1: 2010/10/30(土) 14:26:49.38 ID:w/ger7Mf0
男「こんなところに人がいるとは…」
少女「…」
男「こんなところでなにを??」
少女「私はここには、不似合いかしら??」
男「そりゃあ…ここは…」
少女「戦場ですものね」
少女「ふふふ」
少女「…」
男「こんなところでなにを??」
少女「私はここには、不似合いかしら??」
男「そりゃあ…ここは…」
少女「戦場ですものね」
少女「ふふふ」
3: 2010/10/30(土) 14:29:37.08 ID:w/ger7Mf0
男「危ないから、隠れていな」
少女「ずっとここで暮らしているけれど、危険な目にあったことはないわ」
男「そんな馬鹿な」
少女「…ちょっと嘘をついたわ」
少女「少ししか、危険な目にあったことはないわ」
男「どうしてこんな場所に住んでいるんだ」
少女「あら、それは心外ねえ」
少女「この戦争が始まるずっと前から、私はここで暮らしているのに」
少女「ずっとここで暮らしているけれど、危険な目にあったことはないわ」
男「そんな馬鹿な」
少女「…ちょっと嘘をついたわ」
少女「少ししか、危険な目にあったことはないわ」
男「どうしてこんな場所に住んでいるんだ」
少女「あら、それは心外ねえ」
少女「この戦争が始まるずっと前から、私はここで暮らしているのに」
4: 2010/10/30(土) 14:33:49.61 ID:w/ger7Mf0
男「…きれいな家だな」
少女「休んでいく??兵士さん」
男「ああ…そうさせてもらおうか」
少女「こっちよ」
男「ああ」
少女「そこの花壇には近づかないでね」
男「ああ。なにを育てているんだ??」
少女「禁断の果実よ」
男「…」
男「禁断の果実ってリンゴじゃなかったか」
少女「休んでいく??兵士さん」
男「ああ…そうさせてもらおうか」
少女「こっちよ」
男「ああ」
少女「そこの花壇には近づかないでね」
男「ああ。なにを育てているんだ??」
少女「禁断の果実よ」
男「…」
男「禁断の果実ってリンゴじゃなかったか」
5: 2010/10/30(土) 14:37:07.69 ID:w/ger7Mf0
少女「いいじゃない、細かいことは」
男「そうだな」
少女「さ、こっちよ」
ガチャ
男「すまないな」
少女「それから、その物騒なものをしまってくれる??」
男「あ、ああ、すまない」ガチャリ
男「そうだな」
少女「さ、こっちよ」
ガチャ
男「すまないな」
少女「それから、その物騒なものをしまってくれる??」
男「あ、ああ、すまない」ガチャリ
6: 2010/10/30(土) 14:43:08.39 ID:w/ger7Mf0
少女「ケガしてるわね」
男「こんなもの、大したことない」
少女「待って、包帯を持ってくるから」
男「あ、ああ」
パタパタ
男「…」
男「あの子、一人なのかな…」
パタパタ
少女「はい」
男「あ、ああ、すまない」
男「こんなもの、大したことない」
少女「待って、包帯を持ってくるから」
男「あ、ああ」
パタパタ
男「…」
男「あの子、一人なのかな…」
パタパタ
少女「はい」
男「あ、ああ、すまない」
8: 2010/10/30(土) 14:47:30.74 ID:w/ger7Mf0
少女「包帯の巻き方って、よくわからないのだけれど」
男「ああ、いいよ。自分でできる」
少女「そう??」
男「んっ」
バサッ
少女「きゃあ!!」
男「ん??」
少女「血がいっぱい…」
男「ああ、すまん。あっち向いてな」
男「ああ、いいよ。自分でできる」
少女「そう??」
男「んっ」
バサッ
少女「きゃあ!!」
男「ん??」
少女「血がいっぱい…」
男「ああ、すまん。あっち向いてな」
9: 2010/10/30(土) 14:51:53.90 ID:w/ger7Mf0
ギュッ
男「ふう…これで何とか」
少女「…痛かった??」
男「いや、大したことない」
男「何日も前の傷だしな」
少女「そうなの??」
男「血、茶色くなってたろ」
少女「よく見てなかったから…」
男「そうか」
男「ま、包帯、ありがとうな」
少女「うん」
男「ふう…これで何とか」
少女「…痛かった??」
男「いや、大したことない」
男「何日も前の傷だしな」
少女「そうなの??」
男「血、茶色くなってたろ」
少女「よく見てなかったから…」
男「そうか」
男「ま、包帯、ありがとうな」
少女「うん」
10: 2010/10/30(土) 14:56:00.96 ID:w/ger7Mf0
少女「お水でいいかしら」
コト
男「ああ、ありがとう」
ゴクゴク
少女「うふふ」
男「??」
少女「毒を盛られるかも、なんて、思わないの??」
男「ここは戦場だ。氏ぬこともあるさ、運命だ」
少女「ふうん」
男「なんだ」
少女「つまんない」
男「そりゃあ悪かったな、お嬢ちゃん」
コト
男「ああ、ありがとう」
ゴクゴク
少女「うふふ」
男「??」
少女「毒を盛られるかも、なんて、思わないの??」
男「ここは戦場だ。氏ぬこともあるさ、運命だ」
少女「ふうん」
男「なんだ」
少女「つまんない」
男「そりゃあ悪かったな、お嬢ちゃん」
12: 2010/10/30(土) 15:02:17.57 ID:w/ger7Mf0
少女「お嬢ちゃんなんて、久しぶりに言われたわ」
男「こんなところに人はめったに来ないだろう??」
少女「そうなのよ」
男「しかし周りは廃墟になってるのに、なぜこの家だけきれいに残っているんだ」
少女「私が住んでいるからよ」
男「うん??」
少女「私、氏なないの」
男「へえ」
男「こんなところに人はめったに来ないだろう??」
少女「そうなのよ」
男「しかし周りは廃墟になってるのに、なぜこの家だけきれいに残っているんだ」
少女「私が住んでいるからよ」
男「うん??」
少女「私、氏なないの」
男「へえ」
13: 2010/10/30(土) 15:06:38.56 ID:w/ger7Mf0
少女「へえって…リアクションそれだけ??」
男「無敵の兵士なんてそこらじゅうにいるからな」
男「珍しくもない」
少女「そっか」
男「冗談は置いといて、あんた、本当にここを離れたほうがいいんじゃねえか」
少女「ご忠告ありがとう」
少女「でも私は、ここから離れられないのよ」
男「どうして」
少女「あの苺があるから」
男「無敵の兵士なんてそこらじゅうにいるからな」
男「珍しくもない」
少女「そっか」
男「冗談は置いといて、あんた、本当にここを離れたほうがいいんじゃねえか」
少女「ご忠告ありがとう」
少女「でも私は、ここから離れられないのよ」
男「どうして」
少女「あの苺があるから」
14: 2010/10/30(土) 15:11:33.95 ID:w/ger7Mf0
男「さっきの花壇の??」
少女「そう」
少女「あれは私がママから受け継いだ、とても大切なものなの」
男「お母さんはどうしてる」
少女「亡くなったわ、この戦争で」
男「…」
男「そうか…すまない」
少女「あなたが頃したわけじゃないもの、謝らないで」
男「…」
少女「そう」
少女「あれは私がママから受け継いだ、とても大切なものなの」
男「お母さんはどうしてる」
少女「亡くなったわ、この戦争で」
男「…」
男「そうか…すまない」
少女「あなたが頃したわけじゃないもの、謝らないで」
男「…」
15: 2010/10/30(土) 15:18:38.85 ID:w/ger7Mf0
少女「ほら、そこの写真立て」
男「うん??」
少女「私とママよ」
男「…」
男「…きれいな人だな」
少女「二人とも、ね」
男「ああ、本当に」
少女「あら、冗談のつもりだったのに」
男「あんただってきれいなもんだ」
少女「それはありがとう」
男「うん??」
少女「私とママよ」
男「…」
男「…きれいな人だな」
少女「二人とも、ね」
男「ああ、本当に」
少女「あら、冗談のつもりだったのに」
男「あんただってきれいなもんだ」
少女「それはありがとう」
16: 2010/10/30(土) 15:26:45.01 ID:w/ger7Mf0
男「お父さんは」
少女「いないの」
男「へえ」
少女「私が物心つく前に、家から出て行ったの」
少女「ママが言ってたわ」
男「そうかい。甲斐性のない父親だな」
少女「別に恨んではいないわ」
男「どうして」
少女「男には男の『為すべきこと』があるのよ」
少女「ってママが言ってたの」
少女「いないの」
男「へえ」
少女「私が物心つく前に、家から出て行ったの」
少女「ママが言ってたわ」
男「そうかい。甲斐性のない父親だな」
少女「別に恨んではいないわ」
男「どうして」
少女「男には男の『為すべきこと』があるのよ」
少女「ってママが言ってたの」
17: 2010/10/30(土) 15:30:26.98 ID:w/ger7Mf0
男「兵士になったのか??」
少女「そうかもしれない」
男「あんたは知らないのか??」
少女「ママは教えてくれなかったわ」
男「じゃあ生きているかもわからないのか」
少女「そうね」
少女「それに…」
男「それに??」
少女「パパは私のことも、ほとんど知らないんじゃないかしら」
男「悲しいか??」
少女「そうかもしれない」
男「あんたは知らないのか??」
少女「ママは教えてくれなかったわ」
男「じゃあ生きているかもわからないのか」
少女「そうね」
少女「それに…」
男「それに??」
少女「パパは私のことも、ほとんど知らないんじゃないかしら」
男「悲しいか??」
18: 2010/10/30(土) 15:35:08.87 ID:w/ger7Mf0
少女「別に」
少女「私はこの暮らしに不満はないし、特になんとも思ってないの」
男「強いんだな」
少女「兵士さんは、家族は??」
男「氏んだよ」
少女「…やっぱり戦争で??」
男「ああ、守れなかったんだ」
少女「ごめんなさい」
男「なにを謝ることがあるんだ、気にするな」
少女「私はこの暮らしに不満はないし、特になんとも思ってないの」
男「強いんだな」
少女「兵士さんは、家族は??」
男「氏んだよ」
少女「…やっぱり戦争で??」
男「ああ、守れなかったんだ」
少女「ごめんなさい」
男「なにを謝ることがあるんだ、気にするな」
19: 2010/10/30(土) 15:39:47.30 ID:w/ger7Mf0
少女「ねえ、思ったんだけど」
男「うん??」
少女「その銃、変わった形をしているのね」
男「ああ、見るか??」
少女「うん」
男「ほらよ」
ガチャリ
少女「わ、重…」
男「人を頃す道具だ」
男「うん??」
少女「その銃、変わった形をしているのね」
男「ああ、見るか??」
少女「うん」
男「ほらよ」
ガチャリ
少女「わ、重…」
男「人を頃す道具だ」
20: 2010/10/30(土) 15:44:28.46 ID:w/ger7Mf0
少女「この横についてる鉄線はなあに??」
男「ああ、ギターって知ってるか」
少女「ええ」
男「それと同じだ」
男「音を鳴らすんだよ」
少女「武器なのに??」
男「武器なのに」
少女「おかしいわ」
男「大真面目だぜ??」
男「ああ、ギターって知ってるか」
少女「ええ」
男「それと同じだ」
男「音を鳴らすんだよ」
少女「武器なのに??」
男「武器なのに」
少女「おかしいわ」
男「大真面目だぜ??」
21: 2010/10/30(土) 15:54:44.25 ID:w/ger7Mf0
少女「ギターを弾きながら人を頃すの??」
男「違う、頃した相手に鎮魂歌を捧げるんだ」
少女「それで殺された相手は救われるの??」
男「さあな、魂だとか神様なんてもんはあんまり信じちゃいないから」
少女「だったら…」
男「そういう隊風なんだよ」
少女「よくわからないわ」
男「そう隊長さんにも言ってくれよ」
男「違う、頃した相手に鎮魂歌を捧げるんだ」
少女「それで殺された相手は救われるの??」
男「さあな、魂だとか神様なんてもんはあんまり信じちゃいないから」
少女「だったら…」
男「そういう隊風なんだよ」
少女「よくわからないわ」
男「そう隊長さんにも言ってくれよ」
22: 2010/10/30(土) 15:59:18.38 ID:w/ger7Mf0
男「なにか弾いてやろうか」
少女「いらない」
少女「私が氏んだみたいじゃない」
男「鎮魂歌だけを弾くもんでもないんだが…」
少女「変なの、変なの」
男「ま、じゃあしまっておくよ」
少女「弾は出ないようにしておいてよ」
男「そういうわけにはいかない」
男「家の中とはいえここは戦場なんだ」
少女「…怖いわ」
男「大丈夫、扱いには慣れてるよ」
少女「いらない」
少女「私が氏んだみたいじゃない」
男「鎮魂歌だけを弾くもんでもないんだが…」
少女「変なの、変なの」
男「ま、じゃあしまっておくよ」
少女「弾は出ないようにしておいてよ」
男「そういうわけにはいかない」
男「家の中とはいえここは戦場なんだ」
少女「…怖いわ」
男「大丈夫、扱いには慣れてるよ」
23: 2010/10/30(土) 16:04:29.81 ID:w/ger7Mf0
少女「何人頃したの??」
男「さあ…数えてないな」
少女「数えきれないくらい??」
男「とりあえず両の手では足りないな」
少女「足も足したら??」
男「それでも足りないな」
少女「私の指も足したら…」
男「それでも足りないな」
男「さあ…数えてないな」
少女「数えきれないくらい??」
男「とりあえず両の手では足りないな」
少女「足も足したら??」
男「それでも足りないな」
少女「私の指も足したら…」
男「それでも足りないな」
24: 2010/10/30(土) 16:10:58.32 ID:w/ger7Mf0
少女「戦争って嫌ね」
男「おれもそう思ってるよ」
少女「じゃあ、なんで」
男「国が、『そう』なっちまったからだ」
少女「『そう』って??」
男「イカレちまったんだ、追い詰められちまったんだ」
男「戦争をしなきゃいけないって」
少女「それは誰が決めるの??」
男「偉い人たちだ」
少女「偉いのに、そんな選択をしてしまうの??」
男「ああ、偉いのも考えもんだ」
男「一歩間違えるとイカレちまうからな」
男「おれもそう思ってるよ」
少女「じゃあ、なんで」
男「国が、『そう』なっちまったからだ」
少女「『そう』って??」
男「イカレちまったんだ、追い詰められちまったんだ」
男「戦争をしなきゃいけないって」
少女「それは誰が決めるの??」
男「偉い人たちだ」
少女「偉いのに、そんな選択をしてしまうの??」
男「ああ、偉いのも考えもんだ」
男「一歩間違えるとイカレちまうからな」
26: 2010/10/30(土) 16:16:14.54 ID:w/ger7Mf0
男「その点、おれみたいに頭が空っぽの方が気楽なもんだ」
少女「頭空っぽなの??」
男「ああ」
男「難しいことを考えずに引き金を引ける」
少女「あなたは戦場に来て何年??」
男「6年、かな」
少女「…長いわね」
男「よく生きてるもんだと思うよ」
少女「頭空っぽなの??」
男「ああ」
男「難しいことを考えずに引き金を引ける」
少女「あなたは戦場に来て何年??」
男「6年、かな」
少女「…長いわね」
男「よく生きてるもんだと思うよ」
27: 2010/10/30(土) 16:20:49.34 ID:w/ger7Mf0
少女「お水、もっといる??」
男「ああ、もらいたいな」
少女「はい」
チャポチャポ
男「この家、水道はまだ生きてるのか」
少女「奇跡的にね」
男「電気も」
少女「そうよ」
男「氏にかけの兵士が来たこともあるだろう」
少女「何度かね」
男「どっちの軍だ??」
少女「どっちも来たことがあるわ」
男「ああ、もらいたいな」
少女「はい」
チャポチャポ
男「この家、水道はまだ生きてるのか」
少女「奇跡的にね」
男「電気も」
少女「そうよ」
男「氏にかけの兵士が来たこともあるだろう」
少女「何度かね」
男「どっちの軍だ??」
少女「どっちも来たことがあるわ」
28: 2010/10/30(土) 16:30:46.82 ID:w/ger7Mf0
男「そいつらは??」
少女「元気になって出て行った人もいれば、氏んだ人もいるわ」
男「そうか…」
少女「裏にお墓があるのよ」
男「…」
男「あとで手を合わせておくよ」
少女「私と同じくらいの年の子もいたわ」
男「お嬢ちゃん、歳は」
少女「14歳よ」
少女「元気になって出て行った人もいれば、氏んだ人もいるわ」
男「そうか…」
少女「裏にお墓があるのよ」
男「…」
男「あとで手を合わせておくよ」
少女「私と同じくらいの年の子もいたわ」
男「お嬢ちゃん、歳は」
少女「14歳よ」
29: 2010/10/30(土) 16:36:19.90 ID:w/ger7Mf0
男「14歳か」
男「それにしちゃあ大人びてるな」
少女「…」
男「ん??」
少女「兵士に襲われたこともあるわ」
男「あ、ああ」
男「そうか、すまない」
少女「どうして謝るの」
男「兵士は、基本的に極限の禁欲生活だからな」
少女「返り討ちにしてやったけどね」
男「うお、そうか」
男「それにしちゃあ大人びてるな」
少女「…」
男「ん??」
少女「兵士に襲われたこともあるわ」
男「あ、ああ」
男「そうか、すまない」
少女「どうして謝るの」
男「兵士は、基本的に極限の禁欲生活だからな」
少女「返り討ちにしてやったけどね」
男「うお、そうか」
30: 2010/10/30(土) 16:42:41.28 ID:w/ger7Mf0
少女「その人も裏に埋まってるの」
男「…」
少女「瓶で殴ったら氏んじゃったのよ」
少女「頃すつもりはなかったの」
男「いや、責めるつもりはないさ、当然の報いだ」
少女「あなたはどうかしら」
男「その話を聞いて襲おうと思うほど元気じゃないさ」
少女「この話をしなかったら襲ってた??」
男「おいおい、勘弁してくれ」
男「氏んだ娘と年齢が近いんだ、そんな気になるもんか」
男「…」
少女「瓶で殴ったら氏んじゃったのよ」
少女「頃すつもりはなかったの」
男「いや、責めるつもりはないさ、当然の報いだ」
少女「あなたはどうかしら」
男「その話を聞いて襲おうと思うほど元気じゃないさ」
少女「この話をしなかったら襲ってた??」
男「おいおい、勘弁してくれ」
男「氏んだ娘と年齢が近いんだ、そんな気になるもんか」
31: 2010/10/30(土) 16:48:23.40 ID:w/ger7Mf0
少女「娘さんがいたの…」
男「ああ、妻に似て美人だった」
男「あんたほどじゃないがな」
少女「よして」
男「この戦争は、おれにとって弔い合戦なんだ」
男「氏ぬまで、生き延びてやるつもりだ」
少女「…」
少女「私はどちらの軍も応援しないけれど、あなたの応援ならするわ」
男「そうかい、ありがとう」
男「ああ、妻に似て美人だった」
男「あんたほどじゃないがな」
少女「よして」
男「この戦争は、おれにとって弔い合戦なんだ」
男「氏ぬまで、生き延びてやるつもりだ」
少女「…」
少女「私はどちらの軍も応援しないけれど、あなたの応援ならするわ」
男「そうかい、ありがとう」
32: 2010/10/30(土) 16:52:39.58 ID:w/ger7Mf0
少女「あなた、一人??」
男「ああ」
少女「軍隊とはぐれたの??」
男「まあ、そういう感じだ」
少女「隊と連絡は取れないの??」
男「無線機はずっと前から故障しっぱなしだからな」
少女「悪いけど、ここには電話はないの」
男「いいさ、一人には慣れてる」
男「ああ」
少女「軍隊とはぐれたの??」
男「まあ、そういう感じだ」
少女「隊と連絡は取れないの??」
男「無線機はずっと前から故障しっぱなしだからな」
少女「悪いけど、ここには電話はないの」
男「いいさ、一人には慣れてる」
33: 2010/10/30(土) 16:59:52.47 ID:w/ger7Mf0
男「お嬢ちゃん、昼間は何をしているんだ??」
少女「ね、そのお嬢ちゃんっての、やめてくれない??」
男「どうして」
少女「なんだか馬鹿にされてるみたいだもの」
少女「私もう子どもじゃないわ」
男「…じゃあ名前はなんていうんだ」
少女「忘れた」
男「あん??」
少女「名前なんて、ここじゃあ意味がないもの」
男「それもそうか」
少女「ね、そのお嬢ちゃんっての、やめてくれない??」
男「どうして」
少女「なんだか馬鹿にされてるみたいだもの」
少女「私もう子どもじゃないわ」
男「…じゃあ名前はなんていうんだ」
少女「忘れた」
男「あん??」
少女「名前なんて、ここじゃあ意味がないもの」
男「それもそうか」
34: 2010/10/30(土) 17:05:43.70 ID:w/ger7Mf0
少女「あなたこそ、名前は??」
男「特にない」
少女「そう」
男「誰にも呼ばれやしないからな、おれだって名前は必要ないのさ」
少女「じゃあ兵士さん、でいいかしら」
男「構わないよ」
少女「黒いギターの兵士さんね」
男「そりゃあちょっと長いだろ」
少女「黒兵さんね」
男「ギターはどこに行ったんだ」
男「特にない」
少女「そう」
男「誰にも呼ばれやしないからな、おれだって名前は必要ないのさ」
少女「じゃあ兵士さん、でいいかしら」
男「構わないよ」
少女「黒いギターの兵士さんね」
男「そりゃあちょっと長いだろ」
少女「黒兵さんね」
男「ギターはどこに行ったんだ」
36: 2010/10/30(土) 17:09:18.81 ID:w/ger7Mf0
男「君は…」
少女「それも変」
少女「あんた、でいいわ」
男「そうかい、変わった子だな」
少女「そうかしら」
男「女の子は普通名前を呼ばれたがる」
少女「へえ…」
少女「いったい何人の女の子を泣かしてきたの??」
男「おいおい、娘の話だよ」
少女「うふふ」
少女「それも変」
少女「あんた、でいいわ」
男「そうかい、変わった子だな」
少女「そうかしら」
男「女の子は普通名前を呼ばれたがる」
少女「へえ…」
少女「いったい何人の女の子を泣かしてきたの??」
男「おいおい、娘の話だよ」
少女「うふふ」
38: 2010/10/30(土) 17:15:54.11 ID:w/ger7Mf0
男「で、昼間は何をしてるんだ??」
少女「花壇のお世話と、畑仕事かしら」
男「畑もあるのか」
少女「小さいけれどね」
男「それで食べていけるのか??」
少女「一人分なら楽に暮らしていけるの」
男「あ、ああ、そうか…」
少女「食べ物がほしければ、少しならあげるわよ」
男「あ、いや」
少女「遠慮しないで」
少女「花壇のお世話と、畑仕事かしら」
男「畑もあるのか」
少女「小さいけれどね」
男「それで食べていけるのか??」
少女「一人分なら楽に暮らしていけるの」
男「あ、ああ、そうか…」
少女「食べ物がほしければ、少しならあげるわよ」
男「あ、いや」
少女「遠慮しないで」
39: 2010/10/30(土) 17:21:29.97 ID:w/ger7Mf0
男「すまない、恩に着る」
少女「そのかわり」
男「うん」
少女「禁断の果実だけは、食べちゃあダメよ」
男「ああ、大切なものなんだろ」
男「食べやしないさ」
少女「それだけじゃないの」
男「??」
少女「あれは禁断の果実」
少女「食べたら苦しんで氏んじゃうの」
少女「そのかわり」
男「うん」
少女「禁断の果実だけは、食べちゃあダメよ」
男「ああ、大切なものなんだろ」
男「食べやしないさ」
少女「それだけじゃないの」
男「??」
少女「あれは禁断の果実」
少女「食べたら苦しんで氏んじゃうの」
40: 2010/10/30(土) 17:27:50.99 ID:w/ger7Mf0
男「冗談だろ??」
少女「うふふ」
男「そんな脅しをかけなくたって食べないさ」
少女「はいはい」
男「ふう…」
少女「…」
男「…」
男「なあ」
少女「うん??」
男「地図ないか??」
少女「うふふ」
男「そんな脅しをかけなくたって食べないさ」
少女「はいはい」
男「ふう…」
少女「…」
男「…」
男「なあ」
少女「うん??」
男「地図ないか??」
41: 2010/10/30(土) 17:35:59.46 ID:w/ger7Mf0
少女「チーズ??悪いけれどここらに牛はいないから…」
男「いや、地図」
少女「マップのこと??」
男「そうそう」
少女「私はどこにも出かけないから、地図なんてないわ」
男「そうか…いや、期待はしていなかったが」
少女「ここがどこかもわからないの??」
男「ああ、この国は広すぎるからな」
少女「ヘリとかで飛んだら、狭く感じるんじゃないの」
男「そんな御大層なものに乗ったことはないのでね」
少女「そう」
男「いや、地図」
少女「マップのこと??」
男「そうそう」
少女「私はどこにも出かけないから、地図なんてないわ」
男「そうか…いや、期待はしていなかったが」
少女「ここがどこかもわからないの??」
男「ああ、この国は広すぎるからな」
少女「ヘリとかで飛んだら、狭く感じるんじゃないの」
男「そんな御大層なものに乗ったことはないのでね」
少女「そう」
42: 2010/10/30(土) 17:43:31.89 ID:w/ger7Mf0
男「これからどうしようかな」
少女「あなたの目的は??」
男「特にない」
男「敵兵と出会えば頃す、それだけさ」
少女「ふうん」
男「最後に、おれ以外の兵士が来たのはいつだ??」
少女「ひと月ほど前かしらね」
男「その前は??」
少女「半年ほど前かしらね」
男「そうか…」
少女「あなたの目的は??」
男「特にない」
男「敵兵と出会えば頃す、それだけさ」
少女「ふうん」
男「最後に、おれ以外の兵士が来たのはいつだ??」
少女「ひと月ほど前かしらね」
男「その前は??」
少女「半年ほど前かしらね」
男「そうか…」
43: 2010/10/30(土) 17:49:11.26 ID:w/ger7Mf0
少女「もう日が暮れるわね」
男「ああ」
少女「夜は怖い??」
男「どうして??」
少女「闇夜に紛れて奇襲、とか」
男「今どき、そんな元気なやつはいないよ」
男「兵士だって夜は普通に寝るんだ」
少女「あら、そうなの」
男「兵士らしくないか??」
少女「イメージが壊れたわ」
男「ああ」
少女「夜は怖い??」
男「どうして??」
少女「闇夜に紛れて奇襲、とか」
男「今どき、そんな元気なやつはいないよ」
男「兵士だって夜は普通に寝るんだ」
少女「あら、そうなの」
男「兵士らしくないか??」
少女「イメージが壊れたわ」
44: 2010/10/30(土) 18:03:15.46 ID:w/ger7Mf0
男「真面目に戦争をしているやつは少ない」
男「ほとんど義務感だけさ」
男「誰もが、『早く終わってほしい』と願ってる」
少女「そう…」
男「こんな茶番を何年も続けて、救われた人間は一人もいないんだ」
男「敵兵に恨みも持っていないしな」
少女「でも頃すんでしょう??」
男「ほとんど義務感だけさ」
男「誰もが、『早く終わってほしい』と願ってる」
少女「そう…」
男「こんな茶番を何年も続けて、救われた人間は一人もいないんだ」
男「敵兵に恨みも持っていないしな」
少女「でも頃すんでしょう??」
45: 2010/10/30(土) 18:13:46.83 ID:w/ger7Mf0
男「氏にたくないからさ、だから頃すんだ」
少女「氏ぬこともあるって、運命だって、言ったじゃない」
男「おれはそう思ってるよ」
少女「じゃあ他の人は違うの??」
男「ああ…」
男「いや、おれ自身も心のどこかで『氏にたくない』と思っている」
男「その一方で、『早く楽になりたい』と思っている部分もあるんだ」
少女「ふうん…」
少女「難しくて、よくわからないわ」
男「大人の話だ」
少女「私、子どもじゃないわ」
少女「氏ぬこともあるって、運命だって、言ったじゃない」
男「おれはそう思ってるよ」
少女「じゃあ他の人は違うの??」
男「ああ…」
男「いや、おれ自身も心のどこかで『氏にたくない』と思っている」
男「その一方で、『早く楽になりたい』と思っている部分もあるんだ」
少女「ふうん…」
少女「難しくて、よくわからないわ」
男「大人の話だ」
少女「私、子どもじゃないわ」
46: 2010/10/30(土) 18:17:38.75 ID:w/ger7Mf0
男「そうだったな、訂正しよう」
男「兵士の話、だ」
少女「そう」
少女「…それならわからなくても無理はないわね」
男「そういうことだ」
少女「氏んだら何も残らないわ」
男「そうだな」
少女「あなたが氏んだら、その銃はどうなるの??」
男「え…」
少女「ん??」
男「兵士の話、だ」
少女「そう」
少女「…それならわからなくても無理はないわね」
男「そういうことだ」
少女「氏んだら何も残らないわ」
男「そうだな」
少女「あなたが氏んだら、その銃はどうなるの??」
男「え…」
少女「ん??」
47: 2010/10/30(土) 18:27:26.47 ID:w/ger7Mf0
男「あ、ああ、この銃か…」
少女「??」
男「おれを頃したやつが持っていくんじゃないかな」
少女「…」
男「この銃、ほしいのか??」
少女「いいえ」
少女「ただなんとなく、そう思っただけよ」
少女「??」
男「おれを頃したやつが持っていくんじゃないかな」
少女「…」
男「この銃、ほしいのか??」
少女「いいえ」
少女「ただなんとなく、そう思っただけよ」
48: 2010/10/30(土) 18:31:27.61 ID:w/ger7Mf0
男「今日はこの家に厄介になって、いいか」
少女「どうぞ」
少女「それから出ていくときは、ご勝手に」
男「ああ、ありがとう」
少女「あなたの分のベッドはないわよ」
男「いいさ、絨毯があるだけ天国だ」
少女「晩御飯食べる??」
男「いや…それは…」
少女「遠慮しないで」
少女「どうぞ」
少女「それから出ていくときは、ご勝手に」
男「ああ、ありがとう」
少女「あなたの分のベッドはないわよ」
男「いいさ、絨毯があるだけ天国だ」
少女「晩御飯食べる??」
男「いや…それは…」
少女「遠慮しないで」
49: 2010/10/30(土) 18:38:29.73 ID:w/ger7Mf0
コト
男「う、うおお」
少女「トマトのスープよ」
男「戦場でこんなものが食べられる日が来るとは…」
男「ありがとう」
少女「いいえ」
男「い、いただきます」
少女「はい、召し上がれ」
男「う、うおお」
少女「トマトのスープよ」
男「戦場でこんなものが食べられる日が来るとは…」
男「ありがとう」
少女「いいえ」
男「い、いただきます」
少女「はい、召し上がれ」
50: 2010/10/30(土) 18:42:29.75 ID:w/ger7Mf0
ズズ ズズ
男「…」
少女「…」
男「うめえ、うめえ…」
ズズ ズズ
少女「うふふ」
男「ぷはあ」
少女「おかわり、いるかしら??」
男「え、あ」
少女「どう??」
男「…」
男「い、いただきます」
男「…」
少女「…」
男「うめえ、うめえ…」
ズズ ズズ
少女「うふふ」
男「ぷはあ」
少女「おかわり、いるかしら??」
男「え、あ」
少女「どう??」
男「…」
男「い、いただきます」
51: 2010/10/30(土) 18:46:36.25 ID:w/ger7Mf0
少女「私の料理を食べてくれる人がいるって、素敵ね」
男「ふふ」
少女「前の人は水だけ飲んで氏んじゃったから…」
男「…」
少女「あ、ごめんなさい、食事中に」
男「いや…」
ズズ ズズ
少女「良い食べっぷりね」
少女「あ、この場合は飲みっぷり、かな」
男「酒みたいに言うなよw」
男「ふふ」
少女「前の人は水だけ飲んで氏んじゃったから…」
男「…」
少女「あ、ごめんなさい、食事中に」
男「いや…」
ズズ ズズ
少女「良い食べっぷりね」
少女「あ、この場合は飲みっぷり、かな」
男「酒みたいに言うなよw」
52: 2010/10/30(土) 18:53:31.09 ID:w/ger7Mf0
少女「あ、少しならお酒もあるわ」
男「いや、いいよ」
少女「遠慮しないで」
男「まだここは戦場だ、酒に呑まれるわけにはいかない」
男「…弱いしね」
少女「そう…」
男「ごちそうさま」
少女「はあい、お粗末さま」
男「いや、この6年間で一番うまい夕食だったよ」
少女「うふふ、ありがとう」
男「いや、いいよ」
少女「遠慮しないで」
男「まだここは戦場だ、酒に呑まれるわけにはいかない」
男「…弱いしね」
少女「そう…」
男「ごちそうさま」
少女「はあい、お粗末さま」
男「いや、この6年間で一番うまい夕食だったよ」
少女「うふふ、ありがとう」
53: 2010/10/30(土) 18:59:49.77 ID:w/ger7Mf0
男「なあ、この家にラジオなんて…」
少女「もちろんないわ」
男「そうだよな」
少女「と、言いたいところだけど、あるにはあるの」
少女「壊れちゃってるけどね」
男「そうか!!」
少女「古いものだから…でも直せば使えるかも知れないわね」
男「それ、使わせてくれないか??」
少女「ラジオが必要なの??」
男「まあな」
ちょっと私用で出てきます
人いなさそうだけど、まだ残ってたら続き貼りますので
少女「もちろんないわ」
男「そうだよな」
少女「と、言いたいところだけど、あるにはあるの」
少女「壊れちゃってるけどね」
男「そうか!!」
少女「古いものだから…でも直せば使えるかも知れないわね」
男「それ、使わせてくれないか??」
少女「ラジオが必要なの??」
男「まあな」
ちょっと私用で出てきます
人いなさそうだけど、まだ残ってたら続き貼りますので
55: 2010/10/30(土) 20:15:53.36 ID:w/ger7Mf0
男「ラジオが使えれば、無線が傍受できる」
少女「へえ」
男「特殊な機械が必要だがな。捨てないで持っていて助かった」
男「そのラジオ、持ってきてくれないか」
少女「いいわよ」
男「工具もあったら助かる」
少女「うふふ、遠慮のない居候さんね」
男「使えるものはしっかり使う主義でね」
少女「へえ」
男「特殊な機械が必要だがな。捨てないで持っていて助かった」
男「そのラジオ、持ってきてくれないか」
少女「いいわよ」
男「工具もあったら助かる」
少女「うふふ、遠慮のない居候さんね」
男「使えるものはしっかり使う主義でね」
56: 2010/10/30(土) 20:21:03.77 ID:w/ger7Mf0
少女「はい、ラジオと工具」ドン
男「うお…これはまた年代物だな」
少女「戦争が始まるよりもずっと昔のものだから」
男「形見か??」
少女「お父さんのものらしいわ」
男「よし、生き返らせてやろう」
少女「長くかかりそう??」
男「ああ、先に寝てくれて構わないからな」
男「うお…これはまた年代物だな」
少女「戦争が始まるよりもずっと昔のものだから」
男「形見か??」
少女「お父さんのものらしいわ」
男「よし、生き返らせてやろう」
少女「長くかかりそう??」
男「ああ、先に寝てくれて構わないからな」
57: 2010/10/30(土) 20:25:57.61 ID:w/ger7Mf0
少女「…」
男「…」カチャカチャ
少女「…」
男「…」カチャカチャ
少女「…ふあ」
男「眠いか??」カチャカチャ
少女「うん、もう寝るわ」
男「ああ、おやすみ」カチャカチャ
少女「…おやすみなさい」
男「…」カチャカチャ
少女「…」
男「…」カチャカチャ
少女「…ふあ」
男「眠いか??」カチャカチャ
少女「うん、もう寝るわ」
男「ああ、おやすみ」カチャカチャ
少女「…おやすみなさい」
58: 2010/10/30(土) 20:31:09.26 ID:w/ger7Mf0
男「…ふう」
男「こんなもんか」
男「どれ…」カチャカチャ
ガガッ…ガガッ…
ピピッ…ピガッ…
『ザザー…ザザー…』
男「よし」
男「あとは明日にするか」
男「この家に時計はないみたいだな」
男「どれくらい没頭してたんだろう」
男「こんなもんか」
男「どれ…」カチャカチャ
ガガッ…ガガッ…
ピピッ…ピガッ…
『ザザー…ザザー…』
男「よし」
男「あとは明日にするか」
男「この家に時計はないみたいだな」
男「どれくらい没頭してたんだろう」
59: 2010/10/30(土) 20:36:31.70 ID:w/ger7Mf0
男「あの子が入った部屋は…ここか??」
ガチャ
少女「!!」ビクッ
男「うおっと!!」
少女「…な、なに??」
男「ああ、いや、すまん」
男「ラジオが直ったもんでな、おれも寝ようかと」
少女「…」
男「毛布かなにか、あればうれしいんだが」
少女「…ん」スッ
男「ああ、これな、もらうぜ」
ガチャ
少女「!!」ビクッ
男「うおっと!!」
少女「…な、なに??」
男「ああ、いや、すまん」
男「ラジオが直ったもんでな、おれも寝ようかと」
少女「…」
男「毛布かなにか、あればうれしいんだが」
少女「…ん」スッ
男「ああ、これな、もらうぜ」
60: 2010/10/30(土) 20:39:59.02 ID:w/ger7Mf0
少女「…」
男「そんな目で見るなって、ちゃんとあっちで寝るから」
少女「…」
男「だからその物騒なもの、しまってくれないか」
少女「…」
男「…」
男「ま、いいや」
少女「…」
男「おやすみ」
男「そんな目で見るなって、ちゃんとあっちで寝るから」
少女「…」
男「だからその物騒なもの、しまってくれないか」
少女「…」
男「…」
男「ま、いいや」
少女「…」
男「おやすみ」
61: 2010/10/30(土) 20:49:22.02 ID:w/ger7Mf0
―次の日―
男「おはよう」
少女「…うん」
男「元気ないな」
少女「昨日、部屋に入ってきたとき、ちょっとびっくりしちゃって」
少女「ごめんなさい」
男「いや、気にしてないよ」
少女「…そう」
男「畑仕事とかあるなら、手伝おうか」
少女「それより先に、なにか食べなきゃ」
男「おはよう」
少女「…うん」
男「元気ないな」
少女「昨日、部屋に入ってきたとき、ちょっとびっくりしちゃって」
少女「ごめんなさい」
男「いや、気にしてないよ」
少女「…そう」
男「畑仕事とかあるなら、手伝おうか」
少女「それより先に、なにか食べなきゃ」
62: 2010/10/30(土) 20:53:30.25 ID:w/ger7Mf0
男「なにか食わせてくれるのか」
少女「こんなものしかないけど」
男「トウモロコシか」
男「ごちそうだ、頂くよ」
少女「どうぞ」
男「…」ムシャムシャ
少女「ラジオ、どうだったの??」
男「ああ、音は出るようになった」
男「あとはチューニング系統だけだ」
少女「本当!?ありがとう!!」
少女「こんなものしかないけど」
男「トウモロコシか」
男「ごちそうだ、頂くよ」
少女「どうぞ」
男「…」ムシャムシャ
少女「ラジオ、どうだったの??」
男「ああ、音は出るようになった」
男「あとはチューニング系統だけだ」
少女「本当!?ありがとう!!」
63: 2010/10/30(土) 20:59:59.50 ID:w/ger7Mf0
男「あともう少し作業をしたら、普通にラジオとしても使える」
少女「うん、ありがとう」
男「トウモロコシ、ごちそうさま」
少女「いえいえ」
男「あんたは、なにかすんのか」
少女「ええ、畑にお水をやってこなくちゃあ」
男「そうか」
少女「うん、ありがとう」
男「トウモロコシ、ごちそうさま」
少女「いえいえ」
男「あんたは、なにかすんのか」
少女「ええ、畑にお水をやってこなくちゃあ」
男「そうか」
64: 2010/10/30(土) 21:04:59.30 ID:w/ger7Mf0
男「なあ」
少女「うん??」
男「昨日のあれ、どこで手に入れた??」
少女「あれって??」
男「銃だよ」
少女「…」
男「ここで氏んだ兵士のもんか??」
少女「…そうよ」
少女「うん??」
男「昨日のあれ、どこで手に入れた??」
少女「あれって??」
男「銃だよ」
少女「…」
男「ここで氏んだ兵士のもんか??」
少女「…そうよ」
65: 2010/10/30(土) 21:16:39.41 ID:w/ger7Mf0
男「護身用か」
少女「まあね」
男「悪いが、おれはあんたを襲おうとも殺そうとも、一切思ってない」
少女「でも兵士は少し怖いもの」
男「じゃあどうして家に招き入れたんだ??」
少女「それは…」
男「??」
少女「まあね」
男「悪いが、おれはあんたを襲おうとも殺そうとも、一切思ってない」
少女「でも兵士は少し怖いもの」
男「じゃあどうして家に招き入れたんだ??」
少女「それは…」
男「??」
68: 2010/10/30(土) 21:23:21.87 ID:w/ger7Mf0
少女「パパにちょっと、似ている気がしたから」
男「知らないんじゃなかったのか」
少女「なんとなくよ、そう、なんとなく」
男「…」
男「まあいいや、好きにしな」
少女「…畑、行ってくるね」
男「ああ」
男「知らないんじゃなかったのか」
少女「なんとなくよ、そう、なんとなく」
男「…」
男「まあいいや、好きにしな」
少女「…畑、行ってくるね」
男「ああ」
70: 2010/10/30(土) 21:27:47.35 ID:w/ger7Mf0
ガチャガチャ
男「っと、あとはこれを」
ガチャガチャ
男「おっし、これでよし」
『ザザー…ザザー…』
男「すぐに無線も入らないだろうし、置いといても大丈夫、だよな」
男「あいつまだ帰らんな」
男「ちょっと畑とやらを見に行ってみるか」
男「っと、あとはこれを」
ガチャガチャ
男「おっし、これでよし」
『ザザー…ザザー…』
男「すぐに無線も入らないだろうし、置いといても大丈夫、だよな」
男「あいつまだ帰らんな」
男「ちょっと畑とやらを見に行ってみるか」
71: 2010/10/30(土) 21:32:13.57 ID:w/ger7Mf0
少女「♪」シャワシャワ
男「おうおう、立派な畑じゃないか」
少女「あら、もういいの??」シャワシャワ
男「ああ、立派に生き返ったぜ」
少女「すごい、ありがとう」シャワシャワ
男「飯と宿のお礼、それに実益も重ねてるからな」
男「お安い御用だ」
少女「そこ、踏まないでね」シャワシャワ
男「あ、ああ、すまん」
男「おうおう、立派な畑じゃないか」
少女「あら、もういいの??」シャワシャワ
男「ああ、立派に生き返ったぜ」
少女「すごい、ありがとう」シャワシャワ
男「飯と宿のお礼、それに実益も重ねてるからな」
男「お安い御用だ」
少女「そこ、踏まないでね」シャワシャワ
男「あ、ああ、すまん」
72: 2010/10/30(土) 21:38:41.64 ID:w/ger7Mf0
少女「水、ここにも引いてあるの」
男「家からいちいち汲んでくるには、ちょっと遠いもんな」
少女「あら、銃を持ってきたの??」
男「まあ外を歩くんだから、用心はしないとな」
少女「黒いギター、似合うわね」
男「そんなこと言われても、嬉しくないなw」
男「家からいちいち汲んでくるには、ちょっと遠いもんな」
少女「あら、銃を持ってきたの??」
男「まあ外を歩くんだから、用心はしないとな」
少女「黒いギター、似合うわね」
男「そんなこと言われても、嬉しくないなw」
74: 2010/10/30(土) 21:45:24.91 ID:w/ger7Mf0
少女「お墓も見ていく??」
男「ああ、一応見せてくれるか」
少女「こっちよ」
男「…」
少女「なんだか、ボディガードができたみたい」
男「そうか??」
少女「あなたは、今まで来た兵士さんとは少し違うわね」
男「ああ、一応見せてくれるか」
少女「こっちよ」
男「…」
少女「なんだか、ボディガードができたみたい」
男「そうか??」
少女「あなたは、今まで来た兵士さんとは少し違うわね」
75: 2010/10/30(土) 21:50:10.62 ID:w/ger7Mf0
男「どう違うんだ」
少女「目つきがあまりギラギラしていないもの」
男「枯れた兵士ってことか」
少女「うーん、よくわからないけれど」
少女「今までの人ほど、怖くないわ」
男「そりゃあどうも」
男「怖くない兵士が戦場で役に立つとは思えないけどな」
少女「目つきがあまりギラギラしていないもの」
男「枯れた兵士ってことか」
少女「うーん、よくわからないけれど」
少女「今までの人ほど、怖くないわ」
男「そりゃあどうも」
男「怖くない兵士が戦場で役に立つとは思えないけどな」
76: 2010/10/30(土) 21:56:34.69 ID:w/ger7Mf0
少女「ここよ」
男「これは…なんというか…」
少女「なあに??」
男「想像以上だ」
少女「だって戦争が始まってからずっとだもの」
男「よくこんなに…頑張ったな」
少女「最初はママと一緒に埋めてあげたから」
男「それにしても…」
男「これは…なんというか…」
少女「なあに??」
男「想像以上だ」
少女「だって戦争が始まってからずっとだもの」
男「よくこんなに…頑張ったな」
少女「最初はママと一緒に埋めてあげたから」
男「それにしても…」
77: 2010/10/30(土) 21:59:37.74 ID:w/ger7Mf0
少女「手を合わせていく??」
男「ん」スッ
少女「…」
男「…」
少女「あなたの敵側の軍もいるわ」
男「関係ないさ」
男「氏んだら同じ人間だ」
少女「そう」
男「ん」スッ
少女「…」
男「…」
少女「あなたの敵側の軍もいるわ」
男「関係ないさ」
男「氏んだら同じ人間だ」
少女「そう」
78: 2010/10/30(土) 22:05:08.89 ID:w/ger7Mf0
男「おれも氏んだら、ここに埋めてくれ」
少女「ちょっと、氏なないでよ」
男「氏ぬかもしれないだろ」
少女「あなたのことは応援してあげるって言ったじゃない」
男「そうか」
少女「そうよ」
男「よし、じゃあおれがこの戦争で氏ななかったら、禁断の果実をくれ」
少女「ダメよ」
少女「ちょっと、氏なないでよ」
男「氏ぬかもしれないだろ」
少女「あなたのことは応援してあげるって言ったじゃない」
男「そうか」
少女「そうよ」
男「よし、じゃあおれがこの戦争で氏ななかったら、禁断の果実をくれ」
少女「ダメよ」
79: 2010/10/30(土) 22:09:51.51 ID:w/ger7Mf0
男「そんなにダメか」
少女「ダメったらダメ」
男「今まで、ここに来た兵士であの苺を食べたやつはいないのか」
少女「いっぱいいるわ」
男「いっぱいいるのか」
少女「どの兵士も、ここで眠っているわ」
男「え…」
少女「ダメったらダメ」
男「今まで、ここに来た兵士であの苺を食べたやつはいないのか」
少女「いっぱいいるわ」
男「いっぱいいるのか」
少女「どの兵士も、ここで眠っているわ」
男「え…」
80: 2010/10/30(土) 22:15:04.18 ID:w/ger7Mf0
少女「食べたら氏ぬって、言ったでしょう」
男「え、本当に??」
少女「そう、だから絶対に食べちゃあダメなの」
男「そ、そんな」
男「そんな果実を、なぜ君は」
少女「言ったじゃない」
少女「ママの大切なものだったって」
男「え、本当に??」
少女「そう、だから絶対に食べちゃあダメなの」
男「そ、そんな」
男「そんな果実を、なぜ君は」
少女「言ったじゃない」
少女「ママの大切なものだったって」
81: 2010/10/30(土) 22:24:14.52 ID:w/ger7Mf0
少女「だから私は育て続けるのよ」
男「恐ろしい…」
少女「それでも食べてみる??」
男「いや、悪かった、食べないよ」
少女「ね、それでいいの♪」
男「ふう、冗談にしてもきついぜ」
少女「うふふ」
男「恐ろしい…」
少女「それでも食べてみる??」
男「いや、悪かった、食べないよ」
少女「ね、それでいいの♪」
男「ふう、冗談にしてもきついぜ」
少女「うふふ」
82: 2010/10/30(土) 22:31:12.76 ID:w/ger7Mf0
男「家に戻ろうか」
少女「ええ」
男「ラジオで海外の電波が拾えるか、やってみよう」
少女「じゃ、じゃあ音楽が聴けるの!?」
男「ああ、多分な」
少女「はやく!!はやく帰りましょう!!」
男「はは、慌てなくたってラジオは逃げないさ」
少女「ええ」
男「ラジオで海外の電波が拾えるか、やってみよう」
少女「じゃ、じゃあ音楽が聴けるの!?」
男「ああ、多分な」
少女「はやく!!はやく帰りましょう!!」
男「はは、慌てなくたってラジオは逃げないさ」
83: 2010/10/30(土) 22:36:00.46 ID:w/ger7Mf0
ガチャ
少女「ただいまー」
男「はは、誰に言ってんだよ」
『動くな!!』
少女「!!」
男「!!」ガチャリ
『ここの住人か!?』
少女「は、はい…」
少女「ただいまー」
男「はは、誰に言ってんだよ」
『動くな!!』
少女「!!」
男「!!」ガチャリ
『ここの住人か!?』
少女「は、はい…」
84: 2010/10/30(土) 22:45:53.07 ID:w/ger7Mf0
『後ろのやつは…』
男「…!!」
『なんだ…敵かとおm』
ガガガガガガガガッ
『ぐあああああああっ!!!!!』
少女「きゃあ!!」
ガシャン!!パリンパリン!!
男「…!!」
『なんだ…敵かとおm』
ガガガガガガガガッ
『ぐあああああああっ!!!!!』
少女「きゃあ!!」
ガシャン!!パリンパリン!!
86: 2010/10/30(土) 22:51:08.58 ID:w/ger7Mf0
男「…ふう」
少女「…し、氏んだの??」
男「ああ」
少女「どうして撃ったの??」
男「どうしてって、敵に会えば頃す、そう言っただろう」
少女「言ったけど…」
少女「その人…同じ軍じゃないの!!」
少女「仲間を、どうして頃したの!!」
少女「…し、氏んだの??」
男「ああ」
少女「どうして撃ったの??」
男「どうしてって、敵に会えば頃す、そう言っただろう」
少女「言ったけど…」
少女「その人…同じ軍じゃないの!!」
少女「仲間を、どうして頃したの!!」
87: 2010/10/30(土) 22:58:48.33 ID:w/ger7Mf0
男「…え??」
少女「ほら、あなたと同じ軍のマーク…」
男「ああ、気がつかなかったな」
少女「う、うそ!?」
男「室内で暗かったし…反射的に頃してしまった」
少女「それにしても」
男「すまん、埋めてくる」
少女「ほら、あなたと同じ軍のマーク…」
男「ああ、気がつかなかったな」
少女「う、うそ!?」
男「室内で暗かったし…反射的に頃してしまった」
少女「それにしても」
男「すまん、埋めてくる」
89: 2010/10/30(土) 23:07:42.68 ID:w/ger7Mf0
少女「え」
男「さっきの墓に埋めてくる」
少女「でも…」
男「割れちまったもんも片付ける、そのままにしておいてくれ」
ズル ズルズル…
少女「…」
男「さっきの墓に埋めてくる」
少女「でも…」
男「割れちまったもんも片付ける、そのままにしておいてくれ」
ズル ズルズル…
少女「…」
90: 2010/10/30(土) 23:13:57.64 ID:w/ger7Mf0
男「…ふう、こんなもんか」ゴシゴシ
少女「…」
男「すまない、床に少し血の跡が」
少女「いいわ、気にしないから」
男「どうも神経が過敏になっているようだな」
少女「いいから」
少女「…少し、部屋で休むわ」
男「ああ」
ガチャ バタン
少女「…」
男「すまない、床に少し血の跡が」
少女「いいわ、気にしないから」
男「どうも神経が過敏になっているようだな」
少女「いいから」
少女「…少し、部屋で休むわ」
男「ああ」
ガチャ バタン
91: 2010/10/30(土) 23:19:36.63 ID:w/ger7Mf0
少女「あの人…どうして…同じ軍の人を頃したの…」
男「まだ若い女の子があんなものを目の前で見たんだ…神経が参っても仕方ない」
少女「薄暗かったからって…同じ軍の人を間違えるはずない…」
男「ゆっくり休ませよう」
少女「どうして…どうして…」
男「今のうちに、無線でも聞いておくか」
少女「どうして…」モゾモゾ
男「まだ若い女の子があんなものを目の前で見たんだ…神経が参っても仕方ない」
少女「薄暗かったからって…同じ軍の人を間違えるはずない…」
男「ゆっくり休ませよう」
少女「どうして…どうして…」
男「今のうちに、無線でも聞いておくか」
少女「どうして…」モゾモゾ
93: 2010/10/30(土) 23:25:33.15 ID:w/ger7Mf0
…
少女「…ゴメン、寝ちゃってた」
男「ああ、おはよう」
少女「今、何時??」
男「この家には時計がないだろう??」
少女「外が暗い、ってことしかわからないわ」
男「おれも時計なんて持ってない」
男「あ、すまんがトウモロコシをもう一本もらったぞ」
少女「ああ、ええ、いいわ」
少女「ご飯、食べましょう」
男「無理するな」
少女「…ゴメン、寝ちゃってた」
男「ああ、おはよう」
少女「今、何時??」
男「この家には時計がないだろう??」
少女「外が暗い、ってことしかわからないわ」
男「おれも時計なんて持ってない」
男「あ、すまんがトウモロコシをもう一本もらったぞ」
少女「ああ、ええ、いいわ」
少女「ご飯、食べましょう」
男「無理するな」
94: 2010/10/30(土) 23:33:33.19 ID:w/ger7Mf0
少女「無理なんて」
男「目の前で兵士が氏んだんだ」
男「あんたみたいな若い娘なら、参って当り前だ」
少女「あなたは、平気なの??」
男「両手でも足りないほど頃してきたと言っただろう」
少女「それでも…」
男「慣れている、問題ない」
少女「そう…」
男「目の前で兵士が氏んだんだ」
男「あんたみたいな若い娘なら、参って当り前だ」
少女「あなたは、平気なの??」
男「両手でも足りないほど頃してきたと言っただろう」
少女「それでも…」
男「慣れている、問題ない」
少女「そう…」
95: 2010/10/30(土) 23:39:29.68 ID:w/ger7Mf0
男「今日はもう休んでな」
少女「うん、そうするわ」
男「おれはまだ起きてるから」
男「安心して寝るには少し早いからな」
少女「そう…」
男「銃もちゃんと持ってろよ」
少女「…わかってるわよ」
男「ん」
少女「…おやすみなさい」
男「ああ、おやすみ」
少女「うん、そうするわ」
男「おれはまだ起きてるから」
男「安心して寝るには少し早いからな」
少女「そう…」
男「銃もちゃんと持ってろよ」
少女「…わかってるわよ」
男「ん」
少女「…おやすみなさい」
男「ああ、おやすみ」
96: 2010/10/30(土) 23:43:32.97 ID:w/ger7Mf0
…
少女「…」
ジャーンジャーンジャーン♪
ジャーンジャジャジャーン♪
男「おお、ラジオ聴いてるのか」
少女「おはよう」
男「ああ、早いな」
少女「昨日は寝すぎちゃったからね」
男「気分はどうだ??」
少女「もう平気よ」
男「すまなかったな」
少女「いいのよ、仕方ないもの」
少女「…」
ジャーンジャーンジャーン♪
ジャーンジャジャジャーン♪
男「おお、ラジオ聴いてるのか」
少女「おはよう」
男「ああ、早いな」
少女「昨日は寝すぎちゃったからね」
男「気分はどうだ??」
少女「もう平気よ」
男「すまなかったな」
少女「いいのよ、仕方ないもの」
97: 2010/10/30(土) 23:47:09.85 ID:w/ger7Mf0
男「これ、なんて曲だ??」
少女「知らない、適当に回してみたもの」
男「ふうん」
Stop! Fallin’ love with me again♪
You’re fate to be happy with me♪
少女「音楽が聴けるって素敵よね」
男「ああ、癒されるな」
少女「この歌詞、どういう意味かしら」
男「よくわからん」
男「おれには学がないからな」
少女「そう」
少女「知らない、適当に回してみたもの」
男「ふうん」
Stop! Fallin’ love with me again♪
You’re fate to be happy with me♪
少女「音楽が聴けるって素敵よね」
男「ああ、癒されるな」
少女「この歌詞、どういう意味かしら」
男「よくわからん」
男「おれには学がないからな」
少女「そう」
98: 2010/10/30(土) 23:52:11.69 ID:w/ger7Mf0
男「今入ってる電池は古いものだから、あんまりもたないぜ」
少女「大丈夫よ、まだまだあるから」
男「兵士たちのもんか??」
少女「そう」
少女「氏んだ兵士さんたちには悪いけれど、色々と有効活用させてもらってるの」
男「そうか」
少女「その辺のもの、食べていていいわよ」
少女「私、ちょっと畑に行ってるわ」
男「わかった」
少女「大丈夫よ、まだまだあるから」
男「兵士たちのもんか??」
少女「そう」
少女「氏んだ兵士さんたちには悪いけれど、色々と有効活用させてもらってるの」
男「そうか」
少女「その辺のもの、食べていていいわよ」
少女「私、ちょっと畑に行ってるわ」
男「わかった」
99: 2010/10/31(日) 00:01:53.50 ID:U11bxgjm0
少女「ラジオ、使う??」
男「ん、ちょっと使わせてくれ」
少女「わかった」
男「あとで畑に持って行ってやろうか」
少女「いいわ、あとでいっぱい聴くから」
男「ん」
少女「家探しとかしないでよね」
男「ここから動かないから大丈夫だよ」
少女「そう」
男「ん、ちょっと使わせてくれ」
少女「わかった」
男「あとで畑に持って行ってやろうか」
少女「いいわ、あとでいっぱい聴くから」
男「ん」
少女「家探しとかしないでよね」
男「ここから動かないから大丈夫だよ」
少女「そう」
100: 2010/10/31(日) 00:06:00.16 ID:U11bxgjm0
…
男「…」
男「あいつ、遅いな」
男「…」
男「って言っても、どれくらい時間が経ったのかわからんが」
男「…」
男「無線も少し傍受できたし、見に行ってみるか」
男「…」
男「あいつ、遅いな」
男「…」
男「って言っても、どれくらい時間が経ったのかわからんが」
男「…」
男「無線も少し傍受できたし、見に行ってみるか」
101: 2010/10/31(日) 00:12:48.35 ID:U11bxgjm0
男「おーい」
シーン
男「あれ??ここじゃないのか??」
少女「…ここ…」ハアハア
男「なんだ、いるんじゃねえか」
男「って、おい、どうした」
少女「ちょっと…気分が悪くなっただけ」ハアハア
男「おい、顔色悪いぞ!!大丈夫か!!」
シーン
男「あれ??ここじゃないのか??」
少女「…ここ…」ハアハア
男「なんだ、いるんじゃねえか」
男「って、おい、どうした」
少女「ちょっと…気分が悪くなっただけ」ハアハア
男「おい、顔色悪いぞ!!大丈夫か!!」
102: 2010/10/31(日) 00:16:30.37 ID:U11bxgjm0
少女「ちょっと…無理かも…」ハアハア
男「とりあえず家の中へ!!」
少女「歩けない…」ハアハア
男「おぶって行ってやるから!!」
少女「…」ハアハア
少女「あ、りがと」ハアハア
男「…」
男「とりあえず家の中へ!!」
少女「歩けない…」ハアハア
男「おぶって行ってやるから!!」
少女「…」ハアハア
少女「あ、りがと」ハアハア
男「…」
103: 2010/10/31(日) 00:23:35.18 ID:U11bxgjm0
少女「…」ハアハア
男「すごい熱だ」
男「おい、タオルかなんかあるか」
少女「台所に…」ハアハア
男「ちょっと待ってろ」
…
少女「あー気持ちいい…」
男「ベッドに連れていくぞ、タオル押さえてろ」
少女「う、うん」
男「すごい熱だ」
男「おい、タオルかなんかあるか」
少女「台所に…」ハアハア
男「ちょっと待ってろ」
…
少女「あー気持ちいい…」
男「ベッドに連れていくぞ、タオル押さえてろ」
少女「う、うん」
104: 2010/10/31(日) 00:27:17.50 ID:U11bxgjm0
男「よ」グイ
少女「きゃあ」
男「軽いな、あんた」
少女「はは…あんまりロマンチックじゃないわね」
男「知ってるか、これ、お姫様だっこって言うらしいぞ」
少女「知ってる」
男「お姫様はおとなしく休んでなさいってことだ」
少女「うん、ありがと」
少女「きゃあ」
男「軽いな、あんた」
少女「はは…あんまりロマンチックじゃないわね」
男「知ってるか、これ、お姫様だっこって言うらしいぞ」
少女「知ってる」
男「お姫様はおとなしく休んでなさいってことだ」
少女「うん、ありがと」
105: 2010/10/31(日) 00:31:31.84 ID:U11bxgjm0
ドサ
男「布団かぶって、タオルで頭冷やしてろ」
少女「うん」
男「水持ってきてやるから」
少女「うん」
男「あとなにか、ほしいものはあるか」
少女「うーん…わからない」
男「ま、ゆっくり休め」
男「布団かぶって、タオルで頭冷やしてろ」
少女「うん」
男「水持ってきてやるから」
少女「うん」
男「あとなにか、ほしいものはあるか」
少女「うーん…わからない」
男「ま、ゆっくり休め」
106: 2010/10/31(日) 00:35:08.23 ID:U11bxgjm0
男「少しだけ、見回りをしてくる」
少女「うん」
男「すぐ戻るから」
少女「いいのよ、もともと兵士なんだもの」
少女「見ず知らずの女なんか放って行ってもいいのよ」
男「そういう訳にはいかない」
男「飯と寝床とラジオの恩があるんだからな」
男「ちゃんと治るまで面倒見るさ」
少女「ふふ」
少女「うん」
男「すぐ戻るから」
少女「いいのよ、もともと兵士なんだもの」
少女「見ず知らずの女なんか放って行ってもいいのよ」
男「そういう訳にはいかない」
男「飯と寝床とラジオの恩があるんだからな」
男「ちゃんと治るまで面倒見るさ」
少女「ふふ」
107: 2010/10/31(日) 00:40:13.12 ID:U11bxgjm0
男「どうした??」
少女「そんなことを言う兵士さんは、初めてだったから」
男「そうか」
少女「感謝してくれる人もいたけど、たいていは横柄だったり余裕のない人だったわ」
男「恩知らずなやつもいるんだな」
少女「そういう方が多いわよ」
少女「やっぱりあなたは、なにか違うわ」
男「…」
少女「そんなことを言う兵士さんは、初めてだったから」
男「そうか」
少女「感謝してくれる人もいたけど、たいていは横柄だったり余裕のない人だったわ」
男「恩知らずなやつもいるんだな」
少女「そういう方が多いわよ」
少女「やっぱりあなたは、なにか違うわ」
男「…」
108: 2010/10/31(日) 00:45:01.15 ID:U11bxgjm0
少女「ありがとう」
男「感謝し足りないのはこっちのほうさ」
少女「…うん」
男「じゃ、ちょっと行ってくる」
少女「うん、気をつけてね」
男「ああ」
男「感謝し足りないのはこっちのほうさ」
少女「…うん」
男「じゃ、ちょっと行ってくる」
少女「うん、気をつけてね」
男「ああ」
109: 2010/10/31(日) 00:49:18.82 ID:U11bxgjm0
…
男「さて、と」
男「近くに爆撃音もないし、安全だとは思うが…」
男「あの丘の辺りでも見に行くか」
…
男「あの子の言う通り、この辺りは確かに…」
男「なんと言うか、平和だな」
少女『私が住んでいるからよ』
少女『私、氏なないの』
男「さて、と」
男「近くに爆撃音もないし、安全だとは思うが…」
男「あの丘の辺りでも見に行くか」
…
男「あの子の言う通り、この辺りは確かに…」
男「なんと言うか、平和だな」
少女『私が住んでいるからよ』
少女『私、氏なないの』
110: 2010/10/31(日) 00:53:18.44 ID:U11bxgjm0
男「はは、あの子にはなにか特別な力でもあるんだろうか」
男「戦争が終わっても、あの家だけは無事な気がするな」
男「お、熱に効く薬草があるぞ、持って帰ってやろう」
…
男「ん??墓??」
男「…」
男「…これ、は…」
男「戦争が終わっても、あの家だけは無事な気がするな」
男「お、熱に効く薬草があるぞ、持って帰ってやろう」
…
男「ん??墓??」
男「…」
男「…これ、は…」
113: 2010/10/31(日) 00:58:29.79 ID:U11bxgjm0
少女「あら、お帰り」
男「うん」
男「気分はどうだ」
少女「だいぶマシよ」
男「熱は」ピト
少女「んん」
男「まだあるな、ちょっと苦いけど薬を作ってやるから、飲みな」
少女「ありがと」
男「うん」
男「気分はどうだ」
少女「だいぶマシよ」
男「熱は」ピト
少女「んん」
男「まだあるな、ちょっと苦いけど薬を作ってやるから、飲みな」
少女「ありがと」
115: 2010/10/31(日) 01:04:13.33 ID:U11bxgjm0
少女「んぐ、苦い…」
男「我慢しろ」
少女「うええ…」
男「ほれ、口なおしのトマト」
少女「ありがと」
男「水も大目に飲んどきな」
少女「はあい」
男「我慢しろ」
少女「うええ…」
男「ほれ、口なおしのトマト」
少女「ありがと」
男「水も大目に飲んどきな」
少女「はあい」
116: 2010/10/31(日) 01:12:15.31 ID:U11bxgjm0
男「今まで一人でどうしてた」
少女「ん??」
男「ほら、こんな風に熱が出たりしたとき」
少女「ああ、治るまでずっと寝てたわ」
男「看病してくれるやつは」
少女「いつも一人だったからね」
男「そうか」
少女「あなたがいてくれて、助かったわ」
男「まあ、元気なのが一番なんだがな」
少女「ん??」
男「ほら、こんな風に熱が出たりしたとき」
少女「ああ、治るまでずっと寝てたわ」
男「看病してくれるやつは」
少女「いつも一人だったからね」
男「そうか」
少女「あなたがいてくれて、助かったわ」
男「まあ、元気なのが一番なんだがな」
117: 2010/10/31(日) 01:17:32.40 ID:U11bxgjm0
男「さっき丘の上に行ったんだが」
少女「そう」
男「お墓を見つけたよ」
少女「…そう」
男「あんたと同じネックレスがかかってた」
少女「…」
男「あれ、あんたのお母さんの、墓だろ」
少女「…そうよ」
少女「そう」
男「お墓を見つけたよ」
少女「…そう」
男「あんたと同じネックレスがかかってた」
少女「…」
男「あれ、あんたのお母さんの、墓だろ」
少女「…そうよ」
118: 2010/10/31(日) 01:21:12.76 ID:U11bxgjm0
男「どうしてあんな遠くに」
少女「兵士さんたちとは、一緒にしたくなかったから」
男「まあ、そういうもんか」
少女「ちょっと大変だったわ」
男「そうだろうな」
少女「でも、あそこからならきれいな景色が見えると思って」
男「ふうん」
少女「兵士さんたちとは、一緒にしたくなかったから」
男「まあ、そういうもんか」
少女「ちょっと大変だったわ」
男「そうだろうな」
少女「でも、あそこからならきれいな景色が見えると思って」
男「ふうん」
121: 2010/10/31(日) 01:26:22.86 ID:U11bxgjm0
少女「ね、お願いがあるんだけど」
男「ああ、なんでも言ってくれ」
少女「一緒に寝てほしいの」
男「え」
少女「一緒に、寝て」
男「…それは…構わないけど…」
少女「お願い」
男「ああ、なんでも言ってくれ」
少女「一緒に寝てほしいの」
男「え」
少女「一緒に、寝て」
男「…それは…構わないけど…」
少女「お願い」
123: 2010/10/31(日) 01:32:16.25 ID:U11bxgjm0
男「じゃ、じゃあ」ゴソゴソ
少女「ありがと」
男「狭くないか」
少女「いいの、それがいいの」
男「へえ」
少女「あなたには、なんだか安らぎを感じるの」
男「そうかい」
少女「ありがと」
男「狭くないか」
少女「いいの、それがいいの」
男「へえ」
少女「あなたには、なんだか安らぎを感じるの」
男「そうかい」
124: 2010/10/31(日) 01:36:15.41 ID:U11bxgjm0
少女「ママを思い出したら、ちょっと寂しくなっちゃって」
男「わかるよ」
少女「えへへ」
男「一人で暮らしていたって、まだ14歳なんだもんな」
少女「お年頃なのよ」
男「お年頃の女の子が、見知らぬ男と一緒のベッドってまずくないか」
少女「パパだと思えば平気よ」
男「はは、パパか」
男「それなら問題ないな」
男「わかるよ」
少女「えへへ」
男「一人で暮らしていたって、まだ14歳なんだもんな」
少女「お年頃なのよ」
男「お年頃の女の子が、見知らぬ男と一緒のベッドってまずくないか」
少女「パパだと思えば平気よ」
男「はは、パパか」
男「それなら問題ないな」
125: 2010/10/31(日) 01:42:26.86 ID:U11bxgjm0
少女「ね、聞きたいんだけど」
男「うん??」
少女「あなたの銃のこと」
男「ああ、どうしたんだ」
少女「普通大きな銃を撃つと、弾の殻みたいなのが出るわよね」
男「…」
少女「あなたの銃は、どうして殻が出ないの??」
男「…そういう銃なんだ」
少女「ふうん」
男「うん??」
少女「あなたの銃のこと」
男「ああ、どうしたんだ」
少女「普通大きな銃を撃つと、弾の殻みたいなのが出るわよね」
男「…」
少女「あなたの銃は、どうして殻が出ないの??」
男「…そういう銃なんだ」
少女「ふうん」
126: 2010/10/31(日) 01:46:42.75 ID:U11bxgjm0
男「中で弾を錬成して、無限に撃てる」
少女「それってすごいの??」
男「さあ、どうかな」
少女「今までそんなすごい銃を持ってる人はいなかったわ」
男「そうかい」
少女「あなたの銃は特別なの??」
男「…隊のみんな持ってるよ」
少女「嘘」
少女「それってすごいの??」
男「さあ、どうかな」
少女「今までそんなすごい銃を持ってる人はいなかったわ」
男「そうかい」
少女「あなたの銃は特別なの??」
男「…隊のみんな持ってるよ」
少女「嘘」
127: 2010/10/31(日) 01:55:11.43 ID:U11bxgjm0
少女「あれ、特別な銃なんでしょう」
少女「この戦場であなただけが持っている銃」
少女「あなたはそれを与えられたのか、持ち出したのか…」
男「おいおい」
少女「私の勝手な想像よ、気にしないで」
男「そうは言ってもな」
少女「だから同じ軍の人にも目をつけられていて」
少女「だからあの人も、頃したんじゃない??」
男「…」
少女「この戦場であなただけが持っている銃」
少女「あなたはそれを与えられたのか、持ち出したのか…」
男「おいおい」
少女「私の勝手な想像よ、気にしないで」
男「そうは言ってもな」
少女「だから同じ軍の人にも目をつけられていて」
少女「だからあの人も、頃したんじゃない??」
男「…」
129: 2010/10/31(日) 02:04:50.95 ID:U11bxgjm0
少女「えへへ、いい想像力じゃない??」
男「そうだな」
少女「正解かどうかは、どうでもいいのよ」
少女「ただなんとなく、もやもやしたのを解消したくなって、こうなったの」
男「正解かも、知れないぞ」
少女「いや、聞きたくない」
少女「そう想像しているのが、楽しいんだもの」
男「じゃあ、答えはいらないな」
少女「ええ、いらないわ」
男「そうだな」
少女「正解かどうかは、どうでもいいのよ」
少女「ただなんとなく、もやもやしたのを解消したくなって、こうなったの」
男「正解かも、知れないぞ」
少女「いや、聞きたくない」
少女「そう想像しているのが、楽しいんだもの」
男「じゃあ、答えはいらないな」
少女「ええ、いらないわ」
130: 2010/10/31(日) 02:09:10.32 ID:U11bxgjm0
男「じゃああんたの方にも、想像の余地があるんじゃないか」
少女「どういうこと??」
男「たとえば…」
男「あの苺のことさ」
少女「ふうん」
男「あれを食べた兵士はみな氏んだって言ったな」
少女「ええ」
男「あの苺に毒はなくて、ただ形見の大切な苺を食べてしまった兵士に腹を立てて…」
少女「…」
男「本当は君が兵士を頃した、とか」
少女「どういうこと??」
男「たとえば…」
男「あの苺のことさ」
少女「ふうん」
男「あれを食べた兵士はみな氏んだって言ったな」
少女「ええ」
男「あの苺に毒はなくて、ただ形見の大切な苺を食べてしまった兵士に腹を立てて…」
少女「…」
男「本当は君が兵士を頃した、とか」
131: 2010/10/31(日) 02:13:15.82 ID:U11bxgjm0
少女「あはは、面白いわね」
男「こういう考え方もできるぞ」
少女「どんな??」
男「あの苺には確かに毒があったが、戦争や兵士を憎んでいた君は…」
少女「私は…??」
男「わざと兵士に食べさせた、とか」
少女「…うふふ」
男「こういう考え方もできるぞ」
少女「どんな??」
男「あの苺には確かに毒があったが、戦争や兵士を憎んでいた君は…」
少女「私は…??」
男「わざと兵士に食べさせた、とか」
少女「…うふふ」
132: 2010/10/31(日) 02:18:23.58 ID:U11bxgjm0
男「ほら、いくらでも想像が広がるもんだ」
少女「正解はもちろん…」
男「いらないさ」
男「このままでいい」
少女「そうよね」
男「ミステリアスな女も魅力的だ」
少女「ベッドでそんな台詞を囁かれたのは初めてよ」
男「ロマンチックか??」
少女「そうでもないかな」
少女「正解はもちろん…」
男「いらないさ」
男「このままでいい」
少女「そうよね」
男「ミステリアスな女も魅力的だ」
少女「ベッドでそんな台詞を囁かれたのは初めてよ」
男「ロマンチックか??」
少女「そうでもないかな」
133: 2010/10/31(日) 02:24:12.15 ID:U11bxgjm0
少女「あなたは、実は、私の本当のパパで、この家に戻ってきた」
男「…」
少女「ってのはどうかしら」
男「家族は氏んだと言ったぞ」
少女「それは私に本当のことを隠すための嘘、でね」
男「…なるほど」
少女「ね、パパ」
男「ははは」
少女「うふふ」
男「…」
少女「ってのはどうかしら」
男「家族は氏んだと言ったぞ」
少女「それは私に本当のことを隠すための嘘、でね」
男「…なるほど」
少女「ね、パパ」
男「ははは」
少女「うふふ」
135: 2010/10/31(日) 02:27:45.63 ID:U11bxgjm0
男「この家が戦争でも残っているのは、君の氏んだお母さんが魔法で守っているから」
少女「この戦争がいつまでも終わらないのは、あなたが無線ジャックをして混乱させているから」
男「裏の墓に実は本当のこの家の持ち主が眠っている」
少女「私も実は兵士」
男「…くっくっく」
少女「あははははは」
少女「この戦争がいつまでも終わらないのは、あなたが無線ジャックをして混乱させているから」
男「裏の墓に実は本当のこの家の持ち主が眠っている」
少女「私も実は兵士」
男「…くっくっく」
少女「あははははは」
136: 2010/10/31(日) 02:32:15.00 ID:U11bxgjm0
男「おれたち、知らないことだらけだな」
少女「会ったばかりだもの、仕方ないわ」
男「本当のことも混ざっているかもな」
少女「そうかもしれないわね」
男「…はあ」
少女「うふふ」
男「熱、下がったんじゃないか」
少女「…そうね、ずいぶん楽だわ」
少女「会ったばかりだもの、仕方ないわ」
男「本当のことも混ざっているかもな」
少女「そうかもしれないわね」
男「…はあ」
少女「うふふ」
男「熱、下がったんじゃないか」
少女「…そうね、ずいぶん楽だわ」
137: 2010/10/31(日) 02:40:00.86 ID:U11bxgjm0
男「おれの夢を教えようか」
少女「なあに??」
男「戦争なんかやめてしまって、平和に暮らしたい」
少女「じゃあ私の望みも教えてあげる」
少女「一人きりはもういや、安心できる誰かのそばにいたい」
男「おれは毎日うまい野菜が食いたい」
少女「じゃあ…私を守ってくれる素敵な男性に巡り合いたい」
男「叶うな」
少女「ええ、すぐに、ね」
少女「なあに??」
男「戦争なんかやめてしまって、平和に暮らしたい」
少女「じゃあ私の望みも教えてあげる」
少女「一人きりはもういや、安心できる誰かのそばにいたい」
男「おれは毎日うまい野菜が食いたい」
少女「じゃあ…私を守ってくれる素敵な男性に巡り合いたい」
男「叶うな」
少女「ええ、すぐに、ね」
138: 2010/10/31(日) 02:45:27.00 ID:U11bxgjm0
少女「明日も、まだこの家にいてくれる??」
男「ああ」
少女「じゃあね、明日、あなたのギターが聴きたいわ」
男「ああ、お安い御用だ」
少女「熱もきっと下がってるだろうし、ね」
男「じゃあ、おれも一つ頼みごとがあるんだが」
少女「なあに??」
男「あの苺が食いたいな」
少女「うふふ、どうしようかな」
少女「…特別に、許してあげる♪」
★おしまい
男「ああ」
少女「じゃあね、明日、あなたのギターが聴きたいわ」
男「ああ、お安い御用だ」
少女「熱もきっと下がってるだろうし、ね」
男「じゃあ、おれも一つ頼みごとがあるんだが」
少女「なあに??」
男「あの苺が食いたいな」
少女「うふふ、どうしようかな」
少女「…特別に、許してあげる♪」
★おしまい
141: 2010/10/31(日) 03:55:36.33
よかった
142: 2010/10/31(日) 06:03:21.66
おつ
引用元: 少女「黒いギターと苺の園」
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