1: 2011/01/15(土) 02:32:46.60 ID:nyTXRv+80
澪「あ、ありがとう?」

唯「生まれてきてくれてありがとうってこと!」

澪「もう///」

2: 2011/01/15(土) 02:33:16.03 ID:nyTXRv+80
唯「それじゃあはいこれ、誕生日プレゼント!」スッ

澪「ありがとう。……あ、このぬいぐるみ」

唯「うん! 澪ちゃん前欲しいって言ってたでしょ」

澪「うん。嬉しい/// 覚えててくれたんだ。でも、高かったでしょ?」

唯「えへへー、実は、澪ちゃんに内緒でバイトしてたんだ! りっちゃんの紹介で」

澪「えっ嘘っ! 全然気付かなかった」

唯「隠しててごめんね。でも、澪ちゃんと付き合って初めての誕生日だから、ちょっと張り切っちゃった!
  喜んで貰えて嬉しいよ」

澪「うん……本当に嬉しい。ありがとう、唯」グスッ

唯「ああ、澪ちゃん、このくらいで泣いてちゃ駄目だよ。誕生日プレゼントはまだあるんだから!」

澪「え?」

3: 2011/01/15(土) 02:33:38.42 ID:nyTXRv+80
澪「まだあるって、何?」

唯「ふふふー、それはね、私が、今日澪ちゃんがする『お願い』を何でもきいてあげることです!」

澪「な、何でも?」

唯「そうだよ! 何でもだよー! でも、あんまり無茶なのは駄目だよ!」

澪「それじゃあ何でもじゃないじゃないか」クスッ

唯「もー、そういうこと言わないの! ……でも、ちょっと眠くなって来ちゃった。一回寝よっか」ファァ

澪「遅くまで起きてるから」

唯「だって、おめでとうは0時きっかりに言わなきゃ意味ないもん」

澪「ふふふ、ありがと。それじゃあ寝よっか」

4: 2011/01/15(土) 02:34:21.25 ID:nyTXRv+80
澪「あ!」

唯「?」

澪「じゃ、じゃあ、最初の『お願い』。
  唯に、抱きつきながら寝てもいいかな///」

唯「おおおー。勿論だよ! さぁ、私に飛び込んできて!」ドサッ

澪「う、うん。じゃあ」ギュー

唯(あ、あれ、でもこれ、思ったより恥ずかしい///)

唯「み、澪ちゃん、その///」

澪「ん?」

唯「む、胸が///」

澪「!!」カァァ パッ

澪「や、やっぱり普通に寝ようか///」

唯「う、うん///」

澪「///」

唯「///」

6: 2011/01/15(土) 02:35:18.53 ID:nyTXRv+80
チュンチュン

澪「ゆーい、唯、朝だぞー! 起きて」

唯「ん……うーん。もう朝?」

澪「うん。ほら、朝ご飯作ったから、起きて」

唯「え!? あー、今日くらいは私が朝ご飯作ろうと思ってたのに!」

澪「ふふふ。気持ちだけ受け取っとくよ」

唯「むぅぅ。ごめんね、澪ちゃん」

澪「何で謝るんだよ。いいの。私は唯が私の料理食べて美味しいって言ってくれたら、幸せなんだからさ」ナデナデ

唯「……うん。ありがとう、澪ちゃん」

7: 2011/01/15(土) 02:36:24.35 ID:nyTXRv+80
澪「今日これからどうしよっか?」

唯「澪ちゃん、どこか行きたいところないの?」

澪「やっぱりいつもみたいに映画とかファッションモールとか?
  唯はどこかない?」

唯「うーん、あ、そういえば和ちゃんに聞いたんだけど、
  私がちっちゃいころ良く行ってた遊園地がもうちょっとで潰れちゃうらしいから、最後に一回行っておきたいなぁ……。
  って、今日は澪ちゃんの行きたいところに行くんだよ!」

澪「でも私もそこ行ってみたいかも。唯が小さいころ行ってたって興味あるし、それに、冬の遊園地って何か好きだし」

唯「そう? じゃあそこでいいかな?」

澪「うん、じゃあ早く食べて支度しよ」

8: 2011/01/15(土) 02:37:20.27 ID:nyTXRv+80
そと!

唯「ううう、ちょっと寒いかもね」

澪「ほら、マフラー巻きなさい」

唯「ありがと、澪ちゃん。電車で行けるから、取りあえず駅行こっか」

澪「そうだな。じゃあ、う、腕組んで歩いてもいいかな/// 『お願い』」

唯「勿論だよ! 『お願い』をそんなことに使うなんて、澪ちゃんは可愛いなぁ」

澪「け、結構恥ずかしいんだからな///」

9: 2011/01/15(土) 02:38:37.86 ID:nyTXRv+80
えき!

澪「どの切符買えばいいの?」

唯「えーと、ちょっと待ってね。あ、多分これだと思う!」

澪「怪しいな。ほんとに大丈夫なんだろうな?」

唯「大丈夫だよ、もー。澪ちゃんは行ったことない? ――って、遊園地なんだけど」

澪「うん。行ったことないなぁ」

唯「そっか。私ももう記憶が曖昧だなぁ。結構行ったことあるのに」

澪「大丈夫か不安になってきた」

唯「場所くらいは覚えてるよー。信用ないなぁ」

澪「嘘だよ。信じる」ナデナデ

唯「えへへ。あ、電車来たよ!」

10: 2011/01/15(土) 02:40:06.68 ID:nyTXRv+80
でんしゃ!

唯「はい、澪ちゃんお先にどうぞっ!」

澪「どうした? 唯いっつも窓際に座りたがるのに」

唯「今日は澪ちゃんの誕生日だもん!」

澪「ああ、そんな気を使わなくていいよ。私は唯に座って欲しい」

唯「そ、そう?」

澪「うん」

唯「ほんとに? 澪ちゃん、遠慮してるんじゃないの?」

澪「そんなことないよ。唯が嬉しいと、私も嬉しいんだから。
  ほら、座りなよ。『お願い』」

唯「う、うん。ありがとう、澪ちゃん///」

澪「いいのいいの」ナデナデ

11: 2011/01/15(土) 02:41:24.42 ID:nyTXRv+80
ゆうえんちまえ!

唯「ついたー!」

澪「ここか。休日なのに、空いてるなぁ」

唯「昔私達が来た時は、すっごい混んでたのになぁ……」

澪「それより、中入ろっか」

唯「うん。あ、フリーパス買うか中で回数券買うか選べるんだけど、どっちがいい?」

澪「フリーパスにしようよ。折角だし遊び尽くそう」

唯「でも、ジェットコースターとか大丈夫?」

澪「う……、が、頑張る」

唯「ふふふ。でも、あんまり怖くないアトラクションも結構あるから大丈夫かもね。
  じゃあ、フリーパス2つで」

12: 2011/01/15(土) 02:43:06.58 ID:nyTXRv+80
えんない!

唯「中に入ってみると、改めて空いてるの実感するね。何だか寂しいなぁ……」

澪「いいじゃないか。それだけいっぱい遊べるってことなんだから」

唯「……それもそっか。澪ちゃん、最初何乗りたい?」

澪「うーん、メ、メリーゴーランド、とか///」

唯「澪ちゃんはほんとにロマンチックだねぇ」

澪「うるさい/// いいだろ」

唯「うん! 可愛いよ!」

澪「なっ、か、からかうな!」カァァ

唯「からかってなんかないよー。ほんとに可愛いもん。じゃ、行こっか」

13: 2011/01/15(土) 02:44:08.71 ID:nyTXRv+80
唯「フリーパスですっ」フンス

澪「そんな偉そうにしなくても」

係員「どうぞ」

唯「どうせなら二人で乗ろっか! 澪ちゃん、前と後ろどっちがいい?」

澪「後ろがいい」

唯「じゃあ私が前ねっ! あっでも澪ちゃんが後ろだと……」

澪「?」

唯「また、む、胸が///」

澪「なっ/// やっぱり私が前にする///」

14: 2011/01/15(土) 02:45:38.55 ID:nyTXRv+80
澪「じゃあ、先乗るぞ」

唯「うん」

澪「よいしょっと」

唯「えいっ」ギュー

澪(! わ、私が前だと唯の胸が/// でも、これはこれで///)

ウィーン

唯「あっ、動き出した」

澪(どの道どっちかはこうなるんだし/// しょ、しょうがないよな///)

唯「私の白馬の王子様ー♪」

澪「な、何言ってるんだよ///」

唯「えへへーロ澪を思い出すねー」

澪「思い出させるなっ///」

唯「でも本当に格好良かったもん。澪ちゃんはもっと自分に自信を持たないと!」

澪「もう///」

17: 2011/01/15(土) 02:46:58.11 ID:nyTXRv+80
唯「次はどれ乗ろっか?」

澪「コーヒーカップ、とか///」

唯「相変わらずだねぇ」

澪「やっぱり嫌?」

唯「ううん。私も好きだし」

澪「じゃ、じゃあいいかな」

唯「……」

澪「唯?」

唯「ん? あっごめん、ちょっとぼーっとしてた! じゃあ、コーヒーカップ行こうよ!」

澪「う、うん」

18: 2011/01/15(土) 02:48:05.07 ID:nyTXRv+80
唯「くるくる~」

澪「ちょっと唯、回しすぎっ!」

唯「えへへ、だってこれ楽しいんだも~ん」

澪「もう、子どもか」

唯「澪ちゃんも回してみなよ~。結構楽しいよ~」

澪「じゃ、じゃあちょっとだけ」クルクル

澪「あ、確かにちょっと楽しい、かも」

唯「でしょでしょ! くるくる~」

澪「あはは、くるくる~」

19: 2011/01/15(土) 02:48:28.26 ID:nyTXRv+80
澪「酔った……」

唯「大丈夫、澪ちゃん? あそこに椅子あるからちょっと休もっか。背中さすってあげる!」サスサス

澪「ありがとう。やっぱり調子にのるものじゃないな」

唯「でも、はしゃいでる澪ちゃん可愛かったよ!」

澪「そ、そう?」

唯「うんっ! もっとはしゃいでもいいんだよ」

澪「それはやめとく」

唯「え~、何で?」

澪「唯がはしゃいで、私もはしゃいだら収集つかないだろ」

唯「ひ、酷いよ澪ちゃん!」

澪「ふふふ、冗談冗談」ナデナデ

21: 2011/01/15(土) 02:49:50.56 ID:nyTXRv+80
澪「ふぅ。大分よくなった。唯、背中ありがと」

唯「えへへ、どういたしまして。
  じゃあ次何乗る?」

澪「うーん、次は唯が決めてよ」

唯「えっ、いいの?」

澪「うん。『お願い』」

唯「なんだかこじんまりとした『お願い』だなぁ。
  じゃあ、パラトルーパーとかどう?」

澪「パラトルーパー?」

唯「ゴンドラが空中でくるくる回るやつ。あっあそこにあるあれだよっ」

澪「ああ、あれか。あれならそんなに怖くなさそう」

唯「うんっ。じゃああれでいい?」

澪「うん。じゃあ行こ」

22: 2011/01/15(土) 02:51:21.50 ID:nyTXRv+80
澪「これも二人乗りか」

唯「怖かったらいつでも抱きついて来ていいんだよ」

澪「流石にこれでは怖がらないよ」

唯「あっ動き出した」

澪「……うん、これならだいじょきゃあ! 何これ、こんなに高くあがるの!? 外から見てると大したことなく見えたのに!!」

唯「うん、結構高くまであがるよ~」

澪「……」ギュー

唯「大丈夫だよ、澪ちゃん。私がついてるから。ほら、下見てみなよ。綺麗な景色だよ」ナデナデ

澪「う、うん/// ほんとだ、綺麗……」

23: 2011/01/15(土) 02:52:44.62 ID:nyTXRv+80
唯「ふふん。次何乗ろっか。あれであんなに怖がるんじゃあ、ジェットコースターは無理そうだね」

澪「でも、唯は乗りたいでしょ?」

唯「……澪ちゃんと一緒じゃなきゃ、乗ったって意味ないよ!」

澪(……)

澪「……決めた! 私、ジェットコースターに乗る!」

唯「ええ!? 澪ちゃん、無理しなくていいんだよ!」

澪「でも、唯とジェットコースター乗ってみたいし///」

唯「澪ちゃん……」

澪「あ、でも、こ、心の準備させてっ! そうだっ午後! 午後乗ろう!」

唯「うん。澪ちゃん、駄目そうだったら無理しないでね」

24: 2011/01/15(土) 02:56:47.23 ID:nyTXRv+80
――

しょくどう!


唯「ふぅ~結構遊んだね」

澪「うん。だいぶ乗り物にもなれて来た。これなら、ジェットコースターも大丈夫……かも」

唯「ほんとに無理しないでよ? 私、ジェットコースターに乗らなくても全然楽しいんだから」

澪「でもやっぱり、折角遊園地に来たなら乗っておかないと」

唯「じゃあ一番怖くないのにしよっか。空中で回転するのとかは流石に駄目でしょ?」

澪「そ、それは怖いっ!」ブルブル

唯(か、可愛い///)

25: 2011/01/15(土) 02:59:27.34 ID:nyTXRv+80
じぇっとこーすたーまえ!

唯「これなら昇って降りるだけだから、多分他のより怖くないよっ」

澪「う、うん。じゃあ」

唯「ほんとに大丈夫?」

澪「うん。怖かったら、唯に抱きつく///」

唯「うん。私にしがみついてるといいよ。じゃあ、行こっか」

26: 2011/01/15(土) 03:01:04.87 ID:nyTXRv+80
ガタンガタン……

澪「い、いざ動き出すと、怖くなってきたかも。安全バー下ろしたらしがみつけなくなったし……」

唯「ほら、じゃあ私の手、握ってなよ」

澪「う、うん」

ガタンガタン

澪「ま、まだ昇るのか」

ピタッ

ゴォォオオオオオオオオオ

澪「きゃ、きゃああああああああああああああ!! こわいこわいこわいこわい!!」

唯「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


唯「楽しかったー! って、澪ちゃん?」

澪「も、もう、駄目……」グッタリ

唯「やっぱり無理してたんだね……。でも、ありがとう澪ちゃん。あっちでちょっと休も」

澪「う、うん」

27: 2011/01/15(土) 03:03:28.88 ID:nyTXRv+80
唯「よいしょっと。大丈夫、澪ちゃん?」

澪「う、うん。唯、ひ、膝枕して貰っても、いいかな/// 『お願い』」

唯「おおー積極的だねぇ。はい、どうぞ」ポンポン

澪「じゃ、じゃあ///」

唯「えへへ。澪ちゃん、ありがとね。私のために、頑張ってくれて」ナデナデ

澪「ううん。私も、怖がりとか克服したいと思ってたし、って唯?」

唯「……ん? あ!? ごめん、またぼうっとしてた」

澪「……考え事?」

唯「ううん。何でもない。澪ちゃん落ち着いたら、今度はあんまり怖くない奴乗ろうね」

澪「うん、そうする」

29: 2011/01/15(土) 03:05:25.67 ID:nyTXRv+80
――

唯「おおーもうこんな時間かぁ」

澪「ほんとに遊びつくした感じだな」ノビー

唯「でも、最後にあれが残ってるよね」

澪「ああ、そうだな」

唯「観覧車、乗ろ!」

30: 2011/01/15(土) 03:07:44.37 ID:nyTXRv+80
かんらんしゃ!

唯「やっぱり最後はこれだよね~」

澪「そうだな。唯、今日はほんとにありがとね。楽しかった」

唯「私の方こそ、澪ちゃんの誕生日なのに、付き合って貰っちゃって」

澪「そんなことないよ。私も来たかったし」

唯「えへへ、そう言ってもらえると嬉しいな」

唯「……」

澪「どうした? 唯?」

唯「あっ、ううん、またぼーっとしちゃってただけ」

澪「ほんとに?」

唯「うん。それより澪ちゃん、見てみて、景色が綺麗だよっ」

澪「ほんとだ……凄い。詩が作れそう……」

唯「やっぱり高いとこからの景色は格別だねぇ」

澪「……」ギュー

唯「澪ちゃん///」

31: 2011/01/15(土) 03:09:20.22 ID:nyTXRv+80
かえりみち!

唯「うーん、楽しかったね! 後は家に帰ってケーキ食べよっか」

澪「ケーキの前に晩御飯な」

唯「晩御飯は私が作るからねっ!」

澪「ふふ、じゃあお願いしちゃおうっかな」

唯「……」

澪「唯?」

唯「あっごめん澪ちゃん、また……」

澪「ほんとにどうしたの? ……もしかして、楽しくなかった? 私が、全然絶叫系のやつに乗れないから……」

唯「ううん! そんなことないって! すっごく楽しかったよ!」

澪「じゃあ、何で?」

唯「……うん。ちょっと、不安になって来ちゃって」

澪「不安?」

32: 2011/01/15(土) 03:11:36.86 ID:nyTXRv+80
唯「うん……私達が子供の時にはあんなに賑わってた遊園地にほとんど人がいなくて、
  ああ、もう潰れちゃうんだなぁ……って実感して。時間が経てば、変わっていっちゃうんだなぁと思って。
  私達も今はこんなに楽しいけど、いつかは別れちゃうのかなぁって、不安になって来ちゃったんだ……」

澪「唯……」

唯「私、いっつも澪ちゃんに迷惑かけてばっかりだし、いつか澪ちゃんが、私のこと嫌いになるかもしれないんじゃないかなぁって……」

澪「唯」ギュー

唯「澪ちゃん///」

澪「約束するよ。私は、絶対唯のこと嫌いになんかならない。
  迷惑だなんて思ってないよ。私は、唯の笑顔が大好きなんだ。それさえあれば、他の何にもいらないくらい」

唯「///」

澪「だから、私の方からも、『お願い』」

澪「これからもずっとずっと、私の恋人でいて下さい///」


おしまい

33: 2011/01/15(土) 03:14:13.55
ブラボー!

お誕生日おめでとう!!

34: 2011/01/15(土) 03:15:45.71


澪ちゃん誕生日おめでとう

引用元: 唯「澪ちゃん、誕生日ありがとう!」