1: 2013/11/06(水) 00:09:01.02 ID:CTYidStW0
まどか「日本ってさ、ほんと閉鎖的で息苦しいよね。特に私って帰国子女でしょ?いっつもそういう色眼鏡で見られるって言うか、それがウザくて……」

さやか「あ、ああ、そうなんだ」

杏子「よくわかんねーけど大変なんだな……」

まどか「さやかちゃんも杏子ちゃんもさぁ、若いうちに海外出た方がいいよ?絶対、視野広がるから」

杏子「お、おう……」

ほむら(まどかが帰ってきたのはいいけれど……)

まどか「私がアメリカにいた頃は……」

ほむら(なんだか……思った以上に、アメリカ生活に毒されてる……)


 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383664140

2: 2013/11/06(水) 00:09:55.39 ID:CTYidStW0
まどか「……ほんと、向こうじゃ考えられないことばっかりだよ。あ、こういうのって帰国子女の人にしか伝わらないかも知れないけどw」

さやか「ま、まあやっぱり大分違うよね。日本とアメリカじゃ」

まどか「あ、あとさ、やたら暗い子も多いよね。話しかけてもろくに返事もしないとか」

杏子「そ、そうか……?」

まどか「特に、あの髪の長い……名前忘れちゃったけど」

ほむら(……!?)

3: 2013/11/06(水) 00:10:49.36 ID:CTYidStW0
さやか「え……と、もしかして、ほむらのこと?」

まどか「そうそう。あの子、ちょっと変だよね。異常に陰気だし。喋ってもボソボソ言ってるだけで、何言ってるのかわかんないしwww」

さやか「ちょ、ちょっと。本人に聞こえるよ」

まどか「別にいいけど。ああいう子ってさあ、アメリカじゃ絶対卒業パーティーに誘われないタイプだよねw」

杏子「お、おい、言い過ぎだぞ!」

ほむら「……!!」
プルプル

まどか「あーあ、アメリカ帰りたーい」


4: 2013/11/06(水) 00:11:37.82 ID:CTYidStW0
―放課後。


ほむら「どうして……どうしてなの」

ほむら「せっかく、まどかが帰ってきたのに」

ほむら「あんなの、私の知ってるまどかじゃない」

ほむら「だいたい、アメリカ滞在設定なんてどこから出てきたの……」

ほむら「そんな設定、私は望んでない」

ほむら「いったいどうすれば……」

さやか「ほむら」

ほむら「!!美樹さやか……」

さやか「まあ、なんて言うかさ……あんまり気にしないように、ね。杏子も心配してたし」

ほむら「私は別に……」

5: 2013/11/06(水) 00:12:20.81 ID:CTYidStW0
さやか「まあ、私もまどかがあんなキャラになっちゃって、ちょっと戸惑ってるけど……」

ほむら「!!美樹さやか、あなた、記憶が……?」

さやか「なんか、思い出しちゃったみたい。あんたのこと許せない気持ちもあるけど、何もかもまどかを想ってのことだっていうのは分かってるし、さすがに今の状況は気の毒というか……」

ほむら「同情してもらう謂れはないわ」

さやか「……やっぱり、まどかは円環の理に戻した方がいいんじゃないの?まあ、そしたら私も消えちゃうんだけど……」

ほむら「……」

さやか「ま、よく考えてみてよね」


6: 2013/11/06(水) 00:12:52.46 ID:CTYidStW0
ほむら「……確かに、あんなまどかは見たくない……」

ほむら「でも、まどかにまた孤独な思いをさせるわけには……」

ほむら「!!そうだわ!まどかをいったん円環に戻した上で……」

ほむら「もう一度迎えに来させ、それをキャッチすれば……!」

ほむら「我ながらいいアイデアね。今度は、余計な設定が加わらないようにして……」

ほむら「慎ましくて思いやり深い、本当のまどかを……!」


7: 2013/11/06(水) 00:13:52.47 ID:CTYidStW0
ー翌日。

ほむら「鹿目まどか」

まどか「え?何か用?」

ほむら「円環の理」

まどか「は?」

ほむら「円環の理。あなたの本当の役割」

まどか「私の……本当の役割……?」
ゴゴゴゴ……

まどか「そうだった……私にはもっと違う姿……もっと違う役割が……」

ひーかーりーがー
ゆーめーのーよーおーなーうーたーがー

ほむら「ふぅ、うまくいったようね……」

ほむら「あとは私にお迎えを来させるだけ……魔獣百連戦よ!」

ドンパチドンパチ

8: 2013/11/06(水) 00:14:42.02 ID:CTYidStW0
ほむら「う……もう駄目……。まどか、早く」

ひーかーりーがー
ゆーめーのーよーおーな

まどか「ほむらちゃん……待たせちゃって、ごめんね……!」

ほむら「ええ。待ってたわ」

ガシッ

まどか「!?ほむらちゃん?」

ほむら「今度はうまくやるわよ」

グイッ

まどか「ほむらちゃん、私が、裂けちゃう……!」

ほむら「知ってるわ」

ビリビリ

まどか「ああっ」

ほむら「ふぅ……」

ほむら「二回目ともなると、うまく裂くコツが分かってきたわね」

ほむら「それはともかく……」

ほむら「今度こそ、私の望むまどかが転校してくるはず……」


9: 2013/11/06(水) 00:15:32.08 ID:CTYidStW0
―翌日。


和子「では、転校生を紹介します」

ガラッ
オオー

まどか「鹿目……まどかです……よろしくお願いします……」

ほむら(よしよし。こんどのまどかは性格がよさそうね)

まどか「母の仕事の都合で……三年間、ウガンダで暮らしていました」

ほむら(ウガンダ!?)

ほむら(どこよそれ……アフリカ……?地図が思い浮かばないわ……)

まどか「ウガンダは比較的治安のいい国なんですが、母の赴任した地域は反政府勢力の動きが活発で……父と弟は紛争に巻き込まれ……」
グスッ

ほむら(ちょ、何よそれ……設定が重すぎるじゃない!)

和子「みなさんも、仲良くしてあげてくださいね」


10: 2013/11/06(水) 00:16:19.25 ID:CTYidStW0
―休み時間。


ほむら「さ、さっそくだけど……校内を案内してあげるわ……」

まどか「ありがとう。でも、休み時間は勉強しなきゃいけないから」

ほむら「勉強……?」

まどか「うん。私、大学では国際政治学を専攻して、将来は国連機関の職員になって、世の中から悲惨な内戦や紛争をなくすのが夢なんだ」

ほむら「そ、そう……なの?」

まどか「うん。ほむらちゃんには、なにか夢はあるの?」

ほむら「わ、私は……」

11: 2013/11/06(水) 00:16:47.19 ID:CTYidStW0
ほむら(ああ、だめよまどか。これじゃ立派すぎるわ……いったい、どう接したらいいのか……)

ほむら(正直、とっつきにくさでは神まどかとあまり変わらないような……)

ほむら(決して、悪いまどかではないのだけれど)

ほむら「まどか」

まどか「?」

ほむら「……円環の理」

まどか「……!」

ひーかーりーがー


12: 2013/11/06(水) 00:17:21.91 ID:CTYidStW0
ほむら「……私は、もう少し親しみやすいまどかがいいわ」

ほむら「そもそも、海外在住設定が余計ね」

ほむら「もっと身近な……そうね、関西あたりで……」


ガラッ

まどか「うち、鹿目まどか言います。岸和田に住んでたんで、だんじりがないのはさみしいけど……みんな、仲良うしてや!」

ほむら(な、何よこれ。もう完全に別人じゃないの!どうして3年関西にいただけでこうなるの)

ほむら「円環」

ひーかーりーがー


13: 2013/11/06(水) 00:17:54.97 ID:CTYidStW0
ガラッ

まどか「かなめ、まどかだにゃー。まどにゃんって呼んで欲しいにゃ!」

ほむら(惹かれるものはあるけど……却下ね)

ひーかーりーがー


ガラッ

まどか「デュフフwww拙者、鹿目まどk」

ひーかーりーがー


14: 2013/11/06(水) 00:18:50.55 ID:CTYidStW0
ほむら「繰り返す……私は何度でも繰り返す」

ほむら「たった一人のまどかを探して」

ひーかーりーがー

ひーかーりーがー


15: 2013/11/06(水) 00:19:28.68 ID:CTYidStW0
ほむら「……」

ほむら「どうして……どうしてなの」

ほむら「何度やっても、出てくるのはおかしなまどかばかり……」

ほむら「私のやってきたことは、いったい……」

さやか「転校生」

ほむら「……!!」

さやか「……じゃなかったんだっけね、もう。どう?気は済んだ?」

ほむら「美樹さやか。あなた、ずっと見ていたのね……?」

さやか「まあ、それがあたしの役回りだからね」

16: 2013/11/06(水) 00:20:06.80 ID:CTYidStW0
ほむら「……笑いたければ、笑えばいいわ」

さやか「笑ったりするつもりはないよ。でも、まどかをコントロールするなんて無理だって分かったんじゃない?」

ほむら「……だとしても、またあの子を一人にするわけにはいかないわ。まどかのためなら、たとえ私はどうなっても……」

さやか「はぁ。あんたも一途だねえ」

ほむら「何とでも言いなさい。用が済んだなら、帰って」

さやか「へいへい」

ほむら「……」


18: 2013/11/06(水) 00:20:39.14 ID:CTYidStW0



ほむら「今度こそ……」

ほむら「今度こそ、まどかを……」

ほむら「まどか……」

ほむら「……」


19: 2013/11/06(水) 00:21:23.74 ID:CTYidStW0



杏子「……で、話ってなんだよ?さやか」

マミ「渡したいものがあるって言ってたけど……」

さやか「うん。受け取って欲しいの」

さやか「あたしたちの、本当の記憶を……」


20: 2013/11/06(水) 00:22:21.79 ID:CTYidStW0



ほむら(……ここは……どこ?)

ほむら(誰もいない……)

ほむら(結局、私の愛でさえも……まどかを繋ぎとめることは、出来なかった……)

ほむら(やっぱり私の未来には、絶望しかないの……?)

マミ「そんなことはないわ、暁美さん」

ほむら「!!巴マミ……」

杏子「まったく、何やってんだか」

さやか「相変わらず、手間かけさせてくれるよねえ」

ほむら「あなたたち……どうして……」

マミ「決まってるじゃない」

さやか「あんたと同じことをしに来たんだよ、転校生」

ほむら「……!!」

21: 2013/11/06(水) 00:23:00.43 ID:CTYidStW0
杏子「まあ、あんたは、自分が一番鹿目まどかのことを愛してるって言うだろうけど」

マミ「私だちだって、暁美さんの気持ちに負けないくらい、鹿目さんのことを大事に思ってるつもりよ」

さやか「たぶん、形は違うかも知れないけどね」

ほむら「あなたたち……」

杏子「そして、鹿目まどかと同じくらい、あんたのことも好きなんだぜ……暁美ほむら」

マミ「だって私たちは……同じ魔法少女なんですものね」

ほむら「……!!」

さやか「だから、あんた一人に背負わすのも……もちろんまどか一人に背負わすのも、やめようって話になったわけ」

キラッ

ほむら「!!それは、ダークオーブ……!じゃあ、あなたたちも……?」

22: 2013/11/06(水) 00:23:32.18 ID:CTYidStW0
マミ「独り占めはズルイわよ、暁美さん」

さやか「あたしたちも、一緒にまどかを連れ戻す……!」

ほむら「そんな……!あなたたち、覚悟はあるの?神の理を汚すことで……どんな結末が待っているか、分からないのよ?」

杏子「面白いじゃねえか」

さやか「あたしたちは、魔法少女……そもそもの初めから、あんたの言う「魔なる者」なんだよ、転校生」

マミ「あら、お迎えが来たようよ……?」

まどか「みんな……お待たせ……」

マミ「覚悟はいいわね?みんな」

さやか「うん」

杏子「ドキドキして来たぜ」

マミ「……暁美さんも」

ほむら「もちろんよ」

23: 2013/11/06(水) 00:24:00.25 ID:CTYidStW0
さやか「きっと、四人でなら……」

杏子「本当の鹿目まどかを取り戻せる」

マミ「永遠に償うことの出来ない、重い罰を課せられるかも知れないけど」

ほむら「……それでも構わない」

四人「もう一度、あの子の笑顔が見られるのなら……」

四人「まどか……」


24: 2013/11/06(水) 00:24:33.09 ID:CTYidStW0
ーーおしまいーー

26: 2013/11/06(水) 00:43:03.67

宇宙「いい加減にしろよおまえら」

27: 2013/11/06(水) 01:30:27.12
因果律「何回反逆すれば気が済むんだよ」

31: 2013/11/06(水) 11:18:35.92

二番目のご立派なまどかにしとけよw

引用元: まどか「あー、早くアメリカに戻りたいなー」