1: 2012/03/02(金) 23:08:39.57 ID:NcnTynxi0

半熟卵「もっと自分の持ち味で勝負しろよ・・・」
ニンジン「どうしたんスか?」

半熟卵「あ・・え?何?」
ブロッコリー「何?って、俺たちに言ったんじゃないんですか?」

半熟卵「え?俺、何か言った?」
ニンジン「『俺に頼るな』とか、何とか。」

半熟卵「え?言ったっけ?」

2: 2012/03/02(金) 23:09:29.86 ID:NcnTynxi0

ブロッコリー「言いましたよw。」
ニンジン「なんだ、ひとり言スか。」

半熟卵「いや、違うよ。だから、その・・・」
厨房「半熟さーん!ドリアさーん!出番です。お願いしまーす!」

半熟卵「あ、ごめん出番だわ。じゃあな。」

ニンジン「あ、ちょっと・・」

3: 2012/03/02(金) 23:11:15.76 ID:NcnTynxi0

ニンジン「半熟さん、なんか変だったな。」
ブロッコリー「疲れてんじゃねーの?」

ポテトフライ「どうした?」

ニンジン「あ、ちーっす。」
ブロッコリー「あ、ども。なんか半熟さんが元気なかったみたいなんすよ。」

ポテトフライ「・・・そうか、あの人も忙しいからな」

ニンジン「そうなんスか?」

ポテトフライ「そりゃそうだろ。ここだけでもパスタにドリアにハンバーグにグラタンだろ?
この後牛丼の温玉はもちろんラーメン屋でも煮卵があるし、
最近はカレーや弁当にまで手を広げてるからな」

4: 2012/03/02(金) 23:12:34.70 ID:NcnTynxi0

ブロッコリー「へー・・すごいですね。」

ポテトフライ「その上朝食に出るだろ。あの人、寝る暇無いんじゃないかなあ。」

ニンジン「ふええ・・じゃあ朝食なんて地味な仕事辞めちゃえばいいじゃないスか」

ポテトフライ「そうはいかないよ。朝食じゃメインなんだから。」

ブロッコリー「でもたかが朝食でしょ?こっちのディナーに力入れた方がいいんじゃないんですか?」

ポテトフライ「そうはいかないだろ、ホームグラウンドだし。
そもそも人手不足で焼き魚と納豆と生卵の4人だけで回してるんだぜ?」

ニンジン「じゃあ夜の方を減らせばいいのに。」

ブロッコリー「そうですよ。こっちの仕事断れないんですか?」

5: 2012/03/02(金) 23:14:03.37 ID:NcnTynxi0

ポテトフライ「無理じゃないの?こっちでも引っ張り凧だし。俺もちょっと気持ちわかるなあ・・」

ニンジン「え?wポテトフライさんって、そんなに売れてるんスか?」

ブロッコリー「ハンバーガー屋ぐらいでしょ?」

ポテトフライ「てめぇバカにすんなよwここでもソロで出番があるし、それに居酒屋じゃちょっとした顔だぞ。」

ニンジン「あー、そうなんスか。」

ポテトフライ「お前らだってソロの仕事あるだろ。温野菜サラダとか・・」

ニンジン「ありませんよw」

ブロッコリー「日に一回も出ませんよそんなもん。ハンバーグさんかステーキさんの横にひたすら突っ立ってるだけですよw」

ポテトフライ「あ、そうなの?」

6: 2012/03/02(金) 23:15:05.90 ID:NcnTynxi0

半熟卵「・・・ふう、やれやれ」

ニンジン「あ、戻ってきた・・」

厨房「あ、半熟さん、この後すぐパスタの温玉乗せですからお願いします。」

半熟卵「おう・・」

厨房「それが終わったら目玉焼きハンバーグと、ロコモコです。」

半熟卵「え?何?ロコモコって。」

厨房「新メニューです。から揚げさんとコラボで。」

半熟卵「そんなの聞いてないよ。打ち合わせもなしにいきなりかよ。」

厨房「いや、から揚げさんがリードしますんで、アドリブで結構です。」

半熟卵「そんないい加減じゃできないよ。」

厨房「とにかくお願いしますよ。ドレッシングで調整しますから。」

半熟卵「ダメだよ、せめて塩加減ぐらいちゃんとやってくれないと・・」

7: 2012/03/02(金) 23:16:34.97 ID:NcnTynxi0

ブロッコリー「・・・うわぁ」

ニンジン「なんか大変そうっすね。」

ポテトフライ「だろ?ところで目玉焼きハンバーグは俺たちも出番だぞ。」

ニンジン「あ、そうっすね。」

ポテトフライ「いずれにしろ、半熟さんも色々辛いんだからさ、さっきの事はあまり人に話すなよ。な?」

ニンジン「うぃーす」

ブロッコリー「おいっす」

11: 2012/03/02(金) 23:20:45.79 ID:NcnTynxi0

ハンバーグ「そうか、半熟の野郎そんなこと言ってやがったか」

ニンジン「そうなんすよ」

ハンバーグ「朝食みたいな地味な仕事ばかりじゃつまらんだろうと思って、せっかく呼んでやってのに。なあ?」

ブロッコリー「生意気っすよねw」


13: 2012/03/02(金) 23:22:26.00 ID:NcnTynxi0

ハンバーグ「迷惑だってんなら別に来てもらわなくても結構だよ。」

スライスチーズ「そうですよ。あいついなくても俺らで十分ですよ。」

おろしポン酢「そうですよ。俺だっていますし」

きのこソース「あんな奴の力なんか借りる必要ないですよ。」

ハンバーグ「そうだな。はっはっは。」


14: 2012/03/02(金) 23:24:38.39 ID:NcnTynxi0


ハンバーグ「・・・そんなわけで半熟さんの慰労会みたいなものを開きたいんだけどさ。」

ドリア「どうしたww」

牛丼「めずらしく弱気だな。」

ハンバーグ「いや、俺の一存じゃメニューを決められないし。それに意識して組んでみるとやっぱり半熟さんって凄いわ。」

ドリア「取り巻き連中が頼りないだけじゃないのか?」

ハンバーグ「いや、まあ。・・それもある。」

牛丼「半熟さんって、こっちの力を引き出してくれるし。正直生卵なんかより組んでて楽だよな」

カツ丼「だよな。」

15: 2012/03/02(金) 23:26:56.61 ID:NcnTynxi0

ドリア「あれ?お前も組んだことあったっけ?」

カツ丼「あるよw。ていうか卵とじはもう半熟さんと組むのが主流だよ。」

親子丼「うん。」

玉子丼「おれの場合はちょっと微妙だけどよ・・・。」

焼き鳥丼「俺も微妙だが。っていうか俺に温玉乗せるなら素直に親子丼食えって思わない?」

親子丼「・・・」

16: 2012/03/02(金) 23:28:05.35 ID:NcnTynxi0

サラダ「でもあの人いないと困る人増えたよね。俺なんか昔から組んでるけど・・」

ドリア「え?おい・・・」

カツ丼「あれ、お前・・誰?」

サラダ「え?シーザーサラダだけど?」

牛丼「え?嘘ww半熟さんいないとえらく地味だな、おまえww」

カツ丼「本当だ、オーラ無いわww。どこの生野菜かと思った。」

サラダ「生野菜とか言うなww」

18: 2012/03/02(金) 23:30:35.95 ID:NcnTynxi0

カツ丼「wwww・・まあともかく。確かに頼りすぎかもなあ。」

ドリア「ギャラ安いしね、あの人。」

カツ丼「基本、仕事断らないしさあ。」

パスタ「よう、遅れてごめん。」

ハンバーグ「悪いな、忙しいところ。」

パスタ「いや、半熟さんの件だろ。構わないよ。」

ドリア「あれ?お前もだっけ?」

サラダ「結構前からだよ。知らなかった?」

パスタ「ん?・・・えと・・」

ハンバーグ「・・・あ、こいつシーザーサラダだよ。」

パスタ「え?・・・えええええええええ!!!」

サラダ「なんでだよ!w」

19: 2012/03/02(金) 23:32:56.40 ID:NcnTynxi0

パスタ「だって、お前ビジュアル系だろ、どっちかっていうと。そんな地味な顔だっけか?」

サラダ「普段ドレッシングとかソースで厚化粧してるからな。」

パスタ「ああ、なるほど。」

ハンバーグ「スッピンきっつーw」

サラダ「うっせ!w」

20: 2012/03/02(金) 23:34:42.96 ID:NcnTynxi0

ハンバーグ「でも半熟さんもこれだけ忙しけりゃ愚痴のひとつも言いたくなるわな。」

ドリア「だって頼りになるもの。あの人脇役に徹するしさ。」

ハンバーグ「だよなあ。唐揚げとかソーセージとか、あとポテトフライもグイグイ前に出て行くから正直やり辛いんだよな。」

パスタ「あ、そうなの?」

ハンバーグ「ミックスグリルみたいにグループでやる時はいいんだけどさ、俺の『付け合わせ』で出る時は少し考えて欲しいじゃん?」

牛丼「そもそもあの3人、仲悪いよな」

パスタ「へー・・」

22: 2012/03/02(金) 23:36:53.42 ID:NcnTynxi0

ハンバーグ「あれは唐揚げが悪いよな、『からあげくん』でポテトフライの場所奪って、さらに『からあげ棒』でフランクフルトの位置脅かしてるんだもの。」

カツ丼「まあ、実力の世界だから仕方ないけどな。」

パスタ「そう考えると、半熟さんは大人っていうか。わきまえてるよな。」

焼きそば「ども・・・」

ハンバーグ「よお、横手焼きそばか。」

お好み焼き「おっす。」

サラダ「なんだ、鉄板焼き軍団も来たのか。」

焼きそば「・・・・・・」

サラダ「・・何だよw俺はシーザーサラダだよw」

24: 2012/03/02(金) 23:38:33.27 ID:NcnTynxi0

焼きそば「いや・・・・」

サラダ「素顔が地味で悪かったなw。その話題はさっき終わったんだよww。」

焼きそば「そうじゃなくて・・」

サラダ「(イラッ)・・何?」

焼きそば「その粉チーズのジャケット、新品なのかな。って思って・・」

サラダ「え・・・おう・・・。」

ハンバーグ「wwww」
ドリア「wwwww」

26: 2012/03/02(金) 23:40:33.72 ID:NcnTynxi0

ハンバーグ「何やってんだよお前ww」

ドリア「自意識過剰なんじゃないの?ww」

サラダ「うっさいな。お前らが散々いじるからだろ。」

お好み焼き「でも本当に新品だったのか。すごいな、焼きそば。よく分かったな。」

焼きそば「いや、だって・・・」

サラダ「あ~、やっぱり分かっちゃう?ちょっと派手だったかなあ?」

ハンバーグ「何だよ、急に。」

28: 2012/03/02(金) 23:42:46.75 ID:NcnTynxi0

サラダ「いや、俺ファッションにはちょっとうるさいし。やっぱり分かる人には分かるんだなあw」

ドリア「どうせバーゲン品じゃねーのか?」

サラダ「失礼な。原宿の表参道で買ったんだぜ。生地のチーズだってフランス産だし。」

焼きそば「あの・・・」

サラダ「ん?」

焼きそば「そうじゃなくて・・・」

サラダ「(イライラッ)だから、何?」

焼きそば「そこ、値札が付いてるんだけど・・・」



サラダ「え?・・・あ・・」



ドリア「ほうほう、イオン高崎店ね。」

ハンバーグ「40%OFF。か。」

29: 2012/03/02(金) 23:45:04.45 ID:NcnTynxi0

サラダ「・・・・・・・」

ドリア「何が表参道だよwww」

ハンバーグ「しかもフランス産どころか雪印じゃねーかwww」

サラダ「・・・・うるせーよ!こらああああああああ!!」

ドリア「何だよ。怒るなよ。」

ハンバーグ「見得張ってるお前が悪いんだろうが。」

サラダ「何だよ、さっきからどいつもこいつも馬鹿にしやがって!だいたい焼きそば、お前がさっさと言わないからだろがああ!」

30: 2012/03/02(金) 23:46:51.93 ID:NcnTynxi0

焼きそば「あ、ごめん・・・」

サラダ「そのモタモタした喋り方がイラつくんだよ!何が横手焼きそばだ。何がB-1チャンピオンだ。富士宮焼きそばの二番煎じの、地元票ゴリ押しの、一発屋のくせに!」

焼きそば「・・・ごめん、本当に。」

33: 2012/03/02(金) 23:48:31.04 ID:NcnTynxi0


お好み焼き「おい。」


サラダ「な・・何だよ。」

お好み焼き「焼きそばがなんぞ悪いことしたんか?なんでそこまで言われんといけんのじゃ。ああ?。」

焼きそば「ちょっと、乱暴はやめなよう・・」

サラダ「なんだ・・・よお・・・」

ハンバーグ「おい、やめとけ!そいつケンカ強いぞ」

ドリア「謝った方がいいぞ。広島風だからな。」

サラダ「う・・ううう・・・」

34: 2012/03/02(金) 23:51:10.54 ID:NcnTynxi0

サラダ「・・・・ごめんなさい。」

焼きそば「いや、気にしてないですから・・・お願いですから泣かないで下さい・・」

ハンバーグ「・・・そんなわけで、さっき散々からかったもんだから拗ねてたんだよ。すまんな。」

ドリア「サラダも、悪かったな。ごめんな。」

サラダ「・・・・うん。」

お好み焼き「まあいいよ。俺もサラダの気持ちも分かるし。・・」

ドリア「そうなの?」

お好み焼き「俺もソースやら青海苔やら塗ったくってるけど素顔は地味でなあ。」

ドリア「あー、そうなんだ。」

35: 2012/03/02(金) 23:52:27.04 ID:NcnTynxi0

お好み焼き「それより半熟さんの件だろ?」

ハンバーグ「そうなんだよ。とにかく一度みんなで囲んで飲もうかと思って。」

お好み焼き「でもなあ。忙しいんだから、仕事減らして休ませてやった方がいいんじゃないか?」

ハンバーグ「そりゃそうだが、自己満足かも知れんがとにかくみんなが感謝してることは伝えたいんだよ。」

ドリア「それにさっきも話してたんだが、キャスティングはこちらで決める権限ないし。」

カツ丼「そもそも客が半熟さんを求めてるんだよ。悔しいけど。」

パスタ「だよなあ。客が半熟さんばっかり見てることもあるぜ。」

36: 2012/03/02(金) 23:53:59.43 ID:NcnTynxi0

ハンバーグ「半熟さんが感極まって目を潤ませると女子が騒ぐんだよな。」

ドリア「あー、あるある。キャーなんて声がするかと思ったら半熟さんの黄身がトローンってなってたりな。」

カツ丼「正直、傷つくよな。」

パスタ「・・・なあ、実は半熟さんて脇役に徹してないんじゃないのか?」

ドリア「そう考えると結構アピールしてるよな。」

牛丼「なんか腹立って来たぞ」

ハンバーグ「こらこらww」

38: 2012/03/03(土) 00:09:13.75 ID:/Q92moaj0

半熟卵「・・・なんだよ、話したいことって。」

サラダ「まあ、その話は店に着いてからで・・」

半熟卵「またあれか?辞めて田舎に帰るとか言い出すんじゃないだろうな?」

サラダ「違いますよ。」

半熟卵「どうせまた居酒屋のコース料理で誰も手を付けてくれなかったとかそんなことか?ああいうの気にするなって言ってるだろ。」

サラダ「いや、そうじゃなくてですね・・」

39: 2012/03/03(土) 00:10:55.97 ID:/Q92moaj0

半熟卵「お前は健康に良いんだからさ。もっと自身持てよ。それにお前のファンだって大勢いるだろう。」

サラダ「・・・」

半熟卵「そういう人の為にも、もっとがんばらないと。」

サラダ「・・・・いや、だから違いますってば!さっさと店に入りましょうよ。」

半熟卵「そうか?・・」



サラダ「ここです。」

半熟卵「あれ?なんだよ、真っ暗じゃないか・・・」

42: 2012/03/03(土) 00:15:42.25 ID:/Q92moaj0

「せーの!」

パーン!パパパパーン!!


半熟卵「わあ!何!?」

一同「おめでとうございまーす!」

半熟卵「え?何なの?おまえら」

ハンバーグ「春分の日は『卵の日』ですよ」

半熟卵「え?そうだっけ?」

ドリア「それで、普段からお世話になってる半熟さんをお祝いしたくてみんな集まったんですよ。」

半熟卵「なんだよ・・いいよ、そんな気を使わなくてもさあ・・」

牛丼「あれ?半熟さん、ひょっとして泣いてるんですか?」

43: 2012/03/03(土) 00:17:57.28 ID:/Q92moaj0

半熟卵「バカ。違うよ!」

カツ丼「あ、本当だ。目が潤んでるww」

パスタ「あー、こりゃ女子がまたキャーと騒ぐなあww」

半熟卵「違うってば、もお・・・」

ハンバーグ「何が違うんです?ww」

半熟卵「だから、その・・クラッカーの音でさ」

ハンバーグ「はい。」

半熟卵「ちょっとびっくりして・・」

ハンバーグ「びっくりして?」



44: 2012/03/03(土) 00:18:40.05 ID:/Q92moaj0


半熟卵「目玉が飛び出たんだよ。」





おあとがよろしいようで





45: 2012/03/03(土) 00:19:51.84
半熟卵嫌いだけど食べてみたくなってきたわ

47: 2012/03/03(土) 00:21:15.12
これは良スレwww

乙!

87: 2012/03/04(日) 20:35:54.40 ID:WL3UXfVb0
ニンジン「ねえ、なんか雰囲気違うね・・」

ブロッコリー「うん・・」

ニンジン「ていうか、雰囲気、良いよね・・」

ブロッコリー「だな。」

ニンジン「メイン料理の人たち、なんか明るいよね」

ブロッコリー「ああ。」

ニンジン「で、俺たちさあ・・逆になんか居心地悪いんだけど。」

ブロッコリー「まったくだ」

ニンジン「どうしなのかな?」

ブロッコリー「さあ?」

ポテトフライ「なんだ、知らないのか?」

88: 2012/03/04(日) 20:36:41.81 ID:WL3UXfVb0

ニンジン「あ、ちーす。」

ブロッコリー「ども。なんか有ったんですか?」

ポテトフライ「こないだ、メインの人たちで半熟さんを接待したんだって。」

ニンジン「え?ハンバーグさんも・・出たんですか?」

ポテトフライ「らしいよ。っていうかハンバーグさんが言いだしっぺらしい。」

ニンジン「え?どういうこと?」

ブロッコリー「おかしいよな、ハンバーグさん言ってること違うじゃんか・・」

ポテトフライ「言ってること違うってどういうことだよ。・・・やっぱり半熟さんのこと喋ったのお前らか。」

ニンジン「」
ブロッコリー「」

89: 2012/03/04(日) 20:37:43.39 ID:WL3UXfVb0
ポテトフライ「なんでそういうことするんだよ!言うなって言っただろ。」

ニンジン「だってあいつ、ハンバーグさんの悪口言ってたし。」

ブロッコリー「なあ・・」

ポテトフライ「・・・情け無い奴らだなあ。どこまでハンバーグさんの顔色伺ってるんだよ。」

ニンジン「いや、だって・・」

ブロッコリー「しょうがないでしょ。仕事回してもらってるんだもの」

ポテトフライ「まあ結果的にハンバーグさんと半熟さんとのわだかまりも解決したから良かったけどな」

ニンジン「そうですよね」

ブロッコリー「俺ら、良いことしましたよね」


ポテトフライ「良くねえよ。最低だよおまえら。」


ニンジン「」
ブロッコリー「」

90: 2012/03/04(日) 20:38:34.03 ID:WL3UXfVb0
ポテトフライ「おまえら、そんなことじゃいつまで『付け合わせ』止まりだぞ。もっといろいろ考えないと。」

ニンジン「いろいろって何ですか?」

ブロッコリー「俺ら温野菜になにができるって言うんですか・・」

ポテトフライ「まあ・・例えばこの前のロコモコの時の半熟さん見てたろ。ああいうのがプロ意識っていうんだよ。」

ニンジン「え?」

ブロッコリー「なんかありましたっけ?」

ポテトフライ「ちゃんと見てなかったのかよ!塩加減どうこうで厨房とモメてたろう。」

ニンジン「ああ、あれですか。でも俺らに塩加減求められてもねえ。」

ブロッコリー「どうせソースやらマヨネーズやらでぐちゃぐちゃにされちゃうし。努力するだけ無駄っすよ」

91: 2012/03/04(日) 20:39:16.47 ID:WL3UXfVb0

ポテトフライ「・・・本当情け無い奴らだなあもう。例え話だろうが。それに塩加減は基本中の基本だぞ。」

ニンジン「ポテトフライさんも塩加減にこだわりあるんですか?」

ポテトフライ「そりゃそうだろ。俺はそもそも塩味だし。」

ブロッコリー「あー、そっか。」

ポテトフライ「俺は塩だけで勝負したいんだよ。ケチャップだのソースだの付けられたら負けだと思ってる」

ニンジン「ふーん」

ブロッコリー「すごいですねえ」

唐揚げ「ククク・・」

ポテトフライ「・・・何だよ。」

唐揚げ「いや、ずいぶんレベルの低い話してるなあって思ってさ。付け合せ同士で傷の舐めあいかい?」

92: 2012/03/04(日) 20:39:57.43 ID:WL3UXfVb0

ポテトフライ「盗み聞きしてんじゃねえよ。どこまでも盗人気質だなお前は。」

唐揚げ「あれだけ大声で話してりゃ嫌でも聞こえるよ。それに誰が盗人だよ」

ポテトフライ「人の客を盗んでいきやがって。この世界仁義ってもんだあるだろが。」

唐揚げ「実力の世界だろ?盗まれる方が悪いんだよ。いつまでも塩味とか地味な仕事してるからだろ。」

ポテトフライ「・・・フッ。」

唐揚げ「何がおかしいんだよw」

ポテトフライ「なんか気の毒だなって思ってさ。」

唐揚げ「なんだよ。負け惜しみか?」

ポテトフライ「昔は塩味一本でメイン料理の王者みたいな顔してたのにな。あの頃は格好良かったし同じ揚げ物として尊敬してたよ。それが今じゃ中華ソースやらドレッシングやら塗りたくって客に媚売ってさ、俺たちサブメニューの客を必氏に奪ってるんだものな。」

唐揚げ「・・・てめえ。俺は今でもメインだぞ。万年サブのお前に言われたかねーよ!」

93: 2012/03/04(日) 20:40:45.86 ID:WL3UXfVb0

ポテトフライ「だいたい今回の半熟さんの接待に呼ばれてなかったらしいじゃねーか。もうメインじゃない証拠だよww。」

唐揚げ「俺はまだ半熟さんと組んで間もないんだよ。次は絶対出るよ。」

ポテトフライ「そもそも何がメインだよ。コンビニや祭の屋台でみっともなく棒に刺さってんのに?何が『からあげ棒』だよw落ちぶれたもんだよな。」

唐揚げ「じゃあお前は一度でも定食のメインになったことがあんのか?サブメニューですら俺の下でこき使われてんじゃねーかよ。」

ポテトフライ「逆だろ。お前だけじゃボリュームが足りないってんで俺が同じ皿に乗ってやってんじゃねーか。」



ニンジン「熱いねー、二人とも」

ブロッコリー「そりゃ揚げ物だからねー」

94: 2012/03/04(日) 20:41:33.56 ID:WL3UXfVb0

唐揚げ「・・客の腹膨らますぐらい俺一人だって出来るぞ。お前はお情けで皿に乗っけられてんだ、気付けよ。」

ポテトフライ「無理に決まってんだろ。炭水化物も無えくせに。悔しかったらヨード液紫色にしてみろコラ。」

唐揚げ「フフン・・(チョンチョン・・)」

ポテトフライ「なんだよ」

唐揚げ「これだよ、これ。」

ポテトフライ「・・・衣?、が何か?」

唐揚げ「炭水化物だよw片栗粉だよ、か・た・く・り・こww」

ポテトフライ「・・・お前・・・馬鹿か・・」

95: 2012/03/04(日) 20:42:25.06 ID:WL3UXfVb0


ポテトフライ「・・・まったく、いつまでも子供だなあいつは。」

ニンジン「いや、同レベルだと思いますが。」

ブロッコリー「なあ・・」

ポテトフライ「何だと・・」

ニンジン「あ、いや・・でもいろいろ大変ですね。競争相手が多くて。」

ポテトフライ「まあな。下から突き上げられるし、上からは降りてくるし。こんな位置でも守るのは大変だよ。」

ブロッコリー「そうなんですか。」

ポテトフライ「付け合せの位置だって、いつポテトサラダとか、じゃがバターに奪われるかわかんないんだからな。必氏だよ。」

ニンジン「へー・・・でも、もしそうなったらどうすんです?」

ポテトフライ「どうするったって、塩味を極めるしかないよ。」

ニンジン「おおう・・」

ブロッコリー「ほー・・・なんか格好いいなあ。」

96: 2012/03/04(日) 20:43:03.77 ID:WL3UXfVb0

ポテトフライ「これしか取り得が無いしな(フッ)」

ニンジン「すごいなあ・・」

ポテトフライ「でもまあ、いざとなったら・・」

ニンジン「え?」

ポテトフライ「化学調味料もあるし、ケチャップやマヨネーズにバターもあるしな。あとカレー粉もいけるんだぜ。それとホワイトソースとも合わなくもない。なんとかなるさ。」

ブロッコリー「はあ・・」

ポテトフライ「まあ、お前らもハンバーグさんに見捨てられないようにがんばれよ。じゃあな。」

ニンジン「あ、はい。」

ブロッコリー「ども・・」

ニンジン「なんだよあいつ、塩味にこだわるとか言っといて。」

ブロッコリー「極める気ないな、ありゃ。」

97: 2012/03/04(日) 20:43:32.84 ID:WL3UXfVb0

ニンジン「でも節操無いけど、逞しいというか、いろいろ考えてるんだな。みんな。」

ブロッコリー「そうだねえ。俺たちはどうしたらいいんだろ?」

ニンジン「俺たち引出し少ないもんな」

ブロッコリー「ああ。とりあえず今の位置は安泰だし、なるようになるさ。」

101: 2012/03/04(日) 21:18:50.57 ID:WL3UXfVb0

サラダ「よう。」

ニンジン「あ、ども。」

ブロッコリー「あ、今日は温野菜サラダっすか?」

サラダ「違うよw。ちょっとハンバーグさんと組むことになったんで、打ち合わせでさ。」

ニンジン「え?珍しいですね。」

ブロッコリー「ハンバーグサラダとか?」

サラダ「俺がメインになるわけないだろw。こっちが付け合せになるんだよ」

ニンジン「へー・・え!?」

ブロッコリー「ええええええ?」

サラダ「なんだよ。」

102: 2012/03/04(日) 21:20:07.92 ID:WL3UXfVb0

ニンジン「いや、だって・・なんでサラダさんが付け合せに?」

サラダ「こないだの飲み会でハンバーグさんと意気投合してさあ。あと半熟さんにも刺激受けたんで、ちょっと付け合せで組んでみようって話になったんだよ。」

ブロッコリー「え?俺ら、クビ?」

ニンジン「いきなりクビって言われても・・・俺、明日からニートかよ。家賃払えないよ。どうしよ実家帰んなきゃ・・」

ブロッコリー「どうしよ、親の年金だけでやっていけるかなあ・・あと何年生きるやら・・」



サラダ「・・・お前らどこまでネガティブだよ。」


104: 2012/03/04(日) 21:21:00.55 ID:WL3UXfVb0

ニンジン「いや、だって、サラダさんと俺らってキャラ被るでしょ。そしたら・・」

サラダ「違うよ、とりあえずランチメニューだけだよ。ランチは普通の皿で出るだろ。そもそも俺が焼けた鉄板乗ってどうすんだよ。」

ニンジン「え?ああ・・」

ブロッコリー「なんだ」

サラダ「でもハンバーグさんと組むのも久しぶりだなあ。」

ブロッコリー「え?昔組んでたんですか?」

サラダ「ああ、昔はディナーでもハンバーグさんは普通の皿で出てたからな。その頃は俺も忙しかったよ。ちょうどお前らが来る前だったかな。」

ニンジン「え?・・俺たちが来たからサラダさん降ろされたんですか?」

サラダ「べつにお前らのせいじゃないよw ただ、いい経験にはなったよ。しばらく苦しかったけど今はこうやって独り立ちできたしな。」

106: 2012/03/04(日) 21:21:44.56 ID:WL3UXfVb0

ニンジン「サラダさんでもそんなことが・・・」

ブロッコリー「一寸先は闇だなあ・・・」

サラダ「じゃあな。きょうは温野菜サラダ入るといいな。」

ニンジン「あ、はい」

ブロッコリー「ども・・・・」



ニンジン「・・・・」

ブロッコリー「・・・・・」

107: 2012/03/04(日) 21:22:16.76 ID:WL3UXfVb0

数日後

ニンジン「よう。」

ブロッコリー「おはよう・・・って、なんだよその頭ww」

ニンジン「おう、ちょっと花の形に切ってみた。似合うか?」

ブロッコリー「いや・・・正直ちょっと微妙・・」

ニンジン「そうかww」

ブロッコリー「どうしたんだよ」

ニンジン「いやちょっと、やっぱり今のままじゃダメかなと思ってさ。自分なりにいろいろ工夫してみたんけど。ほらハート形もあるぜ。」

ブロッコリー「へえwwwそれで効果あったの?ww」

ニンジン「ああ、仕事が4つ増えた」

ブロッコリー「へ?」


108: 2012/03/04(日) 21:23:06.27 ID:WL3UXfVb0

ニンジン「ホワイトシチューの上に乗らせてもらうし、あとミニうどん・そば。それからカツ丼と定食の吸い物。他に6つぐらい交渉中だよ。」

ブロッコリー「そ、そんなに?」

ニンジン「それに、最近フランス語習ってんだ。せめてバターグラッセぐらいできないとね。なんかやる気出てきたし。この髪型じゃないが、いっちょひと花咲かせるぜ。」

ブロッコリー「・・・」


厨房「ニンジンさーん!」


ニンジン「あ、そんなわけだから。じゃあな。」

ブロッコリー「え?ちょっと・・待ってくれよ。俺を一人にするなよ!おい!」

110: 2012/03/04(日) 21:23:46.26 ID:WL3UXfVb0

さらに数日後

サラダ「なんだよ、またおまえかよ。しつこいな。」

ブロッコリー「お願いしますよ。温野菜サラダだけじゃなくてレギュラーで置いてくださいよ。ほら、彩りも良いし炭水化物も豊富ですから。」

サラダ「この前考えとくって言ったろう。ちょっと待て。それにお前ドレッシング持っていきすぎだから使いにくいんだよ。」

ブロッコリー「そこは注意しますから。とにかくお願いします。」

サラダ「分かったよ、とりあえず厨房に提案してみるから。な」

ブロッコリー「ありがとうございます」



ブロッコリー「よし、次はホワイトソース系のシチューとグラタンと、あとダメ元でピザと。それから本命の中華だな・・・・」

111: 2012/03/04(日) 21:24:19.97 ID:WL3UXfVb0

サラダ「やれやれ、なんなんだよニンジンもブロッコリーも急にやる気出しやがって。」

ポテトフライ「よう、何笑ってんだよ。」

サラダ「困ってんだよw」

ポテトフライ「笑ってんじゃねーかw。あの二人のことか?すっかり評判になってるな。」

サラダ「まあ、同じ野菜としてはうれしいけどね。」

ポテトフライ「いつまで続くかわからんが、まあがんばって欲しいわな。」

サラダ「ニンジンなんか『ひと花咲かせる』なんて息巻いてたぜ」

ポテトフライ「できるんじゃないの?ブロッコリーは難しいとおもうけどね」

112: 2012/03/04(日) 21:25:01.91 ID:WL3UXfVb0

サラダ「なんだよw手厳しいな。」

ポテトフライ「だってあいつ、ブロッコリーだし」


サラダ「ブロッコリーだから?」


ポテトフライ「つぼみで終わるでしょう」

114: 2012/03/04(日) 21:26:28.66 ID:WL3UXfVb0
ポテトフライ「・・・なんてなw」

サラダ「なんだそれ。うまいこと言ったつもりかよw」

ポテトフライ「はは・・・」


パセリ「あの~・・・」

サラダ「ん?」

ポテトフライ「あ?」

パセリ「私はその、これからどうすれば・・」

サラダ「こっちくんな」

ポテトフライ「あっちいけ」



パセリ「」



おしまい

130: 2012/03/05(月) 20:43:47.12

パセリ「私だっての言うように身を粉にすればきっとニンジンさんやブロッコリーさんみたいに・・」

焼きそば「ねえ、きみ・・・」

パセリ「あ、はい?」

焼きそば「こっちへおいでよ。」

パセリ「え?早速?やたー!」

焼きそば「早くおいでよ」

パセリ「はいはい今行きます。やっぱり諦めちゃいけないね。っと。」

焼きそば「じゃあ、ここで待ってて・・」

パセリ「あ、はい・・・あれ?」

焼きそば「すぐ戻るからね・・」

パセリ「ちょっと、ここ乾物の控え室じゃないですか!私は青海苔じゃないですよ!ちょっと!」


131: 2012/03/05(月) 20:44:41.78

パセリ「・・・参ったな。戻ってきたらちゃんと説明しないと。」


厨房「こっちです。」

お好み焼き「おう。」




お好み焼き「てめえ!パセリの分際で誰に断って人の頭の上に乗っとんじゃこらああああ!」

パセリ「ひいいいいいいいい!!」


おしまい

152: 2012/03/06(火) 22:18:56.28
つづき

焼きそば「ちょっとちょっと。乱暴はやめなよう。」

お好み焼き「だってこいつが青海苔のフリして紛れ込みやがったんだ。」

パセリ「ううううう・・」

焼きそば「あれ?君はさっきの?」

お好み焼き「なんだおまえの知り合いか?」

パセリ「だから、さっき違うって言ったじゃないですか・・」

焼きそば「ああ、ごめんごめん。僕が間違えたんだよ。よく似てるから。」

お好み焼き「なんだよもう・・」

パセリ「気をつけてくださいよもう・・傷つくなあ・・」

厨房「悪い悪いw」


153: 2012/03/06(火) 22:20:28.07

焼きそば「でも、パセリも結構似合ってるじゃない?」

お好み焼き「え?そうか?」

焼きそば「なんかピザみたい。イタリア人みたいだよ」

パセリ「・・・」

お好み焼き「おう、イタリア人か。ボンジュールってか」

焼きそば「なにそれ。おもしろい」

パセリ「・・あの、お二人は兄弟かなにかで?」

焼きそば「いや?」
お好み焼き「違うよ?」

パセリ「そうですか・・」


154: 2012/03/06(火) 22:22:32.52


焼きそば「うふふ」
お好み焼き「あはは」

パセリ「・・・」

焼きそば「あ、そうだ。パセリさん、そんなわけだからまた来てくれる?」

パセリ「お断りします」

(了)


156: 2012/03/07(水) 12:07:45.67
>>1です
感想、ご意見ありがとうございます
その中で「子供に読ませたい」なんていうのがあって驚いたのですが
自分の書いたこんな駄文にそんなことを言われるとは思いませんでした
なので、次はちょっとファンタジー系というかそんなものにしたいと思います
ハートウォーム的な
はっきり言ってイタいしサムイと思いますww
ですが、今回だけはできるだけ暖かい目でご覧下さい
毒が無いので笑えないと思いますが
今晩くらいに書き込むつもりです

159: 2012/03/07(水) 20:40:01.55 ID:Akx3roV/0

ここはまちのレストラン。

たくさんのたべものたちがはたらいています。

「きょうも、おきゃくさんによろこんでもらおう」

クリームシチューははりきってじゅんびをはじめました。

「そうら、のうじょうからやさいがとどいたぞ」

トラックからこえがきこえました。

クリームシチューはいそいでやさいをとりにいきます。

にんじん

じゃがいも

たまねぎ

たくさんきって、なべにいれます。

なべに火をつけて、ゆっくりぐつぐつにこみます。

おおきなお肉もにこみます。

「ぐつぐつ、ぐつぐつ。おいしくなあれ」

クリームシチューは歌いだします。

160: 2012/03/07(水) 20:40:31.67 ID:Akx3roV/0

しばらくすると、いいにおいがしてきました。

「あれ?おかしいな」

あじみをしたクリームシチューはくびをかしげました。

せっかくのシチューがあまりおいしくないからです。

「にこみかたが、たりないのかな?」

クリームシチューは、なべにふたをしてもういちど火をつけました。

「ぐつぐつ、ぐつぐつ。おいしくなあれ」

しばらくして、クリームシチューはなきだしてしまいました。

いくらにこんでも、ぜんぜんおいしくならないからです。


161: 2012/03/07(水) 20:41:11.49 ID:Akx3roV/0

「シチューくん、どうしたの?なにをないているの?」

とおりかかったコンソメくんがたずねました。

「クリームシチューが、おいしくならないんだ」

コンソメはシチューをなめてみました。

そしてすぐにりゆうがわかりました。

「これは塩あじがたらないね」

「そうか、塩あじか。」

げんきをとりもどしたクリームシチューは、コンソメと塩をさがしにいきました。

162: 2012/03/07(水) 20:42:19.83 ID:Akx3roV/0



コンソメ「おい、どうすんだ?」

クリームシチュー「参ったな・・・」

焼き魚「いつかはこうなると思ってたんだ・・」

ポテトフライ「よう。どうした?」

浅漬け「なんだよみんな。深刻な顔して。」

コンソメ「実は、お塩先生が・・」

クリームシチュー「捕まっちゃったんだ・・・」

ポテトフライ「ええ!?」

163: 2012/03/07(水) 20:43:02.42 ID:Akx3roV/0

浅漬け「いつ!?」

焼き魚「昨日の夜。」

ポテトフライ「何したの?」

クリームシチュー「暴行。」

浅漬け「うわあ・・」

ポテトフライ「それで・・今日は出てこないの?」

コンソメ「無理だろ・・何日か、下手したら何ヶ月か、何年も出てこれないかも知れないぞ・・」

浅漬け「おい、冗談じゃないぞ!」

ポテトフライ「お塩先生なしで、俺たちどうすんだよ!!」

ペペロンチーノ「え?なになに?」

あさりの酒蒸「どしたい?」

164: 2012/03/07(水) 20:43:44.65 ID:Akx3roV/0

生姜焼き「・・・何の騒ぎだありゃ?」

唐揚げ「お塩先生、捕まったらしいぜ。」

生姜焼き「へえ。塩味の奴ら大変だな。」

唐揚げ「ざまあねえな。俺たちは醤油さんの下味があるから平気だけどな」

チンジャオロースー「なあww」

醤油「ちょっと、何言ってんの?お塩先生抜きで、私が仕事できるとでも?」

生姜焼き「え?なんで?関係あるの?」

醤油「あるに決まってるじゃない。私から塩分抜いたら何が残るの?」

唐揚げ「そそそそ・・そうなのか?知らなかった・・」

生姜焼き「えらいこっちゃないか!」

チンジャオロースー「アイヤー!」

166: 2012/03/07(水) 20:45:02.81 ID:Akx3roV/0

ソース「こっちも同じだよ。」

味噌「残念ながら・・・」

バター「ごめんね。」

ケチャップ「・・・・」



ハンバーグ「おいおい、どうすんだよ!」

トンカツ「洒落になんねーぞ、おい!」

うどん「出汁なんて何の役にも立たねえじゃねーか。そもそもお塩先生がいないと麺が固まらないよおおお!」

パスタ「俺もだよおおおお!」



カツオ「悪かったな」

鶏がら「失礼な」

ブイヨン「なあ・・・」

167: 2012/03/07(水) 20:45:51.78 ID:Akx3roV/0

ポテトフライ「おい!みんな・・・ちょっと自分の味見てみろ!」

ステーキ「ああ!味が・・塩味が抜けてきている・・」

牛丼「なんてこった・・塩味抜きの自分がこんなに味気ないなんて・・」

ハンバーグ「味が・・自分が不味いなんて・・料理のしての自我が・・・」

カツ丼「アイデンティティが・・」

唐揚げ「精神が・・崩壊しそうだ!」


ピクルス「みんな!どうしたんだ!」

サラダ「しっかりしろ!」

酢の物「どうなっちゃうんだ、これ・・・」

マリネ「お塩先生がいないだけで、なんでこんなことに・・」

168: 2012/03/07(水) 20:46:31.46 ID:Akx3roV/0

コンソメ「ダメだ・・めまいが・・」

ポテトフライ「苦しい・・吐きそうだ。」

カツ丼「何か方法は、ないのか。誰か、助けて・・・」

トンカツ「何でもいい・・味をくれ・・味を・・」


米酢「おはようございまーす。」

レモン「あれ?」

マヨネーズ「なんか変だね。」

ポン酢「何かあったんですか?」



一同「!!!」

169: 2012/03/07(水) 20:47:39.44 ID:Akx3roV/0

ハンバーグ「マヨネーズちゃん!俺と組んでくれ!」

ポテトフライ「馬鹿言え、俺とだ!」

唐揚げ「レモンちゃんは当然、俺とだよな?な!」

漬け物「米酢ちゃーん!」

トンカツ「ポン酢ちゃーん!」


マヨネーズ「ちょっといったいどうしたの?」

ポン酢「みんな、変だよ?」

酢の物「実は、お塩先生が・・・」


レモン「・・・なるほど。それでみんな私たちと組みたがってるわけね。」

米酢「やだー。私たち、モテモテ?」

172: 2012/03/07(水) 22:17:24.37 ID:Akx3roV/0

トンカツ「なあ、頼むよう・・」

ステーキ「ねえ・・」

ハンバーグ「お願いだよう・・」

ポン酢「うわー♪こんなにイケメンに囲まれちゃって。」

レモン「普段だと、話も出来ない人たちばっかりだね。うふふ。」

米酢「でも、そんなにいっぺんに言われてもねー」

ポン酢「どうしよっか、なー♪」

マヨネーズ「うふ、困っちゃうねー」


ハンバーグ「・・・てめえら!スカしてねえでさっさと組めよ!」

173: 2012/03/07(水) 22:18:24.75 ID:Akx3roV/0

トンカツ「そうだぞ!いつも誰にも相手にしてもらえねえクセに、お高くとまってんじゃねえ!」

ステーキ「俺たちと組んでもらえるだけでもありがたく思えよ!早くしろ!」

ポン酢「ちょっと、なによ!」

米酢「いくら人気者だからって、ひどーい・・」

ポン酢「サイテー・・」

マヨネーズ「冗談じゃない。誰があんたたちなんかと組むもんですか。・・・行きましょ。」

唐揚げ「待てよ!」

米酢「何すんのよ!」

ポン酢「ちょっと!痛いじゃない!離してよ!」

唐揚げ「へっへ・・こうなりゃ無理にでも組むまでよ。なあ。」

カツ丼「そうだそうだ!」

牛丼「いいぞ、やっちまえ!」


ポン酢「ちょっと、いやだ!」

マヨネーズ「やめてー!」

174: 2012/03/07(水) 22:19:22.63 ID:Akx3roV/0

醤油「ちょっと、やめなさいよ!」

ソース「洒落になってないわよ!」

トンカツ「うるせえ!黙ってろ!この役立たず!」

醤油「そんな・・・」

ハンバーグ「痛い目見たくなけりゃ、そこで黙って見てな。」

ソース「ひどい・・・」

味噌「みんな、いったいどうしちゃったの?」

175: 2012/03/07(水) 22:20:33.67 ID:Akx3roV/0

ほうれん草「マヨネーズちゃん。俺と!」

コーン「どけ!俺とだ!」

マヨネーズ「痛い!やめて、触らないで!」


バター「ちょっと、あんたたちまで何やってんの!」

コーン「うるせえ、味気のない奴は黙ってろ!」

バター「ちょっと何それ・・塩味目当てで私と付き合ってたっていうの?」

ほうれん草「あたり前だろ!この脂肪!」

バター「そんな、ひどい・・ひどいよお・・・」

醤油「バターちゃん・・・」

ソース「なんてこと・・・・・」

177: 2012/03/07(水) 22:21:41.58 ID:Akx3roV/0

ポン酢「いやあああ!」

うどん「へへへ・・どうする?誰から行く?」

生姜焼き「ジャンケンできめようぜ。」


「ジャンケン・ポイ!」

「あいこで しょ!」


ケチャップ「・・・狂ってる」


唐揚げ「よおっしゃ!勝ったぜええ」


「いぇーーー!!」


唐揚げ「さあ行くぜ、おい!誰か足を押さえろ!」

ステーキ「キャップ外しちまえ!」

ハンバーグ「蓋外せ、蓋!」


米酢「いやあああああ!」

178: 2012/03/07(水) 22:22:51.52 ID:Akx3roV/0

酢の物「おい!いいかげんにしろ!」

ピクルス「俺たちの調味料だぞ、やめろ!」

マリネ「米酢ちゃんから手をはなせ!」

サラダ「なあ・・みんな、やめようぜ。なあ・・」


牛丼「うるせえやつらだな。そいつらも押さえ込んどけ!」


「よっしゃー!」

「オラオラ、邪魔すんじゃねーぞオラ!」


ピクルス「くそ!やめろ」

マリネ「はなせ、この!」

179: 2012/03/07(水) 22:24:17.14 ID:Akx3roV/0

唐揚げ「よっしゃー。一番手。行きまーす!」


「イェーーーー!」

「ヒャッホー!」


酢の物「・・・やめろおおおおお!」

ピクルス「やめてくれええええ!」


米酢「ひいいいいい!」

ポン酢「いや・・・やめて・・・やめて・・」

マヨネーズ「わああああん!いやああああ!」

レモン「うう、こんなのいやだよう・・・・」

181: 2012/03/07(水) 22:35:55.57 ID:Akx3roV/0

ハンバーグ「おい・・・」

カツ丼「あ・・・」


唐揚げ「へへ・・あれ?・・おい、ちゃんと足押さえろよ!」


ハンバーグ「いや・・・」

カツ丼「・・・後ろ。」

唐揚げ「ん?・・あ・・」


バキィ!
ゴロンゴロン
ビタアアン!


唐揚げ「あ・・・が・・・」


ハンバーグ「お塩先生・・・」

カツ丼「姐さん、戻ってきたんですか!」



お塩「戻ってきたんですかじゃねえだろこらああああ!」

182: 2012/03/07(水) 22:36:54.31 ID:Akx3roV/0

米酢「わああああん!」

ポン酢「お塩先生ええええ!」

マヨネーズ「姐ん!姐さあああん!」

レモン「怖かったようう・・・・」


お塩「よしよし、大丈夫かい?ケガはなかった?」

183: 2012/03/07(水) 22:38:21.91 ID:Akx3roV/0

お塩「私がちょっといない間に何やってんだ!」

唐揚げ「うがが・・・」

お塩「お前もいつまでも粗末なもの出しっぱなしにしてんじゃないよ!(ゲシッ!)」

唐揚げ「ごおおおお・・(悶絶)」

お塩「おい!」


「・・・へ?」


お塩「他の奴らも、なにボーっと突っ立ってるんだい!」

「え?」

「えと・・」

「な、なに?・・・」


お塩「  正    座  ! 」


一同「・・・ハイッ!」


ザザザッ

184: 2012/03/07(水) 22:40:11.05 ID:Akx3roV/0

お塩「まったくもう・・・揃いも揃って見境なくしやがって・・・おい、ポテトフライ!」

ポテトフライ「ハイッ!」

お塩「半熟ッ!」

半熟卵「ハイッ!」

お塩「お前らまで一緒になって、何やってんだ!」

ポテトフライ「スイマセン・・目の前が真っ白になりまして・・」

半熟卵「面目ございません・・・自分を見失いました。」

お塩「私がいなきゃ何にも出来ないのかお前たちッ!」

ハンバーグ「そんなこといわれても・・・」

カツ丼「なあ・・・」

186: 2012/03/07(水) 22:56:12.14 ID:Akx3roV/0

マリネ「・・・助かったな。」

酢の物「みんなすっかりおとなしくなっちゃって。あれは一体何だったんだ?」

砂糖「禁断症状だよ。」

マリネ「あ、砂糖女史。珍しく遅いっすね。」

砂糖「あいつの身柄を引き受けに行ってたんだよ。厨房と一緒に。」

酢の物「ああ・・。しかしよくすぐ出てこれましたね。」

砂糖「厨房が随分と金を積んだからね。」

酢の物「しかしすげえなあ。お塩先生」

ピクルス「あれだけの料理を一人で一喝しちゃうんだもんなあ」

砂糖「ふん・・」

ピクルス「あれ、不機嫌ですね。」

187: 2012/03/07(水) 22:57:23.96 ID:Akx3roV/0

砂糖「当たり前だろ。そもそもあいつが逮捕されなきゃなんの問題もなかったんだ。なんで私があんな奴の身柄を引き受けなきゃなんないんだ。」

酢の物「まあ、そうですね・・」

砂糖「競争相手がいないからって、調子に乗りすぎなんだよ。私のほうが本当は使用量は多いんだから。」

ピクルス「そうなんですか?」

砂糖「でも私はハチミツとか水飴とかいるし、最近は甘味料とかわけわかんないのとも争わなきゃなんないんだよね。」

ピクルス「ふーん・・」

砂糖「あいつばっかり甘やかされてさあ。塩のクセに。」


酢の物「・・・笑うところかな。」

ピクルス「やめとけ・・」


砂糖「ああクサクサする。シュガーカットでもイビリに行くか。じゃあね。」

酢の物「あ、はい。」

ピクルス「どうも。」


酢の物「砂糖女史、怖いなあ。甘いマスクして。」

ピクルス「調味料の世界は恐ろしいなあ。」

188: 2012/03/07(水) 22:58:25.52 ID:Akx3roV/0

お塩「・・おい、聞いてんのか唐揚げッ!」

唐揚げ「あ、はい・・」

お塩「どうした、さっきまでの勢いはどこへ行ったんだ?w」

唐揚げ「はあ、それが。さっきまでムラムラしてたんですが・・」

お塩「どうした?」

唐揚げ「姐さんの顔を見たらすっかりおとなしくなりまして・・・」

お塩「そりゃどういう意味じゃこらあああああ!」

189: 2012/03/07(水) 22:59:25.37 ID:Akx3roV/0

醤油「まったく料理って、馬鹿だよねえ。」

ソース「まったくだよ。お塩先生や私たちがいないと何も出来ないくせにさ・・」

マヨネーズ「しっかしまあ、みんなすっかりシュンとしちゃって・・」

米酢「みてよ、あそこのコーンとほうれん草。」

レモン「すっかりしょげかえOちゃってるw」

ケチャップ「バターちゃんに嫌われちゃって、これからどうするんだろうね。」

ソース「おひたしからやり直しじゃない?」

醤油「冗談じゃないよ、あんな奴。」

190: 2012/03/07(水) 23:00:34.07 ID:Akx3roV/0

味噌「でも、あれだね。こうして見てると今のほうれん草って、まさに・・」

醤油「まさに・・何?」


ピクルス「 青菜に塩 だね。」



おあとがよろしいようで

191: 2012/03/07(水) 23:01:12.68 ID:Akx3roV/0
ピクルス「」じゃねえや味噌だった

最後の最後で・・

193: 2012/03/07(水) 23:15:48.20
乙!おもしろかったwww
調味料はおにゃのこなんだなww

引用元: 半熟卵「ハンバーグもパスタも牛丼も、俺に頼りすぎなんだよ・・・」