1: 2016/01/31(日) 13:57:23.364
戸塚「ほらほら見て!八幡!僕、ついに卍解を習得したよ!!」

八幡「凄いじゃないか戸塚!!昼練の成果だな!」


戸塚「えへへ。これで今年はインターハイも夢じゃなくなったよ!」


八幡「戸塚は凄いな…それに比べて俺は…」



2: 2016/01/31(日) 13:59:27.124 ID:V+X0w+Kd0
戸塚「八幡は…まだ苦戦してるの?」

八幡「あぁ…卍解どころか始解すらままならない。刀の声を聞けって、一体どういうことなのかさっぱりわからん」

戸塚「ん~こればっかりは教えてあげられるようなものじゃないからね…」

八幡「まぁ、別にこのまま浅打のままでも構わないけどよ…ちょっと他の奴らの様子を見てくるわ」

3: 2016/01/31(日) 14:00:48.654 ID:V+X0w+Kd0
八幡「よぅ。あのさ…お前らにちょっと聞きたいことがあんだけど…」

由比ヶ浜「あれ?ヒッキーどうしたの?ヒッキーから声かけて来るなんて珍しくない?」

八幡「いや、ちょっと斬魄刀のことでな…」

葉山「珍しいな。比企谷は斬魄刀になんか興味ないと思ってたよ」

4: 2016/01/31(日) 14:02:06.676 ID:V+X0w+Kd0
八幡「…さっき戸塚の卍解を見て…ちょっと刺激されたんだよ…」

葉山「なるほど。そういうことか」

八幡「たしか、葉山は卍解出来んだよな。戸部はどうなんだ?」

戸部「いや~卍解なんてまだ全然!こないだやっと始解が出来る様になったばっかでさ~!」ヘラヘラ

6: 2016/01/31(日) 14:03:02.463 ID:V+X0w+Kd0
八幡「と、戸部も始解を習得したのか…」

葉山「ふにゃふにゃナヨナヨした、まさに戸部らしい始解だったけどな」クスクス

戸部「ちょいちょい隼人くぅ~ん!それは言わない約束っしょ~!?」ヘラヘラ

葉山「悪い悪い。でも、せっかくだから比企谷に始解を見せてやったらどうだ?」

7: 2016/01/31(日) 14:04:11.445 ID:V+X0w+Kd0
戸部「へ?そりゃ別にいいけど…」

比企谷「本当か!?すまん戸部…恩に着る!」


戸部「なぁに、良いってことよ~!んじゃ、いっちょやってみますか~!咆えろ!!『蛇尾丸』!!」ギュイーン


比企谷「おぉ!?」

8: 2016/01/31(日) 14:05:04.110 ID:V+X0w+Kd0
戸部「ふっふっふっ…どーよヒキタニ君?」ドヤァ

八幡「なんつーか…すげーふにゃふにゃナヨナヨしたお前らしい始解だな!」


戸部「」


八幡「んじゃあ次は、葉山の卍解を見せてくれよ!」

10: 2016/01/31(日) 14:06:12.774 ID:V+X0w+Kd0
葉山「それはもちろん構わないけど…ここじゃちょっと手狭だな。体育館に移動しようか」

三浦「えぇ~!マジでダルいんですけどぉ~」

葉山「まぁまぁ、優美子。そう言わずに」

比企谷「悪いな…面倒かけて…」


葉山「気にしなくていい。俺はさ…今まで全然興味なさそうだった比企谷が斬魄刀に興味を持ってくれて、良かったって思ってるよ」


比企谷「葉山…ありがとな…」

11: 2016/01/31(日) 14:07:22.686 ID:V+X0w+Kd0
体育館

葉山「よし。じゃあ優美子、頼むな」

三浦「隼人の頼みなら…仕方ないわね。しっかり見てなさいよねヒキ男!」

八幡「へ?なんで三浦が…?」キョトン


葉山「まぁ見てればわかるよ。いくよ優美子!」


三浦「いつでもいいわよ隼人!」

12: 2016/01/31(日) 14:09:02.133 ID:V+X0w+Kd0
葉山「卍解!散れ!『千本桜・あーし」!!」


八幡「なッ!?」


三浦「まったくなんであーしが…」

三浦「隼人ー!あーしマジダルいんですけど~」

三浦「終わったらご褒美頂戴ね隼人♪」

三浦「あ!あーしも!」

三浦「あーしも!」

三浦「あーしのことも忘れないでくれる!?」

13: 2016/01/31(日) 14:10:01.861 ID:V+X0w+Kd0
八幡「三浦が…増えた!?」

葉山「そう、それこそが俺の卍解…『千本桜・あーし』の能力だ」


八幡「てことは三浦ってまさか…!」ゴクリ


葉山「あぁ。優美子は俺の斬魄刀だよ」ニッコリ

14: 2016/01/31(日) 14:11:03.589 ID:V+X0w+Kd0
八幡「ぜ、全然知らなかった…」


三浦「ねぇ隼人~もうよくない?」

三浦「もうヒキ男も充分思い知ったっしょ?」

三浦「あーし達の力をさ~」

三浦「ねぇ隼人~」


葉山「もういいかな?」

八幡「あ、あぁ…ありがとう葉山、それから三浦」

16: 2016/01/31(日) 14:12:03.373 ID:V+X0w+Kd0
海老名「んじゃあ次は私達の番だね~結衣?」ニヤリ


由比ヶ浜「へ?ちょっ!?姫菜本気!?」

八幡「へぇ~海老名さんも卍解出来るのか…」


由比ヶ浜「ヒッキー!呑気なこと言ってないで早くこっち来て!!」グイッ

17: 2016/01/31(日) 14:13:07.636 ID:V+X0w+Kd0
八幡「お、おい由比ヶ浜!?何すんだ!」

由比ヶ浜「ヒッキーのことは私が守るから!!」

八幡「はぁ?何がなんだかわかんねぇけど…もしかして由比ヶ浜も卍解出来んのか?でも、お前刀なんてどこにも帯刀してないよな…?」


由比ヶ浜「あはは…実は浅打なくしちゃって…って、それどころじゃないんだって!姫菜の卍解はマジヤバいんだから!?」

18: 2016/01/31(日) 14:14:05.901 ID:V+X0w+Kd0
八幡「お前…浅打なくすなよ…。それで?ヤバいって、どういう意味だよ?」

由比ヶ浜「とにかく私から離れないで!『 三天結盾』!!」カキーン


八幡「うぉ!?なんだこの盾!?お前…斬魄刀も無しにすげーな!」


由比ヶ浜「えへへ…それほどでも…って、そんなこと言ってる場合じゃないんだってば!!」

19: 2016/01/31(日) 14:15:04.163 ID:V+X0w+Kd0
海老名「腐っ腐っ腐っ腐っ…用意はいいかネ?」


ゾクッ


八幡「なんだ…?海老名さんの様子が…」ゴクリ

由比ヶ浜「ヒッキー!絶対にこの結界の外には出ないでね!?」



海老名「では見るがいいヨ…この私の卍解ヲ!!」スラリ

20: 2016/01/31(日) 14:16:05.087 ID:V+X0w+Kd0
八幡「こ、股間から斬魄刀を!?」

由比ヶ浜「ヒッキー!?何ジロジロ見てんの!?」



海老名「掘りまくれ!『金色BL地蔵』!!」


BL地蔵『おぎゃぁぁあぁあああ!!』



モクモクモク…



ドドドドドドドドドドドドドドドドドド

21: 2016/01/31(日) 14:17:02.422 ID:V+X0w+Kd0
八幡「な、なんて悍ましい…というかなんだこの煙…?」

由比ヶ浜「……毒ガスだよ」

八幡「ど、毒ガス…?」

由比ヶ浜「そう…この煙を吸うと…」



葉山「オラァッ戸部ェ!!さっさと尻を出せぇ!!」

戸部「隼人くぅ~ん!バッチコーイ!!」

22: 2016/01/31(日) 14:18:02.771 ID:V+X0w+Kd0
八幡「なッ!?」

由比ヶ浜「煙を吸うとああなっちゃうの…」


葉山「戸部ェ!!お前なんか緩くなってんじゃねぇかぁ!?」パンパンパンパン

戸部「あっ…うっ…だって隼人君のチョモランマが…んっ…マジエベレストだからぁ~!!」

隼人「うるせぇ!口答えすんじゃねぇ!!お仕置きだこの野郎!!!」


パシーンッ!!


戸部「ひゃんッ!?は、隼人くぅ~ん////」ビクンビクン

24: 2016/01/31(日) 14:20:03.967 ID:V+X0w+Kd0
八幡「む、惨い…。ん?そういや三浦は?」


由比ヶ浜「優美子はそこ」

八幡「ざ、斬魄刀になってんじゃねーか!?」


由比ヶ浜「あの状態の葉山君は意識が飛んじゃうから…優美子は斬魄刀に戻っちゃうの。まぁ…そのおかげでこのショッキングな光景を見なくて済んでるんだけどね…」

八幡「まぁ、三浦にはこの状況は耐えられないだろうしな…不幸中の幸いだったかも知れん。とりあえず俺達も早くここから出ようぜ?この光景は…余りに目に毒だ」


由比ヶ浜「そ、そうだね…ごめーん姫菜!私達、そろそろ行くね!」

25: 2016/01/31(日) 14:21:11.876 ID:V+X0w+Kd0
海老名「む?なんだネ?これからがいいところだと言うのに…まぁ、また私の卍解を見たければいつでも声を掛けてくれたまえヨ。腐っ腐っ腐っ腐っ腐っ…!」



葉山「戸部ェ!!そろそろ本気出すからなぁ!!!」パンパンパンパン

戸部「は、隼人くぅ~ん!!」ビクンビクン



由比ヶ浜「それじゃ、ヒッキー行こ?」

八幡「あ、あぁ…。葉山、戸部…良い夢みろよ…」

26: 2016/01/31(日) 14:22:04.541 ID:V+X0w+Kd0
八幡「ふぅ~あんな卍解もあるんだな。恐れいったぜ」

由比ヶ浜「あ、あはは…姫菜のは特別だから…」


八幡「む?あそこにいるのは…」


由比ヶ浜「ヒッキー?どうしたの?」

27: 2016/01/31(日) 14:23:27.423 ID:V+X0w+Kd0
八幡「ん?あぁすまん。先、部室行っててくれ。すぐ行くから」

由比ヶ浜「ん。わかった。それじゃあ部室で待ってるね」


八幡「よし。んじゃあ、あいつにも聞いてみるか。おーい!川島~!」


川崎「お前…いつになったら私の名前を覚えるんだ…」

28: 2016/01/31(日) 14:25:03.763 ID:V+X0w+Kd0
八幡「ん?どうかしたか川島?」

川崎「だから私は川崎…はぁ…もういい。それで私に何の用?」


八幡「お前ってもう卍解とか出来んの?」


川崎「できない。始解なら出来るけど…」

29: 2016/01/31(日) 14:26:03.890 ID:V+X0w+Kd0
八幡「んじゃあ始解見せてくれないか?」

川崎「はぁ?なんであんたに見せなきゃなんないわけ?」


八幡「そんなこと言わずに頼む!この通り!!」ペコリ


川崎「はぁ…わかった。わかったから顔上げなって」

30: 2016/01/31(日) 14:27:03.752 ID:V+X0w+Kd0
八幡「ありがとな川島!」

川崎「はぁ…もうそれでいいや…。んじゃ、いくよ。舞え!『袖白雪』!!」


フワッ

キラキラキラキラ…


八幡「すっげぇ~!お前の卍解、めちゃくちゃ綺麗だな!」

川崎「へ?ほ、褒めても何も出ないぞ…////」


八幡「それになんかすげー涼しいし、夏場は川島の傍から離れられなくなりそうだな」


川崎「ちょっ!?すり寄ってくるな!////」

31: 2016/01/31(日) 14:28:04.985 ID:V+X0w+Kd0
八幡「きっとさ、お前自身が綺麗だから卍解も綺麗なんだな」

川崎「ふぇっ!?ちょ、それどういう意味d」


八幡「そういや、由比ヶ浜達を待たせてたんだっけか…すまん川島!またな!始解見せてくれてありがとな~!」タタッ


川崎「行っちゃった…。ふふっ…夏場が楽しみだなぁ…袖白雪」

32: 2016/01/31(日) 14:29:06.271 ID:V+X0w+Kd0
八幡「いや~良いもん見れた。眼福眼福…」


いろは「あっ!せんぱ~い!偶然ですね!」

八幡「一色?」

いろは「ここで会ったのも何かの縁ですね!ちょっと生徒会室に荷物運ぶの手伝って下さい♪はい!じゃあ先輩はこっち持って下さいね!」


八幡「いや、俺は奉仕部の奴らを待たせてるから…って、重っ!?お前、よくこんな重い物1人で運んでたな…」

33: 2016/01/31(日) 14:30:02.278 ID:V+X0w+Kd0
いろは「ほんとですよ~もう手が痛くなっちゃいました。これもみんな私を生徒会長に仕立てあげた先輩のせいですからね!」

八幡「うぐっ…す、すまん…。それじゃあさ、荷物は運んでやっから、ちょっと頼みを聞いてくれないか?」


いろは「なんですかまさか見返りに私と付き合うつもりですかすみませんそういう打算的な考えをする人とは付き合えませんごめんなさい」


八幡「ち、違うって!ただ、ちょっとお前の卍解を見せて貰いたいだけだよ!!」

34: 2016/01/31(日) 14:31:27.003 ID:V+X0w+Kd0
いろは「は?卍解…ですか?」キョトン

八幡「あぁ…頼む」


いろは「そう言われましても、私まだ卍解なんて出来ませんよ?」


八幡「へ?出来ないの?生徒会長なのに?」

いろは「言っておきますけど、私は一応後輩ですからね!卍解が出来る一年生なんてほとんどいませんから!」

35: 2016/01/31(日) 14:32:04.772 ID:V+X0w+Kd0
八幡「言われてみればそうか…すまん一色。無茶振りして悪かったな」


一色「でもまぁ…始解なら出来ますけど、見ます?」ニヤリ

八幡「本当か!?是非頼む!」


一色「じゃあ、ちゃっちゃと荷物運んじゃって下さいね先輩♪」

36: 2016/01/31(日) 14:33:05.363 ID:V+X0w+Kd0
生徒会室前

八幡「ぜぇ…ぜぇ…はぁ…はぁ…。よい…しょっと」ドサッ

いろは「お疲れ様です先輩♪」


八幡「それじゃあ…見せて貰おうか?一色の…始解とやらを」


いろは「はーい!じゃあ先輩、ちょっと離れてて下さいね!」

37: 2016/01/31(日) 14:34:04.444 ID:V+X0w+Kd0
八幡「……このくらい離れればいいか?」


いろは「いえ、私の正面には立たないで下さい」

八幡「そうか…それじゃあ、ちょっとよけるわ」ヒョイ


いろは「まだまだ危ない立ち位置ですが…まぁ、身を以て体験して貰いましょうか。私の斬魄刀の力を!」


八幡「へ?い、一色さん…?それってどういう…」

38: 2016/01/31(日) 14:35:07.046 ID:V+X0w+Kd0
一色「それじゃあいっきますよ~!射殺せ!『神鎗』!!」シュン

ゾクッ

八幡「ちょっ!?」バッ


一色「チッ…外したか」


八幡「外したかじゃねぇよ!?伸びるなら伸びるって言ってくれよ!?つーか…もしかして伸びるだけ?ち、ちなみにコレ…どのくらい伸びるんだ?」

39: 2016/01/31(日) 14:36:02.830 ID:V+X0w+Kd0
いろは「13㎞や」

八幡「お、おぅ…」
(13㎞ってすごいのか…?どう反応したらいいかわかんねぇ!!)


いろは「13㎞や!!」

八幡「そ、そうか…」


いろは「ぐすっ…13…キロ…メートルや…ぐすん」グスングスン


八幡「わ、わかったって!一色はすごいなぁ~!!だからもう泣くなって!!」

40: 2016/01/31(日) 14:37:02.466 ID:V+X0w+Kd0
ガラッ

めぐり「あら?外が騒がしいと思ったら比企谷君来てたんだ~!って、どうしていろはちゃんが泣いてるの!?比企谷君、いろはちゃんを虐めたらメッなんだよ!」

いろは「めぐり先輩~」グスングスン


めぐり「よしよし。それで比企谷君、どうしてこんなことになったの?」


八幡「いや、実はかくかくしかじかで…」

41: 2016/01/31(日) 14:38:05.073 ID:V+X0w+Kd0
めぐり「ふむふむなるほどね~。でも、頼み込んで見せて貰った人の始解に勝手に失望するのはどうかと思うよ~」

八幡「すんません…」


めぐり「わかれば良いんだよ!それじゃあ、特別に私の始解も見せてあげるね~」


八幡「い、いいんすか!?」

42: 2016/01/31(日) 14:40:01.673 ID:V+X0w+Kd0
めぐり「別に減るもんじゃないしね~♪それじゃあいくよ~!」

八幡(めぐり先輩の始解が見れるなんて…一体どんな…?)ゴクリ


めぐり「花風紊れて花神啼き 天風紊れて天魔嗤う『花天狂骨』」


八幡「に、二刀流!?日頃持ち歩いてる2本目の斬魄刀はてっきり飾りとばかり…」
(それより解号長っ!?普段のめぐり先輩からは考えられないほど滑舌良いんだけど!?)

43: 2016/01/31(日) 14:41:02.903 ID:V+X0w+Kd0
めぐり「えへへ~!カッコいいでしょ♪」ブンッブンッ

八幡「うわっ!カッコいいのはわかりましたから振り回さないで下さい!危ないじゃないですか!?」


めぐり「あ~ごめんね~!つい振り回したくなっちゃうんだよね~」テヘペロ


八幡「か、かわいい…じゃなくて!めぐり先輩はもちろん卍解も出来るんすよね?もし良ければそっちも見せて欲しいんですけど…」

44: 2016/01/31(日) 14:42:03.079 ID:V+X0w+Kd0
めぐり「卍解か~もちろん出来るし、見たいって気持ちもわかるんだけどね~私の卍解はちょっといろんな意味でヤバいから、また今度ね!」

八幡「は、はぁ…わかりました…」
(今日一日で散々ヤバい目に遭ってきたからな…この辺が潮時か…)


めぐり「いつか比企谷君が私と心中する覚悟が出来たらまたおいで~♪」


八幡「」ガクガクブルブル
(聞かなかったことにしよう…そうしよう…)

45: 2016/01/31(日) 14:43:03.164 ID:V+X0w+Kd0
八幡「よし!今度こそ部室に向かうか!」

材木座「おーい!八幡ー!!」

八幡「すっかり遅くなっちまったな…まぁ、奉仕部はいつでも暇だから心配いらないか…」


材木座「八幡!我を無視するでない!!」


八幡「ん?材木座…いたのか」

46: 2016/01/31(日) 14:44:04.846 ID:V+X0w+Kd0
材木座「ムハハハ!我のあまりの神々しさに目を背けたくなるのはわかる!!しかし八幡、その劣等感と向き合うことこそが大切なのだ!!」

八幡「見たくないもんをわざわざ見る必要なんてないだろ…あぁそういや材木座、お前さ…」


材木座「む?どうしたのだ八幡?」


八幡「ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
(この機会に一応こいつにも卍解出来るか聞いてみるか…いや、待てよ…?)

47: 2016/01/31(日) 14:45:03.782 ID:V+X0w+Kd0
材木座「むぅ…どうしたと言うのだ?」

八幡「あぁ…いや、やっぱりなんでもない」
(こいつが卍解なんて習得してるわけないか…きっと始解だって習得出来っこない…)


材木座「いつから我が卍解を出来ぬと錯覚していた?」


ゾクッ


八幡「さ、材木座…お前…!」




ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

48: 2016/01/31(日) 14:47:02.050 ID:V+X0w+Kd0
材木座「なーんてな!冗談に決まっておろう八幡!しかし、その反応…やはり我を馬鹿にしていたようだな!?この世界の神となる我を馬鹿にするとは、まったくもって許し難し!!」

八幡「お、驚かすなよな…」
(なんだ…いつもの厨二病か…)

材木座「ムハハハ!驚かすもなにもそっちが勝手に驚いただけだろう。それより八幡、行かなくて良いのか?なにやら急いでいたようだが…?」


八幡「そうだった!じゃあな材木座!厨二病も大概にしとけよ!」


材木座「なっ!?ゴラムゴラム!ちょっと待つのだ八幡!!我は厨二病ではないぞ~!!」

49: 2016/01/31(日) 14:48:01.662 ID:V+X0w+Kd0
部室前

八幡「やっと部室まで辿りついた…やっぱ慣れないことすると疲れるな…斬魄刀になんて興味持つんじゃなかった…」ブツブツ


平塚先生「む?比企谷、何をブツブツ言っている?」

八幡「ひ、平塚先生…?部室になんか用すか?」


平塚先生「あのなぁ比企谷、私は一応奉仕部の顧問なのだ。ちゃんと部活に勤しんでいるか見に来てもおかしくはないだろう?それで、何をブツブツ言っていたのだ?」


八幡「実はかくかくしかじかで…」

50: 2016/01/31(日) 14:49:04.451 ID:V+X0w+Kd0
平塚先生「ふむふむなるほど…ふふっ…それにしても比企谷が斬魄刀に興味を持つとはなぁ」

八幡「い、一応俺も学生っすから…」


平塚先生「だが君は卒業後、護廷十三隊に就職するつもりはないのだろう?」


八幡「それはまぁ…そうですけど…」

51: 2016/01/31(日) 14:50:05.244 ID:V+X0w+Kd0
平塚先生「まぁなんにせよ、生徒が斬魄刀に興味を持つことはいいことだ。だが比企谷、別に斬魄刀だけが全てというわけではない。君は鬼道の筋は良いのだから、そっちに力を入れてみたらどうだ?」

八幡「鬼道っすか…でもちょっと地味じゃないですかね?あ、そう言えば平塚先生はいつも佩刀してませんけど、やっぱり鬼道が得意なんすか?」


平塚先生「如何にも。私はその道のプロだ。君は鬼道が地味だと言ったな?どれ、その辺りの勘違いを私が直々に正してやろうではないか」


八幡「いえ結構です。俺、体育会系じゃないんで…」

52: 2016/01/31(日) 14:52:02.133 ID:V+X0w+Kd0
平塚先生「つべこべ言わずに構えろ!!行くぞ!!」

八幡「わわわっ!」


平塚先生「『瞬歩』!!」ヒュン


八幡「消えた…?」キョロキョロ


平塚先生「…どこを見ている?」


八幡「!?…一瞬で背後に…って!隠密術は卑怯ですよ!」

53: 2016/01/31(日) 14:53:25.793 ID:V+X0w+Kd0
平塚先生「戦場で卑怯もクソもあるか!!」

八幡「いや鬼道の真髄を教えて下さいよ!?」

平塚先生「ふむ。そう言えばそうだったな。ならばとくと見るがいい!鬼道の真髄を!!はぁぁぁあああ!!」


八幡「ぐっ…なんつー霊圧だ…」ビリビリビリ
(こりゃ嫁に行けないわけだ…)



平塚先生「『瞬閧』!!!」



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

54: 2016/01/31(日) 14:54:08.133 ID:V+X0w+Kd0
八幡「高濃度に圧縮した鬼道を両肩と背に纏い、それを炸裂させることで鬼道を己の手足へと叩き込んで戦う白打の最高術。 教科書には載っていたけど、これほどとは…」ゴクリ

平塚先生「ふっ!どうだ比企谷!驚いたか?これぞ鬼道の真髄だ!!」


八幡「えぇ…侮っていました。まさかこれほどまでに……工口いなんて」


平塚先生「へ?はっ!な、何をジロジロ見ているのだ!!これは鬼道の濃度が高すぎることでどうしても服が破れてしまうのだ!!」アタフタ

55: 2016/01/31(日) 14:55:03.478 ID:V+X0w+Kd0
八幡「ノースリーブの白衣…正直ミスマッチだと思っていましたが、その横乳と丸見えの背中だけでご飯3杯分の価値があります。本当にありがとうございました」

平塚先生「あぅ…あぅ…/////きょ、今日のところはこのくらいにしておくか!比企谷、日々の鍛錬を怠るなよ!!それではな!」タタッ

八幡「………」
(もしかして、あの人まだ処Oなんじゃないだろうか…?)


ガチャッ


雪ノ下「あら比企谷君、来てたの?何やら廊下が騒がしかったようだけど…?」

56: 2016/01/31(日) 14:56:07.905 ID:V+X0w+Kd0
八幡「お、おぅ…ちょっとな…」

雪ノ下「とにかく中に入りなさいな」


八幡「ん。遅くなって、悪かったな」


雪ノ下「別に構わないわ。今日は依頼者も来てないから」

57: 2016/01/31(日) 14:57:02.694 ID:V+X0w+Kd0
由比ヶ浜「あ!ヒッキー!やっはろー!てゆーか、遅かったじゃん!何かあったの?」

八幡「遅くなってすまん。実は雪ノ下にも聞いて欲しいんだが、かくかくしかじかで…」


雪ノ下「へぇ…あなたが斬魄刀に興味を持つなんて、青天の霹靂…いえ、驚天動地ね」


八幡「そこまで驚くことか!?」

58: 2016/01/31(日) 14:58:03.020 ID:V+X0w+Kd0
雪ノ下「そりゃあ驚くわよ。専業主夫になることを目指してるあなたが、斬魄刀に興味を持つなんて…」

由比ヶ浜「びっくりだよね~」


雪ノ下「由比ヶ浜さん。あなたはまず失くした斬魄刀を探しなさいね?」ニッコリ


由比ヶ浜「はぅ…ご、ごめんなさい…」ガクガクブルブル

59: 2016/01/31(日) 14:59:03.692 ID:V+X0w+Kd0
雪ノ下「話を戻すわ。比企谷君は戸塚君の卍解を見て、斬魄刀に興味を持ったのよね?」

八幡「あぁ…そうだけど、それがどうした?」


雪ノ下「いえ、少し気になったのよ。一体彼の卍解のどこにあなたは興味を惹かれたのかと」


八幡「ん~今考えてみると、別に戸塚の卍解自体に興味を惹かれたってわけじゃないんだよな」

60: 2016/01/31(日) 15:00:06.534 ID:V+X0w+Kd0
由比ヶ浜「へ?そうなの?」

雪ノ下「詳しく聞かせてちょうだい」

八幡「いや、別にそんな大層なことじゃないんだけどさ…ただ、苦労して卍解を習得した戸塚の顔が…その…嬉しそう、だったから…」


由比ヶ浜「彩ちゃん毎日頑張って昼練してたからね~そりゃあ、嬉しいんじゃないかな?」


八幡「あぁ…そんな戸塚を見てたら、自分も頑張らないとって思ったわけだ」

61: 2016/01/31(日) 15:01:15.091 ID:V+X0w+Kd0
雪ノ下「なるほどね。そういうことだったの…」

由比ヶ浜「ヒッキー偉い!」


八幡「いや、由比ヶ浜…お前はとりあえず斬魄刀探せよ…」

由比ヶ浜「はぅっ!?わ、わかってるってば!!」


雪ノ下「比企谷君の考えは立派だと思うわ。でも、高みを目指す際に必ずしも卍解を習得する必要があるのかしら…?」

62: 2016/01/31(日) 15:02:03.696 ID:V+X0w+Kd0
八幡「さっき平塚先生にも同じこと言われたけど、もしかして雪ノ下…お前も鬼道の達人だったりするのか?」


雪ノ下「いえ、私が戦闘で使用するのはこの斬魄刀一本よ」スラリ


由比ヶ浜「ゆ、ゆきのんの斬魄刀、ちょっと刃こぼれし過ぎじゃない!?」

八幡「そんな状態じゃ切れる物も切れないだろ!?大丈夫か!?」

63: 2016/01/31(日) 15:04:06.277 ID:V+X0w+Kd0
雪ノ下「心配は無用よ。力で…ねじ伏せるから」グググ

ゾクッ

八幡「ゆ、雪ノ下…?なんだその霊圧は…!」ビリビリ


雪ノ下「あ、あぁ…ごめんなさい。剣を握るとつい力んでしまうのよ」イソイソ


由比ヶ浜「ゆきのん…?どうしたのその眼帯…目、痛いの?」

64: 2016/01/31(日) 15:05:09.361 ID:V+X0w+Kd0
雪ノ下「別に目が痛いわけじゃないわ。ブルーライトカットの効果があるらしいから、目が疲れた時に付けることにしてるのよ」

由比ヶ浜「ブルーライトカットって、それそもそも眼帯って光通さないよね!?カットするのブルーライトだけじゃないよね!?」


八幡「そもそもなんで今それを付ける必要が…?いや、まてよ?その眼帯、見覚えのあるぞ?たしか、歴代の『剣八』に代々受け継がれているとかいう伝説の…」


由比ヶ浜「剣八って聞いたことある!!確か、校内最強の生徒に与えられるあだ名みたいなものだよね?」

65: 2016/01/31(日) 15:06:06.785 ID:V+X0w+Kd0
雪ノ下「あだ名というよりも称号ね。確かに、この眼帯は先代剣八から私が受け継いだものよ」

八幡「じゃあお前がその後継者ってわけか!?」

由比ヶ浜「ゆきのん凄い!!」


雪ノ下「一応、そういうことになるかしら。でもね、比企谷君…私は卍解はおろか始解すら習得していないのよ」

66: 2016/01/31(日) 15:07:01.898 ID:V+X0w+Kd0
八幡「始解すらって…本当か雪ノ下!?」

由比ヶ浜「それなのに校内最強ってどーゆーこと!?」


雪ノ下「だから言ったでしょう?私は力で敵をねじ伏せるだけ。斬魄刀の名も、能力も私には必要ない。私自身の力でここまで上り詰めた。ただ…それだけよ」


八幡「…雪ノ下さんカッケー」

67: 2016/01/31(日) 15:08:07.144 ID:V+X0w+Kd0
雪ノ下「だから比企谷君、私は人はきっとそれぞれのやり方で高みに辿り着けるものだと思っているわ。卍解だけが答えではないのよ」

八幡(カ、カッコ良すぎて全然真似出来る気がしねぇー!!)


由比ヶ浜「でもゆきのん!これからは1人で戦ったりしないで、私達のことも頼っていいんだからね?」


雪ノ下「えぇ…ありがとう由比ヶ浜さん。でも、頼りにさせて貰う前に早く斬魄刀を見つけなさいね?」ニッコリ


由比ヶ浜「はぅ…も、もうわかってるってば~!!」

68: 2016/01/31(日) 15:09:03.985 ID:V+X0w+Kd0
八幡「しかしまさかお前が校内最強だったとはなぁ~恐れいったよ…」


雪ノ下「私なんてまだまだよ。あの人の前には未だ…手も足もでない…」

八幡「おいおい…校内最強のお前が誰に負けるって?」


雪ノ下「決まってるじゃない…姉さんよ」

69: 2016/01/31(日) 15:10:01.929 ID:V+X0w+Kd0
ゾクッ

八幡「な、なるほど…」

由比ヶ浜「ゆ、ゆきのんのお姉さんって、そんなに凄いの…?」


雪ノ下「姉さんも実は学生時代は剣八だったのよ。そして姉さんは歴代最強の剣八と呼ばれているわ…」


由比ヶ浜「歴代…最強…」

八幡「ははは…笑うしかねぇな…」

70: 2016/01/31(日) 15:11:04.454 ID:V+X0w+Kd0
雪ノ下「そういうわけだから、2人共…くれぐれも姉さんには気をつけてちょうだい」


八幡「き、肝に銘じておきます…」


由比ヶ浜「でも、ちょっと気になったんだけど、お姉さんがそのくらい強いってことは、ゆきのんのお母さんはどのくらい強いの?」



雪ノ下「母は…『残火の太刀』の使い手と言えばわかるかしら?」



八幡「!?」

71: 2016/01/31(日) 15:12:02.265 ID:V+X0w+Kd0
由比ヶ浜「残火の…太刀?」キョトン

八幡「由比ヶ浜…お前、知らないのか?教科書に載ってただろ!?護廷十三隊の総隊長の卍解の名だよ!!」


雪ノ下「そう。母は…護廷十三隊の総隊長よ」


八幡「マジか…」


由比ヶ浜「そ、そんなに凄い人だったなんて…」

72: 2016/01/31(日) 15:13:06.700 ID:V+X0w+Kd0
雪ノ下「もっとも、私も母の卍解はこれまで見たことはないのだけど…一説によるとこの町全体の空気中の水分が一瞬で失われると言われているわ」


八幡「規模がちげぇ…」

由比ヶ浜「やっぱり総隊長さんって凄いんだね~」


雪ノ下「ちなみに姉さんも4番隊の隊長を務めているわ。私も剣八となったことで卒業後は11番隊の配属が決まったけど、正直あの2人が居る隊じゃなくて良かったと思うわ…」

73: 2016/01/31(日) 15:14:08.990 ID:V+X0w+Kd0
八幡「なんつーか…お前もいろいろ大変だな…」

由比ヶ浜「辛いことがあったらいつでも連絡してね!!」


雪ノ下「えぇ…ありがとう。まだ卒業まで時間の猶予はあるから、今のうちに精一杯学生生活を楽しんでおくことにするわ」


キーンコーンカーンコーン


雪ノ下「下校時間ね。それじゃあ、そろそろ帰りましょうか」

74: 2016/01/31(日) 15:15:02.264 ID:V+X0w+Kd0
帰り道

八幡(今日は本当に驚かされることばっかりだったな…まぁ、そんだけ俺が色々なことから目を背けていたってことか…)

八幡「しかし…どうしたら斬魄刀の声とやらが聞けるのかねぇ…」

八幡(前途は多難だな…)


プップー!!


八幡「!?」ビクッ
(こ、この車は…!)


陽乃「こんばんは!比企谷君♪」ニッコリ

75: 2016/01/31(日) 15:16:03.447 ID:V+X0w+Kd0
八幡「は、陽乃さん…お久しぶりです…」

陽乃「久しぶりだね~比企谷君は今帰り?」

八幡「そうですけど…」


陽乃「それじゃあ送ってあげよう!ほらっ早く乗って~!」グイッ


八幡「へ?あっ!ちょ、ちょっと!?」


バタンッ

76: 2016/01/31(日) 15:17:02.773 ID:V+X0w+Kd0
八幡「あ、あの…すみません…わざわざ…」

陽乃「いーのいーの!気にしなーい気にしなーい!それより比企谷君、なんか変に緊張している様に見えるけど…どうかした?」


八幡「!?……いえ!?べ、別に何も!」
(歴代最強の剣八の前で緊張しない奴の方が珍しいだろ!?)


陽乃「はは~ん。その様子だと聞いちゃったんだね~私が歴代最強の剣八だって」ニヤニヤ

77: 2016/01/31(日) 15:18:02.667 ID:V+X0w+Kd0
八幡「い、いえ…あの…その…」


陽乃「そんなに狼狽えなくたって平気だってば!正体を知られたからには頃すしかない!なーんてことは言わないから安心して♪」


八幡「そ、その冗談は笑えないっす…」


陽乃「別に隠してたわけでもないしね~!あ、ということは私が4番隊の隊長ってことも気づいちゃった?」

78: 2016/01/31(日) 15:19:03.302 ID:V+X0w+Kd0
八幡「はい。そう聞きました…」

陽乃「学生時代は最強なんて言われてたけど、今じゃ4番隊の癒しの隊長なんて呼ばれてるんだから、そんなに緊張しなくて平気よ?」


八幡「そういえば…4番隊は衛生兵ばかりなんでしたっけ?」


陽乃「その通り!お姉さんは白衣の天使なのだ♪」

79: 2016/01/31(日) 15:20:23.955 ID:V+X0w+Kd0
八幡「お注射されてぇ…って、そうじゃなくて…なぜ歴代最強の剣八であるあなたが4番隊に入隊したんすか?」

陽乃「私は『回道』って回復・治療用の鬼道に精通しててね、それを生かす為に4番隊に志願したのよ」

八幡「へぇ…でも剣八のあなたが、なんでまた回道なんて習得しようと思ったんすか?」



陽乃「だって、敵を頃したらそれで終わりって…つまらないじゃない」ニッコリ

80: 2016/01/31(日) 15:21:02.379 ID:V+X0w+Kd0
ゾクッ

八幡「えっと…それってどういう…?」


陽乃「そんなことより!どうして比企谷君は私の正体に辿り着くことが出来たのかしら?お姉さん、そっちのほうが気になるな~?」


八幡「えっと…実はかくかくしかじかで…」

82: 2016/01/31(日) 15:22:10.644 ID:V+X0w+Kd0
陽乃「なるほどね~斬魄刀について興味を持ったことで、色々なことが見えてきたってわけね。ふむふむ…関心関心。偉いぞ~比企谷君♪」ナデナデ

八幡「ちょっ!?か、からかわないで下さい…」


陽乃「それで、どうしたら斬魄刀の声を聞けるようになるか…だったかしら?比企谷君がどうしてもって言うなら、お姉さんが教えてあげようか?」


八幡「ほ、本当ですか!?」

83: 2016/01/31(日) 15:23:14.120 ID:V+X0w+Kd0
陽乃「えぇ。もちろん構わないわ」

八幡「あ、ありがとうございます…!それで一体どうしたら…?」


陽乃「斬魄刀は己の心の姿見。自分自身の心と向き合う為には…」


八幡「…為には?」


陽乃「とりあえず、1回氏ぬことね」ニッコリ

84: 2016/01/31(日) 15:24:13.541 ID:V+X0w+Kd0
八幡「し、氏ぬって…そんなこと…出来るわけ…」


陽乃「でも一番手っ取り早い方法であることは間違いないわ。危険だからもちろん学校では教えてくれないけどね~。てことで、比企谷君…お姉さんが頃してあげよっか?」


八幡「いえ!け、結構です!!」


陽乃「大丈夫だってば比企谷君。なにも本当に頃すわけじゃないわ。仮氏状態にして、その間に生じる臨氏体験によって斬魄刀と対話するってわけ」

85: 2016/01/31(日) 15:25:02.204 ID:V+X0w+Kd0
八幡「でも仮氏状態なんてどうやって…?」


陽乃「お姉さんがちょーっと霊圧を解放するだけで比企谷君は昏倒するから、その状態を治癒術で維持するってわけ。ね?簡単でしょ?よーし!それじゃ、やってみよー!」


ゾクッ


八幡「へ?ちょっ!?ちょっと待ってくd」ガクッ




陽乃「行ってらっしゃい♪比企谷君」

86: 2016/01/31(日) 15:26:06.784 ID:V+X0w+Kd0
八幡(……ん?どこだここ…?)

八幡(暗くて…自分の姿さえも見えない…)

八幡(これが深層心理って奴か…)

八幡(これじゃあ、斬魄刀の名前なんて見つかる筈ないよな…)

八幡(クソッ…どこか…どこかに光はないのか…?)




『…………君…』


八幡(ん?今、微かに声が…?)


『……谷君……企谷君!」


八幡(誰かが…俺の名前を呼んでる?)


『比企谷君!!起きて!!』

87: 2016/01/31(日) 15:27:02.976 ID:V+X0w+Kd0
八幡「はっ!俺は…一体…?」

陽乃「おはよう比企谷君♪比企谷君の家の前に着いたから起こしちゃった。それで、斬魄刀の名前は見つけられた?」


八幡「陽乃さん…いえ、ダメでした。名前どころか、何も見えない有様で…」


陽乃「やっぱりぜってー氏んでたまるか!って思えるようにならないと、見えてこないんだろうね~」

88: 2016/01/31(日) 15:28:07.467 ID:V+X0w+Kd0
八幡「きっとそういうことなんすね…。陽乃さん…俺、もうちょい自分なりに頑張ってみます」

陽乃「その意気だよ比企谷君!頑張ってね♪」

八幡「うす。それじゃあ…これで。今日はありがとうございました」

陽乃「まったね~比企谷君♪」


バタンッ


八幡「ぜってー氏んでたまるかなんて…どうやったら思えるのかね…?ま、じっくり考えてみますか…ただいま~」

89: 2016/01/31(日) 15:29:07.386 ID:V+X0w+Kd0
小町「あ!お兄ちゃんおかえり!あれ?お兄ちゃん、なんか疲れてない?」

八幡「実はかくかくしかじかでな…」


小町「へぇ~!お兄ちゃんが斬魄刀に興味を持つ日が来るなんて…戸塚さんに感謝しないとね♪」


八幡「どいつもこいつも…そんなに俺が斬魄刀に興味持つのがおかしいのかよ…」

90: 2016/01/31(日) 15:30:01.670 ID:V+X0w+Kd0
小町「おかしいよ!だって今のお兄ちゃん全然ゴミィちゃんらしくなくて、小町は思わず惚れ直しちゃったよ♪あ!今の小町的にポイント高い☆」

八幡「そりゃ…ありがとよ。ただ、いまいちコツがわかんなくてさ…一体どうしたら斬魄刀の声とやらが聞けるんだか…」


小町「大丈夫。きっとすぐお兄ちゃんにも聞こえるようになるよ。今のお兄ちゃんなら、きっと…」


八幡「おぅ。せいぜい足掻いてみるさ」

91: 2016/01/31(日) 15:31:13.962 ID:V+X0w+Kd0
小町「あ!そうだ!斬魄刀について興味を持ち始めたお兄ちゃんに一つ忠告しとくけど、カマクラには気をつけること!」


八幡「はぁ?カマクラがどうしたんだよ?」

小町「いいから!お兄ちゃんの身の安全の為なんだから!とにかく気をつけて!!」


八幡「お、おぅ…なんだか知らないけど、とにかくわかったよ」


小町「大丈夫!もしもの時は小町が守るから!あ!今の小町的にポイント高い☆」

92: 2016/01/31(日) 15:32:12.742 ID:V+X0w+Kd0
八幡の部屋

八幡「今日は疲れたな…。結局何も成果は得られなかったけど、一朝一夕で習得出来るようなものじゃないしな…」

八幡「とにかく、今日はもう寝るか…また明日頑張ろう…ん?」


カマクラ「にゃあ」


八幡「カマクラ…?そういや小町のやつが気をつけろって言ってたけど、なんだったんだ?」


カマクラ「にゃあ」

93: 2016/01/31(日) 15:33:02.936 ID:V+X0w+Kd0
八幡「なぁ…カマクラ?斬魄刀の名前って、どうやったらわかるんだろうな…」ナデナデ

カマクラ「にゃあ?」ゴロゴロ

八幡「ははっ…カマクラに聞いたってわかるわけないよな…何やってんだ俺は…」




カマクラ「貴公の願い、しかと聞き届けた。微力ながらこの儂が力になろう」





八幡「へ?」

94: 2016/01/31(日) 15:34:03.333 ID:V+X0w+Kd0
カマクラ「立たれよ。そして構えよ。儂のやり方は少々荒っぽく、貴公の身の安全は保障できぬ」


八幡「カ、カ、カマクラがしゃべったぁぁああ!?」


カマクラ「騒がしいぞ。さっさと構えよ。でなければ貴公は…氏ぬことになる!!」


ゾクッ


八幡「ッ!?」バッ

95: 2016/01/31(日) 15:35:02.633 ID:V+X0w+Kd0
カマクラ「ふむ。よい構えだ。それならば氏ぬこともあるまい…儂の必殺の一撃に耐え抜いた時、貴公にも斬魄刀の声が聞こえるだろう」

八幡「ちょっ、ちょっと待てカマクラ!?お前、カマクラだよな?どうしちゃったんだよ!?」


カマクラ「もはや言葉は不要…ゆくぞ!!轟け!!『天譴』!!!」



八幡「なっ!?」




カマクラ「さぁ!!最終ステージである!!比企谷八幡!!!」




ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

96: 2016/01/31(日) 15:36:06.425 ID:V+X0w+Kd0
八幡「なんだよこれ…なんだよこれぇ!?なんでカマクラが斬魄刀を…?一体何がどうなってるんだよ!?」


カマクラ「氏ぬ気で耐え抜け。儂の一撃は決してぬるくはないぞ!!参る!!」ブォンッ



八幡「なんだそのデカい手はぁぁああ!?くっそぉぉぉぉぉおお!!!!」



ズズン…

97: 2016/01/31(日) 15:37:12.215 ID:V+X0w+Kd0
カマクラ「儂の天譴は黒縄天譴明王の一部を具現化する。浅打ごときでは到底耐え抜ける攻撃ではない!比企谷八幡!!斬魄刀の声を聞くのだ!!さもなくば貴公は…氏ぬことになる!!!!」


八幡「氏にたくない…氏にたくないよぉ!?」



ガチャッ



小町「ちょっとお兄ちゃんなんの騒ぎ!?って…あっ…お、お邪魔しました…」


八幡「待て待て待て小町!!お願いだ!助けてくれぇ!?」

98: 2016/01/31(日) 15:38:11.121 ID:V+X0w+Kd0
小町「はぁ…仕方ないな~でも期待しないでね?唸れ!『灰猫』!!」

ブワッ

八幡「と、刀身が灰に!?小町…お前いつの間に始解なんて…?」



カマクラ「妹御に助けを求めるとは、なんたる愚かしさか!!この儂がそれを許すと思うかぁ!!!」ブォンッ



小町「きゃぁぁあああ!?」

99: 2016/01/31(日) 15:39:08.910 ID:V+X0w+Kd0
八幡「小町ッ!?」

カマクラ「どけ比企谷八幡。もう二度と邪魔立て出来ぬよう、妹御には再起不能になって貰わなければならん。なに命までは奪わんさ…儂の手元が狂わぬ限りは…な。ははは!ははははは!はははははははは!!」


八幡「んなこと…やらせるかよ!小町は…小町は俺が守る!!!」


八幡(頼む…俺の浅打…小町を守る力を…)


カマクラ「どかぬならばまとめて切り捨てるまで。悪く思うなよ?全ては貴公が望んだことだ。ゆくぞ!!」ブォンッ



八幡「力を貸してくれぇぇえええ!!!」




ズズン…

100: 2016/01/31(日) 15:40:03.683 ID:V+X0w+Kd0
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


カマクラ「ふん。幕切れか…。呆気ないものだったな。比企谷八幡…どうやら儂の見込み違いだったようだ」


八幡「……待てよ」


ゾクッ


カマクラ「!?」



八幡「待てよ化け猫…ここからが本番だぜ?」



ドドドドドドドドドドドドドドドドドド

102: 2016/01/31(日) 15:41:12.755 ID:V+X0w+Kd0
カマクラ「な!?今の一撃を耐え抜いたというのか!」

八幡「ギリギリ…斬魄刀の声が聞こえたのさ。悪いが、これから先はコッチのターンだぜ?」

カマクラ「ぐぬぬ…ふふっ…ははは!はははははははは!!面白い!貴公の力、存分に示すがいい!!」




八幡「いくぜッ!延びろ!『鬼灯丸』!!!」




カマクラ「!?」

103: 2016/01/31(日) 15:42:22.153 ID:V+X0w+Kd0
八幡「どーよこの俺の力!!って…あ、あれ?」

カマクラ「や、槍になった…?」

八幡「槍になった…な…」


カマクラ「むぅ…い、一体その槍にどんな特殊能力が!?迂闊に動けん!!」



八幡「いや…特殊能力とか、そんなのは一切無いっぽい」



カマクラ「!?」

104: 2016/01/31(日) 15:43:22.859 ID:V+X0w+Kd0
八幡「あぁ!でも取説によると、もう一つ形状変化が可能らしい!!」

カマクラ「そ、そうか…では恐らく、そのもう一つの形状とやらが、その斬魄刀の真の力!!さぁ!遠慮はいらん!!儂に力を示すのだ!!」


八幡「へ。後悔したって知らねぇぜ?裂けろ!『鬼灯丸』!!!!」


くにゃ…


カマクラ「!?」


八幡「!?」

105: 2016/01/31(日) 15:44:08.399 ID:V+X0w+Kd0
カマクラ「これは…一体…?」

八幡「ど、どうやら三節棍って感じだな…」

カマクラ「三節棍?槍を三節棍にしてどうする!?」


八幡「んなこと…俺に聞くなよ。俺だって困惑してんだから…」


カマクラ「ほ、他には何かないのか!?13km伸びるとか、三節とは言わずに沢山の関節にわけて自在に攻撃出来るとか、2度同じ箇所に刺したら相手を頃しせしめるとか!?」

106: 2016/01/31(日) 15:45:01.704 ID:V+X0w+Kd0
八幡「ない。取説にもそんなこと一つも書いてなかった…」


カマクラ「そうか…」

八幡「おい。勝負…どうすんだよ?」


カマクラ「ん?あぁ…興が冷めた…。すまなかったな…いろいろと」


八幡「いや、こっちこそ、期待に沿えずにごめんな」

107: 2016/01/31(日) 15:46:07.757 ID:V+X0w+Kd0
カマクラ「いや、気にするな。んじゃ、儂、ただの猫に戻るから…」

八幡「あ、あぁ…また気が向いたら声掛けてくれよ…」

カマクラ「…にゃあ」



八幡「一件落着だな。釈然としないけど…」


小町「うっ…お、兄ちゃん…?」

108: 2016/01/31(日) 15:47:04.329 ID:V+X0w+Kd0
八幡「小町!目が覚めたか!?もう大丈夫だ!カマクラは手を引いてくれたよ」

小町「その槍…もしかして…お兄ちゃんがカマクラをやっつけてくれたの…?」


八幡「いや、俺の斬魄刀のあまりのしょぼさに失望したみたいだ」


小町「お兄ちゃん…お兄ちゃんはどこまで残念なの…って!?お兄ちゃん!!その頭どうしたの!?」

109: 2016/01/31(日) 15:48:15.377 ID:V+X0w+Kd0
八幡「へ?頭?頭がどうかしたのか…って、あれ?髪が…髪がなぃぃぃいい!?」

小町「ハ、ハゲてもお兄ちゃんはお兄ちゃんだよ!あ!今の小町的にポイント高い☆」


八幡「気休めはやめろぉぉぉおぉおお!!!」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




小町「お兄ちゃん!お兄ちゃん!朝だよ!ほらっ起きて!!」


八幡「はっ!こ、小町…?俺は一体…そうだ!髪は!?」



クシャッ



八幡「は、ははっ…生えてる。髪生えてるよぉぉぉぉおぉおお!!」

110: 2016/01/31(日) 15:49:15.703 ID:V+X0w+Kd0
小町「何そんな喜んでるのお兄ちゃん?あ!まさか最近薄くなってきたとか!?」

八幡「いや、酷い悪夢を見てな。良かった…本当に夢で良かった…」


小町「そういえばお兄ちゃん、すごくうなされてたし、よっぽど怖い夢だったみたいだね」


八幡「良かった…夢で…本当に良かった…」

111: 2016/01/31(日) 15:50:06.858 ID:V+X0w+Kd0
小町「寝る前にこんな漫画を読むから悪夢を見ちゃうんじゃないの?」

八幡「そういや昨日、寝る前に『BLEACH』を読んで…そのまま寝落ちしたんだっけか?」


小町「ほらっ!お兄ちゃんさっさと起きて!早く朝ごはん食べないと遅刻しちゃうよ!」


八幡「あぁ…すまん。すぐ行くよ」

112: 2016/01/31(日) 15:51:02.640 ID:V+X0w+Kd0
八幡「行ってきます!」

小町「気をつけてねお兄ちゃん!」


八幡「やっべ…走らないと遅刻しちまいそうだ…」

材木座「おーい!八幡ー!」

八幡「基本的に省エネがモットーなんだが、仕方ない…走るか」


材木座「だから我を無視するでないと何度言ったらわかるのだ!?」

113: 2016/01/31(日) 15:52:02.548 ID:V+X0w+Kd0
八幡「ん?なんだ材木座…居たのか」


材木座「ムハハハ!我はどこにでも居るし、どこにも居ない!!何故ならばそう!新世界の神だから!!」

八幡「あーはいはい。すごいすごい」


材木座「あっさり流すとはなんたる不届き!!ゴラムゴラム!時に八幡よ…今日は随分遅い登校ではないか。何かあったのか?」

114: 2016/01/31(日) 15:53:04.859 ID:V+X0w+Kd0
八幡「あー実はちょっと悪夢を見てな…それで寝坊したんだ」

材木座「ふむ。悪夢とな?」

八幡「今考えるとバカバカしい夢だったよ。なんで途中で夢だと気付けなかったのか不思議なくらい馬鹿げた夢だった」



材木座「いつから…」



ゾクッ



八幡「なっ!?…まさか…お前…!」





材木座「いつからそれを夢だと錯覚していた?」





ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド





FIN

115: 2016/01/31(日) 16:06:29.362
おもしろかったぞ

116: 2016/01/31(日) 16:06:59.470
良かった

引用元: 戸塚「卍解!大紅蓮氷輪丸!!」八幡「!?」