リンク「まずはゲルド族の紋章について」

ナビィ「たしかゲルド族の紋章は炎の神殿のBGMと一緒に宗教的な理由で変更されたのよね」

リンク「そう、だからゲルド族の紋章は新旧の2種類がある」

リンク「旧タイプについては後で言及するとして、まずは新しいゲルドの紋章についての考察から」

ナビィ「ゲルドの紋章ってゲルドの谷、砦だけでなくダンジョンのブロック、スイッチにも印されていたわ」

リンク「冒険中にはよく見かけたよね」

リンク「文字だけだと説明しづらいから、ここからは画像を貼って説明していく」ﾍﾟﾗｯ

ナビィ「そうそう。これがゲルド族の紋章」

リンク「実はこのマークが何を意味してるかを発見したんだ」

リンク「ナビィはこのマークが何を表しているかを考えたことはある？」

ナビィ「うーん……顔のように見えるけど……」

リンク「じゃあヒント。このマークには3人が隠されている」

ナビィ「ヒントは私の役目だったのに……」

ハイラル王家の一族に弾圧されたって説は見たな
魂の神殿の巨像が顔のとこ削り取られてたり邪神像扱いだったり

ナビィ「…………」

リンク「じゃあ、もうひとつヒント」

リンク「マークの向きを変えたら見えてくるんじゃないかな？」

ナビィ「あっ！　頭と両手両足の人の姿ね！　でもこれじゃまだ一人」

リンク「ナビィは●を人の頭と考えたと思うんだけど、そしたらもう一つの●が残ってしまう」

リンク「その●も頭だとしたら？」

ナビィ「……」

ナビィ「わかったわ！　ゲルド族といえばほぼ女性しか生まれない種族だったはず」

ナビィ「ということはこの股の間にある頭って一人目から生まれてくる赤ちゃんってこと？」

リンク「正解！」

ナビィ「じゃあ、三人目は残りのパーツね」

ナビィ「三人目は一人目を挟むような形だから、一人目のお母さんってことかしら？」

リンク「大正解！」

ナビィ「やったー！」

ナビィ「Hey!　わかりやすく図説するとこんな感じね」

リンク「つまり、人の股に頭を描くことで女性という性別を示し
　　　　その人間を産道に置くことで、生まれてくる子供が女性であることを表しているんだ」

ナビィ「なるほどね」

リンク「このマークの中には　生まれてくる子供が女であることと　母、娘、孫という三世代が表現されている」

リンク「ゲルド族のアイデンティティーと子孫繁栄という二つの意味が込められた　
　　　　非常に考えられたマークだということが分かる」

ナビィ「線対称かつ点対称の簡単な図形に深い意味を隠し持たせる……」

ナビィ「しかもそれが初期のマークから変更されたものだなんて……　さすが任天堂ね」

ナビィ「それにしてもリンクが人間の生殖について語っているなんて、なんだかおかしいわねｗｗｗ」

ナビィ「昔は自分もデクノ樹サマから生またって信じてたのにｗｗｗｗｗ」

リンク「その話はやめろ……」

ナビィ「大人になったときなんか急に思春期が来て大変だったんだからｗｗｗｗｗ」

リンク「……」

ナビィ「そうそう、私がリンクの所に初めて行った時のリンクの日記がここにあるんだけど」ｻｯ

リンク「や、やめろ！」

ナビィ「読むわね。えっと、なになに？　『妖精かくにん！よかった』だってさｗｗｗｗｗ」

リンク「……」

ナビィ「ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

神殿の考察とか面白いよね

リンク「……話を戻そう。ゲルド族には紋章の他にもうひとつ象徴的なシンボルがある」

ナビィ「？」

リンク「それじゃあ、ガノンドロフの服装を見てみよう」

ナビィ「ガノンドロフってこれぞ悪役って感じのファッションセンスね」

ナビィ「あっ！　胸と腰の位置に旧ゲルドの紋章の星があるわ」

リンク「うん。でも注目すべきは腕や脚の模様だ。この模様はガノンの服にも描いてある」

宝箱屋「奴こそ　真のファッションモンスターだぜ！」

ガノンドロフ、眉毛と髪の毛が繋がってんのな

宝箱屋「グヘヘヘヘ」

リンク「急に出てきてなんだ？　店が赤字で頭がおかしくなったか？」

ナビィ「まことのメガネを使うあんたのせいでしょ……」

リンク「いやいや、待ってくれナビィ」

リンク「宝箱屋の賞金はハートのかけらを取った後だと進んでいく部屋ごとに
　　　　1ルピー、1ルピー、5ルピー、5ルピー、20ルピー、50ルピーだ」

リンク「それぞれの確率が1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、1/32だから期待値は31/8で約4ルピー」

リンク「参加料が1回10ルピーだから半分も返ってこない計算になる」

リンク「つまり宝箱屋は阿漕な商売なんだよ！！！」

リンク「俺はそれを成敗したまでだ！」ﾊﾞｼｯ

宝箱屋「ぐぬぬ……」

リンク「その証拠にカウンターの奥にある大量の金塊はなんだ！」

リンク「そしてブクブク太ったその体！　肩に彫った刺青！　絵にかいたような悪人面！」

リンク「酷い顔でも、おしかったらもう1回分おまけしてくれる心優しい的当て屋を見習え！」

リンク「お前にも俺と同じ、神の声を聞くといわれているハイリア人の耳がついていることが信じられないぜ」

ナビィ「それくらいにしてあげたら……」

リンク「だいたい、なんでお前上半身裸なんだ？　服ぐらい着ろ！」

リンク「カウンター越しだから見えないけど、もしかして下半身も裸なんじゃないだろうな？」

リンク「せこい商売しているうえに変態なんて最低だな」

リンク「お前を見ていると、豆が売れるたびに態度が大きくなるあのデブを思い出すぜ。ああ胸糞悪い」

宝箱屋「なんでここまで言われにゃならんのだ……ちっくしょーーー！」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

リンク「くそっ逃げたか」

ナビィ「リンク、宝箱屋じゃなくてゲルド族の考察してよ……」

リンク「ごめん、ルピーの話となるとつい熱くなってしまって……」

リンク「じゃあガノンドロフの服の模様について話す」

ナビィ「そうそう」

リンク「この模様はナボールの服、ゲルド族の顔を覆う布、ゲルドの谷、修練場、ガノン城など
　　　　ゲルド族に関係する場所いたるところに描かれている」

ナビィ「Hey!　この模様にあんまり見覚えがない人もいるんじゃないかしら」

リンク「そう、実は『時のオカリナ3D』では64よりも画質が良くなって、
　　　　リメイクで風景や部屋の内装も付け加えられたところが多い」

リンク「その付け加えられた風景のひとつがこのゲルド族の模様というわけだ」

ナビィ「3DS版はハイラルを見て回ると新しい発見ができるようになっているのね」

ナビィ「64の時のオカリナには、この模様はあまり出てこなかったのか……」

リンク「俺調べでは64で服以外にこの模様はなかった」

リンク「これからする考察は主に3DS版の風景についてということを念頭に置いてくれ」

ナビィ「わかったわ」

リンク「じゃあ、ゲルド族の紋章と区別するためにこの模様を『ゲルド模様』とでも名づけよう」

インゴー「ハッハッハ～！」

リンク、ナビィ「！？」

インゴー「7年後のロンロン牧場の家の2階」

インゴー「俺が豪華に模様替えした部屋のじゅうたんにもゲルド模様があしらってあるぜ！」

インゴー「なんたって敬愛するガノンドロフ様の一族の模様だからな！　ハッハッハ～！」

リンク「確かに俺もあの部屋にゲルド模様があることは確認済みだ」

リンク「ってインゴー、お前俺にエポナを奪われてから改心したはずじゃなかったのか？」

インゴー「ハッハッハ～！」

ナビィ「なんかウザいわね」

インゴー「ハッハッハ～！」

リンク「…………」

インゴー「ハッハッハ～！」

リンク「……もう一度マスターソードを使うときが来たようだな」ｼｬｷｰﾝ

？？？「待って、妖精クン！」

リンク「そ、その声は……」

リンク「マロン！」

マロン「妖精クン。インゴーさん、本当はいい人なの！」

リンク「でも……　これはもう手の施しようがないよ……」

インゴー「ハッハッハ～！」

マロン「そうだ！　母さんの歌を歌えばインゴーさんもきっと……」

マロン「妖精クン、オカリナで伴奏お願い！」

リンク「よしきた！　おいきた！」ｻｯ

マロン「私の歌を聴けぇー！」


↑　　　　　　　　　↑
エ　　←　　　　　　エ　　←
　　　ポ　　→　　　　　　ポ　　→
　　　　　　ナ～　　　　　　　　ナ～

インゴー「や……やめろ……その歌を…………」

リンク「……」

マロン「妖精クン、やめないで！」

リンク「う、うん」

リンク「↑←→　↑←→」
マロン「エポナ～　エポナ～」

リンク「↑←→　↑←→」
マロン「エポナ～　エポナ～」

インゴー「耳が、耳があぁぁぁ！！！」

リンク「↑←→　↑←→」
マロン「エポナ～　エポナ～」

リンク「↑←→　↑←→」
マロン「エポナ～　エポナ～」

ウシ「ムゥオ～！　いい歌だわ。まきばの香りがするもの。
　　　　あんまり気分がいいから、ミルクもたっぷり出るわ～」

リンク「↑←→　↑←→」ﾊｧﾊｧ
マロン「エポナ～　エポナ～」ﾊｧﾊｧ

リンク「↑←→　↑←→」ﾊｧﾊｧ
マロン「エポナ～　エポナ～」ﾊｧﾊｧ

リンク「↑←→　↑←→」ﾊｧﾊｧ
マロン「エポナ～　エポナ～」ﾊｧﾊｧ

インゴー「オレは……　オレは…………」

（数時間後）

インゴー「どうもこんにちは。馬の世話係をさせていただいてます。インゴーです」ﾍｺﾍｺ

マロン「インゴーさんいい人に戻ったみたいだし、これで牧場にも平和が戻ったわ。
　　　　ありがとうリンク。一緒に歌えて気持ちよかった」

リンク「俺もだよマロン。ミルクも出してもらえたし」

マロン「声出し過ぎて喉が渇いたからロンロン牛乳飲むわね」ｺﾞｸｺﾞｸ

コッコ「コッッケコオォォォォォォォ！！！」

リンク、マロン「！」

リンク「太陽の歌を奏でたわけでもないのに　夜が明けちゃったね」

マロン「そうね。ウフフ」

ナビィ「…………」

エポナ「ヒヒーーーン」

マロン「あっ、エポナ来てたのね。ごめん、夢中になってて気づかなかった」

ナビィ「散々エポナの歌を奏でたんだから来るに決まってるでしょ！」

マロン「じゃあ、私はエポナに乗って牧場に帰るわ。じゃあねリンク」ﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯ

リンク「またね～」

インゴー「もちろん私は歩いて帰ります」ﾃｸﾃｸ

リンク「…………さて」

ナビィ「さてじゃないわよ！　なに考察から脱線してんのよ！　」

リンク「ごめんごめんｗｗｗ」

ナビィ「あんなにエポナの歌Listen!させられるとは思わなかったわ！」

リンク「これで英語圏プレイヤーの恨みも晴らせたってもんだ」

ナビィ「悪かったわね…………」

リンク「じゃあ、ゲルド模様についての考察を再開する」

ナビィ「待ってました！」

リンク「ゲルド模様は前述したようにゲルド族関連の場所に印されている」

リンク「ちょっと変わったところでインゴーの寝室なんかにもあることがさっきの会話でわかったと思う」

ナビィ「会話っていっても最初のインゴーのセリフだけね……」

リンク「実はこれらの場所以外にもゲルド模様に酷似した模様があることを発見したんだ」

ナビィ「それってゲルド族と関係なさそうな場所ってこと？」

リンク「うん。じゃあ、今からそこに行こうか」ｻｯ


Ａ　　　　　　　Ａ　　　　　　　　Ａ
　　　　　　　　　　　　　　Ｘ
　　　Ｙ　　　　　　　Ｙ



ナビィ「この曲ってことは……　まさか……」

リンク「着いたよ」

ナビィ「時の神殿……　ここにゲルド模様があるっていうの？」

リンク「正確には似ている模様なんだけどね。はい、ここ」

ナビィ「あっ！確かに似ているわね。でも線の部分だけで間には何もない」

リンク「この　＿|￣|＿|￣|＿|￣|＿|￣|＿|￣|＿　という線は
　　　　マスターソードの台座がある奥の部屋へ続く入口の壁と、時の神殿自体の出口の壁に描かれている。」

ナビィ「これも3DS版で付け加えられた模様なのね」

リンク「うん」

ナビィ「だから3DS版、光のプレリュードの楽譜だったわけね」

リンク「神殿の奥の部屋へと続く入口は『時の扉』と呼ばれるものなんだけど
　　　　実は『スカイウォードソード』（以下『SS』）にも時の扉が登場する」

リンク「そして『SS』の時の扉は歯車の形をしている」

リンク「その点を踏まえてもう一度時の神殿の模様を見てほしい」

ナビィ「あっ！　＿|￣|＿|￣|＿|￣|＿|￣|＿|￣|＿　の模様と歯車のカクカクした縁が似てるわね」

リンク「そう。つまり『SS』と『時のオカリナ』、どちらの時の扉も同じことを意味していると俺は考える」

リンク「まあ俺は『SS』やってないから詳しくは知らないんだけど」

ナビィ「あんたがやったのは『時のオカリナ』と『ムジュラの仮面』だったわね」

リンク「うん」

リンク「時の扉についてもう少し言及しておこう」

リンク「実際『SS』の時の扉は歯車のように動いていること、歯車の突起が12個あること、時の扉という名称
　　　　これらの点から時計をイメージさせる」

ナビィ「歯車って時計の部品を表していたのね」

リンク「時計は時の象徴。そして時計と言えば『ムジュラの仮面』のクロックタウンだ」

ナビィ「もろにクロックってついてるし……」

リンク「クロックタウンのシンボルである時計塔も機械仕掛けだから歯車が使われている」

ナビィ「ということは、時計塔も時の神殿のような聖地だってこと？」

リンク「うーん、どうだろう」

リンク「もしかしたら俺が迷いの森からタルミナに行ったのもそういう理由があったのかも……」

リンク「ともかくこれらの作品では『時』がカギになっていると言えるんじゃないかな」

リンク「他の作品についてはこのくらいにして、話を『時のオカリナ』に戻そう」

ナビィ「そうそう、時の神殿の模様がゲルド模様に似ているって話だったわね」

リンク「ゲルド模様と区別するために時の神殿の模様を『時の模様』と名づけることにする」

ナビィ「わかったわ」

リンク「じゃあ、ゲルド模様と時の模様が似ているということをよく覚えておいてね」

ナビィ「うん」

リンク「じゃあ、この謎を解くために今からゲルドの谷に行こう！」

ナビィ「ゲルドの谷に行くってことは考察もそろそろ佳境かしら」

ナビィ「で、エポナで行くの？」

リンク「いや、もうエポナの歌は吹きたくないからハイラル平原を歩いて行こう」ﾃｸﾃｸ

ナビィ「私ももうエポナの歌は聞きなくないわ……」

ナビィ「ハイラル平原を歩いて移動するのも久しぶりね」

ナビィ「子供時代に初めて森を出たときはワクワクしたけど
　　　　夜になるとスタルベビーが出てくるのが怖かったわ」

リンク「そう……あれは七年前のこと……」

ナビィ「え？　ごめん、トラウマだった？」ｱｾｱｾ

リンク「…………」

リンク「ちょうど七年前に　この道を通った夜
　　　　　昨日の事のように　今はっきりと想い出す……」

ナビィ「！？」

リンク「なんでもないようなことが　幸せだったと思う
　　　　　なんでもない夜の事　二度とは戻れない夜～♪」


リンク、オカリナをかまえる


Ｘ～～～　Ｙ～　Ｒ～～　Ｒ　　　Ｒ　　Ｒ　　　　Ｌ～～～～～～～　Ｌ～～～～～～
・↓・　　　　・　　↑　　　　十↑　↑　十↑　　↑・↑　　　　　　　　　・

Ｘ～～～　Ｙ～　Ｒ～～　Ｒ　　　Ｒ　　Ｒ　　　Ｌ～～～～　Ｌ～　Ｒ～　Ｒ～～～～
・↓・　　　　・　　↑　　　　十↑　↑　十↑　↑・↑　　　　　・　　十↑　↑

ナビィ「なにスライドパッドと十字キー駆使してオカリナでロード吹いてんのよ！」

ナビィ「心配して損したわ！　あとマスターソード台座に刺せば七年前に戻れるでしょ！」

リンク「初めてゲームをプレイした、あの少年時代には……もう誰も戻れないんだよ……」

ナビィ「…………」

リンク「なんでもないようなことが幸せだったと思う……
　　　　俺はこれから不遇な運命をたどるらしいんだ……」

ナビィ「だからといってロード歌うのはやめなさいよ！　今ジョージも大変なんだから！」

リンク「そうこうしているうちに着いた。ゲルドの谷だ」

リンク「ここのBGMはいつ聞いてもいい曲だなぁ」

ナビィ「あ、確かにゲルド模様が描いてあるわね」

リンク「うん。じゃあ模様の謎を解くためにある人に会いに行こう！」

ナビィ「誰？」

リンク「それは…………」

ナビィ「……」ｺﾞｸﾘ

リンク「大工のシローさんです！」

シロー「やっほーーー！」

ナビィ「」ｽﾞｺｯ

ナビィ「いやいや、見るからにゲルド族に関係なさそうな人じゃない！　また脱線する気？」

リンク「いや実はシローさんにある重要な証言をしてもらう。それではどうぞ」

シロー「ゲルドたちが言ってたのよ、幻影の砂漠を越えるには『真実を見る目』が必要だ、そこは女神がいる……ってね！」

リンク「これはシローを助けたときに実際にゲーム内でシローがしゃべったセリフだ」

ナビィ「『真実を見る目』ってまことのメガネのことでしょ。何を今更……」

リンク「本当に重要なのはそこじゃなくて『女神』という言葉」

ナビィ「女神って巨大邪神像のことね」

リンク「そう。この像は巨大邪神像という名前だが、それは俺たちがハイラル王国側の人間だから」

リンク「シローが言っていたようにゲルド族の人にとっては女神なんだ」

ナビィ「確かにシローのセリフを聞いた後に砂漠を越えた先が巨大邪神像だと
　　　　初見のプレイヤーは面食らうわね……　ん、ってことは……」

リンク「そう、ハイラル王国はゲルド族の神を邪神扱いして弾圧していたんだ」

リンク「これは割と有名な話だね」

ナビィ「うーん……それでもまだ模様の謎は見えてこないわね……」

リンク「ゲルド族のガノンドロフはトライフォースを求めていたんだよね」

ナビィ「うん」

リンク「ということは、ゲルド族の宗教もトライフォースと関係してるといえるんじゃないかな？」

ナビィ「宗教か……難しいわね……」

リンク「いやいや、そんなに難しく考えなくてもいいんだよ」

リンク「例えばハイラル王国はトライフォースを信仰する宗教だといえる」

リンク「仮にハイラル王国の宗教を『ハイリア教』、ゲルド族の宗教を『ゲルド教』としよう」

ナビィ「ハイリア教とゲルド教は対立しているが、共にトライフォースを信仰してるってこと？」

リンク「そう。そこから何か見えてこないかな？」

ナビィ「…………」

リンク「わかりやすく例えてみよう。『ハイリア教→キリスト教』、『ゲルド教→イスラム教』これならどうかな？」

ナビィ「あっ！　キリスト教もイスラム教も同じ唯一神を信仰してるのに対立してるわね」

リンク「そう。つまり『時のオカリナ』には『宗教』という裏テーマが隠されているんじゃないかと俺は考える」

リンク「正確にはトライフォース教『ハイリア派』と『ゲルド派』の対立と言った方がいいかもしれない」

ナビィ「模様が似ていたのは2つの関係性を示していたのね」

ナビィ「イスラム教で思い出したんだけど、古いタイプのゲルド族の紋章ってたしか……」

リンク「うん。月と星のマークがイスラームの象徴に似ているという理由で変更された」

リンク「月と星はイスラム教の国の国旗によく使われてるからね」

ナビィ「炎の神殿のBGMもイスラム教のコーランだったのよね」

リンク「うーん…それについてはなんともいえないな」

リンク「調べてみたところBGMがコーランである確証は得られなかった」

リンク「ただ一般的にネットではコーランということにされているらしい」

リンク「あとコーランではないけれどイスラームの礼拝の呼びかけ
　　　　もしくはイスラームの宗教音楽に近いのではないかという見解もあったよ」

ナビィ「ふーん」

ナビィ「ハイリア人がキリスト教、ゲルド族がイスラム教ってことは
　　　　コキリ族はアニミズムだから日本人、ゴロン族は屈強だからアフリカ人ってとこかしら？
　　　　えっとゾーラ族は…………」

リンク「いやいや待ってくれ」

リンク「その考えも面白いけど、ゲームの中を現実世界に当てはめてつくったわけじゃないと思うよ」

リンク「もちろんハイリア人がキリスト教徒でもなければゲルド族がイスラム教徒でもない」

リンク「ゲルド族の紋章はゲーム内の宗教という難しさを暗に示すために、現実のマークを拝借しただけだと思う」

リンク「あと、月と星のマークに関しては時の歌のブロックが太陽のマークだからという考え方もできるね」

ナビィ「そういえばゲルド族は偶像崇拝してるし、ガノンは豚だし、ゲルド族がイスラム教と関係ないのは確かなようね」

リンク「うん」

ナビィ「ところで、巨大邪神像の内部が魂の神殿ってのも何かわけがありそう……」

リンク「巨大邪神像ももともとはトライフォースに関係するものだったから
　　　　ハイラル王国側も聖地として位置づけてると考えられる」

リンク「トライフォースには善悪の概念がないから
　　　　もしかするとハイラル王国は悪の要素をすべて邪神に押し付けたのかも……」

ナビィ「もしそうだとするとゲルドの女神はもともと何の女神だったかが気になってくるわ」

ナビィ「トライフォースの女神は力のディン、知恵のネール、勇気のフロルだったわね」

リンク「これは完全なる推測だけど、ゲルド族は力、知恵、勇気の全てを合わせた概念を神格化したんじゃないかな」

リンク「ハイラル王国側はそれを異端視して、トライフォースの神どころか邪神として位置づけ弾圧した」

リンク「さて、聖地と言えば『時のオカリナ』最大の聖地が時の神殿」

リンク「ハイラル王国が魂の神殿を聖地としたように、ゲルド族にとっても時の神殿は聖地だったんだ」

リンク「現実世界のエルサレムがユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地になっていることに当てはめると分かりやすいんじゃないかな」

ナビィ「ガノンドロフが聖域を求めていたのはそういう理由もあったのか……」

リンク「聖域を封じている時の扉はガノンドロフにとって『嘆きの壁』だったのかもね」

リンク「ここまでの考察でゲルド教と時の神殿の関係が深いことが分かってもらえたと思う」

ナビィ「うん。ハイラル王国って結構ひどいことしてるのね」

リンク「それらを踏まえて、ハイラルの全体マップを見てほしい」ﾍﾟﾗｯ

ナビィ「………！」


http://i.imgur.com/xPz7rNP.jpg

ナビィ「驚愕の事実！」

ナビィ「時の神殿と巨大邪神像が向かい合っていたなんて！！！」

リンク「そして、そのほぼ同一直線状には……」ｻｯ


Ｘ　　　　　　　　　　　　Ｘ
　　　Ｙ　　　Ｙ　　　　　　　　Ｙ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｒ
　　　　　　　　　　Ｌ

ナビィ「闇の神殿……」

？「闇の神殿…　それはハイラルの血塗られた闇の歴史…　欲望と怨念の集まりしところ…」

ナビィ「ヒィッ！」ｶﾞｸｶﾞｸ ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

リンク「闇の神殿にはネットでまことしやかに噂されている話がある」

リンク「次はそれについて見ていこう」

リンク「闇の神殿は戦争時にハイラル王家に刃向うものをシーカー族が拷問、処刑していた」

リンク「これは噂というより、事実でほぼ確定だろう」

ナビィ「これは知ってるわ。闇の神殿って拷問器具やギロチンがあるのよね

ナビィ「あと炎の神殿が牢屋っていう噂もあるわね」

リンク「うん」

ナビィ「あと有名なのがボンゴボンゴの話ね」

ナビィ「巨人が手と頭を切り落とされたのがボンゴボンゴで頭は井戸の中をさまよっている緑バブルだとか……」

リンク「それについてなんだけど、俺は異を唱えたい」

ナビィ「！？」

リンク「ボンゴボンゴは巨人というよりも、処刑された人々の怨念が集まったものだと思う」

リンク「その証拠にボンゴボンゴを倒した後に無数の魂のようなものが見られる」

ナビィ「たしかに」

リンク「じゃあ、その闇の神殿で処刑された人々は誰か……」

ナビィ「……？」

リンク「処刑されたということは、もういないということ」

リンク「作中で『いない』と明記されいる者たち……」

ナビィ「……」

マラソンマン「やあ！　それはウサギだね！」ﾋﾟｭｰｰｰﾝ

ナビィ「闇の神殿でウサギを処刑するわけないでしょ！」

ナビィ「ってどっか行っちゃった……」

ナビィ「また脱線しそうだから、ちゃんと考えるわ……」

ナビィ「『いない』と明記されてるもの……　コキリ族の大人？　いや、でも……」

リンク「……」

ナビィ「……」

リンク「スレタイ読めよ」

ナビィ「えっ、ゲルド族！？　でも存在してるし」

リンク「ゲルド族の男だよ」

ナビィ「！？」

ナビィ「ゲルド族って男が100年に一度しか生まれない種族じゃなかったの？」

ナビィ「ナボールもそう言ってたし」

リンク「じゃあ、ボンゴボンゴの太鼓の模様を見てくれ」

ナビィ「あっ！　ゲルド模様ね」

リンク「うん」


http://i.imgur.com/1TYh8mk.jpg

ナビィ「でもこれって『ゲルド族、昔は普通に男もいた説』を証明しないと
　　　　ゲルド模様、果ては今までの考察まですべて吹き飛ぶかもしれないわよ」

ナビィ「ちゃんと証拠あるの？」

リンク「……」

ナビィ「何？　ないの？」

リンク「……」ｽﾞｼｯ

ナビィ「ん、これは……　英和辞典？」

リンク「それでgeldの意味を見てくれ」

ナビィ「わかったわ。えーっと、何々？」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ


geld
動 他　　　…を去勢する



ナビィ「！」

リンク「そう。ゲルドとは『去勢する』という意味なんだ。ちなみにゲルド族の英語表記はgerudoで文字は違うけどね」

ナビィ「ということは……　どういうこと？」

リンク「つまりゲルド族とは去勢された民族だったんだ」

リンク「ハイラル王家はゲルドの男を処刑することでゲルドの勢力を弱めた」

リンク「もしかすると『ゲルド』という名称はハイリア人につけられた蔑称だったのかもしれないね」

ナビィ「なるほど……」

ナビィ「これが本当だとするなら、ハイラル王家って相当ひどいことしてたのね」

リンク「わかってくれたかな？　俺の一番最初の発言の理由を」

ナビィ「うん。ガノンドロフがハイラル王家に刃向った理由もわかる気がするわ」

ナビィ「でも、それじゃあ……私たちがしてきた冒険っていったい……」

リンク「俺たちがやってたのはあくまでハイラル王国側から見た『ゼルダの伝説』だったわけだ」

リンク「まあ、歴史は勝者の都合でつくられるからね。それが『ゼルダの伝説』たるゆえんなのかも……」



ゼルダ「ミンナニハ　ナイショダヨ」

リンク「それじゃあ最後に総括をして終ろう」

リンク「宗教とは『勇気』、『知恵』、『力』をもたらし人類に恩恵を与えてくれる」

リンク「しかし宗教は同時に、異なる宗教、異文化と接触した場合、争いの火種になる危険もある」

リンク「そんなメッセージが『時のオカリナ』から読み取れるんじゃないだろうか」

ナビィ「地球もハイラルも平和であってほしいわね」

リンク、ゼルダ、ガノンドロフ「うん」


END

なるほど面白かった
確かGB版の夢を見る島も、実は魔物が戦うのはリンクが夢から覚めることによって自分達が消滅したくないからっていう理由があったんだよな
任天堂もしっかり考えてるんだな

やばい
感動した
乙