5: 2014/11/04(火) 18:31:56.37 ID:+GLnQwrr0
衛宮家・玄関前

切嗣「ただいまー」ガチャ

セラ「え・・・?旦那様!?どうなされたのですか、突然帰って・・・」

切嗣「セラ。イリヤの顔が見たくなってね」

セラ「イリヤさんなら先に帰られた奥様とどこかへ出かけたようですが」

切嗣「なに、アイリに取られただと・・・?仕方ない、それなら士郎はいるか?」

セラ「士郎でしたら自室にいますよ」

切嗣「そうか。・・・お邪魔するよ」

セラ「・・・」

セラ(今夜のメニューは豪華なものにしなくちゃ)

1: 2014/11/03(月) 18:03:30.39 ID:Qefj5fQa0
プリズマ☆イリヤのssです。

勢いで書いただけなのと、
一部fate本編の設定も混ざっているので、
ツッコミどころ満載だと思いますが予めご了承ください

 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1415005400

6: 2014/11/04(火) 18:32:56.68 ID:+GLnQwrr0
切嗣「士郎、いるかー?入るぞ」ガチャ

クロ「ふふふ、お兄ちゃん。気持ちいいでしょ・・・?」

士郎「クロ・・・ああっ・・・そこはらめぇ・・・」

切嗣「」

士郎「」

クロ「え・・・、おとーさん?」

切嗣「士郎、これはどういうことだ?」

士郎「えっと、誤解だって!」

切嗣「イリヤよりもその子を選ぶなんて!」

7: 2014/11/04(火) 18:33:48.81 ID:+GLnQwrr0

士郎「そっちかよ!! てか、そういう問題じゃないって!」

クロ「パパ、私はお兄ちゃんにマッサージしてただけよ。勘違いしないで」

切嗣「なんだ、そうだったのか。ええっと、君がアイリが言っていたクロエちゃんだね」

クロ「そうよ、おとーさん。一応あなたの子なんだから、ちゃん付けでいいわ」

切嗣「そうか、ならそう呼ばせてもらおう。君にはいろいろとすまないことをしたな」

クロ「もういいわ。私はここではイリヤの従妹として暮らしているんだから」

8: 2014/11/04(火) 18:35:17.44 ID:+GLnQwrr0
切嗣「そうか・・・」

切嗣(イリヤもいないし、ちょうどいいな。この子と少し仲良くなっておくか)

切嗣「クロ、良かったらお父さんとこれから遊びに行かないか?」

クロ「ほんと!?・・・もちろんいくわ!!」

士郎「待ってくれ、親父!俺も行くよ」

士郎(久しぶりの親父だ!男女比が少しでも変わった今、少しでも親父のそばにいたい!)

9: 2014/11/04(火) 18:40:38.18 ID:+GLnQwrr0







士郎「親父とクロと公園にやってきた」

雀花「ふふっ……」

那奈亀「ほんとそういうの好きよね」

龍子「なになに?それおもしろいの?」

美々「あれ?クロちゃんと、士郎さん?それに隣にいるのは・・・」

クロ「イリヤのお父さんよ」

切嗣「どうもこんにちは。君たちはイリヤとクロの友達かい?」

美々「はい」

切嗣「そうか・・・。イリヤのこと、これからもよろしくたのむよ」

美々「まかせてください!えっと、それでおじさんと士郎さんはどんな関係ですか?」

切嗣「え?」

士郎「え?」

クロ「やれやれね」

10: 2014/11/04(火) 18:41:19.92 ID:+GLnQwrr0






切嗣「ここは士郎やクロが通っている学園か」

クロ「そうよ、さっきの子達もここに通っているわ」

桜「あれ、先輩?」

士郎「桜。あれ、今日部活あったっけ?」

桜「いいえ、自主練の帰りですよ」

士郎「そっか、桜は真面目だなぁ」

桜「あの。先輩、その子とその方は?」

11: 2014/11/04(火) 18:41:48.51 ID:+GLnQwrr0

士郎「ああ、この子は俺の妹の従妹のクロエで、こっちは俺を引き取ってくれた親父、切嗣だ」

クロ「こんにちは」

切嗣「こんにちは。君は士郎の部活の後輩ってことでいいのかな?」

桜「はい、弓道部の間桐桜です」

士郎「桜、今度自主練するときは俺も付き合うよ。また声かけてくれるか?」

桜「もちろんです!先輩が練習につきあってくれるなんて、うふふ・・・」

切嗣(なんかちょっとヤバイ感じの子に見えるなぁ)

12: 2014/11/04(火) 18:42:30.59 ID:+GLnQwrr0





切嗣「士郎はああいうのがタイプなのか?」

士郎「ぶぶぅ!!な、なにを言い出すんだよ、親父!」

切嗣「随分と仲がいいなって思ってさ」

クロ「は、お兄ちゃんはやっぱりああいうボインな人が好きなのね!?」

士郎「クロまで何言ってるんだよ。桜はただの弓道部の後輩だよ、それ以上の関係なんて・・・」

凛「あら、桜がなんですって?」

士郎「と、遠坂!」

13: 2014/11/04(火) 18:43:11.66 ID:+GLnQwrr0







切嗣「・・・」

凛「はぁ、衛宮くんの主人公属性にはほんと呆れるわ。それでそちらは?」

士郎「親父だよ。親父、同級生の遠坂だイリヤやクロのことでいろいろ世話になってもらっているらしい・・・」

凛(私がイリヤをあんなことに巻き込んだとは言えないわね)

凛「衛宮くんのお父様。初めまして、遠坂凛です」ペコリ

切嗣「どうも。士郎の父親、切嗣です。遠坂さんはクロのことをご存知で?」

クロ「ご存知も何も元はいえば全部こいつのせー」モガモガ

凛「あはは、まあ大体の事情は聞いてますわ」

切嗣(なるほど、彼女がイリヤやクロのことで深く絡んでいそうだな。まああまり深く問い詰めるのはやめておこうか)

14: 2014/11/04(火) 18:44:51.58 ID:+GLnQwrr0








クロ「ねーねー、おとーさん!おやつ買ってよ!」グイグイ

切嗣「うん?こんなところにスーパーマーケットが出来ていたのか」

士郎「ここ安いからセラのお気に入りのお店なんだ」

切嗣「なんだ、お金に困っているのか?言ってくれれば仕送り増額するのに」

士郎「いや、そうじゃなくてさ、余計な出費を出したくはないだろ?安く済むなら安く済ませる方がいい。セラはお金のこともちゃんと考えてくれているんだ」

切嗣「なるほど、さすがアインツベルンに仕えるメイドだけあってしっかりしているな」

クロ「お菓子買ってよー、おとーさん!」

切嗣「ははは、まったくしょうがないなー」

15: 2014/11/04(火) 18:45:26.39 ID:+GLnQwrr0
士郎「イリヤだけでなくクロにも甘いんだな、親父は」

切嗣「士郎、お前もお菓子買っていんだぞ?」

士郎「いや、俺はいいよ・・・」

ルヴィア「・・・あら?シェロ!こんなところでなにをしていますの!?」

士郎「ルヴィア!俺は・・・見ての通りさ」

16: 2014/11/04(火) 18:45:58.00 ID:+GLnQwrr0
ルヴィア「あら、なんですの?その辛気臭いオヤジは?シェロに不幸が移りそうですわ」

切嗣「」

クロ「これ、私のおとーさん」

士郎「ルヴィア・・・、この人、俺の親父なんだ・・・」

ルヴィア「へぇ、シェロのおとうさ・・・・・ええ!?シェロのお義父さん!!」

クロ「おい」

17: 2014/11/04(火) 18:46:25.21 ID:+GLnQwrr0
ルヴィア「まあなんてダンディな方!さすがシェロのお義父さん!大人のオトコって雰囲気を感じますわね、オホホホ」

切嗣「士郎・・・お前の友達はなんというか・・・変わってるな」ボソボソ

士郎「おかげで退屈しないけどさ」シクシク

クロ(お父さんがルヴィアの義理の父親になっていることには2人ともつっこまないのね)

18: 2014/11/04(火) 18:47:09.89 ID:+GLnQwrr0







切嗣「それにしてもイリヤとアイリ、どこにもいないな」

士郎「映画でも観に行ったんじゃないのか?」

クロ「多分、夕方まで帰ってこないんじゃない?」

士郎「それはそうとクロ。なんでおまえ、親父に肩車してもらっているんだよ?」

クロ「えーいいじゃん、おとーさんに肩車されるの、一度経験してみたかったんだー」エヘヘ

19: 2014/11/04(火) 18:47:45.92 ID:+GLnQwrr0

切嗣「あはは、どうだクロ。お父さんの肩の上は高いだろう!?」

クロ「うん、おとーさん!これが親子なんだね!」

切嗣「・・・ああ!」

士郎「まったく・・・」

切嗣「あ、わかったぞ!さては士郎、お前も肩車して欲しいんだな!?」

士郎「なんでさ」

クロ「あ、ゲームセンターだ!ねえ、おとーさん!ゲーセン行こっ?」ニコニコ

切嗣「ああ、クロ・・・」ニコニコ

21: 2014/11/04(火) 18:50:52.28 ID:+GLnQwrr0
士郎「やれやれ」

一成「おや、衛宮じゃないか。そちらは、いつしか話していたお前の父親か?」

切嗣「士郎の友達か?」

士郎「ああ、そうだけど」

一成「衛宮、すまんが来週生徒会室に来てくれるか?」

士郎「雑務か?」

22: 2014/11/04(火) 18:51:20.60 ID:+GLnQwrr0
一成「ああ、先週生徒会休むやつが多くてちょっと手に負えない状態になっているんだ」

士郎「分かった、それじゃあまた手伝いに行くよ」

一成「すまんな、ほんとお前には感謝してもしきれん」

士郎「それじゃあまた学校で」

一成「ああ、またな」スタスタ

切嗣(士郎は僕とちがって友達が多いんだな)

23: 2014/11/04(火) 18:51:52.75 ID:+GLnQwrr0







ギャーギャーワーワー

切嗣「ゲームセンターってところはうるさくてどうも落ち着かない。クロは1人でどっか行っちゃったしなぁ」

美遊「うーん」バンバン

士郎「あれ、美遊?」

切嗣「なんだ士郎。あんな子どもとも友達なのか?」

士郎「俺のというよりは、イリヤの友達だよ」

切嗣「なるほど。・・・僕の仕事仲間を幼くしたらあんな感じになるのかな」

士郎「え、なんだって?」

切嗣「いや、なんでもない。忘れてくれ」

24: 2014/11/04(火) 18:52:41.44 ID:+GLnQwrr0
美遊「さすがにこれ以上はダメね・・・。あ、士郎さん・・・とその方は?」

士郎「俺とイリヤ、それからクロの親父だよ」

美遊「お父さん・・・?」

士郎「ああ、俺、養子だから血は繋がってないんだけどな」

美遊「そうですか」

士郎「どうかしたのか?」

美遊「いえ・・・。あ、そうだ。おじさんはガンシューティングって得意ですか?」

25: 2014/11/04(火) 18:53:13.28 ID:+GLnQwrr0
切嗣「え?ああ、まあ・・・」

美遊「それなら私と一緒にあのゲームで遊んでくれませんか?」キラキラ

士郎「あれは銃でゾンビを撃ち[ピーーー]ゲームか」

切嗣「ああ、いいよ」

ウー バンバンバン

士郎「すごい、最終ステージだ」

美遊「おじさんって本当に銃の使い上手ですね!」

切嗣「それほどでもあるよ。ほら、まだラスボスがいるじゃないか」

26: 2014/11/04(火) 18:54:42.89 ID:+GLnQwrr0
ヨノナカヲ…ウッ…ガエダイ! バンバンバン ウアア

士郎「なんだ、ラスボス倒したけどまだクリアじゃ・・・あ、ジャンボ機が飛んでる」

美遊「あれには大量のゾンビとウイルスが乗っているんです。あれをロケットランチャーで撃ち落としたらクリアです!」

切嗣「え、そうなのかい?」

美遊「はい、一発しかないんで外したらそこでゲームオーバーです」

士郎「小さな的だなぁ・・・」

切嗣(・・・)

切嗣(ああ、思い出すな・・・)

切嗣(・・・でも!)

ヒュー ドカーン ゲームクリアデス!

27: 2014/11/04(火) 18:55:09.65 ID:+GLnQwrr0








美遊「今日は本当にありがとうございました」ニコニコ

切嗣「僕も楽しかったよ」

美遊「それじゃ!」タッタッタ

士郎「親父、まるで子どもみたいだったな」

切嗣「そうか?あはは、イリヤがいなくてよかった」

士郎「俺の前ではいいのかよ」

切嗣「ははっ、士郎。僕がゲームセンターで夢中になって遊んでいたことは、イリヤには内緒だぞ。男と男の約束だ」

士郎「・・・ったくしょうがないなぁ」

士郎(親の威厳なんて最初から無いのに・・・)

28: 2014/11/04(火) 18:55:44.55 ID:+GLnQwrr0
クロ「口封じはお兄ちゃんだけでいいのかしら?」

切嗣「クロ!いつからそばにいたんだ?」

クロ「ゾンビのゲームをするあたりから?」

士郎「美遊と遊び始めた頃からずっと見られていたみたいだな」

切嗣「」

クロ「おとーさんも可愛いところあるんだね♪」

切嗣「ああ、父親の威厳が・・・」

士郎(だから最初からないって。今更何を言っているんだろう・・・)

29: 2014/11/04(火) 18:56:16.80 ID:+GLnQwrr0








スタスタスタ カーカーカー

カレン「すっかり遅くなったなぁ。街を歩けば、ダルマ状態にされた人間や首から上が吹き飛んだ人だったもののひとつやふたつ見れるかと思ったのに」

カレン「つまらないわね」

クロ「あ、エセ保健の先生」

カレン「あら、あなた達は・・・」

士郎「ん、初等部の保健室の先生か。こんにちは」

切嗣「ど、どうも」

30: 2014/11/04(火) 18:56:46.73 ID:+GLnQwrr0
カレン「あら、あなた、今にも氏にそうな顔ね」

切嗣「」

カレン「あなたなら首が真っ二つになったり腕がちぎれたりしそうね、12回ぐらい」

士郎「12回!?」

カレン「ま、期待しているわ、それじゃ」スタスタ

切嗣「なあ、あれ、本当にクロの学校の先生なのか?」

クロ「おとーさん、気にしない方が身の為だと思うわ」

切嗣「最近の学校の先生は怖いなぁ」

31: 2014/11/04(火) 18:57:21.29 ID:+GLnQwrr0








ガチャ

リズ「あ、おかえりー。遅かったね」

切嗣「リズ、イリヤとアイリは?」

リズ「まだ帰ってきてないよ」

切嗣「どういうことだ・・・?」

士郎「親父、イリヤと母さんが遅くまで遊び歩いたことなんて別に珍しくないだろ?」

切嗣「いや待て!もしかしたら、ヤバイ感じの男に捕まって蟲の餌食とかになっているかもしれん!」

32: 2014/11/04(火) 18:58:02.64 ID:+GLnQwrr0
クロ「おとーさん、きっとヤバイ感じの小説の見過ぎね」

士郎「また始まったよ、親父の無駄な心配性」

リズ「おりゃー」ガツーン

切嗣「あひんっ!」バタリ

クロ「あ、中華鍋で殴った」

士郎「まあパニックに陥った親父をおとなしくさせるにはこれが一番だけどさ」

セラ「ちょっと、何の音ですか・・・って旦那様!?一体なにが!!」

切嗣「きゅ~」

33: 2014/11/04(火) 18:58:49.22 ID:+GLnQwrr0
リズ「シロウ、あとは任せた」ヒョイ

士郎「え、あ、ちょっと!」

セラ「シロウ!あなた、まさかそれで自分の父親を・・・!あなたは自分が拾われた身であることを忘れているのではないですか!」

士郎「ちょっと誤解だって!クロ!助けて!」

クロ「じゃあこうしちゃえばいいじゃない」ヒョイ

士郎「えっ?」

34: 2014/11/04(火) 18:59:31.20 ID:+GLnQwrr0
クロ「せーの!」ガツン

セラ「ひんにゅっ!」バタリ

士郎「クロ、さすがに気絶させるまでしなくても良かったんじゃ・・・」

クロ「いいのいいの。興奮したセラを食い止めるのはこうするしかないよ、お兄ちゃん」

士郎「仕方ない、晩御飯は俺が準備するか」スタスタ

リズ「つんつん」

切嗣「きゅ~」

35: 2014/11/04(火) 18:59:57.97 ID:+GLnQwrr0








イリヤ「ただいまー!」

アイリ「ただいまーってキリツグ!?どうしたの!?」

切嗣「う~ん、あれ?僕はどうしてたんだ?」

セラ「きゅ~」

アイリ「セラは気絶しているみたいね。まあ裏庭にでも置いときましょ。よいしょっと」ドサッ

イリヤ「ママ、それはさすがに可愛そうだよ・・・」

アイリ「だって、こんなところで寝られたら邪魔だもん」

切嗣「あはは、アイリは相変わらず容赦がないな~」

イリヤ「せめてベットにねかせてあげてよー!」

36: 2014/11/04(火) 19:00:39.34 ID:+GLnQwrr0








イタダキマース

士郎「今日は親父と母さんが帰ってきたから、夕食はいつもよりも豪華にしてみたんだ」

クロ「わぁ~、おいしそう!お兄ちゃん大好き!」ギュッ

士郎「ちょ、ちょっと、クロ!!」

イリヤ「あーこら!お食事中でしょ!?お兄ちゃんに抱きつくの禁止!」

クロ「ふふふ、イリヤ羨ましいんでしょ?悔しかったらイリヤも抱きついてみたらー?」

イリヤ「ぐぬぬ・・・」

アイリ「こら、お兄ちゃんが困っているでしょ?やめてあげなさい?分かってるわよね?」ゴゴゴ

クロ「はい・・・」

クロ(なんなの、この見えない恐怖・・・)

37: 2014/11/04(火) 19:01:18.74 ID:+GLnQwrr0

ルビー「あーもう、せっかくおもしろそうな場面だったのに。空気が読めませんね、アイリさんは」

アイリ「そういえば、明日はなんのゴミの日だったかしらー?」

ルビー「クロさんもイリヤさんも士郎さんとイチャつくのはご飯食べてからにしましょうね」アセアセ

イリヤ「ルビーですらママの圧力には屈してしまうのね・・・」

リズ「もぐもぐ」

セラ「ちょっと、リズ!あなたさっきから肉ばっかり取りすぎですよ!」

リズ「だっておいしいんだもん」

38: 2014/11/04(火) 19:01:52.81 ID:+GLnQwrr0
セラ「ああ、アインツベルンのメイドとあろうものが、こんな欲望のままに肉にむしゃぶりつくなんて・・・」

アイリ「肉ならいっぱいあるから遠慮しなくていいわよ」

リズ「わーい」

セラ「奥様!」

アイリ「まあまあ」

切嗣「・・・ふふっ」

切嗣(平和だなぁ・・・)ポロポロ

39: 2014/11/04(火) 19:02:33.14 ID:+GLnQwrr0
イリヤ「おとーさん?」

士郎「なんだよ、また泣いているのか」

切嗣「え?ああ、鍋が美味しすぎて涙がね・・・」

クロ「おとーさん、なら私がお肉食べさせてあげる。ほら、あーんして?」

切嗣「あーん・・・」パク モグモグ

切嗣「うっ・・・ぐすん・・・娘の味がする・・・」グスン

クロ「」

40: 2014/11/04(火) 19:03:07.29 ID:+GLnQwrr0
イリヤ「もうおとーさんはほんと泣き虫なんだから。ほら、私からもお豆腐食べさせてあげるね。あーん」

切嗣「あーん」パクッ モグモグ

切嗣「・・・うっ、なんて、おいしんだ!こんなおいしい鍋は食べたことない!」シクシク

士郎「まったく、親父は本当に家族の団欒に弱いんだな」

切嗣「クロ、イリヤ、後で3人で一緒にお風呂入ろうな」

クロ「それはいや」

イリヤ「ごめんね、おとーさん」

切嗣「」

アイリ「あらあら、2人とも年頃ねぇ」

41: 2014/11/04(火) 19:03:35.53 ID:+GLnQwrr0







チャポン アーイイユダナー

士郎「・・・で、なんで親父は俺と一緒に風呂入っているんだ」

切嗣「狭い風呂に息子と一緒。親子の絆も深まるってもんだ」

士郎「はぁ、まあいいけどさ」

切嗣「なあ士郎」

士郎「なんだよ?」

42: 2014/11/04(火) 19:04:26.35 ID:+GLnQwrr0
切嗣「士郎・・・『衛宮』になって、楽しいか?」

士郎「・・・そんなの、答えるまでもないだろ」

切嗣「それもそうか」

士郎「・・・あのさ、親父。ありがとな、その・・・俺を養子として迎え入れてくれて」

切嗣「・・・ぐすん・・・シロォ・・・それは反則だぞ・・・」グスン エッグ

士郎「ああもう、いちいち泣くなよ親父・・・」

43: 2014/11/04(火) 19:04:59.64 ID:+GLnQwrr0







切嗣「風呂上がりの裏庭は涼しいな・・・」

切嗣「ふう・・・やっぱり僕は家族というものに弱いみたいだな・・・」

??『ケリィはさ、どんな大人になりたいの?』

??『世界を変える力、だよ。いつかキミが手に入れるのは』

切嗣「・・・遠い記憶、か」フッ

クロ「イリヤの記憶を封じて得られた平和がそんなにも幸せなものなのね」

切嗣「クロ・・・やっぱり君は・・・そのことを根に持っているのかい?」

44: 2014/11/04(火) 19:05:25.19 ID:+GLnQwrr0
クロ「そんなのもうないわよ。今は衛宮家という居場所がある。それに・・・私、今の生活も悪くないと思っている」

切嗣「そうか」

クロ「アインツベルン家で魔術師として育っていたらどうなっていたか私には分からないけど・・・」

クロ「・・・だけど、イリヤがいてお兄ちゃんがいて、セラやリズ達がいる今の生活がとっても楽しいの」

切嗣「やっぱり、あのときのアイリの判断は間違いじゃなかったんだろうな」

クロ「・・・おとーさん、寝るならちゃんと布団に行ってよ?」

切嗣「ああ、大丈夫だよ」

45: 2014/11/04(火) 19:05:59.57 ID:+GLnQwrr0
クロ「? どうしたの、おとーさん?」

切嗣「クロ・・・お父さんな、子どもの頃は正義の味方に憧れていた」

クロ「憧れてた? 諦めちゃったの?」

切嗣「うん、残念ながらね。大人になると、名乗るのが難しくなるんだ」

切嗣「そんなこと、もっと早くに気づけばよかった」

46: 2014/11/04(火) 19:06:27.95 ID:+GLnQwrr0
クロ「そう、おとーさんは正義の味方になりたかったんだ。それじゃあしょうがないよね」

切嗣「そうだね、本当にしょうがない・・・」

クロ「うん、しょうがないから、正義の味方のことはもう忘れちゃいなよ」

切嗣「ん?」

47: 2014/11/04(火) 19:07:00.16 ID:+GLnQwrr0
クロ「おとーさんは大人だからもう無理だけど、その代わり家族の味方になら今からでもなれるじゃない」

切嗣「家族の・・・味方・・・?」

クロ「そうよ、正義の味方なんて大きな夢は無理だったけど、今はもっと大事なものがこんなに近くにあるじゃない!」

切嗣「・・・そっか、そうだったね」グスン

クロ「あ、もう、ほらまた泣いて・・・。もう、しょうがないんだから」

48: 2014/11/04(火) 19:07:38.76 ID:+GLnQwrr0
ガラガラ

切嗣「んっ?二階の窓が開いた?」

イリヤ「あーっ!クロとおとーさんがなんかちょっといい感じになってるー!お兄ちゃんのみならず、今度はお父さんまで攻略するつもりなのー!?」

ルビー「イリヤさん!これはピンチですよ!」

クロ「うふふ、羨ましかったらイリヤもなんかしてみたらー?」

アイリ「あらあら、私というものがいながら娘に手を出すなんて、うふふ」

セラ「お母様!そんなに身を乗り出したら落ちますよ!」

リズ「キリツグは口リコン?」

士郎「親父ー!クロー!風邪引く前に戻って来いよ!」

49: 2014/11/04(火) 19:08:38.81 ID:+GLnQwrr0
ワイワイ ガヤガヤ



切嗣「ふふっ、今夜はなかなか寝られそうにないな」

切嗣(ああ、家族って、本当にいいもんだな・・・)

切嗣(――、もし君が生きていたら今の僕を見て、一体どんな顔をするだろうね。僕は、正義の味方にはなれなかったけど、その代わりもっと大切なものの味方になったんだ)

切嗣(これでも、良かったよな。なあ、――・・・。)

おわり

50: 2014/11/04(火) 19:09:05.95 ID:+GLnQwrr0








~おまけ~

切嗣(なんだ、これは夢か・・・?)

??「来い、人形・・・」

イリヤ「嫌だっ!」

切嗣(あれは、どういうことだ・・・?)

51: 2014/11/04(火) 19:09:44.82 ID:+GLnQwrr0
??「ふん・・・」グサッ

イリヤ「うっ・・・!あ・・・」

切嗣「――はっ!」ハアハア

切嗣「なんだ・・・イリヤが殺される夢を見た・・・。・・・午前2時か・・・」

52: 2014/11/04(火) 19:13:13.76 ID:+GLnQwrr0






コンコン

切嗣「イリヤ・・・いるか・・・?」

イリヤ「んっ・・・なあに、おとーさん・・・」ムニャムニャ

切嗣「一緒に寝ないか・・・」

イリヤ「えっ・・・?」

切嗣「すまん、イリヤが・・・いなくなりそうな気がしてな」

53: 2014/11/04(火) 19:17:01.68 ID:+GLnQwrr0
イリヤ「私はいなくならないよ・・・。でも、一緒に寝たいんならいいよ・・・」ゴロゴロ

切嗣「ありがとう、イリヤ・・・」ゴソゴソ

切嗣「イリヤ・・・温かいな・・・」

切嗣「ああ、このぬくもりをいつまでも守っていきたい」

切嗣「僕は、正義の味方にはなれなかったが、家族の味方にはなれたんだからね・・・」

イリヤ(暑苦しい・・・)

おわり

54: 2014/11/04(火) 19:17:43.73 ID:+GLnQwrr0











~おまけ2~

切嗣「士郎、たまには一緒に鍛錬しないか」

士郎「鍛錬?」

切嗣「ランニングだ。まさか士郎、筋トレしかしてないんじゃないだろうな」

士郎「いや、さすがに走ったりもするけどさ、いいのか?」

切嗣「もちろん」

56: 2014/11/04(火) 19:21:54.77 ID:+GLnQwrr0
コケコッコー

切嗣(夜明けだ・・・。息子相手だから手加減はできんな)

士郎「よし、行くぞ親父」タッタッタ

切嗣「タイムアルター・・ダブルアクセル!!」ピュー

士郎「待て親父!それは反則だって!!」

切嗣「息子相手に手加減はできないんだ、すまないな、士郎!」ピュー

士郎「なんでさ!この外道!!」

切嗣「ははは・・・あ」プップー ガシャン

士郎「親父が氏んだ!」

57: 2014/11/04(火) 19:24:39.00 ID:+GLnQwrr0









~おまけ3~

クロ「ねえおとーさん、ここの問題教えてくれない?」

切嗣「え?ああ、いいよ。ええっとここの問題はね・・・」

カキカキ

クロ「あ、ほんとだ!これで解けるのね!ありがとう、おとーさん!」

切嗣「いえいえ、これくらいはお安い御用だよ・・・くっ」グスン

クロ「ちょっと、なんで泣くのよ」

切嗣「だって、ひっく、こうやって宿題教えられるのも親子ならではだなぁって思うと、涙が・・・ね・・・」グスン エッグ

59: 2014/11/04(火) 19:25:48.09 ID:+GLnQwrr0






クロ「ねえ、イリヤ」

イリヤ「なにー?」

クロ「おとーさんってさ、なんであんなに涙もろいの?」

イリヤ「んー、よく分かんないけど、なんか昔いろいろあったらしいよ」

切嗣『クロ・・・お父さんな、子どもの頃は正義の味方に憧れていた』

クロ「ふ~ん」





クロ「・・・おとーさんにどんな過去があるか、詳しくは知らないけどさぁ」

切嗣「家族ってイイナアアアアアアアアア↑↑↑アァン!!!!!!アゥッアゥオゥウア゛アアアアアアアアアアアア!!」ウエーン

クロ「これはひどい」

60: 2014/11/04(火) 19:27:50.95 ID:+GLnQwrr0







~おまけ4~

士郎「今日の朝食は目玉焼きにしよう」ジュー

士郎「洗濯物に掃除・・・と」サッサッ

士郎「お昼の買い出しは・・・よし、今日はここへ行こう」スタスタ

士郎「洗濯物を取り込んで、畳んで・・・」

セラ「ちょっと待ったああああああああ!!」

士郎「わっ、なんだよセラ。今日は1日俺に仕事させてくれるって言ったじゃないか」

セラ「それ以上はダメです!なんというか、私のメイドとしての立場がなくなります!」

セラ(まさかシロウがここまで家事万能キャラになるとは・・・)

62: 2014/11/04(火) 19:29:43.85 ID:+GLnQwrr0

切嗣「ん、何をしているんだ、セラ」

セラ「あ、旦那様。いえ、私ってこの家のメイドとして本当に必要なんでしょうか?」

切嗣「え?・・・ああ、そういえばセラはこの家のメイドだったな」

セラ(旦那様に忘れられたー!?)

切嗣「まあアインツベルン城にいた頃とは違うんだから、もっと肩の力を抜いてもいいんじゃないか。リズぐらいに」

リズ「fate/zeroおもしろい」ボリボリ

セラ「あれは肩の力を抜きすぎでは?」

切嗣「・・・・・・」

63: 2014/11/04(火) 19:30:25.01 ID:+GLnQwrr0







~おまけ5~

士郎「遠坂、それ・・・!」

遠坂「ど、どうして衛宮くんが屋上に・・・!?」

士郎「いや、それよりも手に持ってるそれって・・・」

士郎「工口ゲじゃないか・・・」

遠坂「・・・」

遠坂(まずい、見られた!このままじゃ衛宮くんに嫌われる!)

士郎「遠坂、おまえって・・・」

遠坂(もうダメ・・・!)

士郎「欲求不満だったんだな!」

64: 2014/11/04(火) 19:30:59.54 ID:+GLnQwrr0







士郎「・・・」シュウウウウウ

遠坂「つい勢いあまって、ヤム○ャみたいな状態にしちゃったわ」

桜「先輩!!」

遠坂「げ、またアイツ・・・!」

士郎「さ、桜・・・」

桜「あれ、この工口ゲ・・・もしかして先輩も買ったんですか?」

遠坂(しまった、あれ落としてきちゃった!)

士郎「え、これ俺のじゃ・・・」

桜「うふふ、私もそのゲーム買ったんですよ」

士郎「桜が?」

桜「それってストーリーがいいんですよね」

士郎「え、そうなのか?」

桜「先輩、そのゲーム遊んだらまた感想聞かせてくださいね」

士郎「え、あ、ああ・・・」

65: 2014/11/04(火) 19:31:38.83 ID:+GLnQwrr0







遠坂(結局、あの後ゲームは返してもらったけど、どうやら衛宮くんのお父さんがゲーム持ってたらしい)

遠坂(衛宮くんはお父さんからゲームを借りて遊び、間桐桜と会話する時間が増えたらしい)

遠坂「ううっ・・・」

美遊「ねえ、そのゲームっておもしろいの?」

遠坂「子どもはまだだめだからね!?」ヒョイ

美遊「え?あ、はい・・・」

66: 2014/11/04(火) 19:32:43.47 ID:+GLnQwrr0






~おまけ6~

リズ「キリツグ、何をしているの?」

切嗣「Twitterだよ。誰とも話せないとき、こうやってぽちぽち独り言を呟くとすっきりするんだ」

リズ「フォロワー少ないね」

切嗣「僕は友人は数より質だと思っているんだ。ほら、この人とはよく絡んでいる」

『トッキー@常に優雅たれ』

切嗣「あとはこの人とかこの人とか」

『アハトたそ@寂しいなう』

『タイガっち@JK3』

切嗣「Twitterってニックネームで絡めるから、これがまたFacebookよりも利用しやすいんだ」

切嗣「トッキーはなんだか気が合うし、アハトはなんか家族に逃げられてさみしいらしいし、タイガは元気な女子高生っぽいんだ」

リズ「ふーん」

リズ(何も見なかったことにしよう)

67: 2014/11/04(火) 19:34:09.17 ID:+GLnQwrr0





イリヤ「・・・・・・」

『愉悦部公式アカウント』

『イリヤ@JS5さん。貴様に愉悦とは何たるかを教えようではないか。』

イリヤ「なに・・・これ・・・?」

68: 2014/11/04(火) 19:35:02.37 ID:+GLnQwrr0
~おまけ7~

雀花「あー温泉行きたいなぁ」

龍子「温泉!!いいねぇ!!混浴風呂で男たちと相撲やりたい!!」

那奈亀「やめろー!なんていうか、相撲取らされたほうの人生が終わりそうだから!!」

美々「温泉でゆっくりするのもいいよね」

美遊「ルヴィアさんに頼めば多分連れて行ってくれるよ?」

雀花「まじで!うへへ、やっぱ持つべきものは友だねぇ」

龍子「げへへ、俺、今すっげえ気分がいい。イきそうだ!」

那奈亀「タッツンはもう黙ってなよ」

美々「あはは・・・」

美遊「あなたたちといつ友達になったの?」

美々「美遊ちゃんもいつもの反応だね・・・」

イリヤ「温泉かぁ」

クロ「ちょうどおとーさん帰ってきてるし頼んでみる?」

イリヤ「あーでもおとーさん、あんまり開放的な場所とか好きじゃなさそう」

クロ「あー分かる。なんかおとーさんってこそこそしてそうな人だよね。台所の冷蔵庫の隅にいるゴキブリみたいな」

イリヤ「うん、そのたとえはちょっとどうかと思うけどね」アセアセ





切嗣「温泉?いいね、行こう」

イリヤ(おとーさんは即答でした)

切嗣(貸切風呂のあるところ予約すればイリヤと一緒にお風呂に入れるな)ウヘヘ

70: 2014/11/04(火) 19:38:54.75 ID:+GLnQwrr0
以上で終わりです

またなんか思いついたら続けて書くかもしれないので

このスレはしばらくこのまま残しておこうと思います

ここまで読んでくれた方ありがとうございました

72: 2014/11/04(火) 20:09:53.74
偶然見つけて開いたら面白かった
乙乙

80: 2014/11/04(火) 22:21:33.05

家族団らんイイ……

引用元: 切嗣「愛する娘に会うためにお父さんは家に帰ってきたゾ!」