1: 2011/11/29(火) 12:09:44.13
チャリン♪

妹「小銭あるな、出せ」

8: 2011/11/29(火) 12:18:14.52 ID:RJKKYzkb0
兄「欲しいなら素直にくれって言えよ」

妹「だってぇ…」

兄「やらんこともないんだからさ」

妹「お兄ちゃん…」

兄「その代りと言っては何だが、妹もジャンプしてみてくれ」

妹「お安い御用!」

―ピョン

兄「もっかい」

妹「ほえ?」ピョン

兄「うーむ、ピンクの水玉か…60点」

妹「何見てんだあほ!」ドゲシ

10: 2011/11/29(火) 12:20:12.21 ID:RJKKYzkb0
妹「今日の晩御飯どうしよっかなあ」

兄「適当でいいんじゃないか?」

妹「うーん、食材がないから買いに行かないと…」

兄「それは大変だな」

妹「おまえも行くんだよ」

15: 2011/11/29(火) 12:24:16.05 ID:RJKKYzkb0
兄「なんでこんな面倒なことを俺がしなくてはいけないのだ」

妹「晩御飯が白米だけになってもいいのか!」

兄「俺は妹だけいればそれでいい!」

妹「えっ…」

兄「まぁ胸は小さいし、料理もそんなにうまくないが下着の趣味が俺好みだからな」

妹「この変態め」

兄「思春期パンツの力は偉大だぞ」

妹「わかったからやめなさい」

兄「お前のパンツでも日々俺を慰める事ができるのだからな!」

妹「最近下着が消えると思ったらそういうわけか、氏ね」

16: 2011/11/29(火) 12:28:00.33 ID:RJKKYzkb0
妹「うーん、安いしキノコと豚肉の炒め物にしよっかあ」

兄「なら豚肉だけで大丈夫だな」

妹「ほえ?冷蔵庫にきのこなかったような気が…」

兄「ふっ…俺の存在を忘れてるわけじゃあるまい?」

妹「…?」

兄「これ、これ」

妹「ほう、貴様のそれを切り落として炒めてもいいんだな?」

兄「すみません、ごめんなさいもう言いません」

18: 2011/11/29(火) 12:33:38.48 ID:RJKKYzkb0
兄「なかなかに美味しいな」

妹「今日はうまくできた!」

兄「毎日そうだといいんだがな」

妹「その内うまくなりますぅ!」

兄「そう言われると邪魔したくなるんだなこれが」

妹「料理中に邪魔してくるってこと?」

兄「ふふふ、毎日俺が飯を作ればお前が上達することはない!」

妹「やったあああああ!御飯当番お兄ちゃんになったあああ」

兄「謀ったな!」

19: 2011/11/29(火) 12:41:03.17 ID:RJKKYzkb0
妹「ねーねー、お兄ちゃんも手伝ってよ」

兄「はめられて飯当番になってしまったのだから後片付けはお前に任せる」

妹「自分のせいだろうが!」

兄「洗い物する時は着替えた方がいいぞ」

妹「大丈夫だって、あっ!スカートに水はねたぁ…」

兄「いわんこっちゃない、拭いてやるよ」

妹「ありがとう…」

兄「うーむ…スカートをめくりながら見る思春期パンツも良いものだ」ピラッピラッ

妹「…」ドゲシッ

20: 2011/11/29(火) 12:50:00.30 ID:RJKKYzkb0
妹「お風呂沸いたよおー」

兄「あとではいる」

妹「じゃあ私先入るね」

兄「うむ」

―トテトテトテ、パタン

妹「~♪」スルスル

―キィ…パタン

兄「ふぅ…」ヌギヌギ

妹「なにしてはるんすか」

兄「風呂に入りに来た」

妹「あとではいるっていったじゃん!ばか!」

兄「あとでとは言ったがお前が出た後とは言ってないぞ」

妹「早く氏ね変態」

23: 2011/11/29(火) 13:02:20.50 ID:RJKKYzkb0
妹「結局一緒に入っちゃったし…」

兄「妹は何故俺を沈めたがるのだ」

妹「お前が私の胸を見ようとするからだろ!」

兄「胸は嫌なのに下半身はいいのか?」

妹「水面に沈めてたら目開けられないでしょ?」

兄「いや、しっかりと開眼して見た、ちょっとぼやけてたけどな」

妹「ぼやけてたなら問題ないかな」

兄「しかし、AVのモザイク効果みたいで逆にいい感じだった」

妹「」

24: 2011/11/29(火) 13:07:18.75 ID:RJKKYzkb0
 「ギャー」

 「ウェーァー…」

妹「ビクビク」

兄「なんだ怖いのか?」

妹「こ、こわくないもん!」

兄「そうですか」

妹(トイレいきたくなっちゃったよぅ…どうしよう…)プルプル

兄「なんだトイレか?」

妹「うぅ…一緒に来て…」

兄「仕方ないな」

―パタン

妹「…で」

兄「はい」ジーッ

妹「中まで一緒に来るなあほ!」ゲシゲシ

26: 2011/11/29(火) 13:14:44.64 ID:RJKKYzkb0
妹「あーこわかった」

兄「そうでもないけどな」

妹「お兄ちゃんって怖いもの苦手じゃないっけ?」

兄「そんなことはない」

妹「…そう」

兄「あの程度ではびくともしない」

妹「わかったから早くパンツとズボン穿き替えて来い」

兄「なぜばれた!」

36: 2011/11/29(火) 13:58:47.79 ID:RJKKYzkb0
妹「質問」

兄「はい」

妹「なんで私の部屋に居るんですか」

兄「別にいいじゃないか」

妹「枕まで持ってきてるし」

兄「気のせいだ」

妹「寝る気満々ですね」

兄「べ、べつに怖いからじゃないんだからね!」

妹「普通逆だろ、普通は」

39: 2011/11/29(火) 14:16:04.22 ID:RJKKYzkb0
兄「女って寝る時ブラつけないのな」

妹「人によるらしいけどね、って何見てんだよ」

兄「お前の貧相な胸に用事なんかない」

妹「あれ…、飛びついてくると思ったのに」

兄「わかってないな、胸なんていくらでも見られる」

妹「というのは?」

兄「思春期独特の下着を着用してる姿が大切なのだよ」

妹「根っからのダメ人間だなお前」

41: 2011/11/29(火) 14:21:56.92 ID:RJKKYzkb0
妹「…すぅ…すぅ」

兄「…」ゆらり

妹「すぅ…」

兄「…」コソコソ

妹「ん~…」

兄「…」スルスル

妹「おい」

兄「どうした」グイグイ

妹「何脱がせてるんだ」

兄「ブラつけてないからパンツでも見ようかと」

妹「氏ね、さっさと寝ろ」

48: 2011/11/29(火) 14:44:20.61 ID:RJKKYzkb0
―トントントントントン

妹(ん…朝…)

―ジャッジャッ

妹(御飯作る音…)

妹(普段あんなのでも家庭的な一面もあるんだよね…)

妹「ん~…っ」スクッ

妹「…」ピタッ

―ドタドタドタ

妹「おい、なにしてんだ」

兄「スーハースーハー、朝ごはんの支度をしております」

妹「とりあえず変態仮面はやめろ」

50: 2011/11/29(火) 14:57:35.20 ID:RJKKYzkb0
妹「とりあえず御飯食べよっと…、」

兄「スーハースーハー、はい」

妹「早くそれ外せ」

兄「ポリシーです、スーハースーハー」

妹「もう知らん」

兄「ブホッ…ボフッ!スーハー…スー…」

妹「…」チラッ

兄「ブホッブホッ!」

妹「…被ったままトマトジュース飲むなあほ!」

兄「ぜーぜー…ブホッ…」

妹「だ、大丈夫…?」

兄「生レバ状態」キリッ

妹「そのまま氏ね!」ゲシッ

52: 2011/11/29(火) 15:24:21.43 ID:RJKKYzkb0
兄「はぁ…はぁ…」

妹「ばかやってるからそんなことになるんだよ」カチャカチャ

兄「うるさい…俺がここまでやってるのに…俺の気持ちは全然伝わらない…」

妹「気持ちって…?」

兄「俺だって他の女の下着でこんなことしたいと思わない」

妹「え?え?」

兄「お前のだからこそいいんだ!」

妹「気持ち悪いけど…私の事、そんなに好きなの?」

兄「まぁ他の女のだと逮捕されるからな」

妹「やっぱ氏ね」

57: 2011/11/29(火) 16:14:22.01 ID:RJKKYzkb0
妹「ねーねー、この問題わからない」

兄「俺がわかると思うか?」

妹「奇跡を信じてみたけどダメだったか」

兄「ちなみに何の問題だ」

妹「パソコンの授業、次のタグ使用例で間違っているものとその理由を答えよ」

兄「ほう」

妹「1 : <p><a></a></p>」

妹「2 : <a><p></p></a>」

妹「3 : <a><span></span></a>」

兄「2」

妹「え、そうなの?」

兄「っふ、俺をなめるな」

妹「理由は?」

兄「知らん」

妹「適当かよ」

58: 2011/11/29(火) 16:25:05.18 ID:RJKKYzkb0
妹「うー…レポートの文章打つのだるい」

兄「俺に任せておけ」

妹「そういえばキーボード見ないで打ちできるんだっけ?」

兄「まぁ俺クラスになればあたりまえだ」

妹「はい、じゃあこれお願いね」パサッ

兄「…」カタカタカタカタカタカタカタ

妹「すご…」

―数十分後

兄「終わったぞ」パサッ

妹「ありがとー!」カチカチッ

妹「…」

 「思春期パンツとは何か?それは少女が一番美しく輝く時期、所謂「思春期」に穿いているパンツとされ、大人パンツとも子供パンツともつかない微妙な位置づけのパンツであり…」

妹「おどりゃまちやがれえええええええええええええ」ドドドドドドド

兄「」シュタッ

59: 2011/11/29(火) 16:32:34.11 ID:RJKKYzkb0
妹(暇だなあ)

妹(ちょっとお兄ちゃんの所でもいこーっと)

妹「おーい、いるかー?」コンコン

兄「勝手に入るといい」

妹「お邪魔しまー」

兄「まぁ適当に座るといい」

妹「で、何やってるの」

兄「今までに回収した妹パンツコレクションの整理だ、綺麗に保管しているのだ」

妹「買うの面倒だから全部返せ」

兄「やめて!それがないと氏んじゃう!」

60: 2011/11/29(火) 16:40:25.71 ID:RJKKYzkb0
兄「最近俺の小物がなくなっていくのだが」

妹「~♪~~♪」

兄「おいきいてんのか!」

妹「え?なに?」

兄「俺のヘッドホンしらね?」

妹「お前のは知らないけど、これは私がもらった」

兄「返しなさい」

妹「私のパンツ1枚千円で換算しても5万にはなるよね」

兄「 」

61: 2011/11/29(火) 16:46:22.54 ID:RJKKYzkb0
兄「なぁ?」

兄「なぁって!」

妹「ほい」

兄「ほいじゃねぇ」

妹「あんだよ」

兄「菓子くれ」

妹「かってくりゃいいじゃん」

兄「お金がない」

妹「私のパンツ買収するとか言うからだろ」

兄「だってぇ…」

妹「金返してやるからパンツ返せ」

兄「お断りします」

妹「そのまま飢えて氏ね」

63: 2011/11/29(火) 16:53:16.89 ID:RJKKYzkb0
妹「なんでそんなパンツばっかり好きなんだよ」

兄「それに勝る何かがないからだ」

妹「その、私の裸とか見ても何も思わないの?」

兄「前にも言ったがお前の裸ごときじゃ俺のエクスカリバーは覚醒しない」

妹「でもパンツなら覚醒するんでしょ?」

兄「あたりまえだ」

妹「…」スクッ

兄「なんだ、俺とやり合うつもりか?」スッ

妹「…」

―ギュッ

兄「…え」

66: 2011/11/29(火) 17:00:02.05 ID:RJKKYzkb0
妹「…少しはドキドキした?」

兄「…」

妹「…やっぱパンツの方がいい?」

兄「どうでもいいから離れてくれ」

妹「ん、ごめん」スッ

兄「…部屋、戻っとく」

妹「…うん、ご飯は?」

兄「いらん」

妹「私のは?」

兄「勝手に作れ」

妹「…うん」

妹(怒らせちゃったかな…?)

67: 2011/11/29(火) 17:05:41.41 ID:RJKKYzkb0
妹(…部屋から出てこない)

妹(もういいよ…勝手にすればいいじゃん)

妹(…)

妹(久しぶりに、ぎゅってしたなあ)

妹(ちょっと照れくさいかも)

妹(…)ボーッ

68: 2011/11/29(火) 17:09:04.58 ID:RJKKYzkb0
―コンコン

妹「御飯、一応作ったから置いとくー」コトッ

―シーン

妹「返事くらいしろよ、ばか兄…」

妹「私の気持ちも知らないで…ばかばっかりやって…」

―トットットッ

兄「はーいい湯だった」

妹「…」

兄「何してるんだ」

妹「ばかあー!」

―トテトテトテ

兄「なんだあいつ」

73: 2011/11/29(火) 17:23:14.67 ID:RJKKYzkb0
―パタン

妹(何してるんだろ…)

兄「おーい、なんだー」コンコン

妹「うっさいはげ!」

兄「はげてねーよ」

妹「くんなよ変態」

兄「おう変態だ、んで何か用?」

妹「なんでもねーよ!こっちくんな!」

兄「わけわかんねー、入るぞ」ガチャッ

妹「くんな!くんなって!…くるなよぅ…ぐすっ…」

兄「あ、いや…悪い、俺何かしたか?」

妹「うるさぃ…知らな…ひくっ…よ…はやく部屋…ひっく…戻……ぐす…れよ」

兄「仕方ないな…」

妹「…ごめん」

兄「と見せかけて!盛大に抱きついてやろうじゃないか!」ギュッ

77: 2011/11/29(火) 17:28:27.41 ID:RJKKYzkb0
妹「ばか!はなへ!」

兄「ちゃんと話してくれないとわからんなあ」ナデナデ

妹「頭触んなあ!」

兄「少し落ち着けよ」

妹「…」

兄「なんだよ」

妹「…」

兄「落ち着いたか?」

妹「…うん」

兄「んで何」

妹「もう少しこうしてて…」

兄「よくわからんがわかった」

妹「…」

83: 2011/11/29(火) 17:35:48.48 ID:RJKKYzkb0
妹「いつもパンツばっかりとりやがって…」

兄「好きなものはしょうがない」

妹「…この変態」

兄「でもそれは…いやなんでもない」

妹「なんだよ、言えよ」

兄「うるさいな、鼻水拭けよ、汚い」

妹「…」グシグシグシ

兄「俺の服があああああ」

妹「ばぁか…」

兄「んで引き籠った理由はなんだよ」

妹「おにい…お前が言ったら言う」

兄「言うわけない」

妹「じゃあ私も言わない」

兄「そうか、それは残念だ、じゃあな」

妹「いくなばか!」

87: 2011/11/29(火) 17:47:43.96 ID:RJKKYzkb0
兄「なんだよ」

妹「こっちこい」

兄「来て下さいだろ」

妹「来て下さい」

兄「よろしい、なんだね」

妹「……ほしい」

兄「は?」

妹「……しろ」

兄「きこえねーよ」

妹「ぎゅってしてほしいって言ってんだよあほ!」

兄「お、おう…」ギュッ

妹「…」

兄「満足か?」

妹「あったかい」

90: 2011/11/29(火) 18:00:53.75 ID:RJKKYzkb0
妹「お兄ちゃ…」

兄「明日は雨だ」

妹「なんでぇ?」

兄「妹に甘えられたから」

妹「意味わかんない…私だってたまには甘えたいの…」

兄「もっと来てくれてもいいんだけどな…」

妹「え…?」

兄「あ、いや…なんでもねぇ…」

妹「けちけちぃ…いいなさーい」

兄「ん……やだよ」

妹「言うまで離さない」

兄「その方がいい」

妹「えっ…えっ…?」

兄「うるせえええええ!どうせ俺は重度のシスコンだよ!変態だよ!悪いか!」

94: 2011/11/29(火) 18:16:50.84 ID:RJKKYzkb0
妹「…それって」

兄「ああそうだよ!ありとあらゆる変態行為も寝てるお前に悪戯するのも一緒に風呂入りたいのもそういうことだよ!氏ねよマジ氏ねよ俺!」

妹「うわぁ…」

兄「どうだ、引いただろう…」

妹「最悪」

兄「…」ゲンナリ

妹「構って欲しいなら素直に言えばいいじゃない…」

兄「そんなのかっこ悪いだろ…」

妹「変なことするよりは大分マシだと思うけど…」

兄「すみません…」

妹「でも、私の事好きなのはよくわかったよ」

兄「気持ち悪いだろ、な?もう言わなくていいから」

妹「それはそれでいいことだと思う…、兄妹二人っきりだから…」

妹「おかーさんも、おとーさんも居なくて寂しいもんね…変にもなるよね…」

兄「軽く傷ついた」

95: 2011/11/29(火) 18:26:49.48 ID:RJKKYzkb0
妹「…もう変な事しないって約束するなら、甘えてきてもいいよ」

兄「…!」パァァァ

妹「でも、ずっと甘えてるのは禁止だよ!」

兄「…」ゲンナリ

妹「クスクス…面白い…」

兄「うるせぇ…よ」

妹「あ!」バッ

兄「うおっ!」

妹「え?え?え?ということは…私見て…その……えOちな気分に…」

兄「ええ、何回か危うかった」

妹「くんな!寄るな!けだもの!」シッシッ

兄「でも」

妹「なんだ!くるなー!」シッシッ

兄「今思ってるのはそういうのとは違う気がする、なんというか、そう」


―愛おしい、かなあ

99: 2011/11/29(火) 18:33:53.45 ID:RJKKYzkb0
妹「…」

兄「な…気持ち悪いだろ…」

妹「きもちわるい」

兄「そりゃな…兄にこんなこと言われるのはなあ…」ポリポリ

妹「…嫌じゃないけどね」

兄「え…?」

妹「はい、終わり!このままだとお兄ちゃんにプロポーズされちゃう!」

兄「ま、まだそんなことは!それに兄妹だし…」

妹「…ばぁか、冗談だよ」

兄「このやろう」

妹「あはは、ほら御飯一緒に食べよ!」

兄「ん、わかった」

妹「これからは変な事しちゃダメだからね」

兄「ああ、わかった」

101: 2011/11/29(火) 18:42:31.67 ID:RJKKYzkb0
―その日を境に、兄は変わった











ら良かったのに

103: 2011/11/29(火) 18:45:59.79 ID:RJKKYzkb0
妹「またなくなってるし」

妹「おいあけろ」

兄「お断りします」

妹「いいから開けろ」

兄「嫌だ!」

妹「水色縞々持って行っただろ?」ガチャガチャ

兄「そ、そんなものはここにはない!」

妹「わかったから諦めろ、声が震えてる」

兄「く、くそっ…」カチャリ


106: 2011/11/29(火) 18:47:45.23 ID:RJKKYzkb0
妹「何枚持って行った?」

兄「こ、これだけです」

妹「ベッドを調べさせてもらう」

兄「そんな!やめてください!そこだけは!そこだけは!」

妹「あるじゃん…しかも3枚」

兄「くそっ…頑張って隠したのに…」

妹「ばればれですが」

兄「これも愛故の行動であって!決して邪な気持があったわけじゃ…」

妹「説得力ない、イカ臭いよこの部屋」

兄「はい、すみませんでした」

妹「もう鍵かけるしかないな…」

兄「合鍵作ったから問題ないぜ!」

妹「それも出せ」

兄「しまった!」


―兄は変わらず変態だった

109: 2011/11/29(火) 18:59:55.73 ID:RJKKYzkb0
―でも前と違うところが一つ

兄「違うんだ、男はおかずがないとヌけないんだ」

妹「妄想でなんとかしろ」

兄「そんな…」

―少しだけストレートに物を言うようになった

妹「仕方ないな…水色気に入ってるから別のにして」

兄「いやっほおおおおおおおおおう」

元々の兄が変態過ぎたのかパンツ1枚くらいでは動じなくなった、女としては終わった感が否めない

妹「さってと、家事してくる」

兄「ありがとござんます、家宝にします」

妹「そんな家宝私が認めない」

―ユラッ

妹「あれ」

兄「――!」

―歪む視界、遠のいていく兄の声、おかしいな

113: 2011/11/29(火) 19:06:12.18 ID:RJKKYzkb0
―おい

妹「んっ…」

兄「大丈夫か?」

妹「私どうして…?」

兄「貧血か?急にぶっ倒れて5分くらい顔色悪いままだった」

妹「そうかな…」

兄「救急車呼ぼうとしてたところだったから良かった…」

妹「頭痛い…」

兄「少し休んでた方がいいな、家の事は俺やっとくから」

妹「ごめん…」

兄「俺があほやってるからストレスになってるのかもな!」

妹「それだね…」

兄「少し否定してほしかったんだぜ…、んじゃ飯できたら呼ぶわ」

―パタン

妹(貧血、かぁ…)

116: 2011/11/29(火) 19:12:26.72 ID:RJKKYzkb0
――コンコン

妹「はぁい」

兄「飯食えそうか?」

妹「うん、気分良くなってきた」

兄「良かった」

妹「一緒に食べる」

兄「無理して歩かなくていいぞ」

妹「大丈夫だって…あっ」ユラッ

―バフッ

兄「ばか、無理すんな」

妹「ごめん」

兄「部屋に持ってきて一緒に食えばいいだろ」

妹「ありがとう…」

兄「俺が一緒に食いたいから持ってくるんだよ、んじゃ大人しくしとけよ?」

妹「はぁーい」

117: 2011/11/29(火) 19:16:42.97 ID:RJKKYzkb0
―どうやら体調を崩したらしい

妹「…ごめん、もういい…」

兄「無理して食べなくていいぞ」

妹「ん、ごめんなさい」

兄「気にすんな」

妹「ありが…―っ、ごめん、吐きそう」

兄「ちょ、少し我慢しろ!」

妹「ごめ…」

妹(おなかの風邪かなあ…少し熱っぽいし…)

妹(だるだるぅ…)

121: 2011/11/29(火) 19:25:20.28 ID:RJKKYzkb0
妹「お兄ちゃん…ずっとここに居るの?」

兄「ええ、いますとも」

妹「風邪だと思うから心配しなくていいよ」

兄「何かあったら大変ですし」

妹「あはは、大丈夫だって…」

兄「こういう時くらい面倒見させてくれ」

妹「ありがとう…」

兄「すぐ治るといいな」

妹「そうだね、悪戯…しないの?」

兄「するわけない、大切な妹なのだからな」

妹「…ばぁか」

兄「布団に潜ると呼吸し辛いからやめとけ」

妹「知ってますぅ」

兄「ばぁか」

妹「真似すんなぁ…」ポカポカ

123: 2011/11/29(火) 19:34:13.04 ID:RJKKYzkb0
―3日が経過したが、体調は悪いままだった

兄「病院行った方がいいな、これ」

妹「そうかなあ…」

兄「ちゃんとした薬もらった方がいい」

妹「わかったぁ…」

兄「それじゃ行くか」

124: 2011/11/29(火) 19:36:09.67 ID:RJKKYzkb0
――



兄「おなかの風邪ってなんだよ、ヤブめ…」

妹「そんな気がするー、気持ち悪いし」

兄「うむ、おなかの風邪な気がしてきた」

妹「言ってること違うー」

兄「何か食べたいものあるか?」

妹「食欲ないなあ…」

兄「そうか…」

妹「あ!あそこ、クレープ食べたい!」

兄「おい、待てよ」

妹「クレープ買うのー!ぁ…」ユラッ

兄「―おい、そっち車道!」

妹「ふぇ?」

―キキーッ

126: 2011/11/29(火) 19:43:42.81 ID:RJKKYzkb0
―パタッ

兄「嘘…だろ」

兄「こんなこと…」フラッ

兄「おい、返事しろ!性質の悪い冗談はやめてくれ」

妹「…」クタッ

兄「おい!妹!」

兄「誰か…!誰か救急車!」

運転手「だ、大丈夫ですか!」

兄「頃してやる!」

 「おい、落ち着け」

 「抑えろ、警察呼ぶぞ!」

兄「やめろ!離せ!離せよおおおおおおおおおおおおおお!」

兄「おまえら妹に触るんじゃねええええええええええええ!」

兄「うああああああああああああああああああああああ」

136: 2011/11/29(火) 19:55:23.53 ID:RJKKYzkb0
―妹は病院に運ばれた

間一髪のところで、ブレーキが間に合っていたらしく、事故にはなっていなかったらしい

兄「…」

兄(なげぇ)

兄(入院させた方がいいのかな)

兄(くそが!)

―パタン

医者「終わりました」

兄「ありがとうございます」

医者「意識も戻られましたし、外傷もなく、現在安定しています」

兄「そうですか…よかった」

医者「少し衰弱してらっしゃるようなので、今晩だけ病院で休ませた方が良さそうです」

兄「わ…かりました」

医者「一応、明日にでも検査しておきましょうか」

兄「そうして下さい」

142: 2011/11/29(火) 20:02:21.10 ID:RJKKYzkb0
――



兄(誰もいない家…)

兄(寂しいもんだ…)

兄(妹が居ない…)

兄(大好きな妹が…)

兄「くそがっ!」

―ドガッ

兄(今日はもう寝よう…明日、妹のところに…)フラフラ

兄(きっと大丈夫…)

兄(きっと…)

190: 2011/11/29(火) 22:07:20.34 ID:lDzMdwN10
――



 「…暗いよ」

 「…怖いよ」

 「…寂しいよ」

 「どこにいっちゃったの…」

 「痛いよ…苦しいよ…」

 「一人にしないで…」

 「―お兄ちゃん」

――



兄「は!妹っ!」

兄「ゆ、夢か…」

兄「もう昼過ぎなのか…」

兄「妹も待ってるな…、病院に行ってみよう…」

192: 2011/11/29(火) 22:10:53.20 ID:lDzMdwN10
―コンコン

兄「失礼します」

妹「どうぞ」

兄「調子はどうだ?」

妹「…特に悪いところはないようです」

兄「そうか…なら今日にも帰ることができるな」

妹「私は…」

兄「ん?」

妹「どこに帰ったらいいのでしょうか…?」

兄「…妹?」

199: 2011/11/29(火) 22:17:48.99 ID:lDzMdwN10
妹「父も母も…氏んでしまって…」

兄「それは昔の…」

妹「行くところもないみたいです…」

兄「何を言ってるんだよ…俺等には帰るべき家があるじゃないか…」

妹「引き取り先は決まったとのことですが…私はここに…生まれ育った場所に居たい…」

兄「妹…大丈夫か?」

妹「私がこれから行く場所は本当の家ではないのですよ…」

妹「本当の家じゃない場所に『帰る』なんておかしいですよね…」

兄「おい…家に…帰ろう…」

妹「私には、家なんて……帰る場所なんてもうないのですよ、だってそこは」



―知らないところなのだから

208: 2011/11/29(火) 22:23:27.04 ID:lDzMdwN10
妹「引き取り先の息子であるあなたにこんな事言うなんておかしいですよね…」

兄「…」

妹「私からしたらあなたも知らない人…」

兄「そんなことは…俺はお前を…知」

妹「誰も居ない…」

兄「…」

妹「どこにもいない…」

妹「怖い…」

兄「…っく」

―パタン

妹「…」

妹(失うくらいなら何も持たなければいい…)

妹(一人で居れば…何も…)

妹「ぐすっ…っ…えぐっ…」

220: 2011/11/29(火) 22:33:03.28 ID:lDzMdwN10


兄「どういうことなんですか!」

医者「当方でもわかりかねますが…」

兄「ここは病院だろ!あんた医者だろ!なんでわからないんだよ!」

医者「…一つ、言えることがあるとするならば」

医者「精神的なダメージによりで記憶が混濁しているのかもしません…」

兄「車にはぶつかっていなかったんだろ?事故にはなってなかったんだろ?なぁ!」

医者「事故時の記憶に残っている部分が精神的な不安と恐怖を煽り、それが過負荷になったと…」

兄「………わかりました、ところで治療法などは?」

医者「現在の記憶に直結するとは思えませんが、何か印象に残っていること等が効果的かもしれません」

兄「印象に残っていること…?」

医者「これはあくまで推測ですが、思い出の場所、物、人物等がよろしいかと…」

兄「ありがとうございました…試してみます」

医者「お大事に…」

225: 2011/11/29(火) 22:37:09.42 ID:lDzMdwN10
―コンコン

妹「どうぞ」

兄「さっきはすまなかった」

妹「いいえ、私も少々重い話をしたと反省しています」

兄「家…とりあえずこれから住むところに行こうか」

兄(今の妹には家という認識はないみたいだし、当時のようにするか…)

妹「わかりました…、病院に長居するわけにはいきませんしね」

兄「そうだな、待ってるから準備してくれ」

妹「わかりました」

231: 2011/11/29(火) 22:41:14.54 ID:lDzMdwN10
妹「お待たせしました」

兄「んじゃいこっか」

妹「はい」

兄「荷物持つよ」

妹「いえ、大丈夫です」

兄「そうか…」

妹「はい」

兄「少し離れたところにあるから、歩くの辛くなったら言ってくれ」

妹「わかりました」

兄「…」

妹「…」

兄(だめだ…泣きそう)

兄(どうして…こんなことが…)

234: 2011/11/29(火) 22:46:27.55 ID:lDzMdwN10
兄「…」グシグシ

妹「…今日は冷えますね」

兄「ああ、そうだな」

妹「風邪ひかないように気を付けてくださいね」

兄「俺ばかだから風邪ひかないんだわ」

妹「そうですか…」

兄「おま…、妹さん、寒くない?」

妹「大丈夫です、厚着していますので」

兄「これ羽織っ」スッ

妹「触らないで!」パシッ

―パサッ

兄「…ごめん」

妹「…ごめんなさい」

兄「馴れ馴れしかったよな、すまない」

妹「いえ…私こそ…すみません」

239: 2011/11/29(火) 22:50:48.51 ID:lDzMdwN10
――



兄「ここがこれから住む『場所』だ」

妹「お邪魔します…」

兄「…」

妹「今日はご両親は不在ですか?」

兄「あ、ああ…海外に長期滞在してるからな…」

―本当は、してた、だけどな

兄(親父とお袋は海外滞在中に事故氏したからな…)

妹「そうですか、ということは普段は二人ということですね」

兄「そういうことになるな」

妹「何かと足りないところもあると思いますが、よろしくお願いします」

兄「もっと肩の力を抜いていいぞ」

妹「すみません…私が慣れないもので…」

兄「そうか…」

244: 2011/11/29(火) 22:54:30.38 ID:lDzMdwN10
妹「何かお手伝いすることはありますか?」

兄「そうだな…」カチャカチャ

―やったあああああ!御飯当番お兄ちゃんになったあああ

兄「…」

兄「何かあったら言うよ、ゆっくりしててくれ」

妹「わかりました、では部屋に戻ってますね…」

兄「わかった」

―トットットッ

―パタン

兄「…」カチャカチャ

兄「…っくしょう!」

―ガシャン

253: 2011/11/29(火) 22:57:53.20 ID:lDzMdwN10
――



妹「…」カチャ

兄「…」モグモグ

妹「ごちそうさまでした」カチャ

兄「全然食べてないじゃないか…」

妹「まだ食欲がないもので…」

兄「わかった…」

妹「すみません」

兄「もう部屋戻ってていいからな」

妹「後片付けはお手伝いした方が…」

兄「いい、俺がやる」

妹「わかりました、ごめんなさい」

兄「…ああ」

260: 2011/11/29(火) 23:03:34.90 ID:lDzMdwN10
―妹と心から仲良くなれたと思ったのに

兄(なんでこんなことに…)

―私だってたまには甘えたいの…

兄(甘えてこないじゃないかよ…)

―もう変な事しないって約束するなら、甘えてきてもいいよ

兄(何もしてないけど甘えられねぇよ…)

兄(もう…やめてしまいたい…こんな茶番…)

兄(もう…壊してしまいたい…こんな思い出…)


―俺の記憶も、なくしてしまいたい

270: 2011/11/29(火) 23:07:55.49 ID:lDzMdwN10
――

―スッ

兄「…ん」

妹「あ…起こしてしまいましたか…」

兄「毛布…」

妹「リビングで臥せってたのを見かけましたので…」

兄「ありがとな」

妹「お疲れ様です、今日は有難う御座いました」

兄「いや、大丈夫だ」

―そう、大丈夫

妹「お部屋に戻られた方が宜しいのでは…?」

兄「少ししたら戻ることにするよ…」

妹「そうですか…、では私は部屋に戻りますね」

兄「わかった」

273: 2011/11/29(火) 23:14:17.91 ID:lDzMdwN10
兄(記憶を戻す方法…か)

―何か印象に残っていること等が効果的かもしれません

兄(印象に残っていること、か…)

兄(そう考えたら、俺は妹に何もしてやれなかったな…)

兄(ずっと二人だったのにな…)

兄(俺は妹に迷惑ばっかりかけて…)

兄(だから妹はこんなことに…)

兄(どうすれば…)

兄(わからない…わからない…)

兄(くそっ…)

279: 2011/11/29(火) 23:20:51.98 ID:lDzMdwN10
――

―コンコン

兄「妹さん、朝飯できてるから」

妹「はい、行きます」

兄「…」

―パタン

―トットットッ

兄(きたか)

妹「…」ピタッ

兄「スーハースーハー、気にしないで食べてくれ」

妹「…………いただきます」

――カチャカチャカチャ

妹「…ごちそうさまでした、部屋に戻ってますね」

兄「…お、おう」

兄(変態仮面はだめか…)

287: 2011/11/29(火) 23:24:11.41 ID:lDzMdwN10
兄(ぜってー変な奴だと思われた…)

兄(マジでもうだめだ…スタートで足骨折するくらいだめだ…)

兄(これどうしたらいいんだよ…)

兄(こんなパンツっっ…!)グッ

兄(だめだ…これも妹との思い出だ…)

兄(でもどうしたら…)

兄(そうだ…!)

290: 2011/11/29(火) 23:27:54.91 ID:lDzMdwN10
――



兄「妹さんー風呂沸いたよー」

妹「……」

兄「妹さーん、起きてますかー?」

妹「……はい」

兄「ああ、起きてましたかー!お風呂の準備が出来ましたのでどうぞー!」

妹「………はい」

兄(これしかない…これでだめならもう氏のう…)

兄(つーか俺はこんな恥ずかしい事をしていたのか…)

―パタン

兄(きたっ…!これに賭ける!)

293: 2011/11/29(火) 23:29:57.15 ID:lDzMdwN10
―トットットッ

妹「…」

―スタタタタ

兄「…」

―スタタタタ

妹「…」

―ガチャ

兄「…ふぅ」ヌギヌギ

妹「……ここから出て行ってください」

兄「やっぱだめか」

妹「………」キッ

兄「ごめんなさい」

298: 2011/11/29(火) 23:36:25.25 ID:lDzMdwN10
兄(ああああああああああああああああああああああ)

兄(もうだめだってかあいつにとって印象的なことってなんだよ!)

兄(思い当たる節がねえええええええええええ)

兄(絶対嫌われた、もう近づけないってか話もしてもらえないぞこれ…)

兄(どうすりゃいいんだ…)

兄(…戻らないのかな)

兄(記憶が戻るなんてことは…もう)

兄(妹…)カリッ

兄(おまえが俺の事を忘れても…)カリカリ

兄(俺はお前との楽しい思い出を忘れたくない…)カリカリ

兄(俺がばかなことやってた日々も…お前に呆れられた日々も…)

兄(俺にとっては大切な、大切な宝物なのだから…)

兄(記憶をなくしたいと思った…けどそれは望んじゃいけない…俺は…) カツッ!

―妹に、笑っていて欲しい

301: 2011/11/29(火) 23:41:51.89 ID:lDzMdwN10
――ガチャ

―トットットッ

兄「ぐぅ…」

兄「すぅ…すぅ…」

妹「…」

―スッ

――ヒラッヒラッ

妹「……」

 「妹に、笑っていて欲しい」

 「もう叶わないことでも、俺は妹の幸せの為に在り続けたい」

―それが俺の幸せなのだから

妹「…」カサッカサッ

妹「…」カリカリカリカリ

妹「…………すみなさい」

304: 2011/11/29(火) 23:48:14.25 ID:lDzMdwN10
――

―キーッ

 「お前は守れなかった」

 「お前が…」「お前が…」「お前が…」「お前が…」「お前が…」「お前が…」「お前が…」

 「お前が…」「お前が…」「お前が…」「お前が…」「お前が…」「お前が…」「お前が…」

―お前が頃したんだよ

兄「っ!」

兄「はぁっ…はぁっ…」

兄(なんて夢見てんだ俺…)

兄(またリビングで寝てるし)

―スルスルッ

兄(毛布…?)

兄(妹、降りてきたのか)

―ヒラッヒラッ、パサッ

兄(ま、いっかー飯でも作るか…)

306: 2011/11/29(火) 23:51:48.40 ID:lDzMdwN10
兄「妹さーん、ご飯できましたー」

妹「はい」

兄「はい」

―ガチャ、トットットッ

妹「…おはようございます」

兄「お、おはよう!」

妹「…」

兄「それじゃ食べようか!」

妹「…いただきます」

兄「ぐすっ…ひくっ…」

妹「どうしたんですか…?」

兄「…っぁう…なんでも…飯が…泣くほどうまいんだよ…くそっ……」

妹「それはよかったですね…」カチャカチャ

兄(挨拶されたことに感動して泣いたとかいえねええええええええええええええ)

311: 2011/11/29(火) 23:57:08.59 ID:lDzMdwN10
妹「後片付け…何したらいいですか?」

兄「え?え?」

妹「いつもお任せしているので…お手伝いしようと…」

兄「っああああ」バッ

妹「…何のポーズですか?」

兄「あ、あらぶる熊のポーズ!」

兄(抱きしめそうになったんだぜ…あぶねぇあぶねぇ…)

―クスクス

兄「ん?」

妹「クスクス…兄さんって面白いですね…」

兄「お、おう!」

兄(うわああああああああ、笑ってくれたああああああ、泣きそう!まじ感動して泣きそう!)

315: 2011/11/30(水) 00:06:19.99 ID:kSAYei+40
――



兄(記憶が戻らなくても妹を笑わせることはできる…)

兄(ならそれで十分じゃないか…)

兄(それなのに感じる不安…なんだこれは…)

兄(妹が居て笑ってくれている、それだけでいいじゃないか…)

兄(俺は何を…)

―トットッ

妹「兄さん、お風呂どうぞ」

兄「ああ、ありがとう」

妹「はい、おやすみなさい」

―トットットッ

兄(…余所余所しいのは仕方ないよな)

兄(風呂入るか…)

319: 2011/11/30(水) 00:12:11.59 ID:kSAYei+40
―パタン

兄(はぁ…)

兄(風呂に入ると色々考えるから疲れる気がする…)

―っく…

兄(…ん?)

―ぐすっ…ひくっ…

兄(妹…、泣いてるのか…)

―寂しいよ…苦しいよ…

兄(来てからずっと…夜泣いてるのか…)

―ひうっ…ぐす…

兄(何か聞いてあげたいな…)

―コンコン

兄「妹さん?」

妹「……くすん」

320: 2011/11/30(水) 00:16:22.20 ID:kSAYei+40
兄「大丈夫ですか?」

妹「はい…」

兄「入っていいですか?」

妹「……どうぞ」

兄「失礼します」ガチャ

妹「すみません、ひどい顔してますよね…」

兄「いえ、そんなことないですよ」

妹「そうですか…」

妹「…」

兄「あの、何かあったら言ってくださいね、俺で良ければ…、その、力になってあげたいので…」

妹「ありがとうございます…」

兄「何もできないかもしれませんが、一緒に居ることくらいはできますので…」

妹「…」

兄「では、失礼しました」

妹「待って!」

326: 2011/11/30(水) 00:23:10.06 ID:kSAYei+40


兄「―!」

妹「くだ…さい……」

兄「どうしました?」

妹「…少し、ここに居て頂けませんか?」

兄「…わかりました」

妹「…」

兄「…」

妹「私は…ここに居ていいのでしょうか…?」

兄「…もちろん」

妹「兄さんにご迷惑をおかけしてばっかりで…」

兄「俺もあほなことばっかりしてすみません…」

兄・妹「…」

332: 2011/11/30(水) 00:31:35.83 ID:kSAYei+40
妹「兄さんに負担をかけないように干渉しないつもりでした」

兄「逆にそれが負担なんだけどな…」

妹「…っ」

兄「大体、妹さんは気を遣い過ぎだよ、俺なんか気にしないで思ったことバシバシ言えばいいのに」

妹「でもっ!」

兄「その方が俺も楽だしね」

妹「兄さんと仲良くなって…それこそ本当の兄弟の様になったとしても…」

妹「何時か兄さんも何処かに行ってしまう……ぐすっ」

兄「どうした…?」

妹「もう…失いたく…ひくっ…離れたく…ないから…」

兄「…」

妹「だからぁっ…!家族なんて……」

兄「ばぁか…」

―ギュッ

341: 2011/11/30(水) 00:41:03.50 ID:kSAYei+40
妹「離して…やめてっ…ぐすっ…」

兄「はなさねーよ」

妹「優し……っく…しな…い……えくっ…」

兄「心配するな、俺はどこにもいかねーよ」

妹「ぅっ…ひぅ…ぁ…」

兄「…お前が愛おしいからな」

妹「うわあぁぁぁぁぁ……」

兄「よしよし…」ナデナデ

妹「うぅ…ひっく……ぐずっ…」

兄「いっぱい泣け、それで心の整理ができるなら…」

345: 2011/11/30(水) 00:47:12.75 ID:kSAYei+40
―今まで溜まっていたものを吐き出すかのように、妹は泣いていた

――俺は妹を抱きしめたままだった

妹「…くすん」

兄「落ち着いたか?」

妹「泣き過ぎたのかな…頭……痛い…」

兄「そっか…それなら休んだ方がいい、おやすみ」スクッ

妹「ありがとう…おやすみなさい…」

兄「はいよ」

―パタン

兄(あんなこと考えてたのか…)

兄(少しは楽になったかなー…)

―カサッ

兄(ん?この前の殴り書き…?)

―ありがとう

兄(…良かった)

350: 2011/11/30(水) 00:52:18.62 ID:kSAYei+40
兄(あー、お茶うめぇ…)

兄(このほっとする感じがたまらんね…)

兄(―ありがとう、か)

兄(あいつも少しはほっとできたのかな?)

兄(こうやって、壁を崩していくしかないな)

兄(また一からスタートだけど…頑張ろう)

兄(妹が居るならそれでいい…)

兄(さて…俺も寝るか)

――その日、妹が夢に出てきた

―妹は楽しそうに笑っていた

それが何よりも、幸せだった

356: 2011/11/30(水) 01:01:03.24 ID:kSAYei+40
――



妹(うーん、ここ…家?)

妹(まっくら…)

妹(あたまいたい…)

妹(頭痛薬あったっけ…)

―トットットッ

妹(リビングにないってことはー…)

妹(んーと、お兄ちゃん持ってたっけ…)

妹(朝方だし寝てるよね…)

妹(そーっと…そーっと…)

妹(おじゃましま~す)

妹(寝てる寝てる…、そーっと)

兄「…うーん」ゴロン

妹(お兄ちゃん…泣きながら寝てる…)

363: 2011/11/30(水) 01:04:40.85 ID:kSAYei+40
妹(私も早く部屋戻って寝よっと…)

妹(うーん…そういえば何時から家にいるんだっけ…)

妹(あの日病院行ってー…)

妹(事故にあったんだ!)

妹(あれ…、その後どうしたんだっけ…?)

妹(思い出せないなあ…お兄ちゃん起きたら聞こーっと)

妹(ではではおやすみなさい…おやすみなさい…)

370: 2011/11/30(水) 01:10:06.68 ID:kSAYei+40
――



兄「妹さん、ご飯できたよ」

妹「はぁぃ…」

兄「今日は眠そうだね」

妹「朝方に一回起きたー」

兄「そっかあ」

妹「お兄ちゃー、私病院の帰り道どうなったんだっけ?」

兄「へ?」

妹「ほら、事故にあって、それからの事」

兄「妹さん?」

妹「呼び方きもいよ」

兄「うわあああああああああああ」ギュッ

妹「な、なに!どうしたの?なんで泣くの!」

兄「よかった…っ…ほんとに…妹…」

377: 2011/11/30(水) 01:15:04.06 ID:kSAYei+40
妹「どうしたの…?」

兄「だってお前が…いなくなって…俺どうしようもなくて…ぐすっ」

妹「私はここにいるよ」

兄「ずっとあのままなのかと…諦めてて…っぁぅ…」

妹「大丈夫だよ…、お兄ちゃんを一人にしないから、ね?」

兄「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

妹「朝からそんなに泣いてー…仕方ないお兄ちゃんだなあ…」

兄「よかったぁ…もう離さないから…ずっと…一緒に居るから…ぁ…」


―妹は無事に戻ってきた

465: 2011/11/30(水) 10:28:55.93 ID:WlXNNB280
兄(妹も大分元気になってきたな、良かった…)

妹「ねぇ」

兄「なんだ?」ニコニコ

妹「なんだ、じゃねぇよ」

兄「朝からむすーっとしてたらせっかくの可愛い顔が台無しだぞ」

妹「洗濯物干してるのはいいことだと思うんだ」

兄「俺偉いでしょ!」

妹「そのポケットからはみ出してるものを全部出せ」

兄「こ、これはハンカチだ!決して妹のパンツじゃ…」

妹「…」スルスルスル

兄「あら不思議!ポケットから妹のパンツが!」

妹「氏ねええええええ」ドゲシ

466: 2011/11/30(水) 10:32:52.41 ID:WlXNNB280
妹「洗濯物当番は私がやろうかな…」

兄「それはよくない」

妹「理由を述べよ」

兄「これ以上妹に家事を任せて負担をかけたくないんだ!」

妹「そう…」

兄「俺だっておまえの事が心配で…」

妹「まず握りしめているブラとパンツ離してから物言え」

468: 2011/11/30(水) 10:43:45.75 ID:WlXNNB280
妹「もうすぐ学校始まるね」

兄「俺は不安でたまらない」

妹「それは何故」

兄「妹に変な虫がくっつかないかがな…」

妹「それはない」

兄「それは何故」

妹「お前が一緒に居るからだよ」

兄「そんな照れるなよ」

妹「照れてねーよ」

兄「残念だ…」

妹「普通にしてりゃ女子受けいいのに…」

兄「そんなものに興味ない、寧ろ話かけて欲しくない、うっといし」

妹「家での奇行を言えば一発で引くと思うんだけどな」

兄「すみません、やめてください」

470: 2011/11/30(水) 10:48:30.62 ID:WlXNNB280
――



妹「あーあーあー、遅刻するって」

兄「っふ、追い詰められた時こそ心に余裕を持つものだ」

妹「優雅にコーヒーブレイクかましてんじゃねえええええ」

兄「時計をよく見ろ、まだ30分もある、ここから超ダッシュして10分だから大丈夫だ」

妹「あの時計15分遅れてるよ、じゃあね」

兄「ばかそれを早く言え!うわああああああ着替えてねええええええ」

妹「…ばぁか」

473: 2011/11/30(水) 11:04:02.40 ID:WlXNNB280
妹「ほら、一緒に行くから早くしてね、どうせ遅刻だし」

兄「ふげがががふにふほ」

妹「とりあえず着替えるか、パン食べるか、歯磨きするかどれかにしなさい」

兄「フン、ほういうほひほほ…」

妹「心に余裕を持つことが大切なのはわかったから、早く」

兄「ふぅ…、ラブテレパシーが伝わったか…」

妹「そこにラブはないけどな」

兄「俺はこんなにも妹が好きなのに!」

妹「わかったから早くしてよ!」

兄「よし!行くぞ!」

妹「わかった、急かして悪かったからせめて服着てください」

兄「パンイチは正装です」

妹「一人で行け、そして捕まれ」

481: 2011/11/30(水) 11:42:52.95 ID:WlXNNB280
兄「あー、食ってすぐ走るから腹いてえー」

妹「ゆっくりコーヒー飲んでた時間に色々できたでしょーが!」

兄「俺はあれがないと起きた気がしないのだ」

妹「ならもう少し早く起きるよろし」

兄「妹が愛を込めて起こしてくれないからだ!」

妹「私は起こしましたー」

兄「目覚めのちゅっちゅがないと」

妹「わかったわかった、早く走れ」

兄「妹ちゃんが冷たいよぅ…」

妹「よかった、まだ正門開いてる」

兄「うべしっ!」

妹「あーもう、何で転ぶんだよー…」

兄「水色の小さなお花柄が…」

妹「そのまま氏ね!」

485: 2011/11/30(水) 11:50:50.10 ID:WlXNNB280
教師「おいー早くしろー」

妹「おはようございまーす」

兄「おはようございます、ご苦労様です」

教師「はい、おはよう」

―スタスタスタ

妹「ねぇ」

兄「んー?」

妹「やっぱなんでもなーい」

兄「そっか、んじゃな」

妹「はぁーい」

妹(学校でも少しはっちゃけた方がいいような気がするんだよなあ)

妹(ま、いっか)

494: 2011/11/30(水) 12:34:02.68 ID:WlXNNB280
―ガラララ

兄「遅刻しました、すみません」

教師「…早く座りなさい」

友「どうした?今日は遅いじゃないか?」

兄「ちょっと色々あっただけさ」

女「兄君おはよう、顔色悪いけど大丈夫?」

兄「ああ、おはよう、大丈夫だよ」

女「そっか…無理しないでね?」

兄「ありがとう」

友「まぁ遅刻程度で兄の内申下がる気はしないけどな」

女「だよねぇ…」

兄「そんなことないよ、ほら先生こっち見てるよ」

友・女「あーい」

520: 2011/11/30(水) 15:37:24.75 ID:BEJ3se/o0
――



友「昼飯だ」

女「兄ーお弁当食べよー」

兄「ちょっと妹の所に行ってくるね、弁当忘れちゃってさ」

女「私のちょっとあげよっか?」

友「俺のもあるぜ」

兄「ああ、ありがとう」

女「そんな気にしなくていいよん」

兄「んじゃありがたくいただきます」

女「~♪」

521: 2011/11/30(水) 15:50:27.27 ID:BEJ3se/o0


妹(あ!お兄ちゃんお弁当忘れてたんだ!)

妹(少しわけてあげないと…)

―トテトテトテ

妹「失礼しまーす、兄いますかー?」

兄「どうしたの?」

妹「お弁当は?」

兄「ああ、女さんと友にわけてもらったから大丈夫」

妹「そうなんだ」

女「兄ー?どうしたのー?」

兄「女の弁当が美味しかったって話をしてたんだよ」

女「そんなことないって…あ、こんにちは、」

妹「…こんにちは」

兄「じゃあ、午後も頑張ってね」

妹「…うん、失礼しました」

524: 2011/11/30(水) 15:57:02.18 ID:BEJ3se/o0
――スタスタ

―スタスタ

妹(なんかやなかんじ)

妹(せっかく届けてあげようと思ったのに…)

―女の弁当が美味しかったって話をしてたんだよ

妹(…どうせ私のは冷食ばっかりですよ)

妹(お弁当、お兄ちゃんの分残したのに…)

妹(なんだかなあ…)

533: 2011/11/30(水) 16:24:57.59 ID:BEJ3se/o0
―キーンコーン

兄「んー、終わった」

友「おつかれさんー、また明日なー」

兄「ああ、また明日な」

女「兄ー、学校早く終わったし、たまにはどこか寄って行かない?」

兄「ん、妹待たせてるから今度一緒にいこっか」

女「そっか…、わかったー!」

兄「ごめんね、それじゃ」

女「ばいばーい」

兄(はよかえりたい…妹と一緒に居たい…)

女「あ、兄ー待って!これ家で食べて!」

兄「さんきゅ」

女「じゃね!」

兄「はいよー」

兄(よくわからんがおやつゲットだぜ!)

537: 2011/11/30(水) 16:42:27.90 ID:BEJ3se/o0


兄「お待たせ」

妹「うん」

兄「それじゃ帰ろっか」

妹「うん、それどうしたの?」

兄「ああ、何かもらった、クッキーかな?」

妹「…」バッ

兄「あ、こら!返せ!」

妹「もーらいっ!おやつ~おやつ~♪」

兄「まぁいいや、やるよ」

妹「わーい♪」

兄「今日の晩飯どうすっかなあ」

妹「まかせるー!先家帰っとくね!」

兄「すぐ帰るわ、んじゃまたあとでな」

妹「うん!」

544: 2011/11/30(水) 17:09:26.12 ID:BEJ3se/o0
――ガサッガサッカサッ

―バラバラバラバラ

妹(食べるわけないじゃん)

妹(なんか見てるだけでむかつくなあ)

―ガサッ、コロコロコロ

―ゲシッ、グシグシ

妹(お兄ちゃんにプレゼントとか何考えてるのやら)

妹(お兄ちゃんは私しか見えてないんだから…)

妹(私だけのものなんだから…)

―グリグリ

妹(誰にも渡さないよ)

妹(絶対に…)

583: 2011/11/30(水) 18:52:02.71 ID:BEJ3se/o0
―ガチャ

兄「かえったー、少ししたら晩飯作りはじめるわー」

妹「はーい、おかえりー」

兄「クッキーくれ」

妹「食べちゃった」

兄「なんてことを!あいつのクッキー好きなんだよなー…」

妹「…」チクッ

兄「うまかっただろ?」

妹「う、うん!」

兄「まぁまた作ってもらうわ」

妹「食べちゃってごめんね」

兄「もーんだいなーい、んじゃ着替えてくる」

―好きなんだよなー…

妹(…)チクチク

585: 2011/11/30(水) 18:57:41.21 ID:BEJ3se/o0
――トテトテ

―パタン

妹(私は何を意識してるんだか…)

妹(お兄ちゃんは他の女に興味ないって言ってるじゃん…)

妹(でも他の女がお兄ちゃんに何かするのがなあ)

妹(そんな事言ったら私が嫌な子だよね…)

妹(むぅ…難しいなあ)

妹(まぁいっかあ…お兄ちゃんは私の事好きって言ってくれたし)

妹(大丈夫だよね…)

妹(うん、大丈夫…)

590: 2011/11/30(水) 19:09:04.80 ID:BEJ3se/o0
兄「妹ー飯できたー」

妹「はぁい」

―パタン

妹「…はぁ」

兄「ん、なんかあったか?」

妹「べつにぃー」

兄「顔色悪い」

妹「気のせい」

兄「どうした」

妹「なんもない」

兄「気になる」

妹「うっさいはげ」

兄「何で怒ってるのかわからんけど、なんかあったら言ってな」

妹「…」

593: 2011/11/30(水) 19:27:20.54 ID:BEJ3se/o0
妹「…」カチャカチャ

兄(また無言か…)

妹「…ごちそうさま」

兄「なぁ?」

妹「あにさ?」

兄「怒ってるのって俺が原因?」

妹「ちげーよ」

兄「じゃあ、女の子の日だな!気付けないでごめんよ!」

妹「氏ねよ、じゃあね」

兄「待った」ガシッ

妹「…なんだよ」

兄「心配なんだよ」

妹「…」

595: 2011/11/30(水) 19:33:36.15 ID:BEJ3se/o0
兄「今日帰る時からずっと機嫌悪い、気がする」

妹「気がしただけでしょ」

兄「俺何か怒らせることしちゃったかなって」

妹「…お兄ちゃんは悪くない」

兄「じゃあなんで?」

妹「あああああもう!うっさいな!お兄ちゃんと女が仲良く見えてそれが嫌だっただけだよ!」

兄「へ?」

妹「もう知らない」

―トットットッ、バタン

兄「ほむ…」

兄「ということは、俺って妹に好かれてるってことだよな?」

兄「よっしゃああああああああああ!」

600: 2011/11/30(水) 19:41:36.86 ID:BEJ3se/o0
―言っちゃった

妹(お兄ちゃん、怒ってないかな…)

妹(絶対嫌な子だよね…)

妹(学校の人と仲良くしてただけなのに…)

妹(どうしよう…嫌われちゃったらどうしよう…)

妹「ふぇぇ…ひくっ…ぐすん…」

妹「おにいちゃ…」

兄「呼ばれて飛び出てじゃんじゃじゃーん!」バーン

妹「…」ビクッ

兄「どうしたのだ、マイスイートシスター」

妹「うるさぁい…」

兄「泣きたいのなら私の胸で一杯泣くといい!」

妹「くんなぁ…くすん」

兄「ならば私からいこう!」ギュッ

妹「やぁだぁ…もう……ばぁか…」

602: 2011/11/30(水) 19:48:54.97 ID:BEJ3se/o0
兄「ばかでもいいさ、言いたい事あるならいえよ」

妹「うぅ…」

兄「今ならプロポーズも受付中!」

妹「しねーよ!あほぅ…」

兄「どうしたよ?」ポンポン

妹「頭触るなぁ…」

兄「いいじゃないか、スキンシップだ!スキンシップ!」

妹「照れくさいんだよ…ばかぁ…」

兄「んはぁ!妹可愛いぞ!最高だぞ!今のはとてもよかった!もう一回!」

妹「いわないよぅ…ぐすっ…」

兄「うーむ…」

妹「……めんなさい」

兄「ん?」

妹「ごめんなさい!」

607: 2011/11/30(水) 20:02:28.87 ID:BEJ3se/o0
兄「何が?」

妹「私…帰り道に…ひぐっ…クッキー…捨て…ちゃて…ぐすっ」

兄「…」

妹「他の女の子が…ぅっ…お兄ちゃん…仲良くしてるのが…っ…嫌で…」

妹「うわぁぁん!ごめんなさい!ごめ…くすん…なさい…」

兄「んー…」

妹「ひくっ…ぐすん…」

兄「泣き落としはあまりよろしくないぞっと」

妹「ごめんなさい…」

兄「でも、よく正直に言えたな、偉い偉い」ナデナデ

兄「普通こういうことは言いたくないもんな、そりゃ機嫌も悪くなる」

妹「ふぇぇ…えっく……ごめんなさい…」

兄「でもそう思ったらこれからはちゃんと言ってくれよ?じゃないと俺わからないからさ…」

兄「学校で女子と話したりもするけど、俺は何も考えてないから安心してくれ」

妹「ん…ぐすっ…ありがとう…」

611: 2011/11/30(水) 20:20:24.59 ID:BEJ3se/o0
兄「どう考えても俺の妹より可愛い子はいないし」

妹「そんなことないよ…もっと可愛い子だって…」

兄「兄思いの良い子じゃないか…」

兄「スカート捲っても怒らないし」

妹「…」ピクッ

兄「パンツ盗んでもそんなに怒らないし」

妹「…」ピクピクッ

兄「風呂に乱入しても沈めてくれるし」

妹「だああああああ!もーーーーー!」

兄「なんだどうした!」

妹「ばぁか!」

―パタン、トットットッ

兄(うん、元気になった)

妹「ばかー、お茶淹れたからさっさとこいー」

――いつもみたいに笑っていたから、もう大丈夫

676: 2011/11/30(水) 23:24:14.36 ID:QC/A1/Ki0
妹「ねぇねぇ」

兄「なん?」

妹「今日そっちで寝ていい?」

兄「そっち?」

妹「うん」

兄「どっち?」

妹「そこ」

兄「どこ」

妹「枕持ってるんだからわかるだろぼけー!」

兄「はい、言ってみて下さい」

妹「うぅ…お兄ちゃんと一緒に…うわああああああああああ」ダッ

兄「ああ、戻ってしまわれた、残念」

681: 2011/11/30(水) 23:28:25.44 ID:QC/A1/Ki0
―コンコン

兄「おー」

妹「…」ソーッ

兄「大丈夫だ、兄は君が来るのを待っている!」バッ

妹「…」モゾモゾ

―ドゲシッ

兄「パウッ!」

妹「このベッドは私が頂いた!」モゾモゾ

兄「なんてことをしやがる…」

妹「私が寝てからなら…入ってきてもいい…」

兄「それは寝たら何でもしていいという事だな!」

妹「今夜は徹夜か…」

兄「俺が悪かった」

683: 2011/11/30(水) 23:32:42.73 ID:QC/A1/Ki0
兄「…」←結局入れてもらった

妹「あのさ」

兄「ん」

妹「これ、今日だけだからね」

兄「ん」

妹「今日は、その…色々ごめん」

兄「ん」

妹「怒られると思ったからちょっと怖かったけど、言ってよかった」

兄「ん」

妹「すごくすっきりしたから…ありがとう」

兄「…ふぅ、俺もすっきりした」

妹「…何してるんだよ」

兄「子種をティッシュに包む作業」

妹「…」ゲシッ

684: 2011/11/30(水) 23:37:21.80 ID:QC/A1/Ki0
兄「そこは優しく残り汁を吸ってくれるところだろおおおお」

妹「するかはげ!」

兄「まぁそんなもの求めてないから安心しなさい」

妹「…それはそれで負けた気分」

兄「そんなあなたも、今から勝ち組になれます!」

妹「心から、丁重にお断りします」

兄「残念」

妹「本当はそう思ってないくせに」

兄「わかってるならいいや、おやすみ」

妹「ん…おやすみ」

692: 2011/11/30(水) 23:47:34.85 ID:QC/A1/Ki0
兄「ぐぅ…」

妹(もう寝ちゃったのかあ)

兄「…ぐぅ」

妹(…少しくらいなら起きないよね)

―キュッ

妹(あったかい…)

妹(背中、おっきいなあ)

妹(お兄ちゃんの匂いがする)

妹(落ち着く…)

兄「…」

妹(これからも…こうでありたい…)

―お兄ちゃん、大好き

701: 2011/11/30(水) 23:54:23.91 ID:QC/A1/Ki0
――



 「お母さん!お母さん!しっかりして!」

 「…」

 「お父さん!」

 「誰か!誰か助けて!お父さんとお母さんが!」

 「誰か居ないんですか!」

 「誰かああああ!」

 「誰か……―助け…」

―おい!

兄「妹!おい、大丈夫か?」

妹「はぁ…はぁ…」

兄「魘されてたから起こしたけど…」

妹「…ありがとう」

妹(何で昔の夢…)

709: 2011/12/01(木) 00:01:30.39 ID:JoSKAaFn0
兄「何か悪い夢でも見ていたのか?」

妹「ん…昔の…」

兄「事故の時の夢か…」

妹「…うん」

兄「実際に現場を見てないからわからないが、酷かったらしいな…」

妹「…」

兄「大丈夫だ、俺はここにいる、もう一人にはしない」

妹「…うん」

兄「お前と一緒にいるから安心しろ」

妹「…ありがとう」

712: 2011/12/01(木) 00:06:00.93 ID:JoSKAaFn0
兄「体調悪そうだな、学校休むか?」

妹「ううん、大丈夫、少ししたら行く」

兄「無理はするなよ?」

妹「わかった…」

兄「それじゃ先行くからゆっくりしとけ」

妹「うん…いってらっしゃい」

―パタン

妹(落ち着かない…)

妹(少し横になろ…)

714: 2011/12/01(木) 00:13:49.10 ID:JoSKAaFn0


妹「ん…」

妹(少し寝ちゃった…)

妹(学校いかないと…)

―フラッ

妹「…っと」

妹(今日休んだ方がいいかな…)

妹(何か疲れてる気がする…)

妹(学校に連絡しておこ…)

――


717: 2011/12/01(木) 00:19:53.32 ID:JoSKAaFn0
 ここはどこだろう

 怖いよ…お兄ちゃん…どこいっちゃったの…

―お兄ちゃん!

妹「っ!」

妹(また…夢)スルッ

妹(タオル…?)

妹(お兄ちゃん帰ってきてるんだ…)

―トットットッ

妹「お兄ちゃー」

兄「ん、起きたか」

妹「ごめんね、今日休んじゃった」

兄「仕方ないさ、体調悪かったからな」

妹「少しだけ」

兄「ん?」

―キュッ

720: 2011/12/01(木) 00:25:49.31 ID:JoSKAaFn0
妹「…怖い夢見た」

兄「そうか…」

妹「誰も居なくて、暗くて…寂しくて…」

兄「不安なら一緒に居てやるから、な?」

妹「ありがと…」

兄「気にするな」

妹「ん…」

兄「悪い夢見ないように寝る時も一緒に居るから…」

妹「お兄ちゃん…」

兄「俺もその方が安心するからな」

妹「…」ピク

兄「妹がすぐ傍に居るのがわかるから安心できる」

妹(…変なこと言うと思った)

724: 2011/12/01(木) 00:31:28.43 ID:JoSKAaFn0
兄「次の休み、一緒にどこかいこっか、気晴らしにもなるだろ」

妹「うん…」

兄「行きたいところあるか?」

妹「海…」

兄「ちょっと寒そうだけど、妹が行きたいなら海にするか」

妹「ありがとう…」

兄「じゃあ今度の休みは海辺に行こう」

妹「うん…!」

727: 2011/12/01(木) 00:34:30.35 ID:JoSKAaFn0
――



妹「お兄ちゃん、起きてる?」

兄「ん?」

妹「今日、少しかっこよかった」

兄「…ばぁか」

妹「私が体調悪いから気にしてるの?」

兄「…まぁな」

妹「心配かけてごめんね」

兄「早く寝るぞ」

妹「うん…」

兄「おやすみ」

妹「ありがとう、おやすみ…」

729: 2011/12/01(木) 00:38:23.69 ID:JoSKAaFn0
―あの日から悪い夢は見ていなかった

妹「何も持っていかなくていいよね」

兄「上着だけ持っていっとけ、寒いぞ」

妹「じゃあそうする」

兄「そのリボン可愛いな」

妹「えへへ」

―不安は軽くなっていったけど

兄「それじゃいこうか」

妹「うん」

―何か引っかかるものがあった

733: 2011/12/01(木) 00:42:56.24 ID:JoSKAaFn0
兄「電車誰もいねえ」

妹「そうだね」

兄「まぁこの季節に海に行く人も少ないよな」

妹「貸切みたいだね」

兄「ほんと、そうだな」

―今、この世界には二人だけ

妹「少し眠くなっちゃった」

兄「電車内は暖かいからな、着いたら起こすよ」

妹「ありがと…」

――そんな気がした


739: 2011/12/01(木) 00:48:58.53 ID:JoSKAaFn0


兄「妹、着いたぞ」

妹「ん…」

兄「大丈夫か?」

妹「うん、大丈夫」

兄「バス乗るから少し歩くぞ」

妹「海の匂い…」

兄「もう近いからなあ」

妹「楽しみ…」

兄「疲れてないか?ちょっと元気がないぞ?」

妹「ううん、大丈夫」

―体調はそこまで悪くなかった

兄「それならいいけど」

妹「うん」

だけど、なんだろう?――この胸騒ぎは

748: 2011/12/01(木) 00:57:53.39 ID:JoSKAaFn0
兄「以外に近かったな」

妹「そうだね、歩いてもよかったかも」

兄「妹が疲れたら意味ないからな、使えるものは使おう」

妹「ありがとう…」

兄「砂浜でもいいんだけどな、向こうに景色のいいところがある」

妹「そうなの?」

兄「とっておきの場所かな」

妹「行ってみたい」

―兄が指差した先にあったのは小さな林だった

兄「ちょっと歩きにくいのが難点だけどな」

妹「山道みたい…」

兄「夏場よりは歩きやすいけどな、虫も少ないし」

妹「うん」

兄「ついた!ほら、見てみ」

妹「わぁ…」

755: 2011/12/01(木) 01:06:27.47 ID:JoSKAaFn0
兄「な、すごいだろ」

妹「すごい…」

―少し高くなった崖の上から見渡す海辺の景色

兄「俺も久々に来たけど、やっぱいい眺めだ」

妹「綺麗…」

兄「不安なんて忘れちまうだろ?」

妹「うん!ありがとう!」

―ビュゥ

兄「風強いなー」

―ハラリ

妹「あっ!リボン…」

―風に飛ばされたリボンを捕まえようとした兄の姿がゆっくりと流れていく

兄「え」

妹「お兄ちゃん!!!」

――そして消えていく

778: 2011/12/01(木) 01:19:36.61 ID:JoSKAaFn0
頭の中が真っ白だった、何も考えられなかった

妹「おにい…ちゃん?」

妹「どこにも…いかないって」

妹「一緒に居るって…」

妹「どこ…いっちゃった…の?」

妹「返事……して…よ」

妹「おにい…」

妹「いやああああああああああああああああああ」

―兄は静かに海に飲み込まれていった

793: 2011/12/01(木) 01:26:18.81 ID:JoSKAaFn0
妹「いやああああ、お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

妹「早く!助けて!誰か!」

―あの時と同じ

妹「お兄ちゃんを…誰か!」

―大切な人がまた一人、失われる

妹「だめだめだめだめだめ…だめだよお兄ちゃん…」ザクッ

妹「一緒に居るって…約束…」

妹「うぁっ…」ガッ

―ズシャッ、ゴロゴロ

妹「っ…うっ…お兄ちゃん…なんで……ぐすっ」

妹「やめてよ…嘘だって…」

妹「おにいちゃあああああああああああああああああああああ!!!!」

800: 2011/12/01(木) 01:30:54.62 ID:JoSKAaFn0
――近隣住民に助けを求め、捜索隊が派遣されてから暫くして兄は発見されたらしい

―私は兄が海に落ちたことを伝えると、意識を失ってしまったという

目が覚めた時に一つだけ伝えられた事は






―兄の心肺停止という現実だった

818: 2011/12/01(木) 01:38:55.56 ID:JoSKAaFn0
妹「…」

 「あんた、辛かっただろう」

妹「…」スクッ

―ズキッ

 「体中傷だらけで家に来た時は何事かと思ったよ」

妹「…」

 「足、骨折してないことを祈るよ、山から転げ落ちたんだろう」

妹「…」

 「もう少ししたら家のもんが帰ってくるから、搬送先の病院にいきなさいな」

妹「…」

 「こんなこと言うのも酷だけど、挫けちゃだめだよ」

妹「…」


―私はもう、諦めていたのかもしれない

822: 2011/12/01(木) 01:46:32.62 ID:JoSKAaFn0
――

―お婆さんが家の人に話をしてくれて、私は搬送先の病院に行くことが出来た

兄の応急処置は既に済んでいたが、心肺停止から既に2時間が経過していた

医者「手は尽くしましたが…」

妹「…」コク

医者「申し訳御座いません…」

妹「…」

―視界が歪む

妹「…」パクパク

―何かを言おうとしてもそれは言葉にならなかった

医者「――」

人が何を言ってるのかもわからなかった

唯、止め処ない涙だけが頬を伝っていた

834: 2011/12/01(木) 01:54:21.90 ID:JoSKAaFn0
全部、大切なものは消えていった

妹「…」ソッ

兄「…」

―面会した時、兄に人の温かさはなかった

妹「…」

―唇を重ねる

兄が元気だったら、どんな反応をしたのだろう

喜んだのだろうか?それとも照れたのだろうか…?

妹「…」


―しかし、そこに居る兄は、照れることも笑うこともなかった

――静かに、目を閉じたままだった

853: 2011/12/01(木) 02:02:09.02 ID:JoSKAaFn0
―数日後、軽い捻挫で済んだ足が完治した私は、兄との思い出の場所に立っていた

妹「…」

兄は最後まで私のリボンを握りしめたままだったという

妹「…」

今、そのリボンは頭ではなく、腕に巻かれていた、しっかりと

今は亡き兄に手を繋いでもらっているかのように…

妹「…」

一人じゃ怖いから…

一緒に…


――お兄ちゃん、ジャンプしてみて?


―――その日、一人の少女が海に沈んでいった


――――最後に残った、自分というものを失うために…


おわり

854: 2011/12/01(木) 02:02:56.22
うおおおお

860: 2011/12/01(木) 02:03:47.02

865: 2011/12/01(木) 02:05:05.14
ハッピーエンドじゃないだろ

892: 2011/12/01(木) 02:10:34.56 ID:JoSKAaFn0
―If

妹「お兄ちゃん!!」

―ガシッ!

兄「あああっぶねえええ!心臓止まるかと思った!」

妹「お兄ちゃん!大丈夫!?」

兄「なんか助かったらしい」

―兄は崖から突き出した木の根を両手でしっかりと掴んでいた

妹「よかった…よかったよぅ…」

兄「ごめんな、リボン落としちまった…」

妹「そんなの…いいの…お兄ちゃんが無事で…よかった…ぐすっ…」

兄「俺は簡単には氏なないぜ!」

兄「妹を一人にするわけにはいかないからな!」

914: 2011/12/01(木) 02:19:56.21 ID:JoSKAaFn0
妹「登れる?」

兄「何とか登れそう―っく」ズキッ

妹「どうしたの?」

兄「足捻ったらしい」

妹「大丈夫!?」

兄「ちと痛いけど大丈夫、よっこらせっと…」

兄「おーいてぇいてぇ…、とりあえず安全な位置まで動いておこう…」

妹「うわあああああん」ギュッ

兄「おいおい、なんで泣くんだよ、俺はちゃんと生きてるぞ!」

妹「だって…またいなくなっちゃうって…また失っちゃうって思って…ぐすっ…」

兄「うん、心配かけてごめんな」ナデナデ

妹「ぁぅ…ぇ…ひっく…」

兄「よしよし…」

917: 2011/12/01(木) 02:26:11.87 ID:JoSKAaFn0
―その後、大丈夫だと言って聞かない兄が心配だったので、無理矢理病院に連れて行った

兄「だーから大丈夫だっていったじゃん!」

妹「何かあったら嫌だったんだもん!」

兄「単なる捻挫じゃん…」

妹「でも固定しないとダメな捻挫だよ?」

兄「よくあるよくある」

妹「治るまで安静にしててね…、家の事私がするから!」

兄「ついでに夜のお世話もしてくれ」

妹「うー…それは足関係ない!」

兄「残念」

妹「でも…少しなら…」

兄「まじで!まじで!?」

妹「うそですよーだ!」

―松葉杖を片手に、兄は笑っていた

――そんな姿を見て、私も心から安心できた

926: 2011/12/01(木) 02:35:32.69 ID:JoSKAaFn0
大切な人はすぐ傍に居て笑っていた

それだけが嬉しくて、幸せで…

兄「妹が元気になってよかった」

妹「お兄ちゃんは怪我しちゃったけどね…」

兄「これくらいどーってことない」

妹「もっと自分を大切にしてくださいー」

兄「そりゃ無理なお願いだな」

妹「なんでそんなこというん…?」

兄「だってなぁ?自分よりも大切な妹がここにいますし」

妹「…ばぁか」

兄「照れてる妹可愛いよおおお!」

妹「うっさいはげ!」

兄「はげてねーよ!」



こんな日々が、これからも続いていきますように…

928: 2011/12/01(木) 02:36:13.00 ID:JoSKAaFn0
―数日後、足の調子が良くなってきた時のこと

兄「あーやっぱ解放感があるね!」

妹「ギプス取れたからって油断しちゃだめだよ」

兄「大丈夫だって、ほら!もう痛くない!」

妹「ふぅん…?」

兄「な?な?」

妹「お兄ちゃん、ジャンプしてみて?」

兄「おう!」ピョン

―悲痛な兄の叫びを聞いたのは秘密

929: 2011/12/01(木) 02:36:28.31 ID:JoSKAaFn0
おーわりっ

931: 2011/12/01(木) 02:37:26.02

これで安心して寝れるお

932: 2011/12/01(木) 02:38:28.35
ふぅ・・・

935: 2011/12/01(木) 02:39:26.15 ID:JoSKAaFn0
姉「弟君ー、起きてるのー?」

姉「学校遅刻しちゃうよー?」

姉「ご飯なくなっちゃうよー?」

弟「あのさ」

姉「なあに?」

弟「重いからどいてくれ」

姉「があん!お姉ちゃん太ったかなあ…」

弟「ちげーよ!起こしにくるのはいいけど上に乗るな!」

姉「けちぃ」

弟「もっと普通の起こし方にしてくれ」

姉「―キスとかどう?」

弟「は…?」

姉「赤くなったあ、弟君は可愛いなあ」

弟「いいから部屋から出ろ糞姉が!」

936: 2011/12/01(木) 02:39:48.32 ID:JoSKAaFn0
弟「少しは弟離れしてくれよ、いい加減恥ずかしい」

姉「お姉ちゃんは恥ずかしくないよ?」

弟「俺が恥ずかしいんだよ」

姉「弟君はお姉ちゃんのこと嫌いなの…?」

弟「べたべたするのは嫌だな」

姉「そっか…嫌いなんだ……ぐすっ…うっ」

弟「まて、落ち着け!わかった、嫌いじゃない」

姉「ほんと…?」

弟「でもべたべたするのはやめてくれ」

姉「お姉ちゃんは嫌われてるんだあああああ、うわあああん」

―ベシッ

弟「…」
姉「…」

938: 2011/12/01(木) 02:40:22.44 ID:JoSKAaFn0
弟「目覚まし時計みたいにピッタリ止まったな」

姉「ちがうもおおおおおおん、うわあああああああ」

弟「ええい黙れい!」

姉「もういいもん、弟君のお弁当あげないもん」

弟「既に鞄に入れた」

姉「ずるいー反則だー!」

弟「ありがたく頂くことにするよ」

姉「むぅ…もう作ってあげない」

弟「それは残念だ、毎日姉の弁当が楽しみで学校に行ってるのにな」

姉「え?」

弟「姉の弁当は美味しいからな」

姉「もう、仕方ないなあ……えへへえ」

弟(扱いやすいと助かるな)

939: 2011/12/01(木) 02:41:05.02 ID:JoSKAaFn0
姉「あ、時間だよ」

弟「後からいくわー」

姉「だめですぅー、どうせまた遅刻してくるんだからあ」

弟「わかったよ、まったく」

姉「ほらっ!いこっ」

そう言って差し出された手を掴む

姉「弟君はお姉ちゃんがいないとだめだめだね!」

そう言ってはにかむ姉

弟「そんなこともないけどな」

姉「でもお姉ちゃん居なくなったら寂しいでしょ?」

弟「…さぁ」

姉「ちゃんと言わなきゃだめー」

弟「知るか!さっさといくぞ!」

そんな遣り取りをしながら、家を出る

こんな生活がこれからも続いていくのだろう―――これからも、ずっと

941: 2011/12/01(木) 02:41:27.76 ID:JoSKAaFn0
>>930
短編ですがおわりますた

953: 2011/12/01(木) 02:47:52.44 ID:JoSKAaFn0
保守して下さった皆様、最後まで読んで下さった皆様
ほんっとおおおおにありがとうございました、感謝感謝ヽ(゚ω゚)ノ

最初は適当に書こう程度にしか思ってなかったのですが…いやはやなんでこんなことに?

伏線も内容もぐちゃぐちゃでしたがお付き合い頂きありがとうございました
また機会があればどこかで書かせて頂きます!

引用元: 妹「お兄ちゃん、ジャンプしてみて?」