1: 2017/07/27(木) 20:36:57.252 ID:SzLfSCL+0
ーラフィエルの家ー
ラフィエル「……」
ラフィエル「ふぅ……宿題はこれくらいにしておきますかね」
ラフィエル「あら、もう1時……。夏休みとはいえ、夜更かしはいけないですね」
チャララー♪
『ミッドナイト・ヨーガ!』
ラフィエル「いけない、テレビをつけっぱなしでしたね」
『みなさんこんばんは! ミッドナイト・ヨーガのお時間がやってまいりました!』
ラフィエル「はて? ヨーガとは一体何でしょう?」
ラフィエル「……」
ラフィエル「ふぅ……宿題はこれくらいにしておきますかね」
ラフィエル「あら、もう1時……。夏休みとはいえ、夜更かしはいけないですね」
チャララー♪
『ミッドナイト・ヨーガ!』
ラフィエル「いけない、テレビをつけっぱなしでしたね」
『みなさんこんばんは! ミッドナイト・ヨーガのお時間がやってまいりました!』
ラフィエル「はて? ヨーガとは一体何でしょう?」
2: 2017/07/27(木) 20:38:26.402 ID:SzLfSCL+0
『ヨーガとは、心・体・魂を宇宙と一体化させることで、精神を鍛える修行法のこと』
ラフィエル「ふむふむ……」
『美容や健康に効果があるので、今や女性に大ブームなのです!』
ラフィエル「それは素晴らしいですね!」
『ヨーガを極めれば、腕が伸びたり、口から火を吹いたりもできるんだぜ!』
ラフィエル「それは遠慮しておきます」
ラフィエル「ふむふむ……」
『美容や健康に効果があるので、今や女性に大ブームなのです!』
ラフィエル「それは素晴らしいですね!」
『ヨーガを極めれば、腕が伸びたり、口から火を吹いたりもできるんだぜ!』
ラフィエル「それは遠慮しておきます」
3: 2017/07/27(木) 20:40:06.161 ID:SzLfSCL+0
『今日ご紹介するヨーガは、疲れた体を癒す『睡眠のポーズ』!』
ラフィエル「あら、ちょうどいいじゃないですか」
『正式名称『ヨーガ・ニドラー・アーサナ』と言い、強力な前屈のポーズで効果は抜群です!』
ラフィエル「これは是非試してみなくては!」
ラフィエル「あら、ちょうどいいじゃないですか」
『正式名称『ヨーガ・ニドラー・アーサナ』と言い、強力な前屈のポーズで効果は抜群です!』
ラフィエル「これは是非試してみなくては!」
4: 2017/07/27(木) 20:42:10.146 ID:SzLfSCL+0
『まず、仰向けに寝て、膝を曲げて足を持ち上げます』
ラフィエル「ふむふむ」ゴロン
『次に、片方の足のかかとを掴み、首の後ろに回します』
ラフィエル「ふむ……ふむ……」グイッ
『そして、もう片方の足のかかとも同じように首の後ろへ持っていきます』
ラフィエル「……うぐっ……むむむ……」グググ
『両足が外れないように、互いを交差させ、がっちりロックします』
ラフィエル「んあっ……くっ……はっ……」グイグイ
『最後に両腕を太ももの上から背中に回して手を組みます』
ラフィエル「はうっ! ふわああああ!」ガシッ
『これで完成! ヨーガ・ニドラー・アーサナ!』シャキーン
ラフィエル「はあっ、はあっ、かなり苦しいポーズですねぇ」ハアハア
ラフィエル「ふむふむ」ゴロン
『次に、片方の足のかかとを掴み、首の後ろに回します』
ラフィエル「ふむ……ふむ……」グイッ
『そして、もう片方の足のかかとも同じように首の後ろへ持っていきます』
ラフィエル「……うぐっ……むむむ……」グググ
『両足が外れないように、互いを交差させ、がっちりロックします』
ラフィエル「んあっ……くっ……はっ……」グイグイ
『最後に両腕を太ももの上から背中に回して手を組みます』
ラフィエル「はうっ! ふわああああ!」ガシッ
『これで完成! ヨーガ・ニドラー・アーサナ!』シャキーン
ラフィエル「はあっ、はあっ、かなり苦しいポーズですねぇ」ハアハア
7: 2017/07/27(木) 20:44:18.196 ID:SzLfSCL+0
『この姿勢をキープすれば、肩こりや腰痛の緩和、内臓の働きの活発化、リラックス効果が期待できます!』
ラフィエル「す、素晴らしい効果です! 頑張ってキープしなければ……」
『では今夜はこれまで! 来週もまた見てくれよな! ヨーガッ!!』
チャララー♪
ラフィエル「番組が終わってしまいましたね。とりあえずこのままでいましょう」
ラフィエル「す、素晴らしい効果です! 頑張ってキープしなければ……」
『では今夜はこれまで! 来週もまた見てくれよな! ヨーガッ!!』
チャララー♪
ラフィエル「番組が終わってしまいましたね。とりあえずこのままでいましょう」
12: 2017/07/27(木) 20:47:22.872 ID:SzLfSCL+0
ラフィエル「……」
ラフィエル「なんだか体がポカポカしてきましたね」
ラフィエル「あー……確かにリラックスできてる気がします……」
ラフィエル「……」
ラフィエル「ところで、どれくらいの時間キープすればいいんですかね?」
ラフィエル「……」
ラフィエル「そろそろ……外してもいいですよね?」
ラフィエル「夜も遅いですし……」
ラフィエル「ふぅ、もう外してしまいましょう」
ラフィエル「よいしょ……」グググ
ラフィエル「……あれ?」
ラフィエル「せーの!」グググ
ラフィエル「……」
ラフィエル「嘘、ですよね?」
ラフィエル「なんだか体がポカポカしてきましたね」
ラフィエル「あー……確かにリラックスできてる気がします……」
ラフィエル「……」
ラフィエル「ところで、どれくらいの時間キープすればいいんですかね?」
ラフィエル「……」
ラフィエル「そろそろ……外してもいいですよね?」
ラフィエル「夜も遅いですし……」
ラフィエル「ふぅ、もう外してしまいましょう」
ラフィエル「よいしょ……」グググ
ラフィエル「……あれ?」
ラフィエル「せーの!」グググ
ラフィエル「……」
ラフィエル「嘘、ですよね?」
14: 2017/07/27(木) 20:49:13.763 ID:SzLfSCL+0
ラフィエル「いえいえ、まさか……」グググ
ラフィエル「……」
ラフィエル「いっせーのーせっ!」グググ
ラフィエル「……」
ラフィエル「は、外れない……?」
ラフィエル「そんな! どうしましょう!?」ガーン
ラフィエル「……」
ラフィエル「いっせーのーせっ!」グググ
ラフィエル「……」
ラフィエル「は、外れない……?」
ラフィエル「そんな! どうしましょう!?」ガーン
15: 2017/07/27(木) 20:51:26.450 ID:SzLfSCL+0
ラフィエル「ひ、ひとまず落ち着くのです私!」
ラフィエル「まずは冷静になって状況を把握しましょう」
ラフィエル「現在時刻は深夜1時15分……」
ラフィエル「とても大声で助けを呼んでいい時間ではありません」
ラフィエル「といいますか、こんな姿を他人に見られるわけにはいきません!」
ラフィエル「携帯電話は……枕元にありますね」
ラフィエル「こうなれば恥を忍んで友人に助けを……」
ラフィエル「誰にかけましょうか……」
ラフィエル「ここは同じ天使であるガヴちゃんに……」
ラフィエル「いえ、昔の優等生だった頃のガヴちゃんなら安心して助けを呼べましたが」
ラフィエル「今の駄天したガヴちゃんを呼んだら……」
ラフィエル「まずは冷静になって状況を把握しましょう」
ラフィエル「現在時刻は深夜1時15分……」
ラフィエル「とても大声で助けを呼んでいい時間ではありません」
ラフィエル「といいますか、こんな姿を他人に見られるわけにはいきません!」
ラフィエル「携帯電話は……枕元にありますね」
ラフィエル「こうなれば恥を忍んで友人に助けを……」
ラフィエル「誰にかけましょうか……」
ラフィエル「ここは同じ天使であるガヴちゃんに……」
ラフィエル「いえ、昔の優等生だった頃のガヴちゃんなら安心して助けを呼べましたが」
ラフィエル「今の駄天したガヴちゃんを呼んだら……」
17: 2017/07/27(木) 20:53:27.936 ID:SzLfSCL+0
ポワワワーン
ガヴリール『ぶわっはっはっは! なんだその恰好は!』
ガヴリール『助けてやってもいーけどさー。その代わり礼は弾んでもらうぞ?』
ガヴリール『ラフィエルはお金持ちだからなー! 楽しみにしてるぞ?』
ガヴリール『は? じゃあこのことみんなに言いふらすぞ? いいのか?』
ポワワワーン
ガヴリール『ぶわっはっはっは! なんだその恰好は!』
ガヴリール『助けてやってもいーけどさー。その代わり礼は弾んでもらうぞ?』
ガヴリール『ラフィエルはお金持ちだからなー! 楽しみにしてるぞ?』
ガヴリール『は? じゃあこのことみんなに言いふらすぞ? いいのか?』
ポワワワーン
19: 2017/07/27(木) 20:54:51.566 ID:SzLfSCL+0
ラフィエル「うう、こんなこともありえます……」
ラフィエル「ガヴちゃんはやめておきましょう……」
ラフィエル「ではサターニャさん?」
ラフィエル「しかし、私の日頃の行いが……」
ラフィエル「ガヴちゃんはやめておきましょう……」
ラフィエル「ではサターニャさん?」
ラフィエル「しかし、私の日頃の行いが……」
21: 2017/07/27(木) 20:57:10.840 ID:SzLfSCL+0
ポワワワーン
サターニャ『なーはっはっは! なんて恰好してるのよラフィエル!』
サターニャ『無様ね~。いい気味だわ!』
サターニャ『いつも私に意地悪ばかりしているから罰が当たったのよ!』
サターニャ『さぁ~て、日頃の恨みを晴らさせてもらうわよ? 覚悟しなさい!』
ポワワワーン
サターニャ『なーはっはっは! なんて恰好してるのよラフィエル!』
サターニャ『無様ね~。いい気味だわ!』
サターニャ『いつも私に意地悪ばかりしているから罰が当たったのよ!』
サターニャ『さぁ~て、日頃の恨みを晴らさせてもらうわよ? 覚悟しなさい!』
ポワワワーン
23: 2017/07/27(木) 20:59:06.525 ID:SzLfSCL+0
ラフィエル「うぅ、きっとこんな展開になるでしょう……」
ラフィエル「こんなことになるなら普段から優しくしていればよかった……」
ラフィエル「やはりここはヴィーネさんに頼るほかないですね」
ラフィエル「ヴィーネさんは悪魔であるにもかかわらず、とても優しい心の持ち主です」
ラフィエル「彼女ならきっと……」
ラフィエル「こんなことになるなら普段から優しくしていればよかった……」
ラフィエル「やはりここはヴィーネさんに頼るほかないですね」
ラフィエル「ヴィーネさんは悪魔であるにもかかわらず、とても優しい心の持ち主です」
ラフィエル「彼女ならきっと……」
25: 2017/07/27(木) 21:01:10.760 ID:SzLfSCL+0
ポワワワーン
ヴィーネ『ラフィエル! 大丈夫!?』
ヴィーネ『すぐに助けてあげるからね!』
ヴィーネ『え? お礼? 何言ってるのよ』
ヴィーネ『友達を助けるのは当然のことよ!』
ポワワワーン
ヴィーネ『ラフィエル! 大丈夫!?』
ヴィーネ『すぐに助けてあげるからね!』
ヴィーネ『え? お礼? 何言ってるのよ』
ヴィーネ『友達を助けるのは当然のことよ!』
ポワワワーン
26: 2017/07/27(木) 21:03:09.655 ID:SzLfSCL+0
ラフィエル「きっとこうなるでしょう」
ラフィエル「よし、では早速ヴィーネさんに電話を……」
グイッ グイッ
ラフィエル「な、なんということでしょう!?」
ラフィエル「全然動けません!」
ラフィエル「電話まで手が届きません……」シクシク
ラフィエル「よし、では早速ヴィーネさんに電話を……」
グイッ グイッ
ラフィエル「な、なんということでしょう!?」
ラフィエル「全然動けません!」
ラフィエル「電話まで手が届きません……」シクシク
28: 2017/07/27(木) 21:05:17.699 ID:SzLfSCL+0
ラフィエル「……よく考えたら」
ラフィエル「仮に電話で呼べたとしても、玄関に鍵とチェーンがかかっているので誰も入れません」
ラフィエル「そうなった場合、最悪は救急隊の方々が来て、この恥ずかしい姿を……」
ラフィエル「それは絶対にダメです! お嫁にいけません! 末代までの恥です!」
ラフィエル「ハッ! 私がここで力尽きてしまえば、私が末代です……」ガクガク
ラフィエル「仮に電話で呼べたとしても、玄関に鍵とチェーンがかかっているので誰も入れません」
ラフィエル「そうなった場合、最悪は救急隊の方々が来て、この恥ずかしい姿を……」
ラフィエル「それは絶対にダメです! お嫁にいけません! 末代までの恥です!」
ラフィエル「ハッ! 私がここで力尽きてしまえば、私が末代です……」ガクガク
30: 2017/07/27(木) 21:07:34.875 ID:SzLfSCL+0
ラフィエル「そうです! 神足通がありました!」
ラフィエル「瞬間移動してヴィーネさんの家に行けば、きっと助けてくれるはず」
ラフィエル「ふー。精神を集中して……」シュインシュイン
ラフィエル「う、ダメです。こんな恰好じゃ心が乱れて……」
ラフィエル「こんな不安定なまま力を使えば、とんでもない場所に飛んでしまうかもしれません」
ラフィエル「他人の家ならまだいいですが、最悪空の上や、壁の中に移動してしまうかも……」ゾクッ
ラフィエル「神足通が使えないとなると……」
ラフィエル「瞬間移動してヴィーネさんの家に行けば、きっと助けてくれるはず」
ラフィエル「ふー。精神を集中して……」シュインシュイン
ラフィエル「う、ダメです。こんな恰好じゃ心が乱れて……」
ラフィエル「こんな不安定なまま力を使えば、とんでもない場所に飛んでしまうかもしれません」
ラフィエル「他人の家ならまだいいですが、最悪空の上や、壁の中に移動してしまうかも……」ゾクッ
ラフィエル「神足通が使えないとなると……」
31: 2017/07/27(木) 21:09:39.353 ID:SzLfSCL+0
ー30分後ー
ラフィエル「誰かああああ! 助けてくださああああい!!」
ラフィエル「動けないんですうううう! 誰かああああ!!!」
ラフィエル「はぁ、はぁ、うぅ……」
ラフィエル「ここは防音の部屋です……。いくら叫んでも声なんて最初から届かない……」
ラフィエル「うぅ、お金持ちの家なんかに生まれなければよかった……」
ラフィエル「誰かああああ! 助けてくださああああい!!」
ラフィエル「動けないんですうううう! 誰かああああ!!!」
ラフィエル「はぁ、はぁ、うぅ……」
ラフィエル「ここは防音の部屋です……。いくら叫んでも声なんて最初から届かない……」
ラフィエル「うぅ、お金持ちの家なんかに生まれなければよかった……」
33: 2017/07/27(木) 21:12:05.455 ID:SzLfSCL+0
ラフィエル「万策尽きました……」
ラフィエル「私はこの恥ずかしいポーズのまま天に召されるのです……」
ラフィエル「ああ、なんだか足の感覚がなくなってきました……」
ラフィエル「『睡眠のポーズ』がまさか『永眠のポーズ』になるなんて……」
ラフィエル「うふふ……えへへ……あっはっはっはっはっは!」
ラフィエル「……うぅ、ぐすん、ぐすん。お父様、お母様ごめんなさい」
ラフィエル「私は親不孝な娘でした。生まれ変わったらきっとまたお二人の娘として……」
ピンポーン ピンポーン ピポピポピポピンポーン♪
ラフィエル「!?」
ラフィエル「私はこの恥ずかしいポーズのまま天に召されるのです……」
ラフィエル「ああ、なんだか足の感覚がなくなってきました……」
ラフィエル「『睡眠のポーズ』がまさか『永眠のポーズ』になるなんて……」
ラフィエル「うふふ……えへへ……あっはっはっはっはっは!」
ラフィエル「……うぅ、ぐすん、ぐすん。お父様、お母様ごめんなさい」
ラフィエル「私は親不孝な娘でした。生まれ変わったらきっとまたお二人の娘として……」
ピンポーン ピンポーン ピポピポピポピンポーン♪
ラフィエル「!?」
35: 2017/07/27(木) 21:14:35.446 ID:SzLfSCL+0
ドンドンドン!
ラフィエル「こ、こんな夜中に一体誰が!?」
ラフィエル「すみませええええん! 助けてくださああああい!」
シーン……
ラフィエル「あぁ、行ってしまった?」
ラフィエル「鍵がかかってるから入れないんですね……」
ラフィエル「もう、望みが完全に断たれました……」
ラフィエル「こ、こんな夜中に一体誰が!?」
ラフィエル「すみませええええん! 助けてくださああああい!」
シーン……
ラフィエル「あぁ、行ってしまった?」
ラフィエル「鍵がかかってるから入れないんですね……」
ラフィエル「もう、望みが完全に断たれました……」
38: 2017/07/27(木) 21:16:43.225 ID:SzLfSCL+0
ガシャーン!
ラフィエル「!?」
サターニャ「ラフィエル! 助けにきたわよ!!」
ラフィエル「!?」
サターニャ「ラフィエル! 助けにきたわよ!!」
41: 2017/07/27(木) 21:20:46.493 ID:SzLfSCL+0
ー30分前 サターニャの家ー
サターニャ「ふっふっふ、魔界通販で取り寄せた最強アイテム!」
サターニャ「遠く離れた場所にいる相手の声を聞くことができる地獄耳補聴器、通称『デビルズイヤー』!」
サターニャ「これを使ってガヴリールの恥ずかしい声を聞いて精神を揺さぶってやるわ!」
サターニャ「ポチッとな」
ガヴリール『ぐーぐー、すぴーすぴー』
サターニャ「なっ!? いつもネトゲで徹夜してるくせになんで今日に限って寝てんのよ!」プンスカ
サターニャ「しょうがないわね。じゃあ次はラフィエルの声を……」
サターニャ「ポチッとな」
ラフィエル『誰かああああ! 誰か来てくださああああい! 助けてくださああああい!』
サターニャ「!?」
サターニャ「ふっふっふ、魔界通販で取り寄せた最強アイテム!」
サターニャ「遠く離れた場所にいる相手の声を聞くことができる地獄耳補聴器、通称『デビルズイヤー』!」
サターニャ「これを使ってガヴリールの恥ずかしい声を聞いて精神を揺さぶってやるわ!」
サターニャ「ポチッとな」
ガヴリール『ぐーぐー、すぴーすぴー』
サターニャ「なっ!? いつもネトゲで徹夜してるくせになんで今日に限って寝てんのよ!」プンスカ
サターニャ「しょうがないわね。じゃあ次はラフィエルの声を……」
サターニャ「ポチッとな」
ラフィエル『誰かああああ! 誰か来てくださああああい! 助けてくださああああい!』
サターニャ「!?」
44: 2017/07/27(木) 21:23:43.838 ID:SzLfSCL+0
ーラフィエルの家ー
サターニャ「と、いうわけなのよ」
ラフィエル「うええええん! サターニャさああああん! 怖かったですうううう!」ポロポロ
サターニャ「よしよし。もう泣くのはよしなさい。ほら、涙で顔がぐちゃぐちゃよ」ナデナデ
ラフィエル「ひっく、ひっく、本当にもう、ダメかと、思いました……」グスン
サターニャ「あんな大声で叫ぶから何事かと思ったわよ。てっきり強盗にでもあってるのかと思ったわ」
ラフィエル「うぅ……お恥ずかしい限りです……。あの、この事はみんなには……」
サターニャ「言うわけないでしょ? 悪魔が天使を救ったなんてことを知られたら、こっちが恥ずかしいわよ」
ラフィエル「うふふ、サターニャさん、優しいんですね?」クスクス
サターニャ「ち、違うわよ! 私は天使の家に、窓ガラスを破壊して侵入した大悪魔よ! 勘違いしないでよね!」
ラフィエル「はい! 私を救ってくれたヒーローの大悪魔ですね!」
サターニャ「なああああ! 違うわよおおお!」プルプル
サターニャ「と、いうわけなのよ」
ラフィエル「うええええん! サターニャさああああん! 怖かったですうううう!」ポロポロ
サターニャ「よしよし。もう泣くのはよしなさい。ほら、涙で顔がぐちゃぐちゃよ」ナデナデ
ラフィエル「ひっく、ひっく、本当にもう、ダメかと、思いました……」グスン
サターニャ「あんな大声で叫ぶから何事かと思ったわよ。てっきり強盗にでもあってるのかと思ったわ」
ラフィエル「うぅ……お恥ずかしい限りです……。あの、この事はみんなには……」
サターニャ「言うわけないでしょ? 悪魔が天使を救ったなんてことを知られたら、こっちが恥ずかしいわよ」
ラフィエル「うふふ、サターニャさん、優しいんですね?」クスクス
サターニャ「ち、違うわよ! 私は天使の家に、窓ガラスを破壊して侵入した大悪魔よ! 勘違いしないでよね!」
ラフィエル「はい! 私を救ってくれたヒーローの大悪魔ですね!」
サターニャ「なああああ! 違うわよおおお!」プルプル
45: 2017/07/27(木) 21:26:09.333 ID:SzLfSCL+0
ー1週間後ー
ラフィエル「……」
ラフィエル「ふぅ……宿題はこれくらいにしておきますかね」
ラフィエル「あら、もう1時……。また夜更かししてしまいました」
チャララー♪
『ミッドナイト・ヨーガ!』
ラフィエル「むむ、この番組は!」
『みなさんこんばんは! ミッドナイト・ヨーガのお時間がやってまいりました!』
ラフィエル「先週はこの番組のせいで酷い目にあいました」プンプン
ラフィエル「……」
ラフィエル「ふぅ……宿題はこれくらいにしておきますかね」
ラフィエル「あら、もう1時……。また夜更かししてしまいました」
チャララー♪
『ミッドナイト・ヨーガ!』
ラフィエル「むむ、この番組は!」
『みなさんこんばんは! ミッドナイト・ヨーガのお時間がやってまいりました!』
ラフィエル「先週はこの番組のせいで酷い目にあいました」プンプン
48: 2017/07/27(木) 21:28:35.488 ID:SzLfSCL+0
『ヨーガとは、心・体・魂を宇宙と一体化させることで、精神を鍛える修行法のこと』
ラフィエル「はいはい……」
『美容や健康に効果があるので、今や女性に大ブームなのです!』
ラフィエル「本当でしょうかね?」
『ヨーガを極めれば、腕が伸びたり、口から火を吹いたりもできるんだぜ!』
ラフィエル「それは遠慮して……」
ラフィエル「あっ!」
ラフィエル「腕が伸びれば玄関の鍵を開けられましたね……」
ガヴリールドロップアウト
『私のヒーローサタニキア』
-完-
ラフィエル「はいはい……」
『美容や健康に効果があるので、今や女性に大ブームなのです!』
ラフィエル「本当でしょうかね?」
『ヨーガを極めれば、腕が伸びたり、口から火を吹いたりもできるんだぜ!』
ラフィエル「それは遠慮して……」
ラフィエル「あっ!」
ラフィエル「腕が伸びれば玄関の鍵を開けられましたね……」
ガヴリールドロップアウト
『私のヒーローサタニキア』
-完-
49: 2017/07/27(木) 21:30:04.399 ID:SzLfSCL+0
終わりです。読んでくださってありがとうございました。
51: 2017/07/27(木) 21:35:04.569
サタニキアかっこいい乙
52: 2017/07/27(木) 21:36:11.941
乙
引用元: 【ガヴドロ】ラフィエル「ヨーガ?」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります