1: 2012/12/02(日) 16:16:56.96 ID:nfANqB9K0
シンジ「え?いきなり何言ってんだよ」

アスカ「昨日の訓練のせいで、あたし寝不足なの。学校に行く気しないのよ」

シンジ「それと僕がサボるのと何の関係があるんだよ?第一、アスカが寝不足なのは昨日夜遅くまでゲームやっていたからだろ」

アスカ「はぁ?なんであんたがそんなこと知ってるのよ!まさか覗いたわけ!?」

シンジ「アスカがゲーム相手に叫んだり、壁を蹴ったりしてれば嫌でも分かるよ!おかげで僕まで寝不足だ!」

アスカ「なら丁度いいじゃない。サボりなさいよ」

シンジ「いやだよ!サボるならアスカ一人でサボればいいじゃないか」

アスカ「あんたバカぁ?一人でサボッたら心細いに決まってんでしょ」

シンジ「え?」

アスカ「あ……ひ、一人でサボッてもつまんないからに決まってんでしょ!?そんなのも分からないなんて、アンタ本当に低脳ね!」

9: 2012/12/02(日) 16:23:11.76 ID:nfANqB9K0
シンジ「低脳って……」

アスカ「じゃ、あたしの分も学校に連絡よろしく」

シンジ「えぇ!?やだよ!」

アスカ「別にいいじゃない!ついででしょ!」

シンジ「アスカがやってよ!大体僕は学校をサボったりしたことないんだから!」

アスカ「あたしだってないわよ!あんたこの優等生であるあたしが経験者だと思ってるの!?」

シンジ「優等生ならサボるなよ!」

アスカ「もぉ!ああ言えばこう言うやつね!分かったわよあたしがやればいいんでしょ、あたしが!」

シンジ「……ほら、受話器」

アスカ「チッ……昼、ラーメン作りなさいよね」

13: 2012/12/02(日) 16:29:44.17 ID:nfANqB9K0
アスカ「……あっ、もしもし」

シンジ「…………」

アスカ「あの、あたしとバカシン……じゃない。碇くんは、今日、欠席したいんですけど」

アスカ「え?何で?なんでって……そりゃ、いろいろあって」

シンジ(大丈夫かよ……?)

アスカ「サボリ?そんなわけないでしょ!先生、あたしの成績表見たことある!?そんなことをする生徒に見えるわけ!?」

シンジ「ちょ、アスカ。逆ギレは……」

アスカ「生理!生理なんですッ!お腹痛くて氏にそうなの!だから欠席し・ま・す!」

アスカ「え?バカシンジの理由?……あー、えっと」

シンジ「アスカ、僕は風邪っていうことに、」

アスカ「昨日車に撥ねられて両手両足折ってるの。だから学校には行けません。以上です」

シンジ「アスカぁっ!!」

17: 2012/12/02(日) 16:36:08.09 ID:nfANqB9K0
アスカ「……なによ?そんなに鼻息荒くして」

シンジ「誰が車に撥ねられたんだよ!?そんなことしたら半年は学校に行けないよ!」

アスカ「あんたバカぁ?半年で学校に行けたら苦労しないわよ」

シンジ「ひどい……」

アスカ「済んだことを気にしても仕方ないじゃない。あ~、やっとくつろげる~!」

シンジ「はあ……トウジたち心配しないかな……」

アスカ「さてと。それじゃ、バカシンジ」

シンジ「ああうん。それじゃあ僕は自分の部屋で宿題でもやってくるよ」

アスカ「はぁ!?何言ってんのよ!学校サボッたくせに勉強するバカがどこにいるわけ!?」

シンジ「べ、別にいいじゃないか。アスカは寝不足なんだから、部屋で寝てればいいだろ」

アスカ「学校サボッちゃったのに気持ちよく寝れるわけないでしょぉ!?」

26: 2012/12/02(日) 16:42:27.64 ID:nfANqB9K0
シンジ「ええ……?アスカは寝不足だから、僕を誘ってまで学校を休んだんじゃないの?」

アスカ「そうよ。でも寝れないんだから仕方ないじゃない」

シンジ「何で寝れないんだよ。ひょっとしてサボったことが不安で……」

アスカ「な、なに言ってるのよ!エヴァンゲリオン二号機パイロット、数々の氏闘を乗り越えてきたこのアスカ様が、どうしてたかがサボリ程度で心を乱されなきゃいけないわけ!?」

シンジ「じゃあ静かにゲームでもやっててよ……」

アスカ「それじゃ学校と変わらないわ。普段出来ないことをやるのがサボリでしょ」

シンジ「なら何をやるのさ」

アスカ「そうね……ん~……」

シンジ「…………」

アスカ「…………」

シンジ「……ねえ、」

アスカ「あ、あんたの宿題手伝ってあげるわ!」

シンジ「えぇ?」

43: 2012/12/02(日) 16:48:26.68 ID:nfANqB9K0
シンジ「それこそ、学校終わった後でも出来そうだけど」

アスカ「普段のあたしは忙しすぎてそんな暇ないの。っていうか、このあたしが特別に手伝ってあげるんだから感謝しなさいよ」

シンジ「はあ……ま、いいか。それじゃ、よろしく頼むよ」

アスカ「ビシバシいくから覚悟しなさいよ!」


~10分後~


アスカ「あんたバカぁ!?何でこんな問題も分からないわけ!脳みそついてんの!?」

シンジ(……)

アスカ「ここなんて中一で習ったとこじゃない!あんた今まで何を学んできたわけぇ!?」

シンジ(……こうなることは、半分予想していたんだ)

アスカ「あーもうやってらんない!教える相手がこんなに馬鹿なんじゃ話にならないわ!」

シンジ「……アスカは間違っても家庭教師は目指さない方がいいよ」

アスカ「はぁ?どういう意味よ」

シンジ(言った通りの意味だよ……)

53: 2012/12/02(日) 16:53:28.39 ID:nfANqB9K0
アスカ「宿題は止めね。さーてどうしようかしら」

シンジ「今頃みんな、授業受けているんだろうなぁ」

アスカ「あ、の、ねぇ。そういうこと言わないでくれる?サボッている気分が台無しじゃない」

シンジ「第一サボりってそんな何するもんでもないと思うけど……それじゃ、外出て遊びにでも行く?」

アスカ「万が一教師に見つかったらどうするわけ。頭使いなさいよ」

シンジ「じゃあ家で何をするんだ?トランプ?ジェンガ?」

アスカ「そんな庶民くさい遊び。あたしがやるわけないでしょ!」

シンジ「なら一体どうしろと……」

ガチャリ

アスカ「っ!?」

シンジ「だ、誰か帰ってきた……ッ!?」

70: 2012/12/02(日) 16:58:36.99 ID:nfANqB9K0
ミサト「はぁ~~~。つーかーれーたァ~~~」

アスカ「この声はミサトね。そういえば昨夜はネルフにいたんだっけ」

シンジ「ど、どうしよう。ここにいたらサボッたことがバレちゃうよ」

アスカ「隠れるしかないわ!と、とりあえず……あたしの部屋!」

シンジ「待ってよぉっ!」


ミサト「あれー?今シンちゃんの声がしたような……」

ミサト「……リビングにはいない……。気のせいか」

ミサト「早くシャワー浴びて休もうっと~」

86: 2012/12/02(日) 17:04:12.14 ID:nfANqB9K0
アスカ「と、とりあえず大丈夫そうね……」

シンジ「誰かってミサトさん以外いないじゃないか……。僕は何を言っているんだ……」

アスカ「何ぶつぶつ言ってんのよ。はーあ、ミサトがいたんじゃ家にはいらんないわね」

シンジ「でもペンペンが帰ってきた場合も……いやペンペンはそもそも出かけてないし……」

アスカ「あーもう!あんた何の話をして」

ガチャリ

アスカ「!」

シンジ「!」

ミサト「……今、確かにアスカの声がしたはずだけど……」

シンジ(や、やばいやばいやばいっ)

アスカ(ちょっとバカシンジ!何あんたまで布団に隠れているのよ!)

92: 2012/12/02(日) 17:07:15.69 ID:nfANqB9K0
ミサト「アスカー?いるのー?」

シンジ「……」

アスカ「……」

ミサト「やっぱいない、か。そうよね、今頃学校のはずだもの」

シンジ「……」

アスカ「……」

ミサト「声が聞こえるなんて、疲れているのかしら。早く寝ましょう」

シンジ「……」

アスカ「……」ぐぅ~!

ミサト「え?」

シンジ「!?」

アスカ「……あっ」

100: 2012/12/02(日) 17:15:01.82 ID:nfANqB9K0
シンジ(あ、アスカ!?)

アスカ(……お、お腹鳴っちゃった)

ミサト「今変な音がしたわよね!?なに?泥棒!?」

シンジ(どうしようどうしよう!このままじゃマズイよ!)

アスカ(そもそもバカシンジが作った朝食の量が少なかったせいじゃない!絶対許さない!)

ミサト「だ、誰かいるなら出てきなさい!ネルフ戦術作戦部作戦局第一課所属葛城ミサトの家に忍び込むなんて、いい度胸ね!」

シンジ(よく噛まないで言えたな……)

アスカ(早くお昼のラーメン食べたい……)

108: 2012/12/02(日) 17:18:01.34 ID:nfANqB9K0
ペンペン「クワァー!」

ミサト「きゃあ!!」

ペンペン「クワッ、クワッ」

ミサト「ペ、ペンペン……。なに、あなただったの?」

ペンペン「クワァー」

ミサト「でも確かにアスカの部屋から……疲れているのかしら。もういいわ。変に考えるのはよしましょう」

ガチャン

シンジ(た、助かった……)

アスカ(醤油……味噌も捨てがたいわね……)

114: 2012/12/02(日) 17:21:39.21 ID:nfANqB9K0
シンジ「アスカ……ほんと、勘弁してよ」

アスカ「う、うるさいわね。そもそもあんたが……」

シンジ「なんて、言い合っている場合じゃない。ミサトさんにバレない内に家を抜け出そう」

アスカ「そういえば靴も置きっぱなしだったけど、気づかれなかったのは不幸中の幸いね」

シンジ「ほら、行くよ。アスカ」

アスカ「あたしに指図するんじゃ……って、ちょっと待ちなさいよバカシンジ」

シンジ「え?」

アスカ「外に出るってことは、お昼はどうするの?」

シンジ「そりゃもちろん、どこかで外食するしか……」

アスカ「はぁ!?あんたの作るラーメンはどうなるのよ!」

シンジ「ええ!?」

118: 2012/12/02(日) 17:24:14.63 ID:nfANqB9K0
シンジ「今更何を言っているんだよ!」

アスカ「嫌よ!ラーメンが食べれないならサボッた意味ないわ!」

シンジ「主旨が変わっているよ!」

アスカ「家に出るってのはナシ。論外。他の手を考えましょう」

シンジ「そんな無茶な……」

アスカ「ミサトだって寝るんだから、そうしたら変わらないじゃない。それよりも、」

シンジ「それよりも?」

アスカ「靴を隠しに行きましょ。いつバレるか分からないわ」

シンジ「靴ね……」

121: 2012/12/02(日) 17:27:38.45 ID:nfANqB9K0
シンジ「ミサトさんはシャワーに行ったみたい」

アスカ「よし、行くわよバカシンジ」

シンジ「ドキドキするなぁ……」


~数分後~


アスカ「よし。これで完璧ね」

シンジ「あとは各自待機?」

アスカ「ええ、ミサトが寝静まったら落ち合いましょう」

シンジ「部屋に入ってきませんように……」


ミサト「はぁー。いいお湯だったぁ」


アスカ「っ!もう出てきたの!?」

124: 2012/12/02(日) 17:34:02.51 ID:nfANqB9K0
シンジ「ど、どうしようアスカ!ミサトさんがリビングにいたんじゃ部屋まで辿りつけない!」

アスカ「そんなこと分かっているわよ!仕方ないわね……」

シンジ「何か策があるの?」

アスカ「アンタが囮になって、先に行きなさい。あたしはこっそり戻るから」

シンジ「それは囮というより生贄だよ。大体そんなの不公平じゃないか。発案者のアスカが行くべきだ」

アスカ「あんたそれでも男なの?レディを生贄にするわけ?」

シンジ「レディファーストだよアスカ。さあ早く」

アスカ「い・や・よ。バカシンジ、行きなさい」

シンジ「アスカが行ってよ!僕は関係ない!」

アスカ「今更部外者面しないでよ!共犯者でしょ!?」

シンジ「首謀者のアスカが行くべきだ!」

アスカ「部下が氏にに行くのよ!」

シンジ「だから外に出ようって行っただろ!」

アスカ「ラーメン!」


ミサト「……二人とも、何やってるわけ?」

135: 2012/12/02(日) 17:42:02.16 ID:nfANqB9K0
~昼~

ミサト「パイロットで大変なのも分かるけど、遊びでサボるのは駄目だからね」

シンジ「すみません……」

アスカ「もう分かったわよ。それよりバカシンジ、早くラーメン」

シンジ「待ってよアスカ。もうすぐ出来るから」

ミサト「シンちゃん、冷蔵庫にまだビールあったっけ?」

シンジ「お昼から飲むんですか……?」

ピンポーン

ミサト「ゲ……」

アスカ「こんな時間に誰かしら」

シンジ「アスカ、今手が放せないから出てきてよ」

アスカ「もう、仕方ないわねぇ」

ミサト「あー、ちょっち、部屋で寝てくるわ……」

アスカ「……ミサトぉ!あんた今日サボッたわねえ!?」


おわり

541: 2012/12/02(日) 22:48:04.27

引用元: アスカ「バカシンジ。今日学校サボリなさいよ」