1: 2017/07/26(水) 01:02:07.070 ID:yYfRHgZ90FOX
ー胡桃沢洋菓子店ー

サターニャ「これがうちの店で出してるケーキよ」

ガヴリール「美味そうだな」

サターニャ「こだわりは魔界牛の新鮮な黒いミルクで作った特製クリームと……」

ガヴリール「ぱくぱくぱくぱくぱくぱく」

サターニャ「聞きなさいよ!」

ガヴリール「おかわり!」

サターニャ「もっと味わって食べなさいよ! すぐ持ってくるから待ってなさい!」

2: 2017/07/26(水) 01:03:12.632 ID:yYfRHgZ90FOX
ガヴリール「ふう、美味しかった」

サターニャ「天使の口にも合ってよかったわ」

ガヴリール「いいなぁ、家がケーキ屋だとケーキ食べ放題じゃん」

サターニャ「さすがに毎日は食べないわよ。まあ食後のデザートに困ることはないわね」

ガヴリール「お腹も膨れたし、そろそろ……」

サターニャ「散歩でもする? 魔界を案内してあげるわ」

ガヴリール「寝るわ」

サターニャ「ちょっと! それじゃ下界でやってることと変わらないじゃない!」

3: 2017/07/26(水) 01:04:46.724 ID:yYfRHgZ90FOX
ガヴリール「うへー、歩くの怠い……」

サターニャ「あんたねぇ、せっかく魔界と天界のゲートが統一されて、自由に行き来できるようになったってのに」

ガヴリール「そうだよ。いつでも来れるんだから、急ぐ必要ないじゃん」

サターニャ「だからってグータラしていい理由にはならないわよ!」

ガヴリール「うるさいなぁ。分かったよ、案内させてやるよ」

サターニャ「なんで上から目線なのよ!」

4: 2017/07/26(水) 01:06:15.237 ID:yYfRHgZ90FOX
ー魔界公園ー

ガヴリール「その丸いトカゲはなんだ?」

サターニャ「トカゲじゃないわよ! 私の使い魔のアレキサンダーよ!」

アレキサンダー「がうっ」

サターニャ「ついでにアレキサンダーの散歩もしようと思ってね」

ガヴリール「ふーん。ペットみたいなもんか」

サターニャ「使い魔だってば! アレキサンダー! あなたの力を見せつけてやりなさい!」

アレキサンダー「がうっ」

ボッ!

サターニャ「どう!? すごいでしょ! 必殺の灼熱火球よ!」

ガヴリール「はいはい、すごいすごい」パチパチ

サターニャ「反応薄っ!?」

5: 2017/07/26(水) 01:08:13.629 ID:yYfRHgZ90FOX
ガヴリール「しっかし、魔界ってのは薄暗くて陰気なとこだよな」

サターニャ「そう? これが普通よ」

ガヴリール「街路樹も枯れてんのか? 景観もクソだな」

サターニャ「ちょっと! 私が生まれた場所を悪くいうのはやめなさいよ!」

ガヴリール「ああ、ごめんごめん。つい本音が」

サターニャ「余計にタチが悪いわよ!」

6: 2017/07/26(水) 01:10:55.604 ID:yYfRHgZ90FOX
ガヴリール「疲れた。もう帰ろう」

サターニャ「あんた本当に体力ないわね」

ガヴリール「ほっとけ」

サターニャ「まあ、そろそろ晩御飯の時間だし、帰りましょうか」

ガヴリール「……魔界のメシってどんなの出るんだ?」

サターニャ「別に普通よ。魔界牛の灼熱アサードとか、鮮血トマトのビナグレッチとか」

ガヴリール「なんだそれ……聞いたこともないぞ」

サターニャ「安心しなさい、味は私が保証するわ!」

ガヴリール「だから不安なんだよ……」

7: 2017/07/26(水) 01:13:28.215 ID:yYfRHgZ90FOX
ー胡桃沢洋菓子店 サターニャの部屋ー

サターニャ「どうだった?」

ガヴリール「美味しかったよ。ちょっと独特な味だったけどな」

サターニャ「そう、よかったわ」

ガヴリール「なあ、サターニャ」

サターニャ「なあに?」

ガヴリール「今って、夜だよな?」

サターニャ「そうよ?」

ガヴリール「じゃあ、なんでこんなに外が明るいんだ?」

サターニャ「え? 月の光よ」

ガヴリール「昼間と同じくらい明るいんだけど?」

サターニャ「それが普通よ」

8: 2017/07/26(水) 01:15:03.423 ID:yYfRHgZ90FOX
ー魔界公園ー

ガヴリール「なんでまた散歩しなきゃならないんだ?」

サターニャ「あんた、さっき魔界の景色を馬鹿にしたでしょ?」

ガヴリール「そうだっけ?」

サターニャ「したわよ。あんたにギャフンと言わせてやるわ」

ガヴリール「なんなんだよ……」

サターニャ「着いたわ。これが夜の魔界よ!」

ガヴリール「あっ」

9: 2017/07/26(水) 01:17:09.839 ID:yYfRHgZ90FOX
サターニャ「ふふふ、どうかしら?」

ガヴリール「あの枯れた街路樹が赤く光ってるのは?」

サターニャ「赤い瞳の魔界コウモリの群れが枝にぶら下がってるのよ」

ガヴリール「川が金色に輝いてる……」

サターニャ「川底の魔界藻は月の光に反応して光りだすの」

ガヴリール「月が……綺麗だ……」

サターニャ「大きいでしょ?」

ガヴリール「ああ……」

サターニャ「どう? 夜の魔界は?」

ガヴリール「……ギャフン!」

10: 2017/07/26(水) 01:19:50.980 ID:yYfRHgZ90FOX
ガヴリール「驚いたよ、まさか魔界がこんなに綺麗だったなんて」

サターニャ「ふふん、これが普通よ」

ガヴリール「参りました」

サターニャ「今度はガヴリールが天界を案内しなさいね」

ガヴリール「ああ。お詫びに天界で一番美味しいお菓子を食わせてやるよ」

サターニャ「本当!? それってどんなお菓子なの!?」

ガヴリール「炒った豆だ」

ガヴリールドロップアウト

『豆鉄砲を食ったよう』

ー完ー

11: 2017/07/26(水) 01:20:33.522 ID:yYfRHgZ90FOX
短いですが終わりです。読んでくださってありがとうございました。

12: 2017/07/26(水) 01:26:25.536

天界と魔界の文明格差がひどい

14: 2017/07/26(水) 01:37:58.209
そうか今度はサターニャが天界にいくのか乙

15: 2017/07/26(水) 01:49:23.111

魔界は神秘的なイメージあるな、天界はなんか壮大そうなイメージ

16: 2017/07/26(水) 04:05:17.488
良かった乙

引用元: 【ガヴドロ】魔界生まれ、天界生まれ