1: 2012/07/22(日) 18:49:50.71 ID:Doaoauzx0
P「貴音、新しい仕事があるんだけどやってみるか?」

貴音「新しい……仕事、ですか?それはどのような内容なのですか?」

響「おお、おめでとう貴音!それってどんな仕事なんだ?」

P「ああ、芸能人おすすめの店の特集で今回はラーメンでな」

貴音「なんと!らぁめんですか!」

響「あはは、うちの事務所だと貴音向きだな、それは」

P「それでアンケート取って、選ばれれば本人がロケに行くらしい」

貴音「ほう……ということはらぁめんを食べれるかもしれないと」キリッ

3: 2012/07/22(日) 18:53:06.56 ID:Doaoauzx0
P「……おい、響。貴音のラーメンに対する情熱はどこから来るんだ?」

響「そんなの自分にわかるわけないぞ。貴音とは付き合い長いけど……」

P「貴音のプロデューサーとしては把握しておきたいが……無理だろうな」

響「貴音は変わってるからなぁ……聞いたところで理解できないと思うぞ?」

貴音「どのお店が良いのでしょうか……おすすめということですから妥協は出来ませんし」ブツブツ

P「うちの事務所は個性的なのが揃ってるからなぁ。まぁ、アイドルだから個性があって構わないんだけど」

響「なぁ、プロデューサー。自分はどんな個性があるんだ?」ワクワク

5: 2012/07/22(日) 18:56:21.40 ID:Doaoauzx0
P「………………動物?」

響「た、確かに動物関係の仕事が多いけど……それだけじゃないだろ?ほ、他には?」

P「…………」

響「…………」

貴音「やはりここは……いえ、あそこも捨てがたいですし……」ブツブツ

P「…………えっと」

響「…………」ジワッ

貴音「まだ見ぬらぁめんもあるかもしれませんし……」ブツブツ

P「…………うむ」

8: 2012/07/22(日) 19:00:34.10 ID:Doaoauzx0
響「うぎゃー!うむ、じゃないぞ!なんで動物しか出てこないんだ!」

P「じゃ、じゃあダンスが得意、とか?」

響「じゃあってなんだ!じゃあって!そもそも疑問系ってのもどういうことなんだ!」

貴音「やむを得ません……ここはひとつ……」

P「冗談だよ、冗談。ほら、泣いてないで機嫌直せ」ナデナデ

響「あう…………えへへ///」

貴音「あなた様、残念ながら今の私ではおすすめを決めることは出来ませんでした」

P「ん?まぁ、今月中に答えれば良いからそれまでに決めてくれ」ワシャワシャ

響「~~♪」

9: 2012/07/22(日) 19:03:18.05 ID:Doaoauzx0
貴音「いえ、そのようなことはできません。時間は有限なのですから今から取り掛からねば」

P「……これがラーメンのことでなければカッコいいんだけどな」ナデリナデリ

響「……………はふぅ」

貴音「いくつか絞ってみましたが、やはりここは食べ比べてみないと判断がつきません」

P「食べ比べ……だと?そこまでしなくても、その絞った店から適当に選べば良いだろ」

響「…………zzz」

貴音「適当に選ぶとは……それはらぁめんに対する侮辱ですよ、あなた様!」

P「えっ」

10: 2012/07/22(日) 19:07:43.06 ID:Doaoauzx0
貴音「らぁめんを食する者としてそのような妥協は許されません!」

P「は、はぁ」

貴音「良いですか?他人に薦めるということは薦めた本人も評価されるのと同意なのですよ?」

P「まぁ、番組を見て食べに行った人ならそうだろうな」

貴音「お薦めするからには自信を持って薦められるらぁめんでないとっ!」

P「は、はいっ!?」

貴音「という訳で、あなた様。食べ比べに行きますよ」

P「えっ?今からなのか?えっえっ?というか俺も行くのか?まだ書類のまとめが……」

12: 2012/07/22(日) 19:12:10.77 ID:Doaoauzx0
貴音「では、律子。私とプロデューサーはこれかららぁめんを食べに行って参ります」

律子「はいはい、気をつけてね…………って貴音!?」

貴音「さぁ、行きますよ!あなた様!」

P「お、おい!引っ張るなよ貴音!わかったから……って力強いな!?」ズルズル

律子「プロデューサーも!?ちょっと待ちないさいよ!貴音!?…………ってもういないし」

響「ぷろでゅーさー……じぶん、ぷろでゅーさーのぺっとになるぞ……えへへ」

律子「なんなのよ……もう。響は涎たらして寝てるし……はぁ」

16: 2012/07/22(日) 19:16:27.22 ID:Doaoauzx0
―1軒目―

貴音「まずはこちらのお店からです」

P「ラーメン二十朗……やっぱりここか……」

貴音「たのもぉー!」

P「いや、普通に食券買おうよ……前にラーメン探訪で来ただろ?」

貴音「挨拶は大事ですよ?あなた様」

P「いや、そうかも知れないが、大きな声は周りに迷惑だろ?な?」

貴音「ふむ、一理ありますね。次からはそうすることにいたしましょう。では店主殿……」

P「ごくり……」

18: 2012/07/22(日) 19:22:14.68 ID:Doaoauzx0
貴音「麺カタ辛め野菜ダブルにんにく脂、増し増し……を二つ」

P「やっぱり増し増しなんだな……って二つ!?俺もなのか!?大豚ダブルの時点で不安なのに!?」

貴音「はて、あなた様は食べないのですか?」

P「キョトンとした顔するなよ……わかったよ……食べるよ……」

貴音「さて、ろっとを乱さなぬよう粛々といただきましょう」

P「胃薬用意しておけばよかったな……食べ切れるのか?俺は……」

貴音「それではいただきます」

22: 2012/07/22(日) 19:27:18.57 ID:Doaoauzx0
―食後―

貴音「美味しゅうございました」

P「……な、なんとか残さず食べれた……もう入らない……」

貴音「やはり一度食べたら病みつきになる……なんとも面妖ならぁめんでした」

P「いや、おいしいよ?おいしいけど……普通の量で食べたい……」

貴音「ふむ、このお店の確認はできました」

P「そうか、それじゃあ事務所に帰る――」

貴音「それではあなた様、次のお店に行きますよ」

P「な、なん……だと!?」

貴音「行きますよ、あなた様」

P「な、なぁーーーー!?」ズルズル

27: 2012/07/22(日) 19:32:27.10 ID:Doaoauzx0
―2軒目―

貴音「次のお店はこちらです」

P「ぎょ、餃子の玉将……本当にまだ食べるのか……?」

貴音「すみません、玉将らぁめんせっとを二つ――」

P「玉将ラーメンセットと餃子だけでいいですっ!!」

貴音「あなた様?餃子だけでよろしいのですか?」

P「さっきラーメン食べたばっかだからな、十分だよ!十分!」

貴音「…………私のらぁめんを分けることはできませんよ?」

P「うん、俺のことは気にせず食べな?お願いだから。そんな真面目な顔してないで」

貴音「そうですか?……では、らぁめんも来たことですし、いただきましょう」

P「い、いただき……ます」

29: 2012/07/22(日) 19:37:11.44 ID:Doaoauzx0
―食後―

貴音「美味しゅうございました」

P「餃子6個だけでもキツイ……もう無理だよぅ……」

貴音「やはり玉将も侮れませんね……らぁめんだけでなく餃子も美味でした」

P「ああ、お腹が空いていればもっとおいしかっただろうなぁ……」

貴音「玉将は他のめにゅーも豊富、鶏のから揚げも頼むべきでした」

P「うん、今回のテーマは店じゃなくてラーメンだからな?わかってるか?」

貴音「あなた様、それでは……」

P「おう、それじゃあ帰る――」

貴音「次のお店に向かいますよ」

P「ですよねー」

30: 2012/07/22(日) 19:41:42.54 ID:Doaoauzx0
―3軒目―

貴音「さぁ、次はこのお店です」

P「えっ!?」

貴音「どうかなさいましたか?あなた様」

P「えっ?ここ……なのか?」

貴音「ええ、そうですが……なにか問題でもありましたか?」

P「いや、問題というかなんというか……ラーメン屋をはしごしている時点で問題なんだが」

貴音「はて、ちゃんとしたお店ですよ?問題ありません」

P「うん……そりゃちゃんとした店なんだろうな。さっきと同じ玉将なんだから」

31: 2012/07/22(日) 19:45:37.51 ID:Doaoauzx0
貴音「なにを言っているのです、あなた様!先ほどのお店とは場所が違うではありませんか!」

P「でも系列店なんだから同じだろ……」

貴音「あなた様……らぁめんは系列店でもお店によって僅かながら差が出る奥が深いものなのですよ?」

P「はぁ……」

貴音「あなた様も食べ比べてみればわかります。やむを得ません、先ほどの店に戻ってあなた様も食べ比べを――」

P「!?そ、そうだよな!店によってスープとか変わってくるよな!うん!」

貴音「ふふっ、さすがあなた様。私を試したのですね」

P(食べ比べなんて……できるわけがない。お腹いっぱいで細かい味がわからないから)

33: 2012/07/22(日) 19:50:40.17 ID:Doaoauzx0
貴音「では、玉将らぁめんせっとをふた――」

P「玉将ラーメンセットと焼きめしを」キリッ

貴音「あなた様、またらぁめんを食べないのですか?」

P「ああ、焼きめしで俺はいいよ」

???「はっ!ラーメン屋に来てラーメンを食べないとはな!」

貴音「なにやつ!?」

???「それとも765プロはラーメンを食べる金も無いのか?」

P「き、キミは……鬼ヶ島羅刹!?」

冬馬「羅刹って誰だよ!?天ヶ瀬冬馬だ!天ヶ瀬!」

P「お、おう」

34: 2012/07/22(日) 19:55:53.59 ID:Doaoauzx0
???「チャオ☆」

???「奇遇だね、765プロの人」

P「伊集院くんに御手洗くん……まさかラーメン屋でジュピターと会うとはな……」

冬馬「おい、なんで俺だけ名前を覚えてないんだよ……」

P「えっ?」

冬馬「えっ?ってどういう意味だっ!?」

翔太「まぁまぁ、冬馬くん。プロデューサーさんはからかってるだけだよ」

冬馬「なにっ!?あんた、そうなのかよ!?」

35: 2012/07/22(日) 20:01:29.44 ID:Doaoauzx0
P「それでキミたちも玉将で食事なんだな」

北斗「ええ、冬馬の買い物に付き合いましてね、遅めの昼食ですよ」

冬馬「おい!無視すんなよ!?」

翔太「もちろん冬馬くんの奢りでねー」

冬馬「はぁ!?いつ俺の奢りになったんだよ!?」

P「ほう、天ヶ瀬くんの買い物……フィギュアか?それも美少女系の」

北斗「そこは冬馬のプライバシーなので……すみません」

冬馬「おい!そこは否定しないと認めちまってるようなもんだろが!」

貴音「見事な突っ込み……春香に突っ込みの好敵手がいると教えて差し上げねば」

冬馬「なんで突っ込みしただけで天海のライバルになるんだよ!?」

37: 2012/07/22(日) 20:06:52.44 ID:Doaoauzx0
貴音「天ヶ瀬冬馬、お店では静かにするものですよ?他の人たちの迷惑になります」

P「そうだよ?天ヶ瀬くん。あまり大きな声を出すもんじゃないよ」

北斗「すみません、お店の人たち。うちの連れが迷惑かけて」

翔太「ごめんねー。ちゃんと注意しておくから」

冬馬「間違っちゃいねぇけど!間違っちゃいねぇけど納得いかねぇ!!」バンバン

貴音「ふむ……やはりこちらのお店の方が若干すぅぷが濃いですね」

冬馬「…………もういい」

翔太「どんまい!冬馬くん」

38: 2012/07/22(日) 20:12:28.09 ID:Doaoauzx0
P「それでラーメンを食べない理由だっけ?」

冬馬「…………おう」

北斗「ラーメンはお嫌いなんですか?」

翔太「やっぱり玉将なら餃子定食に餃子追加だよね」

P「いや、一軒目でお腹いっぱいになってな……」

冬馬「一軒目?なんだ、ここの前にどっかで食べてきたのか?」

P「二十朗……大豚ダブル、麺カタ辛め野菜ダブルにんにく脂、増し増しを」

北斗「これまた……それでよく玉将に来ようと思いましたね」

翔太「僕も二十朗に行ったらそこでお腹いっぱいになるよ」

39: 2012/07/22(日) 20:17:21.94 ID:Doaoauzx0
冬馬「こいつ、生っすかでも食べてたよな、二十朗」

P「おっ、見てくれたのか?生っすか」

冬馬「ちっ、違えよ!?たまたまやってたのを見ただけだ!勘違いすんな!///」

P「お、おう。で、二十朗のあとに、ここと違う玉将でも……」

冬馬「はぁ!?なんだそりゃ?」

P「かくかくしかじか」

北斗「なるほど……番組の企画のためですか」

翔太「へぇー、でも貴音さんは全部食べてるんだよね?」

P「まぁ、食べ比べに来てるんだから食べないとな」

冬馬「どんだけ食うんだよ、こいつは」

42: 2012/07/22(日) 20:21:36.16 ID:Doaoauzx0
P「俺にもわからん……って貴音?それセットのラーメンじゃないよな?」

貴音「……もぐもぐ。はい、話が終わるのを待っていたのですが……ただ待つよりはそのほうがよろしいかと」

冬馬「ぱねぇ……食べるペースも変わらねぇし。本当に4杯目なのかよ」

北斗「美味しそうに食べる女性は素敵ですよ、貴音ちゃん」

翔太「ホント凄いよね。量も凄いけど綺麗に食べるし」

P「さて、俺たちも食べるか……」

冬馬「だな……」

翔太「いただきまーす」

43: 2012/07/22(日) 20:26:27.89 ID:Doaoauzx0
―食後―

P「満足したか?貴音」

貴音「はい、私が知る限り、この3店舗から選べば自信を思って薦められます」

P「そうかー、それは良かったー」

冬馬「おう、良かったじゃねぇか。開放されたみたいで」

北斗「お昼奢っていただいてありがとうございます」

翔太「ご馳走様ー。誰かさんと違って甲斐性あるよね、プロデューサーさんは」

冬馬「おい、翔太。誰かさんって誰のことだよ」

翔太「冬馬くん、ちゃんとお礼言わないとダメだよ?」

冬馬「ちっ、後で覚えて置けよ、翔太。……奢ってくれてありがとな」

44: 2012/07/22(日) 20:31:16.64 ID:Doaoauzx0
P「いや、これもなにかの縁だ。気にしないでくれ」

貴音「あなた様、ジュピターの方々と仲がよろしいのですね」

P「そうか?まぁ、ジュピターの連中も話してみれば良い奴等だしな」

貴音「認められておられるのですね、ジュピターの方々を」

P「うちとはいろいろあったけど、アイドルとしての実力は本物だからな」

冬馬「ふ、ふん……当たり前だ。765プロに負けてられねぇからな///」

翔太「また冬馬くんは、ホントにわかりやすよね」

冬馬「うるせぇ!そろそろ帰るぞ!」

北斗「それじゃあまた何処かで……チャオ☆」

翔太「まったねー!」

45: 2012/07/22(日) 20:36:10.53 ID:Doaoauzx0
貴音「……なんとも賑やかな方々でしたね」

P「あいつ等らしいけどな。……うっぷ、やっぱりキツイな」

貴音「大丈夫ですか!?あなた様」

P「ああ、大丈夫大丈夫。ちょっと胃薬を買ってくるから貴音はここで待ってってくれ」

貴音「私が買ってきましょうか?」

P「いや、少し歩いた方が楽になるから……これで自販機のお茶でも飲んでてくれ」

貴音「ありがとうございます、あなた様。それでは私はこちらでお待ちしております」

P「それじゃあ待っててくれ」

46: 2012/07/22(日) 20:41:15.46 ID:Doaoauzx0
―数分後―

貴音「ふぅ……食後のお茶は安らぎますね」

貴音「ふふっ、プロデューサーと食事……やはり心が躍るものですね」

貴音「プロデューサーも気分転換をできていればいいのですが……」

貴音「そろそろ暗くなる頃ですね……プロデューサーはまだでしょうか」

???「杏、だいぶ疲れてるみたいだね」

???「凛、私は外に出るだけで疲れるんだよ。それなのにダンスのレッスンなんて……」

凛「ふふっ、杏は相変わらずだね。でも練習しないとデビューできないよ?」

杏「私はデビューできなくても別に構わないよ?」

凛「……本当に?」

49: 2012/07/22(日) 20:45:35.38 ID:Doaoauzx0
杏「ああ、デビューなんてしたら忙しくなるでしょ?それなら私はこのままでいい」

凛「でもデビューしないと印税入らないよ?それでもいいの?」

杏「い、印税?そうか……デビューしないと夢の印税生活できないのか……」

凛「そうだよ、そのために頑張らないと」

杏「でもなぁ……杏、寝て起きて寝る、が生き様だからなぁ」

凛「とりあえず今日はこれでおしまいだし、飴あげるから帰ろう?」

杏「あ、飴!?しょ、しょうがないなぁ……お腹空いたし帰ろうかな」

50: 2012/07/22(日) 20:48:43.83 ID:Doaoauzx0
凛「そうだ、おいしいラーメン屋があるんだけど今度食べに行こうか。ちょっと遠いけど」

貴音「らぁめん!?」

杏「!?びっくりした……なんなんだ、急に」

凛「えっ!?もしかして765プロの四条さん!?」

杏「知っているのか、凛!?このやたら目をキラキラさせてる人……」

凛「765プロのアイドルだよ。こんなところで会えるなんて……」

杏「アイドル?じゃあサイン貰ってそれを売ればしばらくは寝て過ごせる?」

凛「杏……それでどうかしましたか?四条さん」

51: 2012/07/22(日) 20:52:09.04 ID:Doaoauzx0
貴音「すみません、先ほどおいしいらぁめん屋を知っている、とおっしゃっていたようですが……」

凛「え?ええ、知り合いの店なんですけど……」

貴音「是非、お教え頂けませんでしょうか?」

凛「はぁ……構いませんが……」

杏「なんなの、この人……」

貴音「感謝いたします。このご恩は忘れません」

凛「変わってるんだね、四条さんって」

貴音「そうですか?自分ではよくわからないのですが」

杏「十分変わってるよ……」

53: 2012/07/22(日) 20:55:31.39 ID:Doaoauzx0
―数分後―

P「いやぁ、貴音を待たせてることを忘れて思わずスカウトしてしまった。もう新人アイドルだったけど」

P「赤城みりあちゃん……11歳か……こいつぁ、来るでぇ……」

P「悪い、待たせたな貴音」

貴音「いえ、構いません。あなた様をお待ちしている間、良き出会いがありましたゆえ」

P「出会い?……お、男じゃないだろうな?」

貴音「ふふっ、殿方だとしたら……あなた様はどうなさいますか?」

P「!?……べ、別にど、ど、ど、どうもしないぞ?で、ど、ど、ど、どんな男なんだ?」

貴音「ふふっ……ふふふふっ」

P「た、貴音?な、なんで笑ってるんだ?」

55: 2012/07/22(日) 20:59:28.91 ID:Doaoauzx0
貴音「ふふっ、すみません……ご安心ください、お会いしたのは女性の方々です」

P「……ほっ。そうか、それで何か話をしてたのか?」

貴音「はい、おいしいらぁめん屋を教えていただきました」

P「えっ?…………なんか嫌な予感がするんだが」

貴音「こちらの紙に場所を書いていただきました。それでは行きましょう、あなた様」

P「ちょ、ちょっと待て貴音!その紙を見せてみろっ!調べるから!」

貴音「どうぞ、こちらです」

P「えーと、……うわぁ、遠い……食べて往復すると……かなり時間掛かるな……」

貴音「ならば速やかに向かうまでです。行きますよ?」

57: 2012/07/22(日) 21:02:50.54 ID:Doaoauzx0
P「いや、時間がな?明日も仕事があるんだから……」

貴音「あなた様はいけずです。新しいらぁめんとの出会い……らぁめん……ああ……」チラ

P「…………」

貴音「残念です……らぁめん…………」チラッ

P「……わかった……最後まで付き合うよ」

貴音「!?まことですか!ありがとうございます、あなた様!感謝いたします!」

P「できれば他のことで感謝されたかったな……」

貴音「あなた様!それでは新たならぁめんを求めて向かいますよ!」

60: 2012/07/22(日) 21:06:41.54 ID:Doaoauzx0
―食後―

P「そんなこんなで食べることは出来たが……」

貴音「とても美味しゅうございました。私が薦めるお店はこちらになりそうです」

P「そうか……それは良かったな、うん」

貴音「人と同じでやはりらぁめんも一期一会。出会いは大切にせねばなりませんね」

P「それで貴音。誰かのせいでこんな時間になっているんだが?」

貴音「はて、誰かのせい、ですか?どなたのせいなのでしょうか?」

P「時間がないのに誰かさんが2杯もおかわりしたせいだろうなぁ、どう思う?貴音」ギュー

貴音「いふぁいです、あなふぁさふぁ。なふぃをなふぁるのふぇすか?(痛いです、あなた様。何をなさるのですか?)」

62: 2012/07/22(日) 21:10:00.42 ID:Doaoauzx0
P「少しは反省したか?反省したよな?な?」

貴音「あなた様、そのような些細なことは忘れて夜空を見上げることにいたしましょう」

P「反省してない……はぁ、とりあえず最悪タクシーでも使うか?」

貴音「あなた様、あなた様!こちらの数量限定のお饅頭とやらを食してみたいです!」

P「いや、店もう閉まってるし……ってここ有名な和菓子屋だな」

貴音「ご存知なのですか?有名なのですね……ほう……それはそれは」

P「閉まっているんだから明日の朝にならないと買えないだろ、諦めろ貴音」

貴音「ではこの近くで夜を明かし、買って帰りましょう」ドヤァ

P「アイドルをこんなところで徹夜させれるわけがないだろ……」

貴音「あなた様……」ウルッ

63: 2012/07/22(日) 21:13:19.83 ID:Doaoauzx0
P「…………だ、ダメだ(見ちゃダメだ、見ちゃダメだ、見ちゃダメだ)」フイッ

貴音「あなた様ぁ……」ムニュ

P「はうっ!(胸がっ!し、しかしプロデューサーとしてここは心を鬼に……)」

貴音「あなた様ぁ……ダメ……ですか?」ウルウル

P「あ、あぁ……ああぁ……あうあうあ……べ、別に今日じゃなくてもいいだろ?」

貴音「はしたないとは思いますが……どうしても我慢できないのです……どうかお慈悲を///」ウルウル

P(台詞や表情だけなら工口いんだが……)

貴音「あなた様ぁ……どうしてもダメですかぁ……」ウルウル

P「……………………」

66: 2012/07/22(日) 21:17:16.81 ID:Doaoauzx0
―数分後―

P「はぁ……ビジネスホテルが近くにあって助かった……ラブホテルしかなかったらやばかった」

P「でも部屋はツインだけど同じ部屋だし……事務所のみんなにバレたらと思うと……」ブルブル

P「はっ!?よく考えたら貴音だけ帰して俺が残れば良かったんじゃね?」

P「寝る時間を考えると今更だよなぁ……失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した」

貴音「あなた様?なにやら落ち込んでいらっしゃるようですが大丈夫ですか?」

P「ん?ああ、ちょっと反省をな――!?」

貴音「?どうかなさいましたか?あなた様」

P「ゆ、浴衣姿……だと!?」

68: 2012/07/22(日) 21:21:01.37 ID:Doaoauzx0
貴音「はい、着替えを用意していなかったものですから備え付けのものを……いけませんでしたか?」

P「いや、それはいいんだけどな……湯上りでこれまた色っぽい……」

貴音「あなた様?」

P「はっ!?い、いやなんでもない!それじゃあ俺もシャワー浴びてくる!」

貴音「はい、お待ちしております」

P「いや、もう寝るだけだから先に寝てくれ。明日も早いしな」

貴音「いえ、あなた様より先に寝るなどと、そのようなことはできません」

P「はぁ……まぁすぐに出てくるから」

70: 2012/07/22(日) 21:25:05.86 ID:Doaoauzx0
―数分後―

P「よし、それじゃあ寝るか」

貴音「はい、明日の朝が楽しみです。お饅頭……ふふっ」

P「どんだけ楽しみなんだよ……じゃあ、電気消すぞ?」

貴音「はい、おやすみなさいませ、あなた様」

P「おう、おやすみ、貴音」

P(はぁ……今日食べたのはラーメンに餃子、焼き飯と最後の店で唐揚げか……)

P(もっとあっさりとしたのを食べれば良かったか?お腹がパンパンだ……)

P(しかし貴音はラーメンを7杯……おかしいだろ……どこに入っているんだ?)

P(明日は律子に言い訳しなきゃいけないし……はぁ、寝よ寝よ)

71: 2012/07/22(日) 21:28:55.32 ID:Doaoauzx0
P(とは言っても貴音と同じ部屋で寝てるんだよな……意識して寝れないな)

貴音「あなた様、あなた様。起きていますか?」

P「……ん?どうした貴音?」

貴音「……あの…………そのですね……」

P「どうしたんだ、貴音。まさか饅頭が楽しみすぎて寝れないとか?」

貴音「……………………///」

P「貴音?……急にシーツ被ってどうした?……もしかして図星?」

貴音「…………そ、その、私は……///」

P「ぷっ……あはははは!貴音って実は子供っぽいんだな」

73: 2012/07/22(日) 21:33:10.14 ID:Doaoauzx0
貴音「あ、あなた様!?///」

P「あはははは!それも理由が饅頭って……あはははは!」

貴音「…………むぅ」

P「どんだけ楽しみにしているんだよ……あはははは!」

貴音「………………」

P「あははははは…………って貴音?」

貴音「………………あなた様なんて知りません」

P「た、貴音?」

75: 2012/07/22(日) 21:37:16.04 ID:Doaoauzx0
貴音「つーん」

P「た、貴音?その……なんだ。笑って悪かった……機嫌直せ?な?」

貴音「………………他に言うことはないのですか?」

P「ほ、他に?えっと謝る以外のことか?……お詫びに明日は煎餅を追加します」

貴音「まったく……しょうがないですね、あなた様は。ふふっ」

P「うわぁ……当たりか……何故だか嬉しくないが。……それで何か用だったか?」

貴音「はい、先ほど言われたように寝つけないのです。良ければお話でもしませんか?」

P「話?まぁ、寝るまでなら構わないが……」

貴音「そうですか、では……」

P「貴音?話すのは構わないがせめて横になって……ってなんで俺のベットに入るんだ!?」

78: 2012/07/22(日) 21:40:30.69 ID:Doaoauzx0
貴音「はて、話をするならこちらの方が良いと思ったのですが……」

P「いや、さすがに一緒に寝るのはまずい……」

貴音「あなた様、もう少し詰めてもらえますか?少し手狭です」

P「いや、だから少しは話を……はぁ……もういい」

貴音「溜息などついてどうかなさいましたか?」

P「うん、気にしないでくれ……それでどんな話を――」

貴音「あなた様?」

P(お、落ち着け俺。落ち着いて気づいたことを確認するんだ……)

80: 2012/07/22(日) 21:44:29.72 ID:Doaoauzx0
P(まず、貴音と同じ部屋にいる。これはまだなんとかなる)

P(次に貴音と同じベットにいる。これも良い……わけじゃないがなんくるないさ)

P(よし、ここまでは普通に気づくことだから確認するまでもない)

P(で、次に気づいたことは……貴音から良い匂いがする。風呂上りだし、貴音だしな)

P(気づいたら意識するだろ……たまらんなぁ……すーはぁー)

P(よし!次は……今の貴音の姿だ。浴衣……横になったせいでこぼれる胸元……)

P(これをまとめると……貴音と同じベットで距離が近いから良い匂いが――)

83: 2012/07/22(日) 21:48:02.06 ID:Doaoauzx0
貴音「――さま、あなた様、聞いていますか?あなた様?」

P「お、おう。聞いてるぞ?」

貴音「先ほどから様子がおかしいですよ?もしやご病気か何かですか?」

P「大丈夫だ!ただ俺が男だってだけだから!気にするな!」

貴音「はて、あなた様が殿方なのは承知しておりますが……」

P「うん、それじゃあ寝よう!気にせず寝よう!」

貴音「はぁ……。あなた様も疲れているようなのでお話は止めておきましょう」

P「うん、多分疲れてるんだな、すまない貴音」

84: 2012/07/22(日) 21:51:24.57 ID:Doaoauzx0
貴音「いえ、あなた様は日々の業務に追われているお方。今回のことも気分転換になればと思ったのですが」

P「なんだ、気を使ってくれたのか?……なら食べること以外のほうが良かったなぁ……なんて」

貴音「すみません……おいしいものを食べれば幸せになれるのだとばかり……ご迷惑でしたか……」

P「そんなことないぞ?貴音の気持ちはうれしいからな」

貴音「本当、ですか?」

P「本当、本当。そろそろ寝よう、貴音」

貴音「……わかりました。それで一つお願いがあるのですが……」

P「ん?お願い?」

貴音「はい、出来れば寝るまで手を繋いでいただきたいのですが」

85: 2012/07/22(日) 21:55:25.81 ID:Doaoauzx0
P「手を?んー別に構わないが……ほら、これで良いか?」

貴音「ふふっ、ありがとうございます。これでいい夢が見れそうです」

P「手を繋ぐだけで見れるのか?お手軽だなぁ」

貴音「あなた様と繋ぐことに意味があるのですよ、ふふっ」

P「ん?それはどういう意味なんだ?」

貴音「意味を問うのは無粋、というものですよ、あなた様」

P「ん?そうか?よくわからんが……それじゃあ改めて、おやすみ貴音」

貴音「ふふっ、おやすみなさいませ、あなた様」

87: 2012/07/22(日) 21:59:33.11 ID:Doaoauzx0
P(ふぅ……ようやく寝れるみたいだな……)

P(貴音も寝たみたいだし……さて、俺も寝るかな……ってちょっと待て)

P(なんでそのまま一緒のベットで寝ようとしてんだ?)

P(よし、貴音も寝たことだし隣のベットに……ん?手が外れない……だと?)

P(寝ているのを起こすのもなぁ……こんな近くで寝れるかなぁ……)

貴音「…………ふふっ」

P「ん?」

88: 2012/07/22(日) 22:05:25.29 ID:Doaoauzx0
―次の日―

P「さて、事務所に着いたけど……小鳥さんには連絡したが律子がなぁ……」

貴音「ふふっ、お饅頭とお煎餅……楽しみです。あなた様、早く中に入りましょう」

P「お、おう。……よ、よし……覚悟を決め――」ゾクッ

貴音「あなた様?顔が青いですよ?」

P(何故か頭の中で警鐘が鳴り響く……ニゲロニゲロと……)

貴音「あなた様?汗が凄いですよ?」

P(いや、何故かなんて本当はわかってる……中で律子が待ってらっしゃる)

貴音「あなた様?身体が震えてますよ?」

P「覚悟を決めるんだ……よ、よし!行くぞ!!」(震え声)

90: 2012/07/22(日) 22:10:35.30 ID:Doaoauzx0
P「おっおはよう!!」ガチャ

律子「おはようございます、プロデューサー殿?」ニコリ

P(あっ……ドアの近くで待ってたみたいだ……予想と違ったなぁ……あはは)

律子「ちょっとお話があるのでいいですか?もちろん昨日のことで」

P「は、はい……それじゃあ貴音は……っていない、だと!?」

律子「なにをしているんです、プロデューサー!早く来てください!」

P「はっ、はいぃ~!!ただいま~!」

貴音「ふぅ……すみません、プロデューサー。今の律子は怖いのです」コソッ

91: 2012/07/22(日) 22:15:16.43 ID:Doaoauzx0
亜美「あれれ~?お姫ちん、昨日と服装変わってなくない?」

真美「ホントだ~、昨日と同じだねぇ、どったの?」

貴音「昨日は家に戻らなかったゆえ着替えられなかったのです」

亜美「ふ~ん、なんで帰らなかったの?お姫ちん」

貴音「和菓子屋にて数量限定のお饅頭とお煎餅を買うためお店の近くで泊まったのです」

真美「へぇ~、さすがお姫ちんだね」

貴音「ふふっ、皆の分もプロデューサーに買っていただきました」

亜美「おおっ!お姫ちんナイス!」

真美「ほほぅ、兄ちゃんに買ってもらったんだ……ん?なんで兄ちゃんに?」

92: 2012/07/22(日) 22:20:01.34 ID:Doaoauzx0
貴音「雪歩、すみませんがお饅頭に合うお茶を入れてもらえませんか?」

雪歩「お茶ですか?わかりました四条さん。ちょっと待っててくださいね」

亜美「ゆきぴょんのお茶も付いて来るのか!やったね、真美!」

真美「う、うん。そだね」

亜美「ん?どったの、真美?」

真美「うん亜美、ちょっと気になったことがあって。ねぇねぇ、お姫ちん」

貴音「なんです?真美」

真美「兄ちゃんに買ってもらったってお店で会ったの?」

貴音「いえ、昨日からずっと一緒でしたよ?」

94: 2012/07/22(日) 22:25:07.48 ID:Doaoauzx0
亜美「……ずっと?もしかして兄ちゃんとどっかに泊まったの?」

貴音「ええ、同じ部屋で寝ましたが……それがどうしたのです?」

真美「同じ部屋……兄ちゃんとお姫ちんが……朝まで一緒……///」

亜美「兄ちゃんと同じだったんだ。ってあれ?真美、なんで赤くなってるの?」

真美「だって若い男女2人が朝まで一緒なんだよ?亜美///」

亜美「え?同じベットで寝てるんじゃないから別にいいっしょ~?」

真美「そ、そだね。いくら兄ちゃんでも同じベットで――」

貴音「いえ、寝るときは同じでしたよ?」

亜美・真美「「」」

96: 2012/07/22(日) 22:30:27.01 ID:Doaoauzx0
貴音「亜美?真美?どうしたのです?」

亜美「ま、真美!?これは一大事だよ!兄ちゃんとお姫ちんが大人の階段を昇っちゃったよ!?」

真美「あ、亜美!?これは兄ちゃんにも事情を聞かないとダメだよね!?」

亜美「よし!兄ちゃんに聞きに行こう!真美!」

真美「うん!兄ちゃんに聞きに行こう!亜美!」

亜美・真美「「兄ちゃ~ん!!」」ダッ

貴音「…………はて?」

雪歩「四条さん、お茶が入りましたよ。……あれ?亜美ちゃんたちの分も入れたのにどこいっちゃったんだろ?」

貴音「ありがとうございます、雪歩。亜美たちは――」

97: 2012/07/22(日) 22:35:08.53 ID:Doaoauzx0
律子「まったくプロデューサーは……」

P「はい……すみません……」

律子「いいですか?次からは――」

亜美・真美「「兄ちゃ~ん!!」」ドカッ

P「ぐはっ!!」

律子「ちょっと2人とも!危ないから飛びつかないようにいつも言ってるで――」

亜美「兄ちゃん兄ちゃん!お姫ちんと大人の階段昇ったのってホント!?」

P「は?何のことだ?」

真美「だってお姫ちんと寝たんでしょ!?お姫ちんから聞いたよ!?」

律子「――プロデューサー殿?どういうことですか?」ニコリ

103: 2012/07/22(日) 22:40:20.68 ID:Doaoauzx0
P「えっ!?ちょっ!?あの!?その!?」

亜美「亜美たちとデートの約束はどうなるのっ!?」

P「お前たちの親が忙しいから俺が付き添いで遊園地へ遊びに行くだけだろ!?」

真美「お姫ちんとは本当なんだね!?真美たちを捨てるのっ!?」

P「捨てるって何のことだ!?」

亜美「じゃあ亜美たちも大人の階段昇りたい!」

P「出来るわけないだろ!?」

真美「お姫ちんだけずるい~!真美たちも~!」

亜美・真美「「兄ちゃ~ん!!」」

105: 2012/07/22(日) 22:45:41.83 ID:Doaoauzx0
P「いいから2人とも落ち着け!ほら、買ってきた饅頭でも食べて!」

亜美・真美「「……もぐもぐもぐ」」

P「ふぅ……とりあえずこの場は何とかなったか」

律子「そうですね、プロデューサー殿?次は私に説明してもらってもいいですか?」ニコリ

P「あ……り、律子さん……」

律子「いきなりさん付けしてどうしたんです?亜美たちのことも含めて説明お願いしますね?」ニコリ

P「いや、それはだな――」

雪歩「プロデューサー!四条さんと付き合うんですか!?」

P「ゆ、雪歩!?貴音から聞いたのか!?」

106: 2012/07/22(日) 22:50:29.28 ID:Doaoauzx0
雪歩「私、で、デートの約束楽しみにしていたのに……やっぱり私はひんそーでひんにゅーでちんちくりんだから……」

P「買い物って話だったろ!?父親へのプレゼントを選ぶのに男の意見が聞きたいからって!?」

雪歩「うぅ……穴掘って埋まってますぅ!」

P「雪歩ー!落ち着け!穴掘るな!ほら、饅頭だ!真美たちと一緒に食べてろ!」

雪歩「ぐすっ……あむあむあむ」

P「ふぃ~、さてと……」チラッ

律子「………………」

P(む、無言だよ……怖えぇ……でもちゃんと説明すれば……)

110: 2012/07/22(日) 22:55:07.80 ID:Doaoauzx0
響「プロデューサー!貴音から聞いたぞ!どういうことなんだ!?」

P「だよね?」

伊織「ちょっとアンタ!説明しなさいよね!」

P「読めてた」

やよい「プロデューサー、一緒に寝るのってダメなんですか?私、弟たちと……」

P「やよいはかわいいなぁ」

美希「ハニー!貴音だけなんてずるいの!ミキと一緒にお昼寝するの!」

P「HAHAHA!」

律子「………………」ジロッ

P「ん~……、それじゃあいっちょ土下座でもかましますか!」

112: 2012/07/22(日) 23:00:12.68 ID:Doaoauzx0
―数分後―

貴音「大丈夫ですか、あなた様?」

P「へへっ……何度も乗り越えてきた道だ……これくらいなんともないねっ」ボロッ

貴音「…………本当ですか?」

P「……ちょっと疲れた。というかここまで話が大きくなった原因は貴音だろ……」

貴音「これは昨日、あなた様が私のことを笑った罰です」

P「煎餅で許してくれたんじゃないのか!?」

貴音「しょうがない、とは言いましたが許すとは言っておりません」

P「詐欺だっ!?」

貴音「失礼な。それに真美たちにも嘘は言っておりません」

113: 2012/07/22(日) 23:05:06.84 ID:Doaoauzx0
P「そりゃ部屋もベットも同じで寝たのは本当だけどさ……誤解される言い方しなくても」

貴音「そのようなことより雪歩にお茶を入れてもらいました。ご一緒に如何ですか?」

P「そのようなことって……ま、この扱いもいつものことかぁ」

貴音「あなた様?何故遠くを見つめているのです?」

P「別に……おっ、この饅頭結構うまいな。お茶もおいしい」

貴音「ふふっ、雪歩が入れてくれたお茶なのですから当たり前です」

P「だな。……さて、そろそろ仕事をしないと律子に怒られるな」

貴音「………………あの、あなた様?」

115: 2012/07/22(日) 23:10:06.13 ID:Doaoauzx0
P「ん?どうした、貴音?」

貴音「仕事に戻られる前に一つよろしいですか?」

P「なんだ、別に一つじゃなくても構わないぞ?俺は貴音のプロデューサーなんだからな」

貴音「では。今回はあなた様の気分転換のつもりが私一人楽しんでしまっただけでした」

P「そんなことないけどな。俺も楽しかったよ」

貴音「ふふっ、やはりあなた様は優しいお方です。ですが反省すべき点は反省しなくては」

P「んー、まぁ反省すべき点があればそうだな」

貴音「次の機会があれば、あなた様の為に尽くしたいと思います」

116: 2012/07/22(日) 23:15:12.88 ID:Doaoauzx0
P「つ、尽くすって……た、例えばどんなことをしてくれるんだ?」

貴音「そうですね……私の手料理を振舞う、などいかがでしょうか?」

P「あっ、手料理か……それなら裸エプ……いやいや!どんな料理を食べさせてくれるんだ!?」

貴音「?そうですね……びーふすとろがのふ、とやらに挑戦してみましょう」

P「びーふ?……ああ、ビーフストロガノフか。なんでそれを選んだんだ?」

貴音「はい、この前やよいと料理の話をしていたのですが、なんでも牛を使った料理だとか」

P「やよいが?牛肉の料理を……」

貴音「私も詳しくはわからないのですが……牛、牛を使う、と」

118: 2012/07/22(日) 23:20:17.54 ID:Doaoauzx0
P「やよい……今度教えてやるからな。それはともかく貴音はなんでそこまでしてくれるんだ?」

貴音「簡単なことです。あなた様をお慕い申し上げている、それだけなのですから」

P「へ?」

貴音「あなた様さえ良ければ、私はいつでも……」

P「た、貴音?それって……」

貴音「…………ふふっ、なんでもないですよーだっ!」

P「貴音!?なんて言おうとしたんだ!?よーだって貴音が言ったのか!?」

貴音「ふふっ、ふふふふっ!秘密です、あなた様」

119: 2012/07/22(日) 23:23:25.23 ID:Doaoauzx0
P「なんだかモヤモヤ感が残るが……さっきからチラチラと律子に見られてるし仕事しないと……」

貴音「では、あなた様。頑張れるおまじないをしてさし上げます」

P「おまじない?おお、貴音のおまじないなら効き目ありそうだな。それじゃあいっちょ頼む」

貴音「では、目を閉じてこちらを向いてください」

P「こうか?」

貴音「そのまま動かずに………………ちゅっ」

P「!?い、今ほっぺにしたのって!?」

貴音「ふふっ、ではお仕事を頑張ってください。あなた様」

121: 2012/07/22(日) 23:26:18.89 ID:Doaoauzx0
P「あっ!?おっおい!?たっ貴音!?放置して行くな!?」

P「……今のって……それに貴音がさっき言いかけたことってそういうことだよな……まいったなぁ、こりゃ」ニヘラ

律子「嬉しそうですね、プロデューサー殿?」

P「…………そういえば見てたんだよなー、見られてたんだよなー」

律子「わかってますよね?プロデューサー殿?」

P「へへ……俺の膝が土下座(ゲザ)れってうずいてやがる……」

律子「それじゃあ今度は社長も交えてお話しましょうか?」

P「俺が土下座するのって仕事以外のことなんだよな……理不尽な。いや、ここは面妖な、とでも言っておこうか」キリッ

122: 2012/07/22(日) 23:30:53.18 ID:Doaoauzx0
美希「またハニーが律子に連れて行かれたの……ドナドナってカンジ」

響「貴音ぇ、なんでプロデューサーに……その、き、き、キスなんてしたんだ?///」

貴音「響、この程度で動揺していてはプロデューサーを振り向かせることはできませんよ」

響「うえっ!?じ、自分、べ、別にぷ、プロデューサーのことなんて……///」

美希「貴音の言うとおりだよ?響。待っていてもハニーは手に入らないの」

貴音「ふふっ、さすが美希。私も負けていられません」

美希「ハニーはミキのハニーなの!誰にもハニーをあげないの!」

貴音「ふふっ、ふふふふっ!」

美希「あはっ☆」

123: 2012/07/22(日) 23:34:10.86 ID:Doaoauzx0
響「ふ、2人とも……なんか怖いぞ……」

美希「それじゃあ仕事に行こっ?頑張ってハニーに褒めてもらうんだっ!」

響「3人一緒なのは久しぶりだな。自分も準備してくるぞ」

美希「貴音は事務所に着替えを置いてあるなら着替えたら?」

貴音「そうですね。では、そうすることにいたします」

響「準備が終わったら貴音が来るまでお饅頭食べてよーっと」

美希「あーっ!響ずるいの!ミキの分も残しておくの!」

貴音「……さて、着替えることにいたしましょう」

126: 2012/07/22(日) 23:38:09.04 ID:Doaoauzx0
―数分後―

P「ん?3人とも今から現場に行くのか?」

響「そうだぞ。今日は3人一緒だからな」

美希「ハニー!ミキ、頑張ってくるから今度デートするの!」

P「いや、デートは……響も物欲しそうな顔をするな……」

響「貴音とは昨日したのに……」ボソッ

美希「亜美たちとは約束してるのにずるいの……」ボソッ

P「わ、わかった……2人とも、買い物くらいなら付き合うよ」

響・美希「「やったね!ハイ、タ~ッチ!いぇい!!」」パンッ

130: 2012/07/22(日) 23:48:46.02
貴音「お待たせしました、響、美希」

響「おっ、貴音も来たな。それじゃあ行くぞ!」

美希「それじゃあ行ってくるね、ハニー!」

P「おう、行って来い!」

貴音「……………………」

P「貴音?どうした行かないのか?」

貴音「あの……私も仕事が頑張れるよう、あなた様からおまじないをしていただけませんか?」

P「おまじない?……ってまさかさっきの!?」

131: 2012/07/22(日) 23:52:38.62
貴音「はい。目は瞑ったほうがいいですか?」

P「で、で、で、出来るわけがないだろ……って目を瞑るなっ!?」

貴音「まだですか?響たちを待たせてしまいますよ」

P「だから出来ないって!?……あとで俺が怒られるんだから……」

貴音「ふぅ……しょうがないですね。今回は諦めましょう……」

P「ほっ……土下座しなくても済みそうだ……」

貴音「ですが、いずれあなた様からしていただけるようお待ちしております」

P「…………諦めないんだ」

134: 2012/07/22(日) 23:57:26.59
貴音「私自身、ここまで殿方に執着する自分に驚いております」

P「そう……なのか?」

貴音「ええ、ですから私の初恋、何もしないで諦めるつもりはありませんよ?あなた様」

P「お、おう」

響「貴音ぇー?どうしたー?仕事行くぞー?」

貴音「……では、仕事に行ってまいります。あなた様…………ちゅっ」

P「!?」

貴音「ふふっ、ふふふふっ」

135: 2012/07/23(月) 00:02:20.43
―数分後―

P「ふぅ……何か貴音に押されっぱなしだったな……」

小鳥「まったく……プロデューサーさんって罪な人ですね」

P「小鳥さん……見てたんですか?」

小鳥「はい、律子さんと。ああ、そうだプロデューサーさん、その律子さんが呼んでましたよ?今の件で」

P「……うん、すぐ行くすぐ行く。まぁ2、30分土下座(ゲザ)れば余裕でしょ」

小鳥「プロデューサーさんって……案外恋愛はヘタレなんですね」

P「…………小鳥さんだけには言われたくないです」

小鳥「ピヨー!?」

136: 2012/07/23(月) 00:06:12.27
―移動中―

美希「何か嬉しそうだね、貴音。何か良いことあった?」

貴音「ええ、私の気持ちをはっきりさせたので」

美希「ふーん、貴音の気持ちって?」

貴音「それは教えることはできません。秘密です」

響「あー、ずるいぞ、貴音。教えてよー」

貴音「ふふっ、ふふふふっ」

美希・響「「貴音ー?」」

貴音「秘密、です」


おわり

140: 2012/07/23(月) 00:08:33.78
乙乙

引用元: P「貴音は居るか?」貴音「はい、こちらに」