1: 2012/03/12(月) 21:28:29.71 ID:G+oNjz740
「高槻やよいのお料理さしすせそ」
番組開始から数か月、今では高槻やよい延いては765プロを代表する人気番組となった。
とある休日、俺は何気なしにその番組を見ていたのだが・・・

やよい「サラダ油でもいいんですけど」

やよい「・・・でも私は、オリーブオイルです!(ドバァ)」

やよい「最後にオリーブオイルを垂らして(ドバァ)、今日はこれで決まりっ!うっうー!」

P「どういう・・・ことだ・・・」

4: 2012/03/12(月) 21:30:14.53 ID:G+oNjz740
-翌日、765プロ事務所-

P「おはよーございまー「ちょっとアンタ!何よ昨日のあの番組!」

P「伊織!?・・・もしかしてお前も見てたのか?」

伊織「たまたまヒマだったから仕方なく見てやったのよ。仕方なくね」

P「で、あの有様だったと」

伊織「それで朝一番に来るであろうアンタに相談しようって思ったワケ」

P「朝一番?小鳥さんが俺が来る前から来てたんじゃないのか?」

伊織「小鳥の方は私が来た時からずっとあの調子だから・・・」

小鳥「」カチャカチャカタカタ

P「コピペブログのお料理さしすせそスレを漁ってる」

伊織「ああいう大人にはなりたくないわね」

6: 2012/03/12(月) 21:32:58.31 ID:G+oNjz740
伊織「そもそも何であんな事になってるのよ。アンタやよいのプロデューサーなんでしょ?」

P「最近は他の仕事が忙しくて全然現場に行けなかったんだ」

伊織「はぁ!?ほんっと使えないわね!やよいに何かあったらどうするのよ!?」

P「何かあってるだろ、現在進行形で」

伊織「とにかくこのままだとイメージダウンは確実よ。なんとかしなさい。私もできる限り協力するから」

P「ありがとう。伊織は優しいな」

伊織「は?」

P「やよいのために俺なんかに相談してくれて、おまけに協力してやるときた」

P「ツンデレで言う所のデレだな」

伊織「ババババッカじゃないのアンタ!?それにやよいのためでもないわ!・・・そう765プロ!765プロ全体のためよ!」

P(分かりやすいな)

8: 2012/03/12(月) 21:35:21.17 ID:G+oNjz740
-昼前、765プロ事務所-

相談の後、伊織は竜宮小町の仕事で事務所を出た。

P(やよい本人と話すのは、やよいを傷付ける可能性があるから今はダメ、と伊織に却下された)

P(何とかしろ・・・とは言われたが、一体どうすればいいやら)

小鳥「どうかしたんですか?プロデューサーさん」

P「やよいの番組の件でなんですけど、小鳥さんもブログ見てたから知ってますよね?」

小鳥「正直、やよいちゃんがあんな料理するなんて信じられません。何か裏があるとしか」

P「本人が進んでやってる可能性もありますから、迂闊に言い出し辛いんですよね」

P「裏があるかどうかだけでも知りたいんですけど・・・」

ガチャ

やよい「うっうー!おはようございますー!」

小鳥「おはようやよいちゃん。少し早いけどお昼ご飯にする?」

P(昼飯・・・それだ!)

9: 2012/03/12(月) 21:37:58.27 ID:G+oNjz740

P「なあやよい!昼飯食べに行こう!俺がおごってやるぞ!」

小鳥「え、ちょ、なら私m

やよい「えぇ!?いいんですか!?」

P「ああいいとも!駅前に美味い食堂あったからそこに行くぞ!」

やよい「うっうー!ありがとうございまーす!ゴチになりますですー!!」

バタン

小鳥「行っちゃった・・・」

小鳥「でもあんな攻めるプロデューサーさん初めて見た!また妄想のネタが増えたわ!」ピヨリ

12: 2012/03/12(月) 21:42:09.78 ID:G+oNjz740
-正午、ごはん処やよい軒-

P「俺はいつものサバの味噌煮定食だ」

やよい「私はいも煮ととり天の定食ですー!期間限定ってお得な響きかなーって」

P「午後はいっぱい仕事あるからいっぱい食べろよ!」

やよい「はい!いただきまーす!」

P(もしやよいがこの料理に何らかのアクションを起こせば、あの件は自分からやっていることになる)

P(席の目の前には豊富な調味料、オリーブオイルだばぁに匹敵するアレンジを加えるに違いない)

やよい「とってもおいしいですね!」モグモグ

P「ああ、割と安いし丼もの以外ならご飯おかわり自由だからよくお世話になってるよ。」モグモグ

やよい「そうなんですか!あ、味噌煮ちょっともらってもいいですか?」

P「そっちのいも煮と交換な」

15: 2012/03/12(月) 21:46:06.50 ID:G+oNjz740
P(結局、やよいは調味料に手を付けることなく完食した)

P(という事は、あの料理センスは番組の中だけの話?だが何のために?)

やよい「プロデューサー?午後からお仕事じゃなかったんですか?」

P「そ、そうだったな!まずは雑誌のインタビューだ。気合入れて行けよ!」

やよい「うっうー!一生懸命がんばりまーすっ!」

(豆知識:大阪にはやよい軒高槻店があるぞ!さらに阪急高槻市駅の2つ隣は水無瀬駅だ!
 このことからも、大阪はやよいおり派という事がよく分かるな!)

-同じく正午、どこかのカフェ-

「休憩入りまーす」

伊織「インタビューって聞いてたけどまさか撮影までするなんて。結構疲れたわ」

伊織(やよいが自分からあんな料理作るなんて考えられないし、隠し事をできるようにも思えない)

伊織(って事は、誰かに入れ知恵されたって考えるのが妥当ね。でも誰が?)

伊織(やよいと接触する機会が多くて、入れ知恵できるほど親密で、デタラメを言うのが好きな奴・・・)

亜美「おっつ→☆あ、いおりんも休憩?」

伊織「アンタね」

亜美「え?」

16: 2012/03/12(月) 21:50:02.31 ID:G+oNjz740
亜美「ちょちょちょっと待ってよ!亜美たちそんなことやってないよ→!」

伊織「え?違うの?」

亜美「違うよ!大体やよいっちもオリーブオイルの使い方ぐらい知ってるっしょ!?」

伊織「使い方って、そりゃ普通家にあるんだから・・・」

伊織「・・・!」ハッ

ケータイトリダシポパピプペ

伊織「新堂!やよいの家附近にあるスーパーのオリーブオイルの値段、全部調べて報告して!」

伊織「理由!?友達を助けるため!これだけで十分でしょ!ガタガタ言わずにさっさとやりなさい!」

ピッ

亜美「やよいっちの為にあのいおりんがこんなに頑張るなんて・・・泣けるでぇ!」ホロリ

あずさ「やよいちゃん、いい子を友達に持ったわねぇ~」グスッ

律子「がんばれ伊織・・・おまえがナンバーワンよ!!」ボロボロ

伊織「なんなのよアンタ達!そんなに私がデレるのが珍しいの!?あと亜美、あのいおりんってどういう意味よ!」

18: 2012/03/12(月) 21:54:51.92 ID:G+oNjz740
-夕方、765プロ事務所-

P「疲れた・・・やよいは大丈夫か?」

やよい「私はまだまだ大丈夫です!」

やよい「あ、でも、ちょっと眠たいかなーって・・・」バタン

小鳥「あ、寝ちゃいましたね」

P「やよいの面倒は俺が見とくんで小鳥さん先帰っててください」

小鳥「え?あ・・・はい」

小鳥(今日のお昼といい今日のプロデューサーさん何だかやよいちゃんに対して積極的・・・)

小鳥(これはもしかして、アイドルとプロデューサーの禁断の恋とかそういうのでは!)ピヨリ

P「小鳥さん?」

小鳥「プロデューサーさん!!」

P「!?」

小鳥「やよいちゃんを泣かせるような事したら承知しませんからね!!」

小鳥「それじゃ、お邪魔鳥はこの辺で失礼させていただきます!!ごゆっくり!!」ダッ

P「・・・」

19: 2012/03/12(月) 21:58:48.68 ID:G+oNjz740
伊織「待たせたわね・・・って電気ぐらい付けなさいよ」

P「悪い、やよいを起こしたくなくて」

P「それよりも、何か情報があったみたいだな。そうでなきゃわざわざ俺を呼んだりしない」

伊織「そういう事よ。でなきゃアンタなんかにメールするわけないじゃない」

P「やよいはいてよかったのか?流れで同席することになっちゃったけど」

伊織「いずれ本人に話すんだからいついても一緒よ」

20: 2012/03/12(月) 22:01:24.86 ID:G+oNjz740
P「じゃあ、さっそく情報交換といくか。俺の情報は・・・」

・・・

P「全部の点が線で繋がった、って感じだな」

伊織「アンタらしくないわよそのくっさいセリフ。けど、これで間違いなさそうね」

P「にしても、新堂さん凄いな・・・この短時間でこんなに細かく」

やよい「ん~・・・おはようございますプロデューサー。あれ?なんで伊織ちゃんもいるんですか?」

P・伊織「!!」

21: 2012/03/12(月) 22:03:32.50 ID:G+oNjz740
伊織「起きたわよ、心を鬼にしてビシッとやりなさい!」ヒソヒソ

P「元からそのつもりだ!ここで行かずして何がプロデューサーだ!」ヒソヒソ

やよい「どうしたんですか?プロデューサさん?伊織ちゃん?」

P「やよい、話がある」

P「お料理さしすせそについて、気になるところはないか?」

やよい「はい・・・ディレクターさんとかの目が何か変わったなー、って感じはします」

P「じゃあ、どんな時雰囲気が変わるとかそういうのは分かるか?」

やよい「私がオリーブオイルを使う時になると、こう空気がピリッとなるっていうか変な感じになります」

P「(やっぱりか・・・)ハッキリ言うぞ、やよい」

P「お前のオリーブオイルの使い方は間違ってる」

22: 2012/03/12(月) 22:05:11.63 ID:G+oNjz740
やよい「え?そ、そんなわけないじゃないですか私が料理得意なのプロデューサーさんも」

P「やよいが料理得意なのは知ってる。だけど見た事のない調味料なんて、誰でも完璧に使いこなせられない」

P「知らないことは恥ずかしい事じゃない。知らないという事を隠そうとする気持ちもよく分かる」

やよい「プロデューサさんどうしてそれを・・・」

伊織「そこからは私が説明するわ」

23: 2012/03/12(月) 22:07:30.04 ID:G+oNjz740
伊織「まず考えたのは誰かに入れ知恵されたって可能性。お人よしのやよいなら簡単に信じそうだからね」

伊織「でもその線は違った。なら他に何があるのか・・・その時、亜美の言葉がヒントになったの」

P「“やよいもオリーブオイルの使い方ぐらい知ってる”・・・だっけか」

伊織「ええ、正直目から鱗だったわ。料理上手が調味料の使い方を知らないなんて、普通考えないもの」

P「オリーブオイル以外の使い方がおかしくないのも、今日の昼飯で分かった」

P「そして、新堂さんに調べてもらったオリーブオイルの値段。これが決め手だ」

伊織「家の近くで売ってたオリーブオイルはどれも普通より高めの2000円前後。やよいの家庭じゃ、とてもじゃないけど手を出せない」

伊織「だから、お料理さしすせそのセットにあったオリーブオイルを使い方が分からないまま使った」

伊織「・・・違うかしら?」

24: 2012/03/12(月) 22:11:39.00 ID:G+oNjz740
やよい「全部・・・本当だよ、伊織ちゃん」

P「・・・」

P「でも、どうしてあんなことを?無理して知らない調味料を使わなくても」

やよい「おいしい料理を作らなきゃいけないかなーって思ったんです」

やよい「高い調味料を使ったら、絶対おいしい料理になると思って・・・」

伊織「ねえやよい、私が今まで食べた中で一番おいしかった料理って何だと思う?」

やよい「それは・・・やっぱりお家で食べるような豪華な料「違う」

伊織「やよいの家で食べたもやし祭り。どんな料理より美味しかったわ」

伊織「家で食べるフルコースなんかより、断然ね」

やよい「どうして?伊織ちゃん、私なんかよりずっといい物食べてるんじゃ・・・」

伊織「私ね、思うのよ。料理の美味しさは料理そのものの質だけじゃ決まらないって」

伊織「誰と食べるか。一人より、二人より、みんなで食べるか」

伊織「一人ぼっちのフルコースより、ずっとずっと美味しかったわ」

26: 2012/03/12(月) 22:16:47.39 ID:G+oNjz740
P(伊織が言うと説得力がある・・・)

P(ここまでお膳立てされて引くわけにはいかない!ハラくくれ俺!)

P「その、だ、やよい・・・」

P「すまなかった」ドゲザッ

やよい・伊織「!?」

伊織「ちょっと何やってんのよアンタ!?こんな所誰かに見られたら」

やよい「待ってくださいプロデューサー!プロデューサーは悪いことなんて何も・・・」

やよい「何も・・・してないですよ・・・?」グスッ

P「事の原因は俺が現場に行けなかったことだ。俺はいつの間にかやよいに甘えていた」

P「やよいのお姉さんらしいしっかりした一面。そこに乗じて、プロデュースを蔑にしてしまっていた」

P「まだ子供だってのに、何も知らないのに、全部押し付けてしまっていた」

27: 2012/03/12(月) 22:20:19.05 ID:G+oNjz740
やよい「そんな!私が悪いんです!ちゃんと相談してたらこんなことには・・・」

P「いや、悪いのは俺だ。俺みたいなダメ男、どうしてくれても構わない」

やよい「だから悪いのは私です!プロデューサーの代わりに私が責任取ります!」

P「アイドルにそんな事させられない。俺が責任を取る」

伊織「・・・」イライラ

やよい「いいえ私が!」

P「いいや俺が!」

伊織「うるっさいのよアンタ達!夫婦漫才ならヨソでやりなさい!ヨソで!」

P「め、夫婦!?」

やよい「プロデューサー、めおとって何ですか?」

P「夫婦ってのはだな・・・その・・・」アセアセ

29: 2012/03/12(月) 22:23:48.26 ID:G+oNjz740
伊織「ま、これにて一件落着!伊織ちゃんのおかげね!にひひっ」

P「無事に終わってよかったよ。本当に感謝してる」

やよい「・・・こんな私ですけど、まだ私のプロデューサーでいてくれますか?」

P「勿論!こんな可愛い子をトップアイドルにしないなんて、罰が当たるってもんだ」

やよい「かわいい・・・って・・・」

やよい「えへへ・・・///」テレッ

伊織「だから目の前で惚気るのやめなさいよ」

P「悪い」テレッ

伊織(否定しなさいよ)

30: 2012/03/12(月) 22:26:11.46 ID:G+oNjz740
伊織「解決したけど、収録に同行できないのは今も一緒なんでしょ?」

伊織「だったら、私にいい考えがあるんだけど・・・協力の褒美代わりに聞いてくれない?///」

P(いおりん・・・マジ策士!)

やよい「で、めおとって何ですかプロデューサー?」

31: 2012/03/12(月) 22:30:51.20 ID:G+oNjz740
やよいのオリーブオイル問題は無事解決し、ネットでの話題も終息しつつあった。
彼女のオリーブオイル祭りを惜しむ者もいたが、不満は番組のある変革によって解消されることになる。

「高槻やよいと!」

「水瀬伊織の!」

「「お料理さしすせそ!!」」

伊織の提案により番組は彼女を加えた「高槻やよいと水瀬伊織のお料理さしすせそ」にリニューアル。
やよいの料理の腕に伊織のセレブな知識が加わり、料理の質は更なる成長を遂げた。
更に来月からゴールデンタイムで30分番組化。二人はこれからも765プロを牽引するアイドルとなるだろう。

34: 2012/03/12(月) 22:33:41.55 ID:G+oNjz740
やよい「それじゃあ、今日はオリーブオイルを使います!」

伊織「やよい、分かってるとは思うけど使いすぎちゃ駄目よ?」

やよい「分かってるってば伊織ちゃん」

伊織「そう、ならいいのよ」

やよい「うっうー!伊織ちゃんもオリーブオイルも、大切な友達だからね!」

やよい・伊織「「えっへへ~」」テレッ

おわり

36: 2012/03/12(月) 22:35:51.73 ID:G+oNjz740
おまけ

-オリーブオイル騒動中、お料理さしすせそのスタジオ-

やよい「お料理出来上がりましたー!さっそくゲストの鬼ヶ島羅刹さんに食べてもらいましょう!」

冬馬「だから天ヶ瀬冬馬だって言ってんだろ!カンペまで間違えてんじゃねえよ!」

冬馬「けど、765プロにしては中々うまそうなもん作るじゃねえか。」

やよい「天ヶ瀬さんはペペロンチーノにうるさいらしいですからね!張り切って作っちゃいました!」

冬馬「天ヶ瀬って言ったよな今!?さっきの鬼ヶ島は何だったんだよ!何でカンペ信じたんだよ!」

やよい「最後にオリーブオイルを回しかけて出来上がりです!(ドバァ)」

冬馬「うおおおおおい何やってんだよお前!?回しがけじゃねえだろこの量!」

カンペ“巻いてるので早く食べてください”

冬馬(・・・やるしかないのか)

冬馬「ここで引いて何がジュピターだ!天ヶ瀬冬馬なめんじゃねえええええええ!!」

38: 2012/03/12(月) 22:37:34.89 ID:G+oNjz740
真美「また会ったなジュピター!ここで会ったが百年目、覚悟しろい!」

響「二点特化型イメージレベル16の自分たちに勝てるわけがないぞ。ダブルスコアつけてやるさー!」

真「天ヶ瀬冬馬の姿が見えないけど、まさか遅刻?」


北斗「冬馬なら、お腹壊したとかで休むらしいよ」

翔太「変な物でも食べたのかな?」

40: 2012/03/12(月) 22:39:00.83
羅刹さんカワイソス

41: 2012/03/12(月) 22:39:15.99 ID:G+oNjz740
おわり!出オチに付き合っていただきありがとうございました
30行使って書きこんでたら予想以上の短さ・・・

42: 2012/03/12(月) 22:39:23.70
埋伏の毒か。おそろしや

43: 2012/03/12(月) 22:39:33.20

引用元: やよい「今日はオリーブオイルを使います!」