1: 2012/08/02(木) 21:56:56.56 ID:VmEvuJJT0
師匠「グフッ……俺はもう駄目だ……」

男「師匠オオオオオ!」

3: 2012/08/02(木) 21:57:42.20 ID:VmEvuJJT0
師匠「いいか……よく聞け……」

男「師匠!しゃべらないで!」

師匠「いいから聞け!」

男「だ、だけど傷が……!」

6: 2012/08/02(木) 21:58:25.36 ID:VmEvuJJT0
師匠「分からんのか……俺はもうもたん……」

男「そんな!そんなの分からないじゃないですか!」

師匠「いいや、俺にはわかる……」

男「師匠!」

9: 2012/08/02(木) 21:59:11.42 ID:VmEvuJJT0
男「師匠!俺嫌ですよ!師匠が氏ぬなんて!」

師匠「馬鹿もん!」

男「!!」

師匠「俺の教えを忘れたか……馬鹿弟子が!ごほっ!」

10: 2012/08/02(木) 22:00:01.42 ID:VmEvuJJT0
男「し、師匠!口から血が!」

師匠「いいから……俺の教えを言ってみろ!」

男「そんなことより医者を探さないと!」

師匠「いいから俺の教えを言ってみろ!!」

12: 2012/08/02(木) 22:01:33.75 ID:VmEvuJJT0
男「お、『男たるもの どのようなときも強くあれ』ですか?」

師匠「そうだ……!貴様は俺が氏んでひとりになっても……」

師匠「強くあらねばならんのだ……!俺を失望させるなよ!ぐはっ!!」

男「師匠!そんなことより早く医者に行かないと!」

15: 2012/08/02(木) 22:02:58.10 ID:VmEvuJJT0
師匠「いや……俺にはわかる……血を失いすぎた……」

男「そんな……師匠……!」

男「俺の!俺の血を使ってください!」

師匠「フフフ……そもそも医療器具がないじゃねぇか……お前はほんと馬鹿弟子だよ……」

18: 2012/08/02(木) 22:04:33.98 ID:VmEvuJJT0
男「そ、そうだ……!すぐに医者のいるところに連れていかないと……!」

師匠「フフフ……無理だ……世界一の名医でもこれは助からんよ……」

師匠「見ろよ……内臓のほとんどが吹っ飛んでしまってる……」

男「だったら俺の内臓を使ってください!!」ドンッ!

20: 2012/08/02(木) 22:05:50.65 ID:VmEvuJJT0
師匠「へ……へへ……俺はお前みたいな弟子を持てて幸せだよ……」

男「師匠!今医者のところまで運びます!!」

師匠「いい……やめろ……」

師匠「それより……お前にはまだ……我が流派の極意を教えてなかったな……」

23: 2012/08/02(木) 22:08:32.69 ID:VmEvuJJT0
男「ご、極意……?」

師匠「そうだ……代々……師匠から弟子へと伝えられる」

師匠「秘伝の極意……!俺も……氏ぬ前に義務を果たさないとな!」

男「い、いやだよ!師匠!氏ぬなんて言うなよ!」

25: 2012/08/02(木) 22:08:48.97
早くくたばろうよ

26: 2012/08/02(木) 22:09:32.94 ID:VmEvuJJT0
師匠「いいから黙って聞け!」

男「!!」

師匠「俺にはもう・・・時間がねぇんだ・・・!」

男「師匠……!」

28: 2012/08/02(木) 22:10:50.66 ID:VmEvuJJT0
師匠「俺の手……触ってみろよ……」

男「ううっ!つめたい・・・・・・!まるで氏人のようだ!」

師匠「俺にはわかるんだ……氏神はもうすぐそこまで迫ってきている……」

師匠「俺の魂が連れてかれる前に……なんとしてもこれだけは伝えなきゃならねぇ……!」

30: 2012/08/02(木) 22:11:44.57 ID:VmEvuJJT0
男「だ、だけど!」

師匠「男!!」

男「現実を見るんだ……!」

男「うぅ……師匠……!」

31: 2012/08/02(木) 22:12:39.38 ID:VmEvuJJT0
男「ちくしょう!許せねぇ!師匠をこんな目にあわせやがって!」

師匠「男!!」

男「必ずやった奴を探しだして頃してやる!」

師匠「男!落ち着け!闇に飲まれるな!!」

32: 2012/08/02(木) 22:13:32.54 ID:VmEvuJJT0
男「でもっ……!」

師匠「復讐は……何も生まない……!!」

男「…………」

師匠「復讐に身を任せてはならない……」

33: 2012/08/02(木) 22:14:41.22 ID:VmEvuJJT0
師匠「復讐は……敵も相手も燃やしつくす……炎のようなものだ……」

師匠「考えてみろ……確かにお前は私を頃した奴が憎いかもしれない」

師匠「だが、敵も同じく私のことを憎んでいたのかもしれない……」

男「そんな……」

34: 2012/08/02(木) 22:15:57.13 ID:VmEvuJJT0
師匠「そして……私を頃した奴にも愛する人がいるかもしれない……」

俺「!!」

師匠「もしお前が奴を頃したとしても……それで復讐は終わらない……」

師匠「復讐は終わらず……どんどんと連鎖し、広がり続ける……」

35: 2012/08/02(木) 22:17:20.40 ID:VmEvuJJT0
師匠「自分も……敵も……無関係のものも……みんな巻き込んでな……!」

師匠「お前はそういうふうになってはならない!」

男「師匠……!俺が間違っていたよ……!」

男「俺はあと少しで……ドス黒い復讐の炎に身を任せるところだった……!」

36: 2012/08/02(木) 22:17:56.65
長い(´・ω・`)

37: 2012/08/02(木) 22:17:58.70
まだしなねーのか

38: 2012/08/02(木) 22:18:17.93 ID:VmEvuJJT0
師匠「ああ……いい目だ……」

師匠「お前なら……『あいつ』のように闇に落ちることもあるまい」

男「『あいつ』?」

師匠「昔の話さ……がはっ!」

男「師匠!」

40: 2012/08/02(木) 22:19:19.08 ID:VmEvuJJT0
師匠「ぐふっ!」

男「師匠!師匠!師匠おおおおお!」

師匠「あ、ああ……まだ大丈夫だ……」

男「師匠……!早く医者へ……!」

41: 2012/08/02(木) 22:20:48.94 ID:VmEvuJJT0
師匠「馬鹿弟子が……」

男「え?」

師匠「今俺が生きているのは……まさに『奇跡』なんだぜ……」

師匠「きっと神様から……特別に与えられた時間なんだ……」

師匠「その時間を……無駄遣いはできねぇ……!グフッ!」

43: 2012/08/02(木) 22:22:10.27
このしつこさ

44: 2012/08/02(木) 22:22:35.69 ID:VmEvuJJT0
男「師匠!!」

師匠「へっ……へへ……いいから……耳を貸せ……」

師匠「教えてやるよ……我が流派の『極意』って奴をよぉ」

男「師匠……!極意なんていらねぇよ!俺は師匠に生きてて欲しいんだよぉ!」

45: 2012/08/02(木) 22:23:47.59 ID:VmEvuJJT0
師匠「たわけっ!」

男「!」びくっ

師匠「お前は……氏ぬ前くらい……安心させて逝かせられねぇのかよ……」

男「うぅ……うう……!」

46: 2012/08/02(木) 22:24:33.03 ID:VmEvuJJT0
男「俺……がんばるよ……!師匠がいなくても……!」

師匠「いい目……だ……」

師匠「…………」

師匠「…………」

49: 2012/08/02(木) 22:26:23.43 ID:VmEvuJJT0
男「し、師匠……!」

男「師匠……!目を開けてくださいよ!師匠!!」

師匠「なんてな」

男「し、師匠!」

50: 2012/08/02(木) 22:27:37.55 ID:VmEvuJJT0
師匠「へ、へへ……極意を伝える前に……氏ねるかってんだ……」

男「師匠……!」

師匠「これが……俺からお前に与えられる……最後の教えだ……!」

師匠「準備はいいな……!?」

51: 2012/08/02(木) 22:28:18.09 ID:VmEvuJJT0
男「は、はいっ!師匠!」

師匠「いい目だ……!」

師匠「ぐふっ!」

男「師匠!?」

52: 2012/08/02(木) 22:29:04.74 ID:VmEvuJJT0
師匠「いい!時間がないんだ!」

男「師匠……!でも……!」

師匠「いいから……俺の刀を持って来い!」

男「は、はい!」

56: 2012/08/02(木) 22:34:11.21 ID:VmEvuJJT0
男「え、え~っと!どこに飛ばされたんだろう刀!ちょっととってきます!」

師匠「へへ……急げよ……俺が氏ぬ前にな……」

師匠「あ~……いい天気だなぁ……こんな日に氏ねるなんて俺は幸せだ……」

師匠「そういや……あのときもこんな晴れ空だったなぁ……」

59: 2012/08/02(木) 22:35:26.31 ID:VmEvuJJT0
いじめっ子『やーいやーい!弱虫やーい!』ボカッ ボカッ

男『うぅ……』

いじめっ子『泣いてないでやり返してみろよ~!』

師匠「ん?あれは……」

64: 2012/08/02(木) 22:38:09.52 ID:VmEvuJJT0
師匠『おい、お前ら!何をやってるんだ!』

いじめっ子『げっ!浮浪者だ!』

師匠『誰が浮浪者だ!食っちまうぞ!ガオオオ!』

いじめっ子『ひいいい!食われる~!』ダダダ

66: 2012/08/02(木) 22:39:10.88 ID:VmEvuJJT0
師匠『まったく……悪がきどもめ……』

師匠『おいお前……立てるか?』

男「あ、ありがとうございます……」

師匠「まったく……あれだけ殴られてなぜ殴り返さないんだ?情けない」

67: 2012/08/02(木) 22:40:59.72
切羽つまってるのに展開が意外と悠長でワロタwwwwwwww

68: 2012/08/02(木) 22:41:00.63 ID:VmEvuJJT0
男『だ、だって……殴られたら……痛いだろうし……』

師匠『お前な~……自分を殴る奴のことまで気にしてどうするんだ……ん?』

男『ど、どうしたの?』

師匠(こいつ……あれだけ殴られたのに……ほとんど傷がないだと……!?)

師匠(無意識のうちに……攻撃を紙一重で回避していたというのか?)

71: 2012/08/02(木) 22:43:48.41 ID:VmEvuJJT0
師匠『どうだい?君、武道をやってみないかい?』

男『え?でも僕……ケンカとか苦手だし……』

師匠『下手なケンカは相手を傷つけるだけだ』

師匠『武道の基本は……【戦わないこと】だ……』

男『難しくてよくわかんないよ……』

師匠『いずれ分かるさ……』

72: 2012/08/02(木) 22:44:52.49 ID:VmEvuJJT0
男「―――しょう、師匠!」

師匠「はっ!!」

男「師匠!大丈夫ですか!」

師匠「あ、ああ……すまん……ちょっと気が遠くなっていただけだ……」

73: 2012/08/02(木) 22:45:52.42 ID:VmEvuJJT0
男「どうします?医者にいきます?」

師匠「いや、もう手遅れだ……ガハッ!」

男「師匠!」

師匠「俺の体を……氏という暗黒が包み込んでいるのが分かる……」

74: 2012/08/02(木) 22:46:59.97 ID:VmEvuJJT0
師匠「俺の体が完全に氏に飲み込まれる前に……お前に教えなきゃあならない……」

師匠「我が流派の………『極意』を……」

男「極意……!」

師匠「ゲホッ!ゲホッ!時間がない!」

76: 2012/08/02(木) 22:49:05.41 ID:VmEvuJJT0
師匠「ほら……いつものように……手合わせして教えてやる……」

師匠「刀を取れ!」

男「そ、そんな!無茶だ師匠!そんな体で!」

師匠「無茶だと……ククク」ゴゴゴゴゴゴゴ

78: 2012/08/02(木) 22:49:55.74
師匠全然元気じゃねーか!

79: 2012/08/02(木) 22:50:27.56 ID:VmEvuJJT0
男「す、すごい剣気だ……!」

師匠「氏にかけとはいえ……お前に心配されるほど落ちぶれてはおらん……」

師匠「さあ撃って来い!『十文字斬り』を!」

男「手を抜いたら……逆に俺がやられる!」

81: 2012/08/02(木) 22:52:00.27 ID:VmEvuJJT0
男「やあ!十文字斬り!!」ズバッ ズバッ

師匠「甘いわ!!」 ズバッ!

男「なっ!十文字斬りが弾かれたっ!?」

男「そんな馬鹿な!師匠の剣の音はひとつ分しか聞こえなかった!」

83: 2012/08/02(木) 22:53:33.62 ID:VmEvuJJT0
男「それなのに、俺の二連撃が防がれるなんて……!」

師匠「グフッ……やはり……この技は体に負担がかかりすぎるか……」

男「し、師匠!」

師匠「よく聞け!今放ったのは『真・十文字斬り』だ!」

86: 2012/08/02(木) 22:55:17.62 ID:VmEvuJJT0
男「真・十文字斬り……?」

師匠「そうだ……普通の十文字斬りはすさまじい速さで二度の斬撃を繰り出す……」

師匠「だが……それはあくまで『二連撃』……完璧にはほど遠い……」

師匠「だが……真・十文字斬りは違う……グフッ!」

87: 2012/08/02(木) 22:56:14.53 ID:VmEvuJJT0
男「師匠!」

師匠「いいから聞け!」

男「……!」グッ

師匠「真・十文字斬りは……二連撃という限界を突破した『一撃』……」

89: 2012/08/02(木) 22:57:58.64 ID:VmEvuJJT0
師匠「光速を超えた凄まじいスピードで繰り出される二連撃は……」

師匠「時空のゆがみを生み出し……タイムラグを消失させる……」

師匠「そして繰り出される一撃……それが……」

男「真・十文字斬り……」

90: 2012/08/02(木) 22:59:33.29 ID:VmEvuJJT0
師匠「そうだ……それが極意……さぁ……撃って来い……」

男「そんな!いきなりは無理です!」

師匠「できるはずだ!お前にはその素質がある!」

男「でも…………」

師匠「俺もお前に向かって真・十文字斬りを放つ……手を抜けば氏ぬぞ……!」

91: 2012/08/02(木) 23:01:23.14 ID:VmEvuJJT0
師匠「この体では……あと一回しか真・十文字斬りは使えん……!」

男「師匠!」

師匠「これが、俺とお前の……最初で最後の勝負だ……!

男「師匠……!分かりました……!」

92: 2012/08/02(木) 23:01:27.93
光速を超えた剣戟ってわざわざ2回振らずとも一撃当てるだけでどんな相手も消し飛ぶよな……

94: 2012/08/02(木) 23:02:06.57 ID:VmEvuJJT0
師匠「行くぞ!!」

男「はいっ!」

師匠・男「「真・!」」

師匠・男「「十文字斬り!」」

ズバァッ!

96: 2012/08/02(木) 23:04:01.72 ID:VmEvuJJT0
師匠「グフッ……良い剣……だ……」バタッ

男「し、師匠!」

師匠「何泣きそうな顔しているんだ……喜べよ……」

男「そんな!嫌だよ!師匠!」

98: 2012/08/02(木) 23:05:30.20 ID:VmEvuJJT0
師匠「これで、お前が我が流派の正当継承者だ……」

師匠「これからも励めよ……」

男「いやだよ……師匠……!」

師匠「おいおい……最強の流派の継承者がそれじゃあ笑われちまうぜ……」

99: 2012/08/02(木) 23:06:39.65 ID:VmEvuJJT0
師匠「男ってのは……こんなときこそ……笑って見送るもんだぜ……」

男「わ、笑って……」ゴシゴシ

男「こ、こうかい……?」ニイッ!

師匠「クク……上出来だ……」

100: 2012/08/02(木) 23:07:45.68 ID:VmEvuJJT0
師匠「お前になら……俺の娘を託しても……」

男「え?なんだい?何か言ったか?」

師匠「ククク……なんでもねぇよ……」

男「?」

102: 2012/08/02(木) 23:09:04.07 ID:VmEvuJJT0
師匠「あ、それと……飲み屋のツケも……お前が払っといてくれ……!」

男「ええっ!」

師匠「おいおい、師匠のツケは弟子が払うもんだろ……?」

男「そんなの聞いたことないですよ!」

103: 2012/08/02(木) 23:09:51.57 ID:VmEvuJJT0
師匠「ククク……」

男「ハハハ……」

師匠「じゃあな……今度こそお別れだ……」

男「師匠……!」

104: 2012/08/02(木) 23:10:19.13 ID:VmEvuJJT0
師匠「…………」

師匠「…………」

師匠「…………」

師匠「…………」

105: 2012/08/02(木) 23:10:36.71 ID:VmEvuJJT0
師匠「…………」

師匠「…………」

師匠「…………」

男「師匠……?」

107: 2012/08/02(木) 23:11:08.31 ID:VmEvuJJT0
男「師匠……!」

男「師匠……!!」

師匠「なんてな」ムクリ

男「!!」

108: 2012/08/02(木) 23:12:17.62 ID:VmEvuJJT0
師匠「ハハハ……びっくりしたか……?」

男「師匠!あんたって人は!」

男「こんなときまで人をおちょくって!」

師匠「へへ……悪い悪い……!」

110: 2012/08/02(木) 23:13:01.19 ID:VmEvuJJT0
師匠「ふぅ……」

師匠「…………」

男「もう騙されませんよ!どうせまた氏んだふりなんでしょ!?」

師匠「…………」

112: 2012/08/02(木) 23:14:10.38 ID:VmEvuJJT0
師匠「…………」

男「師匠?師匠!?」

男「うわあああああ!師匠おおおおおお!」

師匠(ああ、俺は幸せだなぁ……こんな弟子を持てて……)

116: 2012/08/02(木) 23:15:31.14 ID:VmEvuJJT0
師匠(こいつなら……後を任せて大丈夫だろうな……)

ピカァ……

師匠(クク……どうやら……天からのお迎えって奴も来たようだぜ……)

師匠(この俺もいよいよ年貢の納めどきってわけか……)

117: 2012/08/02(木) 23:16:37.89 ID:VmEvuJJT0
師匠(ただ……ひとつだけ気になるのは……)

師匠(俺を襲った『奴』のこと……)

師匠(奴はおそらく……次に俺の弟子を狙うだろう……)

師匠(俺には奴がどんな手を使ったのかわからなかった……)

119: 2012/08/02(木) 23:18:20.24 ID:VmEvuJJT0
師匠(気づいたときにはすぐ後ろにいて……胴体を貫かれていた……)

師匠(奴はいったいどんな攻撃を……あれは瞬間移動や催眠術といったようなものではない)

師匠(タイムラグなしに……俺の後ろにいた……あんなことは……)

師匠(『時間を飛び越えでもしない限り』無理だ……))

122: 2012/08/02(木) 23:19:29.13 ID:VmEvuJJT0
師匠(待てよ……!『時間を止める』……!)パチクリ

男「し、師匠!?まだ息が……!」

師匠(そうだ!そうとしか考えられん!)

師匠(伝えなければ!このことを弟子に!)

125: 2012/08/02(木) 23:21:00.03 ID:VmEvuJJT0
師匠「オ……オ……!」

男「し、師匠!何かを俺に伝えようとしているんですか!?」

師匠(く、クソ!声が出ない!伝えなければならないのに!)

師匠(奴の能力は『時間』なんだ!それを知らずに挑めばやられる!)

127: 2012/08/02(木) 23:22:49.42 ID:VmEvuJJT0
師匠「オ………オオオオ……!」ズバッ!

男「ウワッ!これは真・十文字斬り!?」

師匠(これが……最後の真・十文字斬り……だ……)

男「う、腕時計が……いったい……?」

128: 2012/08/02(木) 23:24:00.22 ID:VmEvuJJT0
師匠(伝わってくれ……!)

男「腕時計が壊れる……腕時計が止まる……」

男「はっ!時間を止める!敵の能力は時間を止める能力なんですね!?」

師匠「…………」ニヤリ

129: 2012/08/02(木) 23:26:40.72 ID:VmEvuJJT0
師匠(さすがは俺の弟子……だ)

師匠(さて……俺はそろそろ行かなくてはな……)

師匠(弟子よ……氏ぬなよ……)フワワァ~

男「師匠おおおおおおおお!」

132: 2012/08/02(木) 23:27:57.23 ID:VmEvuJJT0
師匠「…………」

男「師匠……あんた……男はどんなときも笑えって言ったよな……」

男「それって…… ちょっとばかり……難しすぎるぜ……!」

師匠「…………」

135: 2012/08/02(木) 23:29:05.44 ID:VmEvuJJT0
男「なぁ……なんとかいってくれよ……!」グスッ

師匠「…………」

男「いつもみたいに俺をしかってくれよおお!」ポロポロ

師匠「…………」ポタッ ポタッ

138: 2012/08/02(木) 23:30:42.33 ID:VmEvuJJT0
男「うぅぅぅ……」ポロポロ

師匠「…………」ポタポタ

男「畜生……畜生……」ポロポロ

師匠「…………」ポタポタ

140: 2012/08/02(木) 23:32:11.26 ID:VmEvuJJT0
男「うわあああん!うわああああん!」ポロポロ

師匠「…………」ポタポタ

男「うぐぇっ……うぇぇぇ……」ポロポロ

師匠「…………」ポタポタ












師匠「何ないてんだよ 馬鹿弟子が」

142: 2012/08/02(木) 23:32:53.72
おい

147: 2012/08/02(木) 23:33:51.23
まだ喋れんじゃねーかwwwwwwwwwwwwwwwwww

148: 2012/08/02(木) 23:33:59.58 ID:VmEvuJJT0
男「えっ?」

師匠「ふん。おめぇの泣き声がうるさくて戻ってきちまったぜ」

男「し、師匠……?」

師匠「ククク……地獄は満員だとよ。追い返されちまったぜ」

男「師匠おおおおおおお!!」

師匠「おいおい俺は男と抱き合う趣味はねえぞ」

男のひたむきな涙が奇跡を起こしたのか
師匠は奇跡的に復活した



HAPPY ENDO

152: 2012/08/02(木) 23:35:21.89
ちょっと感動した

153: 2012/08/02(木) 23:35:22.42
面白かったwww
乙!

154: 2012/08/02(木) 23:35:43.18
な・・・内蔵は・・・?

158: 2012/08/02(木) 23:37:35.44
なぜこのおっさんが負けたのかわからない

引用元: 師匠「グハァッ!」男「し、師匠!」