1: 2011/12/09(金) 01:15:51.95 ID:r8ZquwlKO
事務所内にプロデューサーの怒声が響いた

どうやら、振り付けを覚えずにダンスレッスンに参加した私に腹を立てているようだ

「やりたくないことをやるのは、時間の浪費ですから」

この人も、私を理解しようとはしてくれないみたいだ

2: 2011/12/09(金) 01:18:24.89 ID:r8ZquwlKO
「みんな頑張ってるんだぞ!お前だけが特別だとでも思ってるのか!」

「みんなと同じことをして、何か意味があるのですか?」

私はみんなとは違う
ダンスもトークも、私の糧にはならないのだから

3: 2011/12/09(金) 01:21:16.54 ID:r8ZquwlKO
「お前、歌だけの人間になっちまうぞ?」

「それこそが私の望みだと、なぜわかって頂けないのですか?」

「…もういい。帰って頭を冷やせ」

私がいつ取り乱しましたか?
頭に血が上っているのはアナタの方ですよ?

5: 2011/12/09(金) 01:23:11.82 ID:r8ZquwlKO
実際に口に出せば拘束時間が延びそうだったから

「では、失礼します」

とだけ言って、事務所を後にした

7: 2011/12/09(金) 01:24:50.90 ID:r8ZquwlKO
「みんな頑張っている」

部屋でマリア・カラスのルチアを聴きながら、プロデューサーの言葉を思い返していた

頑張る

大嫌いな言葉だ

10: 2011/12/09(金) 01:28:07.27 ID:r8ZquwlKO
それは上手くいかなかったときの自己正当化

「頑張ったんだから」
「頑張ったのに」
「また頑張ろう」

そういう風に言う人達は、自分の努力の方向性が間違っていただなんて、思いもしないのだろう

たがら、同じミスを平気で繰り返す

11: 2011/12/09(金) 01:30:21.39 ID:r8ZquwlKO
自分が特別だなんて思ったことは無い
むしろ私は凡庸だ

だから、歌にすがるしかない

その事実を誰も理解しようとはせず、私に余計な物を与えようとする


12: 2011/12/09(金) 01:32:37.04 ID:r8ZquwlKO
理解してくれた只一人の存在は、すでに私から失われていた

「お姉ちゃんの歌が大好き」

と言ってくれたその人は…

13: 2011/12/09(金) 01:35:23.54 ID:r8ZquwlKO
翌朝は11時ちょうど起床した

13時から事務所でミーティング
それは建設的でもなんでもない、ただのお喋りタイムだ

熱いシャワーを浴び、焼いただけのトーストをかじると、私は部屋を出た

14: 2011/12/09(金) 01:38:00.60 ID:r8ZquwlKO
土曜日の駅はいつもより人が少なくて、空気も澱んではいなかった

それでも、スーツ姿のサラリーマンが何人も電車を待っている

この人達もきっと、「頑張って」いるんだろうな

まぁ、私には、関係の無いことだけれど

15: 2011/12/09(金) 01:40:20.61 ID:r8ZquwlKO
乗るはずだった電車を見送ると、私は反対側のホームへ移動した

そして携帯の電源を落とし、いつもとは反対方向の電車に乗り込んだ

私がいなくても、お喋りタイムは滞りなく進行するはずだから

16: 2011/12/09(金) 01:43:37.43 ID:r8ZquwlKO
5つ目に停車した駅で腕時計に目をやった

13時7分

罪悪感は無かった

再び動き始めた電車の窓から、反対側のホームに立っている小学校高学年くらいの男の子が見えた

ただそれだけのことで、私の胸はチクリ、と鈍く痛んだ

17: 2011/12/09(金) 01:46:53.41 ID:r8ZquwlKO
10個目の駅を過ぎたあたりから、車外の景色が変わり始めた

ビルや下品な色使いの看板は姿を消し、木と草と土が存在感を主張する

電車のドアーが開くたびに、植物の青クサい匂いが車両を満たす

18: 2011/12/09(金) 01:52:05.75 ID:r8ZquwlKO
座っていることに疲れてしまったので、14個目の駅で電車を降りた

小さな小さな改札を出ると、駅の前は一車線の道路

他に目に入るものといえば、真っ赤な自動販売機と白くて大きなゴミ箱、そして

~パート急募、若干名~

と書かれた裁縫会社の貼り紙だけ

19: 2011/12/09(金) 01:54:53.65 ID:r8ZquwlKO
線路伝いに道路を歩いてみても、両側の景色は変わらない

田んぼ、畑、畑、畑、たまにビニールハウス

10分ほど歩いてすれ違ったのは、4台の車と1台のオートバイだけだった

20: 2011/12/09(金) 01:58:51.57 ID:r8ZquwlKO
「あっ…」

20メートルほど向こうの畦道に寝転がっている猫を見つけて、私は立ち止まった

音を立てないように少しずつ近付いてみる

「…ネコさん、こんにちは」

21: 2011/12/09(金) 01:59:52.59 ID:r8ZquwlKO
「…」

あと10センチくらいで触れそうだったのに、逃げられてしまった

「…まぁ、いいけどね、別に」

猫なんてどこにでもいるもの

22: 2011/12/09(金) 02:02:45.14 ID:r8ZquwlKO
道路に戻ろうとして振り向くと、足元で何かが折れたような音がした

どうやら右足のパンプスみたいだ

しゃがみ込んで確かめてみると、カカトの部分が外れてしまっていた

歩けなくはないけど、おかしな歩き方をしてどこかの筋を痛めてしまったら嫌だな…

23: 2011/12/09(金) 02:05:49.75 ID:r8ZquwlKO
何とか元に戻そうと悪戦苦闘していると、後ろから声をかけられた

「どうしたの、お嬢ちゃん?」

しゃがんだまま首だけ振り返ると、小柄なお婆ちゃんが立っていた

皺だらけの顔でニコニコと微笑えんでいる

24: 2011/12/09(金) 02:09:25.18 ID:r8ZquwlKO
「いえ、靴が壊れてしまって」

「それは大変だねぇ。ウチにおいで。ボンドを貸してあげるから」

「いえ、悪いですから…」

「遠慮しないの。それにお婆ちゃん一人暮らしだから、気を使わないでおくれ。ほら、アレがお婆ちゃんのウチだよ」

指差した先には、小さな平屋の建物があった

25: 2011/12/09(金) 02:13:13.74 ID:r8ZquwlKO
「ほら、行くよ?立てるかい?」

そう言いながら、私の腕を掴んで立ち上がらせようとした

これだから田舎は嫌い
無遠慮でガサツで、私を放っておいてはくれない

「大丈夫です。立てますし歩けますから」

「そう、よかった」

一人で歩きだしたお婆ちゃんのあとを、私は居心地悪く着いて行った

26: 2011/12/09(金) 02:16:50.99 ID:r8ZquwlKO
築何十年経つのかもわからない平屋に着くと、縁側の板敷きに座らされた

弱々しい西日が顔を撫でる

「さぁ、お茶をお飲み」

白い湯呑みに淹れられたお茶から、土の匂いが立ち上ってきたように思えた

「…頂きます」

28: 2011/12/09(金) 02:20:47.06 ID:r8ZquwlKO
「まぁまぁ。お行儀のいいお嬢ちゃんだねぇ」

お婆ちゃんは相変わらずニコニコしながら私を見ている

「ウチの孫娘なんてそりゃあ生意気なもんさ」

「はぁ…」

「だけど、アレはアレで可愛いとこもあるんだけどねぇ」

「はぁ…」

一人でお喋りを続けるお婆ちゃんに、芸の無い返事を繰り返した

29: 2011/12/09(金) 02:24:27.57 ID:r8ZquwlKO
「お嬢ちゃん、年は幾つだい?」

「15歳になりました」

「ウチの孫より2つ下だねぇ」

「はぁ…」

私より2つ上ってことは、765プロだと誰と同い年なんだろ?

…って、いま関係ないじゃない、あの人達のことは

30: 2011/12/09(金) 02:27:05.39 ID:r8ZquwlKO
「お婆ちゃんはお幾つなんですか?」

「お嬢ちゃんより70コ上だねぇ」

85歳、か
自分がその年齢になったときのことなんて考えたくもない

もう、いまと同じようには声も出ないだろうから

32: 2011/12/09(金) 02:30:10.53 ID:r8ZquwlKO
「お婆ちゃんが15歳のころは、どんな女の子だったんですか?」

特にその話題に興味があったわけじゃなくて…

そう、義務感かな?

相手をしてあげないと悪いような気がしたから

「15歳ねぇ…どんなだったかしらねぇ…?」

33: 2011/12/09(金) 02:33:45.59 ID:r8ZquwlKO
そう言うと、お婆ちゃんはお喋りを止めた
過去の自分に想いを馳せているのだろう

「…戦争が始まった年だったねぇ」

…いまから70年前といえば、1941年
たしか、その年の12月8日は…

真珠湾攻撃、だったはず

34: 2011/12/09(金) 02:35:50.77 ID:r8ZquwlKO
書きため終わり

ここからゆっくり投下になります

36: 2011/12/09(金) 02:42:00.15 ID:r8ZquwlKO
お婆ちゃんの口からは、歴史の教科書で読んだ出来事が実体験として飛び出してくる

「実家は都会だったからねぇ。弟たちを連れて長野に疎開もしたよ」

「弟さん…ですか?」

「2人いたんだけどねぇ。当時は両方小さくて」

「…いまもお元気なのですか?」


38: 2011/12/09(金) 02:46:06.57 ID:r8ZquwlKO
「上の弟はまだ生きてるよ。下は…疎開中に氏んでしまってねぇ…まだ4歳だったから栄養失調でねぇ…そこから肺炎を患って」

「…私は…事故で弟を亡くしました」

「まぁ…辛かったねぇ…」

私…なんで初めて会った人にこんな話してるんだろ…

39: 2011/12/09(金) 02:49:30.70 ID:r8ZquwlKO
「その後、父親と母親の関係がギスギスし始めて。少し前に離婚しました」

「お父さんもお母さんも悪くないのにねぇ…」

「疎開中の話、もっと聞かせて下さい」

今度は義務感ではなかった

40: 2011/12/09(金) 02:53:20.00 ID:r8ZquwlKO
「なにしろ70年近く前だからねぇ…覚えていることっていえば…」

パンプスのことなんて忘れて、私はお婆ちゃんの言葉を待った

「あぁそうだ!ウフフ…」

何かを思い出したお婆ちゃんが、子供みたいに笑った
ちょっと悪戯っぼく

42: 2011/12/09(金) 02:58:42.58 ID:r8ZquwlKO
「疎開したとき、私は17歳だったんだけどねぇ。ちょうど、孫娘と同じ歳」

2年語の私を想像しながら、お婆ちゃんの話に耳を傾けた

「疎開先の庄屋の次男坊が男前でねぇ。1つ年上で」

「はぁ…」

「若い女の子たちは、みんなその人に憧れてたものさ」

43: 2011/12/09(金) 03:02:14.33 ID:r8ZquwlKO
当時から、女の子の考えることはあまり変わってないみたい
私は見た目なんて興味はないけど

顔なんかじゃなく、ちゃんと私を叱ってくれる人がいい

「お前はそれでいいのか、千早!」

って

…あれ?


44: 2011/12/09(金) 03:08:10.75 ID:r8ZquwlKO
「こっそり手紙を渡したりもしたもんさ。…お嬢ちゃん?」

「えっ?あ、はい。聞いてます。手紙」

「そう、手紙。3回目に渡したあとだったかしら?初めて返事がきてねぇ」

「何て書いてあったのですか?」

「何度も手紙ありがとう。嬉しく思います、って」

「想いが通じたんですね?」

その質問には答えずに、お婆ちゃんは寂しそうに俯いた

47: 2011/12/09(金) 03:14:03.73 ID:r8ZquwlKO
「お婆ちゃん?」

「…あぁ、ごめんね。『だけど、手紙はもう受け取れません。僕は兵隊になります』」

「…」

「そういう時代だったからねぇ」

戦争の是非なんて私には語れない
まだ15年しか生きていない、現代人の私には


49: 2011/12/09(金) 03:20:16.98 ID:r8ZquwlKO
「その手紙と一緒にね、櫛を貰ったのよ。形見のつもりだったのかねぇ…」

「…その男性は?」

「…サイパンで戦氏したそうよ」

「そうですか…」

「歌の好きな人だったからねぇ。最後も歌ってたのかもしれないねぇ」


50: 2011/12/09(金) 03:25:32.86 ID:r8ZquwlKO
「私も…歌は好きです。いえ、好きとかそういう次元じゃなく、歌が全てです!」

「お嬢ちゃん、キレイな声だからねぇ。上手なんだろうねぇ」

「上手いだけじゃダメなんです。何かが足りないんです。でも、それが何なのかがわからなくて」

プロデューサーならなんて答えるかな?
「もっといろいろなことにチャレンジして視野を広げろ」
かな?

51: 2011/12/09(金) 03:30:52.40 ID:r8ZquwlKO
「う~ん…お婆ちゃん、歌のことはよくわからないからねぇ」

「そうですよね…」

「だけど…あの人の最後を想像することはあるのよ?」

「最後?」

「もしあの人が歌いながら氏んでいったとしたら、最後は何を思いながら歌ったんだろう、って」

「最後の…歌…自分の人生で」

53: 2011/12/09(金) 03:35:25.64 ID:r8ZquwlKO
二度と歌えないと分かっていて、それでも歌う

いえ、分かっているからこそ歌う

私だったら…

悔しい

…なぜ?

これから氏んでしまうのになぜ悔しいの?

それはつまり、いままでちゃんと歌ってこれなかったことへの悔恨ではないの?

54: 2011/12/09(金) 03:41:27.50 ID:r8ZquwlKO
詩は文字で伝えるもの、詞は声で伝えるもの

って、誰かが言ってた

私はいままで、詞を誰かに伝えようとしてきた?

あの人が…弟が氏んでから

子守歌を聴かせるとき、あの子の好きだった赤トンボを聴かせるとき、私はいつだって伝えようとしていた

でもいまは…

歌詞の中に生きてしまっている

56: 2011/12/09(金) 03:48:24.11 ID:r8ZquwlKO
歌が全て

なんて言いながら、ホントは自分を慰める道具にしてしまっている

サイパンで戦氏したその人は、そんなのじゃなかったような気がする

きっと、誰かに届けようとした…

家族かもしれない
私の前でにこやかに座っているお婆ちゃんだったかもしれない

誰かに詞を届けようとしたはずだ

57: 2011/12/09(金) 03:51:44.48 ID:r8ZquwlKO
「お嬢ちゃん?大丈夫?」

お嬢ちゃんの声で自問自答から覚めた

「あ…ごめんなさい…」

「お嬢ちゃん、好きな人はいるのかい?」

「えっ!?」

いきなりの質問に戸惑ってしまった

58: 2011/12/09(金) 03:53:15.76 ID:r8ZquwlKO
だけど

「はい」

自分で笑ってしまうくらい、ハッキリと言い切っていた

「…多分…ですけどね」

これは負け惜しみ

59: 2011/12/09(金) 03:57:08.47 ID:r8ZquwlKO
奥の部屋に見えた置き時計は、いつの間にか17時を回っていた

「あ…私、帰らなきゃ」

「あら、もうこんな時間。すっかり引き止めちゃったねぇ」

「いえ、楽しかったし、勉強になりました」

お婆ちゃんが差し出した接着剤でパンプスのカカトを直し、私は立ち上がった

62: 2011/12/09(金) 04:02:22.22 ID:r8ZquwlKO
「これ持ってお帰り」

お婆ちゃんの手には、ビニール袋一杯に詰め込まれた柿

「悪いですから…」

「いいから持ってお帰り。どうせお婆ちゃん1人じゃ食べきれないんだから」

…やっぱり田舎は嫌いだ

押し付けがましくて強引で…
それから…

やっぱり私を放っておいてはくれない

ワケも分からず泣いてしまうくらいに

63: 2011/12/09(金) 04:06:42.73 ID:r8ZquwlKO
「そういえばお婆ちゃん。櫛はどうしたんですか?」

「あぁ、あの櫛はね…氏んだ爺さんには内緒だったんだけどねぇ。ほら、男の人はすぐ妬いちゃうから」

とびきり悪戯っぼく笑ったお婆ちゃんは、私には櫛のいまを話してくれた

もちろん、私も誰にも言わないけれど

そして私は何度かお礼を言い、お婆ちゃんの平屋を後にした

66: 2011/12/09(金) 04:11:02.30 ID:r8ZquwlKO
何時間か前に通った畦道を抜け、駅へと向かう

その途中で、見たことのある猫が足に纏わりついてきた

「ネコさんこんばんは。柿好きなの?」

ニャーと鳴いた声が思っていたよりもずっと野太くて、1人で笑ってしまった

「さようならネコさん。お婆ちゃんをよろしくね」


67: 2011/12/09(金) 04:16:27.90 ID:r8ZquwlKO
すっかり暗くなった駅前では、自動販売機が照明の役割を担っていた

温かいカフェ・オレは美味しかったけれど、土の匂いはしなかった

走り出した電車の窓越しに、灯りの着いたお婆ちゃんの平屋が見えた


68: 2011/12/09(金) 04:22:52.71 ID:r8ZquwlKO
ありがとう、お婆ちゃん

私は貴女みたいに素敵なお婆ちゃんになりたいです

いまみたいに声が出なくなる日がきても、それを自然なことだと受け止められるように、誰かに詞を届けていきたいです

その日まで私は、自分なりに頑張ってみます

だからお婆ちゃん、いつまでもお元気で


電車の中でかじった柿は、やっぱり土の匂いがした
それが嬉しくて、私は少しだけ泣いた

69: 2011/12/09(金) 04:27:16.76 ID:r8ZquwlKO
765プロの最寄り駅に着いて電車を降りると、そこは人で溢れかえっていた

ビニール袋一杯の柿を持った私を、すれ違う人達が好奇の目で見てゆく

あげないよ

と心の中で悪戯っぽく笑ってみたけど、お婆ちゃんみたいに可愛くはなかったかな?


70: 2011/12/09(金) 04:32:40.12 ID:r8ZquwlKO
何時間かぶりに携帯の電源を入れると、42件の着信と18件のメール

さすがに罪悪感を感じながら、私は765プロへと向かう

あの人に何て言おうかな?
ちゃんと

ごめんなさい

って言えるかな?


74: 2011/12/09(金) 04:42:14.40 ID:r8ZquwlKO
近づいてくる765プロの看板を見つめながら、私は歩く

私はあそこから声を届けよう

私の最後の歌が、ちゃんと伝わるように

そして胸を張ってこう言えるように

「私の歌は、あなたの歌」




お し ま い

78: 2011/12/09(金) 04:46:58.70

とても良い雰囲気だった

引用元: 「いい加減にしろ、千早!」