1: 2011/02/10(木) 20:59:48.93 ID:dV8+GrZF0
紬「お茶にしましょう」

唯「うん」

梓「あ、私手伝いますよ」

紬「今日は苺ショートとモンブランの2種類あるわよ」

律「私モンブラン」

梓「唯先輩はどれにします?」

唯「私もモンブランで」

4: 2011/02/10(木) 21:01:14.15 ID:dV8+GrZF0
梓「澪はどれにする?」

澪「じゃ、苺ショート」

紬(あれ?今澪って?)

唯(呼び捨て?)

梓「はいどうぞ、澪先輩」

澪「ありがとう梓」

紬(今度は澪先輩。聞き違いかしら)

唯(澪ちゃんも何も言わないし聞き間違いだよね)

8: 2011/02/10(木) 21:04:05.10 ID:dV8+GrZF0
~次の日

澪「他に誰もいないみたいだな」

梓「じゃあ私達で貸し切りだね」

昼休み、良い天気だから私と澪は一緒にお弁当を持って屋上へ来た。

澪「全く、昨日はみんなの前で澪って呼ぶからビックリしたぞ」

梓「ごめん、澪。ついうっかり」

9: 2011/02/10(木) 21:06:13.11 ID:dV8+GrZF0
澪「…澪先輩じゃなくて澪って呼んでくれないか?」

梓「…え?」

澪の口から出てきたその言葉に、梓は一瞬戸惑う。

澪「私と二人きりのとき位、私のこと「澪」って呼んでほしいんだ」

梓「…は、はい……」

呼び捨てで呼ぶ。それだけのことなのに、梓はひどく緊張してしまった。

12: 2011/02/10(木) 21:09:50.48 ID:dV8+GrZF0
梓「…み、澪」

澪「ふふ、嬉しい」

澪「それと、出来るだけ敬語も止めてほしいな」

梓「ど、努力します」

澪「努力するよ、だろ?」

梓「努力するよ澪」

そんな会話をしたのが先月。

13: 2011/02/10(木) 21:11:35.42 ID:dV8+GrZF0
梓「みんなにはいつまで隠すの?」

澪「べ、別に隠してるわけじゃないんだ。言い出すタイミングがその…」

梓「そうだよね」

まあ確かに軽音部のみんなに説明するの大変そうだしね 。

…私達が恋人になった事

14: 2011/02/10(木) 21:13:49.06 ID:dV8+GrZF0
梓「私は、憂と純には話したよ」

澪「えっ?そうなのか」

梓「うん」

澪「で、何て言ってた?」

梓「うーんと」

15: 2011/02/10(木) 21:15:04.21 ID:dV8+GrZF0
憂「澪さんと梓ちゃんが?」

梓「うん///」

憂「おめでとう、前から澪さんの事好きだったんだもんね。」

梓「ありがとう」

憂「これでお姉ちゃんは私だけの…」

梓「?」

憂「あ、何でもないよ」

17: 2011/02/10(木) 21:17:46.70 ID:dV8+GrZF0
純「まさか梓に澪先輩を取られるだなんて」

梓「ごめんね」

純「ふんだ、良いもん。澪先輩が私の憧れのベーシストってのには変わりないんだから」

梓「純も良い人見つけなよ」

純「どっかに居ないかなー、良い人」


18: 2011/02/10(木) 21:19:34.12 ID:dV8+GrZF0
梓「って感じ」

澪「ふーん。結構好意的なんだな」

梓「だから、軽音部のみんなに話しても大丈夫だと思うよ」

澪「そうだけど、もうちょっとだけ時間をくれ」

梓「うん、それよりお弁当食べよ」

澪「そうだな」

19: 2011/02/10(木) 21:21:19.11 ID:dV8+GrZF0
梓「はい澪、あ~ん」

澪「照れくさいな///パク…もぐもぐ」

梓「どう?頑張って作ってみたんだけど…」

澪「…まあまあだな」

梓「ええ?!」

澪「嘘だよ、美味しいよ」

梓「澪、ひどいー」

澪「ふふ、ごめんな」

端から見たらバカップルに見えるんだろうか?

でも良いんだそれでも。幸せだから。

21: 2011/02/10(木) 21:24:59.94 ID:dV8+GrZF0
軽音部のみんなには、まだ秘密。

でも、そうするとこんな事も起こるわけで

唯「あずにゃーん」

ダキッ

梓「ひゃっ。や、止めて下さいよ」

唯「えへへ」

23: 2011/02/10(木) 21:28:01.25 ID:dV8+GrZF0
唯「あずにゃん分を補給~」

スリスリ

うう、澪の方を見るのが怖い。怒ってるかな?

ちらりと様子を伺う。

うわー、般若のような顔でこっち睨んでるよ。

不自然に唯先輩を拒絶するわけにもいかず、あずにゃん分?を補給させてしまった。

25: 2011/02/10(木) 21:30:55.90 ID:dV8+GrZF0
澪「全く、唯に抱きつかれて、されるがままなんて」

梓「あれ?もしかして澪、嫉妬してる?」

澪「ち、違う。そんなのじゃない」

梓「じゃあ、私が澪に抱きつくね」

澪「え?」

ダキッ

26: 2011/02/10(木) 21:33:17.82 ID:dV8+GrZF0
梓「澪~」

澪「うひゃっ」

梓「澪分を補給~」

スリスリ

澪(うう、こんな筈じゃ///)

梓「機嫌直った?」

澪「も、元から、機嫌悪くしてないからな」

意地っ張りなんだから。

29: 2011/02/10(木) 21:38:26.38 ID:dV8+GrZF0
今日は、澪の家で勉強会。私の勉強を見てもらう。

寒いからコタツの温もりが気持ちいい。

澪「ふふふ、梓がそうやってコタツに入ってると本当に猫みたいだな。可愛い」

梓「そう?」

澪「唯があずにゃんって呼びたくなるのも分かるよ」

梓「澪もコタツ入ると猫みたいだよ、澪にゃん」

30: 2011/02/10(木) 21:40:49.99 ID:dV8+GrZF0
梓の可愛い冗談がちょっぴり悔しかったので、梓の後ろに回り込み、背中越しに梓を抱きしめ

梓の喉をごろごろと撫でてあげた。

澪「生意気な子猫はこうしてくれる」

澪「よーしよし、可愛いなゴロゴロ」

梓「にゃっ」
  
すると梓はくるりと振り返り、私のほっぺに顔をすり寄せてきた。

32: 2011/02/10(木) 21:44:57.21 ID:dV8+GrZF0
梓「にゃー」

すりすり

澪「わわっ」

梓「ペロペロ」

梓は澪の首筋を舐め上げた。

澪「にゃあっ」

梓「あれ?にゃあって、やっぱり澪の方が猫みたいだね」

澪「///」




35: 2011/02/10(木) 22:05:35.03 ID:dV8+GrZF0
順調かと思えた澪との交際だが、私には一つ悩みがあった。

憂「澪さんがキスしてくれない?」

梓「…うん」

純「一回も?」

梓「正確に言えば、一回寝ぼけてしてくれたけど、それだけ」

37: 2011/02/10(木) 22:09:25.57 ID:dV8+GrZF0
憂「梓ちゃんからは?」

梓「んと、告白した時に勢いでしたけどそれっきり」

純「澪先輩、奥手っぽいからね。梓からすれば良いじゃん」

梓「澪からして欲しいんだよ」

憂「そう言う雰囲気にもっていけば良いんじゃない?」

梓「抱きついてみたり、ペロペロしたりしてるんだけど中々…」

純「ペロペロ?」

梓「あ、何でもない///」


38: 2011/02/10(木) 22:12:28.39 ID:dV8+GrZF0
純「あ、そうだ。もうすぐバレンタインでしょ?」

梓「うん」

純「自分にリボン巻いて、チョコと私を受け取って下さいって」

梓「純、真剣に話してるんだけど?」

純「いやいやいや、冗談じゃなくてその位しないと」

憂「澪さん鈍そうだもんね」

39: 2011/02/10(木) 22:15:10.99 ID:dV8+GrZF0
梓「で、でもさすがにそれは…」

憂「澪さんをその気にさせる服着てみたりとか」

純「良いね、コスプレ」

梓「あの、お二人さん?」

憂「澪さんどういうのが好きなんだろ?」

梓「うーん、あっそう言えば…」

40: 2011/02/10(木) 22:17:38.67 ID:dV8+GrZF0
~バレンタイン当日

軽音部のみんなには、チョコレートケーキを作り、食べてもらった。

みんな美味しいと言って食べてくれたが、澪に美味しいと言われたのが何よりだった。

澪は、ファンクラブの人達から山のようにチョコを貰っていた。

今更だが、凄い人気者だ。

嫉妬はしなかった。だって澪は私のだから。

41: 2011/02/10(木) 22:21:16.35 ID:dV8+GrZF0
夕方、澪の自宅を訪れる。特別に作ったチョコとプレゼントを渡す為。

梓「はい、澪だけ特別に作ったチョコだよ」

澪「ありがとう、私からも梓に」

梓「ありがとう」

お互いチョコを交換し合い、食べる。

44: 2011/02/10(木) 22:25:30.77 ID:dV8+GrZF0
梓「澪のチョコ美味しい」

澪「梓のも、甘さが絶妙だな」

などとお互い絶賛しあっていると

梓「実は、もう一個プレゼントがあるんだ」

澪「え?何々?」

梓「ちょ、ちょっと待ってて」

そう言うと梓はバッグを抱え部屋を出て行った。

澪「?」

46: 2011/02/10(木) 22:30:59.27 ID:dV8+GrZF0
ガチャリ

しばらくすると梓は部屋に入ってきた。

そこには部屋を出る前と変わりない梓が…と思ったが少し様子が違った。

猫耳を付けた梓が立っていた。

突然のことに澪は、しばし声が出なかった。

そしてぽつりと呟いた。

澪「猫耳…?」

47: 2011/02/10(木) 22:34:23.66 ID:dV8+GrZF0
梓「憂と純が、この格好をすれば澪が喜ぶんじゃないかって///」

恥ずかしげに梓は言う。

澪「へ?」

梓「この前コタツに入ってる私を見て猫みたいで可愛いって言ってたから」

澪「それで、わざわざ猫耳を?付けるの嫌がってたのに」

梓「…うん、澪の喜ぶ顔が見たくって///」

か、可愛い。

澪は思わず声に出してしまいそうになった。

鼓動が速くなり、顔が熱くなっていった。

48: 2011/02/10(木) 22:36:14.68 ID:dV8+GrZF0
梓「ど、どう?」

澪「と、とても可愛いよ、梓」

好きな人に目の前で言われて、梓は少し照れくさそうに笑った。

その照れる姿に澪の理性が吹っ飛ぶ。

そして次の瞬間、澪の体は勝手に動いていた。

澪が梓の体をぎゅっと抱きしめた。

49: 2011/02/10(木) 22:41:39.95 ID:dV8+GrZF0
澪「梓!」

梓「み、澪?」

そして梓がするように頬をすり寄せてきた。

いつもクールな澪からしたら想像できない行動だ。

澪「そう言えば、私からきちんとするのは初めてだな」

そういうと、澪の手が梓の首元に伸びた。その手が梓の顔を澪の口元に持っていく。


53: 2011/02/10(木) 22:45:05.11 ID:dV8+GrZF0
梓「んんんんっっ…」

澪はゆっくりと舌を絡めていった。

すると梓の頭はだんだんぼーっとしてきた。

ゆっくりと時間をかけたキスは梓の思考を奪っていった。

キスが終わると、梓は体中の力が抜けて倒れこんでしまった。


54: 2011/02/10(木) 22:47:41.73 ID:dV8+GrZF0
澪「甘いな、梓の唇は」

それは多分、さっき食べたチョコのせいだよ澪。

澪が膝立ちし、梓を見下ろす。

澪「梓、プレゼントありがとう」

そう言うと梓に覆い被さった。

憂、純このプレゼントは効果ありすぎだよ。キスどころかその先まで……

55: 2011/02/10(木) 22:50:31.34 ID:dV8+GrZF0
~お風呂場

梓「背中、流そっか?」

澪「え?恥ずかしい///」

梓「今更、さっきはもっと恥ずかしい事したのに」

澪「じゃ、じゃあお願いするかな」

澪は、どもりながら答える。

56: 2011/02/10(木) 22:51:51.53 ID:dV8+GrZF0
さっきは理性が吹っ飛んでしまっていたが、我に返るとやはり恥ずかしい。

梓「うふ、澪ってば照れちゃって」

お互いの身体を洗いっこし、湯船に身体を沈める二人。

湯船は狭いため、二人の身体はピッタリと密着している。

梓「澪の肌、柔らかくて気持ち良い…」

澪「もう、恥ずかしいよ、梓…」

57: 2011/02/10(木) 22:53:57.34 ID:dV8+GrZF0
梓は、澪の首筋にキスをする。

澪「ん、駄目だよ梓…さっきかいた汗を流しに来たのに…」

梓「澪ったら、そんなに汗掻いちゃうほど興奮してたんだ」

澪「…!」

梓の突っ込みを受け、澪は真っ赤になる。

梓「ここでさっきの続きをしようか」

そう言うと、梓は即座に澪の唇を奪った。

58: 2011/02/10(木) 22:55:33.53 ID:dV8+GrZF0
いきなりのキスに驚く澪だったが、すぐに受け入れた。

優しくて、少し感情的なキスが澪を翻弄する。

澪「うっ…ふう」

しばらくして唇が離れお互い見つめ合う。

梓「澪、可愛いよ」

澪「梓の意地悪」

そう言いながらも澪の顔は笑顔だった。

59: 2011/02/10(木) 22:57:25.78 ID:dV8+GrZF0
梓「本当に今日言うの?」

澪「ああ、決心が付いた」

唯「話って何?」

律「何だ改まって?」

紬「何かしら?」

澪「じ、実は…あのその…」

61: 2011/02/10(木) 23:00:57.06 ID:dV8+GrZF0
肝心な所で口ごもる澪を見かねて

梓「実は、私と澪は恋人同士になったんです」

梓が恋人宣言をする。

澪「ああ、私が言おうとしたのに…」

唯「ええ~っ本当に!?」

紬「まあまあまあ!」

62: 2011/02/10(木) 23:04:31.48 ID:dV8+GrZF0
澪「あれ、律は驚かないんだな?一番驚くと思ってたのに」

律「実は私は知ってたのさ」

梓「ええ?何で?まさか憂や純が喋るとは…」

律「ふっふっふっ、律っちゃん情報網を甘く見るな」

律「エリ(瀧エリ)から二人が映画館デートしてたってのを聞いてたんだ」

澪「エリ…口止め料のコーラ返せ…」

律「頑張って隠そうとしてる二人が可愛くて、見守ってた」


65: 2011/02/10(木) 23:10:03.32 ID:dV8+GrZF0
梓「うわ、律先輩にはバレバレだったんですね///」

澪「一体何のために隠してたんだ…」

律「ところで澪、澪の口からも聞かせてくれないか?」

澪「何をだ?」

律「梓との交際宣言」

澪「わ、分かったよ」

ごほん

澪「秋山澪は、中野梓を愛しています。世界の中の誰よりも」

何でタッチ?

全員が突っ込みを入れたくなったが梓は嬉しそうに微笑んだ。



お終い


66: 2011/02/10(木) 23:14:03.79 ID:dV8+GrZF0
本当は全部終わってから、澪「家出少女」の続編って書こうと思ってたのですが
読んでないと>>35の「寝ぼけてキス」とか瀧エリの暴露が分からなかったですねスイマセンorz

67: 2011/02/10(木) 23:15:10.15
おつおつ
和むわー

引用元: 梓「澪」