459: 2012/12/02(日) 21:30:22.18 ID:nfANqB9K0
マリ「ワンコくん、今日学校サボろうよー」

470: 2012/12/02(日) 21:36:15.72 ID:nfANqB9K0
マリ「ね?」

シンジ「ね、じゃないですよ……。えっと、真希波さん、でしたっけ」

マリ「マリでいいよ、ワンコくん。それとも下の名前で呼ぶのは恥ずかしい?」

シンジ「…………」

マリ「仕方ないなあ。じゃあワンコくんにちなんで、ニャンコちゃんとお呼び!」

シンジ「……マリさん。何の用ですか?」

マリ「だーかーらー、学校サボろって言いに来ているのさ」

シンジ「大体あなたって、学校通っているんですか?」

マリ「にゃはは、そこは秘密かな。秘密主義の娘がワンコくんは好きでしょ」

シンジ「……じゃあつまり、僕に一方的にサボれと?」

マリ「そうそう。大正解。お礼にさっき拾った5円玉あげよう」

シンジ「いりません。それと、」

シンジ「お断りします」

478: 2012/12/02(日) 21:41:06.31 ID:nfANqB9K0
マリ「えー!なんで!?」

シンジ「なんでって……第一、僕とマリさんがどうして一緒にサボるんですか。ほぼ初対面に近いですよ」

マリ「いいじゃんいいじゃん。零号機と二号機の娘とはサボッたんでしょ?」

シンジ「何故それを……」

マリ「私の情報網を舐めないほうがいいよ~!」

シンジ「というか、だからこそですよ」

マリ「にゃ?」

シンジ「もう二回もサボッて……先生には完全に目ぇつけられているんですから」

マリ「なら尚更、二回も三回も変わんないって」

シンジ「あのね……」

483: 2012/12/02(日) 21:45:54.84 ID:nfANqB9K0
マリ「……哀しいな」

シンジ「え?」

マリ「一人、こんな危ない所に来て友達も出来ず、街を案内してくれる人にも恵まれず……」

マリ「今日も今日とて、一人公園のベンチに座る日々……はあ……」

シンジ「えっと……」

マリ「だれか、心優しい人が私を助けてくれないかにゃあ……」

シンジ「…………分かった、分かりましたよ。サボればいいんでしょ、サボれば……もう」

マリ「さっすがワンコくん!話が分かるじゃーん!それじゃあ特別に私から先生に話を通しておくよ!」

マリ「えーと公衆電話公衆電話……あったあった」

マリ「もっしー?先生ー?」

486: 2012/12/02(日) 21:49:43.53 ID:nfANqB9K0
シンジ「大丈夫かな……一番不安だ」

マリ「お宅の学校の、ワンコくん!あー、碇シンジくんね!そう、腹痛で休み!オーケー?」

シンジ「……理由は一番まともみたいだ」

マリ「え?また車に轢かれたのか?あーそうそう。そういうこと。もうペシャンコで息もしてないから」

マリ「じゃ、そういうことで~!」

シンジ「……」

マリ「よし、完璧」

シンジ「どこがですか!!」

マリ「わわっ。どしたのワンコくん、えらく怒っているね~。生理かな?」

シンジ「はあ……もういいですよ。それじゃ、どこを案内すればいいんですか。あっちの方には、」

マリ「ワンコくん家」

シンジ「……そっちに行くと、」

マリ「ワンコくん家」

490: 2012/12/02(日) 21:53:32.56 ID:nfANqB9K0
シンジ「あのねえ、」

マリ「二人もそこで過ごしたんでしょ?なら私もそこ!決定だね!」

シンジ「もう……勝手にしてください」

マリ「それじゃ行こう!ほーら、早くしないと置いていくぞーっ」

シンジ「僕の家分かるんですか?」

マリ「……ほーら、早くしないと私が迷子になるぞーっ!」

シンジ「何なんだこの人……」

491: 2012/12/02(日) 21:56:23.97 ID:nfANqB9K0
~10分後~


マリ「おお。いいとこに住んでるね~」

シンジ「普通だと思いますけど……」

マリ「ワンコくん、鍵閉めた?」

シンジ「え?はい、もちろん」

マリ「二重ロックね。入れないように。それと念のため靴は隠しておこうか」

シンジ「はあ」

マリ「家に誰もいないか確認させてもらけどいいよね?部屋にも入るよ」

シンジ「ど、どうぞ……」

マリ「いやあ、誰かさんたちの二の舞にはなりたくないからね~」

498: 2012/12/02(日) 22:02:36.12 ID:nfANqB9K0
マリ「よし、準備完了!それじゃさっそく遊ぼうワンコくん」

シンジ「何をしてですか?」

マリ「う~ん。ベーゴマとか」

シンジ「ベ、ベーゴマ?」

マリ「あり、知らない?」

シンジ「いや、知識にはありますけど……さすがに家にはないっていうか」

マリ「じゃあ綾取りかにゃ?」

シンジ「…………」

マリ「どしたのその目は」

シンジ「結構、なんていうか、古き良き遊びを推すんですね……」

500: 2012/12/02(日) 22:05:25.59 ID:nfANqB9K0
マリ「伝統を重んじるのは大切なことだよー?ま、でもないっていうなら仕方ない。じゃあワンコくんの好きなテレビゲームをしよう」

シンジ「別に好きじゃないですけど……」

マリ「メガドライブはある?」

シンジ「ないです」

マリ「セガサターンは」

シンジ「ないです」

マリ「も~。品揃えの悪い店だねー」

シンジ「何にせよ、うちでゲームを持っているのはアスカくらいですよ」

マリ「じゃあ盗って来よう」

シンジ「字が違いやしませんか」

502: 2012/12/02(日) 22:10:00.21 ID:nfANqB9K0
マリ「冗談だよー。いやあ、でも困ったね。サボりって意外と大変」

シンジ「毎回こんな感じになりますよ」

マリ「ワンコくん、朝食とったー?」

シンジ「あ、はい」

マリ「そっかぁ~」

シンジ「……」

マリ「朝ごはん食べたんだぁー。ふーん。へぇー」

シンジ「……」

マリ「いいなー朝ごはんかぁー」

シンジ「……」

マリ「私は朝何も食べてな」

シンジ「作りますよ作ればいいんでしょう!」

506: 2012/12/02(日) 22:12:52.63 ID:nfANqB9K0
マリ「いやあ、悪いね」

シンジ「材料使ったらマズイので、チャーハンくらいしか作れないですけど……」

マリ「おっけーおっけー。ついでにシチューもよろしく」

シンジ「話聞いてましたか?」

マリ「そんな怖い顔しないで、冗談だよ冗談。それじゃあ私はコーヒーでも入れようかな」

シンジ「あ、結構です」

マリ「にゃ?」

シンジ「コーヒーには一度懲りているんで……座って待っててください」

マリ「じゃあお言葉に甘えて、ワンコくんの部屋に行っているよ」

シンジ「リビングのイスに腰掛けていてください」

509: 2012/12/02(日) 22:17:38.41 ID:nfANqB9K0
~10分後~

シンジ「出来ました」

マリ「にゃっは~!美味しそう!食べていい?いい??」

シンジ「どうぞ」

マリ「いっただっきまーす!……うん!すごく美味しい!」

シンジ「そうですか?」

マリ「しゅぎょくうみゃいにょ!!」

シンジ「飲み込んでから話してください」

マリ「とっても美味しいよ!ワンコくんは将来料理人になればいいじゃない?」

シンジ「それは言いすぎですよ」

マリ「いやいや、ほんとほんとっ!」

511: 2012/12/02(日) 22:20:25.86 ID:nfANqB9K0
マリ「~~♪」

シンジ「……そこまで美味しそうに食べてもらえると、嬉しいです」

マリ「にゃはは。ワンコくんはお母さんみたいなことを言うんだね。母性本能をくすぐっちゃったかな?」

シンジ「母性本能って……第一、僕は母親がどういうのか、知らないし」

マリ「本当にそうかな?」

シンジ「え?」

マリ「意外と近くで、優しく見守ってくれているかもしれないにゃ」

シンジ「マリさん?」

マリ「なーんて。私がワンコくんのお嫁さんになれば言えちゃうなぁー!」

シンジ「もう、からかっているんですか?」

513: 2012/12/02(日) 22:23:13.45 ID:nfANqB9K0
マリ「さーてと。お腹も一杯になったし!」

シンジ「帰りますか?」

マリ「……まだ一日は始まったばっかりだよ?」

シンジ「とは言っても、することなんて思いつかないし……」

マリ「あ!そうだ、あれやろう!」

シンジ「何ですか?」

マリ「わんにゃんゲーム」

シンジ「……聞いたことないですね。それも昔の遊びか何かですか?」

マリ「いや、私が今作って発表した」

シンジ「そうですか……」

516: 2012/12/02(日) 22:26:03.81 ID:nfANqB9K0
シンジ「それで、一応聞きますけどどんな遊びなんですか?」

マリ「ワンコくんは犬。私は猫になって、どっちかに従うの」

シンジ「お断りします」

マリ「一回やってみよ!楽しいから!」

シンジ「今さっき作ったくせに経験者みたいなことを言わないでください」

マリ「じゃあ最初に私が猫になるからさ!ほら、にゃぉ~ん☆」

シンジ「……」

マリ「にゃあ~?」

シンジ「……」

シンジ「ね、猫は飼ったことないから……試しにですよ」

519: 2012/12/02(日) 22:28:23.76 ID:nfANqB9K0
シンジ(でも何て言えばいいんだろう……。飼ったことないから本当に分かんないや)

シンジ「お、お手」

マリ「にゃははっ」

シンジ「わ、笑わないでくださいよ!」

マリ「にゃぁ~」

シンジ(手が乗った……。何か、そういう感じの店にいるみたいだ……)

マリ「にゃにゃにゃ」

シンジ「わわっ、そんなくっ付かないでくださいよ!」

マリ「にゃおーん!」

シンジ「手ぇ舐めないでください!マリさぁん!」

520: 2012/12/02(日) 22:30:20.50 ID:nfANqB9K0
~10分後~

シンジ「はあ、はあ……」

マリ「楽しかった?ワンコくん」

シンジ「いや、えっと……」

マリ「どう、敬語使っている相手を好き勝手従わせる気分は?」

シンジ「…………」

マリ「次は私の番だね」

シンジ「あ、僕学校の宿題が残ってたんだったー……」

マリ「逃がさないよ、ワンコく~ん」

526: 2012/12/02(日) 22:33:25.56 ID:nfANqB9K0
シンジ「わ、わん……」

マリ「わー可愛い!ほらおいで~」

シンジ「うう……」

マリ「お手!」

シンジ「わん」

マリ「おすわり!」

シンジ「わん」

マリ「ふせ!」

シンジ「わん……」

マリ「ちんちん!」

シンジ「わん!?」

531: 2012/12/02(日) 22:37:41.25 ID:nfANqB9K0
シンジ「いや、マリさん。それはちょっと……」

マリ「犬語はよく分かんないにゃあー。ほら、ワンコくん、」

マリ「ちんちん」

シンジ「…………」

マリ「どうしたの?分からないかにゃ?」

シンジ「……」

マリ「じゃあゆっくり言ってあげよう」

マリ「ち・ん・ち・ん」

シンジ「……」

マリ「ほらやってみな?仰向けになって、開放的な姿勢になって、」

マリ「やってみてよ」

マリ「さあ!さあ!さあっ!!」

シンジ「帰ります」

マリ「嘘だよ許してワンコくーん!!!」

533: 2012/12/02(日) 22:41:01.29 ID:nfANqB9K0
~10分後~


シンジ「なんだか疲れました……」

マリ「同感。さすがの私もお疲れにゃ」

マリ「さてと、ワンコくんの部屋にでも行って一眠りしてくるかなあ」

シンジ「帰ってください」

マリ「……じゃあ、帰っちゃおうかな」

シンジ「え?」

マリ「うん?どうしたの?」

シンジ「あ……いや、別に。どうぞ帰ってください」

マリ(ふふふ……調教完了)

535: 2012/12/02(日) 22:45:50.80 ID:nfANqB9K0
マリ「……あ」

シンジ「?どうかしたんですか?」

マリ「あーいや、そろそろホントにおいとましようかな」

シンジ「何ですか、急に慌てて」

マリ「にゃはは。こっちの話。それじゃ失礼するよ」

シンジ「マリさん」

マリ「にゃ?」

シンジ「あの、僕も……ここに来たばかりのころは、心細くて、不安も一杯で……」

シンジ「だから、僕でよかったらまた付き合います。割と楽しかったし、ね」

マリ「ワンコくん……」

マリ(やれやれ。本当に調教されたのはこっちだったかにゃ?)

536: 2012/12/02(日) 22:47:05.10 ID:nfANqB9K0
マリ「そいじゃ」

シンジ「はい……ってあれ?どうしてベランダの方から行くんですか?」

マリ「いやいや、気にしないでよ」

シンジ「気にしますよ。危ないですし」

マリ「大丈夫。慣れっこだから……それじゃシンジくん、またね」

シンジ「え?あ……はい」

マリ「後はよろしく!ワンコくん!」

シンジ「え?」

アスカ「こらァッ!バカシンジ開けなさいよ!二重ロックまでしてんじゃないわよォ!!」

レイ「碇くん……私も誘ってほしかった」

ミサト「ちょっとぉ!毎度毎度こっちにまで連絡来られちゃ敵わないわよっ!」

シンジ「家の外から、たくさんの声……あはは、はは」

マリ「あーあ。ワンコくんが私だけのワンコならいいのにねぇー、っと。ぐっばい~」


THE END

541: 2012/12/02(日) 22:48:04.27

引用元: アスカ「バカシンジ。今日学校サボリなさいよ」