勇者「ハア……愛してるよ凛子」

勇者母「勇者ったらまた電話してる」

勇者母「今度の旅で彼女ができたのね」

勇者母「ふふ、早く紹介してくれないかしら」


勇者「明日から本気出すぞ」

勇者「次はドリクラやるか」

勇者「やっぱ亜麻音だよな」

亜麻音『勇者さんは最高のお友達ですね！』

勇者「」

勇者「絶対に許さない」

勇者「亜麻音とかないわ。やっぱり雪ちゃんだな」

雪『お兄ちゃん今のお仕事楽しい？』

勇者「」

勇者母「勇者、最近新しい魔王が暴れているらしいわ」

勇者「だから何だようぜーんだよ氏ね」

勇者母「お願い、ルイータの酒場へ行ってちょうだい」

勇者「ふざけんなクソババア」

勇者母「あんたいい加減にしなさい！」

勇者「ビクッ！！」

勇者母「毎日毎日部屋にこもって！たまには外に出なさい！」

勇者「……」

勇者（酒場へ行く服がない）

勇者「なんで俺が……ぶつぶつ」

ルイータ「あら勇者、久しぶりね」

ルイータ「てか何よその格好ｗｗ寝癖ひどいし布の服だしｗｗｗ」

勇者「……」

勇者「ちっ、うるさい女だ……見た目でしか人を判断できぬ愚かなやつめ」

ルイータ「え、何？声が小さくて聞こえないんですけどｗｗｗｗｗ」

勇者「……」

僧侶「勇者様！」

勇者「ドキッ」

僧侶「お久しぶりです！何をしているんですか？
まさか……新たな魔王を倒そうと？」

勇者「ああ……もしかしてお前も」

僧侶「そんなわけないですよねｗｗわざわざ危険なことに首を突っこむなんて、バカのすることですもんねｗｗｗｗ」

勇者「え？あ、そうだな」

僧侶「最近私は魔王×中ボスにもハマっちゃってｗｗ同人誌が飛ぶように売れるんですよｗｗｗｗ」

僧侶「あ！そろそろイベントの時間なのでこれで失礼します！」

勇者「……」

勇者「鬱だ氏のう」

勇者（やっぱり帰ろう）

女戦士「あの、すみません」

勇者「えっ、あ、ははははい」

女戦士「勇者様、ですよね？」

勇者「！」

勇者（こいつ……）

勇者（マイスイートハニーの凛子にそっくりだ！）

女戦士「もしよろしければ、魔王討伐の旅に同行させてｍ」

勇者「行きましょう！今すぐ行きましょう！二人で行きましょう！！ハァハァ！」

女戦士「え、あ、ありがとうございます」

武闘家「魔王討伐だって？」

賢者「私たちも是非ご一緒させてください」

勇者（ちっ）

勇者「そうだな！みんなでがんばろう！」

勇者「ここらで自己紹介ターイム！ドンドンぱふぱふ！ぱふぱふされたい！！」

女戦士「じ、自己紹介ですか」

賢者（なんかテンション高いなあ）

武闘家（勇者って案外変わっているんだな）

勇者「身長は？体重は？スリーサイズは！？」

女戦士「えっ、それ言わなきゃいけないのですか？」

勇者「魔王を倒すためにとても重要なことです！！」

賢者（きめえ）

武闘家（引くわ）

武闘家「勇者は前の魔王も討伐に行ったんだよな？」

勇者「え」

賢者「なんでもその時に魔王を改心させたとか」

勇者「あ」

女戦士「私たちはそんな勇者様に憧れていたのですよ」

勇者「う」

勇者（言えない……あの時の魔王がヘタレだっただけで、俺は何もしていないなんて……）


魔王「ぶえっくしょん！」

姫「汚ないです」

魔王「誰かが俺様を誉め讃えているに違いない！」

姫「氏ねばいいのに」

女戦士「勇者様は、前の旅の後は何をなさっていたのですか？」

勇者「え！？」

武闘家「きっと日々鍛練を積んでいたのだろう」

勇者「ま、まあな！」

勇者（ギャルゲーの鍛練をだけど）

賢者（それにしては細いですよね。白いし）

武闘家（不安が……）

勇者「あそこに見えるのが魔王城だ！」

女戦士「早く着きましたね」

勇者「前の旅で二回くらい来てるからな」

賢者「さすがは勇者様」

武闘家（さっきの不安は気のせいか）

勇者（あれ？でもそういえばあそこって……）

勇者「着いたぞ。ここだ」

女戦士「……」

武闘家「……」

賢者「……」

女戦士「ここって……普通の城では？」

武闘家「やけにきれいだし……」

賢者「魔王城ってもっと荒んだ感じかと……」

勇者「まあ普通そうなりますよね」

スライム「ぴぎー！ここは魔王城だよ！」

勇者「ほら！魔物もこう言ってるし」

女戦士「……」

勇者「魔王城って、表札だってついてるし！」

賢者「……」

武闘家「勇者……」

賢者「ウソをつくのはやめましょう……」

勇者「ですよねー」

勇者「結局みんなパーティーから外れてしまった」

勇者「ここが魔王城なのは本当なのに」

勇者「俺は何をしているんだろうか」

勇者「何のために魔王城へ来たのか」

勇者「！そうか！」

勇者「俺は忘れていた……魔王城へ来た理由を」

勇者「俺は……」

勇者「凛子のために来たんだったああああああ！！」

武闘家（凛子って誰だ？）

賢者（しっ！見つかっちゃいますよ）

勇者「確かDSがふくろの中に！」

勇者「凛子！俺、凛子のためにがんばるから！」

勇者「やるぞおおおおお」

賢者（何かに話しかけてますね）

武闘家（まさか……）

女戦士（……）

女戦士（もしかして……）

女戦士（勇者様は、前の旅で凛子という女性を亡くしたのでは？）

武闘家（！）

賢者（そうか、それで勇者はあんなにやせ細って……）

武闘家（あれはその女性の写真か。泣けるな……）

女戦士（私たちが、勇者様を支えてあげましょう！）

賢者（そうですね！）

勇者「凛子かわいいよハァハァ」

女戦士「勇者様！」

勇者「ビクッ！」

賢者「私たち、勇者様のことを勘違いしていました」

武闘家「すまない、許してくれ」

女戦士「一緒に戦わせてください！」

勇者「あ、あ……」

勇者（凛子が帰ってきた）

勇者「うおおおおおお凛子おおおおおおおお」

賢者（号泣しちゃって）

武闘家（よっぽど好きだったんだなその女性が）

勇者「魔王の間についたぞ！」

女戦士「早かったですね……」

武闘家「罠がひとつもなかったからな……」

勇者「ん？賢者、何の本を持ってるんだ？」

賢者「え？いや、気になる文献を先ほど見つけたので」

武闘家「賢者は勉強熱心だなあ」

賢者（『魔王×勇者』……ハァハァ）

勇者「魔王！覚悟しろ！」

魔王？「お、来たな」

勇者「え？」

魔王？「え？」

女戦士「お知り合いですか？」

勇者「いや、あいつ……」

勇者「前の魔王の部下だったやつなんだけど」

元中ボス「ぎくっ」

武闘家「え？」

賢者「ふぅ……」

勇者「なんでお前が魔王やってんの？」

中ボス「……魔王大改造！劇的ビフォーアフター！って番組は知ってるよな」

武闘家「毎週見てるぞ」

中ボス「あの番組から私、干されたんだ……」

勇者「そういえば出てたな」

中ボス「不景気で人件費削減だってよ」

勇者「なんというリストラ」

中ボス「あの役立たずは干されないのに……」

中ボス「それで私は魔王に復讐しようとした」

勇者「姫には？」

中ボス「怖くて出来るわけないだろ」

武闘家（魔王より怖いとかどんな姫だ……）

中ボス「そうしたらメディアに叩かれて悪者扱いだわ。マスゴミ氏ねばいいのに」

勇者「お前も大変だったんだな」

女戦士「あの、勇者様？」

勇者（凛子！）

女戦士「ど、どうするんでしょうか。お知り合いみたいですが……」

勇者「……決まってるだろ」

勇者「お前を倒す！」

中ボス「ええええええええええええ！？」

中ボス「いやいやいや！今の聞いたっしょ！同情してたじゃん！！！どうしてそうなった！？」

勇者「凛子にかっこいいところを見せるためだ！」

女戦士「勇者様……」

中ボス「ああ、その名前、魔王がDSに呟いてるの聞いたことあるわ……」

武闘家「勇者がそのつもりなら」

賢者「私たちも手伝います！」

勇者「覚悟！！！！！」

中ボス「だから四人がかりやめてええええええええ」

勇者「というわけで倒せた」

女戦士「やりましたね勇者様！」

武闘家「さすが勇者だ！」

賢者「魔王を倒したなんてすごいですよ！」

勇者（なんだか俺、生まれ変わったみたいだ）

勇者（今ならなんでもできそうな気がする）

勇者「女戦士」

女戦士「はい！」

勇者「好きです、付き合ってください！」

女戦士「え？」

武闘家「え？」

賢者「え？」

勇者「え？」

中ボス「え？」

女戦士「ごめんなさい」

勇者「あ……」

女戦士「私きもい人ダメなんです」スタスタ

武闘家「調子乗んなよクズ」スタスタ

賢者「ホ〇じゃない勇者なんて……」スタスタ

勇者「……」

中ボス「まあ元気出せよ」

勇者「うわあああああああああああああ」

中ボス「ちょｗｗ」

勇者「うわあああああああああああああ」

勇者母「勇者、ここにご飯置いとくわね」

勇者「うるせえクソババア」

勇者「みんなあれから元気にしてるんだろうか」

勇者「女戦士はどっかの金持ちと結婚したらしいし、武闘家は道場で師範代してるらしいし」

勇者「賢者は僧侶と一緒にサークルやってるらしいしな」

勇者「成功してる奴みんな氏ねばいいのに」

勇者「やっぱり三次はダメだ、二次サイコー」

画面『お兄ちゃん、好きなテレビはなぁに？』

勇者「好きなテレビ番組？うーん、好きなのはやっぱり」


勇者「劇的ビフォーアフター！」


おわり

こんな終わり方ですみませんでした
本当はスレ立ててまで書かなくていいやと思っていたのですが、
前スレをまとめてくれたサイトが勇者sideも拾ってくれていたので書いてしまいました

おもしろかった
乙！