サターニャ「届いたわ！」

サターニャ「どれどれ、説明書を……」ﾍﾟﾗｯ

『この薬を飲むとサイコメトラーになれます』

サターニャ「とっても分かりやすいわ！」

サターニャ「早速飲んでサイコメトラーになるわ！」

ｺﾞｸｺﾞｸ

サターニャ「ぷはぁ！　なかなか美味しいじゃない」

ｷｭｲｲﾝ

サターニャ「なんだか力がみなぎってきたわ！」

サターニャ「これでガヴリールの恥ずかしい記憶を読んでやるわ！」

ー教室ー

サターニャ(ガヴリールはまだ来てないようね)

ヴィーネ「おはようサターニャ」

サターニャ「おはようヴィネット。ガヴリールは？」

ヴィーネ「頭が臭いからお風呂に入らせたの。少し遅れるわ」

サターニャ(何よそれ……不潔ね……)

サターニャ(そうだ、ヴィネットで実験してみよう……)

サターニャ(そっと背後から手を触れれば……)

ﾊﾞﾁｯ

ｷｭｲｲﾝ

ヴィーネ『ガブ、あなた頭が臭うわよ。いつお風呂入ったの？』

ヴィーネ『３日前？　ダメじゃない、ちゃんと毎日入らないと』

ヴィーネ『先に行ってるからね。学校サボっちゃダメよ』

ｷｭｲｲﾝ

サターニャ「はっ！？」

サターニャ(ちゃんと見えたわ！)

ヴィーネ「あれ？　どうしたのサターニャ？」

サターニャ「な……なんでもないわ！」

サターニャ(もう一度見てみよう……)

ﾊﾞﾁｯ

ｷｭｲｲﾝ

ヴィーネ『……ガヴはお風呂に入ったわね』

ヴィーネ『今のうちに……ｶﾞｻｺﾞｿ……あったわ』

ヴィーネ『ガヴの脱ぎたて生パンツ……！』

ヴィーネ『ごくり……』

ヴィーネ『むぐぐ！　スーハースーハー！　あぁ……ガヴの温もりと臭い匂いが！』ｸﾝｶｸﾝｶ

ヴィーネ『ヒィーッス！　ヒィーッス！　フー！　フー！』ｸﾝｶｸﾝｶ

ｷｭｲｲﾝ

サターニャ「はっ！？」

サターニャ(今のは何なの！？)

サターニャ(ヴィネットがガヴリールの下着を……)

サターニャ(まさか、見間違いよね？)

サターニャ(確認の為にもう一度。もっと深く読み取るわ)

ﾊﾞﾁｯ

ｷｭｲｲﾝ

ヴィーネ『明日の予習も済んだし、そろそろ寝ようかしら』

ヴィーネ『……』

ヴィーネ『明日も……ガヴに会える』

ヴィーネ『うふふ……ｶﾞｻｺﾞｿ……だいぶ増えたわ、ガヴの私物コレクション……』

ヴィーネ『髪の毛ェ～……爪ェ～……下着ィ～……かさぶたぁ～……うふふ』

ヴィーネ『……あぁ……欲しい……欲しい……！』

ヴィーネ『もういっそのことガヴを拐ってしまおうかしらぁ？』

ヴィーネ『ヒィーッス！　ヒィーッス！　フー！　フー！』
　
ヴィーネ『アハハハハハハハハハ……』

ｷｭｲｲﾝ

サターニャ「ひぃっ！」

ヴィーネ「わっ！　ビックリした……どうしたのサターニャ？」

サターニャ「ななななんでもないわ！」

ヴィーネ「大丈夫？　顔色悪いわよ？」

サターニャ「大丈夫よ！　あ、ちょっとトイレに行ってくるわ！」

サターニャ(あれは何だったの？　ヴィネットの記憶？)

サターニャ(いくらなんでも怖すぎるわよ！)ｶﾞｸﾌﾞﾙ

サターニャ(恥ずかしい過去で弱味を握るどころか、口封じに殺されてしまいそうじゃない！)

サターニャ(このことは黙っておこう……)

サターニャ(あ、ラフィエルがいるわ。あいつの記憶ならほのぼのしてそうね……)

サターニャ(そーっと、近づいて触ろう)

ﾊﾞﾁｯ

ｷｭｲｲﾝ

ラフィエル『ふぅ、久しぶりに天界に帰ってきましたが、退屈ですね～』

ラフィエル『そうだ！ペットのあの子たちは元気かしら？』

ラフィエル『いたいた。お腹空きましたか～？』

ラフィエル『はーい、美味しいご飯ですよ～』

ラフィエル『いっぱい食べてくださいね～』

ラフィエル『いっぱい食べましょうね～』

ラフィエル『いっぱい食べなさ～い』

ラフィエル『どうしたの～食べなきゃダメですよ～』

ラフィエル『食べないと大きくなれませんよ～』

ラフィエル『食べなさ～い』

ラフィエル『食べなさ～い』

ラフィエル『食～べ～な～さ～い』

ラフィエル『……どうしたの？もう食べないの？』

ラフィエル『私のご飯が食べられないっていうの？』

ラフィエル『食べろぉ！　食べろよぉ！！』ｸﾜｯ

ラフィエル『お前たちは食べて食べて食べて食べるだけの運命なんだよ！』

ラフィエル『ﾊｯ!　いけないいけない……つい汚い言葉が出てしまいました』ｳﾌﾌ

ラフィエル『早く大きくなってくださいね？　フォアグラさん♪』

ｷｭｲｲﾝ

サターニャ「ひぃっ！」

ラフィエル「あら～サターニャさん、おはようございます♪」

サターニャ「お、おはよう……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

ラフィエル「どうしたんですか？　真っ青な顔をして？」

サターニャ「へ、平気よ！」

ラフィエル「そうだ、サターニャさん。今日ウチへ遊びに来ませんか？」

サターニャ「えっ？」

ラフィエル「いつもサターニャさんのお家にばかりお邪魔してるので、たまにはウチで遊びましょう♪」

サターニャ「えっと、どうしようかしら……」

ラフィエル「腕によりをかけて美味しい料理をご馳走しますよ～」

サターニャ「料理ッ！？　あわわ……悪いけどちょっと夏バテで食欲がないのよ！また今度にするわ」ｶﾞｸﾌﾞﾙ

ラフィエル「あら～……それは残念ですね～」

サターニャ(ラフィエルにあんな心の闇があったなんて……)

サターニャ(よりいっそう警戒しないと……！)

ガヴリール「うーす」

ヴィーネ「おはようガヴ。ちゃんと来たのね、偉いわよ」

ガヴリール「お前は母親か」

サターニャ(やっとガヴリールが来たわね……)

サターニャ(どうしよう……見るのが怖くなってきたわ……)

サターニャ(ええい！この為にわざわざ魔界通販で買ったんだから怯んじゃダメよ！)

サターニャ(ガヴリールの恥ずかしい過去を読み取って、屈服させてやるわ！)

ﾊﾞﾁｯ

ｷｭｲｲﾝ

ガヴリール「ここが下界ね。素敵なところだわ！」

ガヴリール「おばあさん、荷物をお持ちします」

ガヴリール「草むしりで公園が綺麗になりました！」

ガヴリール「子どもは可愛いですね♪」

ガヴリール「新しい学園生活、とっても楽しみです！」

ガヴリール「世界中の人が幸せになりますように……」

ｷｭｲｲﾝ

サターニャ「……」

ガヴリール「おいサターニャ、何ボーッと突っ立ってんだ？」

サターニャ「ガヴリール……」

ガヴリール「ん？」

サターニャ「あんた、今の姿が一番恥ずかしいわね」

ガヴリールドロップアウト

『サイコメトラーサターニャ』

ー完ー

寝起きの勢いで書いてみました。
ほのぼのコメディのつもりです。

乙

オチにワロタ

魔界通販のくせにまともなもの送ってきてたのか