1: 2017/07/15(土) 00:22:03.739 ID:R2aDBDlq0
その1

―天界 天真家―

ミーンミンミンミン ミーンミンミンミン

ガヴリール「…………」団扇パタパタ

ガヴリール「今年の天界は暑いな…….」パタパタ

ガヴリール「やっぱ、天界は昭和だな……せめて、家に扇風機ぐらいあってほしいよ」パタパタ

ガヴリール「……」パタパタ

ガヴリール「早く、下界に戻って冷房が効いた部屋の中、快適にネトゲをしたい……」ハア

2: 2017/07/15(土) 00:23:11.505 ID:R2aDBDlq0
ゼルエル「……ガヴリールどうした? 天界への定期報告書は書き終わったのか?」

ガヴリール「ああ、ゼルエル姉さんか……今はそれどころじゃないよ……」パタパタ

ゼルエル「明日が提出期限だろう?」

ガヴリール「そうだけど……こう暑かったらやる気も出ないよ」パタパタ

ゼルエル「はあ……昔の真面目なガヴリールはどこに行ったのやら」

ガヴリール「その私は残念ながら幻想だったね」ハハハ

ゼルエル「……」イラッ

ゼルエル「今すぐ取り掛からないと、天界に強制送還するぞ? ガヴリールいいのか?」

ガヴリール「今すぐ終わらせます!」バッ

3: 2017/07/15(土) 00:23:45.672 ID:R2aDBDlq0
ガヴリール「……」カキカキ

ゼルエル「……」ジー

ガヴリール「……」チラッ

ゼルエル「どうした? 手が止まっているぞ」

ガヴリール「こう、じっと見られたらやりにくいよ……」

ゼルエル「気にするな」

ガヴリール「気にするなって……もういいよ」ハア

4: 2017/07/15(土) 00:24:35.945 ID:R2aDBDlq0
ガヴリール「……」カキカキ

ゼルエル「……」

ガヴリール「そういえばさ……」

ゼルエル「なんだ?」

ガヴリール「なんで姉さんはこの時期に和服なの? 暑くないの?」

ゼルエル「私の天使力で周囲の空気を冷やしているからな。暑くはない」

ガヴリール「なにそれ! 初耳なんだけど!?」

ゼルエル「ガヴリールも天使力を高めれば、使えるようになるはずだ」

ガヴリール「それ、今の私には難しいだろうな……」

6: 2017/07/15(土) 00:25:43.422 ID:R2aDBDlq0
ガヴリール(ん? ということは……)スクッ

ゼルエル「立ち上がってどうした?」

ガヴリール「……」スタスタ ギュッ

ゼルエル(!?!?!?)

ガヴリール「ゼルエル姉さん、冷たくて気持ちいいー♪」ギュウウ

ゼルエル「ガ、ガヴリール! なにをしている!?」

ガヴリール「こう暑いとひんやりしたものが恋しくなるからね。もうちょっとこのままで!」

ゼルエル「わ、分かった……少しだけだぞ……」ドキドキ

ガヴリール(はあ……冷たくて気持ちいい……)

ゼルエル(結構恥ずかしいな……///)カアア

7: 2017/07/15(土) 00:26:36.365 ID:R2aDBDlq0
ハニエル「あー! ゼルお姉ちゃんとガヴお姉ちゃんなにしているの?」

ガヴリール「おー、ハニエル。姉さんの体ひんやりしていて、気持ちいいぞ! こっちに来いよ!」

ハニエル「そうなんだ!……ねえ、ゼルお姉ちゃん。私もくっついていい?」

ゼルエル「ああ! 構わんぞ!!」バッチコーイ!

ガヴリール「あれ!? 姉さんの反応が私の時と違う!?」

ハニエル「わーい!」トテトテ ギュッ

ハニエル「ホントだ! ゼルお姉ちゃん冷たい!」ギュウウ

8: 2017/07/15(土) 00:27:37.546 ID:R2aDBDlq0
ガヴリール「な、そうだろ!」

ゼルエル「……」

ゼルエル(二人が小さかった頃を思い出すな……)ナデナデ

ガヴリール「♪」ギュウウ

ハニエル「♪」ギュウウ

この後、気温が下がり涼しくなるまで3人は密着した。

ガヴリールはその間に報告書を終わらせた

9: 2017/07/15(土) 00:28:32.919 ID:R2aDBDlq0
その2

―天界 白羽家―

ラフィエル「……」

ラフィエル「暇ですね……」

ラフィエル「天界に帰省しても何もやることないですね……もう、天界への定期報告書は終わらせましたし……」

ラフィエル「……」

ラフィエル「日課のサターニャさん観察でもしましょうか」センリガンハツドウ

ラフィエル「あら、下界にいますね。サターニャさんは、魔界に帰らないのでしょうか?」

ラフィエル「……」

ラフィエル「ずっと、歩いていますけどなにも起こらないですね……どこに向かっているのでしょうか?」

ラフィエル「……」

ラフィエル「別の方でも覗きましょうか。ヴィーネさんは何をしているのでしょうか」センリガン

10: 2017/07/15(土) 00:30:00.972 ID:R2aDBDlq0
ラフィエル「ヴィーネさんも下界にいますね。あら、手に持っている写真をじっと見つめていますね……」

ラフィエル「何をしているのでしょうか?」

ラフィエル「…………」

ラフィエル「あの写真に写っているのはガヴちゃんですか……海水浴に行ったときに撮ったものですね」

ラフィエル(私もサターニャさんの写真をまじまじと見るときはありますが……)

ラフィエル「?」

ラフィエル(何か写真に向かって、ぼそぼそ喋っていますね……もうちょっと、聞き取れるようにしましょう)

12: 2017/07/15(土) 00:31:31.830 ID:R2aDBDlq0
ヴィーネ『ガヴ……大好き///』

ヴィーネ『……///』

ヴィーネ『やっぱり、恥ずかしいわね///』


ラフィエル「あら~、これは微笑ましいですね」


ヴィーネ『~~♪』ゴロゴロ

ラフィエル(ヴィーネさんが写真を抱きながら、ゴロゴロしています。かわいい!)

ヴィーネ『……ガヴと付き合いたいなあ』

ラフィエル(本当にガヴちゃんのことが好きなんですね)ニコニコ

14: 2017/07/15(土) 00:33:26.370 ID:R2aDBDlq0
サターニャ『ヴィネット!! 遊びに来たわよ!!』バーン

ヴィーネ『きゃあっ! サターニャ!? な、なんでここにいるのよ!?』バッ サッ

サターニャ『なんでって……昨日、遊びに来ると言っていたじゃない!』プンプン

ヴィーネ『そういえば、そうだったわね……』

サターニャ『ところで、後ろに隠したものは何なの?』

ヴィーネ『えっ! こ、これは……その……///』

サターニャ『見せなさいよ!!』ガバッ

ヴィーネ『ちょ、ちょっと! サターニャ!?』グググ




ラフィエル(この後、ヴィーネさんとサターニャさんの必氏の攻防が、繰り広げられていました)

ラフィエル「サターニャさん、いいところで邪魔を……帰ったらお仕置きですね」

ラフィエル「導かないといけませんね」ニコッ

16: 2017/07/15(土) 00:35:28.854 ID:R2aDBDlq0
ラフィエル(この後、ガヴちゃんやタプちゃんも見てみましたが、皆さん面白いことしていました)

ラフィエル(タプちゃんは同学年の悪魔の子と遊園地に行っていました。タプちゃんを悪魔の子が、引っ張っていくのは微笑ましいですね)

ラフィエル(ガヴちゃんはハニエルちゃんと一緒に、ゼルエルさんに密着していましたね!)

ラフィエル(途中でゼルエルさんと目が合ったので、それ以上は見れなかったですが……なぜ、くっ付いていたのでしょう?)


ラフィエル(それにしても)

ラフィエル「いい暇つぶしになりました♪」

17: 2017/07/15(土) 00:36:21.705 ID:R2aDBDlq0
ラフィエル「……」

ラフィエル(ん?)

マルティエル「……」ジー REC

ラフィエル「……マルティエルはそこで何をしているんですか?」

マルティエル「お嬢様の観察です」REC

ラフィエル「いつからそこに?」

マルティエル「お嬢様が千里眼を使い始めたときからです」REC

19: 2017/07/15(土) 00:38:44.700 ID:R2aDBDlq0
ラフィエル「……」

マルティエル「……」REC

ラフィエル「……」

マルティエル「……お嬢様は」REC

ラフィエル「……なんでしょうか」

マルティエル「独り言が多いのですね」クスッ REC終了

ラフィエル「……///」カアア

マルティエル「では、失礼しました」ダッ

ラフィエル「ちょっと待ちなさい! マルティエル!!」タッタッタッ

21: 2017/07/15(土) 00:39:52.161 ID:R2aDBDlq0
その3

―白羽家―

ラフィエル(はあ……帰省中は散々な目にあいました)

ラフィエル(録画データを破壊できたのは良かったですね)

ラフィエル「では、そろそろガヴちゃんと一緒に下界に戻りますね」

マルティエル「はい、畏まりました」

ラフィエル「サラちゃんもお元気で」

サラ(ラフィエルの妹)「……」ジー

ラフィエル「どうかしましたか?」

サラ「……今日は暑いですね、ラフィエルお姉さま」

ラフィエル「そうですねえ……でも、下界はもっと蒸し暑いですよ?」

22: 2017/07/15(土) 00:41:06.398 ID:R2aDBDlq0
サラ「……」ウロウロ

ラフィエル「サラちゃんどうしたんですか……? 私の周りをウロウロして……」

サラ「いえ、なんでもありません。ラフィエルお姉さま」

ラフィエル「そうですか……では、行ってきます」

マルティエル「お気をつけください」ペコッ

サラ「……」

マルティエル「サラお嬢様、どうしたのですか?」

サラ「実はハニエルちゃんから……」ゴニョゴニョ

マルティエル「……! 教えていただき感謝いたします」

マルティエル(早速、サターニャ様にご連絡をしましょう!)プルルルル

24: 2017/07/15(土) 00:42:32.750 ID:R2aDBDlq0
―天界ゲート前ー

ラフィエル「お待たせいたしました、ガヴちゃん。それでは、下界に戻りましょうか」

ガヴリール「そうだな……早く帰ってネトゲしたいよ」

ラフィエル「ふふ……相変わらずですね」クスッ

26: 2017/07/15(土) 00:44:53.400 ID:R2aDBDlq0
その4

ラフィエル「ふう……下界に戻ってきましたね」

ラフィエル「それでは、サターニャさんに会いに行きましょう!」シュン


―サターニャの家―

ラフィエル「サターニャさん! あなたのラフィエルが遊びに来ましたよー」

サターニャ「」ビクッ

サターニャ「勝手に家に入るんじゃないわよ!」

ラフィエル「まあまあ、将来の大悪魔様がそんな小さなことを気にしていたら駄目ですよ?」

サターニャ「不法侵入は小さなことではないけど……まあ、いいわ。それよりも!」

ラフィエル「どうしましたか?」

サターニャ「ちょっと、後ろを向きなさい!」

28: 2017/07/15(土) 00:46:11.895 ID:R2aDBDlq0
ラフィエル「分かりました(一体何をするのでしょうか)」クルッ ドキドキ

サターニャ「えいっ」ギュウ

ラフィエル「!?」

ラフィエル(これは……あすなろ抱きですか!)ドキドキ

サターニャ「あれ、おかしいわね……ラフィエルの体はひんやりしていて、気持ちいいと聞いたのだけど……」

ラフィエル「だ、誰にですか///」カアア

サターニャ「あんたのとこの執事」

ラフィエル(マルティエルですか……何をいい加減なことを……)

ラフィエル(でも、ナイスです! マルティエル!!)

29: 2017/07/15(土) 00:46:53.677 ID:R2aDBDlq0
サターニャ「……」

サターニャ「まあ、いいわ。暑いから離れましょう」スッ

ラフィエル「あ……」シュン

サターニャ(引っ付いたら汗かいちゃった……ラフィエルも私が抱き着いたせいで汗かいているし)

サターニャ(……)

サターニャ(そうだ!)ピコーン

サターニャ「ラフィエル!」

31: 2017/07/15(土) 00:48:08.084 ID:R2aDBDlq0
ラフィエル「……なんですかサターニャさん」

サターニャ「今からお風呂に入るわよ! ついてきなさい!」

ラフィエル「えっ……それは一緒にですか……///」

サターニャ「当たり前じゃない! 拒否権はないわよ!」グイ

ラフィエル「あっ……ちょっと……///」

ラフィエル(ほんと強引ですね。でも、そこがサターニャさんの好きなところでもありますからね)

ラフィエル(せっかくですから、今この時を楽しみましょう!)


この後、めちゃくちゃ洗いっこした

32: 2017/07/15(土) 00:49:32.044 ID:R2aDBDlq0
その5

ガヴリール「……はあ、やっと帰ってきた」

ガヴリール「下界も物凄く暑いな……エアコンあるから別にいいけど……」

ガヴリール「早速、つけるか」ピッ

ガヴリール「あれ、おかしいな……」ピッピッピッ

ガヴリール「……」

ガヴリール「エアコンが動かない」アセダラダラ

ガヴリール「……しょうがない、ヴィーネの家に行くか」スタスタ

34: 2017/07/15(土) 00:50:52.516 ID:R2aDBDlq0
―ヴィーネハウスー

ガヴリール「ヴィーネ、涼みに来た。入れてくれー」ピンポーン

ヴィーネ「はーい、今開けるわよ」ガチャッ


ガヴリール「ヴィーネお邪魔します」スタスタ

ヴィーネ「いいけど、まずはタオルで汗を拭きなさい」

ガヴリール「はいよー」

ヴィーネ「……」

ヴィーネ(ちょうど、いい所にきたわね……試してみましょう)

36: 2017/07/15(土) 00:52:09.473 ID:R2aDBDlq0
―居間―

ヴィーネ「はい、お茶よ」スッ

ガヴリール「いやー、悪かったね。突然、家に来て」ゴクゴク

ヴィーネ「それはいつものことじゃない……それよりもガヴ、頼みたいことがあるんだけど……」

ガヴリール「なんだ?」

ヴィーネ「ちょっと、後ろ向いて」

ガヴリール「? こうか?」クルッ

ヴィーネ「……」ドキドキ

ヴィーネ「えーい///」ギュウウ

37: 2017/07/15(土) 00:54:01.904 ID:R2aDBDlq0
ガヴリール「……」

ヴィーネ「……///」

ガヴリール「……」

ヴィーネ「……?」

ガヴリール「……なにしてんの?」


ヴィーネ「えっ、天使って暑くなると周りの空気を冷やすんじゃないの?」

ガヴリール「それはゼルエル姉さんクラスにならないと無理!」

ヴィーネ「ええ!! そうだったの!?」

ガヴリール「その情報は誰から聞いたんだよ……」

ヴィーネ「サターニャからだけど……」

ガヴリール「何を適当なことを言ってるんだ、あいつは……」ハア

ガヴリール(まあ、半分はあっているけど……どっからサターニャに伝わったんだ?)

ガヴリール「それよりも、暑いから離れて」

ヴィーネ「あ、ごめんなさい。ずっと、抱き着かれると嫌よね……」シュン

ガヴリール「別にそういうわけじゃないんだけど……」

ヴィーネ「……」シュン

38: 2017/07/15(土) 00:55:16.021 ID:R2aDBDlq0
ガヴリール「……」

ガヴリール「ああ、もう!」エンジャルモード

ヴィーネ「……!?」

ヴィーネ「ど、どうしたのガヴ!? 天使の姿になって!」

ガヴリール「天使力を高めるから黙ってくれ!(成功してくれよ!)」

ヴィーネ「……」

ガヴリール「~~~~~っっ」プルプルプル

ガヴリール「よし! 抱き着いていいぞ!」

ヴィーネ「ええ! わ、分かったわ!」ゴクリ

ヴィーネ「えい!」ダキッ

ヴィーネ(あ……ひんやりして気持ちいい……心が落ち着くわ)

40: 2017/07/15(土) 00:56:09.925 ID:R2aDBDlq0
ガヴリール「~~~っ」プルプル

ガヴリール「プハー!」ゼエゼエ

ヴィーネ(あ、冷却効果が切れた)バッ


ガヴリール「余計に暑くなってしまったな……」ハアハア

ヴィーネ「ごめんなさい、私のために……」

ガヴリール「ヴィーネだからやったんだよ」ボソッ

ヴィーネ「!! 今の台詞をもう一回お願い!」

ガヴリール「うるさい! お風呂借りるぞ!」スタスタ

41: 2017/07/15(土) 00:56:59.583 ID:R2aDBDlq0
ヴィーネ「ね、ねえ……」

ガヴリール「なんだよ」

ヴィーネ「わ、私も一緒に入っていいかしら?」モジモジ

ガヴリール「……いいよ」

ヴィーネ「!」パアア

ガヴリール「先に入っているからな///」バタン

ヴィーネ(やっぱりガヴは優しいわね……)

ヴィーネ「そういうところが私は大好きよ」ボソッ

ヴィーネ「待ってよ! ガヴ!」

この後めちゃくちゃ(ry

43: 2017/07/15(土) 00:57:56.907 ID:R2aDBDlq0
終わりです

46: 2017/07/15(土) 01:04:38.494
ほっこりした

49: 2017/07/15(土) 01:37:15.362 ID:R2aDBDlq0
本当は短編集を書こうと思ったのですが、こうなってしまいました
なんか申し訳なかった

50: 2017/07/15(土) 01:41:35.449
乙乙

引用元: ガヴリール「ある日の天使と悪魔の日常」