少女になることはできなかった」

349: 2011/04/12(火) 01:00:10.05 ID:UT9wGoSO0
ほむら「そしてワルプルギスの夜が来た。この魔女はとても強くて、巴マミはその戦闘中に氏んだ」

ほむら「そしてまどかは……敵と刺し違えた」

ほむら「そこに現れたのが……キュゥべえ、あなたよ」

ほむら「私は、キュゥべえと契約し、魔法少女となった。私の願いはこうだった」

ほむら「『鹿目まどかとの出会いをやり直したい。彼女に守られる私ではなく、彼女を守る私になりたい』」

ほむら「気がつくと、私は病室にいた。そして手にはソウルジェムが握られていた。私は退院する前の時間に戻っていた」

ほむら「あなたたちは知らないけれど、時間をさかのぼる力もその時私は手にした」

352: 2011/04/12(火) 01:05:32.48 ID:UT9wGoSO0
ほむら「転入してからは、魔法少女である二人と魔女退治に明け暮れた」

ほむら「その頃は本当のことも知らずに無邪気にその状況を楽しんでいた」

ほむら「そして、またワルプルギスの夜が来た。私とまどかで敵を倒すことはできた。でも……」

ほむら「魔力を消耗してまどかのソウルジェムは濁りきり、グリーフシードに変化」

ほむら「まどかは魔女になった」

マ&さ「!?」

マミ「そんな話は一度もきいてないわよ。……なぜ教えてくれなかったの?」

ほむら「今からその理由を言うから……」

357: 2011/04/12(火) 01:13:45.40 ID:UT9wGoSO0
ほむら「私は再び時間をさかのぼり、まどか、さやか、マミにそのことを説明した」

ほむら「もちろん最初は信じてもらえなかった。でも美樹さやかが魔女になり、図らずもそれが真実であることが露呈してしまった」

ほむら「巴マミは『ソウルジェムが魔女を産むならみんな氏ぬしかないじゃない!』と言って佐倉杏子を殺害し、私を拘束した」

杏&さ&マ「……」

ほむら「次に巴マミは私を狙ったが、すんでのところでまどかに救われた。だが、マミはその時に氏んでしまった」

ほむら「この時私のソウルジェムが破壊されていたら、興味深い状況になっていたでしょうね」

365: 2011/04/12(火) 01:20:20.32 ID:UT9wGoSO0
ほむら「そして再びワルプルギスの夜が来て、二人で戦った。なんとか勝利したけど二人のソウルジェムは限界だった」

ほむら「その時の私は正直に言って魔女になっても構わないと思っていた」

ほむら「でも、まどかはグリーフシードをひとつだけ隠し持っていた」

ほむら「そしてそれを使って私のソウルジェムを浄化した。そして、こう頼んだ」

ほむら「『ほむらちゃん、過去に戻れるんだよね?キュゥべえに騙される前のバカな私を助けて』」

ほむら「『それと、私は魔女にはなりたくない。この世界には守りたいものがたくさんあったから』」

ほむら「その願いをきいた私はまどかのソウルジェムを壊し、また過去に戻った」

370: 2011/04/12(火) 01:26:57.58 ID:UT9wGoSO0
ほむら「それからはただひたすらまどかを魔法少女にしないことに全力を尽くした」

ほむら「ワルプルギスの夜が来る時まで契約させずに済んだこともあった」

ほむら「でも、私一人で苦戦してる間にキュゥべえがまどかの元に行き、契約させてしまった」

ほむら「そしてまどかは敵を倒し、最強の魔女となった」

ほむら「その時初めてキュゥべえ、いいえインキュベーターの目的を知った」

ほむら「彼らの目的は、魔法少女が魔女になる時に発生するエネルギーの回収」

ほむら「それには魔法少女は強ければ強いほどいい」

QB「……」

371: 2011/04/12(火) 01:32:48.07 ID:UT9wGoSO0
ほむら「世界を破滅させようとしていた元まどかの魔女を横目に、私は……過去に戻った」

ほむら「幾度となく時間を繰り返し、ようやくまどかを契約させることなくワルプルギスの夜を倒した」

ほむら「私は魔女になるのを防ぐために自分のソウルジェムを壊した。……すると奇妙なことが起こった」


376: 2011/04/12(火) 01:39:46.30 ID:UT9wGoSO0
ほむら「魔法少女の魂の入れ物であるソウルジェムを破壊すれば、普通は氏ぬ」

ほむら「でも、何故か私は氏ななかった。……いえ、氏ねなかった。元の体を傷つけても、事態は変化しない」

ほむら「そして、壊したソウルジェムの欠片が全て闇に染まったとき……」







ほむら「……私はワルプルギスの夜となった」

385: 2011/04/12(火) 01:52:14.83 ID:UT9wGoSO0
ほむら「……正直に言って、どこまでがインキュベーターの算段によるものだったのかはわからない」

ほむら「それに訊いたところでおそらくムダでしょう」

ほむら「でも、今回のことでハッキリしたわ」

ほむら「効率良くエネルギーを回収したいなら強い者同士を戦わせればいい。そこで、ターゲットになったのが私とまどか」

ほむら「私はまどかを救うために、何度でも時間を繰り返す」

ほむら「そして私が氏ねずに魔女になれば、それを倒せるのは自分自身である暁美ほむらか鹿目まどかだけ」

ほむら「おまけに契約する時期がずれればずれるほど、まどかは強くなっていく」

ほむら「私はインキュベーターのエネルギー回収に知らず知らずのうちに協力させられていた訳ね」

391: 2011/04/12(火) 02:03:42.20 ID:UT9wGoSO0
ほむら「でも、誤算だったわね」

ほむら「貴方達は自分達のエネルギー収集のために人間に魔力を使わせたけど、それは完全に統制下には置かれてなかった」

ほむら「だから、魔法少女がどういう魔法を使うのかは把握しきれていない」

ほむら「というより、私の契約とそれに伴う魔法が特殊過ぎた」

ほむら「私は願いを叶えるために今まで奔走してきたけど、本来はおかしいのよ」

ほむら「魔法少女になった時点で願いは叶っていなければならないのだから。それで、ソウルジェムもただのお飾りになったのね」

ほむら「道理でワルプルギスの夜がグリーフシードを産まない訳ね。もともとソウルジェムすらあってないようなものなんだから」

396: 2011/04/12(火) 02:07:33.67 ID:UT9wGoSO0

ほむら「まあ、いずれにせよ現在の構造が維持される限り、私の願いは絶対に叶わない」

ほむら「私の言いたいことは分かるわよね?インキュベーター」


QB「……暁美ほむらの体を元に戻せってことかい?」

397: 2011/04/12(火) 02:14:02.10 ID:UT9wGoSO0
ほむら「そうよ」

QB「……わかったよ、暁美ほむら。契約違反だったことを認めるよ」

ほむら「さすがに理屈と損得だけで動いてるだけあって、話が早いわね」

QB「………」

ほむら「でも、人間への還元を行うのは私だけじゃないわ」

QB「!……まさかここにいる全員の還元をしろとでも言うのかい?」

ほむら「その通りよ」

402: 2011/04/12(火) 02:25:58.73 ID:UT9wGoSO0
マ&さ&杏「!」

QB「それは全然話が別だろう。彼女たちはちゃんと契約が成立している」

ほむら「私との契約を破棄するのに、今さら彼女達が魔女になった所で貴方のノルマ達成には程遠いんじゃないの?」

QB「………」

まどか「ねえ、キュゥべえ」

QB「!」

まどか「私からもお願いできないかな?」

まどか「エネルギーの回収をしたいんなら、私一人で充分なんでしょう?」

まどか「もうやめようよ、こんなの……他の子は関係ないじゃない……」

QB「いや、しかし……」

404: 2011/04/12(火) 02:38:35.78 ID:UT9wGoSO0
マミ「なら、こういうのはどう?契約を破棄して普通の人間に戻る代わりに願い事もなかったことにする」

ほむら「!」
QB「!」
まどか「!」
さやか「!」
杏子「!」

まどか「……それはマミさんの場合……事故にあった当時の体に戻すってこと?」

マミ「そう」

さやか「そっそんな無茶言わないで下さいよ、マミさん……」

マミ「私は……魔法少女が魔女になるときいた時から、過去の私と同じようにソウルジェムを壊すことを考えていたわ……」

さ&杏「!」

409: 2011/04/12(火) 02:46:16.62 ID:UT9wGoSO0
マミ「でも、元の状態に戻す方法があるのなら、そのほうが良いかなって」

さやか「でも、元に戻ったら氏んじゃうかもしれないんですよ!」

マミ「私からすればどちらも同じことよ。キュゥべえ……さっき私が言ったことは可能なの?」

QB「不可能ではないが……むしろそれ以上のことはボクにはムリだよ」

マミ「そう。じゃあ決まりね」

QB「!いや、契約自体を反故にするのを許可したわけじゃない」

411: 2011/04/12(火) 02:51:48.46 ID:UT9wGoSO0
さやか「そ、そうだよ……人間に戻れるのはいいとしても、願い事までなかったことにされるんなら恭介の腕は……」

恭介「さやかは本当にバカだね」

さやか「!!!……なんでここに恭介が……」

恭介「暁美さんから話はきいたよ……僕の腕とさやかの命を天秤にかけるようなことはやめてくれ」

さやか「恭介……」

413: 2011/04/12(火) 02:57:20.77 ID:UT9wGoSO0
恭介「確かに自分の腕が治ったときは天にも昇る気持ちだったけど……」

恭介「でもこんな重い代償を払ってすることじゃない」

恭介「僕の腕が治ってもそれでさやかが氏んでしまうのなら何の意味もないじゃないか」

恭介「ねえ、さやか……もう充分君の気持ちは伝わっているから……そう、気持ちだけでいいんだよこういうのは」

さやか「……」

恭介「おいで、さやか……もしできるのならば君は普通の人間に戻ってくれ」

さやか「でも……」

恭介「僕の言うことがきけないの?」

さやか「!……う、ううん」

418: 2011/04/12(火) 03:05:11.21 ID:UT9wGoSO0
ほむら「あなたはどうしたい?佐倉杏子」

杏子「私はもちろん普通の人間に戻りたいさ」

杏子「ただ、私の場合は……願い事がなかったことになっても家族が蘇るわけじゃないしな」

まどか「杏子ちゃん……」

杏子「あ、いや気にすんなって、そんなこと……」

まどか「いっ今は……今は私たちもいるから……」

杏子「……そうだな……ありがとよ、まどか」

421: 2011/04/12(火) 03:11:54.24 ID:UT9wGoSO0
ほむら「とりあえず、これで全員の意思は確認したわ」

ほむら「みんな願い事をなかったことにして、普通の人間に戻りたいそうよ」

QB「いや、何故もう戻る体で話が進んでいるんだ」

QB「ボクはOKしてないし、契約完了者との契約破棄なんてきいたことがないよ」

ほむら「じゃあ、これからきいたことがあるようになるわ」

QB「いずれにせよ無理な話だよ」

ほむら「どうしても?」

QB「どうしても」

ほむら「……残念だわ、やはり最終手段を使うしかないようね」

QB「!?」


424: 2011/04/12(火) 03:20:43.44 ID:UT9wGoSO0
カチャ
さ&マ&杏&恭「!!!」

さやか「ちょ、ちょっと何やってるの、ほむら!」

ほむら「見ての通りよ」

ほむら「インキュベーターがあくまでも人間への還元を拒否するなら、私は鹿目まどかを撃つ」

さやか「ま、まどかも何で大人しくしてんのさ」

まどか「うん、昨日ほむらちゃんと話したんだ。みんなを助けるために私が人質になるって」

まどか「キュゥべえはあくまで拒否したいようだけど、これなら私から膨大なエネルギーを回収できなくなるよ」

QB「 」

429: 2011/04/12(火) 03:24:10.84 ID:UT9wGoSO0
ほむら「さあ、どうするの?インキュベーター」

「10」

「9」

「8」

「7」

「6」

「5」

「4」

「3」

「2」

「1」

434: 2011/04/12(火) 03:34:29.14 ID:UT9wGoSO0

──────────────────────────────

ほむら(……んっ……)

ほむら(………ここは……)

ほむら(病院のようだけど……)

ほむら(まさかまたあの日に………)

ほむら(ソウルジェムは……………ない)

437: 2011/04/12(火) 03:44:40.69 ID:UT9wGoSO0
まどか「……ん?……起きた?」

ほむら「……まどか?……ここは……」ボヤ~

まどか「病院だよ。もう2週間も眠り続けてたんだよ」

ほむら「2週間!?……そっそういえば巴マミは」

まどか「大丈夫。むしろほむらちゃんより早く意識を取り戻したくらいだよ」

まどか「あっ!そうだ、メガネメガネ」

ほむら「あっありがとう……」

441: 2011/04/12(火) 03:49:37.68 ID:UT9wGoSO0
…………

ガチャ

さやか「ほむら起きたって?」

ほむら「……美樹さやか、佐倉杏子……そして巴…マミ」

ほむら「みんな……無事だったのね……良かった……」

マミ「さすがに私はまだ車いすだけどね」

まどか「お疲れ様、ほむらちゃん」

さ&杏&マ「お疲れ様」

444: 2011/04/12(火) 03:56:14.06 ID:UT9wGoSO0
ほむら「ありがとう……やっと…終わったのね……」

まどか「ん~……まあそれはそうなんだけど……」

ほむら「?」

QB「いやあ、さすがにあの状況じゃあ全員を還元する以外道はなかったよ」

QB「もし拒んで本当にまどかを撃ったら、暁美ほむらはまた過去に戻るだけだしね」

QB「一度リセットしたってことはまた勧誘ができることも意味するしね」

ほむら「……よくわかっているじゃない……」

QB「まあ、だからまた気が向いたらボクと契約して魔法少女になってよ!」

全員「お断りします!」


~FIN~

452: 2011/04/12(火) 04:06:00.74 ID:UT9wGoSO0
こんな朝早くまでおつきあいしていただきありがとうございました

引用元: ほむら「まどか、あなたには悪いけど・・・・・・」