1: 2012/05/23(水) 18:59:32.46 ID:FR1gQxDb0
新学期

高校二年、春。

男A「お、また一緒のクラスじゃん!よろしくな!」

男B「あ、あぁ…」

男A「なんだよ?新学期ってのに。元気ねぇな」

男B「おい」グイッ

男A「え?」

男B「今日一日、おとなしくしていくれ」ヒソヒソ

男A「え?なんでまた」

男B「いいから!詳しいことは放課後に…。わかったな?」

男A「わかったけど…」

男A(何だよ…。あいつ…)

2: 2012/05/23(水) 19:00:14.48 ID:FR1gQxDb0
放課後

男A「氏人みたいにおとなしくしといてやたぜ?
  で、話って何?」

男B「この後、予定は?」

男A「別にないけど」

男B「よし、じゃぁ俺ん家に来い。」

男A「え?何でまた。」

男B「見せたいものがある。」

男A「お前が俺に見せたいものって…」

3: 2012/05/23(水) 19:01:05.23 ID:FR1gQxDb0
男B宅

男A「お前ん家、久々だなぁ。全然かわってね~」

男B「ちょっとこのサイトを見てほしいんだ」カタカタ

男A「このサイト?俺に見せたかったのって」

男B「そうだ。」カタカタ

男A「なんだこれ?パスワードとかいんの?」

男B「よし、入るぞ…」カタカタ


         ようこそ
   当サイトを何処で誰から聞いたのかは知らないが
   あなたはこの世界の成り立ちを知ったことには違いない。
   我々とともに世界を開放しよう。

6: 2012/05/23(水) 19:03:02.83 ID:FR1gQxDb0
男A「なんじゃこりゃ?随分イタイ文章だな」

男B「ここに書いてることは正しいよ。お前も俺ももう後戻りはできない。
   それよりこれを見てくれ。」カタ

男A「ん~…。掲示板に、グラフにカウンターに…。なにを調べてんだ?ここの連中。」

男B「この世界はいくつものギアで構成されている。」

男A「は?ギア?何をいきなり」

男B「俺たち一人一人は小さなギアなんだ。
   その一つ一つのギアが噛み合わさってこの世界は動いているんだ。
   だが…」

9: 2012/05/23(水) 19:05:11.67 ID:FR1gQxDb0
男A「だが何だよ…?」

男B「俺たちが小さなギアならその原動力はなんだと思う?」

男A「えーと…モーター的な?」

男B「そう、俺たちは所詮ギア、自らが動いているわけではない。
   つまり、この世界のどこかにモーター…自ら動くギアを持つ奴がいる。」

男A「世界は俺を中心に廻っている!みたいな?」

男B「まさにそれだ。」

男A「いや、冗談なんですけど。」

11: 2012/05/23(水) 19:08:00.09 ID:FR1gQxDb0
男B「俺が言いたいのは要するに…この世界には主人公が存在する。」

男A「は?」

男B「このサイトはその主人公を探すことが目的で作られたんだ。」

男A「そんなのいるわけねーだろ!だいたい、いたところで…」

男B「俺たちは常に奴の干渉を受けている。俺たちは自ら選択して生きているわけじゃないんだぞ!?」

男A「そんなの…」

男B「確かに、奴との関係が遠ければ遠いほど奴のギアと俺たちのギアは遠ざかる。
   その分、奴から受ける干渉は小さくなる。でもな…。」

男A「もしかして…」

13: 2012/05/23(水) 19:13:32.79 ID:FR1gQxDb0
男B「俺たちはこのサイトを通して世界中の人と協力して奴から受ける微弱な干渉を調べ上げた。
   日常の小さな異変からなにからなにまで。そして、ついに見つけた。主人公を…
   俺たちの通う高校にいる。それも、今年から同じクラスだ…。」


男A「マジかよ…」

男B「さらにこの世界について驚くべき事実もわかった。
   笑えるがこの世界は所謂ギャルゲーだ。」

男A「は?ギャルゲー?」

男B「この世界は人の想像が作り出したもの。現実世界の人間がこの世界を作り出した。
   まぁ、彼らには世界を作ったという自覚はないだろうがな。ただ単にゲームをつくっただけとしか
   思っちゃいない。」

男A「ふふ、はっはっはっはっは。駄目だこらえられない。ふふふ」

男B「!?」

14: 2012/05/23(水) 19:18:54.90 ID:FR1gQxDb0
男A「さすがに、そんなの信じられるわけないだろ、はっはっは
   証拠とかないの?変な冗談やめろよ。ふふふ」

男B「証拠?」

男A「あるのか?」

男B「あるよ…。」

男A「またまた~。ないんでしょ?そんなの」

男B「ほれ」ポイッ

男A「お前の携帯…。なんだよ…。この写真。」

15: 2012/05/23(水) 19:21:32.95 ID:FR1gQxDb0
男B「そこに写ってるのはお前と俺…」

男A「いや、そうじゃなくて…。この真ん中の子」

男B「女Aだ。俺とお前の親友。」

男A「は?こんな写真撮った覚えがねーよ!」

男B「覚えがないのも無理ない。そいつは世界から消えたんだから…」

男A「おい!いくら冗談でも!これはタチが悪すぎるぞ!」

17: 2012/05/23(水) 19:24:21.81 ID:FR1gQxDb0
男B「冗談なんかじゃない!」

男A「!!」ビクッ

男B「そいつは本当に実在したんだ!でも…俺のせいで消えた。」

男A「消えた?」

男B「俺はこのサイトを通して、主人公を突き止めた。そして、物語の始まりの時も。」

男A「物語の始まり?」

20: 2012/05/23(水) 19:26:38.86 ID:FR1gQxDb0
男B「奴のギアが本格的に動き出す時。それは高校二年の春だった。
   だから、俺は物語が始まってしまう前にこの世界を終わらそうとした。」

男A「おい、終わらせちまったらどうなるんだよ?」

男B「パズルのように噛み合わさっていたギアが
   バラバラになって独立して動き出す。普通の世界になるんだ!」

男A「普通の世界?」

男B「そう!奴の干渉のない、自ら選択し生きることのできる世界!
   だが失敗した…」

男A「女Aが消えたのとお前の失敗がどう関係するんだよ」

28: 2012/05/23(水) 19:31:53.20 ID:FR1gQxDb0
男B「さっきも言ったがこの世界はギャルゲー、主人公以外にも
   ヒロインという位置づけが存在する。この子たちなんだが」カタカタ

男A「可愛いな。確かに学校で見かけたことあるぞ」

男B「そのうちの一人、ツンデレ…。その子は…実は女Aの親友だったんだ…。
   俺は女Aにその事実を伝えた。普通の世界にするための仲間が欲しかったんだ。
   一人ではできないと感じたし…」

男A「お前…」

男B「二人で協力すればなんとかなると思ったんだ!俺たちは直接、主人公に
   この世界の全てを伝えようとした。そうすることで奴は困惑し、ギアが
   崩れ落ちると思ったんだ…。」

男A「でも、失敗したのか…」

30: 2012/05/23(水) 19:38:54.62 ID:FR1gQxDb0
男B「あぁ、女Aは親友を自分の手で救いたいと言って、自分が主人公と直接話すと言い出した…。
   だから、俺は彼女を影から見張ることにした。
   放課後、彼女は主人公を屋上に呼び出し全てを伝えた。俺たちが調べ上げた証拠とともに。
   だが、突然、目の前が真っ白になった。目が覚めたら俺は一人屋上にいた…。
   失敗したんだ…。奴のギアが強すぎたんだ…。おかげで彼女のギアは世界から弾かれた…。」

男A「でも、なんでお前はそのことを覚えているんだ?俺は女Aを覚えていないのに」

男B「多分、この世界の成り立ちを知ったイレギュラーな存在だったからだと思う。
   それにあの時、奴は俺の存在に気付いていなかったし…。
   だから彼女のいない世界に再構成されても、俺のギアは動かなかった…。たぶん…」

男A「てことはもう俺も…」

男B「そう、お前も事実を知ってしまった。もう普通の人間じゃない。」

男A「なぁ…。この先どうするんだよ?俺たちはどうなるんだよ」

32: 2012/05/23(水) 19:42:48.12 ID:FR1gQxDb0
男B「今後、もし奴の癇に障るようなことがあるとするだろ?普通の人間は
   無意識のうちに行動や思考が修正される。だが、俺たちは違う。
   俺たちはこの世界を知ったことで奴と同様に原動力を得たんだ。
   自らが回転することのできるギアを…。
   だが、奴のギアに比べれば力が劣る。反発し合えば簡単に弾かれてしまう。」

男A「つまり、存在そのものが消される…」

男B「その通り。」

男A「はぁ…。俺もいずれ消えちまうのか?」

男B「大人しくしていれば大丈夫だろう。そして、とっと奴の前から姿を消す。
   とはいえ、完全に奴の干渉から逃れることはできないがな。」

36: 2012/05/23(水) 19:53:49.96 ID:FR1gQxDb0
A「なぁ…、もう一度…。」

男B「ん?」

男A「世界を取りもどそうとしてみないか!?あいつのギアから!」

男B「ふふ、俺はお前の口からその言葉が出るのを待っていたんだ」ニヤリッ

37: 2012/05/23(水) 19:54:29.61 ID:FR1gQxDb0
男A「とは言ったものの…。どうすりゃいんだぁ…?アイツに直接勝負を挑んだ所で
   女Aと同様に弾かれちまうし…」

男B「作戦は考えてある。」

男A「まじか!」

男B「さっきも言ったとおりこの世界はギャルゲーだ。
   そして、必然的にヒロインが多数存在する。」

男A「さっきの写真の子たちね」

男B「俺たちは、まずそのヒロインのいずれかにアプローチする。
   親しくなるんだ。」



40: 2012/05/23(水) 20:07:52.12 ID:FR1gQxDb0
男A「おいおい…。俺たちは所謂モブキャラだろ?そんな俺たちがいくら
   彼女たちに接近したところで…」

男B「普通の人間ならそうなるな。だが、今の俺たちは違う。回転力が弱くとも
   自ら回転することのできるギアを持っている。
   つまり、奴の干渉による彼女らの思考や行動の修正を緩和させることができるんだ」

男A「で、仲良くなったところでどうすんの?まさか、主人公に魅せつけてやるとか?」

男B「それは違うな。彼女たちにはもちろん主人公とくっついてもらわないといけない。
   ヒロインの中で最も主人公に近づいたやつに事実を伝えるんだ。この世界の成り立ちのね。」

男A「それでどうなるんだよ」


41: 2012/05/23(水) 20:13:33.29 ID:FR1gQxDb0
男B「最も心を許した人間に事実を伝えられてみろ?
   やつの心は崩壊する。ギアとともに…」

男A「確証は?」

男B「俺はあの作戦に失敗した後、そのデータをあのサイトに送った。
   あそこのサイトのメンバーの中には優秀な研究者や技術者がいるんだ。
   彼らはそのデータを元にこの作戦を導き出してくれた。」

男A「う~ん…。まぁ、それしか方法はないんだな?」

男B「今のところはな…。ヒロインの中でも、主人公とくっつく可能性の高い女の子を
   リストアップしてもらった。ツンデレ、幼馴染、生徒会長。この三人だ。」

42: 2012/05/23(水) 20:16:04.02 ID:FR1gQxDb0
男A「俺は誰をターゲットにすればいい?」

男B「まぁ、好みでいいんじゃないか?お前が一番話しやすいと思う子にすればいいと思う。」

男A「じゃぁ、物分りの良さそうな生徒会長で」

男B「俺はツンデレで。女Aの親友だしな…。彼女のためにも…」

男A「でも、一人余っちゃったぜ?幼馴染はどうるんだよ」

男B「あと一人、仲間が必要だな。」

男A「仲間探しかぁ、大変そうだな」

男B「いや、もう当てが一人いるんだ」ニヤリッ

44: 2012/05/23(水) 20:20:28.35 ID:FR1gQxDb0
次の日、教室

男A「で?当てって誰のことだよ」

男B「俺の列の一番後ろ」

男A「え?あそこの頼りなさそうなやつ?」

男B「あいつは、見ての通り大人しくて主人公とは完全な疎遠関係にある。
   仲間にするには持って来いだ。」

46: 2012/05/23(水) 20:24:25.42 ID:FR1gQxDb0
放課後

男C「なんですか?急に呼び出したりして」

男B「まぁ、ずべこべ言わず俺ん家に来い」ニコッ

男C「え?ちょっと離してください!え?えぇぇ!?」

男A「いいから!いいから!黙って来い!」

男C「えぇ…よくないですよぉ」

48: 2012/05/23(水) 20:26:54.82 ID:FR1gQxDb0
男B宅

男B「とまぁ、説明は以上だ。」

男C「はぁ…。何か、いやな気分です…」

男A「まぁ、俺もまさか自分がモブキャラだったなんて思いもしなかったし」

男C「いえ、そういうわけじゃ…」

男A「え?」

男C「僕は幼馴染さんと仲良くするのが辛いんです…。
   なんだか利用しているみたいで…」

男B「別に利用しているわけじゃない。これは彼女のためでもある。」

男C「みんなのための作戦なのは…。わかってるんですけど…」

50: 2012/05/23(水) 20:33:42.19 ID:FR1gQxDb0
男A「とりあえず!これから俺たちは仲間だ!よろしくな!」

男B「よし!お前らには俺からとっておきのプレゼントがある」

男C「なんですかこれ?腕時計ですか?」

男A「うぉ!かっけ~!」

男B「これは自分のギアの活動率を測るカウンターだ。
   最大値は100、これは自分のギアが主人公からの干渉を一切受けず
   完全に自立した状態で回転していることを指す。
   数値が下がれば下がるほど奴の干渉を受けていることになる。」

51: 2012/05/23(水) 20:37:40.87 ID:FR1gQxDb0
男C「0になればどうなるの?」

男B「ギアが弾かれ存在が消滅する。」

男C「…。」ガクガク

男A「おいでも俺のカウンターは80だぞ?」

男B「俺も男Cも大体80から70の数値のはずだ。もちろん値は終始変動する。
   初期値が最大でないのは俺たちが奴と同じ高校、同じクラスであることが原因だと
   思う。」

53: 2012/05/23(水) 20:41:58.41 ID:FR1gQxDb0
男C「うぅ…、でも、これで事前に危険から回避することも可能だね」

男B「カウンターは肌身離さずつけておいてくれ。きっと役に立つ。」

男A「でも、こんな代物いったい誰が作ったんだよ」

男B「サイトの仲間たちさ。俺たちは今、世界中から期待されている。
   みんなこの世界を開放望んでいるんだ」

男C「みんな…」

男A「うぉぉ!なんだか緊張するなぁ」


男B「最後にこれだけは絶対に守ってくれ
   主人公と直接接触するな。
   学校での俺たちの接触は極力避けよう。共倒れになる危険もあるからな。
   そして、事実を伝えるタイミングは主人公とヒロインがくっついてからだ!
   わかったな?」

男AC「了解!!」

55: 2012/05/23(水) 20:45:59.13 ID:FR1gQxDb0
次の日、教室。

主人公「ふぁぁ~眠いなぁ…。」

幼馴染「主人公君また、夜遅くまでゲームしてたの?」

ツンデレ「全く!朝からだらしないな!」

主人公「お前らうっせ~よ」

親友「本当、お前は幸せ者だな~」

主人公「は?どういう意味だよ?」

親友「女の子にちやほやされてさぁ~」ハッハッハ

ツンデレ「べ、べつに!ちやほやしてないわ!」

男B(ふん、本当に幸せものだよ。お前らは…
   何も知らないで呑気にいられて…ツンデレは確か、陸上部だったはず…。
   帰りは主人公より遅い…そこを狙おう。)

56: 2012/05/23(水) 20:53:07.24 ID:FR1gQxDb0
放課後、帰り道。

男B「ねぇ!君!」

ツンデレ「え?あなた誰?」

男B(くっ、モブだからって…。せめて同じクラスのやつの顔くらい…)

男B「誰って、同じクラスの男Bですけど」

ツンデレ「え!?同じクラス!?ごめん、気付かなかった…。
     で、あたしに何の用なの?」

男B「君、主人公君のこと好きだよね?」

ツンデレ「え?」

58: 2012/05/23(水) 20:57:22.99 ID:FR1gQxDb0
ツンデレ「ちょ//いきなりなんなのよ!別にあたしは!」

男B「見ればわかるよ。君は主人公君が好きだ」ニコッ

ツンデレ「だったらなんなのよ…」

男B「俺でよかったら相談に乗ってあげるよ」

ツンデレ「は?なんで?あんたに相談なんか!」

男B「だって、君、相談相手いないでしょ?
   幼馴染さんだって主人公君に気があるかもしれないし。
   親友君はおしゃべりだし。それにどうせ相談するなら
   男のほうがいいでしょ?現に主人公君は男だしね」

59: 2012/05/23(水) 21:02:27.60 ID:FR1gQxDb0
ツンデレ「そりゃぁ!男でしょ!あいつは!」

男B「で、どうする?」

ツンデレ「ふぅ、正直、誰にも打ち明けられなくて困っていたの…
     いいわ、あたしの相談相手になってちょうだい。」

男B「うん!よろこんで!あ、でも俺たちの関係はみんなに内緒しといてくれる?
   誤解とかされちゃうとまずいでしょ?」

ツンデレ「そうね、わかったわ。放課後、また会いましょ!」

男B(単純な女だな…)

61: 2012/05/23(水) 21:07:02.81 ID:FR1gQxDb0
同日 昼休み

男A(生徒会室にいるのかな~)

生徒会長「おい、きみ。生徒会室の前で何してる?」

男A「あ、生徒会長さん!」

生徒会長「え~と、何か生徒会に用でもあるのかな?」

男A「え、あぁ…そのぉ」(やべぇぇ…何もかんがえてねーよ)

生徒会長「何なんだ?はっきり用件を言ってくれないと…」

男A「えっと!だ、だから、あれが、くぁwせdrftgyふじこ」

男A(何言ってんだよ…俺は…)

63: 2012/05/23(水) 21:12:00.50 ID:FR1gQxDb0
生徒会長「はぁ?友達になりたい?」

男A「あ、はい!そうなんです!俺!生徒会長さんみたいな強い女の人に
   憧れてて!!」

生徒会長「き、きみは随分と変わっているんだな…」

男A「生徒会長さんは頭良さそうですし!俺、悩みめちゃくちゃ多いんで!
   相談相手になって欲しいんです!」

生徒会長「う~ん…。忙しいときは相談に応じることはできないが、
     普段はこの生徒会室にいる。」

男A「あ、ありがとうございます!後!このことは他言無用で!」

男A(くそ!失敗だ!!失敗だ!!)

生徒会長(変わった子だなぁ…)

64: 2012/05/23(水) 21:15:01.31 ID:FR1gQxDb0
同時刻、中庭

男C(はぁ…。幼馴染さん、いっつも主人公くんといるから
   話しかけられない…。)トボトボ

男C「あ~あ、外れ引いちゃったよぉ」

ドン

幼馴染「キャッ」ドサッ

男C「す、すすすみません!よそ見してました!!!」

幼馴染「いたたた…、ううん気にしないで!」

男C「あぁ、行っちゃった…。もういいやこのベンチで一人でご飯食べよ!」

66: 2012/05/23(水) 21:19:22.54 ID:FR1gQxDb0
男B宅

男B「で、今日の成果は?」

男A「え?まぁ…なんとか…」

男C「…。ごめん、全然…」

男B「幼馴染は主人公といる時間が多いかな…無理はしないでくれ。」

男C「はい…」

男B「で、生徒会長はどうだ?いけそうか?」

男A「あはは…、多分…」

男B「…、多分てなんだよ」

男A「…」

69: 2012/05/23(水) 21:26:25.83 ID:FR1gQxDb0
次の日、昼休み

男A「失礼します。」ガラガラ

男A(俺には無理だ…)

生徒会長「やぁ、君か」

男A(だったらいっその事…)

生徒会長「どうした?悩み相談か?」

男A(悩みなんかねーよ…。相談することもねーよ!)

71: 2012/05/23(水) 21:35:18.29 ID:FR1gQxDb0
生徒会長「おい、聞いているのか?」

男A「主人公って知ってる?」

生徒会長「ええ、知ってるわ。あいつは問題児だからな。」

男A「あなたと彼の関係は?」

生徒会長「前に一度、遅刻指導をした。」

男A「それだけか?」

生徒会長「あぁ、それだけだ。」

男A「そうか、じゃぁ放課後…屋上に来てくれ。」

生徒会長「え?」

男A「大事な話がある…。一人で来い。それじゃ」

生徒会長「ちょっと君!」

74: 2012/05/23(水) 21:40:48.51 ID:FR1gQxDb0
放課後 屋上

男A「…というわけなんだ。」

生徒会長「理解しがたいわね。でも、本当なら…」

男A「あなたなら理解してくれると信じてます。」

生徒会長「でも、私が主人公を惚れさすなんて…」

男A「大丈夫です。この世界はそういうシナリオなんですから」

生徒会長「でも、万が一失敗したら私は消えて…」

男A「心配ないです!あなたはヒロインなんですから!消えるはずないです!」

生徒会長「そ、そうか…。よ、よし!この世界のためだ!がんばってみる!」

男A(ごめんなさい…。でも、俺が必ず!あなたを守りますから!)

78: 2012/05/23(水) 21:49:39.76 ID:FR1gQxDb0
同日、昼休み 中庭

男C(はぁ…また一人で昼ごはんかぁ…
   どうすればいいのかなぁ…。幼馴染さんと会話しないと…)

幼馴染「あ、きみ!」

男C「え?」

幼馴染「昨日もここにいたね!いつも一人でご飯食べてるの?」

男C「え、まぁ…」(これは…チャンスだぞ!)

幼馴染「ええぇ!?寂しくないの?」

男C「馴れてますから、えへへ…」

79: 2012/05/23(水) 21:55:49.25 ID:FR1gQxDb0

幼馴染「じゃぁさ!あたしたちと一緒に食べない!?きっと楽しいよ?」

男C(う…、駄目だ。主人公君に近づくわけには…)

男C「僕、大勢が苦手なんです…」

幼馴染「そうなんだ…。じゃぁ!たまにあたしが!ここに来て上げる!」

男C「え?本当ですか!うれしいです。」

幼馴染「うん!それじゃぁ!」タッタッタッタッタ

男C(こんな僕に…幼馴染さん…。すごく優しくて素敵な人だ)

86: 2012/05/23(水) 22:04:38.77 ID:FR1gQxDb0
男B宅

男B「はぁ…、あの女の相談は正直疲れる…。妄想癖もいいところだ」

男C「~♪」

男A「どうした?なんかいい事でもあったのか?」

男C「いえべつに♪なんでもないです♪」

男B「とりあえず、油断は禁物だからな。みんな慎重にいこう」

87: 2012/05/23(水) 22:13:12.47 ID:FR1gQxDb0
昼休み

男A「で、調子はどうですか?」

生徒会長「うむ、私は恋愛など興味がなかったもので…。まだまだ先は長そうだ。」

男A「あはは…、でも、生徒会長さんは可愛いですから。攻めればイチコロだと思います。」

生徒会長「おいおい。からかうのはよせ…」

男A「からかっちゃいないですよ。」

生徒会長「それじゃぁ今度、デートにでも誘ってみようかな。」

男A「本当ですか!?」

93: 2012/05/23(水) 22:35:22.01 ID:FR1gQxDb0
生徒会長「あぁ、そうでもしないと彼は振り向いてくれない気がしてな。」

男A「え?」

生徒会長「なんだか、他に気になっている人がいるみたいで…」

男A「生徒会長さんは生徒会長さんのペースでいけば大丈夫ですよ!
    生徒会長さんがヒロインなんだから!」

生徒会長「そ、そうか…」

男A(くっ…。ツンデレか幼馴染なら見過ごすか?でも、生徒会長は?
    うぅ…、どうすれば…)

94: 2012/05/23(水) 22:42:01.07 ID:FR1gQxDb0
放課後

ツンデレ「でね!?あいつったらあたしに(ry」

男B「あはは…それは大変だね」(面倒くさい…)

ツンデレ「でもねぇ…」

男B「ん?どうした?」

ツンデレ「あいつ…好きな人できたみたいで…」

男B「そ、そうか…。でも、そんなことでお前は諦めないだろ?」

ツンデレ「そ、そりゃぁ!もちろんよ!」

男B(ふん、こいつはもう用済みか…)

95: 2012/05/23(水) 22:49:52.92 ID:FR1gQxDb0
男B宅

男A「なぁ、主人公に誰か急接近してるみたいだが?」

男B「少なくともツンデレではないぞ」

男C「あ!幼馴染さんも似たようなこと言ってましたよ」

男B「何!?じゃぁ、他のヒロインが?そんな…」

男A「リストは三人だけだったよな?」

男B「特定されていないヒロインは確かに存在する…
    でも、あの三人より先に奴に近づけるヒロインなんて…
    見落とすわけがないだろ!」

男C「どうすればいいんでしょうか?」

男B「明日、主人公を監視する。刺客を暴くんだ!」

96: 2012/05/23(水) 22:56:40.27 ID:FR1gQxDb0
次の日 放課後

男B「クソ!なんでだ!あの三人以外、誰もあいつに近づかなかったじゃないか!!」

男C「これはどういうことなんでしょうか…」

男A「なぁ、本当に主人公に気になる人ができたのかな?」

男B「どういう意味だ?」

男A「勘違いとかじゃないの?」

男B「そういえば…あいつら、誰からその話聞いたんだろう…」

男A「誰かがヒロイン達に嘘の情報流しているんじゃないのか?」

男C「そ、そんな…。でも、なんで?」

98: 2012/05/23(水) 23:05:10.07 ID:FR1gQxDb0
男B「俺達の邪魔をしようとしているわけか…。だが俺達の正体はバレていないだろう」

男A「ヒロインを使ってくるわけだしな…知っているなら直接仕掛けてくるはずだ。」

男B「問題は…。何故、俺達がヒロインを利用していることを知っているかだ…」

男C「あのサイト…。作戦は確か…あそこの人たちが考えたんだよね?」

男A「この世界の真実を知りながら何故!!」

男B「まずいな…。正体がバレるのも時間の問題だ…」

101: 2012/05/23(水) 23:22:52.05 ID:FR1gQxDb0
男B「やられた!下手にヒロインに近づけば特定される!かと言って何もしないわけにも…」

男C「でも、こちらが何もしなければ向こうも手がだせないでしょ?」

男B「いや、主人公がヒロインとくっついてしまえば終わりだ。」

男A「おいおい、この間言っていたことと矛盾してねぇか?」

男B「ちがう!俺が言いたいのは一度ギアとギアが噛み合ってしまえば
    完全に奴に操られることになってしまう!俺達はその前にヒロインの心を開かせて事実を伝える計画だったんだ!」

男C「でも、それだと先に事実を伝えてからでもいいんじゃない?」

男B「先に事実を伝えてしまっては自身のギアが主人公のギアに僅かでも反発してしまうだろ?
    そのぶん、成功率が下がってしまう!」

男A「…」

103: 2012/05/23(水) 23:29:43.74 ID:FR1gQxDb0
男B「とにかく!今は最大の危機なんだ!!ヒロインを全員取られたんだからな!」

男A「あのぉ…」

男B「なんだ?」

男A「もし、ヒロインの中に俺達と同じイレギュラーが存在したら?」

男B「状況は変わったかもな…。そいつにヒロインを演じさせ続けて
    刺客を出し抜くことができる。でもな…今はそんな仮の話をしたところで…」

男A「あぁ、そうだな…悪かった…」

男B「とにかく、今日はもう遅い一旦切り上げよう。そして、明日はヒロインに極力近づかないようにしよう。」

106: 2012/05/23(水) 23:34:29.85 ID:FR1gQxDb0
深夜、男A宅

男A(生徒会長を使えば敵を誘き出すことができる…
    これはチャンスだ!でも、誘き出したところでどうすればいいんだ?)

男A(明日、生徒会長に相談してみよう…。きっとわかってくれるはず…)

107: 2012/05/23(水) 23:39:25.70 ID:FR1gQxDb0
次の日 生徒会室

男A(よし、誰にも見られてないな…)ガラガラッ

男A「あのぉ…」

生徒会長「やぁ、待っていたよ!早速デートのプランを考えてきたんだが!
        苦手ながらも色々調べてみた!是非!君の意見を聞きたい!!」

男A「生徒会長さん。この間、主人公に気になっている人がいるかも知れないって
    言ってましたよね?」

生徒会長「あぁ、言ったよ。だから、私もこうして負けないように!」

男A「誰から聞いたんですか?」

生徒会長「誰って…。それは」

108: 2012/05/23(水) 23:45:32.31 ID:FR1gQxDb0
男A「親友!?親友って確か、主人公といつも一緒にいる?」

生徒会長「あぁ、この間会ったときにこっそり聞いたんだ。」

男A(親友か…でもなんで…)

男A「実はですね…その(ry」

生徒会長「なに!?親友が私達の邪魔を!?」

男A「はい…。だからですね。」

生徒会長「…。君の言いたいことは何となくわかるよ」

男A「え?」

111: 2012/05/23(水) 23:51:46.29 ID:FR1gQxDb0
生徒会長「私なら親友の正体を主人公の前で晒すことができる。
       そして、私と一緒に消える。完璧な作戦じゃない…」

男A「駄目ですよ!ヒロインが消えてしまったら!!誰が主人公を…」

生徒会長「もう嘘はやめてよ!!」

男A「え?」

生徒会長「ヒロインは私のほかにもいる!私が失敗すれば
       他のヒロインに任せればいい!もともとそういうことだったんでしょ!」

男A「なんで…それを…」

男B「ちゃんと、俺の言ったことは守って欲しかったな…」スッ

男A「お前!!」

113: 2012/05/23(水) 23:59:18.56 ID:FR1gQxDb0
男B「お前の昨日の言動が気になってな…。先回りして調べさせてもらった。」

男A「な…でもどうやって!」

男B「簡単だよ、カウンターを彼女に触れさせた。偶然、落としたふりをして拾わせたのさ
    イレギュラー以外には反応しないはずのカウンターが彼女にはちゃんと反応したよ」

男A「お前…」

男B「で、君は俺達に手を貸す気はるのか?」

生徒会長「…。世界の運命がかかってるんでしょ?
       だったら…、やるしかないじゃない!」

男A「駄目だよ!そんな事したら!生徒会長さんは消えてしまう!」

生徒会長「何よ!今更!ずっとだましていたくせに!!」ウルウル

114: 2012/05/24(木) 00:03:35.58 ID:BghLsiWu0
男A「確かに…でも、俺は!最後まで生徒会長さんを守るつもりだった!」

生徒会長「もう…私は…君がわからないよ…」ポロポロ

男B「悪いが口論している時間はない…。作戦は今日の放課後。
    生徒会長、君が主人公と親友を両方おびき寄せるんだ…いいね?」

生徒会長「えぇ、任せて…」

117: 2012/05/24(木) 00:08:36.69 ID:BghLsiWu0
放課後、屋上

親友(ふふ…親友やっててよかった~。ついに俺も彼女げっとかぁ?ふふふふふ)

生徒会長「ごめんなさい!待たせた?」

親友「いえいえいえ!全然!」

主人公「おい~なんの用だよ~生徒会長~」

親友(え?なにこれ?どういうこと?)

生徒会長「貴様!この世界の真実を知って何故邪魔をする!!」


男A「上手くやれよ…」

男B「ここからは静かにな…」

男A「あぁ…」

118: 2012/05/24(木) 00:12:26.82 ID:BghLsiWu0
親友「え?えぇぇ!?」

主人公「…?」

生徒会長「とぼけるな!親友!貴様の正体はわかっているんだぞ!」

親友「さっき…邪魔をするって言ったな…?」

生徒会長「それがなんだ」

親友「邪魔をしているのはそっちのほうだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

生徒会長「なに!?」

親友「俺はあのサイトのおかげでこの世の全てを知った…だから、わざわざここへ転校してきた!」

生徒会長「は?」

120: 2012/05/24(木) 00:19:43.42 ID:BghLsiWu0
親友「初めは主人公を消すつもりだった」

主人公「お前…」ガクガク

親友「でもな?たとえコイツを消したところで待っているのは平凡で退屈な世界…。
     だが、コイツの近くにいるとマジでおもしれーんだよ!可愛い子はわんさかよってくるし!
     マジで青春って感じだしよ!だから、決めたんだ俺はコイツの親友になろうってな!」

主人公「もうやめてくれ…」

親友「こいつの親友になるなんてマジで簡単だったぜ!もともといたこいつの親友を脅して
    主人公の邪魔をさせて存在を消せばいいだけだったからな!」

生徒会長「ふざけるな!私達は誰もこんな世界を望んじゃいないんだ!
       こんなの…お前達のせいで!主人公のせいで!!私は!私はぁぁぁぁ!!!!!!!!」

主人公「もうやめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ピカッ

124: 2012/05/24(木) 00:23:39.02 ID:BghLsiWu0
屋上

男A「う、うぅん…」


男B「目が覚めたか?」

男A「はっ!生徒会長は!!!」

男B「消えたよ…作戦は成功だ。」

男A「そ、そんな…。」

男B「これ、生徒会長がお前にって」

男A「え?手紙?」

127: 2012/05/24(木) 00:27:36.67 ID:BghLsiWu0

さっきは怒鳴って悪かったね。
君が私を守るって言ってくれたとき
本当は凄くうれしかったんだ。
こんな世界だからこそ言えた事なのかもしれないけどね。
もし、世界が開放されたら。そして、その世界で私が生きていれば
また生徒会室にくるといい。
ずっと
ずっとそこで待ってるから…



男A「…。なぁ、男B…」ウルウル

男B「どうした?」

128: 2012/05/24(木) 00:30:19.18 ID:BghLsiWu0
男A「俺達のしていることって正しいのか?」

男B「正しい…少なくとも俺はそう信じてる。」

男A「でも、俺達が何もしなければ生徒会長は幸せだったのかもしれない…
    みんな何も知らないままでよかったんじゃないのか?」

男B「…。帰ろう。俺の家で男Cが待ってる」

男A「あぁ…。わかった…」

130: 2012/05/24(木) 00:34:28.28 ID:BghLsiWu0
男B宅

男A「…」

男C「男Bくんから事情はきいたよ…。」

男B「お前は休め…男A。精神的にも参ってるみたいだしな」

男A「あぁ…、ん?おい!男C!お前のカウンター!」

男C「え?え?10?」

男B「おい!男C!お前!なにした!?」

男C「違う!僕はただ!」

男B「お前!正直に話せ!!」

134: 2012/05/24(木) 00:43:04.10 ID:BghLsiWu0
男B「主人公達と一緒にご飯をたべた!?」

男A「お前!自分のした事わかってるのか!?」

男C「僕はただ!僕は…友達が欲しかったんだ!
    幼馴染さんはいつも僕に優しくしてくれるし…
     主人公くんだってすごくいい人だったよ!!」

男A「お前…」

男C「初めてだよ…。こんなに人に構ってもらえて優しくされたの…」

135: 2012/05/24(木) 00:48:03.54 ID:BghLsiWu0
男C「うれしかったなぁ…美味しかったなぁ…みんなで食べるお昼ご飯」ウルウル

男A「…」

男B「そんなのただの幻想だ!」

男C「違う!幻想なんかじゃない!」

男B「では、イレギュラーでないお前なら相手にされたか?」

男C「…」

男B「ただのモブキャラのお前でもあいつらは相手にしてくると思うか!?」

男C「それは…」

男B「頭を冷やせ!この世界にはもう…俺達の居場所なんてないんだ!」

男C「…」シクシク

137: 2012/05/24(木) 00:53:21.70 ID:BghLsiWu0
男A「…、そのくらいにしておいてやれよ。」

男C「」シクシク

男B「問題はカウンターの減り具合だ…。ここまで減るとは…」

男A「親友が消えたのも関係するのか?」

男B「たぶんな…。新しい親友は男Cになろうとしているのかも…」

男A「そんな…」

男B「もし、コイツが本当に親友になっちまったら俺達のカウンターも必然的に減りはじめるだろうな」

男A「もう時間がないな…」

男C「大丈夫…もうすぐ終わるよ…」

男A「え?」

139: 2012/05/24(木) 00:56:04.83 ID:BghLsiWu0
男C「幼馴染さんと主人公くんはとてもいい感じだよ」グスン

男B「それなら話が早い、お前がその仲立ちをすればいい」

男A「おい、ツンデレはどうするんだ?」

男B「ほうっておけばいいだろ?」

男A「おい、ちょっと待てよ!」ガシッ

男B「おいおい、いきなりなんだ?」

男C「ふたりともやめてよ!」

141: 2012/05/24(木) 01:01:21.56 ID:BghLsiWu0
男A「お前…、生徒会長の時といい…。人の気持ちを何だと思ってるんだ!?」

男B「は?あいつらはただの人形なんだぞ?」

男A「人形だと!?」

男B「そうだ!自分の意思で生きているわけじゃない!主人公に踊らされたただの人形だ!」

男A「ふざけるな!だったら以前の俺達も人形だったってことか!?」

男B「その通りだ!こんな世界…本当に生きているといえる人間なんて僅かしかいない…」

男A「ちがう!たとえ真実をしらなくてもみんなちゃんと生きてるんだ!」

男B「離せ!」ドカッ


142: 2012/05/24(木) 01:04:15.23 ID:BghLsiWu0
男B「ふん、今日はもう遅い帰れ!」

男A「…、じゃぁな」

男C「ちょっと!男Aくん!まってよ~!」





男B「くそ!!」ドカッ

144: 2012/05/24(木) 01:10:35.77 ID:BghLsiWu0

数日後、放課後

ツンデレ「悪いわね、また相談にのってもらって。」

男B「言い出したのは俺のほうだよ?忘れたの?ふふ」

ツンデレ「あれ~そうだったっけ?でも、何でこうやって毎日相談に乗ってくれるの?
      正直退屈じゃない?」

男B「確かに君の話は退屈だね」

ツンデレ「そ、そうだよね…」

男B「今日は元気ないな?いつもならもっと突っかかるのに」

ツンデレ「はぁ…。もうあたしの恋は終わりみたい」

男B「そうか…」

ツンデレ「だから、こうしてあんたと会うのも終わりにしようかなって」

145: 2012/05/24(木) 01:15:26.50 ID:BghLsiWu0
男B「あきらめるのか?」

ツンデレ「そりゃ~あたしだってまだまだ頑張りたいけど…」

男B「君らしくないな、全然」

ツンデレ「…」

男B(何言ってんだ?俺は…このまま終わらした方が楽だろ?)

男B「まぁ、君が諦めるんなら仕方ないよね。
    お疲れ様」ニコッ

ツンデレ「うぅ…、うえ~ん」ギュッ

男B(人形…、こいつらは人形だ…。でも、人形には無い暖かさがある…)

148: 2012/05/24(木) 01:20:01.33 ID:BghLsiWu0
更に数日後、男B宅

男B「ついに明日だな…男C、幼馴染には伝えたか?」

男C「うん、すっごく泣かれたよ…。でも!世界が開放されても!ずっと友達だよって言ってくれた!」

男A「明日、俺と男Cは屋上で主人公たちを監視するが…。お前は?」

男B「俺か…。すまん、ちょっと用事が…」

男A「おいおい、これ以上に大事なことってあるのか?」

男B「まぁな…」

149: 2012/05/24(木) 01:23:13.54 ID:BghLsiWu0
次の日、屋上

幼馴染「ねぇ、主人公くん」

主人公「なに?どうしたの?」

幼馴染「あたしのこと好き?」

主人公「もちろんだよ!」

幼馴染「もう一度好きになってくれる?世界が変わってしまっても!」ウルウル

主人公「え?」



男A(これで、終わるのか…)

151: 2012/05/24(木) 01:26:35.62 ID:BghLsiWu0
同時刻、校門前

男B「ツンデレ!!」

ツンデレ「どうしたの?」

男B「ツンデレ…、幼馴染と主人公のこと…」

ツンデレ「知ってるよ…昨日付き合ったんだよね?本当仲良しさんだよね!」

男B「ツンデレ…」

ツンデレ「なに?あたしのこと慰めにきてくれたの?」

男B「ごめん!本当のこと話すよ!!」

ツンデレ「え?」

152: 2012/05/24(木) 01:30:55.96 ID:BghLsiWu0

ツンデレ「なにそれ…。そんなのあんまりだよ…」ウルウル

男B「でも、もうすぐ世界は解放される…」

ツンデレ「ねぇ!」

男B「!?」

ツンデレ「あたしのこの気持ちって本当のものだったのかな!?」ウルウル

男B「え?」

ツンデレ「あたしが主人公のこと好きだったのって偽りなの?ギアのせいなの!?」ウルウル

男B「それは…」

ツンデレ「ねぇ!答えてよ!ねぇ!!」

153: 2012/05/24(木) 01:34:30.20 ID:BghLsiWu0

男B「偽りなんかじゃない!!君の気持ちは本物だった!」

ツンデレ「それじゃぁ…それじゃぁあたしはもう一度、主人公のこと好きになるよね?」ニコッ

男B「あぁ、そのときはまた相談に乗ってやるよ」ニコッ


その時、屋上から光が放たれ世界を包んでいった。
パズルのようにいくつも噛み合わさったギア。
ばらばらに崩れ落ちていった…


そして、一つ一つのギアが自らの意思で回転を始める…

158: 2012/05/24(木) 01:42:10.65 ID:BghLsiWu0
高校二年 春。

ユウキ「お!また一緒のクラスじゃん!よろしくな!」

タクミ「また二人でバカしようぜ!!」

ハルカ「二人じゃなくて三人でしょう~?」

ユウキ「お前も一緒のクラスだったのか!」

カエデ「ハルカ~!ひさしぶり!春休み元気してた!?」

ハルカ「カエデ!久しぶり!カエデにしちゃ来るの遅かったわね」

カエデ「だってこのバカがまた寝坊して!」

シュウ「うるせ~な!バカじゃね~よ!」

ユウキ「う~ん…」

タクミ「どうした?ユウキ」

ユウキ「いや、何だか知らないけど初めて自分の名前を呼んでもらった気がしてな」ニコッ

タクミ「また妙なこというな、お前は」ハッハッハッハッハ


終わり

159: 2012/05/24(木) 01:43:09.37
いきなり終わったな…

162: 2012/05/24(木) 01:44:47.12 ID:BghLsiWu0
もうちょっと話
膨らませたりしたかったけど
SSなんでこれくらいでいいかなと!

ありがとうございました!

引用元: 男「この世界に主人公?いるわけねーだろww」