1: 2012/01/29(日) 18:33:05.45 ID:E4y//cxWP
   放課後 軽音部部室

紬「お茶入りましたー」

澪「ありがとう。・・・今日も美味しいな」

唯「それに、このティーセットが良いよね」

澪「確かに。私達は気楽に使ってるけど、本当は結構高いんだろ」

律「そんな事気にしないで、みんなはお茶を楽しんでくれよ」

澪「お前が言うな」 ぽふ


2: 2012/01/29(日) 18:35:14.32 ID:E4y//cxWP
唯「やっぱり何十万とか何百万とかする訳?」

紬「まさか。毎日使う物だから、割れても良いようにそれなりの物を持って来てるの」

律「ムギにとってはそれなりでも、私達にとっては拝むレベルかも知れないからな」

紬「本当、それ程高い物は持って来てないわよ。むしろ、毎月のお菓子代の方が高いくらい」

唯「え」 びくっ

澪「なんだか、怪談よりも怖い話を聞いた気がする」

律「明日から、水と氷砂糖にするか・・・」


5: 2012/01/29(日) 18:37:11.17 ID:E4y//cxWP
   カチャ

梓「済みません、遅れました」

紬「今、お茶の準備するわね」

梓「ありがとうございます。・・・なんですか、唯先輩」

唯「お菓子、大切に感謝を込めて食べた方が良いよ」

梓「それは唯先輩が、でしょ」

律「お前、ムギの持ってくるお菓子がいくらか知ってるのか」

唯「少なくとも、たらこじゃないよね」

律「誰が、魚卵の話をしたんだよ」


10: 2012/01/29(日) 18:39:22.32 ID:E4y//cxWP
紬「今日のお菓子はアップルパイでーす」

梓「頂きます」 はむはむ

唯「美味しいね-」

澪「うん、本当に美味しいな

律「んめー、んめー。・・・って、喜んでる場合じゃねー。いや、喜んでる場合だけど」

梓「何の話ですか、さっきから」

澪「ムギの持ってくるお菓子は結構高価で、一月分だとこのティーセットよりも高いそうだ」

唯「だから、大切に食べないと駄目なんだよ」

梓(生クリーム、鼻についてるし)


14: 2012/01/29(日) 18:41:20.47 ID:E4y//cxWP
紬「みんなさっきから色々気にしてるけど、本当に大丈夫だから」

澪「そうは言ってもな。高い物は、大切に扱わないと」

紬「だけど、大切な物が決して高いとは限らないでしょ」

唯「はっ」

律「ひらめいた、みたいな顔したな」

梓「・・・抱きしめないで下さいよ」

唯「あれ、気付いてた?」

律「私の大切な物はあずにゃんだよー、みたいな話か」

澪「確かに唯っぽい行動だな」

唯「でもやっぱり、あずにゃんなんだよー」 きゅっ

澪「本当に唯は仕方ないな」

梓(全くです♪) くんかくんか


16: 2012/01/29(日) 18:43:14.25 ID:E4y//cxWP
律「あー、うまかった。・・・でだ。私達の大切な物って言うと」

澪「やっぱり、楽器だろ。というか、それ以外の答えはない」

唯「そだね。ギー太に何かあったら、私泣いちゃうよ」

梓「それにレスポールですからね。私なら、違う意味で泣いちゃいます」

澪「ギターやベースは何かあった時すぐ動かせるけど、ドラムとキーボードはきついよな」

律「重いしかさばるし。逃げてると、共倒れになりかねん」

唯「いざとなったら、私も手伝うよ」

澪「仕方ないな」

梓「及ばずながら」

紬「さながら三勇士ね」

唯、澪、梓「あはは」

律「爆弾じゃないぞ、おい」


19: 2012/01/29(日) 18:45:18.86 ID:E4y//cxWP
唯「楽器以外だと、何が大切?」

律「部室とか、講堂とか。私達が軽音部なら、その辺は大切だな」

梓「だったらトンちゃんもです」

紬「梓ちゃんは、本当にトンちゃんを大切にしてる物ね」

唯「その内、恩返ししてくれるかな」

紬「でも竜宮城へ行くには、ちょっと小さすぎない?」

澪「大丈夫。その時は、決して覗かないで下さい」

律「お前ら、まずは突っ込まれる順番を決めろ」


21: 2012/01/29(日) 18:47:27.59 ID:E4y//cxWP
紬「大切な物、大切な物。・・・澪ちゃんだと、歌詩を書いたノートとか?」

律「私だったら、速攻で燃やしたくなるけどな」

澪「なんだと?」

紬「まあまあ。でもノートが無くなる可能性もあるから、ちょっと心配じゃない?」

澪「心配ない。全ページコピーを取って、部室と家にそれぞれ保管してる」

律「後で見つかった時、黒歴史になりそうだな」

澪「何言ってるんだ。それはきらきらきらめく魔法の言葉。戸棚の奥から現れた、10年前の宝物だ」

梓(さらっと語り出したし。10年間も軽音部にいるし)


23: 2012/01/29(日) 18:49:13.78 ID:E4y//cxWP
律「唯はさっきから静かだな・・・。って、寝てやがる」

梓「唯先輩、唯先輩」

唯「・・・あずにゃん、どしたの」 じゅるり

梓「それは私の台詞です。もう、部活中に寝ないで下さいよ」

唯「ごめん、ごめん。ただ私的には、寝てる時とか何もしてない時間が大切なんだよね」

紬「それ、すごく分かるわー」

澪「確かに一理ある」

律「結局、寝てるんだけどな」


24: 2012/01/29(日) 18:50:20.13 ID:E4y//cxWP
澪「唯も起きた事だし、練習するぞ」

律「あーあ。練習しなくても上手くなれれば良いのにな」

澪「そんな都合のいい話があるか。何事も努力努力。努力に勝る近道無しだ」

梓「はいです」

唯「でも、急がば回れって言うよね」

紬「ずっと回ってたら、どうなるのかしら」

唯「やっぱり、バター?」

紬「でもって、ばったり倒れちゃったりして?」

唯、紬「あはは」

律「ばっさり切り捨てるぞ、お前ら」


26: 2012/01/29(日) 18:52:05.30 ID:E4y//cxWP
 30分後

紬「・・・開けて良いよね-♪」 ぴらりらーん

律「ふー。結構上手く行ったんじゃないか?」

澪「これもみんなが努力をしたからだ」

唯「それもあるけど、やっぱり歌詞や曲が良いからじゃない?」

梓「ムギ先輩の声も素敵ですしね」

律「さすが合唱部志望だった事はある」

澪「私達が、強引に勧誘したんだけどな」

紬「でも私は、軽音部に入部出来てすごい幸せよ♪」

梓(懐が深いというか、人が良いというか。良い匂いというか♪) くんかくんか


27: 2012/01/29(日) 18:54:02.49 ID:E4y//cxWP
   夕方 商店街

澪「私達の中でメインボーカルをやってないのは、律と梓か」

梓「い、いえ。私は結構です。正直、自信無いですし。ギターで精一杯ですし」

唯「となると、りっちゃんがボーカル?」

律「い、いや。私も良いよ」

唯「どして?」

律「そ、それはその。・・・は、恥ずかしいじゃん」

紬「あらあら♪」

梓「ちょっと意外ですね。そういうの、全然平気だと思ってました」

澪「こう見えて、律は結構繊細なんだ」

律「こう見えてってなんだよ。こう見えてって」

律、澪「なんだとー」

梓(何気に仲が良いな、この二人)


29: 2012/01/29(日) 18:56:00.92 ID:E4y//cxWP
   夜 平沢家リビング

唯「・・・という訳で、楽器もだけど歌詞や曲も大切だと思うんだ」

憂「そうだね。いくら演奏が上手くても、歌詞やメロディが良くないと心に響かないし。でも曲が良くても、演奏が駄目だと良くないし。音楽って難しいね」

唯「知れば知る程、音楽は奥が深いよ」

憂「お姉ちゃんも、すっかりミュージシャンだね」

唯「そかな」

憂「そうだよ。私、今の内にサインもらおうかな」

唯「私のサイン第一号は、憂に決定だね」

憂「ありがとう、お姉ちゃん♪」

唯「憂ー♪」

31: 2012/01/29(日) 18:58:01.03 ID:E4y//cxWP
   翌朝 3年生教室

唯「という訳で昨日は、憂にサインを書いてあげました」

和「姉妹で何やってるのよ、あなた達」

唯「てへへ。そういう和ちゃんは、何が大切?」

和「・・・そうね。すぐ思い付くのは、眼鏡かしら」

唯「やっぱり無いと困る?」

和「歩けないって程ではないけれど、唯と憂の見分けは付かなくなるかも知れない」

唯「きりっとした方が私で、優しい方が憂って覚えればいいよ」

和「唯。あなた、まだ寝てるの?」


32: 2012/01/29(日) 19:00:06.09 ID:E4y//cxWP
律「うーっす」

紬「きねー」

唯「ぺったん、ぺったん。ぺたぺったん♪」

唯、紬「あはは」

律「・・・いや、そういう事じゃないから」

和「相変わらずね、あなた達は」

澪「私は違うぞ。月のウサギもお餅をつくよ。今夜は満月カーニバルだ」

和(むしろ、一番ひどいんじゃないの)


34: 2012/01/29(日) 19:02:04.68 ID:E4y//cxWP
唯「和ちゃんは、眼鏡が大切なんだって」

紬「それで行くと、りっちゃんはヘアバンドかしら」

唯「ああ、なるほどね。ちょっと交換してみたら」

律「ま、良いけどさ。ほら」 

和「はい、私も。・・・こんな感じかしら」 すちゃっ

紬「・・・素敵♪」

澪「うん。驚くくらい似合ってるな」

唯「和ちゃん可愛いよ。すごく似合ってるよ。さすが和ちゃんだよ」

和「もう、唯は大げさなんだから」

澪、紬「あはは」

律「で、私は置いてけぼりですか」


35: 2012/01/29(日) 19:04:04.45 ID:E4y//cxWP
   2年生教室

純「サインかー。澪先輩のサインなら、素で欲しいな」

梓「今度、澪先輩にお願いしてみたら?」

純「それは恐れ多いというか、なんというか」

憂「だったら、梓ちゃんのサインをもらったら?」

純「じゃあ、この空欄にお願い。印鑑も一緒にね」

梓「これは、純の借用書でしょ」 ぽふ


38: 2012/01/29(日) 19:06:01.64 ID:E4y//cxWP
純「ちょっと備品を借りただけだって。梓は、そういう雑用とかやらないの?」

梓「・・・あまり考えた事無いな」

純「あんたね。軽音部で、唯一の後輩でしょ。そこは労を惜しまなくてどうするのよ」

梓「うっ」

憂「それだけお姉ちゃん達は、梓ちゃんを大切に思ってるんじゃないのかな」

純「もしくは、甘やかされてるかだね」

憂「でも厳しいお姉ちゃん達も想像出来ないし、やっぱり人は褒められて伸びるんだよ」

純「もう、憂も甘いんだから。大体梓って、甘えるのも下手でしょ」

梓「甘えるって、例えば?」

憂「ごろにゃーん♪とか?」

梓、純(憂ー♪)


40: 2012/01/29(日) 19:08:04.46 ID:E4y//cxWP
   放課後 軽音部部室

 カチャ

梓「・・・済みません、遅れました」

律「うーっす」

紬「きねー」

澪「それはもういいんだ」

唯「あずにゃん、お菓子あるよ。あーんして、あーん」

梓(確かに甘やかされてる、のかな)




41: 2012/01/29(日) 19:10:02.56 ID:E4y//cxWP
律「甘いな、甘い。唯、お前甘いよ」

梓(えっ) びくっ

唯「りっちゃん、どういう事?」

紬「分かったわ。梓ちゃーん、ごろにゃーん♪みたいな事?」

律「おう、その通りだ。澪、やってみろ」

澪「「何で私が、そこまで・・・。梓ちゃーん、ごろにゃーん♪食べてにゃーん♪」

梓(やっちゃってるし、アドリブ効かせてるし)

律「それだ、澪っ」

唯「うーん、軽音部の道は厳しいねー」

梓(軽音部の要素、一切ないし)


43: 2012/01/29(日) 19:12:02.00 ID:E4y//cxWP
   5分後

律「上下関係か。それこそ、私達のノリじゃないだろ」

唯「あずにゃんは、そういうのに憧れてるの?」

梓「そういう訳じゃないですけど。私軽音部で、後輩らしい事をしていないので。それはどうかなと思いまして」

澪「確かにある程度のけじめは必要だ。だた、そんな深刻に考えなくても良いんじゃないかな」

紬「うん、うん」

律「まあ私は部長だから、別格だけどな」

澪「お前こそ、肩書きだけだろ」 ぽふ


45: 2012/01/29(日) 19:14:14.33 ID:E4y//cxWP
紬「・・・いえ。時には厳しく接するのも大切よ」

律「ムギ?」

紬「梓ちゃんっ」

梓「は、はいっ」

紬「このお茶、美味しいから飲みなさいっ」

梓「は、はい」

紬「こっちのシュークリームも美味しいから食べなさいっ。それと、明日は何が食べたいか言いなさいっ」

梓「ザ、ザッハトルテをお願いします」

紬「分かったわっ。明日を楽しみに待ってなさいっ」

律「それって単に、田舎のお祖母ちゃんだろ」



46: 2012/01/29(日) 19:16:01.13 ID:E4y//cxWP
紬「・・・ごめんなさい、梓ちゃん。私、こういうの苦手みたい」 しょんぼり

梓「いえ、そんな。私こそ済みませんでした」

律「まあ、ムギからは一番遠いキャラだったからな」

澪「誰かに厳しくするって事は、自分も厳しく律するって事だ。これはなかなかに難しいぞ」

律「真面目な奴め。どっちにしろ、私達の中にはいないタイプだな」

唯「りっちゃん、りっちゃん。一人忘れてるよ」

律「お前は、初めから計算外なんだよ」 ぽふ


47: 2012/01/29(日) 19:18:01.25 ID:E4y//cxWP
唯「ちぇー。りっちゃんだって、自分には甘い癖に」

律「自分に甘く、他人にも甘く。これが軽音部唯一の掟だ」

澪「言い切るなよ。・・・あながち、間違ってるとも思えないが」

紬「でもそれって、素敵な事よね」

澪「そうか?どうも、ぬるま湯って気もするぞ」

唯「温かいお風呂、最高じゃない」

梓「そういう意味じゃありませんよ」

唯「そかな。ぬるま湯だったら、みんなでいつまでも入っていられるよ。それって、最高な事だと思わない?」

梓「ま、まあ。そういう意味ならぬるま湯でも良いですけど」

澪「・・・本当に良いのか?」

紬「勿論。一緒に入れるなんて、最高な事だと思うわよ♪」

律「ムギこそ、違う意味で捉えてないか」


48: 2012/01/29(日) 19:20:10.64 ID:E4y//cxWP
さわ子「あー、疲れた。ムギちゃん、ホットチョコレートお願い」

紬「はい、ただ今-」

唯「いつにもましてお疲れだね、さわちゃん」

さわ子「担任ともなると、あれやこれやと仕事が増えるのよ。授業が終われば放課後ティータイム、なんてのんきに過ごせないんだから」

律「だったら、どうしてここにいるんだよ」

さわ子「私はここへ、潤いを求めに来てる訳。私にとっては大切な憩いの場、言わば聖域なのよ。そして活力を得て、また学校という名の戦場に赴くの」

梓(疲れてるな、色々と)


49: 2012/01/29(日) 19:22:03.45 ID:E4y//cxWP
紬「ホットチョコレート、お待たせにゃん♪」

さわ子「良いわねー、そういうノリ。あなた達若いんだから、そういう部分を伸ばしていかないと」

澪「伸ばす場所が違う気もするんですが」

さわ子「もう、澪ちゃんは真面目なんだから。ホットチョコレート美味しいにゃん♪、とか言ってみなさいよ」

澪「い、いや。それはさすがに」

梓「は、はい。確かに」

唯「人として、大切な物を失う気がするよ」

さわ子「ムギちゃんは良くて、私は駄目って訳?それって、一体どういう訳」

律「言うまでも無いだろ、そんな事。年甲斐もなく、そういう真似は止めてくれよな。だははー」

さわ子「だったらお前の寿命を頂くぞ、このデコッパチ」


51: 2012/01/29(日) 19:24:02.79 ID:E4y//cxWP
律「あー、ひどい目に遭った」

澪「自業自得だ。とにかく、もう「にゃん」は禁止だからな」

唯「えー。だったらあずにゃんは、どうやって呼べばいいの?」

紬「あずあず?」

律「あっちゃん?それとも、あずちゃんか?」

澪「あずわんでも良いんじゃないのか」

律「なんか、オビ・ワンみたいだな」

唯「フォース?フォース出ちゃう?」

紬「コーホー、コーホー」

律「それ、ちょっと違うだろ」

唯、澪「あはは」

梓(というか、普通に梓と読んで下さいよ)

53: 2012/01/29(日) 19:26:03.18 ID:E4y//cxWP
澪「さてと、ベースの調整をするか」

紬「調子悪いの?」

澪「音が少し、ビビり気味なんだ。ネックが反ってるのかもしれない」

唯「反る?あんな固いのに?」

梓「日本は湿度が高いですからね。ネックは木製ですから、結構反ったりしますよ」

唯「澪ちゃんは、自分で直せるの?」

澪「少し反ってるくらいなら。でも本当は、お店に持ち込んだ方が良いとは思うぞ」

梓「唯先輩も、ギー太を大切に手入れしてやって下さいよ」

唯「でもネックの反りを直すなんて、絶対壊しそうで怖いんだけど」

澪「え」

律「思いっきり、ビビッたな」


54: 2012/01/29(日) 19:28:01.84 ID:E4y//cxWP
   30分後

澪「・・・大体、こんな所かな」 ぼろーん

唯「音、合ってるよ」

紬「改めてすごいわね、絶対音感って」

梓「唯先輩は手入れもですけど、そういう才能も大切にして下さい」

唯「私、使いどころが分からないんだよね。音が分かっても、その通りに弾くのは難しいし」

梓「だから、その分練習をするんです」

澪「梓の言う通りだ」

唯「才能があるって、結構負担になるんだね」

律「言いたい事は分かるが、結構イラっとくるな」


56: 2012/01/29(日) 19:30:02.90 ID:E4y//cxWP
澪「よし、練習するぞ」

律「たまには、ゆっくりまったりしてようぜ」

澪「それは毎日練習をしてから言え。唯も早く準備しろよ」

唯「いやー。それが、ギー太もネックが反っちゃっててね」

澪「ネックが反る事も知らなかったのに、どうして分かるんだ」

唯「うっ。ソーリー、ソーリー」

律「一周回っても、イラッと来るな」



57: 2012/01/29(日) 19:32:01.95 ID:E4y//cxWP
紬「うふふ。もう一杯だけお茶を飲んでから練習しましょうか。りっちゃんも唯ちゃんも、それで良いわよね」

律「しゃーないな。あんまり練習しないと、澪が泣いちゃうからな」

唯「澪ちゃんを泣かせる訳にはいかないよね。私、一所懸命練習するよ」

澪「唯は優しいな。それに比べて律と来たら」

律「いや。澪は泣いてなんぼ。いじられてなんぼのキャラだ。唯、甘やかすなよ」

澪「なんだと」

紬「まあまあ。みんな、お茶が入ったわよ」

梓(本当、なんだんだといって仲が良いよな。これが私より、1年間早く一緒に過ごしてきた事の証なのかな)


58: 2012/01/29(日) 19:34:01.40 ID:E4y//cxWP
   30分後

紬「野良猫ー、ザッハトルテー」 ピラリラー

梓「あっ」 びびーん

紬「梓ちゃん、どうかした?」

梓「済みません、一小節飛ばしちゃいました」

律「細かい事気にするな。フィーリングだフィーリング。なんか適当に音を出しとけよ」

澪「それか、唯がフォローすれば良いんだけどな」

唯「そんな時は来ないと思うよ。だって私は、一生あずにゃんに頼っていくからね」

律「いや。真顔で言う事じゃないから」

澪、紬「あはは」


梓「・・・甘やかさないで下さいっ」


60: 2012/01/29(日) 19:36:01.11 ID:E4y//cxWP
唯「え?」

梓「私は後輩で、皆さんは先輩です。だからもっと叱って下さい。本気になって怒って下さいっ。本気で・・・」

律「梓っ」 ばんっ

梓「は、はいっ」 びくっ


62: 2012/01/29(日) 19:38:01.53 ID:E4y//cxWP
律「もうっ、可愛すぎるぞっ♪」 きゅっ

梓「え」

紬「うふふ♪」 きゅっ

梓「あ、あの」

澪「よしよし♪」 きゅっ

梓「ええ?」

唯「あずにゃーんー♪」 きゅっ

梓(えー、どういう事ー♪) くんかくんか

64: 2012/01/29(日) 19:40:11.76 ID:E4y//cxWP
   5分後

梓「・・・済みませんでした。皆さんの仲が良いので、少し寂しいというか。何というか」

澪「だから本気って事か。でも私達だって、本気で梓と付き合ってるぞ」

律「澪が言う通りだ」

梓「はぁ」

紬「私達は同い年だから遠慮なく突っ込みあうけれど、梓ちゃんはつい可愛がりたくなるのよね」

梓「え」


65: 2012/01/29(日) 19:42:04.21 ID:E4y//cxWP
澪「大切な可愛い後輩だから、全力で可愛がる。それが私達の本気って事さ」

澪「唯は、ちょっと可愛がりすぎだけどな」

唯「だって可愛いんだから、可愛がって当然でしょ」

律「可愛いもんな」

紬「可愛い可愛い。梓ちゃんは、本当に可愛いから」

梓「も、もういいですよっ」

67: 2012/01/29(日) 19:42:59.16 ID:E4y//cxWP
律「後輩だ先輩だって言っても、1才しか違わないんだ。そういう小さい事は気にするな」

紬「そうそう。私達はみんな、軽音部の大切な仲間なんだから」

澪「これからも遠慮せず、どんどん私達に意見してくれ」

梓「はいですっ」

唯「あずにゃんは気楽に、「田井中、お茶買ってこい」なんて言えば良いんだよ」

律「親しき仲にも礼儀あり、だ」 ぽふ

澪、紬、梓「あはは」



                                        終わり


71: 2012/01/29(日) 19:44:30.69

いい仲間達だな

72: 2012/01/29(日) 19:44:53.94

和んだし楽しかった

引用元: 紬「だけど、大切な物が決して高いとは限らないでしょ」