1: 2020/11/18(水) 21:06:41.173 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「ちいーっす」ガラッ
友人「お、やっと停学明けたのか」
魔法使い「おう、教室(シャバ)の空気はうめえぜ」
召喚士「おめでとうございます!」
魔法使い「相変わらずスライム召喚してっか?」
魔法使い「さぁ~て、停学明け記念に一服すっか。炎よ……」シュボッ
女魔道士「コラーッ!」バシャッ
魔法使い「あ゛っ!? 水魔法(ミズ)でタバコが……」
友人「お、やっと停学明けたのか」
魔法使い「おう、教室(シャバ)の空気はうめえぜ」
召喚士「おめでとうございます!」
魔法使い「相変わらずスライム召喚してっか?」
魔法使い「さぁ~て、停学明け記念に一服すっか。炎よ……」シュボッ
女魔道士「コラーッ!」バシャッ
魔法使い「あ゛っ!? 水魔法(ミズ)でタバコが……」
2: 2020/11/18(水) 21:10:27.068 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「何しやがんだァ!」
女魔道士「何してるはこっちのセリフ! また停学になりたいの!?」
女魔道士「いつもいつも喧嘩して、煙草吸って、そのうち退学になっちゃうよ!」
魔法使い「ふん、退学(クビ)が怖くて、魔法学校(マホガク)で一番(テッペン)目指せるかよ!」
女魔道士「なによ……いつもいつも心配かけて……」
魔法使い「ちょっ、何も泣くこたぁねーだろうが!」オロオロ
友人「ケケケ、無敵の魔法使いさんも女の涙にゃ弱いねえ」
召喚士「なにか励ませるような生き物を……ってまたスライム出た!」ポンッ
イケメン「…………」
女魔道士「何してるはこっちのセリフ! また停学になりたいの!?」
女魔道士「いつもいつも喧嘩して、煙草吸って、そのうち退学になっちゃうよ!」
魔法使い「ふん、退学(クビ)が怖くて、魔法学校(マホガク)で一番(テッペン)目指せるかよ!」
女魔道士「なによ……いつもいつも心配かけて……」
魔法使い「ちょっ、何も泣くこたぁねーだろうが!」オロオロ
友人「ケケケ、無敵の魔法使いさんも女の涙にゃ弱いねえ」
召喚士「なにか励ませるような生き物を……ってまたスライム出た!」ポンッ
イケメン「…………」
3: 2020/11/18(水) 21:13:11.083 ID:4pIkYXaE0
賢者「停学明け早々、なーにを大騒ぎしている」
魔法使い「ゲ、先公!」
賢者「クラスメイトを病院送りにして停学、煙草を吸って停学、今回は上級生相手に魔法で暴れて停学」
賢者「少しは反省したか?」
魔法使い「俺の魔導書にゃ“反省”の文字はねーよ」
賢者「お前は魔法をなんだと思ってるんだ!?」
魔法使い「喧嘩の道具!」
賢者「このバカモンがァ!!!」
ズガガァンッ!!!
魔法使い「ぎゃああああああああああっ!!!」
友人「出た! 先公お得意の雷魔法(カミナリ)!」
魔法使い「ゲ、先公!」
賢者「クラスメイトを病院送りにして停学、煙草を吸って停学、今回は上級生相手に魔法で暴れて停学」
賢者「少しは反省したか?」
魔法使い「俺の魔導書にゃ“反省”の文字はねーよ」
賢者「お前は魔法をなんだと思ってるんだ!?」
魔法使い「喧嘩の道具!」
賢者「このバカモンがァ!!!」
ズガガァンッ!!!
魔法使い「ぎゃああああああああああっ!!!」
友人「出た! 先公お得意の雷魔法(カミナリ)!」
4: 2020/11/18(水) 21:16:29.752 ID:4pIkYXaE0
賢者「お前はこの学校の停学最多記録を塗り替えるつもりか?」
魔法使い「そうねえ……10回停学喰らったら粗品もらえるスタンプカードとかありゃ、モチベ上がるな」
賢者「バッカモン!!!」ズガガァンッ!
魔法使い「あぎゃああああああああああっ!!!」
魔法使い「これ……体罰なんじゃねえの……?」プスプス…
賢者「これは愛の鞭というのだ」
魔法使い「頭バグって無知になっちまいそうだ……」プスプス…
賢者「さあ、みんな。席に座れー、ホームルームを始めるぞー」
ワイワイ… ガヤガヤ…
魔法使い「そうねえ……10回停学喰らったら粗品もらえるスタンプカードとかありゃ、モチベ上がるな」
賢者「バッカモン!!!」ズガガァンッ!
魔法使い「あぎゃああああああああああっ!!!」
魔法使い「これ……体罰なんじゃねえの……?」プスプス…
賢者「これは愛の鞭というのだ」
魔法使い「頭バグって無知になっちまいそうだ……」プスプス…
賢者「さあ、みんな。席に座れー、ホームルームを始めるぞー」
ワイワイ… ガヤガヤ…
5: 2020/11/18(水) 21:19:24.763 ID:4pIkYXaE0
……
賢者「今日は魔力でこのような球体を作ってみろ」ブゥゥゥン…
イケメン「いかがです?」ブゥゥゥン…
賢者「ほう、さすがはイケメン、見事な球体だ」
生徒「イケメンすげー!」
女生徒「イケメン君、ステキー!」
友人「さすがイケメン、外見(ツラ)もいいし、魔法もピカイチだ」
召喚士「すごいなぁ……」
女魔道士「あんたも彼を見習わないとねー」
魔法使い「よーし、俺だって……」ニヤッ
賢者「今日は魔力でこのような球体を作ってみろ」ブゥゥゥン…
イケメン「いかがです?」ブゥゥゥン…
賢者「ほう、さすがはイケメン、見事な球体だ」
生徒「イケメンすげー!」
女生徒「イケメン君、ステキー!」
友人「さすがイケメン、外見(ツラ)もいいし、魔法もピカイチだ」
召喚士「すごいなぁ……」
女魔道士「あんたも彼を見習わないとねー」
魔法使い「よーし、俺だって……」ニヤッ
6: 2020/11/18(水) 21:22:42.105 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「俺は……魔力(マリキ)でこれを作るぜ」ブゥゥゥゥン…
友人「ぶっ!?」
召喚士「これは……!?」
女魔道士「なんてもん作ってんのよ! 最低っ!」
キャーキャーッ! エッチーッ! ヘンターイ!
魔法使い「どうよこれ? 男のそそり立つ欲望を表現……」
賢者「真面目にやらんかっ!」バリバリバリッ!
魔法使い「んぎゃああああああ!!!」
賢者(しかし、ここまで魔力を操れるとは……やはり魔法に関しては非凡な才能を秘めている)
友人「ぶっ!?」
召喚士「これは……!?」
女魔道士「なんてもん作ってんのよ! 最低っ!」
キャーキャーッ! エッチーッ! ヘンターイ!
魔法使い「どうよこれ? 男のそそり立つ欲望を表現……」
賢者「真面目にやらんかっ!」バリバリバリッ!
魔法使い「んぎゃああああああ!!!」
賢者(しかし、ここまで魔力を操れるとは……やはり魔法に関しては非凡な才能を秘めている)
8: 2020/11/18(水) 21:25:16.259 ID:4pIkYXaE0
放課後――
ワイワイ… ガヤガヤ…
女魔道士「ねえ、一緒に帰ろう!」
魔法使い「おう」
すると――
魔法使い「これはこれは……俺がボコにした先輩らじゃないっすか。お怪我は治りましたァ?」
先輩A「……ちょいとツラ貸せや」
先輩B「校舎裏に来い」
魔法使い「へいへい。つーわけで、わりーな。今日はお前一人で帰ってくれ」
女魔道士「…………!」
ワイワイ… ガヤガヤ…
女魔道士「ねえ、一緒に帰ろう!」
魔法使い「おう」
すると――
魔法使い「これはこれは……俺がボコにした先輩らじゃないっすか。お怪我は治りましたァ?」
先輩A「……ちょいとツラ貸せや」
先輩B「校舎裏に来い」
魔法使い「へいへい。つーわけで、わりーな。今日はお前一人で帰ってくれ」
女魔道士「…………!」
9: 2020/11/18(水) 21:28:32.463 ID:4pIkYXaE0
― 校舎裏 ―
番長「来たか……」
魔法使い「番長さん、なんの用っすかァ? ケツ掘らせてくれとかは勘弁な」
番長「俺の舎弟どもが世話ンなったなァ……」ギロッ
魔法使い「あれはてめえの舎弟が、下級生からカンパたかるなんてセコイ真似してたからだろうが」ギロッ
番長「クソ生意気な小僧だ……。ここらで魔法学校(マホガク)の恐ろしさ、思い知らせてやるよ」
番長「一対一(タイマン)だ!」
魔法使い「無理すんなよ~、舎弟(ツレ)も使えって!」
番長「ほざけ! すぐ泣かせてやンぜ!」
先輩A「やっちまって下さい!」
先輩B「俺らのカタキを!」
番長「来たか……」
魔法使い「番長さん、なんの用っすかァ? ケツ掘らせてくれとかは勘弁な」
番長「俺の舎弟どもが世話ンなったなァ……」ギロッ
魔法使い「あれはてめえの舎弟が、下級生からカンパたかるなんてセコイ真似してたからだろうが」ギロッ
番長「クソ生意気な小僧だ……。ここらで魔法学校(マホガク)の恐ろしさ、思い知らせてやるよ」
番長「一対一(タイマン)だ!」
魔法使い「無理すんなよ~、舎弟(ツレ)も使えって!」
番長「ほざけ! すぐ泣かせてやンぜ!」
先輩A「やっちまって下さい!」
先輩B「俺らのカタキを!」
10: 2020/11/18(水) 21:30:50.543 ID:4pIkYXaE0
番長「いくぜぇ!」
番長「大地よ、揺れろ!」
グラグラグラグラグラ…
魔法使い「!」
先輩A(出た! 番長の得意魔法は土魔法(ツチ)!)
先輩B(あれで立ってられなくなる相手を岩パンチでボコる! 番長の必勝パターン!)
番長「立ってらんねーだろォ!? 氏にやがれェェェ!」ダッ
ボゴォッ!
魔法使い「……ぐっ!」
番長「こんなんじゃ終わんねーぞォ? 顔面を芋(ジャガ)みてえにしてやらァ!」
番長「大地よ、揺れろ!」
グラグラグラグラグラ…
魔法使い「!」
先輩A(出た! 番長の得意魔法は土魔法(ツチ)!)
先輩B(あれで立ってられなくなる相手を岩パンチでボコる! 番長の必勝パターン!)
番長「立ってらんねーだろォ!? 氏にやがれェェェ!」ダッ
ボゴォッ!
魔法使い「……ぐっ!」
番長「こんなんじゃ終わんねーぞォ? 顔面を芋(ジャガ)みてえにしてやらァ!」
11: 2020/11/18(水) 21:34:26.653 ID:4pIkYXaE0
番長「オラァッ!」ブンッ
ヒョイッ
番長「あら? なんで避けれる? 立ってらんねーはず……」
魔法使い「誰が立ってられねえって? 今日も朝からビンビンだったぜ」ペッ
番長「!」ギョッ
魔法使いの体は地上からわずかに浮いていた。
魔法使い「俺の得意魔法は炎魔法(ホノオ)……こいつで熱作ってよ、上昇気流ってのを作ってみた」
番長(マ、マジか!? そんな精妙な魔力コントロールできるなんて……こいつハンパじゃねえ!)
魔法使い「んじゃあな、キメるぜ。炎よ、燃やしちまえ!」
ボォワァァァァッ!!!
番長「ぎぃやぁぁぁぁぁっ!!!」
ヒョイッ
番長「あら? なんで避けれる? 立ってらんねーはず……」
魔法使い「誰が立ってられねえって? 今日も朝からビンビンだったぜ」ペッ
番長「!」ギョッ
魔法使いの体は地上からわずかに浮いていた。
魔法使い「俺の得意魔法は炎魔法(ホノオ)……こいつで熱作ってよ、上昇気流ってのを作ってみた」
番長(マ、マジか!? そんな精妙な魔力コントロールできるなんて……こいつハンパじゃねえ!)
魔法使い「んじゃあな、キメるぜ。炎よ、燃やしちまえ!」
ボォワァァァァッ!!!
番長「ぎぃやぁぁぁぁぁっ!!!」
12: 2020/11/18(水) 21:36:14.835 ID:4pIkYXaE0
番長「あづい……あづい……」シュゥゥゥゥ…
先輩A「番長ォォォ!」
先輩B「しっかりして下さい!」
魔法使い「しょべえ……番長ってもこんなモンかよ。落胆(ガッカリ)だぜ」
魔法使い「こんなんじゃ、とても一番(テッペン)立った気はしねえなァ」
魔法使い「あばよ!」ザッザッ…
番長「ぐうう……!」
番長(ちくしょう……! このまま……終われるかよォ!)
先輩A「番長ォォォ!」
先輩B「しっかりして下さい!」
魔法使い「しょべえ……番長ってもこんなモンかよ。落胆(ガッカリ)だぜ」
魔法使い「こんなんじゃ、とても一番(テッペン)立った気はしねえなァ」
魔法使い「あばよ!」ザッザッ…
番長「ぐうう……!」
番長(ちくしょう……! このまま……終われるかよォ!)
13: 2020/11/18(水) 21:39:28.019 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「……ん、オメーまだ学校にいたのか」
女魔道士「ケガしてる」
女魔道士「恵みの水よ……」パァァァ…
魔法使い「こんなもんケガのうちにも入んねーよ」
女魔道士「また喧嘩したでしょ」
魔法使い「火の粉を払っただけよ。いや……ありゃせいぜい小麦粉かな」
女魔道士「ねえ、どうして喧嘩するの?」
魔法使い「そりゃあ……一番(テッペン)取るためだよ! 魔法学校(マホガク)でよ!」
女魔道士「テッペンってなに? 喧嘩しなきゃいけないものなの?」
魔法使い「一番(テッペン)っていやぁ、誰からも舐められねえ存在だ……」
魔法使い「テッペン取らなきゃ男として“BIG”になれねーんだよ!」
女魔道士「ケガしてる」
女魔道士「恵みの水よ……」パァァァ…
魔法使い「こんなもんケガのうちにも入んねーよ」
女魔道士「また喧嘩したでしょ」
魔法使い「火の粉を払っただけよ。いや……ありゃせいぜい小麦粉かな」
女魔道士「ねえ、どうして喧嘩するの?」
魔法使い「そりゃあ……一番(テッペン)取るためだよ! 魔法学校(マホガク)でよ!」
女魔道士「テッペンってなに? 喧嘩しなきゃいけないものなの?」
魔法使い「一番(テッペン)っていやぁ、誰からも舐められねえ存在だ……」
魔法使い「テッペン取らなきゃ男として“BIG”になれねーんだよ!」
15: 2020/11/18(水) 21:41:38.255 ID:4pIkYXaE0
女魔道士「ビッグ? あんたみたいなみんなに迷惑かけるやり方で、ビッグになんかなれないよ!」
女魔道士「このままじゃ、行きつく先は大犯罪者よ!」
魔法使い「うるっせーな……もうほっとけよ! 俺なんかよ!」
女魔道士「う……」ビクッ
魔法使い「わりぃ、いいすぎた……」
魔法使い「ケガの治療……ありがとよ」ザッザッ…
女魔道士(バカ……)
女魔道士「このままじゃ、行きつく先は大犯罪者よ!」
魔法使い「うるっせーな……もうほっとけよ! 俺なんかよ!」
女魔道士「う……」ビクッ
魔法使い「わりぃ、いいすぎた……」
魔法使い「ケガの治療……ありがとよ」ザッザッ…
女魔道士(バカ……)
16: 2020/11/18(水) 21:44:21.879 ID:4pIkYXaE0
帰り道――
魔法使い「お前は……」
イケメン「やぁ、魔法使い君」
魔法使い「今日はよくお客が来る日だなァ。ひょっとしてモテ期か、俺は?」
イケメン「率直にいおう」
イケメン「君では女魔道士さんを幸せにできない!」
魔法使い「あぁん?」
イケメン「君のような野蛮な男は、一刻も早く彼女から手を引くべきだ!」
魔法使い「ンだよ、いきなり……」
魔法使い「お前は……」
イケメン「やぁ、魔法使い君」
魔法使い「今日はよくお客が来る日だなァ。ひょっとしてモテ期か、俺は?」
イケメン「率直にいおう」
イケメン「君では女魔道士さんを幸せにできない!」
魔法使い「あぁん?」
イケメン「君のような野蛮な男は、一刻も早く彼女から手を引くべきだ!」
魔法使い「ンだよ、いきなり……」
17: 2020/11/18(水) 21:47:18.410 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「ははーん」
イケメン「!」
魔法使い「さてはお前、嫉妬(ヤイ)てやがンな?」
イケメン「だ、誰が……!」
魔法使い「図星(アタリ)か」
魔法使い「だったらよォ、素直にこういえや! “ボクの好きな子とイチャついてんじゃねー”ってよ!」
魔法使い「“ムカつくからブチのめす!”ってよ!」
イケメン「うぐぐ……」
魔法使い「オラ、かかってこいよ! 魔力(マリキ)のぶつけ合いだァ!」
イケメン「やってやる! 君のような奴に負けるものか!」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
魔力を放出し、ぶつけ合う二人。
イケメン「!」
魔法使い「さてはお前、嫉妬(ヤイ)てやがンな?」
イケメン「だ、誰が……!」
魔法使い「図星(アタリ)か」
魔法使い「だったらよォ、素直にこういえや! “ボクの好きな子とイチャついてんじゃねー”ってよ!」
魔法使い「“ムカつくからブチのめす!”ってよ!」
イケメン「うぐぐ……」
魔法使い「オラ、かかってこいよ! 魔力(マリキ)のぶつけ合いだァ!」
イケメン「やってやる! 君のような奴に負けるものか!」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
魔力を放出し、ぶつけ合う二人。
18: 2020/11/18(水) 21:50:47.109 ID:4pIkYXaE0
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
魔法使い(お? こいつ……やるじゃねえか!)
イケメン「…………」
バシュッ!
決着はつかず――
魔法使い「よっしゃ、ここからは真剣(ガチ)な魔法喧嘩(マホゴロ)といこうや」
イケメン「望むところだ!」
イケメンの得意魔法は風魔法である。
イケメン「風よ、竜巻となりて――」ビュオオオッ
魔法使い「!」ニヤッ
魔法使い(お? こいつ……やるじゃねえか!)
イケメン「…………」
バシュッ!
決着はつかず――
魔法使い「よっしゃ、ここからは真剣(ガチ)な魔法喧嘩(マホゴロ)といこうや」
イケメン「望むところだ!」
イケメンの得意魔法は風魔法である。
イケメン「風よ、竜巻となりて――」ビュオオオッ
魔法使い「!」ニヤッ
19: 2020/11/18(水) 21:53:29.706 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「パーンチ!」
バキッ!
イケメン「ぐはっ……!」ドサッ…
イケメン「人が詠唱してるところを卑怯な……!」
魔法使い「なーにが卑怯だよ。喧嘩に卑怯もクソもあるか」
魔法使い「こんな手に引っかかるオメーこそ、あいつを幸せにするのはちと荷が重いンじゃねーか?」
イケメン「く、くそっ……!」
魔法使い「じゃーな、優等生クン!」ザッザッ…
バキッ!
イケメン「ぐはっ……!」ドサッ…
イケメン「人が詠唱してるところを卑怯な……!」
魔法使い「なーにが卑怯だよ。喧嘩に卑怯もクソもあるか」
魔法使い「こんな手に引っかかるオメーこそ、あいつを幸せにするのはちと荷が重いンじゃねーか?」
イケメン「く、くそっ……!」
魔法使い「じゃーな、優等生クン!」ザッザッ…
20: 2020/11/18(水) 21:56:24.596 ID:4pIkYXaE0
ザッザッザッ…
魔法使い「…………」
イケメン『君では女魔道士さんを幸せにできない!』
魔法使い「……かもな」
魔法使い「分かってンよ……それくらい」
魔法使い(ちっ、このまま帰ってもモヤモヤするだけだ! 町で遊んで帰るか!)
魔法使い「…………」
イケメン『君では女魔道士さんを幸せにできない!』
魔法使い「……かもな」
魔法使い「分かってンよ……それくらい」
魔法使い(ちっ、このまま帰ってもモヤモヤするだけだ! 町で遊んで帰るか!)
21: 2020/11/18(水) 21:59:14.991 ID:4pIkYXaE0
― 町 ―
女魔道士(あいつったら、人の気も知らないでさ……)
青年「あのー、すいません」
女魔道士「なんでしょう?」
青年「実はボク、近々この町に引っ越してくるんですけど……」
青年「よろしければ、町を案内して頂けないでしょうか?」
女魔道士「私でよければかまいませんけど……」
女魔道士(あいつったら、人の気も知らないでさ……)
青年「あのー、すいません」
女魔道士「なんでしょう?」
青年「実はボク、近々この町に引っ越してくるんですけど……」
青年「よろしければ、町を案内して頂けないでしょうか?」
女魔道士「私でよければかまいませんけど……」
22: 2020/11/18(水) 22:01:41.932 ID:4pIkYXaE0
……
女魔道士「こんなところでしょうか」
青年「助かりました、ありがとうございます!」
犬「クゥ~ン……」ヨロヨロ…
女魔道士(犬? ひどいケガしてる……)
青年「ちょっと失礼」サッ
青年「光よ、この者に癒やしを……」パァァァ…
犬の傷が癒えていく。
女魔道士「あなた……魔法使いなんですね」
青年「ええ、光魔法が得意でして。ほら、もうお行き」
犬「ワンワン!」タタタッ
女魔道士(この優しさ……同じ魔法使いでもあいつとは大違いね)
女魔道士「こんなところでしょうか」
青年「助かりました、ありがとうございます!」
犬「クゥ~ン……」ヨロヨロ…
女魔道士(犬? ひどいケガしてる……)
青年「ちょっと失礼」サッ
青年「光よ、この者に癒やしを……」パァァァ…
犬の傷が癒えていく。
女魔道士「あなた……魔法使いなんですね」
青年「ええ、光魔法が得意でして。ほら、もうお行き」
犬「ワンワン!」タタタッ
女魔道士(この優しさ……同じ魔法使いでもあいつとは大違いね)
23: 2020/11/18(水) 22:04:54.082 ID:4pIkYXaE0
そこへ――
魔法使い「おい……」ギロッ
女魔道士「あ……!」
魔法使い「そいつは誰だよ? あぁん?」
青年「ひっ!」
女魔道士「睨まないでよ! この人は今度町に引っ越してくるっていう……」
魔法使い「俺に冷たくされたら途端に他の男になびくってか? ったくとんだ尻軽だな、オメーはよ!」
女魔道士「なによそれ! 別にあんたに冷たくされたってどうってことないし!」
ギャーギャーッ!
青年「まあまあ、落ちついて……」オロオロ
魔法使い「ふんっ!」
女魔道士「ふんっ!」
魔法使い「おい……」ギロッ
女魔道士「あ……!」
魔法使い「そいつは誰だよ? あぁん?」
青年「ひっ!」
女魔道士「睨まないでよ! この人は今度町に引っ越してくるっていう……」
魔法使い「俺に冷たくされたら途端に他の男になびくってか? ったくとんだ尻軽だな、オメーはよ!」
女魔道士「なによそれ! 別にあんたに冷たくされたってどうってことないし!」
ギャーギャーッ!
青年「まあまあ、落ちついて……」オロオロ
魔法使い「ふんっ!」
女魔道士「ふんっ!」
24: 2020/11/18(水) 22:07:25.442 ID:4pIkYXaE0
― 魔法学校 ―
魔法使い「ちいーっす」ガラッ
友人「おっ、お前が遅刻しねーで来るなんて、そろそろ世界滅亡(ハルマゲ)るんじゃね?」
魔法使い「うるせーよ」
召喚士「おはようございます!」
魔法使い「おーう、スライム召喚してっか?」
魔法使い「…………」チラッ
女魔道士「…………」チラッ
魔法使い「ふんっ!」
女魔道士「ふんっ!」
友人(あれ……?)
魔法使い「ちいーっす」ガラッ
友人「おっ、お前が遅刻しねーで来るなんて、そろそろ世界滅亡(ハルマゲ)るんじゃね?」
魔法使い「うるせーよ」
召喚士「おはようございます!」
魔法使い「おーう、スライム召喚してっか?」
魔法使い「…………」チラッ
女魔道士「…………」チラッ
魔法使い「ふんっ!」
女魔道士「ふんっ!」
友人(あれ……?)
25: 2020/11/18(水) 22:10:25.260 ID:4pIkYXaE0
友人「あの二人がやり合うのはいつもンことだけど、今日はなんていうか険悪さが違うな」
友人「なんつうか、ガチな雰囲気……」
召喚士「よーし、ここはボクが、二人を仲直りさせる生き物を……」
召喚士「むむむ……」ポンッ
スライム「ピィーッ!」
召喚士「やっぱりスライムだった!」
友人「ここまでスライムしか出せないと、逆に才能あるんじゃって気ィしてくるぜ」
魔法使い(くそっ、俺は昨日なんであんなことを……クソダセェ……)
イケメン「…………」
友人「なんつうか、ガチな雰囲気……」
召喚士「よーし、ここはボクが、二人を仲直りさせる生き物を……」
召喚士「むむむ……」ポンッ
スライム「ピィーッ!」
召喚士「やっぱりスライムだった!」
友人「ここまでスライムしか出せないと、逆に才能あるんじゃって気ィしてくるぜ」
魔法使い(くそっ、俺は昨日なんであんなことを……クソダセェ……)
イケメン「…………」
26: 2020/11/18(水) 22:13:28.584 ID:4pIkYXaE0
それからしばらく――
賢者「では今日の授業はここまで! 気をつけて帰るんだぞー!」
ワイワイ… ガヤガヤ…
魔法使い「…………」
女魔道士「…………」
友人「おいおい、今日もあいつら口きかなかったぜ。冷戦通り越して氷河期だぜ、こいつァ」
召喚士「ちょっと深刻ですよね……」
イケメン(魔法使い君……ボクと喧嘩した後、彼女と何があったんだ?)
賢者「では今日の授業はここまで! 気をつけて帰るんだぞー!」
ワイワイ… ガヤガヤ…
魔法使い「…………」
女魔道士「…………」
友人「おいおい、今日もあいつら口きかなかったぜ。冷戦通り越して氷河期だぜ、こいつァ」
召喚士「ちょっと深刻ですよね……」
イケメン(魔法使い君……ボクと喧嘩した後、彼女と何があったんだ?)
27: 2020/11/18(水) 22:16:24.390 ID:4pIkYXaE0
一方――
先輩A「番長さん、怪我が治ってなによりです」
先輩B「復帰おめでとうございます!」
番長「さっそく……あの小僧にリベンジすんぞ」
先輩A「え、マジっすか!?」
先輩B「だけど、俺らで勝てますかねえ……?」
番長「だーれが俺らでやるっつったよ?」
番長「昔ウチの学校シメてたOBさんと連絡ついてな。奴のこと話したら協力してくれるってよ」
番長「魔力(マリキ)もハンパねえ人だから、絶対あの小僧をツブせるぜ!」
先輩A「番長さん、怪我が治ってなによりです」
先輩B「復帰おめでとうございます!」
番長「さっそく……あの小僧にリベンジすんぞ」
先輩A「え、マジっすか!?」
先輩B「だけど、俺らで勝てますかねえ……?」
番長「だーれが俺らでやるっつったよ?」
番長「昔ウチの学校シメてたOBさんと連絡ついてな。奴のこと話したら協力してくれるってよ」
番長「魔力(マリキ)もハンパねえ人だから、絶対あの小僧をツブせるぜ!」
28: 2020/11/18(水) 22:19:50.585 ID:4pIkYXaE0
放課後――
番長「OBさんが待ってるのはこの酒場だ。ここでいつも喧嘩してるらしい」
先輩A「うわぁ~、本物(モノホン)のアウトローじゃないっすか!」
先輩B「大船(ガレオン)に乗り込む気分っすよ!」
番長「マジ怖い人だから、くれぐれも粗相すんなよ。石化されて沈められちまうぞ」
先輩A「はいっ!」
先輩B「緊張してきた……」
番長「よし、入るぞ」
ギィィィ…
番長「OBさんが待ってるのはこの酒場だ。ここでいつも喧嘩してるらしい」
先輩A「うわぁ~、本物(モノホン)のアウトローじゃないっすか!」
先輩B「大船(ガレオン)に乗り込む気分っすよ!」
番長「マジ怖い人だから、くれぐれも粗相すんなよ。石化されて沈められちまうぞ」
先輩A「はいっ!」
先輩B「緊張してきた……」
番長「よし、入るぞ」
ギィィィ…
30: 2020/11/18(水) 22:22:39.724 ID:4pIkYXaE0
番長「――え」
OB「あ、あうう……」ヨロヨロ…
OB「た……たすけ……」
ドザァッ…
番長の目の前で倒れるOB。
番長(なんだこれ……。なんでOBさんがズタボロで――)
闇魔術師「そいつがこの町で一番つええワルって聞いたが……大したことねーなァ」
闇魔術師「酒のツマミにもなりゃしねえ」グビグビ
「ヘヘヘ……」 「さっすが闇魔術師さん!」 「楽勝っすね!」
酒場には黒装束集団が陣取っていた。
番長(真っ黒なローブ! こいつらはまさか――)
OB「あ、あうう……」ヨロヨロ…
OB「た……たすけ……」
ドザァッ…
番長の目の前で倒れるOB。
番長(なんだこれ……。なんでOBさんがズタボロで――)
闇魔術師「そいつがこの町で一番つええワルって聞いたが……大したことねーなァ」
闇魔術師「酒のツマミにもなりゃしねえ」グビグビ
「ヘヘヘ……」 「さっすが闇魔術師さん!」 「楽勝っすね!」
酒場には黒装束集団が陣取っていた。
番長(真っ黒なローブ! こいつらはまさか――)
33: 2020/11/18(水) 22:26:21.550 ID:4pIkYXaE0
闇魔術師「ン? オメーは?」
番長「ヒッ!? あ、いえ……お酒でも飲もうかなと……」
闇魔術師「そこの半氏人(ボロクズ)みてえになりたくなきゃ、とっとと消えな」
闇魔術師「今日からここは俺ら“堕悪冥慈(ダークメイジ)”の貸し切りだからよ」グビグビ
番長「は、はいっ!」
番長「失礼しましたぁぁぁ!」
タタタッ
逃げるように酒場を出る。
番長「ヒッ!? あ、いえ……お酒でも飲もうかなと……」
闇魔術師「そこの半氏人(ボロクズ)みてえになりたくなきゃ、とっとと消えな」
闇魔術師「今日からここは俺ら“堕悪冥慈(ダークメイジ)”の貸し切りだからよ」グビグビ
番長「は、はいっ!」
番長「失礼しましたぁぁぁ!」
タタタッ
逃げるように酒場を出る。
35: 2020/11/18(水) 22:29:20.367 ID:4pIkYXaE0
先輩A「番長さん、なんなんですか、あいつら!?」
先輩B「OBさんがあんなボロボロに……」
番長「この町は……終わりだ」
先輩AB「え!?」
番長「OBさんやったあいつらは……“堕悪冥慈(ダークメイジ)”っつう結社(チーマー)だ」
先輩A「チーマー……!」
先輩B「どんな連中なんです?」
番長「とにかく凶悪な連中よ」
先輩B「OBさんがあんなボロボロに……」
番長「この町は……終わりだ」
先輩AB「え!?」
番長「OBさんやったあいつらは……“堕悪冥慈(ダークメイジ)”っつう結社(チーマー)だ」
先輩A「チーマー……!」
先輩B「どんな連中なんです?」
番長「とにかく凶悪な連中よ」
36: 2020/11/18(水) 22:32:41.808 ID:4pIkYXaE0
番長「よその地域の魔法学校を退学(クビ)になった連中の集まりで、魔法で悪さすることに関しちゃ天下一品」
番長「中には教師半頃しにした奴もいるそうだ」
番長「標的(マト)にした町にあんな風に乗り込んでは――」
番長「魔法で暴行だの恐喝だのやりたい放題よ。魔法薬(ヤク)売ったり、女さらったりもする」
番長「まるで……害虫(バッタ)みてえにな」
先輩A「…………」ゴクッ
先輩B「だ、だけどそんな連中が、よく憲兵(ペイ)にパクられずに済んでますね?」
番長「暴れ方や逃げ方が巧妙で、追い詰めても追い詰めても逃げられちまうんだと」
番長「それにトップの連中の強さはハンパねえらしい。それこそ憲兵なんざ恐れねえって勢いよ」
先輩A「強い上に……知能(アタマ)もあるってことっすか……」
番長「この数日で、この町は地獄と化すだろうぜ……!」
番長「中には教師半頃しにした奴もいるそうだ」
番長「標的(マト)にした町にあんな風に乗り込んでは――」
番長「魔法で暴行だの恐喝だのやりたい放題よ。魔法薬(ヤク)売ったり、女さらったりもする」
番長「まるで……害虫(バッタ)みてえにな」
先輩A「…………」ゴクッ
先輩B「だ、だけどそんな連中が、よく憲兵(ペイ)にパクられずに済んでますね?」
番長「暴れ方や逃げ方が巧妙で、追い詰めても追い詰めても逃げられちまうんだと」
番長「それにトップの連中の強さはハンパねえらしい。それこそ憲兵なんざ恐れねえって勢いよ」
先輩A「強い上に……知能(アタマ)もあるってことっすか……」
番長「この数日で、この町は地獄と化すだろうぜ……!」
37: 2020/11/18(水) 22:36:23.074 ID:4pIkYXaE0
番長の予感は当たる……。
闇魔術師「野郎ども、“堕悪冥慈”の恐ろしさをこの町の市民(パンピー)どもに叩き込んでやれや!」
闇魔術師「暴れろ! 燃やせ! 奪っちまえ!」
黒装束A「ほれほれ、避けねえと燃えちまうぜ~」ボッボッボッ…
町民「うわああああっ!」
黒装束B「俺といいコトしようぜ~。でないと頃しちゃうよ?」
町娘「助けてぇ……!」
闇魔術師「野郎ども、“堕悪冥慈”の恐ろしさをこの町の市民(パンピー)どもに叩き込んでやれや!」
闇魔術師「暴れろ! 燃やせ! 奪っちまえ!」
黒装束A「ほれほれ、避けねえと燃えちまうぜ~」ボッボッボッ…
町民「うわああああっ!」
黒装束B「俺といいコトしようぜ~。でないと頃しちゃうよ?」
町娘「助けてぇ……!」
38: 2020/11/18(水) 22:38:16.677 ID:4pIkYXaE0
メラメラメラ…
「あっちでボヤだ!」 「こっちもだ!」 「すぐ消せーっ!」
番兵「貴様ら、許さん!」
黒装束C「闇よ、押し潰せ!」ズオオオ…
番兵「ぐあああああっ……!」メキメキメキ…
魔法使い(町のあちこちで騒ぎが起こってやがる……なんだこりゃあ?)
魔法使い(とにかく女魔道士を捜さねえと! あいつは無事か!?)ダッ
「あっちでボヤだ!」 「こっちもだ!」 「すぐ消せーっ!」
番兵「貴様ら、許さん!」
黒装束C「闇よ、押し潰せ!」ズオオオ…
番兵「ぐあああああっ……!」メキメキメキ…
魔法使い(町のあちこちで騒ぎが起こってやがる……なんだこりゃあ?)
魔法使い(とにかく女魔道士を捜さねえと! あいつは無事か!?)ダッ
39: 2020/11/18(水) 22:40:44.120 ID:4pIkYXaE0
女魔道士「この人達はいったい……!?」
青年「ボクといれば大丈夫だからね。これでも魔法には自信あるんだ」
女魔道士「ありがとうございます……」
魔法使い「!?」
魔法使い(またあの野郎と一緒になってやがる……)
魔法使い(ちくしょう、もう知るもんか!)
青年「ボクといれば大丈夫だからね。これでも魔法には自信あるんだ」
女魔道士「ありがとうございます……」
魔法使い「!?」
魔法使い(またあの野郎と一緒になってやがる……)
魔法使い(ちくしょう、もう知るもんか!)
40: 2020/11/18(水) 22:44:26.120 ID:4pIkYXaE0
― 魔法学校 ―
友人「おいおい、昨日はデンジャラスだったな!」
召喚士「あちこちで黒装束の連中が暴れてましたもんね……」
友人「きっとどこぞの賊(ゾク)か結社(チーム)がカチコミかけてきたってとこだろうが……」
友人「こりゃ俺たちもフンドシしめてかねえと、この町乗っ取られちまうぜ! ――なァ!」
魔法使い「…………」
友人「あれ?」
召喚士「魔法使いさん?」
友人「おいおい、昨日はデンジャラスだったな!」
召喚士「あちこちで黒装束の連中が暴れてましたもんね……」
友人「きっとどこぞの賊(ゾク)か結社(チーム)がカチコミかけてきたってとこだろうが……」
友人「こりゃ俺たちもフンドシしめてかねえと、この町乗っ取られちまうぜ! ――なァ!」
魔法使い「…………」
友人「あれ?」
召喚士「魔法使いさん?」
41: 2020/11/18(水) 22:47:31.171 ID:4pIkYXaE0
友人(こういう時真っ先に“あんな連中は俺がツブしてやんぜ!”ってなるタイプなのに……)
友人「おい……どうしたんだよ?」
魔法使い「どうでもいい……」
友人「へ?」
魔法使い「どこの誰が町で暴れようが、家を燃やそうが、どうでもいい……」
友人「…………!」
友人「こりゃ相当な重症だな。鬱病(ウツ)入っちまってる」ヒソヒソ
召喚士「女魔道士さんと何かあったんでしょうか……」ヒソヒソ
友人「おい……どうしたんだよ?」
魔法使い「どうでもいい……」
友人「へ?」
魔法使い「どこの誰が町で暴れようが、家を燃やそうが、どうでもいい……」
友人「…………!」
友人「こりゃ相当な重症だな。鬱病(ウツ)入っちまってる」ヒソヒソ
召喚士「女魔道士さんと何かあったんでしょうか……」ヒソヒソ
43: 2020/11/18(水) 22:50:33.182 ID:4pIkYXaE0
先輩A「番長さん、昨日はすごかったですね」
先輩B「憲兵がてんやわんやの大騒ぎでしたよ」
番長「何人かはパクられてたが、下っ端ばかりで大したダメージはねえだろう」
番長「派手に暴れて名を売ると同時に、今まで町をシメてた連中に敗北(マケイヌ)感を叩き込みやがったんだ」
先輩A「これから……この町はどうなっちゃうんでしょう?」
番長「嵐が過ぎ去るのを待つしかねえよ」
番長「俺らが立ち向かったところで、結果は見えてっからな……」
先輩AB「…………」
先輩B「憲兵がてんやわんやの大騒ぎでしたよ」
番長「何人かはパクられてたが、下っ端ばかりで大したダメージはねえだろう」
番長「派手に暴れて名を売ると同時に、今まで町をシメてた連中に敗北(マケイヌ)感を叩き込みやがったんだ」
先輩A「これから……この町はどうなっちゃうんでしょう?」
番長「嵐が過ぎ去るのを待つしかねえよ」
番長「俺らが立ち向かったところで、結果は見えてっからな……」
先輩AB「…………」
44: 2020/11/18(水) 22:53:20.345 ID:4pIkYXaE0
……
― 酒場 ―
闇魔術師「酒がうめぇ~! さぁ~ておめえら、調子(アガリ)はどうよ?」
黒装束A「はい、この町のワルどもはあらかた手懐けましたし……」
黒装束B「俺らが精製した魔法薬(ヤク)もよく売れてます」
闇魔術師「景気いいハナシ聞くと、ますます酒がうまくなるぜ」グビグビ
闇魔術師「あの人の計画(プラン)じゃ……後は魔法学校をシメりゃ、この町は俺らの傘下といっていい」
黒装束A「あの人のプランはいつも完璧ですからね」
闇魔術師「魔法で暴れるしか能のなかった俺らを……完璧に統率(リード)してくれてる」
闇魔術師「まさしく、あの人こそアウトロー界の神(カリスマ)よ……」
― 酒場 ―
闇魔術師「酒がうめぇ~! さぁ~ておめえら、調子(アガリ)はどうよ?」
黒装束A「はい、この町のワルどもはあらかた手懐けましたし……」
黒装束B「俺らが精製した魔法薬(ヤク)もよく売れてます」
闇魔術師「景気いいハナシ聞くと、ますます酒がうまくなるぜ」グビグビ
闇魔術師「あの人の計画(プラン)じゃ……後は魔法学校をシメりゃ、この町は俺らの傘下といっていい」
黒装束A「あの人のプランはいつも完璧ですからね」
闇魔術師「魔法で暴れるしか能のなかった俺らを……完璧に統率(リード)してくれてる」
闇魔術師「まさしく、あの人こそアウトロー界の神(カリスマ)よ……」
45: 2020/11/18(水) 22:56:20.265 ID:4pIkYXaE0
ある日――
― 酒場 ―
番長「し、失礼します」
闇魔術師「お~、番長クン、来てくれたか」
番長「なにかご用で?」
闇魔術師「実は……そろそろ“堕悪冥慈”はこの町を出ようと思ってンだ」
闇魔術師「同じところにずっといると、憲兵(ペイ)にも目ぇつけられるしな」
番長「そ、そうなんですか」
番長(助かった……これで町に平和が戻る)
― 酒場 ―
番長「し、失礼します」
闇魔術師「お~、番長クン、来てくれたか」
番長「なにかご用で?」
闇魔術師「実は……そろそろ“堕悪冥慈”はこの町を出ようと思ってンだ」
闇魔術師「同じところにずっといると、憲兵(ペイ)にも目ぇつけられるしな」
番長「そ、そうなんですか」
番長(助かった……これで町に平和が戻る)
46: 2020/11/18(水) 22:59:26.097 ID:4pIkYXaE0
闇魔術師「ただ、その前によぉ……」
闇魔術師「オメーの魔法学校(マホガク)からオンナ50人、金集めて100万G、上納してくれや」
番長「は……!?」
番長「そんなの出来るわけが……」
闇魔術師「出来なかったら、学校生徒に無差別にヤキ入れるまでだ。徹底的にな」
闇魔術師「それといっとくが、俺らが町を出ていっても、上納義務は続くかんな」
闇魔術師「一度傘下(シタ)についた以上、当然だわなァ? 払うモンは払わねーと」
番長(ムチャクチャだ……!)
番長(嵐が過ぎ去るまで待てばいい? なんつー甘い考えだったんだ……!)
闇魔術師「オメーの魔法学校(マホガク)からオンナ50人、金集めて100万G、上納してくれや」
番長「は……!?」
番長「そんなの出来るわけが……」
闇魔術師「出来なかったら、学校生徒に無差別にヤキ入れるまでだ。徹底的にな」
闇魔術師「それといっとくが、俺らが町を出ていっても、上納義務は続くかんな」
闇魔術師「一度傘下(シタ)についた以上、当然だわなァ? 払うモンは払わねーと」
番長(ムチャクチャだ……!)
番長(嵐が過ぎ去るまで待てばいい? なんつー甘い考えだったんだ……!)
47: 2020/11/18(水) 23:02:21.169 ID:4pIkYXaE0
― 魔法学校 ―
友人「やっと終わったー」
召喚士「さ、帰りましょう」
魔法使い「…………」
そこへ――
番長「…………」
魔法使い「なんだよ? 今はリベンジを受け付ける気分じゃねーんだがな」
番長「頼みがある」
魔法使い「あ?」
番長「お前の力を貸してくれっ!!!」
土下座する番長。
友人「やっと終わったー」
召喚士「さ、帰りましょう」
魔法使い「…………」
そこへ――
番長「…………」
魔法使い「なんだよ? 今はリベンジを受け付ける気分じゃねーんだがな」
番長「頼みがある」
魔法使い「あ?」
番長「お前の力を貸してくれっ!!!」
土下座する番長。
48: 2020/11/18(水) 23:04:24.022 ID:4pIkYXaE0
……
友人「なんだそりゃ……!」
召喚士「女の子50人に100万なんてムチャですよ……」
番長「ここまでナメられちゃ、俺だって腐っても番長だ。仲間集めて玉砕覚悟で戦うつもりだ」
番長「だが、悔しいが、俺らじゃ一矢報いることもできねーだろう……」
番長「だけど、オメーがいれば! もしかしたら奴らにも勝てるかもしれねえ! だから……!」
魔法使い「…………」
番長「頼むッ! 俺と一緒に戦ってくれえッ!」
友人「なんだそりゃ……!」
召喚士「女の子50人に100万なんてムチャですよ……」
番長「ここまでナメられちゃ、俺だって腐っても番長だ。仲間集めて玉砕覚悟で戦うつもりだ」
番長「だが、悔しいが、俺らじゃ一矢報いることもできねーだろう……」
番長「だけど、オメーがいれば! もしかしたら奴らにも勝てるかもしれねえ! だから……!」
魔法使い「…………」
番長「頼むッ! 俺と一緒に戦ってくれえッ!」
49: 2020/11/18(水) 23:06:31.595 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「……知らねーよ」
友人「おい……」
召喚士「魔法使いさん……」
魔法使い「俺はなんかもう、全部虚空(ムナ)しくなっちまったんだ」
魔法使い「町がどうなろうと、学校がどうなろうと、どうでもいい……」
番長「……そうかよ」
番長「俺は……てめえのことはムカつくが、強さは認めるし、男気ある奴だと思ってた」
番長「だがよ……とんだ見込み違いだったらしいな!」ザッザッ…
魔法使い「……ちっ」
友人「おい……」
召喚士「魔法使いさん……」
魔法使い「俺はなんかもう、全部虚空(ムナ)しくなっちまったんだ」
魔法使い「町がどうなろうと、学校がどうなろうと、どうでもいい……」
番長「……そうかよ」
番長「俺は……てめえのことはムカつくが、強さは認めるし、男気ある奴だと思ってた」
番長「だがよ……とんだ見込み違いだったらしいな!」ザッザッ…
魔法使い「……ちっ」
50: 2020/11/18(水) 23:09:17.201 ID:4pIkYXaE0
― 町 ―
女魔道士「ふぅ……」
女魔道士(もう何日あいつと会話してないんだろ……)
青年「こんにちは!」
女魔道士「あなたは……」
青年「こうして会うのも何度目になるかな。また会えて嬉しいよ」
女魔道士「ええ……」
イケメン「……ん?」
イケメン(女魔道士さんが……品のよさそうな青年と話してる。まさか、新しい彼氏……?)
女魔道士「ふぅ……」
女魔道士(もう何日あいつと会話してないんだろ……)
青年「こんにちは!」
女魔道士「あなたは……」
青年「こうして会うのも何度目になるかな。また会えて嬉しいよ」
女魔道士「ええ……」
イケメン「……ん?」
イケメン(女魔道士さんが……品のよさそうな青年と話してる。まさか、新しい彼氏……?)
51: 2020/11/18(水) 23:12:21.425 ID:4pIkYXaE0
青年「君がこの町のことを教えてくれたおかげでずいぶん助かった。本当にありがとう」
女魔道士「いえ……」
青年「ところでボク、やっぱりこの町に引っ越す話がなくなっちゃってさ」
青年「また別の町に行かなきゃならなくなったんだ」
女魔道士「そうなんですか」
青年「だから……今こそボクの気持ちを伝えたい。どうかボクの彼女になってくれないか」
青年「お願いします!」
女魔道士「…………」
女魔道士「いえ……」
青年「ところでボク、やっぱりこの町に引っ越す話がなくなっちゃってさ」
青年「また別の町に行かなきゃならなくなったんだ」
女魔道士「そうなんですか」
青年「だから……今こそボクの気持ちを伝えたい。どうかボクの彼女になってくれないか」
青年「お願いします!」
女魔道士「…………」
52: 2020/11/18(水) 23:14:35.954 ID:4pIkYXaE0
女魔道士「……ごめんなさい」
青年「! なぜ……」
女魔道士「私……他に好きな人がいて……」
女魔道士「バカで、喧嘩ばかりするけど、仲間想いなところもあって、放っておけない奴で……」
女魔道士「だから……あなたの彼女にはなれません。本当にごめんなさい」
青年「…………」
青年「ハァ~? ふざけんなよ?」ビキ…
女魔道士「え?」
青年「! なぜ……」
女魔道士「私……他に好きな人がいて……」
女魔道士「バカで、喧嘩ばかりするけど、仲間想いなところもあって、放っておけない奴で……」
女魔道士「だから……あなたの彼女にはなれません。本当にごめんなさい」
青年「…………」
青年「ハァ~? ふざけんなよ?」ビキ…
女魔道士「え?」
55: 2020/11/18(水) 23:18:32.607 ID:4pIkYXaE0
青年「久々に真剣恋(マジコイ)しちゃったから、“大人しい青年”演じてみたけどよォ」
青年「やっぱこういうのはガラじゃねーなァ」
青年「女はムリヤリ奪うに限るッ!」パァァァァ…
女魔道士「きゃっ!」ガシッ
光が縛りつける。
女魔道士「どうしてこんなことを……! あなたは優しい人なのに……!」
青年「俺が優しい? ああ、ひょっとして犬を治療したことォ?」
青年「あんなもん、事前に犬をボコってたに決まってンだろが! ギャハハハハハッ!」
青年「あれやると、大抵の女がなびくからよくやんのよ~。たまに勢い余って殺っちまうけど」
女魔道士「な……!」
青年「オメーの町案内のおかげで、計画(プラン)も立てやすかったし助かったぜェ!」
青年「やっぱこういうのはガラじゃねーなァ」
青年「女はムリヤリ奪うに限るッ!」パァァァァ…
女魔道士「きゃっ!」ガシッ
光が縛りつける。
女魔道士「どうしてこんなことを……! あなたは優しい人なのに……!」
青年「俺が優しい? ああ、ひょっとして犬を治療したことォ?」
青年「あんなもん、事前に犬をボコってたに決まってンだろが! ギャハハハハハッ!」
青年「あれやると、大抵の女がなびくからよくやんのよ~。たまに勢い余って殺っちまうけど」
女魔道士「な……!」
青年「オメーの町案内のおかげで、計画(プラン)も立てやすかったし助かったぜェ!」
56: 2020/11/18(水) 23:21:34.805 ID:4pIkYXaE0
ビュオオオオオッ!
青年「……風!?」
イケメン「彼女から離れろ! この悪党!」
女魔道士「イケメン君!」
青年「なかなかの使い手のようだが、何者だてめえ?」
イケメン「彼女のクラスメイトだ!」
青年「自己紹介どうも。だったら俺もいいことを教えてやろう」
青年「今、この町を騒がせてる悪~い集団……“堕悪冥慈”っつうんだけどよ」
青年「そこでアタマはってんのは――この俺だ」ニヤッ
イケメン「!」
青年「……風!?」
イケメン「彼女から離れろ! この悪党!」
女魔道士「イケメン君!」
青年「なかなかの使い手のようだが、何者だてめえ?」
イケメン「彼女のクラスメイトだ!」
青年「自己紹介どうも。だったら俺もいいことを教えてやろう」
青年「今、この町を騒がせてる悪~い集団……“堕悪冥慈”っつうんだけどよ」
青年「そこでアタマはってんのは――この俺だ」ニヤッ
イケメン「!」
57: 2020/11/18(水) 23:24:27.875 ID:4pIkYXaE0
女魔道士「イケメン君、逃げて! この人ものすごく強い!」
イケメン「いや……大丈夫さ。ボクだって魔法学校で成績トップなんだ!」
イケメン「竜巻よ、敵を吹き飛ばせ!」
ゴォォォォォォッ!!!
青年「光の渦よ!」
ギュオオオオオオッ!
イケメン(竜巻を渦の回転で逸らされた!)
青年「いい風魔法(カゼ)じゃねえか……クチだけじゃなさそうだな」
青年「だったら次は……俺の光魔法(ヒカリ)を見せてやんよ」
…………
……
イケメン「いや……大丈夫さ。ボクだって魔法学校で成績トップなんだ!」
イケメン「竜巻よ、敵を吹き飛ばせ!」
ゴォォォォォォッ!!!
青年「光の渦よ!」
ギュオオオオオオッ!
イケメン(竜巻を渦の回転で逸らされた!)
青年「いい風魔法(カゼ)じゃねえか……クチだけじゃなさそうだな」
青年「だったら次は……俺の光魔法(ヒカリ)を見せてやんよ」
…………
……
58: 2020/11/18(水) 23:28:10.916 ID:4pIkYXaE0
……
……
友人「おい、ホントにいいのかよ? 番長の頼み、蹴っちゃって……」
召喚士「このままだと町や学校が……」
魔法使い「…………」
魔法使い「……ん?」
友人「ボロボロの奴が来るぞ。浮浪者かなんかか?」
魔法使い「あれは――」
……
友人「おい、ホントにいいのかよ? 番長の頼み、蹴っちゃって……」
召喚士「このままだと町や学校が……」
魔法使い「…………」
魔法使い「……ん?」
友人「ボロボロの奴が来るぞ。浮浪者かなんかか?」
魔法使い「あれは――」
59: 2020/11/18(水) 23:30:37.883 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「イケメン!?」
イケメン「うぐっ……うぅっ……」ドサッ
魔法使い「おい、しっかりしろ!」ガシッ
イケメン「ご、めん……。女魔道士さん……さら、われた……。“堕悪冥慈”……に……」
魔法使い「…………!」
友人(イケメンも相当の使い手なのに、ここまでボロクソにやられるなんて……!)
イケメン「ボクじゃ……敵わなかった……。頼む……どうか、彼女を……」ガクッ
魔法使い「イケメン……!」
魔法使い「すまねえ、前はバカにするようなこといっちまって……。お前はすげえ男だよ……!」
イケメン「うぐっ……うぅっ……」ドサッ
魔法使い「おい、しっかりしろ!」ガシッ
イケメン「ご、めん……。女魔道士さん……さら、われた……。“堕悪冥慈”……に……」
魔法使い「…………!」
友人(イケメンも相当の使い手なのに、ここまでボロクソにやられるなんて……!)
イケメン「ボクじゃ……敵わなかった……。頼む……どうか、彼女を……」ガクッ
魔法使い「イケメン……!」
魔法使い「すまねえ、前はバカにするようなこといっちまって……。お前はすげえ男だよ……!」
60: 2020/11/18(水) 23:33:46.675 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「……召喚士、スライムにイケメンを病院に連れてかせてくれ。人が運ぶよりいいだろ」
召喚士「はいっ!」
魔法使い「そして……」
魔法使い「俺らは番長に加勢するッ!」
魔法使い「“堕悪冥慈”にカチコミだァァァァァッ!!!」ゴォワァァァァァッ!
友人(燃えてる……燃えてやがる!)
友人(“堕悪冥慈”どもは……絶対に注いじゃならねえ炎に、オイルを注いじまった!)
この時、物陰に――
「…………」スッ…
召喚士「はいっ!」
魔法使い「そして……」
魔法使い「俺らは番長に加勢するッ!」
魔法使い「“堕悪冥慈”にカチコミだァァァァァッ!!!」ゴォワァァァァァッ!
友人(燃えてる……燃えてやがる!)
友人(“堕悪冥慈”どもは……絶対に注いじゃならねえ炎に、オイルを注いじまった!)
この時、物陰に――
「…………」スッ…
61: 2020/11/18(水) 23:36:37.311 ID:4pIkYXaE0
わずかの舎弟とともに敵地に向かう番長。
ゾロゾロ…
先輩A「ホントに俺たちだけで行くんですか……」
先輩B「氏んじまいますって、マジで!」
番長「今さらグズグズいうな! 行くったら行くんだよ!」
先輩A「あーあ、遺書書いときゃよかった……」
先輩B「お袋の作る薬草スープ、もう一度飲みたかったな……」
番長「うるせー! 喧嘩前に辛気臭くなるこというんじゃねー!」
「おうおう、しょぼくれてんねえ。今から葬式でもあんのかァ?」
番長「あ!?」
ゾロゾロ…
先輩A「ホントに俺たちだけで行くんですか……」
先輩B「氏んじまいますって、マジで!」
番長「今さらグズグズいうな! 行くったら行くんだよ!」
先輩A「あーあ、遺書書いときゃよかった……」
先輩B「お袋の作る薬草スープ、もう一度飲みたかったな……」
番長「うるせー! 喧嘩前に辛気臭くなるこというんじゃねー!」
「おうおう、しょぼくれてんねえ。今から葬式でもあんのかァ?」
番長「あ!?」
62: 2020/11/18(水) 23:39:01.788 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「よーう」
番長「お前……!」
魔法使い「なに幽霊(ゴースト)に出会ったみてえなツラしてンだ」
魔法使い「ちょいと気ィ変わっちまってさ。俺も混ぜてくれや……番長!」
番長「お前って奴は……信じてたぜぇ~」ガシッ
魔法使い「うわっ、抱きつくな! 俺にそういう趣味はねーんだ!」
友人「とりあえず、これで俺らは戦力が揃ったわけだな」
召喚士「ボクも燃えてきました!」
魔法使い「ツブすぜ……“堕悪冥慈”!」
番長「お前……!」
魔法使い「なに幽霊(ゴースト)に出会ったみてえなツラしてンだ」
魔法使い「ちょいと気ィ変わっちまってさ。俺も混ぜてくれや……番長!」
番長「お前って奴は……信じてたぜぇ~」ガシッ
魔法使い「うわっ、抱きつくな! 俺にそういう趣味はねーんだ!」
友人「とりあえず、これで俺らは戦力が揃ったわけだな」
召喚士「ボクも燃えてきました!」
魔法使い「ツブすぜ……“堕悪冥慈”!」
63: 2020/11/18(水) 23:43:40.867 ID:4pIkYXaE0
― 砦 ―
“堕悪冥慈”は町から少し離れた砦跡をアジトにしていた。
闇魔術師「来たかよ、番長クン」
ズラッ…
番長「…………」ゴクッ
友人(オイオイオイ、100人はいンじゃねーか? こいつァヘビーな喧嘩になりそうだぜ)
召喚士(うう……やっぱり怖い!)
闇魔術師「で、返事は? 前金として50万くれーは持ってきたんだろ?」
魔法使い「タンカ切ってやれよ、番長!」
番長「お、おう!」
番長「てめえらにやる金はビタ1Gもねぇし、女は一人もいねェ!!!」ビッ!
中指を立てる。
闇魔術師「上等(ジョートー)だよ……!」ビキッ
“堕悪冥慈”は町から少し離れた砦跡をアジトにしていた。
闇魔術師「来たかよ、番長クン」
ズラッ…
番長「…………」ゴクッ
友人(オイオイオイ、100人はいンじゃねーか? こいつァヘビーな喧嘩になりそうだぜ)
召喚士(うう……やっぱり怖い!)
闇魔術師「で、返事は? 前金として50万くれーは持ってきたんだろ?」
魔法使い「タンカ切ってやれよ、番長!」
番長「お、おう!」
番長「てめえらにやる金はビタ1Gもねぇし、女は一人もいねェ!!!」ビッ!
中指を立てる。
闇魔術師「上等(ジョートー)だよ……!」ビキッ
64: 2020/11/18(水) 23:47:04.586 ID:4pIkYXaE0
闇魔術師「義務を果たせないんじゃ……氏ぬしかねーわなァ」
闇魔術師「やっちまえ! 奴らは半頃しじゃ済まさねえ……全頃しだァ!!!」
ウオオォォォォォ……!
黒装束集団が襲いかかる。
魔法使い「来た来た来たァ! 俺の魂(ソウル)が燃えてきたぜェ!」
友人「ったく、お前がいなきゃ絶対こんな喧嘩しねえ」
召喚士「よーし、やるぞー!」
番長「だがよ、やっぱ数が違いすぎる……!」
魔法使い「おい、番長」ボソッ
闇魔術師「やっちまえ! 奴らは半頃しじゃ済まさねえ……全頃しだァ!!!」
ウオオォォォォォ……!
黒装束集団が襲いかかる。
魔法使い「来た来た来たァ! 俺の魂(ソウル)が燃えてきたぜェ!」
友人「ったく、お前がいなきゃ絶対こんな喧嘩しねえ」
召喚士「よーし、やるぞー!」
番長「だがよ、やっぱ数が違いすぎる……!」
魔法使い「おい、番長」ボソッ
65: 2020/11/18(水) 23:49:14.635 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「喧嘩っつーのは入り方が大事だ。ここは二人で一発カマそうぜ」
番長「カマすって……俺じゃお前の足引っ張っちまう」
魔法使い「なーにイモ引いてんだよ。地震起こすくせに、自信なくしちまったか?」
魔法使い「いっとくが俺から見ても、あんたの土魔法(ツチ)はかなりのモンだ。思い切りブチかましてやれや」
番長「よ、よし……!」
番長「大地よ、揺れろォ!」
グラグラグラグラグラ…
「うおっ!?」 「揺れる!」 「落ちつけ、ダメージがあるわけじゃねえ!」
魔法使い「そこへ俺の追い込み――」バッ
番長「カマすって……俺じゃお前の足引っ張っちまう」
魔法使い「なーにイモ引いてんだよ。地震起こすくせに、自信なくしちまったか?」
魔法使い「いっとくが俺から見ても、あんたの土魔法(ツチ)はかなりのモンだ。思い切りブチかましてやれや」
番長「よ、よし……!」
番長「大地よ、揺れろォ!」
グラグラグラグラグラ…
「うおっ!?」 「揺れる!」 「落ちつけ、ダメージがあるわけじゃねえ!」
魔法使い「そこへ俺の追い込み――」バッ
66: 2020/11/18(水) 23:51:28.966 ID:4pIkYXaE0
魔法使い「炎よ、大地で燃え盛れ! ――“大火炎陣”!」
ゴォワァァァァァッ!!!
「うぎゃあああっ!」 「あぢいいいいっ!」 「ぐわあああああっ!」
揺れる大地と、広がる炎のコンビネーション。
魔法使い「あーあ、よく焼けてやがる。ま、おかげでもう黒いローブ着なくてもいいだろ」
魔法使い「俺と番長の“合体魔法(ガタマホ)”ってやつだ」
番長「俺の魔法が通用した……!」
召喚士「かなりの人数を倒せましたね!」
友人(これだ……!)
友人(こいつの一番恐ろしいのは魔力や炎魔法なんかじゃなく、この圧倒的喧嘩センスなんだ……!)
ゴォワァァァァァッ!!!
「うぎゃあああっ!」 「あぢいいいいっ!」 「ぐわあああああっ!」
揺れる大地と、広がる炎のコンビネーション。
魔法使い「あーあ、よく焼けてやがる。ま、おかげでもう黒いローブ着なくてもいいだろ」
魔法使い「俺と番長の“合体魔法(ガタマホ)”ってやつだ」
番長「俺の魔法が通用した……!」
召喚士「かなりの人数を倒せましたね!」
友人(これだ……!)
友人(こいつの一番恐ろしいのは魔力や炎魔法なんかじゃなく、この圧倒的喧嘩センスなんだ……!)
68: 2020/11/18(水) 23:54:25.193 ID:4pIkYXaE0
青年「開戦(ハジ)まったな……どうなってる?」
闇魔術師「かなりイキがいいのがいるようです」
闇魔術師「特にあの炎魔法(ホノオ)使う奴……デキる」
青年「ま、喧嘩がどう転ぼうが、すでに“策”は打ってる。俺たちが負けるこたァありえねーよ」
青年「そう思うだろ、ハニー?」
女魔道士「…………!」
青年「おっと、沈黙(ダマ)らせてたんだっけな」
青年「お前にゃ特等席で奴らが廃棄物(スクラップ)になるザマを拝ませてやるよ」
青年「その後は沈黙してた分、たっぷりあえがせてやンぜ? ギャハハハハハッ!」
女魔道士(みんな……負けないで!)
闇魔術師「かなりイキがいいのがいるようです」
闇魔術師「特にあの炎魔法(ホノオ)使う奴……デキる」
青年「ま、喧嘩がどう転ぼうが、すでに“策”は打ってる。俺たちが負けるこたァありえねーよ」
青年「そう思うだろ、ハニー?」
女魔道士「…………!」
青年「おっと、沈黙(ダマ)らせてたんだっけな」
青年「お前にゃ特等席で奴らが廃棄物(スクラップ)になるザマを拝ませてやるよ」
青年「その後は沈黙してた分、たっぷりあえがせてやンぜ? ギャハハハハハッ!」
女魔道士(みんな……負けないで!)
70: 2020/11/18(水) 23:57:13.362 ID:4pIkYXaE0
黒装束A「オラオラァ! 俺の魔法を喰らいやがれェ!」
ボワァッ!
友人「こんなチンケな炎じゃ、俺をローストにゃできねえぜ~」
黒装束A「ちっ、魔法防御(マボウ)が高え!」
友人「俺の得意魔法を教えてやろうか……」
友人「我が魔力よ、敵の自由を奪え」ズオオオオ…
黒装束A「!?」ビクビクッ
黒装束A「か、体が麻痺……して……」ドサッ…
友人「状態異常(ジョーイジョ)よ」
友人「毒・麻痺・睡眠・混乱、よりどりみどり! イカれてー奴からかかってきなァ!」
ボワァッ!
友人「こんなチンケな炎じゃ、俺をローストにゃできねえぜ~」
黒装束A「ちっ、魔法防御(マボウ)が高え!」
友人「俺の得意魔法を教えてやろうか……」
友人「我が魔力よ、敵の自由を奪え」ズオオオオ…
黒装束A「!?」ビクビクッ
黒装束A「か、体が麻痺……して……」ドサッ…
友人「状態異常(ジョーイジョ)よ」
友人「毒・麻痺・睡眠・混乱、よりどりみどり! イカれてー奴からかかってきなァ!」
71: 2020/11/18(水) 23:59:24.445 ID:4pIkYXaE0
囲まれる召喚士。
「召喚士なんて珍しいと思ったら、こいつスライムしか出せないぜ!」
「なら怖くねえ!」
「魔法でフクロにしてやれ!」
召喚士「ううっ……」
召喚士(ボクは……スライムしか召喚できないせいで、イジメられてた……だけど……)
魔法使い『いーじゃねえか、スライムしか出せなくて! あれこれ出せるよりむしろカッケェぜ!』
魔法使い『いっそ極めちまえよ! “スライム召喚”をよ……?』
召喚士(魔法使いさんだけはボクを褒めてくれた……認めてくれた!)
召喚士(クラスメイトを病院送りにして停学になったのも、ボクを助けたからなんだ……!)
「召喚士なんて珍しいと思ったら、こいつスライムしか出せないぜ!」
「なら怖くねえ!」
「魔法でフクロにしてやれ!」
召喚士「ううっ……」
召喚士(ボクは……スライムしか召喚できないせいで、イジメられてた……だけど……)
魔法使い『いーじゃねえか、スライムしか出せなくて! あれこれ出せるよりむしろカッケェぜ!』
魔法使い『いっそ極めちまえよ! “スライム召喚”をよ……?』
召喚士(魔法使いさんだけはボクを褒めてくれた……認めてくれた!)
召喚士(クラスメイトを病院送りにして停学になったのも、ボクを助けたからなんだ……!)
72: 2020/11/19(木) 00:03:11.298 ID:OYH1Kx2N0
召喚士(だから、絶対役に立ってみせる!)
召喚士「スライム地獄ッ!!!」
ポポポポポポーンッ!
大量のスライムが飛び出してきて――
「うおおおっ!?」
「なんだこりゃあっ!?」
「潰されるぞォ!」
ズシンッ!
召喚士「スライムを……舐めんなよ!」ビシッ
召喚士(なーんて、アハハ……)
召喚士「スライム地獄ッ!!!」
ポポポポポポーンッ!
大量のスライムが飛び出してきて――
「うおおおっ!?」
「なんだこりゃあっ!?」
「潰されるぞォ!」
ズシンッ!
召喚士「スライムを……舐めんなよ!」ビシッ
召喚士(なーんて、アハハ……)
73: 2020/11/19(木) 00:06:22.190 ID:OYH1Kx2N0
番長「大地よ、揺れろォォォ!」
グラグラグラグラグラ…
先輩A「氷よ!」パキィィィン…
先輩B「精霊よ!」ゴォォォォォッ
番長たちもどうにか奮戦する。そして――
魔法使い「うおおおおおおおっ!!!」
ボワァァァァァッ!!!
「あぢいいっ!」 「強すぎる!」 「誰かこいつ止めろォ!」
グラグラグラグラグラ…
先輩A「氷よ!」パキィィィン…
先輩B「精霊よ!」ゴォォォォォッ
番長たちもどうにか奮戦する。そして――
魔法使い「うおおおおおおおっ!!!」
ボワァァァァァッ!!!
「あぢいいっ!」 「強すぎる!」 「誰かこいつ止めろォ!」
74: 2020/11/19(木) 00:09:25.918 ID:OYH1Kx2N0
呪術師「どきな、おめえら」
魔法使い「!」
呪術師「こっからは通行止めだぜェ~? 呪い頃して――」
魔法使い「あいにく俺は――」
魔法使い「てめえらブッ潰してあいつを助け出すまで、ブレーキ知らずの超特急(ノンストップ)よ!」
魔法使い「炎よ、舞い踊れ!」
ゴォワァァァァァッ!
呪術師「ぐぎゃああああっ……!」
「ひええっ!」 「幹部の呪術師さんが……!」 「瞬殺ゥ!?」
魔法使い「!」
呪術師「こっからは通行止めだぜェ~? 呪い頃して――」
魔法使い「あいにく俺は――」
魔法使い「てめえらブッ潰してあいつを助け出すまで、ブレーキ知らずの超特急(ノンストップ)よ!」
魔法使い「炎よ、舞い踊れ!」
ゴォワァァァァァッ!
呪術師「ぐぎゃああああっ……!」
「ひええっ!」 「幹部の呪術師さんが……!」 「瞬殺ゥ!?」
75: 2020/11/19(木) 00:14:27.067 ID:OYH1Kx2N0
ワーワー… ワーワー…
闇魔術師「ちっ、まさかここまでたどり着くとはな……」
魔法使い「俺の仲間(ツレ)はてめえらの手下どもと違って頼りになるんでな」
魔法使い「見たところ、てめえがアタマか」
青年「ああ。そういやオメーとは一度会ってんな」
魔法使い「あん時のシャバ僧がまさか、こんな下衆軍団のアタマたァな。人は見かけによらねえもんだ」
青年「俺ァ、あまり目立ちたくないタチなんでね」
魔法使い「素直に“怖いからコソコソ動くのが好きです”っていえよ、臆病者(チキン)ちゃん」
青年「あァ?」
魔法使い「火で揚げたら、煮ても焼いても食えねえ“フライドチキン”になりそうだぜ」
青年「てめえ……!」ビキッ
魔法使い「ほれ、一対一(タイマン)といこうじゃねーか」
闇魔術師「ちっ、まさかここまでたどり着くとはな……」
魔法使い「俺の仲間(ツレ)はてめえらの手下どもと違って頼りになるんでな」
魔法使い「見たところ、てめえがアタマか」
青年「ああ。そういやオメーとは一度会ってんな」
魔法使い「あん時のシャバ僧がまさか、こんな下衆軍団のアタマたァな。人は見かけによらねえもんだ」
青年「俺ァ、あまり目立ちたくないタチなんでね」
魔法使い「素直に“怖いからコソコソ動くのが好きです”っていえよ、臆病者(チキン)ちゃん」
青年「あァ?」
魔法使い「火で揚げたら、煮ても焼いても食えねえ“フライドチキン”になりそうだぜ」
青年「てめえ……!」ビキッ
魔法使い「ほれ、一対一(タイマン)といこうじゃねーか」
76: 2020/11/19(木) 00:17:19.471 ID:OYH1Kx2N0
闇魔術師「待てや」
魔法使い「あ?」
闇魔術師「俺をシカトしてんじゃねーぞ?」
魔法使い「二番手(オマケ)に用はねえ。俺ァオマケは捨てて、菓子だけ食うタイプなんでな」シッシッ
闇魔術師「てめえ……消滅(ケ)す! ――闇よ!」
魔法使い「炎よ!」
ズゴゴゴゴゴゴゴ…
炎と闇が激突する。
闇魔術師「やるじゃ……ねーかよ!」
魔法使い「ちっ……!」
魔法使い「あ?」
闇魔術師「俺をシカトしてんじゃねーぞ?」
魔法使い「二番手(オマケ)に用はねえ。俺ァオマケは捨てて、菓子だけ食うタイプなんでな」シッシッ
闇魔術師「てめえ……消滅(ケ)す! ――闇よ!」
魔法使い「炎よ!」
ズゴゴゴゴゴゴゴ…
炎と闇が激突する。
闇魔術師「やるじゃ……ねーかよ!」
魔法使い「ちっ……!」
77: 2020/11/19(木) 00:20:07.811 ID:OYH1Kx2N0
闇魔術師「オラァッ! 怨霊よ、呑み込め!」ウオォォォォン
魔法使い「炎よ、焼き払えッ!」ボォォォォッ
激しい魔法合戦を繰り広げる。
青年「へぇ~、闇魔術師とあそこまでやるとはねえ……」ニヤニヤ
女魔道士「…………」
女魔道士(あの闇魔術師……このチームのNo.2だけあって相当強い!)
女魔道士(このままじゃ仮に闇魔術師を倒せても、こいつには……!)
すると――
魔法使い「炎よ、焼き払えッ!」ボォォォォッ
激しい魔法合戦を繰り広げる。
青年「へぇ~、闇魔術師とあそこまでやるとはねえ……」ニヤニヤ
女魔道士「…………」
女魔道士(あの闇魔術師……このチームのNo.2だけあって相当強い!)
女魔道士(このままじゃ仮に闇魔術師を倒せても、こいつには……!)
すると――
78: 2020/11/19(木) 00:22:16.927 ID:OYH1Kx2N0
友人「おーい!」タタタッ
召喚士「魔法使いさん!」タタタッ
魔法使い「お前ら……!」
友人「闇野郎の相手は俺らに任せろ!」
魔法使い「まだ敵は残ってるだろうに、どうやってここまで――」
友人「見ろ!」
召喚士「魔法使いさん!」タタタッ
魔法使い「お前ら……!」
友人「闇野郎の相手は俺らに任せろ!」
魔法使い「まだ敵は残ってるだろうに、どうやってここまで――」
友人「見ろ!」
79: 2020/11/19(木) 00:25:14.193 ID:OYH1Kx2N0
ワァァァ……! ワァァァ……!
番長「みんな、来てくれたか……!」
友人「町の虐げられてたアウトロー達が、駆けつけてくれたんだ! これで人数もいい勝負になった!」
召喚士「こいつはボクたち二人で倒します!」
魔法使い「……ありがとよ」ダッ
闇魔術師「ちっ!」
友人「さぁ~て、ちょっくら魔法指南してくれや?」
召喚士「勝負だ!」
闇魔術師「ゴミどもがァ……! 酒のツマミになれや……!」ビキッ
番長「みんな、来てくれたか……!」
友人「町の虐げられてたアウトロー達が、駆けつけてくれたんだ! これで人数もいい勝負になった!」
召喚士「こいつはボクたち二人で倒します!」
魔法使い「……ありがとよ」ダッ
闇魔術師「ちっ!」
友人「さぁ~て、ちょっくら魔法指南してくれや?」
召喚士「勝負だ!」
闇魔術師「ゴミどもがァ……! 酒のツマミになれや……!」ビキッ
80: 2020/11/19(木) 00:28:14.344 ID:OYH1Kx2N0
魔法使いと“堕悪冥慈”ヘッドである青年が向かい合う。
魔法使い「待ってろよ。すぐこいつブッ倒すからな」
女魔道士「…………」コクッ
魔法使い「やり合う前に聞きてえことがある……イケメンやったのはテメーか?」
青年「ああ、あいつか……。かっこつけて俺にかかってきたが、ボコにしてやったぜ。まだ生きてんの?」
魔法使い「イケメンはてめえ如きに殺られるほどヤワじゃねーよ」
魔法使い「ただ……半頃しには“全頃し”で返すのが俺の主義でよォ……」
魔法使い「てめえは配達(デリバリー)してやる……地獄(ヘル)になァ!」
青年「そりゃこっちの台詞だ! 墓地(カタコンベ)送りにしてやんよォ!」
魔法使い「待ってろよ。すぐこいつブッ倒すからな」
女魔道士「…………」コクッ
魔法使い「やり合う前に聞きてえことがある……イケメンやったのはテメーか?」
青年「ああ、あいつか……。かっこつけて俺にかかってきたが、ボコにしてやったぜ。まだ生きてんの?」
魔法使い「イケメンはてめえ如きに殺られるほどヤワじゃねーよ」
魔法使い「ただ……半頃しには“全頃し”で返すのが俺の主義でよォ……」
魔法使い「てめえは配達(デリバリー)してやる……地獄(ヘル)になァ!」
青年「そりゃこっちの台詞だ! 墓地(カタコンベ)送りにしてやんよォ!」
81: 2020/11/19(木) 00:30:40.372 ID:OYH1Kx2N0
青年「光の矢よ! 敵を貫けぇ!」
ズドドドドドッ!
魔法使い「炎の壁よォ!」ボワッ
青年「ちっ!」
魔法使い「燃え上がれ、炎!」ゴォワァァァァッ
青年「光よ、炎を遮断しろ!」パァァァァ…
魔法使い(コイツ……クチだけじゃねえ!)
青年(やるじゃあねーか……!)
ズドドドドドッ!
魔法使い「炎の壁よォ!」ボワッ
青年「ちっ!」
魔法使い「燃え上がれ、炎!」ゴォワァァァァッ
青年「光よ、炎を遮断しろ!」パァァァァ…
魔法使い(コイツ……クチだけじゃねえ!)
青年(やるじゃあねーか……!)
82: 2020/11/19(木) 00:33:35.739 ID:OYH1Kx2N0
魔法使い「しっかし、妙なハナシもあったもんだ」
魔法使い「“堕悪冥慈(ダークメイジ)”……闇の魔法使いってチームのアタマの得意魔法が」
魔法使い「まさか、光魔法(ヒカリモノ)だとはよ。ヤミヤミ詐欺じゃねーかよ」
青年「当然だ」
青年「なぜなら……光が強烈であればあるほど、闇っつーのは濃くなる」
青年「ただし、その闇の中で苦しみもがくのは、てめえらみたいな弱者(カス)よ!」
青年「カスどもを生贄にして、俺はさらにさらに光り輝くんだ……!」パァァァ…
魔法使い「そうかいそうかい……だったら俺は――」
魔法使い「てめえを真(マジモン)の闇に叩き込んでやンよォ!!!」
魔法使い「“堕悪冥慈(ダークメイジ)”……闇の魔法使いってチームのアタマの得意魔法が」
魔法使い「まさか、光魔法(ヒカリモノ)だとはよ。ヤミヤミ詐欺じゃねーかよ」
青年「当然だ」
青年「なぜなら……光が強烈であればあるほど、闇っつーのは濃くなる」
青年「ただし、その闇の中で苦しみもがくのは、てめえらみたいな弱者(カス)よ!」
青年「カスどもを生贄にして、俺はさらにさらに光り輝くんだ……!」パァァァ…
魔法使い「そうかいそうかい……だったら俺は――」
魔法使い「てめえを真(マジモン)の闇に叩き込んでやンよォ!!!」
83: 2020/11/19(木) 00:36:08.737 ID:OYH1Kx2N0
青年「光の球よォ!」
ドゴォォォォォン!
魔法使い「火球連射ァ!」
ボワワワワッ!
わずかに魔法使いが押す。
青年「……ぐっ!」
魔法使い「オラオラァ! 焼き尽くしてやんよ!」
青年「…………」ニヤ…
青年(バカが、テメーは負けるんだよ。あのイケメンと同じやられ方でなァ!)
青年「“閃光”!!!」
カッ!!!
青年が強烈な光を放出する。
ドゴォォォォォン!
魔法使い「火球連射ァ!」
ボワワワワッ!
わずかに魔法使いが押す。
青年「……ぐっ!」
魔法使い「オラオラァ! 焼き尽くしてやんよ!」
青年「…………」ニヤ…
青年(バカが、テメーは負けるんだよ。あのイケメンと同じやられ方でなァ!)
青年「“閃光”!!!」
カッ!!!
青年が強烈な光を放出する。
84: 2020/11/19(木) 00:39:48.655 ID:OYH1Kx2N0
青年「これでてめえの目は――」
ボワァッ!
青年「あぐっ……!?」
魔法使い「なるほどなるほど、今のがイケメンをボコにしたカラクリってわけかい」ボボボ…
魔法使い「強烈な光で目潰ししてボコる……臆病者(チキン)の好きそうな戦術(ヤリクチ)だぜ」
青年(目の周囲を炎で覆って……!? コイツ、読んでやがった!)
魔法使い「あいにくだがよ、そういう魔法はイケメンみてーな素直ないい奴にしか通用しねえ」
魔法使い「俺みてーな薄汚ねえひねくれモンにゃ効かねーのよ! オラァッ!」
ボワァァァッ!
青年「ぐおおおおっ……!」
魔法使い「テメーの“閃光”に比べりゃ、ウチの“先公”のがよっぽど怖えぜ!」
ボワァッ!
青年「あぐっ……!?」
魔法使い「なるほどなるほど、今のがイケメンをボコにしたカラクリってわけかい」ボボボ…
魔法使い「強烈な光で目潰ししてボコる……臆病者(チキン)の好きそうな戦術(ヤリクチ)だぜ」
青年(目の周囲を炎で覆って……!? コイツ、読んでやがった!)
魔法使い「あいにくだがよ、そういう魔法はイケメンみてーな素直ないい奴にしか通用しねえ」
魔法使い「俺みてーな薄汚ねえひねくれモンにゃ効かねーのよ! オラァッ!」
ボワァァァッ!
青年「ぐおおおおっ……!」
魔法使い「テメーの“閃光”に比べりゃ、ウチの“先公”のがよっぽど怖えぜ!」
85: 2020/11/19(木) 00:42:30.461 ID:OYH1Kx2N0
魔法使い「こっからは無詠唱(ダンマリ)での魔法喧嘩(マホゴロ)といこうやァ!」
魔法使い「オラァァァァァッ!!!」ゴォォォ…
ボボボボボボワァッ!
青年「くそぉぉぉぉぉぉ!!!」パァァァ…
ズドドドドドドッ!
壮絶な魔法の撃ち合い。
女魔道士(どっちも引かない……! 魔法学校でも見れないような凄まじい魔法合戦だわ!)
女魔道士(だけど――)
魔法使い「オラァァァァァッ!!!」ゴォォォ…
ボボボボボボワァッ!
青年「くそぉぉぉぉぉぉ!!!」パァァァ…
ズドドドドドドッ!
壮絶な魔法の撃ち合い。
女魔道士(どっちも引かない……! 魔法学校でも見れないような凄まじい魔法合戦だわ!)
女魔道士(だけど――)
86: 2020/11/19(木) 00:45:13.133 ID:OYH1Kx2N0
……
友人「ク、クソがッ……! 状態異常が闇オーラではね返されちまう!」
召喚士「スライムが通じない……!」
闇魔術師「俺は“堕悪冥慈”のNo.2! テメーら如き雑魚(パンピー)に狩られるほど安い首じゃねーのよ!」
闇魔術師「とっととトドメ刺して、向こうに加勢しねーと」
ビュオオオオオオッ!
闇魔術師「ぐおおおっ!?」ズバババッ
闇魔術師「これは……風魔法(カゼ)!?」
友人「この風はまさか――」
イケメン「……やぁ」ニコッ
友人「イケメン!?」
友人「ク、クソがッ……! 状態異常が闇オーラではね返されちまう!」
召喚士「スライムが通じない……!」
闇魔術師「俺は“堕悪冥慈”のNo.2! テメーら如き雑魚(パンピー)に狩られるほど安い首じゃねーのよ!」
闇魔術師「とっととトドメ刺して、向こうに加勢しねーと」
ビュオオオオオオッ!
闇魔術師「ぐおおおっ!?」ズバババッ
闇魔術師「これは……風魔法(カゼ)!?」
友人「この風はまさか――」
イケメン「……やぁ」ニコッ
友人「イケメン!?」
88: 2020/11/19(木) 00:49:02.187 ID:OYH1Kx2N0
友人「お前、大丈夫なのかよ!? あんだけやられてたのに……」
イケメン「全快とはいえないけどね……ある人が回復魔法で応急処置してくれたんだ」
イケメン「ボクの“戦いたい”ってワガママを……叶えてくれたんだ」
召喚士「ある人って?」
イケメン「それは……当人の希望で内緒」
闇魔術師「ケッ、氏に損ないかよ……!」
闇魔術師「せっかく助かった命をわざわざ捨てに来たかよ! だったら棺桶(ゴミバコ)にブチ込んでやんよ!?」
闇魔術師「闇よ……大いなる闇よ。我が敵を黒い霧で呑み込み――」
イケメン「…………」
イケメン「全快とはいえないけどね……ある人が回復魔法で応急処置してくれたんだ」
イケメン「ボクの“戦いたい”ってワガママを……叶えてくれたんだ」
召喚士「ある人って?」
イケメン「それは……当人の希望で内緒」
闇魔術師「ケッ、氏に損ないかよ……!」
闇魔術師「せっかく助かった命をわざわざ捨てに来たかよ! だったら棺桶(ゴミバコ)にブチ込んでやんよ!?」
闇魔術師「闇よ……大いなる闇よ。我が敵を黒い霧で呑み込み――」
イケメン「…………」
89: 2020/11/19(木) 00:51:51.862 ID:OYH1Kx2N0
イケメン「パーンチ!」
バキッ!
闇魔術師「あぐっ!? て、てめえ! 詠唱中に――」
イケメン「おや? 喧嘩慣れしてるだろうに、こんな手に引っかかっちゃうんだね」
イケメン「君こそいわゆる“パンピー”ってやつじゃないのかい?」
闇魔術師「…………」ビキッ
闇魔術師「ガキがァァァァァッ!!!」ズオオオオオッ
闇の魔力で押し潰しにかかる。
イケメン「竜巻よ!」ビュオオオオオオッ
イケメン「ぐうっ……!」
闇魔術師「怪我人に負けっかよ! ブッ潰れろやァァァァァ!!!」
バキッ!
闇魔術師「あぐっ!? て、てめえ! 詠唱中に――」
イケメン「おや? 喧嘩慣れしてるだろうに、こんな手に引っかかっちゃうんだね」
イケメン「君こそいわゆる“パンピー”ってやつじゃないのかい?」
闇魔術師「…………」ビキッ
闇魔術師「ガキがァァァァァッ!!!」ズオオオオオッ
闇の魔力で押し潰しにかかる。
イケメン「竜巻よ!」ビュオオオオオオッ
イケメン「ぐうっ……!」
闇魔術師「怪我人に負けっかよ! ブッ潰れろやァァァァァ!!!」
90: 2020/11/19(木) 00:54:44.207 ID:OYH1Kx2N0
闇魔術師「!?」ビクッ
闇魔術師(腕が……麻痺して……!)
スライム「ピィーッ!」ドカッ
闇魔術師「ぐわっ!」
友人「俺らのこと、忘れてんじゃねーよ。浮気は身を滅ぼすぜ……」
闇魔術師(し、しまっ――)
イケメン「悪しき者を切り裂け!!!」
ビュオオオオオオオオオオオッ!!!
闇魔術師「ぎやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ズババババッ
竜巻に切り刻まれ、ついに崩れ落ちる。
イケメン「はぁ、はぁ、はぁ……」
友人「へへ……やったな、イケメン!」
召喚士「大勝利……です!」
イケメン「うん……二人とも、ありがとう……」
闇魔術師(腕が……麻痺して……!)
スライム「ピィーッ!」ドカッ
闇魔術師「ぐわっ!」
友人「俺らのこと、忘れてんじゃねーよ。浮気は身を滅ぼすぜ……」
闇魔術師(し、しまっ――)
イケメン「悪しき者を切り裂け!!!」
ビュオオオオオオオオオオオッ!!!
闇魔術師「ぎやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ズババババッ
竜巻に切り刻まれ、ついに崩れ落ちる。
イケメン「はぁ、はぁ、はぁ……」
友人「へへ……やったな、イケメン!」
召喚士「大勝利……です!」
イケメン「うん……二人とも、ありがとう……」
92: 2020/11/19(木) 00:57:41.599 ID:OYH1Kx2N0
魔法使いvs青年――
魔法使い「ぜはっ、ぜはっ……」
青年「どうやら、魔力(マリキ)が尽きてきたみてーだなァ」
青年「当然だわな。俺とヤるまでに、散々手下どもと戦ったんだからな。これが頭脳プレーってやつよ」
魔法使い「脳みそねえ奴が、“頭脳”だとか吹いてんじゃねーよ。吹き出しそうになるわ」
青年「イキがんな! こっからは俺の番(ターン)だぜぇ!」パァァァ…
ズガァンッ! ドゴォンッ! バゴォンッ!
魔法使い「ぐはっ……!」
女魔道士(沈黙させられてなきゃ、回復してあげることもできるのに……)
女魔道士(みんなが必氏に戦ってるのに、私にはどうすることもできないの……?)
女魔道士(いえ、私にもできることはあるはず!)
魔法使い「ぜはっ、ぜはっ……」
青年「どうやら、魔力(マリキ)が尽きてきたみてーだなァ」
青年「当然だわな。俺とヤるまでに、散々手下どもと戦ったんだからな。これが頭脳プレーってやつよ」
魔法使い「脳みそねえ奴が、“頭脳”だとか吹いてんじゃねーよ。吹き出しそうになるわ」
青年「イキがんな! こっからは俺の番(ターン)だぜぇ!」パァァァ…
ズガァンッ! ドゴォンッ! バゴォンッ!
魔法使い「ぐはっ……!」
女魔道士(沈黙させられてなきゃ、回復してあげることもできるのに……)
女魔道士(みんなが必氏に戦ってるのに、私にはどうすることもできないの……?)
女魔道士(いえ、私にもできることはあるはず!)
93: 2020/11/19(木) 01:00:09.224 ID:OYH1Kx2N0
青年「光の矢よォ!」
グサッ!
足に光の矢が突き刺さる。
魔法使い「ぐあああっ……!」
魔法使い(クソが……こんな奴に、こんな奴に負けたくねえ……! だが、もう力が――)
女魔道士「…………」
魔法使い(え?)
女魔道士「…………」チュパッ
言葉と魔法を封じられた女魔道士にできる精一杯の応援――
それは投げキッスであった。
魔法使い「!!!」
魔法使い「うおおおおおおおおっ!!!」ガバッ
青年「ハァ!?」
グサッ!
足に光の矢が突き刺さる。
魔法使い「ぐあああっ……!」
魔法使い(クソが……こんな奴に、こんな奴に負けたくねえ……! だが、もう力が――)
女魔道士「…………」
魔法使い(え?)
女魔道士「…………」チュパッ
言葉と魔法を封じられた女魔道士にできる精一杯の応援――
それは投げキッスであった。
魔法使い「!!!」
魔法使い「うおおおおおおおおっ!!!」ガバッ
青年「ハァ!?」
94: 2020/11/19(木) 01:03:31.003 ID:OYH1Kx2N0
魔法使い「すっかり……回復したぜ」シャキーンッ
青年「虚勢(ハッタリ)かましてンじゃねーぞ、ボケがァ!」
魔法使い「かもな……だが、仲間のために、女のためにここぞって時に力出せねえ奴は……男じゃねえ!」
魔法使い「全身全霊で、最後の魔力(マリキ)を……絞り出す!」
青年「やってみろ! だったらその体も魂も消し飛ばしてやんよォ!」
青年「聖なる光よ! あのクソ野郎を浄化しろやァァァァァ!」
ブアアアアアアアッ……!
凶悪チームの頭(ヘッド)に似つかわしくない高等光魔法。
魔法使い「灼熱の業火よ!」
魔法使い「あんのクズ野郎を燃やしまくっちまえやァァァァァ!」
ゴォワァァァァァッ!
青年「虚勢(ハッタリ)かましてンじゃねーぞ、ボケがァ!」
魔法使い「かもな……だが、仲間のために、女のためにここぞって時に力出せねえ奴は……男じゃねえ!」
魔法使い「全身全霊で、最後の魔力(マリキ)を……絞り出す!」
青年「やってみろ! だったらその体も魂も消し飛ばしてやんよォ!」
青年「聖なる光よ! あのクソ野郎を浄化しろやァァァァァ!」
ブアアアアアアアッ……!
凶悪チームの頭(ヘッド)に似つかわしくない高等光魔法。
魔法使い「灼熱の業火よ!」
魔法使い「あんのクズ野郎を燃やしまくっちまえやァァァァァ!」
ゴォワァァァァァッ!
95: 2020/11/19(木) 01:06:23.731 ID:OYH1Kx2N0
二つの大魔法が最後の激突をする。
グゴゴゴゴゴゴ…
魔法使い「ぐううっ……!」
青年(やっぱ俺のが魔力(マリキ)が残ってる! 勝てるッ!)
魔法使い(みんな……)
魔法使い(友人、召喚士、イケメン、番長、先輩たち――女魔道士……!)
魔法使い(俺に力を――!)
女魔道士「ファイトーッ!」
魔法使い「燃え上がれ、俺の魔力ッ!!!」
グオォワァァァァァァッ!!!
青年「――――ッ!?」
グゴゴゴゴゴゴ…
魔法使い「ぐううっ……!」
青年(やっぱ俺のが魔力(マリキ)が残ってる! 勝てるッ!)
魔法使い(みんな……)
魔法使い(友人、召喚士、イケメン、番長、先輩たち――女魔道士……!)
魔法使い(俺に力を――!)
女魔道士「ファイトーッ!」
魔法使い「燃え上がれ、俺の魔力ッ!!!」
グオォワァァァァァァッ!!!
青年「――――ッ!?」
96: 2020/11/19(木) 01:08:33.478 ID:OYH1Kx2N0
ゴォワァァァァァッ!!!
青年「あ、あづっ!」
青年「ざけんな! なんで俺が押され――」
青年「炎が……炎が……こっちに……ヒィィィッ!」
青年「うあああああっ……!!!」
………………
…………
……
青年「あ、あづっ!」
青年「ざけんな! なんで俺が押され――」
青年「炎が……炎が……こっちに……ヒィィィッ!」
青年「うあああああっ……!!!」
………………
…………
……
97: 2020/11/19(木) 01:12:30.494 ID:OYH1Kx2N0
魔法使い「はぁ、はぁ、はぁ……」ドサッ
女魔道士「魔法使い!」
魔法使い「へ、へへ……自力で沈黙(サイレス)破るたァ……大した女だ」
友人「やったな、オイ!」
召喚士「すごいです!」
魔法使い「お前ら……生きてたか。お互いあの世から嫌われてんな」
イケメン「君には……負けたよ。敵わないや」
魔法使い「いや……お前こそよく駆けつけてくれたな。ツラいい上に根性あるなんて反則だぜ」
友人「お前が勝ったおかげで番長たちも優勢になってるし、この抗争は俺たちの――」
青年「…………」ピクッ
女魔道士「魔法使い!」
魔法使い「へ、へへ……自力で沈黙(サイレス)破るたァ……大した女だ」
友人「やったな、オイ!」
召喚士「すごいです!」
魔法使い「お前ら……生きてたか。お互いあの世から嫌われてんな」
イケメン「君には……負けたよ。敵わないや」
魔法使い「いや……お前こそよく駆けつけてくれたな。ツラいい上に根性あるなんて反則だぜ」
友人「お前が勝ったおかげで番長たちも優勢になってるし、この抗争は俺たちの――」
青年「…………」ピクッ
98: 2020/11/19(木) 01:15:29.928 ID:OYH1Kx2N0
青年「バカがァァァァァッ!」ガバッ
魔法使い「!?」
友人「まだ動けるのか!」
青年「ギャハハハ……最初からてめえらに勝ち目はねえんだよォ!」
青年「俺の大魔法は、援軍を呼ぶ合図でもあってな……すぐに別働隊がここに来るぜ!」
青年「ボロボロのてめえらを皆頃しになァ!」
魔法使い「ぐっ……!」
友人「マジかよ……!」
青年「だからいったろォ! これが頭脳プレーなんだよォ!」
別働隊「青年さん……」ザッ
青年「ほら、噂をすりゃ一人目が来たぜェ!」
魔法使い「!?」
友人「まだ動けるのか!」
青年「ギャハハハ……最初からてめえらに勝ち目はねえんだよォ!」
青年「俺の大魔法は、援軍を呼ぶ合図でもあってな……すぐに別働隊がここに来るぜ!」
青年「ボロボロのてめえらを皆頃しになァ!」
魔法使い「ぐっ……!」
友人「マジかよ……!」
青年「だからいったろォ! これが頭脳プレーなんだよォ!」
別働隊「青年さん……」ザッ
青年「ほら、噂をすりゃ一人目が来たぜェ!」
99: 2020/11/19(木) 01:19:05.027 ID:OYH1Kx2N0
別働隊「…………」ヨロッ…
青年「おい? どうした?」
別働隊「カミナリ怖い、カミナリ怖い……」
別働隊「俺たち……は……全滅……です……」ドシャッ…
青年「は……!?」
魔法使い(カミナリってまさか――)
イケメン(ボクを助けてくれただけじゃなく、ここにも来てくれたんだ……!)
女魔道士「もうあなたには、部下も、魔力も、切り札さえも残っていない」
女魔道士「あなたの……負けよ」
青年「あ、あうぅぅぅ……!」ガクッ
ついに青年は意気消沈し、敗北を認めた――
青年「おい? どうした?」
別働隊「カミナリ怖い、カミナリ怖い……」
別働隊「俺たち……は……全滅……です……」ドシャッ…
青年「は……!?」
魔法使い(カミナリってまさか――)
イケメン(ボクを助けてくれただけじゃなく、ここにも来てくれたんだ……!)
女魔道士「もうあなたには、部下も、魔力も、切り札さえも残っていない」
女魔道士「あなたの……負けよ」
青年「あ、あうぅぅぅ……!」ガクッ
ついに青年は意気消沈し、敗北を認めた――
100: 2020/11/19(木) 01:23:09.505 ID:OYH1Kx2N0
ヒュゥゥゥゥ…
賢者「ったく、現役を退いた身で、こんな暴れるはめになるとはな」
校長「久しぶりに見ましたねえ。あなたの本気の雷魔法(カミナリ)を」
賢者「校長! あなたも来てたのですか!」
校長「さすが、我が校の停学最多記録保持者……大したものです」
賢者「や、やめて下さいよ! 昔のことをほじくるのは!」
校長「ほっほっほ……」
賢者「しかし、今回私では“堕悪冥慈”を追い詰めても、きっと逃げられてしまったでしょう」
賢者「この喧嘩……紛れもなく“あいつら”の勝利です」
校長「ええ、町や学校のためでもありますし、今回の喧嘩は……不問としましょう」
校長「憲兵には“堕悪冥慈”だけを逮捕するよう、手を回しておきます」
賢者「ありがとうございます」
賢者「ったく、現役を退いた身で、こんな暴れるはめになるとはな」
校長「久しぶりに見ましたねえ。あなたの本気の雷魔法(カミナリ)を」
賢者「校長! あなたも来てたのですか!」
校長「さすが、我が校の停学最多記録保持者……大したものです」
賢者「や、やめて下さいよ! 昔のことをほじくるのは!」
校長「ほっほっほ……」
賢者「しかし、今回私では“堕悪冥慈”を追い詰めても、きっと逃げられてしまったでしょう」
賢者「この喧嘩……紛れもなく“あいつら”の勝利です」
校長「ええ、町や学校のためでもありますし、今回の喧嘩は……不問としましょう」
校長「憲兵には“堕悪冥慈”だけを逮捕するよう、手を回しておきます」
賢者「ありがとうございます」
102: 2020/11/19(木) 01:26:20.960 ID:OYH1Kx2N0
……
女魔道士「恵みの雨よ! 我が味方に大いなる癒やしを!」
ザァァァァァァ…
パァァァァァァ…
魔法使いを始めとした仲間たちが癒やされる。
友人「気持ちいい~!」
召喚士「水泳後のシャワーって感じですね!」
イケメン「水魔法に関しては、女魔道士さんの右に出る人はいないね」
番長「うおおおおおっ! 今からもう一戦だってやれるぜ!」
魔法使い「んじゃ、俺とやるか? リベンジしてえだろ?」
番長「……やめときます」
アハハハハハ…
女魔道士「恵みの雨よ! 我が味方に大いなる癒やしを!」
ザァァァァァァ…
パァァァァァァ…
魔法使いを始めとした仲間たちが癒やされる。
友人「気持ちいい~!」
召喚士「水泳後のシャワーって感じですね!」
イケメン「水魔法に関しては、女魔道士さんの右に出る人はいないね」
番長「うおおおおおっ! 今からもう一戦だってやれるぜ!」
魔法使い「んじゃ、俺とやるか? リベンジしてえだろ?」
番長「……やめときます」
アハハハハハ…
103: 2020/11/19(木) 01:28:28.794 ID:OYH1Kx2N0
友人「じゃ、ここらでビッと決めてくれよ」
魔法使い「あん? こういうのは番長が……」
番長「いや……お前がやってくれ。アタマ倒したのはお前なんだからよ」
戦ってくれた町のアウトロー達もうなずく。
魔法使い「分かった……」
魔法使い「みんな……この戦いは俺たちの勝利だァァァァァッ!!!」
ウオオオオオオオオオッ!!!
魔法使い「あん? こういうのは番長が……」
番長「いや……お前がやってくれ。アタマ倒したのはお前なんだからよ」
戦ってくれた町のアウトロー達もうなずく。
魔法使い「分かった……」
魔法使い「みんな……この戦いは俺たちの勝利だァァァァァッ!!!」
ウオオオオオオオオオッ!!!
104: 2020/11/19(木) 01:32:26.316 ID:OYH1Kx2N0
……
魔法使い「女魔道士よォ」
女魔道士「ん?」
魔法使い「今回お前と喧嘩して、さらわれて……俺はお前の大切さがよく分かった」
魔法使い「だから……だから……」
魔法使い「俺の女になってくれねえか。俺はもう二度とお前を離したくねえ」
女魔道士「…………」
女魔道士「うん、いいよ」
魔法使い「んじゃ、改めてよろしくな」
イケメン「女魔道士さん……お幸せに……!」グスッ
友人「泣くな、イケメンよ」
召喚士「ヤケジュースなら付き合いますよ!」
魔法使い「女魔道士よォ」
女魔道士「ん?」
魔法使い「今回お前と喧嘩して、さらわれて……俺はお前の大切さがよく分かった」
魔法使い「だから……だから……」
魔法使い「俺の女になってくれねえか。俺はもう二度とお前を離したくねえ」
女魔道士「…………」
女魔道士「うん、いいよ」
魔法使い「んじゃ、改めてよろしくな」
イケメン「女魔道士さん……お幸せに……!」グスッ
友人「泣くな、イケメンよ」
召喚士「ヤケジュースなら付き合いますよ!」
105: 2020/11/19(木) 01:35:15.373 ID:OYH1Kx2N0
魔法使い「それと俺……もう少し真面目になるよ」
魔法使い「一番(テッペン)取る、BIGになるといいつつ、好き勝手に暴れてるだけじゃ……」
魔法使い「誰もついてこねェし、堕悪冥慈(アイツラ)と一緒になっちゃうもんな」
魔法使い「俺はみんなに慕われるやり方で、一番(テッペン)取ってみせるッ!」
女魔道士「うん、頑張って。きっとあんたなら出来るよ!」
魔法使い「サンキュー」
魔法使い「つーわけで、真面目になる記念に一服……」シュボッ
女魔道士「ダメーッ!」バシャッ
魔法使い「何しやがんだァ!」
女魔道士「何してるはこっちのセリフ!」
ギャーギャー… ハハハ…
賢者(あいつにはまだまだ手を焼かされそうだ……)
魔法使い「一番(テッペン)取る、BIGになるといいつつ、好き勝手に暴れてるだけじゃ……」
魔法使い「誰もついてこねェし、堕悪冥慈(アイツラ)と一緒になっちゃうもんな」
魔法使い「俺はみんなに慕われるやり方で、一番(テッペン)取ってみせるッ!」
女魔道士「うん、頑張って。きっとあんたなら出来るよ!」
魔法使い「サンキュー」
魔法使い「つーわけで、真面目になる記念に一服……」シュボッ
女魔道士「ダメーッ!」バシャッ
魔法使い「何しやがんだァ!」
女魔道士「何してるはこっちのセリフ!」
ギャーギャー… ハハハ…
賢者(あいつにはまだまだ手を焼かされそうだ……)
106: 2020/11/19(木) 01:39:03.692 ID:OYH1Kx2N0
……
― 魔法学校 ―
魔法使い「ちいーっす」ガラッ
女魔道士「みんな、おはよう!」
イケメン「おはよう」
召喚士「おはようございます!」
友人「ヒューヒュー、夫婦(ツガイ)で登校とはノロけてんねえ。そろそろコウノトリが来るんじゃね?」
魔法使い「茶化すんじゃねーよ」
女魔道士「もう……」ポッ
― 魔法学校 ―
魔法使い「ちいーっす」ガラッ
女魔道士「みんな、おはよう!」
イケメン「おはよう」
召喚士「おはようございます!」
友人「ヒューヒュー、夫婦(ツガイ)で登校とはノロけてんねえ。そろそろコウノトリが来るんじゃね?」
魔法使い「茶化すんじゃねーよ」
女魔道士「もう……」ポッ
107: 2020/11/19(木) 01:41:54.333 ID:OYH1Kx2N0
賢者「では、今日は魔法の歴史について……」カリカリ
魔法使い「…………」
賢者(真面目に授業を受けている……あの騒動で一皮むけたようだな、感心感心)
魔法使い「ウヒヒ……」
女魔道士「? 今の授業で笑うようなところあった?」チラッ
女魔道士(ゲ!?)
女魔道士「あんた、なんてもん読んでるのよ!」
魔法使い「うわっ!」ビクッ
バサッ…
魔法使いの落とした本には、色っぽい女が……。
魔法使い「…………」
賢者(真面目に授業を受けている……あの騒動で一皮むけたようだな、感心感心)
魔法使い「ウヒヒ……」
女魔道士「? 今の授業で笑うようなところあった?」チラッ
女魔道士(ゲ!?)
女魔道士「あんた、なんてもん読んでるのよ!」
魔法使い「うわっ!」ビクッ
バサッ…
魔法使いの落とした本には、色っぽい女が……。
108: 2020/11/19(木) 01:44:43.150 ID:OYH1Kx2N0
賢者「このバカモンがァ!!!」
ズガガァンッ!!!
魔法使い「ぎゃああああああああああっ!!!」
女魔道士「はぁ……頭痛くなってきた」
友人「こいつが真面目になるなんざ、そりゃ炎で水を凍らせるより無理ってもんよ」
召喚士「そうですよね」
イケメン「女魔道士さん……やっぱりボクと付き合いません?」
魔法使い「まだまだ一番(テッペン)への道は険しいぜ……」プスプス…
― 完 ―
ズガガァンッ!!!
魔法使い「ぎゃああああああああああっ!!!」
女魔道士「はぁ……頭痛くなってきた」
友人「こいつが真面目になるなんざ、そりゃ炎で水を凍らせるより無理ってもんよ」
召喚士「そうですよね」
イケメン「女魔道士さん……やっぱりボクと付き合いません?」
魔法使い「まだまだ一番(テッペン)への道は険しいぜ……」プスプス…
― 完 ―
109: 2020/11/19(木) 01:48:48.520
おつ
110: 2020/11/19(木) 01:51:08.227
乙
昔のマガジンのようなノリ
昔のマガジンのようなノリ
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります