澪「イヴ・エクスプロージョン」
1: 2011/01/20(木) 19:46:41.63 ID:6DswkaaN0
私は厭な夢を見た

私と憂は学校にいて、何やら楽しい話に花を咲かせていた

その会話が途切れた瞬間……

ぼんっ!と大きな音がする

一瞬何のことやらさっぱりわからなかったが、目の前の光景が私を強制的に現実へ戻す

憂の頭が爆発した……

3: 2011/01/20(木) 19:50:12.93 ID:6DswkaaN0
純「きゃあああああああ!」ガバッ

純「夢……」

純「夢かぁ~、良かったぁ!」

ジリリリリリリ!

純「へへーん、言われなくても起きてますよー!」

純「んー、にしても嫌な夢だった……」

純「ん、でも夢で氏んだ人は長生きするって言うよね……じゃあ良い夢だったのかな?」

純「ま、いっか」

4: 2011/01/20(木) 19:55:29.57 ID:6DswkaaN0
朝食を済ませ、40分間で支度をし、元気な声でいってきます

これが私の朝だ

悪夢のおかげで早起きすっきり良い目覚め

なんだ、良いことも多いじゃんと私は考える

マイナス思考は私には似合わない、プラス思考で生きていれば良いことばかりだ

登校中は運悪く誰にも会わなかったが、これもみんなに会う楽しみをチャージしてるのだろう

5: 2011/01/20(木) 20:00:42.00 ID:6DswkaaN0
純「おはよー憂!」

憂「あ、純ちゃんおはよう」

梓「あれ、純今日は朝からテンション高くない?」

純「ああ、悪夢を見たからね」

梓「はぁ?頭が爆発してるだけじゃ飽き足らずさらにおかしくなったの?」

純「梓、それ言いすぎ!」

憂「そうだよー、純ちゃんに失礼だよ」

梓「いいじゃん、純だし」

純「意味分からん!」プリプリ

7: 2011/01/20(木) 20:11:07.88 ID:6DswkaaN0
憂「で、純ちゃんどうして悪夢見て機嫌がいいの?」

純「おお、聞いてくれたか、流石憂!梓とはレベルが違う!」

梓「……」

純「実はね、憂が爆発する夢を見たんだよ」

梓「……!あんた最低だよ!」バンッ

純「はい?」

梓「憂が爆発して喜んでたんでしょ!?頭湧いてるどころが人類の害だよ!」

純「ち、違うって……」

8: 2011/01/20(木) 20:20:12.81 ID:6DswkaaN0
純「夢で氏んだ人って、現実だと長生きするって言うからさ、憂は長生きできるね、って」

憂「……あ、ありがとう」

純「はははー、流石に長生きできるって言っても気分悪いか―」

梓「それに憂に爆発は禁句でしょ」

憂「そ、そんな、私は覚えてないんだからいいんだよ」

梓「でも……」

9: 2011/01/20(木) 20:29:55.27 ID:6DswkaaN0
梓が神経質なのには理由がある

過去に私達3人で買い物をしていた時、突然爆発が起こった

振りかえると憂はおらず、焦げ跡が地面に残っているだけだった

梓は泣き叫び、心を閉ざし、私もぼんやりとした日常を送るしかなかった

でも本当は憂は爆発の衝撃で記憶を失っていて、放浪をつづけていただけ、というハッピーな結末を迎えた

私もそうじゃないかなー、と思っていたフシがあり、きっと信じていたから助かったのだと思うようにしている

……そういえばあの日も変な夢を見ていたような

11: 2011/01/20(木) 20:40:41.54 ID:6DswkaaN0

梓「じゃあ私軽音部行くね」

憂「またねー」

純「じゃーねー」

憂「あれ?純ちゃんは今日ジャズ研ないの?」

純「うん、今日ジャズ研の部室工事なんだって、今日知ったよ!」

憂「あはは、本当は聞き流してただけじゃない?」

純「う……きっとそう……」

12: 2011/01/20(木) 20:49:00.35 ID:6DswkaaN0
一瞬、厭な風が吹いた

ただの冬の風ではない、心の中から凍えさせるような風

……この風景、この時間帯、この状況

あまりにもあの夢と似ている……

話を途切れさせてはいけない!そして早く別のところに移動しないと!

憂「……純ちゃん?どうしたの急に変な顔して……」

純「いやー別に何でもないよー!それより軽音部のライブすごかったよねー!」

憂「あ、クリスマスの?……って純ちゃん、どこ行くの?」

純「んー、帰りながら話そうよ!ほら、寒いし!」

憂「……変な純ちゃん」

13: 2011/01/20(木) 21:00:45.74 ID:6DswkaaN0
憂との他愛ない話は校舎を出るまで持たせ続けた

クリスマスライブで澪先輩が強烈な歌詞の歌を歌い、観客を引かせていたが
あれはあの曲の元々の歌詞だったらしい、唯先輩情報では

あと、最近は律先輩は澪先輩にたいして構ってあげてなくて澪先輩が凹み気味らしい
唯先輩情報では

あれ?憂の会話のソースが唯先輩だけだし、なんだか軽音部の話しかしてないぞ?

純「あのさぁ、たまには私達だけの話とかってないのかなぁ……」

憂「私達だけの話かぁ……私あんまり面白いことないからなぁ……」

純「ああ、そんな真剣に考えなくてもいいよ!」

14: 2011/01/20(木) 21:06:43.13 ID:6DswkaaN0
憂「そうだなぁ……純ちゃんって誰にも言えない秘密ってある?」

純「え、それ言っちゃったら誰にも言えない秘密じゃないじゃん」

憂「内容は教えてくれなくてもいいよ」

純「んー、あるね!」

憂「私もあるよ」

純「おう、おそろいだね」

憂「そうだね」

16: 2011/01/20(木) 21:15:36.40 ID:6DswkaaN0
純「で、その秘密というのは?」

憂「ヒ・ミ・ツ♪」

純「ですよねー」

憂「純ちゃんが言ってくれたら私も言うよ?」

純「だから言ったら誰にも言えない秘密じゃないってば!」

憂「あはは、そうだね……あ!」

純「どうしたの?」

憂「教室に忘れ物しちゃった……」

17: 2011/01/20(木) 21:22:15.75 ID:6DswkaaN0
純「じゃ、じゃあ私はこれで……」

憂「待ってよー、純ちゃんも一緒に来てよ」

純「えー!ヤだよ」

憂「お願い!」ジー

純「……」

その顔は卑怯ですよ、憂さん

……まぁ、会話さえ途切れさせなければ大丈夫だよね

18: 2011/01/20(木) 21:29:48.36 ID:6DswkaaN0
純「……と思ってみたものの」

憂「?」

純「会話が続かない……」

憂「きっと毎日会ってるからだよー」

純「そうよね、今時の女子高生が友達との会話を長引かせようとして、続かないわけありませんよね……」

憂「今日の純ちゃんやっぱり変だよ?」

純「悪夢のせいだよきっと」

憂「ふふ、悪夢見て良かったとか言ってたのは誰?」

純「わたしです」

19: 2011/01/20(木) 21:40:14.58 ID:6DswkaaN0
純「きっとあれだ、続けようと思うから変に意識していかんのだ、自然に自然に……」

憂「純ちゃん、もう教室ついたよ?」

純「あ、は、はい!」

憂「?」

純「で、なんで私がついてこなきゃいけなかったの?」

憂「実は純ちゃんにプレゼントがあって……」

純「プレゼント!ただでくれるの!?」

憂「あは、食い付き過ぎ……」

20: 2011/01/20(木) 21:49:03.61 ID:6DswkaaN0
憂「これ、お父さんたちが旅行で買ってきてくれたお土産のカンガルージャーキー!」

純「カンガルー……?」

憂「オーストラリアで売ってたらしいよ!すごいよね!」

純「まぁすごいっちゃすごいっスけど……」

憂「早速食べてみて!」キラキラ

純「……!?」

21: 2011/01/20(木) 21:59:52.05 ID:6DswkaaN0
カンガルージャーキー……得体のしれないうえに喉がものすごく渇きそうな物体……

いや、それ以前に物を食べたら会話が続きようがない!

ど、どうしよう……

憂「……」ニコニコ

た、食べないわけにはいかないよね……

純「い、いただきまーす……」

22: 2011/01/20(木) 22:05:11.56 ID:6DswkaaN0
純「おいひー!」モグモグ

憂「そう?良かった!」

純「あふはにはあえないふぉ?(梓にはあげないの?)」

憂「梓ちゃんにはお姉ちゃんから渡すんだー」

純「ほっはー(そっかー)」

憂「それより……食べながら話すのはお行儀悪いよ?」

純「!」

23: 2011/01/20(木) 22:10:11.85 ID:6DswkaaN0
その言葉を聞いて喉にジャーキーが詰まる!

上手く話せない……

純「……あ……ごほっ……ごほっ!」

そしてその時は訪れた……

ぼんっ!

24: 2011/01/20(木) 22:15:18.33 ID:6DswkaaN0
強烈な音が教室に響く

誰もいない教室は普段より音が反響した

普段はこんな音はしないけど……

目の前には見たくもない人影がある

頭は……ない

眼を背けようにも、体が言うことを聞かない

純「う……う……い……?」

無理やり声をひねり出して、友人の安否を確認する

……声は聞こえない

25: 2011/01/20(木) 22:22:12.67 ID:6DswkaaN0
純「憂!憂ぃいいいいいいいいい!」

一度口が動くと、金縛りが解けたように自由に動くことができた

私は憂の物と思わしき体を抱き上げる

純「ウソでしょ!トリックなんでしょ!ねぇ憂!」

純「ま、また記憶喪失になって帰ってくるんだよね!ねぇ、聞いてんの!?」

純「いや……いやあああああああ!」

26: 2011/01/20(木) 22:29:13.02 ID:6DswkaaN0
私は憂の氏体を抱えて誰もいない、火薬の臭いの充満した部屋に座り込む

ただ茫然と、憂の体を見つめていた

綺麗に首から上だけが無くなった憂

いったいどうして

突然氏ぬにしても心臓発作とかが常識の範囲内でしょうが!

誰に対してか分からない不平不満をひたすら叫ぶ

それが誰かに届いたのか、声が聞こえた

27: 2011/01/20(木) 22:36:41.98 ID:6DswkaaN0
「心配しないで……」

純「だ、誰!?犯人!?」

憂「私だよ、憂だよ」

純「う、憂!氏んだはずじゃ……!」

改めて憂を見ると、首から上が完全になくなっていたはずなのに、口が形成されていた

憂「純ちゃん、私ね、こういう体質なんだ」

ぼこぼこと憂の失われた部分から泡のようなものが吹き出し、鼻を、耳を、目を、頭を、髪を形成していく

憂「私は不氏者、だから氏なないんだよ」

28: 2011/01/20(木) 22:46:26.92 ID:6DswkaaN0
純「あ、あは、あはは、やっぱ憂は長生きするんじゃん!」

憂「驚かないの?」

純「もう驚きすぎてどうでもいいって言うか……これも夢なんじゃないかってね」

憂「ふふ、夢じゃないよ」

純「……」ホッペウニー

純「……ホントだ」

29: 2011/01/20(木) 22:51:01.53 ID:6DswkaaN0
憂「でも……私の秘密知っちゃったんだから、純ちゃんの秘密教えてよ?」

純「あ……」

これが憂の「誰にも言えない秘密」……

憂「お姉ちゃんとムギさんは知ってるけどね」

純「うーん、私の秘密っていうのは……」

30: 2011/01/20(木) 22:59:47.40 ID:6DswkaaN0
私の秘密

それは正夢を見ること

いや、予知夢と言ったほうがかっこいいだろう

初めて見たのは小学生の時

遠足の前日に、変な夢を見た

私はテレビを見ている

テレビでは事故が報じられていた

私の小学校の名前、バスが衝突事故

そんな不吉なものが聞こえた気がした

32: 2011/01/20(木) 23:12:52.39 ID:6DswkaaN0
そこからはお察しの通り、テレビでは夢と同じ事故が映っていた

それからも予知夢は続いたが、見た景色を変えようとしても、何かしらの力が働いて現実になってしまった

これが占い師が世界を変えられない理由なのかもしれない

憂「そっか、じゃあ私のも予知夢だったんだね」

友人は、すっかり爆発前と髪を上げていないことを除いて変わらない姿になっていた

純「うん、でもこんな形で解決するのは初めてだよ」

33: 2011/01/20(木) 23:21:13.87 ID:6DswkaaN0
不氏者という存在はある日突然人間が変異してしまうもので、それぞれ何か特殊能力があるらしい

憂の能力は自身を爆発させる能力……

不氏者の性質上、氏ぬことは無いので、生ける無限爆弾

兵器としては卑怯くさい代物だ

でも爆発すると本人は結構熱いらしいので、憂は嫌がっているようだ

憂「多分今回のは誤爆なんだと思う」

純「迷惑な体質だねー」

憂「迷惑かけないためにも……他の人にも言ったほうがいいのかな?」

純「その必要はないよ、だって……」

34: 2011/01/20(木) 23:27:53.63 ID:6DswkaaN0
純「憂の「誰にも言えない秘密」でしょ!」

憂「そっか、私も純ちゃんの「誰にも言えない秘密」、知っちゃったもんね」

純「おそろいだね」

憂「私のはお姉ちゃんとムギさんが知ってるけどね」

純「う……」

35: 2011/01/20(木) 23:35:35.74 ID:6DswkaaN0
異常事態を日常に隠すのは大して難しいことではなかった

梓「ねぇ憂、最近純と仲良くない?」

憂「え?純ちゃんとは元から仲良いよ?」

梓「そうじゃなくって……なんていうか……私の入れない領域ができてる気がするんだけど……」

純「梓は軽音部があるからねー、そのせいじゃない?」

梓「純にもジャズ研があるだろうに!」

純「あ、そうだっけ……」

憂「はは、純ちゃん……」

36: 2011/01/20(木) 23:40:21.19 ID:6DswkaaN0
憂「あ、そうだ……今日、泊まらない?」

梓「え、何で?」

憂「今日ね、お姉ちゃんムギさんの家にお泊まりするんだって」

梓「私ソレ知らない……」

憂「あ、梓ちゃんもきっと呼ばれるよ!これから!」

純「ん?じゃあ泊まるのは私だけ?」

梓「私が呼ばれたら、ね……」

憂「だ、大丈夫だよー!」

37: 2011/01/20(木) 23:45:11.00 ID:6DswkaaN0
結局梓はやってきた

どうやらお勉強会ムードだったから自ら断ったらしい

私はお土産にドーナッツを持ってきたが、相変わらず憂は料理をたくさん用意してくれた

梓「もう食べられない……」

純「ドーナッツもったいない……」

梓「あんたが持ってきたんだからちゃんと食べなよ」

純「いや、持って帰る」

梓「あ、そう」

憂「ふふ、二人ともグッタリしてるとお姉ちゃんが二人いるみたい♪」

純「なんじゃそりゃ」

38: 2011/01/20(木) 23:52:25.33 ID:6DswkaaN0
気がつけば夜中になっていた

ゲームにお話、本、テレビ、ゴロゴロ

時間っていうのは結構簡単に過ぎてしまうものだ

純「そろそろ眠くなってきた~」

憂「じゃあそろそろ寝よっか」

梓「うん」

純「Zzz……」

梓「はやっ!」

39: 2011/01/21(金) 00:05:29.70 ID:CWNifDDC0
私は厭な夢を見た

学校の音楽室、軽音部の部室……

いるのは私と唯先輩だけ

唯先輩は後ろを向いている

私が声をかけると唯先輩は振り返った

放課後の逆光で表情は読み取れなかったが、口元は微笑んでいた様な気がする

唯先輩の唇がもぞもぞと動き、何かを私に伝える

私がうなずくと、その瞬間……

唯先輩は爆発した

40: 2011/01/21(金) 00:09:21.73 ID:CWNifDDC0
純「……」

憂「あれ?純ちゃんおはよう」

純「おはよー」

憂「今日は起きるの早いね」

純「んー、嫌な夢見ちゃってさー」

憂「また?」

純「うん、今度は……唯先輩が爆発した」

憂「!?」

41: 2011/01/21(金) 00:15:06.34 ID:CWNifDDC0
純「これが予知夢じゃないことを祈るよ」

憂「……」

純「お姉ちゃんも不氏者だったりはしないの?」

憂「ううん、お姉ちゃんは普通の人間だよ」

純「……」

梓「うーん……」

純憂「!」

42: 2011/01/21(金) 00:25:11.57 ID:CWNifDDC0
梓「唯先輩……だめです……そこは……」ムニャムニャ

憂「と、とりあえず今までは回避できなかったんだよね?」

純「うん、憂の時も憂の忘れ物からお土産までコンボが繋がったし」

憂「夢でもジャーキー食べてた?」

純「……食べてなかったと思う」

憂「細かいところは違うんだね」

純「多分、特定のきっかけがあるんじゃないかな」

43: 2011/01/21(金) 00:32:49.22 ID:CWNifDDC0
憂「じゃあ放課後、音楽室で、純ちゃんとお姉ちゃんが二人きりの状態さえつくらなければいいのかな?」

純「多分」

梓「……む、むったん」ムニャ

憂「頑張ろうね、未来が見える能力ってきっと未来を変えるための能力なんだよ」

純「うん、そうだね!」

梓「……なにが?」

純「梓には関係ないよー」

梓「……ひどっ」

44: 2011/01/21(金) 00:40:44.57 ID:CWNifDDC0
純「お邪魔しましたー」

梓「朝ごはんごちそうさま」

憂「気を付けてねー」

純「うん、気を付けるー」

梓「何に?」

純「梓に、かなー」

梓「何でよ?」

純「梓も気を付けなよー、憂の前で唯先輩との変態的な寝言言っちゃってたんだからー」

梓「はぁ!?なにそれ!」

45: 2011/01/21(金) 00:48:33.66 ID:CWNifDDC0
純「つっても今日土曜日だし今日夢の状況になるとは思えんなー」

純「でもいつもその日中に起こるんだよなー」

唯「あ、純ちゃん!」

純「げ、唯先輩!」

唯「?」

純「今帰りですか……はは」

唯「んーとー……これから学校で練習するからギー太取りに行こうと思って!」

純「ああ、家に置いてありましたもんね……」

唯「まさか私も愛するギー太を置いていってしまうとは!」

純「勉強会だったんですよね?」

46: 2011/01/21(金) 00:56:34.07 ID:CWNifDDC0
唯「ねぇ純ちゃん、練習見に来ない?」

純「う……やっぱりそう来たか……」

唯「ダメ?」

純「いえ、いいですけど……軽音部の人とはあんまり話さないから憂がいると心強いなー……なんて」

唯「分かった、憂も呼んでおくね」

純「あ、私も一緒に行きます、忘れ物とかしてるかもしれないですし」

唯「そういえば純ちゃんウチに泊まってったんだってねー」

純「梓にもちゃんと謝っておいてあげてくださいよ」

唯「え!?なんか私悪いことした!?」

純「アイツ寂しがりですから」

47: 2011/01/21(金) 01:02:40.00 ID:CWNifDDC0
唯「憂ー、ただいまー」

憂「おかえりお姉ちゃ……純ちゃん!?」

純「わけあって出戻ってきました」

唯「純ちゃんも練習見に来てもらおうと思ってー」

憂「……純ちゃん、これって」

純「……うん」

唯「?」

憂「な、何でもないよー、あははー」

49: 2011/01/21(金) 01:13:33.34 ID:CWNifDDC0
憂「でもお姉ちゃん、こんな時期に練習とかして大丈夫なの?」

唯「うん、昨日は勉強が捗ったからね!」フンス

純(この人が今日中に爆発するとは思いたくないなぁ……)

唯「純ちゃん?私の顔になんかついてる?」

純「あ、口元にアイスついてます……」

唯「へ?」

憂「お姉ちゃん、帰ってきてすぐアイス食べたのー?」

唯「ついつい……」

憂「もう、お姉ちゃんったら……」

50: 2011/01/21(金) 01:20:05.79 ID:CWNifDDC0
律「おっす唯!……と憂ちゃんと鈴なんとかさん!」

純「鈴木です」

紬「どうして二人が?」

唯「たまたま純ちゃんに会ってね、連れてきちゃったー」

澪「ごめんな、用事とかあったんじゃ……」

純「いえ、大丈夫ですよ、憧れの先輩の演奏が見られるなら!」

憂「私も昨日お姉ちゃんがいなかったんで……」

51: 2011/01/21(金) 01:28:13.75 ID:CWNifDDC0
純「そういえば梓は?」

澪「実はこの練習、梓には秘密なんだよ」

憂「え、どうしてですか?」

律「実は梓のために曲を作ってて、その練習なんだ、なぁムギ」

紬「そうよ、梓ちゃん来年一人になっちゃうから……寂しくないようにって!」

澪「……」ジー

唯「りっちゃん、澪ちゃんが嫉妬してるよ」ボソッ

律「ったく、このぐらい別にいいだろ」ボソッ

純「と、とりあえず私も聞いてみたいです!」

52: 2011/01/21(金) 01:37:05.27 ID:CWNifDDC0
澪「じゃあこの中から選んでくれ」

唯「候補曲リストだよ!」

純「えーっと……「ちっちゃい君へ」、「さくら(合唱)」、「会いたいけれどもう会えない」、「3月」」

憂「……「卒業牧場」、「桜の飴」、「私の卒業」、「天使にふれたよ!」」

紬「ふふ、良いタイトルぞろいでしょ♪」

純「……「天使にふれたよ!」でお願いします」

律「天使にふれたよ!入りまーす!」

唯「おっしゃー!ばっちこーい!」

紬「どんとこいです!」

純「何だこのノリ……」

53: 2011/01/21(金) 01:48:20.64 ID:CWNifDDC0
律「1、2、3、4!」

~♪

唯「どうだった!?」

純「すごいです!これなら梓も感動して泣いちゃいますね!」

憂「……うっうっ……ひっくっ」ウルウル

澪「憂ちゃんはもう泣いてる……」

紬「じゃあもう一曲行きましょうか♪」

純(他のはなんかせっかくの良い雰囲気が壊れそうなんだけど……)

54: 2011/01/21(金) 01:51:47.64 ID:CWNifDDC0
律「はぁー、久々にドラムやって体動かしたし疲れた―!」

澪「本当に久しぶりだよな」

律「聞いてってくれてありがとうな、二人とも!」

澪「……」ムッ

純「いえ、曲は絶対天使にふれたよ!にすべきです!それ以外を選ぶと後悔します!」

紬「ありがとう♪」

憂「おねえぢゃああああああん!」

唯「よしよーし」

55: 2011/01/21(金) 01:57:44.77 ID:CWNifDDC0
律「よし、じゃあ帰るかー」

澪「大分遅くなっちゃったしな」

唯「いつもはこれから放課後!って感じなんだけどねー」

純(よし、この調子で帰れればミッション終了だ!)

唯「あ、純ちゃんちょっといいかな?みんなは先に帰ってて」

純「え、ええ、いいですとも!」ビクビク

唯「?」

56: 2011/01/21(金) 02:04:04.49 ID:CWNifDDC0
純「何ですか、唯先輩……」

厭な風が体を包む

唯「純ちゃん、これで多分大丈夫だよ」

学校の音楽室、軽音部の部室……

いるのは私と唯先輩だけ

唯先輩は後ろを向いている

純「……何が大丈夫なんですか?」

私が声をかけると唯先輩は振り返った

放課後の逆光で表情は読み取れなかったが、口元は微笑んでいた様な気がする

59: 2011/01/21(金) 02:13:53.31 ID:CWNifDDC0
唯「世界を騙すんだよ」

純「世界を……騙す?」

唯「私は、誰かな?」

私は理解した

私がうなずくと、その瞬間……

その人は爆発した

60: 2011/01/21(金) 02:19:15.86 ID:CWNifDDC0
純「まさか成功するとは思わなんだ!」

憂「うん、そうだね」

唯「二人とも何の話ー?」

純「秘密です♪」
憂「秘密(♪」


おわり

61: 2011/01/21(金) 02:25:45.05
おちゅん

62: 2011/01/21(金) 02:28:26.77 ID:CWNifDDC0
おまけ


こんこん

和「唯いる?」ガチャ

和「……誰もいない」

和「全く、楽器とかあるんだから鍵ぐらい掛けておきなさいよ」

63: 2011/01/21(金) 02:37:40.54 ID:CWNifDDC0
和「なんか床焦げてるし……」

和「……」フキフキ

和「軽音部って危ないことやってるのかしら?」

和「あら?これは歌詞?」

和「なになに……」

64: 2011/01/21(金) 02:42:24.54 ID:CWNifDDC0
「ちっちゃい君へ」
作詞:R.T.

君はちっちゃいなー すごくちっちゃいなー

私なんかよりずっとちっちゃい

背丈も胸も心もちっちゃい

でもそんな君も次は部長

私を目指して頑張れ 私を目指して

66: 2011/01/21(金) 02:51:17.99 ID:CWNifDDC0
和「……」

和「ノーコメントでいいかしら」

和「他のはどうかしら?」

和「これとか普通そう」

67: 2011/01/21(金) 03:00:30.89 ID:CWNifDDC0
「さくら(合唱)」
作詞:MUGI KOTOBUKI

前奏

間奏

後奏

*やっぱり私歌詞書けないわ♪ごめんなさい(汗

69: 2011/01/21(金) 03:10:01.10 ID:CWNifDDC0
和「斬新ね」

和「合唱曲なのに合唱するタイミングがないとか……」

和「かの有名な4分44秒を彷彿とさせるわね」

和「なんだかだんだん楽しくなってきたわ」

和「次はどんなかしら」

70: 2011/01/21(金) 03:18:17.85 ID:CWNifDDC0
「会いたいけれどもう会えない」
作詞:平沢ユイ

会いたくて 会いたくて

卒業したら君を遠くに感じてしまう

もう一度会いたいよ

でも会えない

また二人抱きあいたい

71: 2011/01/21(金) 03:26:01.92 ID:CWNifDDC0
和「……」

和「卒業するときに聞かされたら悪い意味で泣きそうね」

和「唯がこんな媚びたような歌詞を書くのも意外だけど……」

和「他には何かないかしら」

72: 2011/01/21(金) 03:51:13.88 ID:CWNifDDC0
「桜の飴」
歌詞:MIO AKIYAMA

君との思い出という飴は甘すぎて

もう少し欲しくなってしまったけど

私達はもう卒業

音楽室の窓からふわり音符の桜

君に届いて花束になればいいな

君は一人じゃない

好きで好きでどうしようもない
それとこれとは関係ない

74: 2011/01/21(金) 04:06:09.93 ID:CWNifDDC0
和「ギリギリアウトなラインを攻めてないかしら」

和「あと名前ローマ字表記は流行ってるのかしら?」

ガチャ

唯「あ、和ちゃん!」

和「遅いわよ、唯」

76: 2011/01/21(金) 04:22:09.19 ID:CWNifDDC0
唯「何か用でもあったの?」

和「そういえば……なんだったかしら?」

唯「もー、和ちゃんったらー」

和「ふふ、唯には言われたくないわね」

唯「えー?」

和「じゃあ私行くね」


おわり

77: 2011/01/21(金) 04:32:36.94 ID:CWNifDDC0
純ちゃんのキャラソンいいね!特に2曲目

見てくれた方いたらありがとう

爆発爆発爆発!

引用元: 純「ピュア・エクスプロージョン」