4: 2012/03/13(火) 18:13:35.17 ID:yXo/Y/z6O
P「ダメなのか?」

伊織「若輩者に好き勝手させて不安にはならないの?」

P「特に感じたことはないな。働いている以上、社会人だろ?お前たちは」

伊織「勿論そういう自覚はあるわよ。でも、私たちのミスで損害が出て困るのは私たちだけじゃなくて会社全体でしょう?」

P「だからってずっと付きっきりでいたらこっちの身が持たないし、何時まで経っても自立心がつかないじゃないか」

6: 2012/03/13(火) 18:14:48.69 ID:yXo/Y/z6O
伊織「勿論そういう自覚はあるわよ。でも、私たちのミスで損害が出て困るのは私たちだけじゃなくて会社全体でしょう?」

P「だからってずっと付きっきりでいたらこっちの身が持たないし、何時まで経っても自立心がつかないじゃないか」

P「伊織も初めて会った時から、随分と大人になっただろう?」

伊織「まあね。放任主義で得た成長をアンタに誇られても困るけど」

P「確かに、それは伊織の頑張りの賜物だからな」

7: 2012/03/13(火) 18:17:28.49 ID:yXo/Y/z6O
伊織「でも今はみんな軌道に乗って、自分でスケジュールも管理出来るようになったし、アンタも手が空いたじゃない」

伊織「もうちょっと口を出しに来て良いんじゃないかしら」

P「確かに時間的な余裕は出来たかもしれないな」

伊織「でしょう?」

P「ただ…どうしてもこれ以上、お前たちの仕事に口出しをするつもりはないな」

伊織「…随分頑なね。どうして?」

P「いやぁ…。うーん。あんまり話したい事ではないからなぁ」

伊織「子供に話すような事では無いってわけかしら?」

9: 2012/03/13(火) 18:19:19.07 ID:yXo/Y/z6O
P「いや、むしろなんだろう、…俺の恥部だからかな」

伊織「へー。ちょっと興味が出てきたわ。言いなさいよ」

P「大人に自分の恥を語らせるのは酷だぞ」

伊織「じゃあアンタが話してくれたら、私も恥ずかしい話してあげるから。交換よ、それでどう?」

P「そんなに聞きたいのか」

伊織「勿論よ」

P「ふむ…。とな、多分俺はお前たちに過干渉したくないんだ。人の人生を歪めたくないというか」

伊織「なるほどね」

P「反応が淡泊だな」

伊織「理解出来るからよ」

伊織「アンタ、他人と深く触れ合うのが怖いのね」

10: 2012/03/13(火) 18:20:49.72 ID:yXo/Y/z6O
P「簡単に言えばそうなのかもな」

伊織「ふーん。で、どうして?」

P「というと?」

伊織「アンタが他人を傷付けたくない理由よ。その発想に至る動機がわかんないじゃない」

P「そこまで踏み込んでくるか」

伊織「今のところ恥ずかしい部分なんて無いじゃない。話すって約束したもの、言いなさいよ」

P「…多分、自信がないからじゃないか?」

伊織「ふぅん」

P「お前たちはアイドルだろ?それに比べて俺は凡人だからな」

伊織「才能ある私たちに関わるのは気が引ける、ということかしら」

P「そうだな」

11: 2012/03/13(火) 18:22:55.27 ID:yXo/Y/z6O
伊織「半分くらいは本当のようね」

伊織「でも、半分は嘘か誤魔化しでしょ?」

P「かもしれない」

伊織「とりあえずさっきの、アイドルって言う部分が不要ね。誰にでも不安そうだもの、アンタ。あの小鳥相手でさえも」

P「…」

伊織「何で自信が無いのか分からないけども、もうちょっと胸を張っても良いと思うわ」

伊織「事務所のみんな、アンタのこと尊敬してるし慕っているもの。そんなに卑屈にならなくて良いじゃない」

P「…ありがとう」

伊織「事実を伝えたまでよ。あんだけ一生懸命に動いてくれてるヤツ、嫌いになれるはず無いわよ」

P「ありがとな、伊織。何と言うか…嬉しかった…」

伊織「そう、なら良かったわ」

P「あとな」

伊織「何?」

13: 2012/03/13(火) 18:23:47.54 ID:yXo/Y/z6O
P「今ので75%かな、何で放任主義なのかというのは」

伊織「ふぅん。続き、話してくれるの」

P「好きな子がいるんだよ、事務所に」

伊織「へぇ」

P「アイドルという仕事上、俺が下心を持って接するわけにはいかない。だから俺は全てのアイドルと距離をとった」

伊織「一人を特別扱いして遠ざけるわけにはいかないものね」

P「ああ」

伊織「明らかにこっちが75%って感じね」

P「確かにな」

15: 2012/03/13(火) 18:25:25.63 ID:yXo/Y/z6O
伊織「で、何で言ったのよ」

伊織「これ言っちゃったら、仕事しにくいでしょう。言った方も聞いた方も」

P「確かにな」

伊織「アンタは私を見たら恥ずかしくなるし、私は私で誰の事かしらって気にしながら仕事しちゃうでしょ」

P「気になるのか?」

伊織「それはそうよ、年頃の女の子ですもの。恋の話は気になるわ」

P「そうだよな」

伊織「で、誰が好きなのよ」

16: 2012/03/13(火) 18:27:42.79 ID:yXo/Y/z6O
P「それを聞くのか?」

伊織「ダメなわけ?ここでお預けとは酷いわね」

P「言わなき…「私でしょ?」

伊織「アンタが好きなの、私でしょ?」

P「…」

伊織「…違うの?」

P「いや、…そうだよ。」

P「ああ、俺が好きなのは伊織さ」

伊織「まあ、そうよね。二人きりの時にそんな話を始めて、」

伊織「それで思いっきり緊張した顔で話してるんだから、嫌でもわかるわ」

19: 2012/03/13(火) 18:32:18.79 ID:yXo/Y/z6O
P「…そうか」

伊織「アンタが恥ずかしい話をしたんだから、次は私の番ね」

P「…」

伊織「恥ずかしい話なんだけど、私、アイドルなのに好きな人がいるの」

伊織「みんなの恋人のアイドルにあるまじき話ね」

伊織「どう?聞いてみて」

P「そうなのか」

伊織「感想は?」

P「何と言うか、そいつは幸せ者だなと」

伊織「分かって言ってるんでしょう?」

P「…俺なのか?」

伊織「さっきの話の流れ的に、それ以外ないんじゃない?」

P「…冗談じゃないよな?」

伊織「アンタが好きよ」

26: 2012/03/13(火) 18:42:50.27 ID:yXo/Y/z6O
P「…」

伊織「…本当に自分に自信が無いのね、アンタ」

伊織「ハァ…。ため息出ちゃうわ」

伊織「天下のアイドル、かわいいかわいい伊織ちゃんが好きって言ってんのに。何か言いなさいよ」

P「…スマン」

伊織「…まぁ良いわ」

伊織「今はそれでも、史上最強美少女アイドルの伊織ちゃんに相応しい男に、私がきちんとプロデュースしてあげるわ」

伊織「私、アンタと違って放任主義じゃないから」

伊織「絶対離さないわよ?」

伊織「にひひっ、覚悟してなさいよ!」

27: 2012/03/13(火) 18:45:03.27 ID:yXo/Y/z6O





以上で投下は終了です。
拙いSSでお目汚し致しました。
先程の書き込みにENDを付けとけば、と思ったのは投稿してからでした
暖かい支援の言葉、スレ立てしてくれた>>1、ありがとうございました

28: 2012/03/13(火) 18:45:40.50
なんというかスピード勝負だったな、今までのSSと比べて

32: 2012/03/13(火) 18:50:02.24

42: 2012/03/13(火) 19:08:58.10 ID:yXo/Y/z6O
~~~~~後日談~~~~~
ちょっと時間が経った、ある日の話。

P「なあ、伊織」

伊織「なあに?」

P「あのさ…、」

伊織「ウジウジしてないで、早く言いなさいよ」

P「恥ずかしい話なんだが」

伊織「またそれ?」

P「もしかして、あの日、俺がお前にその、好きだって言った日より前にさ」

伊織「アンタが私の事を好きだ、って気付いてたかどうか、ってコト?」

P「…そうなんだ」

伊織「さぁ、どーでしょうね?」

43: 2012/03/13(火) 19:14:57.04 ID:yXo/Y/z6O
P「気付いてたのか」

伊織「はぐらかしたのに答えると思うワケ?」

P「良いじゃないか、それくらい。意地悪しないでくれよ」

伊織「アンタ、本当女々しいわね」

伊織「それを知って何か得をするわけでは無いじゃないの」

P「それでも気になるんだよ…」


47: 2012/03/13(火) 19:24:42.80 ID:yXo/Y/z6O
P「教えてくれよ」

伊織「ちょっとは分かってたわ」

伊織「アンタ、私を見るとき、ちょっとだけぼーっとした目をしてたもの」

伊織「話しかけても時々、私だけには緊張して話してたりしたわよね」

P「そうだったのか…意識はして無かったはずなんだが…」

伊織「…好きな人が自分に気があるんじゃないかっていう、乙女の思い込みだったのかもしれないわね」

49: 2012/03/13(火) 19:33:47.97 ID:yXo/Y/z6O
P「…」

伊織「何か言いなさいよ」

P「いや、伊織。お前、かわいいな」

伊織「いつもはだんまり、口を開いたらセクハラ、アンタ両極端ね」

P「スマン。でも心からそう思ったぞ」

伊織「…バカ」


50: 2012/03/13(火) 19:35:20.40 ID:yXo/Y/z6O
P「…」

伊織「ま、そうね」

P「?」

伊織「どれが本当だったか過去は分からないし、大事なのは」

P「今二人が好き合っている、という事実、か?」

伊織「…やるじゃない。ちょっとは自信がついたみたいね」

P「ああ、だからもう今みたくアホな事は言わないよ」

伊織「じゃあ、さっきみたいな決め台詞を言った後はどうするか、分かってるわよね?」

伊織は目を閉じる。ほんのり上気した顔にPの手がかかる



『ちゅっ』


後日談、END

51: 2012/03/13(火) 19:36:30.22

引用元: 伊織「アンタ、割と放任主義よね?」