2: 2013/12/21(土) 20:54:59.48 ID:QmYlexPP0
亜美「真美隊員!これを何だと思うね?」

真美「はっ!ただの水のように見えますが...?」

亜美「なんと!これは惚れ薬らしいですぞ!」

真美「えっ?ほんとに?」

亜美「ピヨちゃんと名乗る人物が言ってたよ。まちがいない!」

真美「ピヨちゃんならまちがいない」

1: 2013/12/21(土) 20:53:58.25 ID:QmYlexPP0
このSSは
春香「惚れ薬」
の続きです。読んでなくても大丈夫です。

前回の4人とは違い遠回りをしてしまう4人のお話です。

4: 2013/12/21(土) 20:59:36.06 ID:QmYlexPP0
真美「誰に使うの?」

亜美「ん?兄ちゃんだよ!」

真美「えっ、兄ちゃん?」

亜美「他に誰がいるのさー!」

真美「...」

亜美「真美?どったの?」

真美「亜美、兄ちゃんに惚れ薬使うの?」

亜美「そうだよー?おもしろそうじゃん!」

5: 2013/12/21(土) 21:03:51.66 ID:QmYlexPP0
亜美と真美では、兄ちゃんに向ける気持ちが違う。

真美「亜美、兄ちゃん好きなの?」

亜美「あったりまえじゃーん!大好きだよ!」

大好きの意味も、真美とは違う。
でももし、惚れ薬なんて使って、真美と同じ気持ちになったら...

亜美「真美?」

真美「そうだね。真美も兄ちゃんのこと、好きだよ」

亜美と兄ちゃんを取り合うことになる。
...かも。

9: 2013/12/21(土) 21:08:43.60 ID:QmYlexPP0
亜美「それにしても、惚れ薬だなんて。にひひ、案外亜美たちがピヨちゃんにハメられてるのかもよ?」

真美「あ...確かに」

そうだ。真美は惚れ薬が本物かどうかわからないし、そんなものがあるなんて信じていない。

真美「じゃあ...飲ませてみようか?」

亜美「おっ!真美も乗り気だね!?よっしゃー!」

ちょっと焦っちゃった。惚れ薬が本物で、亜美に兄ちゃんを取られるんじゃないかって。

11: 2013/12/21(土) 21:13:25.31 ID:QmYlexPP0
...

亜美「うむうむ、亜美たちのココアとなれば飲まざるをえない!」

真美「この薬、全部入れるの?」

亜美「うーん、中身は少ないみたいだから全部入れちゃおう!」

そうだ。飲ませた時に兄ちゃんの近くにいればいいんだ。惚れ薬は飲むと、近くにいる人に惚れちゃうみたいだから。

真美「よし!入れちゃえ入れちゃえ!」

亜美「混ぜろー!」

亜美とイタズラを考える時は、すごく楽しい。
楽しいんだけども、今は本気で楽しめていない。もし、これが原因で、兄ちゃんを取り合うことになったら嫌だなぁ...

...

12: 2013/12/21(土) 21:18:48.59 ID:QmYlexPP0
亜美「兄ちゃん!亜美たち特製ココアだよ!」

P「んー?またタバスコとか入ってないか?」

兄ちゃん。真美たちのプロデューサー。
イタズラしても、笑顔で許してくれる。

亜美「酷いよ兄ちゃん!亜美だってイタズラ以外の部分もあるよ!」

最初は、頼りない人だなあって思ってた。
でも、だんだんとその魅力が分かってきて...

P「本当か?真美が一言も喋らないのが気になるなぁ」

真美「ええっ?い、いや大丈夫だよ!ちゃんとしたココアだから!」

二人きだと目を合わせるのも恥ずかしいし、
さみしい夜とかは、兄ちゃんの顔を思い出すだけでぐっすり眠れる。
これが恋だよね?

亜美「さぁさぁ兄ちゃん!飲んで飲んで!」

P「ま、まぁ...いただきます」

13: 2013/12/21(土) 21:24:16.78 ID:QmYlexPP0
ゴクゴク

亜美真美「...」

飲んだ。

P「うん、なかなか美味いな」

真美「...」

亜美「でしょ?これ、今流行りのカッカのココアなんだよ!」

P「なんだとぅ!あの2日ならんでも手に入らない伝説のココア...だと...!?」

真美「ふふん、そうとは知らずにゴクゴクと...いい飲みっぷりですなぁ!」

P「の、残りはじっくり飲もう...」

15: 2013/12/21(土) 21:29:25.83 ID:QmYlexPP0
P「お前たちの分はあるのか?」

亜美「亜美たちの分はないよ」

P「ええっ!いいのか、俺が飲んじゃって」

真美「いいんだよー。いつものお返しだよねっ!」

亜美「うん...」

P「...やっぱり亜美、飲みたそうだな」

亜美「えっ?うっ、うん、だって...でも...」

P「わかった。次は俺が買ってこよう」

真美「えっ!いいの?やったー!よかったね亜美!」

亜美「うん...」

18: 2013/12/21(土) 21:34:29.45 ID:QmYlexPP0
亜美、何か言いたそう。
いや、亜美の言いたいことはわかる。双子だもん。
先に言ってしまえば、亜美よりリードできるかな。

亜美「亜美、今飲みたい」

先に言われてしまった。

P「えっ...俺のだけど、いいのか」

真美も飲みたい。

亜美「うん...いいよ、兄ちゃんだから」

兄ちゃんだから。
声がいつもの亜美とは思えない。
恋する乙女の声。

20: 2013/12/21(土) 21:39:22.32 ID:QmYlexPP0
P「あ、ああ」

兄ちゃんはコップを回して亜美に渡した。
自分の口をつけたところを使わせない為だ。

亜美「...んっ」

でも、亜美はあえてもう一度回して、兄ちゃんの口をつけたところで飲んだ。

真美「亜美!」

亜美「うん...おいしい!」

亜美「どったの真美?真美も飲む?」

真美「飲む!」

P「ははは。結局お前たちも飲みたいんじゃないか」

21: 2013/12/21(土) 21:43:23.89 ID:QmYlexPP0
真美「うん。ありがと、兄ちゃん」

P「いやいや、お礼を言うのは俺の方さ。おいしかったよ。ありがとう」

亜美「兄ちゃん、またおいしいもの持ってきたら食べてくれる?」

P「おお。待ってるぞ」

亜美は、兄ちゃんの食べかけを食べたいんだ。あーんしてほしいんだ。
亜美の好きって気持ちは、そんなかんじ。
考えてることは、だいたいわかるよ。亜美。

...

バタン

亜美「...」

真美「亜美」

23: 2013/12/21(土) 21:48:22.49 ID:QmYlexPP0
亜美「にっひひ、亜美が逆にドキドキしちゃったよ」

真美「...亜美、亜美は兄ちゃん好き?」

亜美「ん?うん...そうだよ」

真美「兄ちゃんは、真美たちの兄ちゃんだからね」

兄ちゃんは真美の人でいてほしい。
亜美には、あげたくないな...
と、ふと思ってしまう。

亜美「...どったの真美?真美もドキドキしてるの?」

真美「そうだよ。亜美よりもドキドキしてる」

24: 2013/12/21(土) 21:54:00.30 ID:QmYlexPP0
真美「真美、兄ちゃん好きだから」

亜美「うんっ!亜美も兄ちゃん、好きだよ!」

やっぱり、好きって言葉が亜美と真美では違う。LikeとLoveの違い。
気がついてほしくないけど、いつか気がつく。
渡さない。兄ちゃんは、渡したくない。
ひとりじめしたい。

真美「じゃあ、真美、レッスンあるから」

亜美「あっ、うん!」

バタン

亜美「真美、ちょっと怖かったな...どうしたんだろう」

25: 2013/12/21(土) 21:58:58.19 ID:QmYlexPP0
次の日

P「えっ?俺が竜宮小町を?」

高木「ああ...律子くんがインフルエンザで倒れてね。竜宮以外の子には申し訳無いのだが、一時的に活動を抑えてもらう」

P「そうですか...」

高木「さすがに、君に全員を任せることはできないだろう。大変だからね。残りのアイドル達には体がなまらないようレッスンをつけておく」

P「はい。わかりました」

高木「なに、心配することはない。簡単な仕事なら私と音無くんでやるさ!君は、竜宮小町に専念してくれたまえ」

...

P「と、いうわけで...これから一週間は、俺は竜宮小町をメインにプロデュースしていく」

ザワザワ

真美「...」

27: 2013/12/21(土) 22:07:28.96 ID:QmYlexPP0
亜美「んっふー!りっちゃんに変わって兄ちゃんが来てくれた!」

伊織「あんた、ちゃんとできるの?」

あずさ「あらあら~あらあらあ?らあらあら~」

P「ああ。律子からマニュアルはもらってあるから大丈夫だ!」

亜美「兄ちゃんと仕事するの久しぶりだね!」

P「そうだなぁ。竜宮は律子に任せっぱなしだったから...亜美の言うとおり、お前たちと仕事をするのは久しぶりかもな」

亜美「やったー!一週間、兄ちゃんにべったりできる!」

P「ははは、任せろ!」

真美「...」

31: 2013/12/21(土) 22:14:49.08 ID:QmYlexPP0
おもしろくない。
なぜこのタイミングなの?
あの薬、亜美にだけ効いたの?

真美「...」

惚れ薬なんて信じてない。けど...

亜美「じゃあ兄ちゃん!午後は仕事あるから行こう行こう!」

P「おう!亜美は元気だな」

バタン

昨日の今日で、亜美が望んだような展開。
関係を考えずにはいられない。

真美「はぁ...」

雪歩「どうしたの、真美ちゃん?元気なさそうだよ」

真「まぁ、一時的ではあるけどプロデューサーに会う機会が減ったわけだからね」

32: 2013/12/21(土) 22:23:18.63 ID:QmYlexPP0
高木「ま、まぁまぁ!まだ音無くんと私がいるじゃないか!」

響「うーいハムぞー、ういういうい」

美希「まぁプロデューサーいなくてもミキ大丈夫だし」

高木「心折れそう」

真美「兄ちゃん...」

イタズラができる時間が減るとか、会える時間が減るとか、いろいろあるけど。
兄ちゃんが亜美と一緒にいることが辛い。

...

真美「ねぇ兄ちゃん、今時間ある?遊ぼうよ」

P「ああ真美か。ごめんな。今はちょっと待ってくれ」

P「竜宮小町がこんなに忙しかったとは...律子のやつ、スーパーウーマンだな...」

P「ごめんな、真美。今は遊べないんだ」

34: 2013/12/21(土) 22:29:50.00 ID:QmYlexPP0
亜美「兄ちゃん!そろそろ出発だよ!」

P「ぅええ!もうそんな時間か!わかった、今すぐ行く!」

P「ほら、行くぞ!」

ギュッ

真美「!」

ドタドタバタン

手、繋いでた。
亜美から繋ぎに行ってた。

亜美、やっぱり兄ちゃん好きなんじゃん?
ねぇ、真美はどうしたらいいの?
真美の見えないところで何かが進んでしまいそうで怖い。
亜美とも仲良くしたいけど、兄ちゃんは真美の方を向いていてほしい。
でも、それはきっと無理...

36: 2013/12/21(土) 22:36:08.58 ID:QmYlexPP0
...

亜美「ねぇ兄ちゃん~Mステの仕事とってきてよ~」

P「うーん、まだ難しいかな...」

真美「亜美、ちょっといい?」

亜美「あ...うん、なに?」

真美「こっちに来て」

バタン

亜美「どったの?」

真美「...」

亜美「ねぇ真美、最近真美おかしいよ?」

真美「うん...」

38: 2013/12/21(土) 22:43:51.03 ID:QmYlexPP0
真美「真美ね、兄ちゃんと会える時間が少なくてさみしいんだ」

亜美「そうなのか」

亜美「なんかこう、胸がキュンとするかんじだよね!」

真美「え?」

それは。

亜美「亜美ね、最近兄ちゃんといるとすごくドキドキするんだ。苦しいっていうか、ずっと一緒にいたくなる...」

それは、恋...

真美「駄目!!!」

亜美「っ!?」ビク

真美「...」

亜美「ま、真美...?」

40: 2013/12/21(土) 22:51:53.54 ID:QmYlexPP0
亜美「ね、ねぇどうしたの...?」

真美「亜美は、兄ちゃん好き?」

亜美「もー、最近その質問ばっかりだね!」

真美「どうなの?」

亜美「うん...兄ちゃん、だよね。一緒にいるとすごく嬉しいよ」

真美「好きなの?」

亜美「う、うん...///」

以前と違う反応。兄ちゃんが好きになったんだ、亜美は。
もう、きっと戻れない。

41: 2013/12/21(土) 22:57:32.39 ID:QmYlexPP0
真美「真美も、兄ちゃん好きだよ。今の亜美と同じ気持ち」

亜美「そうなんだ」

真美「そう。だから...」

だから、亜美とは恋敵に...

亜美「だったら...」

亜美「いっしょだね!」

真美「え...?」

亜美「なぁんだ。亜美のほうが一歩遅れてたってわけですな!でもこれで真美といっしょ、仲間だね!」

どうしてそんなこと言えるの?
真美は、亜美を押しのけて兄ちゃんを連れて行くつもりだったのに。

42: 2013/12/21(土) 23:03:03.99 ID:QmYlexPP0
亜美「亜美ね、なんとなく、真美の言いたいことわかるよ」

真美「...」

亜美「兄ちゃんが好きで、好きでたまらなかったんだよね?」

亜美「ライクじゃなくてラブで!」

真美「でも...亜美も兄ちゃんが好きになったら...」

亜美「いっしょに好きになろうよ!」

真美は亜美を恋の敵として見ていたのに、亜美は仲間として見てくれた。
何をするにも一緒だったことを思い出した。
亜美は、躊躇せず一緒に行くことを選んだ。
途端、押しのけようとした自分の愚かさに気がつき、

真美「...ふ、ふええええ」

情けなさで泣いてしまった。

亜美「な、何で泣くの!?」わたわた

43: 2013/12/21(土) 23:08:30.72 ID:QmYlexPP0
...

亜美「そっか。兄ちゃんが亜美に取られちゃうんじゃないかって心配してたんだ」

真美「...うん」

亜美「なんとなく、わかってたよ」

真美「だろうね」

亜美「でも、ここまで必氏になっちゃうのはわかんなかった。真美のライクはラブだったんだね」

真美「亜美も、ラブになったね」

亜美「うん。そう思う」

44: 2013/12/21(土) 23:14:01.99 ID:QmYlexPP0
真美「真美ね、亜美と戦う事になるかもって思ってたんだ」

亜美「恋は戦争ってやつですな」

真美「兄ちゃんの取り合いで、亜美と仲が悪くなるんじゃないかって思って、怖くて」

亜美「でも兄ちゃんといるときは二人じゃないとつまんないから」

真美「うん。わかってるよ」

亜美「そうだよ。亜美と真美は二人で一人だから大丈夫!」

真美「亜美...うんっ!」

亜美「二人でラブラブ...変わったね、亜美たち」

46: 2013/12/21(土) 23:19:05.02 ID:QmYlexPP0
亜美と真美の気持ちは同じになった。同じ人を想う、同じ気持ちに。
きっと、真美が兄ちゃんをひとりじめしたい気持ちなのも、亜美はわかっていただろう。

亜美「でもっ!」

でも、気持ちが変わっても。

真美「やることは!」

亜美「いっしょだよね」

いつまでも一緒でいたい。
二人で。

亜美「イタズラする?」

真美「もちろんっ!」


亜美真美「兄ちゃーん!」



亜美と真美の場合、おわり

47: 2013/12/21(土) 23:23:56.23 ID:QmYlexPP0
美希「惚れ薬?」

美希「ふーん。メロメロにさせちゃう薬なの?」

美希「でも、ミキにはいらないかなって思うな」

美希「だって、ミキは自分の力でハニーのハートを奪いたいの!」

美希「薬なんて使ったら失礼かなーって」

美希「でも一応、もらっとくの」

48: 2013/12/21(土) 23:28:41.93 ID:QmYlexPP0
美希「ハニー!おはようなの!」

P「おはようございます!な!」

美希「ハニー!おはようございます!」

P「よし。おはよう美希」

美希「今日は午前中、ハニーと二人きりだよ!」

P「ん?ああ、そうだな。美希の仕事は午後だけか」

美希「お部屋でハニーと二人きり...いやんなの」

P「バカ言ってんじゃない。俺は仕事があるから、おとなしくしてるんだぞ?」

美希「はーい!じゃあ雑誌でも読んでるの」

49: 2013/12/21(土) 23:34:09.99 ID:QmYlexPP0
...

美希「はぁ、雑誌読み終わったの」

P「...」カタカタカリカリ

美希「ひまなのハニー」

P「んぇー、俺は暇じゃないぞ」

美希「...」

何か暇つぶしになるものはないかと鞄を探ると、あの薬があった。

美希(惚れ薬...)

使ってみようか?

美希「使っちゃダメなの」

惚れ薬を鞄の奥にしまう。

美希(ハニーは、自分の力で振り向かせるの)

51: 2013/12/21(土) 23:39:34.18 ID:QmYlexPP0
惚れ薬なんて、一度は聞いたことがある。
真君と雪歩が話してた。
でもそんなものを使って、好きにさせても意味がないと思う。

美希「本当に好きなら、本当の気持ちで挑むの!」

P「おうおう、せいが出るな」

美希「ハニー!」

P「歌とダンスが好きな美希に朗報だ。次のステージが決まったぞ」

美希「!」

P「次の出演はSMステーション。トップバッターだぞ」

美希「SMステーション!!」

P「そう。大御所も出るあの番組だ。一気に知名度上がるぞ?」

美希「やったの!ミキがんばるの!」

53: 2013/12/21(土) 23:44:56.08 ID:QmYlexPP0
P「今回はソロではなくユニットだ。雪歩と真美と出てもらう」

美希「変な組み合わせなの」

P「雪歩も真美も、知名度を上げたいからな。だがメインはお前だ。二人は半バックダンサーとなってもらう」

P「これで成功すれば雪歩と真美は二人でユニット、お前はしばらくソロで...って、まず目先のことをやらないとな。明日から猛特訓だぞ!」

美希「はいなの!」

歌とダンス、どちらも自信はある。
雪歩と真美には悪いけど、ハニーには完璧なミキを見てもらって褒めてもらうの!

54: 2013/12/21(土) 23:50:25.90 ID:QmYlexPP0
次の日

ダダン!

美希「はぁ...はぁ...」

P「すごいじゃないか美希!まさか昨日の今日で覚えてしまうなんて...!」

コーチ「動きも、もう少し直すだけで完璧ですね。凄まじいです」

美希「えへへ!見ててねハニー!ミキもっともっと上手くなるから!」

真美「うゆー、まだ1/5も覚えてないよー...」

雪歩「ほぇえ...美希ちゃんかっこいい...」

コーチ「まぁ、美希ちゃんが異常なだけであなた達もしっかり覚えてるわよ?」

P(確かに、美希につられるように雪歩も真美も覚えがいい。伸ばすなら美希と組ませるか...)

55: 2013/12/21(土) 23:55:35.87 ID:QmYlexPP0
美希「こう?」

コーチ「そう。そこ腰をもっと...」

真美「ねぇ兄ちゃん!覚えるだけなら兄ちゃんが見ててよ!」

雪歩「プロデューサー、お暇ですか?」

P「ん、ああいいぞ。細かい指摘はできないけどな」

美希(ハニー、驚いてたの!ずっとミキを見ててくれた...)

コーチ「何が貴方をここまでさせるの...まるで燃え上がるような...」

...

真美「どぅええー!やっと半分覚えた!」

雪歩「あ、脚が...腰が...」

P「おいおい大丈夫か?しかし、お前らも3時間でここまで覚えるとは...凄まじいな...」

P(美希相乗効果とでも名付けるか...)

56: 2013/12/22(日) 00:00:25.56 ID:1wgksNvm0
美希「ハニー!見て欲しいの!」

P「お、よーし見てやろう」

...

ダダン!!

P「よし。美希、当日まで休みだ」

コーチ「もう私が教えることは何もないわ...次の師はあなたよ...」

美希「褒めて!」

P「えらいえらい」ナデナデ

美希「あふぅ」

雪歩「美希ちゃんいいなぁ...」

真美「真美たちも覚えて兄ちゃんにナデナデしてもらおう!」

コーチ(相乗効果以上の効果...!それは恋...!)

57: 2013/12/22(日) 00:05:54.88 ID:1wgksNvm0
P「よし美希、ちょっと休んでろ。体を痛めたら元も子もない」

美希「じゃあ雪歩と真美のを見てるの!」

美希(P「雪歩と真美は完璧じゃないな、やっぱり美希はサイコーだ!」ミキ「ハニー!」的なストーリーなの!完璧なの!)

P「よし、じゃあお前ら...前半の復習だ...」ピシッ

真美「に、兄ちゃんに、なにそのムチは...」

P「前のパーティーで使ったモノだが...たまにはスパルタ教育もしないとな!」ピシャッ!

雪歩「ひょええ(でもちょっとかっこいいかも)」ガタガタ

P「まぁこんなもの使わないけどな」

ミキにだったら夜のレッスンに...いや、ミキがハニーに使うのもいいかな...

58: 2013/12/22(日) 00:11:27.45 ID:1wgksNvm0
これでミキの凄さを再確認させる、というシナリオだったのだが、当然現実はそううまくいかない。

P「ん、ストップ。雪歩、少し右手下がってるぞ」

雪歩「こ、こうですか?」

P「違うな」スタスタ

P「もう少し、こう」グイッ

雪歩「あっ、はっ、はいぃ///」

美希「!...」

真美「ねぇ兄ちゃん、腰の動きこれであってる~?」フリフリ

P「うっ...そ、そういうのはコーチに聞けよ...」

真美「んっふふー、兄ちゃん目そらした!ゆきぴょんも気をつけた方がいいよ~?」

雪歩「えっ!?えっ、はう...///」

59: 2013/12/22(日) 00:16:16.05 ID:1wgksNvm0
なーんか、気に食わないの。
ミキはもうすることと言えば動きの確認くらいだけど、雪歩と真美はああ言えばハニーに教えてもらえる。

美希「...」

でもミキがハニーに教えてって言っても、教えるのは結局コーチになっちゃうし...

P「美希ー」

美希「んぁ!?な、なになの!」

P「はは、ボーッとしてたな?」

せっかくハニーが話しかけてくれたのに、ミキったら変な返事を...

美希「なに、ハニー?」

呼んでもらえたことが嬉しくて、意識しなくても笑顔になる。
でも、

P「この真美の動き、指摘してやってくれ」

ハニーが今必要なのはミキの「指導」。

60: 2013/12/22(日) 00:21:00.01 ID:1wgksNvm0
気に食わないの。
当たり前といえば当たり前なんだろうけど、今ハニーは、ミキじゃなくて星井美希コーチが欲しい。

美希「ここは、こうするの」

ダンスのレッスンなんだから、それは当たり前。
なんだけど...

P「わかったか?真美。雪歩も見てたか?」

雪歩真美「はいっ」

今のハニーは、なんだか雪歩と真美モノのよう。
なんだか、最初の想像と違うの。

ふと鞄を見ると、いつの間に持ってきたのか。
惚れ薬があった。

美希「...」

使ってしまおうか?

62: 2013/12/22(日) 00:25:46.00 ID:1wgksNvm0
美希「!」ブンブン

いけないいけない。そうなの。ハニーは今二人のコーチ。でもきっと心の中で、ミキはすごいって思っててくれるはず。

美希「誘惑に負けちゃ、ダメなの」

ぐいっ、と薬の便を鞄の奥に押し込んだ。

明日にでも明後日にでも、レッスンはある。
その度に褒めてもらえばいいんだから。

美希「今日はもう、ボイトレに行ってもいい?」

コーチ「ええいいわよ。無理をしない程度に復習しておいてね」

美希「はいなの」

P「美希、帰るのか?」

美希「そうなの。ボイトレ行こうかなって」

P「そうか。明日もレッスンあるからな!」

63: 2013/12/22(日) 00:32:27.12 ID:1wgksNvm0
次の日

美希「ふぅ...」

コーチ「すごい...一日で歌を覚えてダンスと合わせるなんて...」

P「すごい...すごいぞ美希...!」

美希「撫でて!」

P「ああ、もちろんだ!」ナデナデ

あふぅ。
またハニーに褒められたの。ハニーに褒められるために頑張ったの!

P「で、だ。美希はもうオンエアできる。お前たちはどうだ?」

真美「ひぃい...」

やっぱりなの。ミキが完璧だから、ハニーは別の方に行く。
そんなの当然のこと。わかってる。

64: 2013/12/22(日) 00:37:41.59 ID:1wgksNvm0
わかってるのに、

美希「...」

気に食わない。気に入らない。拗ねる。
きっと心の中で、ミキはすごいって思っててくれるはず...
そうは思っても、やっぱりこっちを見て欲しい。

美希「この作戦、ダメだったの...」

ハニーが自分に向いてくれたのはいつだっただろうか。何をすれば向いてくれるかな...

美希「この薬、使っちゃおうかな...」

女の子たちが惚れ薬を欲しがる理由もなんとなくわかってきた。
手に入らない心を、簡単に手に入れるモノ...

66: 2013/12/22(日) 00:43:10.21 ID:1wgksNvm0
美希「!」ブンブン

美希「こんなもの...」

また鞄の奥に押し込む。
少し前のミキなら、迷わず使っていただろうな。苦労せず自分の欲しいものが手に入る。

でも、振り返って欲しい人が振り返ってくれない。こっちを見てくれない。そんな美希が出した答えは...

美希「...帰るの」

以前と何も変わらない、拗ねることだった。

P「美希?」

あはっ。ミキの声だけで感づいたみたい。さすがハニー。そういうところだけ、鋭い...。

バタン

雪歩「美希、ちゃん?」

P「...」

P「お前たちは、集中しててくれ」

67: 2013/12/22(日) 00:48:23.75 ID:1wgksNvm0
外、階段

美希「...」

惚れ薬の小瓶を目の前にかざす。

これのせいなのかな?
こんな気持ち、今まではなかった。
この薬があるせいで、ミキはこんな切ない気持ちに...?
そのまま手を伸ばす。
手を離せば、小瓶は下に落ちて割れる。
この気持ちも、無くなるかもしれない。

美希「ミキの気持ちは本物なのに」

しかしだからこそ、薬を捨てられない。
もし薬を捨てて、この気持ちが消えたら...

69: 2013/12/22(日) 00:54:09.94 ID:1wgksNvm0
使おうか。使ってしまおうか。
こんな、本物かどうかもわからない代物にすがるくらい、

美希「ミキは追い詰められてるの...」

美希「ハニー...」

美希「って!ダメなの!こんなもの使ってハニーをメロメロにさせても!それは本当の気持ちじゃないの!」

美希「こんな、もの...!」

捨てようと振りかぶる。
でも、投げることはできなかった。

美希「...」

70: 2013/12/22(日) 00:59:13.89 ID:1wgksNvm0
美希「ねぇ先生、どうしたらいいの?」

カモ「グァー」

美希「ミキね、ハニーが好きなの」

美希「これね、惚れ薬」

美希「惚れ薬なんて使っちゃダメだなって思うの」

美希「でも、ハニーはいくらアピールしても振り向かないし、雪歩や真美にべったりなの」

カモ「ガー」

美希「わかってるの。自分勝手なの」

P「美希の口からその言葉が出るとはな...」

美希「ん!?ハニー!?いつの間になの!」

72: 2013/12/22(日) 01:03:31.13 ID:1wgksNvm0
P「カモに話しかけ始めた所からだ」

美希「最初からなの...」

P「美希、俺はみんなのプロデューサーだ」

美希「うん」

P「お前の気持ちはわかってる。でも今はダメだ」

あはは、そうだよね。わかってた。
言ってくれたら、尚更気は楽。この薬、使っちゃう、の...

美希「ん?今、は?」

P「ほら、みんな待ってるぞ」

美希「ねぇハニー!今はってどういうことなの!」

74: 2013/12/22(日) 01:09:00.44 ID:1wgksNvm0
その言葉は、テレビの収録が終わってから話を聞くという意味なのか、それとも。

P「お前が異常にがんばってるのは、十分よくわかってた」

P「そして、俺があの二人のレッスンをしている時、お前の機嫌が悪いのは分かってた」

美希「ミキ、遠回りしてた?」

P「さぁな」

美希「ハニー、大好きだよ」

P「うんうん。そうやって直接言えばいい」

美希「答えは?」

P「そうだなー。収録が終わった後、で遅くはないだろ?」

美希「ずるいの」

76: 2013/12/22(日) 01:14:19.73 ID:1wgksNvm0
結局、ミキは惚れ薬に振り回されただけだったの。
この薬の正体はきっと、持った人、飲ませた人が恋の病にかかる薬。
でも、もうこんなものいらない。

美希「先生!これあげるの!」

小瓶を放り投げる。

カモ「いてっ」

やっぱり、ミキは惚れ薬のせいで遠回りしてたの。あれのせいで、自分の考えがややこしくなった。

P「さ、帰ろうか」

でも、それを捨てた今は、迷いなく好きと言える。

美希「ハニーはずるいの」

P「今は、付き合うなんてできない。とりあえず答えは保留だな」

ミキにとって、一番効く薬はハニーなの。

79: 2013/12/22(日) 01:18:43.42 ID:1wgksNvm0
美希「ねぇハニー。美希のダンスどう?」

P「前も言っただろ。言うことなし。もうオンエアまで行けるぞ」

美希「そうじゃなくて、ハニーの意見を聞きたいな」

P「俺の意見か?うーむ...」

そしたらハニーは、恥ずかしそうに頬を掻いて。

P「まぁ、綺麗だったぞ」

美希「あはっ」

美希「ハニー...大好きだよ」

やっぱりハニーが、ミキに一番効く薬。この薬は、

美希「やっぱり、惚れ薬なの」




星井美希の場合。おわり

80: 2013/12/22(日) 01:23:24.00 ID:1wgksNvm0
雪歩「惚れ薬なんてもらっちゃった...」

雪歩「ど、どうしよう」

雪歩「男の人苦手でひんそーでひんにゅーでちんちくりんな私は惚れ薬なんて...」

雪歩「............」

雪歩「穴掘ります...」

82: 2013/12/22(日) 01:28:37.45 ID:1wgksNvm0
真「惚れ薬?」

雪歩「うん。もしも、もしもここにあったらどうする?」

真「惚れ薬かぁ...ボクだったら王子様に飲ませちゃうかなぁ」

雪歩「ほぇえ...」

雪歩「なるほど...王子様に...」

雪歩「でも、私の王子様って誰だろう?」

83: 2013/12/22(日) 01:33:53.46 ID:1wgksNvm0
あずさ「私たちの王子様?」

雪歩「はい。皆の王子様です」

あずさ「そんなの決まってるじゃない~プロデューサーさん、よ」

雪歩「あっ...そっかぁ...」

雪歩「プロデューサーが、私たちの王子様...」

雪歩「そうか。そうだよね」

雪歩「男の人苦手だった時助けてくれて、犬だって自分が苦手なのに...」

雪歩「うーん...確かにプロデューサーのこと考えるとへんな気分...」

84: 2013/12/22(日) 01:38:31.47 ID:1wgksNvm0
春香「それが恋だよ雪歩ぉっ!」

雪歩「は、春香ちゃん...そんな目キラキラさせて...」

春香「そうだよねぇ...プロデューサーさんモテるからねぇ...そっかぁ...雪歩もかぁ...」

雪歩「ふぇぇ、これが...恋...なのかな...」

雪歩「恋、なのかなぁ...」

雪歩「穴でも掘ろうかな...」

86: 2013/12/22(日) 01:43:26.08 ID:1wgksNvm0
響「恋?」

雪歩「うん。恋。したことある?」

響「うっ、うん!もちろんだぞ!自分完璧だからな!」

雪歩「えっ?ほんとに?ねぇ、どんなかんじだった?」

響「どっ...どんな...えーと、その...その人のことを思うと心がきゅんとして、一緒にいるだけでしあわせ...だぞ!」

雪歩「はぇ~そうなんだ...」

響(小説のセリフそのまま言っちゃったぞ...)

雪歩「その人のことを思うと心がきゅんとして、一緒にいるだけでしあわせ...」

雪歩「そう、なのかも...」

87: 2013/12/22(日) 01:48:49.46 ID:1wgksNvm0
美希「一緒にいると幸せな人?」

雪歩「うん」

美希「そんなの、ハニーに決まってるの!」

雪歩「あー、そっかぁ。みんな同じ気持ちなのかな?」

美希「ん!?みんなってだれなの?みんな?みんなハニーが好きなの?ちょっとまつのー!」

雪歩「そっかぁ。みんなプロデューサーに恋してるのかなぁ」

88: 2013/12/22(日) 01:54:12.13 ID:1wgksNvm0
貴音「恋?」

雪歩「うん。恋って好きなこと?」

貴音「まこと...奇妙なことを...いえ、雪歩殿もそういう年なのでしょう...」

雪歩「?」

貴音「私が思うに...恋とは、時に世界の全てを懸けてでも成し遂げたいものであると」

雪歩「ほええ...世界を...」

貴音「世界を超え、この世すべてを敵に回してでも手に入れたい、守りたい殿方...とでも言いましょうか...」

雪歩「大人だぁ...」

89: 2013/12/22(日) 01:59:26.40 ID:1wgksNvm0
美希「雪歩!さっきの話どういうことなの!」

雪歩「あっ、美希ちゃん」

美希「ハニーのことなの!」

雪歩「その事なんだけど、もしプロデューサーに恋してる人が他にもいたらどうする?」

美希「押しのけるの!」

雪歩「それはつまり、敵?」

美希「そうなの!一人のハニーを巡る戦争!ハニーの恋人はたった一人!戦いなの!」

雪歩「恋は戦争...戦い...」

90: 2013/12/22(日) 02:04:23.77 ID:1wgksNvm0
やよい「うっうー!」

雪歩「やよいちゃんにはまだ早いかなぁ」

やよい「なんの話ですか?」

雪歩「夜食に海苔食べるって話」

やよい「そうですね!夜食に海苔はおいしいです!」うっうー

雪歩「スライスチーズを海苔で挟むとおいしいよ」

やよい「ぜいたく品です...!」

91: 2013/12/22(日) 02:09:47.78 ID:1wgksNvm0
亜美真美「恋?」

亜美「んっふっふ~ゆきぴょん恋に落ちたのかい?」

雪歩「いやぁ、恋ってなんなのかなーって思って...」

真美「好きな人いるの?」

雪歩「プロデューサーかなぁ」

真美「ぶぶぇっ!!」

亜美「おっと~?ゆきぴょん大胆!!」

真美「ゆ、ゆきぴょんそんな恥ずかしいこと...よく言えるね...」

雪歩「ほえ?恥ずかしいことなの?」

92: 2013/12/22(日) 02:14:11.96 ID:1wgksNvm0
雪歩「伊織ちゃん、プロデューサーのこと、好き?」

伊織「んんっ!?な、何いきなり言ってんのよ!」

雪歩「どうなの?恥ずかしい?」

伊織「えっ...えっ...あ、あいつなんて正直だらしなくて、頼りなくて...この伊織ちゃんがいないと何も...」

雪歩「プロデューサーのことを思うと心がきゅんとして、一緒にいるだけでしあわせ?」

伊織「なっ...なによ...そんな...///」プシュー

雪歩「ああ...やっぱり恥ずかしいことなんだ...」

94: 2013/12/22(日) 02:18:56.63 ID:1wgksNvm0
雪歩「王子様、かぁ...」

雪歩(ふるさと村でライブした時は、すごくかっこよく見えたなぁ)

雪歩「ピンチを救ってくれて、助けてくれて」

雪歩「それが王子様かぁ...」

真「王子様、いいよねぇ...雪歩は王子様、いるの?」

雪歩「うん。たぶんあの人が王子様だと思う」

真「ん?え?雪歩?」

95: 2013/12/22(日) 02:24:07.73 ID:1wgksNvm0
千早「恋?」

雪歩「うん。恋」

千早「私もよく、わからないのだけれども」

雪歩「えーとね、今まで調べた結果だと、メモしたんだけど、王子様で、その人のことを思うと心がきゅんとして、一緒にいるだけでしあわせで、時に世界の全てを懸けてでも成し遂げたいもので、戦争で奪い合いで、とっても恥ずかしいこと」

千早「なんだかよくわからないわね...」

雪歩「あ、千早ちゃんもよくわからない?」

千早「いえ...恋、というものはまだよくわからないけど、多分こういうことだろうっていうものなら...」

雪歩「聞かせて!」

千早「えと...じゃあ萩原さん、好きな人はいる?」

96: 2013/12/22(日) 02:29:10.94 ID:1wgksNvm0
雪歩「プロデューサーかな」

千早「くっ...あなたも...違、え、えと、プロデューサーを思い浮かべて?」

雪歩「うん...」

千早「胸のあたりに何か感じる?」

雪歩「うーんと...うん。気持ちが集まるような、そんな感覚」

千早「それがキュンとするってやつよ」

雪歩「ふええ...」

雪歩「これがキュンキュン...」

97: 2013/12/22(日) 02:33:40.87 ID:1wgksNvm0
雪歩「美希ちゃん、やっぱり私、プロデューサーが好きみたい」

美希「大胆な宣戦布告なの...」

雪歩「やっぱり、戦わなきゃだめなのかな...」

美希「そりゃそうなの!ハニーは一人しか相手を選ばないの!」

雪歩「えっ!?ひ、一人!?」

美希「当たり前なの!ハニーと恋するのはたった一人...たった一人なの!」

雪歩「はええ...たった一人...奪い合い...戦争...」

美希「恋は戦争なの!」

98: 2013/12/22(日) 02:38:25.75 ID:1wgksNvm0
雪歩「はわわわ...急に恥ずかしくなってきた...///」

雪歩「どうしよう、これが恋。これが恋なんだぁ...///」

雪歩「どうしようどうしよう...この先はどうしたら...」

雪歩「誰かに聞いて...だ、だめ...戦争だから...プロデューサーが誰かに取られちゃう...」

コツン

雪歩「あ...これ...」

雪歩「惚れ薬...」

101: 2013/12/22(日) 02:43:02.23 ID:1wgksNvm0
雪歩「お茶になら...お茶になら入れてもバレない...」

雪歩「惚れ薬...ひんそーでひんにゅーでちんちくりんな私を好きになっちゃう薬だよね...」

雪歩「...」

雪歩「プロデューサー、お茶です...」

P「おう。ありがとう、雪歩」

雪歩「えへへ」

雪歩(この笑顔、私だけに向けて欲しいなぁ...)

102: 2013/12/22(日) 02:47:48.24 ID:1wgksNvm0
雪歩(それを飲めば、恋をする)

雪歩(...あれ?)

雪歩(プロデューサーも恋、するよね。当然だよね)

雪歩(胸がキュンとして、王子様で、守りたくて、全てを捨ててでも手に入れたくて...)

雪歩(その気持ちは、本当の気持ち。もし、私のプロデューサーに対する気持ちが、惚れ薬で作られたものだったら...?)

雪歩「...!」

雪歩「ダメですっ!」

105: 2013/12/22(日) 03:13:10.56 ID:R+jPOtcdP
P「えっ?」

雪歩「ダメです!作り物じゃ!ダメです!」

バッ!ゴクゴクゴク

雪歩「ぷはぁっ!」

P「の、飲んだ!?」

雪歩「プロデューサー!気持ちは作り物じゃだめなんです!」

P「え?俺怒られてるの?」

雪歩「だめなんです...はう...もうだめです...穴掘ります...」

106: 2013/12/22(日) 03:17:19.33 ID:R+jPOtcdP
次の日
...

雪歩「恋の気持ちは本物じゃないといけないって思うの」

春香「そうだよ雪歩!ああいいなぁ恋!春が香る恋!はるこい!」

雪歩「う、うん。それでね。私、ちゃんとプロデューサーに気持ち伝えたいの」

P(雪歩...同じ事務所で話すなよ...)

春香(雪歩は後ろにプロデューサーさんがいるの気がついてるのかな?)

春香「そうだねぇ...プロデューサーさんかっこいいし...」

雪歩「ダメだよ春香ちゃん!プロデューサーさんは渡さないよ!」

108: 2013/12/22(日) 03:22:02.69 ID:R+jPOtcdP
春香「プロデューサーさんも愛されてますなぁ...」

P(...)

春香「女の子にここまで言わせておいて断るなんて...そんな男いませんよね!」

P(うっ...)

雪歩「だ、大丈夫かなぁ...こんな私でも...」

春香「大丈夫!プロデューサーさんなら絶対大丈夫だよ!」

P(春香...俺の逃げ道を潰してるな...)

春香「ねっ?プロデューサーさん?」

雪歩「へ?」

P「えっ」

109: 2013/12/22(日) 03:28:17.69 ID:R+jPOtcdP
雪歩「ぁ...ああ...ぁ...」パクパク

P「あー、なんだ雪歩、気がついてなかったのか?」

雪歩「あああ...ああ...」パクパク

雪歩「は、春香ちゃぁん...」

春香「じゃっ!私はレッスンがあるので!頑張ってね雪歩!」バタン!

雪歩「は、春香ちゃん...」

P「あー、なんだ雪歩、レッスン行くか?」

雪歩「え...」

ここではいと言えば、うやむやで終わらせる事ができる...

雪歩(でも...)

110: 2013/12/22(日) 03:33:13.97 ID:R+jPOtcdP
ここで言わなきゃ。

雪歩「プロデューサー」

P「逃がしては、くれないか...」

好きな人と向かい合う。
後は、一言いうだけ。

雪歩「...」

言葉が口に登ってこない。

P「...」

待っててくれる。待っててくれている。はやく言わなきゃ。

本当の気持ちを、直接。

111: 2013/12/22(日) 03:37:57.29 ID:R+jPOtcdP
雪歩「プロデューサー」

P「うん」

雪歩「くじけそうな時、助けていただいて、ありがとうございます」

雪歩「一緒に苦手なものに挑戦して、すごく、すごく嬉しかったです」

P「ああ。そうだな。俺も苦手な犬に挑戦したよ」

雪歩「あのっ!こんな、こんな私ですけど、気持ち、受け取ってください!」

P「...ああ」

雪歩「私、私は、プロデューサーのことが...」



萩原雪歩の場合。おわり

113: 2013/12/22(日) 03:41:42.95

引用元: 亜美「惚れ薬...?」