1: 2017/07/18(火) 21:46:33.588 ID:sXdPCUCI0
ガヴリール「……」カチカチ
ヴィーネ「……」
ガヴリール「……」アタマポリポリ
ヴィーネ「ねえ、ガヴ」
ガヴリール「ん?なんだよヴィーネ」
ヴィーネ「長くなってきたし、あんたそろそろ髪切ったら?」
ガヴリール「別にいいじゃん……めんどくさいし、そんなことにお金使いたくないし」
ヴィーネ「女の子なんだし、もっと気を遣わないとだめよ」
ガヴリール「めんどくさ……あ、そうだ。ヴィーネが切ってくれない?」
ヴィーネ「えっ?」キョトン
ヴィーネ「……」
ガヴリール「……」アタマポリポリ
ヴィーネ「ねえ、ガヴ」
ガヴリール「ん?なんだよヴィーネ」
ヴィーネ「長くなってきたし、あんたそろそろ髪切ったら?」
ガヴリール「別にいいじゃん……めんどくさいし、そんなことにお金使いたくないし」
ヴィーネ「女の子なんだし、もっと気を遣わないとだめよ」
ガヴリール「めんどくさ……あ、そうだ。ヴィーネが切ってくれない?」
ヴィーネ「えっ?」キョトン
2: 2017/07/18(火) 21:47:50.286 ID:sXdPCUCI0
ガヴリール「私はお金をかけずに、しかも外に出る労力を使わずに髪を切れる」
ガヴリール「ヴィーネは私の髪にたっぷり触れる」
ガヴリール「これぞウィンウィンの関係だ」
ヴィーネ「……なんか腑に落ちないところがあるんだけど」
ヴィーネ「っていうか私、髪なんて切ったことないわよ?」
ガヴリール「大丈夫、ちょっと全体的に梳いて、前髪を揃えてくれればいいから」
ヴィーネ「でも……失敗したら怖いし」
ガヴリール「失敗しても別に恨みはしないから、まあ気軽にちょちょいとやっちゃってよ」
ヴィーネ「そう……じゃあ、やってみようかしら」
◆
ガヴリール「ヴィーネは私の髪にたっぷり触れる」
ガヴリール「これぞウィンウィンの関係だ」
ヴィーネ「……なんか腑に落ちないところがあるんだけど」
ヴィーネ「っていうか私、髪なんて切ったことないわよ?」
ガヴリール「大丈夫、ちょっと全体的に梳いて、前髪を揃えてくれればいいから」
ヴィーネ「でも……失敗したら怖いし」
ガヴリール「失敗しても別に恨みはしないから、まあ気軽にちょちょいとやっちゃってよ」
ヴィーネ「そう……じゃあ、やってみようかしら」
◆
4: 2017/07/18(火) 21:49:28.840 ID:sXdPCUCI0
ガヴリール「櫛、髪切りはさみ、梳きばさみ、ヘアピンっと」ズラーッ
ガヴリール「こんなもんでいいだろ」
ヴィーネ「ずいぶん用意がいいのね……」
ガヴリール「天界にいたころお母さんがよく切ってくれててさ。その時使ってたのを持ってきたわけ」
ガヴリール「いまでもたまに自分で切ったりしてるし」
ヴィーネ「へえ……。え、じゃあ今回も自分で切ればいいじゃない」
ガヴリール「それすらもめんどくさい……」ダラーン
ヴィーネ「あんたねえ……」ハァ
ガヴリール「こんなもんでいいだろ」
ヴィーネ「ずいぶん用意がいいのね……」
ガヴリール「天界にいたころお母さんがよく切ってくれててさ。その時使ってたのを持ってきたわけ」
ガヴリール「いまでもたまに自分で切ったりしてるし」
ヴィーネ「へえ……。え、じゃあ今回も自分で切ればいいじゃない」
ガヴリール「それすらもめんどくさい……」ダラーン
ヴィーネ「あんたねえ……」ハァ
6: 2017/07/18(火) 21:50:34.935 ID:sXdPCUCI0
ガヴリール「で、問題はどこで切るかってことだけど」
ゴチャゴチャ…
ヴィーネ「この散らかった部屋じゃ無理ね……」
ガヴリール「別にいいじゃん、切った後で掃除すれば一石二鳥でしょ」
ヴィーネ「私が切りにくいのよ!」
ガヴリール「しょうがないな……じゃ、あそこしかないな」
ヴィーネ「?」
ゴチャゴチャ…
ヴィーネ「この散らかった部屋じゃ無理ね……」
ガヴリール「別にいいじゃん、切った後で掃除すれば一石二鳥でしょ」
ヴィーネ「私が切りにくいのよ!」
ガヴリール「しょうがないな……じゃ、あそこしかないな」
ヴィーネ「?」
7: 2017/07/18(火) 21:51:36.859 ID:sXdPCUCI0
ガラガラッ
ガヴリール「ここなら部屋より片付いてるし、後片付けしやすいだろ」
ヴィーネ「洗面所ね。たしかに片付いてはいるけど……」
ガヴリール「おあつらえ向きに鏡もあるし、ちょうどいいだろ」
ヴィーネ「ええ、そうね」
ヴィーネ「……」ジーッ
ヴィーネ(私とガヴって、こんなに身長差あったんだ……ガヴちっちゃかわいい……)
ガヴリール「ヴィーネ?どうかした?」
ヴィーネ「なっ、なんでもないわよ!早く切りましょ!」アセアセ
ガヴリール「ここなら部屋より片付いてるし、後片付けしやすいだろ」
ヴィーネ「洗面所ね。たしかに片付いてはいるけど……」
ガヴリール「おあつらえ向きに鏡もあるし、ちょうどいいだろ」
ヴィーネ「ええ、そうね」
ヴィーネ「……」ジーッ
ヴィーネ(私とガヴって、こんなに身長差あったんだ……ガヴちっちゃかわいい……)
ガヴリール「ヴィーネ?どうかした?」
ヴィーネ「なっ、なんでもないわよ!早く切りましょ!」アセアセ
9: 2017/07/18(火) 21:52:51.812 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「洗面台と床に新聞紙を敷いて……」バサッ
ヴィーネ「鏡の正面に椅子を置いて、と」
ヴィーネ「これで切った髪の毛をあとでまとめて捨てられるわね」
ヴィーネ「排水溝に髪の毛を流すと詰まっちゃうからね、絶対やめなさいよ?」
ガヴリール「なるほどー。主婦の知恵だな」
ヴィーネ「だれが主婦よ……」
ヴィーネ「鏡の正面に椅子を置いて、と」
ヴィーネ「これで切った髪の毛をあとでまとめて捨てられるわね」
ヴィーネ「排水溝に髪の毛を流すと詰まっちゃうからね、絶対やめなさいよ?」
ガヴリール「なるほどー。主婦の知恵だな」
ヴィーネ「だれが主婦よ……」
12: 2017/07/18(火) 21:54:13.077 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「大き目のビニール袋ってあるかしら?」
ガヴリール「ゴミ袋用のポリ袋でよかったら……このへんに」ガサガサ
ガヴリール「お、あったあった。ほら」ポイッ
ヴィーネ「ありがと。これの底の部分を切って~……」チョキチョキ
ヴィーネ「頭からかぶせて、裾を折り返せば……ほら!ヘアーエプロンの完成!」
ガヴリール「へあー……なんて?」
ヴィーネ「髪の毛が服とかにつかないようにする道具よ」
ガヴリール「ほう……便利だけど、なんか子ども扱いされてるみたいだな」
ヴィーネ「あ、ごめん……嫌だった?」
ガヴリール「ううん、別に? 頼んだのは私なんからさ、嫌なわけないよ」
ヴィーネ「そう? ……よかった」
ガヴリール「ゴミ袋用のポリ袋でよかったら……このへんに」ガサガサ
ガヴリール「お、あったあった。ほら」ポイッ
ヴィーネ「ありがと。これの底の部分を切って~……」チョキチョキ
ヴィーネ「頭からかぶせて、裾を折り返せば……ほら!ヘアーエプロンの完成!」
ガヴリール「へあー……なんて?」
ヴィーネ「髪の毛が服とかにつかないようにする道具よ」
ガヴリール「ほう……便利だけど、なんか子ども扱いされてるみたいだな」
ヴィーネ「あ、ごめん……嫌だった?」
ガヴリール「ううん、別に? 頼んだのは私なんからさ、嫌なわけないよ」
ヴィーネ「そう? ……よかった」
13: 2017/07/18(火) 21:55:23.175 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「それじゃ、始めるわよ」
ガヴリール「お願いしますよ、店長さん」チョコン
ヴィーネ(椅子に座ると、ますますちっちゃいわね……)マジマジ
ガヴリール「……なんか失礼なこと考えなかったか?」
ヴィーネ「え、いや、そんなことないけど……」アセアセ
ガヴリール「急かすようで悪いけど、このあとネトゲのイベントがあるんだよね」
ヴィーネ「……はいはい、注文の多いお客さんね」
ガヴリール「お願いしますよ、店長さん」チョコン
ヴィーネ(椅子に座ると、ますますちっちゃいわね……)マジマジ
ガヴリール「……なんか失礼なこと考えなかったか?」
ヴィーネ「え、いや、そんなことないけど……」アセアセ
ガヴリール「急かすようで悪いけど、このあとネトゲのイベントがあるんだよね」
ヴィーネ「……はいはい、注文の多いお客さんね」
14: 2017/07/18(火) 21:56:12.715 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「ふんふんふふ~ん♪」
ヴィーネ「お櫛で御髪(おぐし)を梳かします~♪」
ヴィーネ「ぐっしぐっしぐっし~♪」
ガヴリール(また変な歌を……)
ヴィーネ「……もう、ろくに手入れしてないからボサボサじゃないの」
ガヴリール「別にいいじゃん、めんどくさい」
ヴィーネ「ちゃんと整えてあげれば……ほら!こんなに綺麗なのに」サラサラ
ガヴリール「……そう、かな」
ヴィーネ「見た目だけでも天使らしくしないとダメよ?」
ガヴリール「さらっと失礼なこと言うな」ムスッ
ヴィーネ「お櫛で御髪(おぐし)を梳かします~♪」
ヴィーネ「ぐっしぐっしぐっし~♪」
ガヴリール(また変な歌を……)
ヴィーネ「……もう、ろくに手入れしてないからボサボサじゃないの」
ガヴリール「別にいいじゃん、めんどくさい」
ヴィーネ「ちゃんと整えてあげれば……ほら!こんなに綺麗なのに」サラサラ
ガヴリール「……そう、かな」
ヴィーネ「見た目だけでも天使らしくしないとダメよ?」
ガヴリール「さらっと失礼なこと言うな」ムスッ
15: 2017/07/18(火) 21:58:28.887 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「……」サラサラ
ガヴリール「……」
ヴィーネ「……」ススーッ サラサラ
ガヴリール「……あのー、ヴィーネさん?」
ヴィーネ「んっ!?何?」ビクッ
ガヴリール「いやー、いつまで髪触ってるのかなって」
ヴィーネ「あっ、ごめん!なんか手触りよくって……」
ガヴリール「……まあ、別に好きなだけ触っててもいいんだけど……」ボソッ
ヴィーネ「えっ、でもゲームの時間が……」
ガヴリール「それとこれとはっ!……別問題だし」
ガヴリール「切ってもらう対価としてこれくらい払ってもいいかなー、なんて」
ヴィーネ「……じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわね♪」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「……」ススーッ サラサラ
ガヴリール「……あのー、ヴィーネさん?」
ヴィーネ「んっ!?何?」ビクッ
ガヴリール「いやー、いつまで髪触ってるのかなって」
ヴィーネ「あっ、ごめん!なんか手触りよくって……」
ガヴリール「……まあ、別に好きなだけ触っててもいいんだけど……」ボソッ
ヴィーネ「えっ、でもゲームの時間が……」
ガヴリール「それとこれとはっ!……別問題だし」
ガヴリール「切ってもらう対価としてこれくらい払ってもいいかなー、なんて」
ヴィーネ「……じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわね♪」
16: 2017/07/18(火) 21:59:59.209 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「……」ススーッ サラサラ…
ヴィーネ(まっすぐストレートな、透き通るような綺麗な金髪)
ヴィーネ(こうやって指を絡ませると沈み込むように馴染んで、すーっと素直に指が通る)
ヴィーネ(ずっとこうやっていたくなる、クセになる感覚)
ヴィーネ(なんだか懐かしい感じがするのは何でかしら)
ガヴリール(なんだろ、ヴィーネに髪触られるの、嫌じゃないっていうか)
ガヴリール(ヴィーネの指先触れられてる髪から、優しさが伝わってくる)
ガヴリール(気持ちいいな……)トローン…
ガヴリール(なんか懐かしい感じがするのは何でだろう)
ヴィーネ(まっすぐストレートな、透き通るような綺麗な金髪)
ヴィーネ(こうやって指を絡ませると沈み込むように馴染んで、すーっと素直に指が通る)
ヴィーネ(ずっとこうやっていたくなる、クセになる感覚)
ヴィーネ(なんだか懐かしい感じがするのは何でかしら)
ガヴリール(なんだろ、ヴィーネに髪触られるの、嫌じゃないっていうか)
ガヴリール(ヴィーネの指先触れられてる髪から、優しさが伝わってくる)
ガヴリール(気持ちいいな……)トローン…
ガヴリール(なんか懐かしい感じがするのは何でだろう)
20: 2017/07/18(火) 22:01:14.338 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「……」ボーッ
ガヴリール「……」ボーッ
ヴィーネ「はっ!私ったら何を……」
ガヴリール「うわっ!そ、そうだよ何ぼーっとしてんの!」
ヴィーネ「ガヴだってぼーっとしてたじゃない!」
ガヴリール「しっ、しーてーなーい!」
ヴィーネ「してましたーっ!」
ガヴィーネ「むぅ~~っ……!」
ガヴリール「……」ボーッ
ヴィーネ「はっ!私ったら何を……」
ガヴリール「うわっ!そ、そうだよ何ぼーっとしてんの!」
ヴィーネ「ガヴだってぼーっとしてたじゃない!」
ガヴリール「しっ、しーてーなーい!」
ヴィーネ「してましたーっ!」
ガヴィーネ「むぅ~~っ……!」
21: 2017/07/18(火) 22:02:35.972 ID:sXdPCUCI0
ガヴリール「……」ジーッ
ヴィーネ「……」ジーッ
ガヴリール「……ふっ」
ヴィーネ「ふふっ」
ガヴリール「なに張り合ってんだよ私たち」
ヴィーネ「ほんとにね……ふふっ♪」
ガヴリール「ま、緊張も解けたってことで……そろそろお願いするよ」
ヴィーネ「わかったわ、待たせてごめんね」
ヴィーネ「……」ジーッ
ガヴリール「……ふっ」
ヴィーネ「ふふっ」
ガヴリール「なに張り合ってんだよ私たち」
ヴィーネ「ほんとにね……ふふっ♪」
ガヴリール「ま、緊張も解けたってことで……そろそろお願いするよ」
ヴィーネ「わかったわ、待たせてごめんね」
22: 2017/07/18(火) 22:03:17.697 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「じゃあ、切っていくけど……ほんとにいいのね?」
ガヴリール「大丈夫だって。私も見てるから、ミスってたら言うからさ」
ヴィーネ「わかったわ。じゃあまずは梳きばさみで全体を軽くしていくわね」
ガヴリール「ういーっす」
ヴィーネ「……」チョキチョキチョキ
ガヴリール「……」
ヴィーネ(緊張する……)チョキチョキ
ガヴリール「そんなに強張らなくていいよ、ちゃんとできてるし」
ヴィーネ「そう?ならいいんだけど」
ガヴリール「大丈夫だって。私も見てるから、ミスってたら言うからさ」
ヴィーネ「わかったわ。じゃあまずは梳きばさみで全体を軽くしていくわね」
ガヴリール「ういーっす」
ヴィーネ「……」チョキチョキチョキ
ガヴリール「……」
ヴィーネ(緊張する……)チョキチョキ
ガヴリール「そんなに強張らなくていいよ、ちゃんとできてるし」
ヴィーネ「そう?ならいいんだけど」
23: 2017/07/18(火) 22:04:08.389 ID:sXdPCUCI0
チョキッ チョキチョキ
ヴィーネ(全体のバランスを考えて……毛量が偏らないように)
ヴィーネ(意外と難しいわね……)
ガヴリール「ヴィーネ?」
ヴィーネ「ん? どうしたのガヴ?」
ガヴリール「暇だからさ、なんか話してよ」
ヴィーネ「あのねえ……ガヴは暇かもしれないけど私は集中してるのよ」
ガヴリール「じゃあ歌でもいいよ。料理してるときとか歌ってるじゃん」
ヴィーネ「あ、あれ聞いてたの……? ちょっと恥ずかしいんだけど」テレッ
ガヴリール「あれ聴くの結構好きなんだよね、楽しそうな感じで」
ヴィーネ「そうなの……/// で、でも今は歌わないわよ、絶対!」
ヴィーネ(全体のバランスを考えて……毛量が偏らないように)
ヴィーネ(意外と難しいわね……)
ガヴリール「ヴィーネ?」
ヴィーネ「ん? どうしたのガヴ?」
ガヴリール「暇だからさ、なんか話してよ」
ヴィーネ「あのねえ……ガヴは暇かもしれないけど私は集中してるのよ」
ガヴリール「じゃあ歌でもいいよ。料理してるときとか歌ってるじゃん」
ヴィーネ「あ、あれ聞いてたの……? ちょっと恥ずかしいんだけど」テレッ
ガヴリール「あれ聴くの結構好きなんだよね、楽しそうな感じで」
ヴィーネ「そうなの……/// で、でも今は歌わないわよ、絶対!」
25: 2017/07/18(火) 22:05:13.308 ID:sXdPCUCI0
~5分後~
ヴィーネ「ふんふんふふ~ん♪」
ヴィーネ「綺麗な金髪きっちり切って~♪」
ヴィーネ「ちょきちょきちょきちょき梳きましょう~♪」
ガヴリール(歌ってるじゃん……もしかして無自覚なのか?)
ガヴリール(……でもなんか、聴いてると安心するというか)
ガヴリール(昔、お母さんに髪を切ってもらったの思い出すな……)
ガヴリール「お母さん……」ボソッ
ヴィーネ「はっ!?私はあなたのお母さんじゃないわよっ!」クワッ!!
ガヴリール「なんだその過剰反応!?」ビクッ
ヴィーネ「ふんふんふふ~ん♪」
ヴィーネ「綺麗な金髪きっちり切って~♪」
ヴィーネ「ちょきちょきちょきちょき梳きましょう~♪」
ガヴリール(歌ってるじゃん……もしかして無自覚なのか?)
ガヴリール(……でもなんか、聴いてると安心するというか)
ガヴリール(昔、お母さんに髪を切ってもらったの思い出すな……)
ガヴリール「お母さん……」ボソッ
ヴィーネ「はっ!?私はあなたのお母さんじゃないわよっ!」クワッ!!
ガヴリール「なんだその過剰反応!?」ビクッ
27: 2017/07/18(火) 22:06:27.202 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「うん、だいたい梳けたわね。どう?」
ヴィーネ「見た目はそんなに変わらないんだけど……鏡を見てみて?」
ガヴリール「どれどれ……おおー、いいじゃんいいじゃん!軽くなって涼しくなったよ」
ガヴリール「ヴィーネって理容師の素質あるんじゃない?」
ヴィーネ「悪魔の素質は無いのにね……」ドヨーン
ガヴリール「ちょっ、勝手に落ち込むなよ……褒め損じゃん」
ヴィーネ「……でも、ありがとうね。ちょっと自信持てたわ」
ガヴリール「あと、前髪も伸びてるから揃えてほしいんだけど……頼める?」
ヴィーネ「もちろんよ。理容師ヴィーネさんに任せなさい!」ニコッ
ヴィーネ「見た目はそんなに変わらないんだけど……鏡を見てみて?」
ガヴリール「どれどれ……おおー、いいじゃんいいじゃん!軽くなって涼しくなったよ」
ガヴリール「ヴィーネって理容師の素質あるんじゃない?」
ヴィーネ「悪魔の素質は無いのにね……」ドヨーン
ガヴリール「ちょっ、勝手に落ち込むなよ……褒め損じゃん」
ヴィーネ「……でも、ありがとうね。ちょっと自信持てたわ」
ガヴリール「あと、前髪も伸びてるから揃えてほしいんだけど……頼める?」
ヴィーネ「もちろんよ。理容師ヴィーネさんに任せなさい!」ニコッ
28: 2017/07/18(火) 22:07:40.027 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「それじゃあ今度はこっちを向いて……っ!」ドキッ
ヴィーネ(わかってたけど、前髪を切るには向き合わないといけないのよね……)
ガヴリール「はいよ、椅子をヴィーネの正面に置けばいいんだな」クルッ
ガヴリール「……ヴィーネ? どうしたんだよ固まって」
ヴィーネ「あ、えっと……見つめられると緊張するな、というか」
ガヴリール「切ってる間は目を瞑るから大丈夫だろ」
ヴィーネ「あー……それもそうね」
ヴィーネ(それでも耐えられるかしら……)
ヴィーネ(わかってたけど、前髪を切るには向き合わないといけないのよね……)
ガヴリール「はいよ、椅子をヴィーネの正面に置けばいいんだな」クルッ
ガヴリール「……ヴィーネ? どうしたんだよ固まって」
ヴィーネ「あ、えっと……見つめられると緊張するな、というか」
ガヴリール「切ってる間は目を瞑るから大丈夫だろ」
ヴィーネ「あー……それもそうね」
ヴィーネ(それでも耐えられるかしら……)
30: 2017/07/18(火) 22:08:53.149 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「長さはどれくらいがいいの?」
ガヴリール「目の上くらいかな。今のままだと完全に目が隠れちゃってるし」
ヴィーネ「前髪って結構印象変わるわよね。責任重大……」ドキドキ
ガヴリール「どうせ私のことなんて誰も見てないんだし、テキトーでいいんだよテキトーで」
ヴィーネ「いいわけないでしょ!!」
ガヴリール「うぇっ!?」ビクッ
ヴィーネ「あ、ごめん大声出して……でもきっと、誰も見てないなんてことはないわよ」
ガヴリール「ふ、ふーん……でも私のことを見てるなんて、相当物好きな奴なんだろうな?」ニヤッ
ヴィーネ「……本当にね?」クスッ
ガヴリール「目の上くらいかな。今のままだと完全に目が隠れちゃってるし」
ヴィーネ「前髪って結構印象変わるわよね。責任重大……」ドキドキ
ガヴリール「どうせ私のことなんて誰も見てないんだし、テキトーでいいんだよテキトーで」
ヴィーネ「いいわけないでしょ!!」
ガヴリール「うぇっ!?」ビクッ
ヴィーネ「あ、ごめん大声出して……でもきっと、誰も見てないなんてことはないわよ」
ガヴリール「ふ、ふーん……でも私のことを見てるなんて、相当物好きな奴なんだろうな?」ニヤッ
ヴィーネ「……本当にね?」クスッ
31: 2017/07/18(火) 22:10:06.075 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「まずは前髪を横に揃えて切って……」チョキッ
ヴィーネ「自然に見えるように、細かくはさみを入れればいいわね」チョキチョキ
ヴィーネ(最初は怖かったけど、案外いけるものね)チョキチョキ
ヴィーネ(……)ジーッ
ヴィーネ(……目を瞑ってこっちを向いてるガヴを見てると……なんだか)
ガヴリール「……」
ヴィーネ(キスされるのを待ってるみたいに見えてくるような……)
ガヴリール「……ヴィーネ? 手が止まってるみたいだけど、どうかした?」
ヴィーネ「ひゃいっ! な、なんでもないわ! もうすぐ終わるからっ!」アセアセ
ガヴリール「?」
ヴィーネ「自然に見えるように、細かくはさみを入れればいいわね」チョキチョキ
ヴィーネ(最初は怖かったけど、案外いけるものね)チョキチョキ
ヴィーネ(……)ジーッ
ヴィーネ(……目を瞑ってこっちを向いてるガヴを見てると……なんだか)
ガヴリール「……」
ヴィーネ(キスされるのを待ってるみたいに見えてくるような……)
ガヴリール「……ヴィーネ? 手が止まってるみたいだけど、どうかした?」
ヴィーネ「ひゃいっ! な、なんでもないわ! もうすぐ終わるからっ!」アセアセ
ガヴリール「?」
32: 2017/07/18(火) 22:11:23.457 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「ふぅー……終わったわよ」
ガヴリール「どれどれ……おお、悪くないじゃん!視界が開けた!」
ヴィーネ「短すぎない? 変な形じゃない?」
ガヴリール「大丈夫、ちゃんとできてるよ。ありがと」
ヴィーネ「じゃあ、片付けましょうか。ビニール袋を外して、新聞紙をまとめて……」
ガヴリール「あ、ちょっと待って」
ヴィーネ「どうしたの?」
ガヴリール「もうひとつお願いがあるんだけどさ……あとで、さっきみたいに髪を撫でてくれない?」
ヴィーネ「……えっと、それは……」
ガヴリール「髪を切ったあとの手触りを確認してほしいの!それだけ!」プイッ
ヴィーネ「……うん。わかったわ」クスッ
ガヴリール「どれどれ……おお、悪くないじゃん!視界が開けた!」
ヴィーネ「短すぎない? 変な形じゃない?」
ガヴリール「大丈夫、ちゃんとできてるよ。ありがと」
ヴィーネ「じゃあ、片付けましょうか。ビニール袋を外して、新聞紙をまとめて……」
ガヴリール「あ、ちょっと待って」
ヴィーネ「どうしたの?」
ガヴリール「もうひとつお願いがあるんだけどさ……あとで、さっきみたいに髪を撫でてくれない?」
ヴィーネ「……えっと、それは……」
ガヴリール「髪を切ったあとの手触りを確認してほしいの!それだけ!」プイッ
ヴィーネ「……うん。わかったわ」クスッ
33: 2017/07/18(火) 22:12:30.424 ID:sXdPCUCI0
ヴィーネ「……」サラサラ
ガヴリール「……どう?」
ヴィーネ「ん、柔らかくて良い感触よ。」
ガヴリール「あのさ……さっき撫でられた時さ、なんか懐かしい感じがしたんだ」
ヴィーネ「えっ、ガヴもなの? 実は私も思い出して……」
ガヴリール「ヴィーネもだったんだ……なんか嬉しいな」
ヴィーネ「忘れるわけがないじゃない、大切な思い出よ」
ガヴリール「それもそうか」フフッ
ガヴリール「……どう?」
ヴィーネ「ん、柔らかくて良い感触よ。」
ガヴリール「あのさ……さっき撫でられた時さ、なんか懐かしい感じがしたんだ」
ヴィーネ「えっ、ガヴもなの? 実は私も思い出して……」
ガヴリール「ヴィーネもだったんだ……なんか嬉しいな」
ヴィーネ「忘れるわけがないじゃない、大切な思い出よ」
ガヴリール「それもそうか」フフッ
34: 2017/07/18(火) 22:13:32.174 ID:sXdPCUCI0
ガヴリール「私が天界から下りてきて、私たちが出会って友達になって」
ヴィーネ「ガヴったら本当にいい子だったから、可愛くてつい何回も頭を撫でさせてもらったわね」
ガヴリール「……今はこんな駄天使だけどな」
ヴィーネ「……こんな駄天使でも、ガヴはガヴよ。変わらないわ」
ガヴリール「この懐かしさは、あの時と同じ感触だったんだな」
ヴィーネ「……髪を整えるだけで、こんなに印象が変わるなんてね」ナデナデ
ガヴリール「髪は女の命とはよく言ったもんだな」
ヴィーネ「ねえ、どれくらい撫でてていいのかしら」ナデナデ
ガヴリール「……ヴィーネの気の済むまで、ずっと撫でてていいよ」
ヴィーネ「……うん」ナデナデ
…………
……
ヴィーネ「ガヴったら本当にいい子だったから、可愛くてつい何回も頭を撫でさせてもらったわね」
ガヴリール「……今はこんな駄天使だけどな」
ヴィーネ「……こんな駄天使でも、ガヴはガヴよ。変わらないわ」
ガヴリール「この懐かしさは、あの時と同じ感触だったんだな」
ヴィーネ「……髪を整えるだけで、こんなに印象が変わるなんてね」ナデナデ
ガヴリール「髪は女の命とはよく言ったもんだな」
ヴィーネ「ねえ、どれくらい撫でてていいのかしら」ナデナデ
ガヴリール「……ヴィーネの気の済むまで、ずっと撫でてていいよ」
ヴィーネ「……うん」ナデナデ
…………
……
37: 2017/07/18(火) 22:15:32.614 ID:sXdPCUCI0
ガヴリール「今日はほんとにありがとな、助かった」
ヴィーネ「ううん、私もちょっと楽しかったわ。時間かかっちゃってごめんね、イベントがあったんでしょ?」
ガヴリール「いいんだよ、ゲームなんてちょっとの課金で逆転できるんだし」ガシッ
ヴィーネ「そんなことしてるからお金がなくなるのよ……」
ガヴリール「ヴィーネが散髪してたら、散髪代が浮くようになるからいいんだよ!」ニヤッ
ヴィーネ「あんたねえ……」
ガヴリール「あのさ、迷惑じゃなかったら……これからも頼みたいんだけど、どうかな」チラッ
ヴィーネ「……いいに決まってるじゃない!」ニコッ
ヴィーネ「だって私は、ガヴ専属の理容師さんなんだもの、ね♪」
おしまい。
ヴィーネ「ううん、私もちょっと楽しかったわ。時間かかっちゃってごめんね、イベントがあったんでしょ?」
ガヴリール「いいんだよ、ゲームなんてちょっとの課金で逆転できるんだし」ガシッ
ヴィーネ「そんなことしてるからお金がなくなるのよ……」
ガヴリール「ヴィーネが散髪してたら、散髪代が浮くようになるからいいんだよ!」ニヤッ
ヴィーネ「あんたねえ……」
ガヴリール「あのさ、迷惑じゃなかったら……これからも頼みたいんだけど、どうかな」チラッ
ヴィーネ「……いいに決まってるじゃない!」ニコッ
ヴィーネ「だって私は、ガヴ専属の理容師さんなんだもの、ね♪」
おしまい。
39: 2017/07/18(火) 22:16:41.500 ID:sXdPCUCI0
ありがとうございました。ヴィーネがガヴの髪を切るだけのお話でした。
41: 2017/07/18(火) 22:19:11.697
天才か
43: 2017/07/18(火) 22:25:49.487
おつ
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります